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【発明の名称】 竜巻発生方法及びその装置
【発明者】 【氏名】米堂 一征

【要約】 【課題】吸引口の対向面が遮蔽されていなくても、負圧コア部を有する竜巻を発生させ、その竜巻の特性を利用出来る竜巻発生方法及びその装置を提供する。

【解決手段】空気の吹出方向が同一回転方向となるように相互に配設した複数のエアー吹出孔2から空気を吹き出し、その空気流4の伴流作用によって旋回気流5を形成させ、旋回気流5の軸方向の一方を遮蔽しその遮蔽部6に設けた遮蔽側吸引口7から空気を吸引すると共に、旋回気流5の軸方向の他方を開放状態にし、その軸中心部に設けた小さな邪魔板8側から空気を吸引し、その際、遮蔽側吸引口7からの空気の吸引圧力P及び吸引量Vは、邪魔板8側からの空気の吸引圧力P及び 吸引量Vよりも高く及び多くすることにより、空気流4内に遮蔽側吸引口7に専ら向かう竜巻tを発生させ、竜巻tの特性を利用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】空気の吹出方向が同一回転方向となるように相互に配設した複数のエアー吹出孔から空気を吹き出し、その空気流の伴流作用によって旋回気流を形成させ、該旋回気流の軸方向の一方を遮蔽しその遮蔽部に設けた遮蔽側吸引口から空気を吸引すると共に、前記旋回気流の軸方向の他方を開放状態にし、その軸中心部に設けた小さな邪魔板側から空気を吸引し、その際、前記遮蔽側吸引口からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)は、前記邪魔板側からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)よりも高く及び多く(P>P、V>V)吸引することにより、前記空気流内に前記遮蔽側吸引口に専ら向かう竜巻を発生させるようにしたことを特徴とする竜巻発生方法。
【請求項2】エアー吹出孔を設けた複数のエアー吹出パイプを、空気の吹出方向が同一回転方向となるように相互に配設し、前記各エアー吹出孔から空気が吹き出た際生ずる空気流の伴流作用によって形成した旋回気流の軸方向の一方に、遮蔽部を設けると共に該遮蔽部に遮蔽側吸引口を設け、且つ前記旋回気流の軸方向の他方を開放状態にし、その軸中心部に小さな邪魔板及び開放側吸引口を順次離して設けてなり、前記遮蔽側吸引口からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)は、前記開放側吸引口からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)よりも高く及び多く(P>P、V>V)設定して、前記各エアー吹出孔から空気を吹き出すと共に前記遮蔽側吸引口及び前記開放側吸引口から空気を吸引することにより、前記空気流内に前記遮蔽側吸引口に専ら向かう竜巻を発生させるようにしたことを特徴とする竜巻発生装置。
【請求項3】筒体に1以上のエアー吹出孔を、これらからの空気の吹出方向が同一回転方向となるように設け、前記筒体の軸方向の一方に遮蔽板を設けると共に該遮蔽板に遮蔽側吸引口を設け、且つ前記筒体の他方を開放状態にし、その筒体の軸中心部に小さな邪魔板及び開放側吸引口を順次離して設けてなり、前記遮蔽側吸引口からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)は、前記開放側吸引口からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)よりも高く及び多く(P>P、V>V)設定して、前記1以上のエアー吹出孔から空気を吹き出すと共に前記遮蔽側吸引口及び前記開放側吸引口から空気を吸引することにより、前記筒体内に前記遮蔽側吸引口に専ら向かう竜巻を発生させるようにしたことを特徴とする竜巻発生装置。
【請求項4】複数のエアー吹出孔を、これらからの空気の吹出方向が同一回転方向となるように相互に配設し、前記複数のエアー吹出孔から空気が吹き出た際生ずる空気流の伴流作用によって形成した旋回気流の軸方向の一方に、遮蔽部を設けると共に該遮蔽部に遮蔽側吸引口を設け、且つ前記旋回気流の軸方向の他方を開放状態にし、その軸中心部に小さな邪魔板及び開放側吸引口を順次離して設けてなり、前記遮蔽側吸引口からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)は、前記開放側吸引口からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)よりも高く及び多く(P>P、V>V)設定して、前記複数のエアー吹出孔から空気を吹き出すと共に前記遮蔽側吸引口及び前記開放側吸引口から空気を吸引することにより、前記空気流内に前記遮蔽側吸引口に専ら向かう竜巻を発生させるようにしたことを特徴とする竜巻発生装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、竜巻の有する特性を多方面にわたり利用できるように、竜巻発生のメカニズムを制御して適切に竜巻を発生させ得るようにした竜巻発生方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の竜巻発生方法及びその装置は、図9に示すように、エアー吹出孔aを設けた複数のエアー吹出パイプbを空気の吹出方向が同一回転方向となるように、相互に垂直に床面cに配設し、複数のエアー吹出パイプbの上端側を天井遮蔽板dにて遮り、複数のエアー吹出パイプbのエアー吹出孔aから空気を吹き出し、複数のエアー吹出パイプb間の空間を囲うようにエアーカーテン(空気流)eを形成し、且つエアーカーテンeの伴流作用によって旋回気流sを形成させ、この旋回気流sの略中心軸線上に位置させて吸引口fを天井遮蔽板dに設けてなる。そして、複数のエアー吹出パイプbに空気を送り、エアー吹出孔aから空気を吹き出すと共に吸引口fから空気を吸引して、エアーカーテンe内に旋回気流sを形成させると共に、この旋回気流sの中心軸線に沿ったコアgと吸引口fに向かう気流とを形成させ、これら旋回気流s、コアg及び吸引口fに向かう気流の合成作用により、吸引口fに向かう竜巻tが発生している。すなわち、吸引口fの反対側に床面cがあることにより、床面cを起点としたコアgを有する安定した竜巻tが発生しているのである。
【0003】また、図10に示すようような竜巻発生方法及びその装置もある。これらの方法及び装置は、筒体であるパイプhを軸方向に半割りにして、スリットiを開けてエアー吹出孔aとし、パイプhの両端面を遮蔽板j、kで塞ぎ、いずれか一方の、例えば、遮蔽板jに吸引口fを設けてなる。そして、吸引口fから空気を吸引すると、スリットiであるエアー吹出孔aから空気が入り、あたかもエアー吹出孔aから空気が吹き出していることになり、パイプh内に旋回気流sを形成させると共に、この旋回気流sの中心軸線に沿ったコアgと吸引口fに向かう気流とを形成させ、これら旋回気流s、コアg及び吸引口fに向かう気流の合成作用により、吸引口fに向かう竜巻tが発生している。すなわち、吸引口fの反対側に遮蔽板kがあることにより、遮蔽板kを起点としたコアgを有する安定した竜巻tが発生しているのである。
【0004】また、図11、12に示すようような竜巻発生方法及びその装置もある。これらの方法及び装置は、複数のエアー吹出孔mを、これらからの空気の吹出方向が同一回転方向となるように相互に配設し、複数のエアー吹出孔mから空気が吹き出た際生ずるエアーカーテン(空気流)eの伴流作用によって形成した旋回気流sの軸方向の両側を、遮蔽板n、oで塞ぎ、いずれか一方の、例えば、遮蔽板nに吸引口fを設けてなる。そして、複数のエアー吹出孔mから空気を吹き出すと共に吸引口fから空気を吸引することにより、エアーカーテンe内に旋回気流sを形成させると共に、この旋回気流sの中心軸線に沿ったコアgと吸引口fに向かう気流とを形成させ、これら旋回気流s、コアg及び吸引口fに向かう気流の合成作用により、吸引口fに向かう竜巻tが発生している。すなわち、吸引口fの反対側に遮蔽板oがあることにより、遮蔽板oを起点としたコアgを有する安定した竜巻tが発生しているのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9に示す従来の竜巻発生方法及びその装置では、吸引口fを有する天井遮蔽板dの対向面である床面cを起点として、吸引口fに向かう竜巻tが発生しているから、この床面cを設けることが出来ない場合には単なる旋回気流のままで、コアgを有する竜巻tを発生させることができない。したがって、竜巻tの有する特性を利用することもできない。
【0006】また、図10に示す従来の竜巻発生方法及びその装置でも、吸引口fを有する遮蔽板jの対向面である遮蔽板kを起点として、吸引口fに向かう竜巻tが発生しているから、この遮蔽板kを設けることが出来ない場合には単なる旋回気流sのままで、コアgを有する竜巻tを発生させることができない。したがって、竜巻tの有する特性を利用することができない。
【0007】更に、図11、12に示す従来の竜巻発生方法及びその装置でも、吸引口fを有する遮蔽板nの対向面である遮蔽板oを起点として、吸引口fに向かう竜巻tが発生しているから、この遮蔽板oを設けることが出来ない場合には単なる旋回気流sのままで、コアgを有する竜巻tを発生させることができない。したがって、竜巻tの有する特性を利用することができない。
【0008】上記の図9乃至12において、床面c、遮蔽板k、oを設けることが出来ない場合に、竜巻t、t、t(以下、「竜巻t等」と言う)が発生しない理由は、次のように考えられる。竜巻t等は中心部のコアgとそのコアg外部を回る気流とで構成される。竜巻t等が安定状態にあるときは、コアg内部の気流とコアg外部の気流との間には、その構造上空気の出入りはほとんど無い。すなわち、床面c、遮蔽板k、oが有ると、竜巻t等の軸方向が蓋をされると共に、コアg内部の気流とコアg外部の気流との間に空気の出入りが制限される。したがって、竜巻t等のコアg内部の圧力は、軸方向に多少の圧力勾配があるものの、各吸引口f近辺の低い圧力に保持でき、コアgの境界がはっきりして細くなり、竜巻t等が安定状態となるのである。そして、竜巻t等におけるコアg周辺には、図2に示すように、その径方向の圧力降下に伴い軸心に向かう径方向の力Fxと、その軸方向の圧力勾配に伴い各吸引口fに向かう軸方向の力Fyとが掛かり、このFyと竜巻t等の安定度との間は互いに連動しており逆比例的関係にある。
【0009】したがって、床面c、遮蔽板k、oが無いと言うことは、竜巻t等の軸方向から空気が竜巻t等内に自在に入ることであるから、コアg内の軸方向の圧力勾配が大きくなるに連れて上記のFyが大きくなり、対照的に竜巻t等が弱くなる。すなわち、コアg内部の気流とコアg外部の気流との間における空気の出入りの制限以前に、コアg内部に直接空気が入って、竜巻t等のコアg内部の圧力は軸方向に大きな圧力勾配となり、各吸引口fより離れた位置では各吸引口f近辺の低い圧力を保持できず大気圧に近くなる。よって、Fxが限りなく小さくなり、コアgの境界が不明確となって、竜巻t等が不安定状態となり、一時的に弱くなったり、更に竜巻t等が消滅したりする。
【0010】そして、Fyが大きくなる場合は、上記した床面c、遮蔽板k、oが無いこと以外に、これらが有っても各吸引口fから離れ過ぎている場合や、障害物がある場合などが考えられる。このような場合にも、図9乃至12の竜巻発生方法及びその装置では、Fyが大きいため竜巻t等を安定して発生させることができない。従って、一つの解決方法としては、各吸引口fの逆方向に各吸引口を設け、両吸い込みとしてほぼ同量の吸引量とすることで、Fy−Fy≒0として小さくして竜巻t等を2次元的にし、コアg内部の軸方向の圧力を緩い圧力勾配とし、コアg内部を各吸引口f近辺の低い圧力を保持することでFxを大きくし、各吸引口f及び逆方向の各吸引口に向かう双方向の竜巻t等とし、安定して発生させている。しかし、これでは、竜巻t等を安定して発生させるための吸引動力が2倍近くとなり、更に大きな障害物がある場合では対応できない。
【0011】そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、遮蔽側吸引口の対向面が遮蔽されていなかったり大きな障害物があっても、少ない吸引動力で一の遮蔽側吸引口に向かうコアを有する竜巻を安定して発生させ、その竜巻の特性を利用することが出来る竜巻発生方法及びその装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1記載の竜巻発生方法は、空気の吹出方向が同一回転方向となるように相互に配設した複数のエアー吹出孔から空気を吹き出し、その空気流の伴流作用によって旋回気流を形成させ、該旋回気流の軸方向の一方を遮蔽しその遮蔽部に設けた遮蔽側吸引口から空気を吸引すると共に、前記旋回気流の軸方向の他方を開放状態にし、その軸中心部に設けた小さな邪魔板側から空気を吸引し、その際、前記遮蔽側吸引口からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)は、前記邪魔板側からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)よりも高く及び多く(P>P、V>V)吸引することにより、前記空気流内に前記遮蔽側吸引口に専ら向かう竜巻を発生させるようにしたことを特徴とする。したがって、この特徴によれば、竜巻の自由渦領域内の静圧は竜巻の軸中心に向かうにしたがい2乗に反比例して下がるから、邪魔板側からのわずかな空気の吸引により、本来そこに生じる筈の軸方向の圧力勾配に伴い遮蔽側吸引口に向かう軸方向の力に、十分対向出来る逆方向の力が生じて、コア内部の軸方向の圧力勾配が緩くなって、コア内部全体を遮蔽側吸引口近辺における低い圧力に近づけ保持でき、コアの境界がはっきりしてきてコアが細くなり、旋回気流の軸中心部にある小さな邪魔板を起点として、遮蔽側吸引口に専ら向かうコアを有する竜巻を発生させ得る。
【0013】そして、上記の竜巻発生方法は、以下に示す竜巻発生装置により実現される。請求項2記載の竜巻発生装置は、エアー吹出孔を設けた複数のエアー吹出パイプを、空気の吹出方向が同一回転方向となるように相互に配設し、前記各エアー吹出孔から空気が吹き出た際生ずる空気流の伴流作用によって形成した旋回気流の軸方向の一方に、遮蔽部を設けると共に該遮蔽部に遮蔽側吸引口を設け、且つ前記旋回気流の軸方向の他方を開放状態にし、その軸中心部に小さな邪魔板及び開放側吸引口を順次離して設けてなり、前記遮蔽側吸引口からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)は、前記開放側吸引口からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)よりも高く及び多く(P>P、V>V)設定して、前記各エアー吹出孔から空気を吹き出すと共に前記遮蔽側吸引口及び前記開放側吸引口から空気を吸引することにより、前記空気流内に前記遮蔽側吸引口に専ら向かう竜巻を発生させるようにしたことを特徴とする。したがって、この特徴によれば、小さな邪魔板を介して開放側吸引口からのわずかな空気の吸引により、コア内部の軸方向の圧力勾配が緩くなって、コア内部全体を遮蔽側吸引口近辺における低い圧力に近づけ保持でき、コアの境界がはっきりしてきてコアが細くなり、小さな邪魔板を起点として、遮蔽側吸引口に専ら向かうコアを有する竜巻を発生させ得る。
【0014】請求項3記載の竜巻発生装置は、筒体に1以上のエアー吹出孔を、これらからの空気の吹出方向が同一回転方向となるように設け、前記筒体の軸方向の一方に遮蔽板を設けると共に該遮蔽板に遮蔽側吸引口を設け、且つ前記筒体の他方を開放状態にし、その筒体の軸中心部に小さな邪魔板及び開放側吸引口を順次離して設けてなり、前記遮蔽側吸引口からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)は、前記開放側吸引口からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)よりも高く及び多く(P>P、V>V)設定して、前記1以上のエアー吹出孔から空気を吹き出すと共に前記遮蔽側吸引口及び前記開放側吸引口から空気を吸引することにより、前記筒体内に前記遮蔽側吸引口に専ら向かう竜巻を発生させるようにしたことを特徴とする。したがって、この特徴によれば、小さな邪魔板を介して開放側吸引口からのわずかな空気の吸引により、コア内部の軸方向の圧力勾配が緩くなって、コア内部全体を遮蔽側吸引口近辺における低い圧力に近づけ保持でき、コアの境界がはっきりしてきてコアが細くなり、小さな邪魔板を起点として、遮蔽側吸引口に専ら向かうコアを有する竜巻を発生させ得る。
【0015】請求項4記載の竜巻発生装置は、複数のエアー吹出孔を、これらからの空気の吹出方向が同一回転方向となるように相互に配設し、前記複数のエアー吹出孔から空気が吹き出た際生ずる空気流の伴流作用によって形成した旋回気流の軸方向の一方に、遮蔽部を設けると共に該遮蔽部に遮蔽側吸引口を設け、且つ前記旋回気流の軸方向の他方を開放状態にし、その軸中心部に小さな邪魔板及び開放側吸引口を順次離して設けてなり、前記遮蔽側吸引口からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)は、前記開放側吸引口からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)よりも高く及び多く(P>P、V>V)設定して、前記複数のエアー吹出孔から空気を吹き出すと共に前記遮蔽側吸引口及び前記開放側吸引口から空気を吸引することにより、前記空気流内に前記遮蔽側吸引口に専ら向かう竜巻を発生させるようにしたことを特徴とする。したがって、この特徴によれば、小さな邪魔板を介して開放側吸引口からのわずかな空気の吸引により、コア内部の軸方向の圧力勾配が緩くなって、コア内部全体を遮蔽側吸引口近辺における低い圧力に近づけ保持でき、コアの境界がはっきりしてきてコアが細くなり、小さな邪魔板を起点として、遮蔽側吸引口に専ら向かうコアを有する竜巻を発生させ得る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1〜8に基づいて詳述する。図1は本発明の方法を適用した実施の形態である竜巻発生装置を示す斜視図である。図面において、1は竜巻発生装置を示し、この竜巻発生装置1は、エアー吹出孔2を設けた複数のエアー吹出パイプ3を、空気の吹出方向が同一回転方向となるように相互に配設し、各エアー吹出孔2から空気が吹き出た際生ずる空気流4の伴流作用によって形成した旋回気流5の軸方向の一方に、遮蔽部6を設けると共に遮蔽部6に遮蔽側吸引口7を設け、且つ旋回気流5の軸方向の他方を開放状態にし、その軸中心部に小さな邪魔板8及び開放側吸引口9を順次離して設けてなり、遮蔽側吸引口7からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)は、開放側吸引口9からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)よりも高く及び多く(P>P、V>V)設定して、各エアー吹出孔2から空気を吹き出すと共に遮蔽側吸引口7及び開放側吸引口9から空気を吸引することにより、空気流4内に遮蔽側吸引口7に専ら向かう竜巻tを発生させるようにしたものである。
【0017】前記エアー吹出孔2は、この実施形態では単なる丸孔が所定の間隔で複数あるが、幅ぜまのスリットでも、方向転換出来るノズルであっても良く、首尾よくエアーカーテン状の空気流を生じさせ得るものであれば、特に限定がない。そして、このエアー吹出孔2を設けた複数のエアー吹出パイプ3は、この実施形態では4本あるが、最低限2本あれば良い。いずれにしても、複数のエアー吹出パイプ3は、エアー吹出孔2からの空気の吹出方向が同一回転方向となるように相互に配設されていれば足りる。なお、複数のエアー吹出パイプ3は、送風機等の送風装置(不図示)のデリバリー側に接続されている。
【0018】前記遮蔽部6は、板状であり空気流4の伴流作用によって形成した旋回気流5の軸方向の一方、すなわち、各エアー吹出パイプ3の上端部に渡されて設けられている。この遮蔽部6の略中心部、すなわち、前記旋回気流5の軸方向の略中心部にあたる遮蔽部6に遮蔽側吸引口7が設けられている。そして、この遮蔽側吸引口7は送風機等の吸引装置のサクション側に接続されている。
【0019】前記空気流4の伴流作用によって形成した旋回気流5の軸方向の他方、すなわち、各エアー吹出パイプ3の中間部よりやや下部にグレーチング10が渡されて設けられている。そして、このグレーチング10上のほぼ中央部には前記小さな邪魔板8が設けられ、グレーチング10より下の各エアー吹出パイプ3には側板11が張られ、更に、各エアー吹出パイプ3の下端には底板12が張られて、グレーチング10より下部はボックス13が形成されている。このボックス13の底板12には前記開放側吸引口9が設けられている。したがって、グレーチング10は大きく開口しているから開放状態と同様であり、各エアー吹出パイプ3のグレーチング10より下方にはエアー吹出孔2が設けられていないから、旋回気流5の軸方向の他方は、グレーチング10より上方に位置するようになって、開放されている状態である。更に、ボックス13の底板12には開放側吸引口9が設けられているが、この開放側吸引口9はグレーチング10よりはるか下方に設けられているのであって、旋回気流5の軸方向の他方は開放されている状態であることに、変わりはない。
【0020】そして、前記小さな邪魔板8は、円形板であるがその形状に限定されていない。この小さな邪魔板8がグレーチング10上のほぼ中央部に設けられている理由は、次の通りである。竜巻tは、図2に示すように、中心部のコア14とそのコア14外部を回る気流15とで構成され、コア14と気流15との間には空気の出入りが事実上若干あるから、それに起因してコア14内で遮蔽側吸引口7に向かう気流が生じている。したがって、コア14内には、遮蔽側吸引口7側の圧力が低く、邪魔板8側の圧力が高くなっている圧力勾配が軸方向に生じている。このコア14周辺の気流には、軸心に向かう径方向の力Fxと、遮蔽側吸引口7に向かう軸方向の力Fyとが掛かっている。Fxはそのコア14に向かって径方向の軸心に行くのに従う圧力降下に伴って発生するものであり、Fyはそのコア14周辺軸内の軸方向の圧力勾配に伴って発生するものである。これらのコア14の軸方向の圧力勾配の大きさと、竜巻tとの間は逆比例的関係にあり、すなわち、コアの軸方向の圧力勾配が大きいことはFyが大きいことを示して、Fyが大きいことはコア14内に空気が多く入ってくることを示し、その結果、コア14内の圧力が上昇してFxが小さくなり、竜巻tが弱り逐には破壊されることである。逆に、Fyが小さいことは、上記と逆に作用するから、竜巻tが強くなる。
【0021】そして、竜巻tは、その自由渦領域内において、その静圧が竜巻tのコア14の外郭に向かうにしたがい2乗に反比例して下がるから、その竜巻tを径方向にスライスした場合の静圧分布は、図3に示すように、圧力勾配16が生じている。仮に、この圧力勾配16に対して、小さな板17を置いた場合、静圧差Sがあるから竜巻tの旋回面に対し直角の成分を有する気流が旋回気流中の侵入し、Fyが大きくなり竜巻tが弱まり、遂には消滅してしまう。ここで、ダウンフローを生じさせてやると、図2の−Fyが生じ静圧差Sが減少して、小さな板17が図3の二点鎖線の位置にあるのと同じ状態となる。
【0022】したがって、この圧力勾配16を有する竜巻tの場合を、図1を模式化した図4で更に説明すると、グレーチング10上に実線で示す邪魔板8を設置し、この邪魔板8と圧力勾配16との関係から、グレーチング10を通って竜巻tの軸方向の気流が竜巻t内に侵入し、Fyを上昇させ竜巻tを弱くし逐には破壊させてしまう。ところが、−Fyを生じさせるため、開放側吸引口9から静圧差Sに相当する少量の空気を吸引すること(ダウンフローを生じさせてやること)により、邪魔板8はあたかも二点鎖線で示す大きさの邪魔板8となり、グレーチング10を通って気流が竜巻t内に侵入することが無くなる。このため、コア14内部全体を遮蔽側吸引口7近辺における低い圧力に近づけ保持でき、コア14の境界がはっきりしてきてコア14が細くなり、小さな邪魔板8を起点として、遮蔽側吸引口7に専ら向かうコア14を有する竜巻tを安定して発生させることが出来るのである。
【0023】次に、上記構成になる竜巻発生装置1により、竜巻発生方法を説明する。まず、複数のエアー吹出パイプ3に空気を送り、各エアー吹出孔2から空気を吹き出すと、複数のエアー吹出パイプ3間の空間を囲うようにエアーカーテン状の空気流4を形成し、この空気流4の伴流作用により旋回気流5を生じさせる。一方、遮蔽側吸引口7からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)が、開放側吸引口8からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)よりも高く及び多く設定してあり、この設定条件のもとで遮蔽側吸引口7及び小さな邪魔板8を介して開放側吸引口9から空気を吸引する。すなわち、開放側吸引口9から静圧差Sに相当する少量の空気を吸引することにより、−Fyを生じさせるから、小さな邪魔板8であっても、あたかも図4の二点鎖線で示す大きさの邪魔板8となり、グレーチング10を通って気流がコア14内に侵入せず、コア14の遮蔽側吸引口7近辺における低い圧力に近づけ保持でき、コア14の境界がはっきりしてコア14が細くなり、小さな邪魔板8を起点として、遮蔽側吸引口7に専ら向かう竜巻tを、エアーカーテン状の空気流4内に安定して発生させることが出来る。
【0024】図5は本発明の方法を適用した他の実施の形態である竜巻発生装置1aを示すもので、この竜巻発生装置1aと図1乃至3の竜巻発生装置1との相違点は、複数のエアー吹出パイプ3の代わりに、半割りの筒体20a、20aをスリットを開けて組み合わせ筒体20とし、このスリットを1以上のエアー吹出孔21として、エアー吹出孔21からの空気の吹出方向を筒体20の壁面に沿って同一回転方向となるようにし、筒体20の軸方向の一方に遮蔽部22を設けると共にこの遮蔽部22に遮蔽側吸引口23を設け、且つ筒体20の他方を開放状態にし、その筒体20の軸中心部に小さな邪魔板24及び筒体20下端の底板26に開放側吸引口25を順次離して設けた点にある。
【0025】そして、図1乃至3の竜巻発生装置1と同様に、遮蔽側吸引口23からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)を、開放側吸引口25からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)よりも高く及び多く設定してあるから、遮蔽側吸引口23及び小さな邪魔板24を介して開放側吸引口25から空気を吸引することにより、1以上のエアー吹出孔21から筒体20内に空気を吹き出すことになって旋回気流5が生じ、筒体20内に遮蔽側吸引口23に専ら向かう竜巻tを発生させることができる。
【0026】すなわち、この竜巻発生装置1aによっても、コア14内部全体を遮蔽側吸引口23近辺における低い圧力に近づけ保持でき、コア14の境界がはっきりしてきてコア14が細くなり、小さな邪魔板24を起点として、遮蔽側吸引口23に専ら向かう竜巻tを、筒体20内に安定して発生させ、本発明の方法を実現できる。その他の構成、作用は図1乃至3の竜巻発生装置1と同様なので、図面に符号を付してその説明を省略する。
【0027】図6は本発明の方法を適用した他の実施の形態である竜巻発生装置1a’を示すもので、この竜巻発生装置1a’と図5の竜巻発生装置1aとの相違点は、筒体20b内壁面に90度間隔で4本のエアー吹出パイプ3aを設置し、各エアー吹出パイプ3aのエアー吹出孔21aからの空気の吹出方向を筒体20bの内壁面に沿って同一回転方向となるようにし、筒体20bの中間部よりやや下にグレーチング10aを張り、そのグレーチング10aのほぼ中心部に小さな皿24aを設け、その皿24a上の燃焼源27が燃焼している点にある。この場合、遮蔽側吸引口23からの吸引量Q、開放側吸引口25からの吸引量Q’、エアー吹出パイプ3aの本数、燃焼源27の燃焼ガス量qとすると、筒体20a内が負圧となることにより、エアー吹出パイプ3a1本あたりに入る風量Qは、(Q+Q’−q)/nとなる。したがって、燃焼源27により燃焼ガス量qの発生があっても、その分エアー吹出パイプ3aからの風量Qが減り、吸引量Q+Q’とエアー吹出パイプ3aの風量Qとのバランスが自然に保たれる。その他の構成、作用は図5の竜巻発生装置1aと同様なので、図面に符号を付してその説明を省略する。
【0028】図7、8は本発明の方法を適用した他の実施の形態である竜巻発生装置1bを示すもので、この竜巻発生装置1bと図1乃至3の竜巻発生装置1との相違点は、遮蔽板30に複数のエアー吹出孔31を、これらからの空気の吹出方向が同一回転方向となるように相互に配設し、複数のエアー吹出孔31から空気が吹き出た際生ずる空気流4の伴流作用によって形成した旋回気流5の軸方向の一方に、上述の遮蔽板30が位置すると共に遮蔽板30に遮蔽側吸引口32を設け、且つ旋回気流5の軸方向の他方、すなわち、遮蔽板30の対向面にグレーチング33を設けて開放状態にし、そのグレーチング33の中心部に小さな邪魔板34を設けると共に、グレーチング33の下面に箱体35を取り付け、この箱体35の底板36に開放側吸引口37を旋回気流5の軸方向に位置させて設けた点にある。
【0029】そして、図1乃至3の竜巻発生装置1と同様に、遮蔽側吸引口32からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)を、開放側吸引口37からの空気の吸引圧力(P)及び吸引量(V)よりも高く及び多く設定して、複数のエアー吹出孔31から空気を吹き出すと共に遮蔽側吸引口32及び小さな邪魔板34を介して開放側吸引口37から空気を吸引することにより、遮蔽板30及びグレーチング33間の空間を囲うようにエアーカーテン状の空気流4を形成し、この空気流4の伴流作用によって旋回気流5を生じさせ、空気流4内に遮蔽側吸引口32に専ら向かう竜巻tを発生させることができる。
【0030】すなわち、この竜巻発生装置1bによっても、コア14の遮蔽側吸引口32近辺における低い圧力に近づけ保持でき、コア14の境界がはっきりしてきてコア14が細くなり、グレーチング33上の小さな邪魔板34を起点として、遮蔽側吸引口32に専ら向かう竜巻tを、エアーカーテン状の空気流4内に安定して発生させ、本発明の方法を実現できる。その他の構成、作用は図1乃至3の竜巻発生装置1と同様なので、図面に符号を付してその説明を省略する。
【0031】以上、本発明の実施形態を説明したが、具体的な構成はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内での変更、追加は本発明の範囲内である。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の竜巻発生方法及びその装置によれば、以下のような効果が期待出来る。請求項1の発明は、竜巻の自由渦領域内の静圧は竜巻の軸中心に向かうにしたがい2乗に反比例して下がるから、邪魔板側からのわずかな空気の吸引により、竜巻内の軸方向の気流をコントロールできて、コア内部の軸方向の圧力勾配が緩くなって、コア内部全体を遮蔽側吸引口近辺における低い圧力に近づけ保持でき、コアの境界がはっきりしてきてコアが細くなり、旋回気流の軸中心部にある小さな邪魔板を起点として、遮蔽側吸引口に専ら向かうコアを有する竜巻を発生させ得る。したがって、この発明方法によれば、遮蔽側吸引口の対向面が遮蔽されていなくても、小さな邪魔板があれば、遮蔽側吸引口に向かうコアを有する竜巻を発生させることが出来て、この竜巻の有する特性を安定して利用できる。
【0033】請求項2の発明は、小さな邪魔板を介して開放側吸引口からのわずかな空気の吸引により、コア内部の軸方向の圧力勾配が緩くなって、コア内部全体を遮蔽側吸引口近辺における低い圧力に近づけ保持でき、コアの境界がはっきりしてきてコアが細くなり、小さな邪魔板を起点として、遮蔽側吸引口に専ら向かうコアを有する竜巻を発生させ得る。したがって、この発明装置によれば、複数のエアー吹出パイプからの空気の吹き出しにより空気流を形成し、この空気流内における遮蔽側吸引口の対向面が遮蔽されていなくても、小さな邪魔板があれば、上記と同様の竜巻を発生させ、この竜巻の有する特性を安定して利用できる。
【0034】請求項3の発明は、小さな邪魔板を介して開放側吸引口からのわずかな空気の吸引により、コア内部の軸方向の圧力勾配が緩くなって、コア内部全体を遮蔽側吸引口近辺における低い圧力に近づけ保持でき、コアの境界がはっきりしてきてコアが細くなり、小さな邪魔板を起点として、遮蔽側吸引口に専ら向かうコアを有する竜巻を発生させ得る。したがって、この発明装置によれば、筒体内における遮蔽側吸引口の対向面が遮蔽されていなくても、小さな邪魔板があれば、上記と同様の竜巻を発生させ、この竜巻の有する特性を安定して利用できる。
【0035】請求項4の発明は、小さな邪魔板を介して開放側吸引口からのわずかな空気の吸引により、コア内部の軸方向の圧力勾配が緩くなって、コア内部全体を遮蔽側吸引口近辺における低い圧力に近づけ保持でき、コアの境界がはっきりしてきてコアが細くなり、小さな邪魔板を起点として、遮蔽側吸引口に専ら向かうコアを有する竜巻を発生させ得る。したがって、この発明装置によれば、空気流内における遮蔽側吸引口の対向面が遮蔽されていなくても、小さな邪魔板があれば、上記と同様の竜巻を発生させ、この竜巻の有する特性を安定して利用できる。
【出願人】 【識別番号】000228028
【氏名又は名称】株式会社トルネックス
【出願日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−162076(P2002−162076A)
【公開日】 平成14年6月7日(2002.6.7)
【出願番号】 特願2000−403012(P2000−403012)