| 【発明の名称】 |
空気調和装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】奥沢 良幸
【氏名】木下 歓治郎
【氏名】繁沢 亨
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| 【要約】 |
【課題】1つの空調ユニットから複数の吹出口へ調和空気を分配する空気調和装置において、吹出ファンの運転に伴う騒音を低減して快適性の向上を図る。
【解決手段】空調ユニット(10)を住宅の天井裏に設ける。空調ユニット(10)には、熱交換コイル(20)を設ける。吹出ユニット(30,40)を各居室(71,72)に1つずつ設ける。吹出ユニット(30,40)には、吹出ファン(32,42)を1つずつ設ける。各吹出ファン(32,42)を運転すると、空調ユニット(10)の調和空気が吹出ユニット(30,40)へ吸引され、吹出口(31,41)から居室(71,72)へ供給される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 空気を加熱又は冷却するための熱交換器(20)を有し、少なくとも室内空気を上記熱交換器(20)へ送って調和空気を生成する空調ユニット(10)と、上記空調ユニット(10)で生成された調和空気を吹き出すために室内に開口する複数の吹出口(31,41)と、上記各吹出口(31,41)に対応して1つずつ設けられ、上記空調ユニット(10)へ室内空気が吸い込まれるように該空調ユニット(10)から調和空気を吸引し、吸引した調和空気を対応する吹出口(31,41)に向けて送り出す吹出ファン(32,42)とを備えている空気調和装置。 【請求項2】 請求項1記載の空気調和装置において、吹出ファン(32,42)は、回転速度の変更により送風能力が可変に構成されている空気調和装置。 【請求項3】 請求項2記載の空気調和装置において、複数の吹出口(31,41)のうち一部の吹出口(31)からだけ調和空気の吹き出しを行う場合であっても、調和空気の吹き出しを行わない吹出口(41)へ室内空気が流入するのを阻止するために該吹出口(41)に対応する吹出ファン(42)を所定の能力で運転する空気調和装置。 【請求項4】 請求項1又は2記載の空気調和装置において、室内空気を吸引して室外へ排出するための排気ファン(56)と、室外空気を吸引して空調ユニット(10)の熱交換器(20)へ供給するための給気ファン(55)とを備え、上記空調ユニット(10)は、室内空気と上記給気ファン(55)により供給された室外空気とを熱交換器(20)へ送って調和空気を生成するように構成されている空気調和装置。 【請求項5】 請求項4記載の空気調和装置において、空調ユニット(10)は、熱交換器(20)、排気ファン(56)、及び給気ファン(55)を1つのケーシング(11)に収納して構成されている空気調和装置。 【請求項6】 請求項4記載の空気調和装置において、空調ユニット(10)は、給気ファン(55)から吹き出されて流動する室外空気の空気誘引効果を利用して室内空気を吸い込むように構成されている空気調和装置。 【請求項7】 請求項4記載の空気調和装置において、排気ファン(56)から吹き出された室内空気を室外へ導くための排気通路(64)と、室外空気を給気ファン(55)へ導くための給気通路(63)とが区画形成され、排気通路(64)を流れる室内空気と給気通路(63)を流れる室外空気とを熱交換させるように構成された換気ダクト(60)を備えている空気調和装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、冷房又は暖房を行う空気調和装置に関し、特に1箇所で生成した調和空気を複数の吹出口へ分配するものに係る。 【0002】 【従来の技術】従来より、1つの空調ユニットで空気を加熱又は冷却して調和空気を生成し、得られた調和空気を複数の部屋へ導く空気調和装置が知られている。この種の空気調和装置としては、日本冷凍協会発行の「冷凍空調便覧 新版・第5版 三巻空気調和編」61〜72ページに開示されているような、いわゆるダクト方式のものがある。 【0003】上記空気調和装置では、空調ユニットにファンが設けられると共に、空調ユニットと複数の部屋がダクトで連通されている。空調ユニットのファンを運転すると、空調ユニットに室内空気が吸い込まれる。空調ユニットでは、吸い込んだ室内空気を加熱し、又は冷却して調和空気を生成する。生成した調和空気は、ダクトを通じて各部屋へ供給される。 【0004】また、上記空気調和装置において、空調ユニットと各部屋を連通させるダクトの長さは異なるのが通常である。従って、空調ユニットと各部屋との間に単にダクトを設けただけでは、部屋ごとに調和空気の供給量が異なり、適切な空調が困難となる。そこで、上記空気調和装置では、ダクトごとに絞りダンパを設け、その開度を調節することで各部屋に対する調和空気の供給量の均一化を図るのが一般的である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記空気調和装置のように、空調ユニットに設けた1つのファンで各部屋へ調和空気を供給しようとすると、空調ユニットのファンとしては、かなり送風能力の大きなものを用いねばならない。このため、ファンの運転に伴う騒音が大きくなり、このファンの運転音がダクトを通じて室内に伝わって快適性を損なうおそれがあった。 【0006】また、上記空気調和装置では、調和空気の供給量を均一化するために絞りダンパを用いている。つまり、各部屋へ向かう調和空気の流れに対する抵抗を調節することで、ダクト長の相違に対応している。このため、絞りダンパの抵抗の分だけファンの運転に要する動力が浪費されることとなり、省エネルギの観点からすると好ましいものではなかった。 【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ファンの運転に伴う騒音を低減して快適性の向上を図ると共に、ファンの運転に要するエネルギを削減して空気調和装置の消費エネルギを削減することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明が講じた第1の解決手段は、空気調和装置を対象とし、空気を加熱又は冷却するための熱交換器(20)を有し、少なくとも室内空気を上記熱交換器(20)へ送って調和空気を生成する空調ユニット(10)と、上記空調ユニット(10)で生成された調和空気を吹き出すために室内に開口する複数の吹出口(31,41)と、上記各吹出口(31,41)に対応して1つずつ設けられ、上記空調ユニット(10)へ室内空気が吸い込まれるように該空調ユニット(10)から調和空気を吸引し、吸引した調和空気を対応する吹出口(31,41)に向けて送り出す吹出ファン(32,42)とを設けるものである。 【0009】本発明が講じた第2の解決手段は、上記第1の解決手段において、吹出ファン(32,42)は、回転速度の変更により送風能力が可変に構成されるものである。 【0010】本発明が講じた第3の解決手段は、上記第2の解決手段において、複数の吹出口(31,41)のうち一部の吹出口(31)からだけ調和空気の吹き出しを行う場合であっても、調和空気の吹き出しを行わない吹出口(41)へ室内空気が流入するのを阻止するために該吹出口(41)に対応する吹出ファン(42)を所定の能力で運転するものである。 【0011】本発明が講じた第4の解決手段は、上記第1又は第2の解決手段において、室内空気を吸引して室外へ排出するための排気ファン(56)と、室外空気を吸引して空調ユニット(10)の熱交換器(20)へ供給するための給気ファン(55)とを備え、上記空調ユニット(10)は、室内空気と上記給気ファン(55)により供給された室外空気とを熱交換器(20)へ送って調和空気を生成するように構成されるものである。 【0012】本発明が講じた第5の解決手段は、上記第4の解決手段において、空調ユニット(10)は、熱交換器(20)、排気ファン(56)、及び給気ファン(55)を1つのケーシング(11)に収納して構成されるものである。 【0013】本発明が講じた第6の解決手段は、上記第4の解決手段において、空調ユニット(10)は、給気ファン(55)から吹き出されて流動する室外空気の空気誘引効果を利用して室内空気を吸い込むように構成されるものである。 【0014】本発明が講じた第7の解決手段は、上記第4の解決手段において、排気ファン(56)から吹き出された室内空気を室外へ導くための排気通路(64)と、室外空気を給気ファン(55)へ導くための給気通路(63)とが区画形成され、排気通路(64)を流れる室内空気と給気通路(63)を流れる室外空気とを熱交換させるように構成された換気ダクト(60)を備えるものである。 【0015】−作用−上記第1の解決手段では、空調ユニット(10)、吹出口(31,41)、及び吹出ファン(32,42)が空気調和装置に設けられる。吹出口(31,41)は、複数設けられており、室内に開口している。この吹出口(31,41)に対応して、吹出ファン(32,42)が1つずつ設けられている。つまり、上記空気調和装置には、吹出口(31,41)と同数の吹出ファン(32,42)が設けられている。 【0016】空調ユニット(10)には、熱交換器(20)が設けられる。この熱交換器(20)は、例えば冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続され、冷媒回路で循環する冷媒と空気とを熱交換させる。空調ユニット(10)には、室内から室内空気が吸い込まれる。空調ユニット(10)では、少なくともこの室内空気が熱交換器(20)へ送り込まれる。熱交換器(20)では、送り込まれた空気が加熱され又は冷却されて調和空気となる。 【0017】空調ユニット(10)で生成した調和空気は、各吹出ファン(32,42)によって吸引されて空調ユニット(10)から流出する。また、吹出ファン(32,42)により調和空気が空調ユニット(10)から吸い出されるため、空調ユニット(10)に室内空気が吸い込まれる。各吹出ファン(32,42)は、吸い込んだ調和空気を対応する吹出口(31,41)に向けて送り出す。つまり、1つの吹出口(31,41)へ送られる調和空気は、その吹出口(31,41)に対応する1つの吹出ファン(32,42)によって空調ユニット(10)から吸引されたものである。調和空気は、吹出口(31,41)を通って室内へ供給され、室内の暖房や冷房に利用される。 【0018】上記第2の解決手段では、吹出ファン(32,42)が、回転速度(単位時間あたりの回転数)の変更によって送風能力を変更可能に構成される。空気調和装置の運転中において、吹出口(31,41)ごとに異なる量の調和空気を供給したい場合がある。このような場合には、吹出口(31,41)に対応する吹出ファン(32,42)の回転速度を個々に調節すれば、吹出口(31,41)ごとに調和空気の供給量が変更される。 【0019】上記第3の解決手段では、空気調和装置において一部の吹出口(31)からだけ調和空気を吹き出す運転を行う場合であっても、調和空気が吹き出されない残りの吹出口(41)に対応する吹出ファン(42)を所定の能力で運転し続ける。つまり、調和空気を吹き出さない吹出口(41)に対応する吹出ファン(42)を停止してしまうと、この吹出口(41)に対しては、運転を続ける吹出ファン(32)の吸引力によって室内空気が流入してしまう。調和空気を吹き出さない吹出口(41)への室内空気の逆流を阻止できる程度の能力で、その吹出口(41)に対応する吹出ファン(42)の運転を継続させる。 【0020】上記第4の解決手段では、排気ファン(56)と給気ファン(55)とが、空気調和装置に設けられる。排気ファン(56)は、例えばトイレや洗面所等の室内から室内空気を吸引する。排気ファン(56)から吹き出された室内空気は、その後に換気排気として室外へ排出される。一方、給気ファン(55)は、室外から室外空気を吸引する。給気ファン(55)から吹き出された室外空気は、その後に新鮮外気として空調ユニット(10)の熱交換器(20)へ供給される。 【0021】空調ユニット(10)では、室内から吸い込まれた室内空気、及び給気ファン(55)によって供給された室外空気の両方が熱交換器(20)へ送り込まれる。熱交換器(20)では、送り込まれた室内空気及び室外空気が加熱され又は冷却され、調和空気が生成する。生成した調和空気は、吹出ファン(32,42)により吸引され、吹出口(31,41)を通じて室内へ供給される。 【0022】上記第5の解決手段では、空調ユニット(10)のケーシング(11)に熱交換器(20)、排気ファン(56)、及び給気ファン(55)が収納される。つまり、熱交換器(20)、排気ファン(56)、及び給気ファン(55)は、1つのケーシング(11)に収納されて一体の空調ユニット(10)を形成する。 【0023】上記第6の解決手段では、空調ユニット(10)において、給気ファン(55)から吹き出された室外空気が熱交換器(20)へ向かって流れる。給気ファン(55)から吹き出された室外空気は、噴流状に流れており、その粘性作用によって周囲の空気を巻き込んで流れる。本明細書では、このような噴流状の空気流が周囲の空気を巻き込む効果を、空気誘引効果という。そして、空調ユニット(10)において噴流状に流れる室外空気の空気誘引効果により、室内空気が室内から空調ユニット(10)へ効率的に吸い込まれる。 【0024】上記第7の解決手段では、換気ダクト(60)が空気調和装置に設けられる。換気ダクト(60)には、排気通路(64)と給気通路(63)とが区画形成される。排気ファン(56)から吹き出された室内空気は、排気通路(64)を通って室外へ排気される。また、室外空気は、給気通路(63)を通って給気ファン(55)に吸い込まれる。換気ダクト(60)では、排気通路(64)を流れる室内空気と、給気通路(63)を流れる室外空気とが熱交換を行う。 【0025】例えば、室内が冷房されている夏期には、室内空気が室外空気よりも低温となっている。この場合、室内空気と室外空気とを換気ダクト(60)で熱交換させると、室外へ排気される室内空気の冷熱が、空調ユニット(10)の熱交換器(20)へ供給される室外空気に回収される。一方、室内が暖房されている冬期には、室内空気が室外空気よりも高温となっている。この場合、室内空気と室外空気とを換気ダクト(60)で熱交換させると、室外へ排気される室内空気の温熱が、空調ユニット(10)の熱交換器(20)へ供給される室外空気に回収される。 【0026】 【発明の効果】本発明では、空調ユニット(10)に大型のファンを1つ設けるのではなく、各吹出口(31,41)に対応して複数の吹出ファン(32,42)を設け、この吹出ファン(32,42)の運転によって室内へ調和空気を供給している。従って、従来の空調ユニット(10)に設けられるファンに比べ、より小型のものを吹出ファン(32,42)として用いることができる。このため、個々の吹出ファン(32,42)について見ると、従来の大型のファンに比べて運転に伴う騒音が低くなる。この結果、吹出口(31,41)から室内へ漏れ込む吹出ファン(32,42)の運転騒音を従来に比べて削減でき、室内の快適性を向上させることができる。 【0027】また、本発明では、1つの吹出口(31,41)に対応して1つの吹出ファン(32,42)を設けている。このため、空調ユニット(10)から吹出口(31,41)までの距離がそれぞれ異なる場合であっても、各吹出口(31,41)に対応して適当な能力の吹出ファン(32,42)を設けることで、各吹出口(31,41)からの調和空気の吹き出し量を均一化できる。つまり、従来のように絞りダンパの抵抗によってではなく、吹出ファン(32,42)ごとに異なる能力のものを用いることによって、各吹出口(31,41)から調和空気を平均的に吹き出すことができる。従って、吹出ファン(32,42)の運転に要する動力が絞りダンパの抵抗によって浪費されるという問題は生じず、吹出ファン(32,42)の運転動力を削減することで空気調和装置の運転に要するエネルギを削減できる。 【0028】上記第2の解決手段によれば、吹出ファン(32,42)ごとに回転速度を変更することで、吹出口(31,41)ごとに異なる量の調和空気を室内へ送り込むことができる。ここで、従来は、吹出口(31,41)ごとに調和空気の吹出量を変更するために、複数の吹出口(31,41)ごとにVAV(variable air volume)ユニットを設けていた。これに対し、本解決手段によれば吹出ファン(32,42)の回転速度を調節することで吹出口(31,41)ごとに調和空気の吹出量を変更できるため、従来のようなVAVユニットは不要となる。このため、吹出口(31,41)ごとに調和空気の吹出量を変更するという機能は確保した上で、空気調和装置の構成部品数を削減して製造コストを低減することができる。 【0029】また、従来において絞り形のVAVユニットを用いた場合には、絞りダンパにより風量の均一化を図る場合と同様に、VAVユニットの抵抗によりファンの運転動力が浪費されるという問題が生じる。これに対して、本解決手段では、吹出ファン(32,42)の回転速度を調節することで調和空気の吹出量を変更できるため、吹出ファン(32,42)の運転動力がVAVユニットの抵抗に食われることがなく、吹出ファン(32,42)の運転動力を低く抑えることができる。 【0030】上記第3の解決手段によれば、調和空気を吹き出さない吹出口(41)に対応する吹出ファン(42)を運転し続けている。このため、吹出口(31,41)をシャッタ等で塞がなくても、調和空気が吹き出されない吹出口(41)から室内空気が流入するのを回避できる。従って、室内空気の逆流を防止のためのシャッタ等は不要となり、空気調和装置の構成を簡素化できる。 【0031】上記第4〜第7の解決手段では、排気ファン(56)により吸引した室内空気が室外へ排気され、給気ファン(55)により吸引した室外空気が調和空気として室内へ供給される。従って、これら解決手段によれば、室内の暖房や冷房に加えて換気をも行うことができ、室内の快適性を一層向上させることができる。 【0032】上記第5の解決手段では、熱交換器(20)、排気ファン(56)、及び給気ファン(55)が一体の空調ユニット(10)を構成している。このため、空気調和装置を住宅等の建物に設置する場合は、空調ユニット(10)を設置することによって、熱交換器(20)、排気ファン(56)、及び給気ファン(55)の全てを設置できることとなる。従って、本解決手段によれば、空気調和装置を設置する際の工数を削減でき、設置に要するコストも低減できる。 【0033】上記第6の解決手段では、吹出ファン(32,42)の吸引力に加え、給気ファン(55)から吹き出される室外空気の空気誘引効果をも利用して空調ユニット(10)へ室内空気を取り込んでいる。このため、給気ファン(55)の駆動に要する動力を室内空気の吸引に有効利用でき、その分だけ吹出ファン(32,42)の駆動に要する動力を低減することが可能となる。 【0034】上記第7の解決手段では、換気排気としての室外空気と新鮮外気としての室外空気とを、換気ダクト(60)において熱交換させている。このため、換気排気である室外空気から冷熱や温熱を回収でき、換気に伴う空調負荷の増大を抑制することができる。 【0035】 【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態1に係る空気調和装置は、住宅の全館空調を行うものである。 【0036】図1に示すように、上記空気調和装置は、住宅に設置されている。この空気調和装置は、空調ユニット(10)、吸込ユニット(25)、及び室外ユニット(21)を1つずつ備え、吹出ユニット(30,40)を2つ備えている。また、空気調和装置が設置される住宅には、リビングや寝室等の居室(71,72)と、廊下(73)と、洗面所やトイレ等のユーティリティー(74)とが設けられている。これらの居室(71,72)や廊下(73)などは、ドアの隙間や通気用のガラリによって相互に空気が出入りできるようになっている。 【0037】上記空調ユニット(10)は、直方体状のケーシング(11)に熱交換コイル(20)を収納して構成され、住宅の屋根裏の空間に設置されている。熱交換コイル(20)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であって、一対の連絡配管(22)を介して室外ユニット(21)と接続されている。室外ユニット(21)には、図示しないが、圧縮機や室外熱交換器が収納されている。これら圧縮機等が連絡配管(22)によって熱交換コイル(20)と接続されて、閉回路の冷媒回路(23)が形成される。この冷媒回路(23)では、冷媒が相変化しつつ循環して冷凍サイクルが行われる。 【0038】上記吸込ユニット(25)は、直方体状に形成され、その底部に吸込口(26)が形成されている。吸込ユニット(25)は、廊下(73)の天井に埋め込まれた状態で設置されている。吸込ユニット(25)の吸込口(26)は、廊下(73)の天井に開口しているこの吸込口(26)を通じて、吸込ユニット(25)へ廊下(73)から室内空気が取り込まれる。また、吸込ユニット(25)には、エアフィルタ(27)が設けられている。このエアフィルタ(27)は、吸込ユニット(25)に取り込まれた室内空気から埃などを取り除くために設けられている。尚、本実施形態では吸込ユニット(25)にエアフィルタ(27)を設けているが、これに代えて脱臭等を行う空気清浄機を設けてもよく、またエアフィルタ(27)と空気清浄機の両方を設けてもよい。 【0039】上記吸込ユニット(25)は、吸込ダクト(28)を介して空調ユニット(10)に接続されている。吸込ダクト(28)は、その入口端が吸込ユニット(25)におけるエアフィルタ(27)の下流側に接続され、その出口端が空調ユニット(10)における熱交換コイル(20)の上流側に接続されている。 【0040】上記吹出ユニット(30,40)は、直方体状に形成され、その底部に吹出口(31,41)が形成されている。吹出ユニット(30,40)の内部には、吹出ファン(32,42)が収納されている。吹出ファン(32,42)は、その回転速度(単位時間あたりの回転数)を変更することで、その送風能力が変更可能に構成されている。また、吹出ユニット(30,40)には、居室(71,72)内の気温を検出する室温センサ(34,44)が接続されている。この室温センサ(34,44)の検出値に基づいて、吹出ファン(32,42)の回転数が調節される。 【0041】上記2つの吹出ユニット(30,40)のうち、第1吹出ユニット(30)は、第1居室(71)の天井に埋め込まれた状態で設置されている。第1吹出ユニット(30)は、第1吹出ダクト(35)を介して空調ユニット(10)に接続されている。第1吹出ダクト(35)は、その入口端が空調ユニット(10)における熱交換コイル(20)の下流側に接続され、その出口端が第1吹出ユニット(30)に接続されている。また、第1吹出ユニット(30)の第1吹出口(31)は、第1居室(71)の天井に開口している。第1吹出ユニット(30)の第1吹出ファン(32)を運転すると、第1吹出ダクト(35)を通じて調和空気が吸引され、第1吹出口(31)を通じて第1居室(71)へ供給される。 【0042】一方、第2吹出ユニット(40)は、第2居室(72)の天井に埋め込まれた状態で設置されている。第2吹出ユニット(40)は、第2吹出ダクト(45)を介して空調ユニット(10)に接続されている。第2吹出ダクト(45)は、その入口端が空調ユニット(10)における熱交換コイル(20)の下流側に接続され、その出口端が第2吹出ユニット(40)に接続されている。また、第2吹出ユニット(40)の第2吹出口(41)は、第2居室(72)の天井に開口している。第2吹出ユニット(40)の第2吹出ファン(42)を運転すると、第2吹出ダクト(45)を通じて調和空気が吸引され、第2吹出口(41)を通じて第2居室(72)へ供給される。 【0043】このように、本実施形態1では、第1吹出ユニット(30)の第1吹出口(31)に対応して第1吹出ファン(32)が設けられ、第2吹出ユニット(40)の第2吹出口(41)に対応して第2吹出ファン(42)が設けられている。つまり、吹出口(31,41)ごとに吹出ファン(32,42)が1つずつ設けられている。尚、本実施形態1では吹出ユニット(30,40)に吹出ファン(32,42)を設けているが、これに代えて吹出ユニット(30,40)と空調ユニット(10)を連通させる吹出ダクト(35,45)の途中に吹出ファン(32,42)を設けてもよい。 【0044】−運転動作−空気調和装置の運転中には、冷媒回路(23)で冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。冷房運転時には、熱交換コイル(20)が蒸発器となる。この場合、熱交換コイル(20)では、冷媒が空気から吸熱して蒸発し、空気の冷却が行われる。一方、暖房運転時には、熱交換コイル(20)が凝縮器となる。この場合、熱交換コイル(20)では、冷媒が空気へ放熱して凝縮し、空気の加熱が行われる。 【0045】第1及び第2吹出ファン(32,42)を運転すると、廊下(73)の室内空気が吸込口(26)を通って吸込ユニット(25)に取り込まれる。吸込ユニット(25)に流入した室内空気は、エアフィルタ(27)において浄化された後に、吸込ダクト(28)を通じて空調ユニット(10)に送り込まれる。空調ユニット(10)では、送り込まれた室内空気が熱交換コイル(20)において冷却され又は加熱されて調和空気となる。 【0046】空調ユニット(10)の調和空気は、その一部が第1吹出ダクト(35)へ流入し、残りが第2吹出ダクト(45)へ流入する。第1吹出ダクト(35)を流れる調和空気は、第1吹出ユニット(30)の第1吹出口(31)を通って第1居室(71)へ供給される。第2吹出ダクト(45)を流れる調和空気は、第2吹出ユニット(40)の第2吹出口(41)を通って第2居室(72)へ供給される。第1,第2居室(71,72)の室内空気は、ドアの隙間や通気用のガラリを通って廊下(73)へと流出する。 【0047】各吹出ファン(32,42)は、対応する室温センサ(34,44)の検出温度に基づいて、それぞれ独立して送風能力が制御される。具体的に、第1吹出ファン(32)の送風能力は、第1室温センサ(34)が検出する第1居室(71)の室温に基づいて調節される。一方、第2吹出ファン(42)の送風能力は、第2室温センサ(44)が検出する第2居室(72)の室温に基づいて調節される。 【0048】空気調和装置の運転中において、何れか一方の居室(71,72)の空調だけが求められることある。このときの動作について、第1居室(71)の空調のみを行う場合、即ち第1吹出口(31)のみから調和空気を吹き出して第2吹出口(41)からは調和空気を吹き出さない場合を例に説明する。 【0049】この場合において、第1吹出ファン(32)は、第1室温センサ(34)の検出値に基づいて送風能力が調節される。一方、第2吹出ファン(42)も、所定の能力で運転が継続される。つまり、この場合に第2吹出ファン(42)を停止してしまうと、運転されている第1吹出ファン(32)の吸引力によって第2吹出口(41)を通って室内空気が逆流し、逆流した室内空気が調和空気に混入してしまう。そこで、第2居室(72)の室内空気が第2吹出口(41)へ流入するのを阻止すべく、そのために必要となる最小限の送風能力で第2吹出ファン(42)を運転し続ける。 【0050】−実施形態1の効果−本実施形態1では、空調ユニット(10)に大型のファンを1つ設けるのではなく、各吹出ユニット(30,40)に吹出ファン(32,42)を1つずつ設け、この吹出ファン(32,42)の運転によって室内へ調和空気を供給している。従って、吹出ファン(32,42)としては、従来の空調ユニット(10)に設けられるファンに比べて送風能力の小さいもの用いることができる。このため、個々の吹出ファン(32,42)について見ると、従来の大型のファンに比べて運転騒音が小さくなる。この結果、吹出ユニット(30,40)の吹出口(31,41)から室内へ漏れ込む吹出ファン(32,42)の運転騒音を従来に比べて低減でき、室内の快適性を向上させることができる。 【0051】また、本実施形態1では、1つの吹出口(31,41)に対応して1つの吹出ファン(32,42)を設けている。このため、第1吹出ダクト(35)の長さと第2吹出ダクト(45)の長さが異なる場合であっても、各吹出ユニット(30,40)に適当な送風能力の吹出ファン(32,42)を設けることで、両吹出口(31,41)からの調和空気の吹出量を均一化できる。つまり、従来のように絞りダンパの抵抗によってではなく、吹出ユニット(30,40)ごとに異なる送風能力の吹出ファン(32,42)を設けることによって、各吹出口(31,41)から調和空気を平均的に吹き出すことができる。従って、吹出ファン(32,42)の運転に要する動力が絞りダンパの抵抗によって浪費されるという従来の問題は発生せず、吹出ファン(32,42)の運転に要する動力を削減することで空気調和装置の消費エネルギを削減できる。 【0052】また、本実施形態1によれば、室温センサ(34,44)の検出値に基づいて吹出ファン(32,42)ごとに回転速度を制御することで、吹出口(31,41)ごとに調和空気の吹出量を個別に調節することができる。ここで、従来は、複数の吹出口(31,41)ごとにVAV(variable air volume)ユニットを設け、吹出口(31,41)ごとに調和空気の吹出量を変更していた。これに対し、本解決手段によれば吹出ファン(32,42)の回転速度を調節することで吹出口(31,41)ごとに調和空気の吹出量を変更できるため、従来のようなVAVユニットは不要となる。このため、吹出口(31,41)ごとに調和空気の吹出量を変更するという機能は確保した上で、空気調和装置の構成部品数を削減して製造コストを低減することができる。 【0053】更に、従来において絞り形のVAVユニットを用いた場合には、絞りダンパにより風量の均一化を図る場合と同様に、VAVユニットの抵抗によりファンの運転動力が浪費されるという問題が生じる。これに対して、本解決手段では、吹出ファン(32,42)の回転速度を調節することで調和空気の吹出量を変更できるため、吹出ファン(32,42)の運転動力がVAVユニットの抵抗に食われることがなく、この点でも吹出ファン(32,42)の運転動力を低減できる。 【0054】また、本実施形態1では、例えば第2吹出口(41)からの調和空気の吹き出しを停止した状態であっても、第2吹出ファン(42)を所定の回転速度で運転を継続させている。このため、調和空気の吹き出しを停止した第2吹出口(41)をシャッタ等で塞がなくても、この第2吹出口(41)から室内空気が逆流するのを回避することができる。従って、逆流防止のためのシャッタ等が不要となり、この点でも空気調和装置の構成を簡素化できる。 【0055】−実施形態1の変形例−上記実施形態1では、空調ユニット(10)と第1,第2吹出ユニット(30,40)との間を第1,第2吹出ダクト(35,45)で接続しているが、吹出ダクト(35,45)を用いずに空調ユニット(10)から吹出ユニット(30,40)へ調和空気を送るようにしてもよい。また、上記実施形態1では、吸込ユニット(25)及び吸込ダクト(28)を通じて空調ユニット(10)に室内空気を送っているが、吸込ユニット(25)及び吸込ダクト(28)を省略し、空調ユニット(10)へ直接に廊下(73)から室内空気を流入させるようにしてもよい。ここでは、上記実施形態1と異なる部分について説明する。 【0056】図2に示すように、本変形例は、住宅における居室(71,72)の天井裏の空間を気密に形成し、この空間をエアチャンバ(75)として利用して調和空気を各吹出ユニット(30,40)へ送るものである。尚、図2において、室温センサ(34,44)の図示は省略している。 【0057】本変形例に係る空調ユニット(10)のケーシング(11)には、その底面に吸込口(26)が形成され、その側面に流出口(12)が形成されている。この空調ユニット(10)は、廊下(73)の天井に埋め込まれた状態で設置されている。また、空調ユニット(10)は、その吸込口(26)が廊下(73)の天井に開口すると共に、その流出口(12)が天井裏の空間であるエアチャンバ(75)に開口する姿勢で設置されている。一方、本変形例に係る各吹出ユニット(30,40)には、その上面に流入口(33,43)がそれぞれ形成されている。この流入口(33,43)は、エアチャンバ(75)に開口している。 【0058】吹出ユニット(30,40)の吹出ファン(32,42)を運転すると、空調ユニット(10)のケーシング(11)内に吸込口(26)を通じて廊下(73)から室内空気が取り込まれる。取り込まれた室内空気は、熱交換コイル(20)に送られて加熱され又は冷却されて調和空気となる。この調和空気は、流出口(12)を通ってエアチャンバ(75)へ流入する。エアチャンバ(75)の調和空気は、流入口(33,43)を通って吹出ユニット(30,40)へ流入し、その後に吹出口(31,41)を通って居室(71,72)へ送り出される。 【0059】 【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、上記実施形態1において、空気調和装置に給気ファン(55)や排気ファン(56)、換気ダクト(60)等を追加し、室内の冷暖房だけでなく換気をも可能に構成したものである。ここでは、上記実施形態1と異なる部分について説明する。 【0060】図3に示すように、本実施形態2に係る空調ユニット(10)には、そのケーシング(11)の内部に温調空間(13)、給気空間(14)、及び排気空間(15)が区画されている。温調空間(13)には、熱交換コイル(20)が設置されている。温調空間(13)における熱交換コイル(20)の上流側には、吸込ダクト(28)の出口端が開口している。一方、温調空間(13)における熱交換コイル(20)の下流側には、第1,第2吹出ダクト(35,45)の入口端が開口している。給気空間(14)には、給気ファン(55)が収納されている。この給気空間(14)は、上記換気ダクト(60)を介して室外に連通し、更にはケーシング(11)内の温調空間(13)に連通している。排気空間(15)には、排気ファン(56)が収納されている。この排気空間(15)は、上記換気ダクト(60)を介して室外に連通している。 【0061】上記空調ユニット(10)には、排気ダクト(51)を介して排気口(50)が接続されている。排気口(50)は、トイレ等のユーティリティー(74)の天井に埋め込まれた状態で設置されている。排気ダクト(51)は、その入口端が排気口(50)に接続され、その出口端が空調ユニット(10)の排気空間(15)に接続されている。 【0062】図4及び図5に示すように、上記換気ダクト(60)は、本体部(61)と仕切り板(62)とを備えている。本体部(61)は、長方形断面の筒状に形成されて、その両端が開口状態となっている。仕切り板(62)は、平板を蛇腹状に折り曲げたものであって、その折り目の稜線の長さが本体部(61)の長さと一致する形状とされている。この仕切り板(62)は、その折り目の稜線方向が本体部(61)の長手方向と一致する姿勢で、本体部(61)の内部に設けられている。 【0063】本体部(61)の内部には、仕切り板(62)によって区画されて、多数の給気通路(63)と排気通路(64)とが交互に形成されている。また、本体部(61)の両端には、多数の閉塞板(65)が設けられている。この閉塞板(65)は、給気通路(63)や排気通路(64)の開口端の一部分を塞ぐためのものであって、細長い三角形状に形成されている。具体的には、図4の左側面図において、給気通路(63)における開口端の右半分が閉塞板(65)によって塞がれ、排気通路(64)における開口端の左半分が閉塞板(65)によって塞がれている。 【0064】上記換気ダクト(60)には、導風板(66)が設けられている(図5参照)。導風板(66)は、円弧状に湾曲した小片であって、各給気通路(63)と各排気通路(64)にそれぞれ1つずつ設けられている。具体的に、導風板(66)は、給気通路(63)又は排気通路(64)における入口端の近傍に設けられている。また、導風板(66)は、給気通路(63)又は排気通路(64)の幅方向(図5における上下方向)の中央付近に配置されている。この導風板(66)は、給気通路(63)又は排気通路(64)へ流入した空気を導き、その空気の流れを給気通路(63)又は排気通路(64)の全幅に亘って広げるためのものである。 【0065】上記換気ダクト(60)は、空調ユニット(10)に接続されている。換気ダクト(60)の給気通路(63)は、その入口端が室外に開口し、その出口端が給気空間(14)に開口している。この給気通路(63)では、室外から取り込まれた室外空気(新鮮外気)が給気空間(14)に向かって流れる。換気ダクト(60)の排気通路(64)は、その入口端が排気空間(15)に開口し、その出口端が室外に開口している。この排気通路(64)では、排気空間(15)から流入した室内空気(換気排気)が室外に向かって流れる。 【0066】上記換気ダクト(60)において、給気通路(63)の室外空気と排気通路(64)の室内空気とは、互いに対抗する方向へ流れている。そして、給気通路(63)を流れる室外空気と排気通路(64)を流れる室内空気とは、仕切り板(62)を介して互いに熱交換を行う。 【0067】−運転動作−本実施形態2に係る空気調和装置は、室内の冷房や暖房と共に換気をも行う。室内の換気は、給気ファン(55)、排気ファン(56)、及び吹出ファン(32,42)を運転することによって行われる。尚、室内の換気は、24時間連続して行われる。従って、給気ファン(55)、排気ファン(56)、及び吹出ファン(32,42)は、常に運転されている。 【0068】給気ファン(55)を運転すると、換気ダクト(60)の給気通路(63)に室外空気が取り込まれる。この室外空気は、新鮮外気として空調ユニット(10)へ流入し、吸込ユニット(25)から取り込まれた室内空気と共に熱交換コイル(20)へ送られる。熱交換コイル(20)では、送り込まれた室外空気と室内空気とを加熱し又は冷却して調和空気が生成される。この調和空気は、第1,第2吹出ダクト(35,45)を流れ、第1,第2吹出口(31,41)から各居室(71,72)へ送り込まれる。つまり、新鮮外気を含む調和空気が居室(71,72)へ供給される。 【0069】居室(71,72)の室内空気は、ドアの隙間や通気用のガラリを通って廊下(73)やユーティリティー(74)へ流入する。排気ファン(56)を運転すると、ユーティリティー(74)の汚れた室内空気が排気口(50)へ取り込まれる。この汚れた室内空気は、排気ダクト(51)を流れて空調ユニット(10)の排気空間(15)へ流入し、その後に換気ダクト(60)の排気通路(64)を通って室外へ排出される。 【0070】上述のように、換気ダクト(60)においては、給気通路(63)の室外空気と排気通路(64)の室内空気とが熱交換を行う。具体的に、冷房運転中であれば、給気通路(63)に取り込まれた室外空気は、排気通路(64)の室内空気と熱交換して冷却され、その後に熱交換コイル(20)へ送られる。一方、暖房運転中であれば、給気通路(63)に取り込まれた室外空気は、排気通路(64)の室内空気と熱交換して加熱され、その後に熱交換コイル(20)へ送られる。 【0071】冷房や暖房が不要となる中間期においては、室内の換気だけが行われる。この場合には、給気ファン(55)、排気ファン(56)、及び吹出ファン(32,42)を運転する一方、冷媒回路(23)における冷凍サイクル動作を停止する。そして、換気ダクト(60)を通じて空調ユニット(10)に送られた室外空気は、熱交換コイル(20)で加熱されたり冷却されることなく、そのまま吹出ダクト(35,45)及び吹出口(31,41)を通じて居室(71,72)へ供給される。 【0072】−実施形態2の効果−本実施形態2によれば、室内の冷暖房に加えて換気をも行うことができるため、室内の快適性を一層向上させることができる。また、本実施形態2によれば、空調ユニット(10)のケーシング(11)に給気ファン(55)及び排気ファン(56)を収納しているため、空気調和装置を設置する際の労力を低減でき、設置に要するコストも削減できる。 【0073】上述のように、本実施形態2では、換気排気としての室外空気と新鮮外気としての室外空気とを、換気ダクト(60)において熱交換させている。このため、換気排気である室外空気から冷熱や温熱を回収でき、換気に伴う空調負荷の増大を抑制することができる。 【0074】ここで、このような換気の際の熱回収を行うものとしては、いわゆる全熱交換器や顕熱熱交換器が従来より用いられている。ところが、この全熱交換器等は、大型で高価であり、また通風抵抗が大きいため給気ファン(55)や排気ファン(56)の運転動力の増大を招くという問題があった。 【0075】これに対し、本実施形態2では、比較的簡素な構成の換気ダクト(60)を用いることで、換気排気の排出や新鮮外気の導入に加えて、換気排気から冷熱や温熱の回収を可能としている。また、本実施形態2に係る換気ダクト(60)では、給気通路(63)や排気通路(64)において空気が概ね直線的に流れるため(図5参照)、給気通路(63)や排気通路(64)での圧力損失は低く抑えられる。従って、本実施形態2によれば、上述した従来の問題点を解消した上で、冷熱や温熱の回収を行って換気に伴う空調負荷の増大を最小限に留めることが可能となる。 【0076】 【発明の実施の形態3】本発明の実施形態3は、上記実施形態2において、吸込ユニット(25)、吸込ダクト(28)、及び排気ダクト(51)を省略すると共に、空調ユニット(10)の構成を変更したものである。ここでは、上記実施形態2と異なる部分について、図6,図7,及び図8を参照しながら説明する。尚、図6において、室温センサ(34,44)の図示は省略している。 【0077】本実施形態3に係る空調ユニット(10)には、そのケーシング(11)の底部に吸込口(26)と排気口(50)とが形成されている(図6参照)。この空調ユニット(10)は、廊下(73)とユーティリティー(74)の両方に跨って、天井に埋め込まれた状態で設置されている。空調ユニット(10)の吸込口(26)は、廊下(73)と空調ユニット(10)の温調空間(13)とを連通させている。空調ユニット(10)の排気口(50)は、ユーティリティー(74)と空調ユニット(10)の排気空間(15)とを連通させている。 【0078】上記空調ユニット(10)において、給気ファン(55)を運転すると、換気ダクト(60)の給気通路(63)を通って給気空間(14)へ室外空気(新鮮外気)が流入し、この室外空気が給気ファン(55)から温調空間(13)へ吹き出される(図7,図8参照)。ここで、温調空間(13)を流れる室外空気の静圧は、吹出ファン(32,42)の吸引力によって廊下(73)の気圧よりも低くなっている。更に、温調空間(13)では、給気ファン(55)から吹き出された室外空気が噴流状に流れている。従って、温調空間(13)と廊下(73)の気圧差と、温調空間(13)で流動する室外空気の空気誘引効果によって、廊下(73)の室内空気が吸込口(26)を通って温調空間(13)へ効率的に吸い込まれる。 【0079】このように、本実施形態3では、吹出ファン(32,42)の吸引力に加え、給気ファン(55)が吹き出す室外空気の空気誘引効果をも利用して空調ユニット(10)へ室内空気を取り込んでいる。このため、給気ファン(55)の駆動に要する動力を室内空気の吸引にも有効利用でき、その分だけ吹出ファン(32,42)の駆動に要する動力を削減できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002853 【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年11月21日(2000.11.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077931 【弁理士】 【氏名又は名称】前田 弘 (外7名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−162067(P2002−162067A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月7日(2002.6.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−354020(P2000−354020) |
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