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【発明の名称】 置換式空調装置
【発明者】 【氏名】島田 幸知

【氏名】横山 計三

【氏名】大石 雅道

【要約】 【課題】空調空間の下部に空調空気を供給し、上部から昇温した空気を排出して、空調空間の空気を置換して空調を行なうための置換式空調装置であって、特に既存の空調空間への設置が容易な置換式空調装置を提供する。

【解決手段】吹出口11a が下方を指向して、空調空気を下方向へ吹き出す空調装置本体11の下部に吹出しチャンバー12を接続させ、該吹出しチャンバー12を電気室2などの空調空間の床面に設置する。空調空気は吹出しチャンバー12の吹出口12b から床面近傍に吹き出されて、床に起立して作業している者や冷却を必要とする機器等に直接的に空調空気を吹き掛ける。空調に供されて昇温した空気は徐々に上昇し、空調空間内の電気機器等からの発熱により加温された空気と共に、天井部近傍から空調空間外へ排出されて、空調空間の空気の置換が行なわれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下方向へ空調空気を吹き出す吹出口を備えた下吹き出し式空調装置本体と、前記吹出口に接続されたチャンバー部とを備え、前記チャンバー部で設置されることを特徴とする置換式空調装置。
【請求項2】 前記チャンバー部の下部に台座部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の置換式空調装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、天井高が高く、設定温度が比較的高い室内などの空調を行なうのに適した置換式空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】置換式(ディスプレイスメント式)でない空調システムで冷房を行なう場合には、空調空間の空気の撹拌を行ないながら空調を行なうようにしてある。このため、例えば空調空間に所望される設定温度が27℃である場合には、空調空間の全域に亙って設定温度となるようにしなければならないから、供給される空調空気は、例えば17℃など設定温度よりも低い温度のものが要求される。
【0003】他方、置換式空調システムは、空調すべき室内等の空調空間の下部に冷房空気を供給し上部から排出することにより、空調空間内の空気を置換して、空調空間の発熱や汚れた空気を効率良く交換することができるものである。各種作業のための空調空間においては、作業者が床面に起立等して作業を行なうことが一般的であり、この作業領域に冷房空気を直接的に供給するから、必要な領域のみを冷房できる。しかも、空調空間に供給された冷房空気は徐々に上昇しながら昇温して上部から排出されるため、空調空気が撹拌されることがなく、供給される冷房空気の温度は作業領域で所望される温度でよい。すなわち、設定温度が27℃である場合には、従来方式の吹き出し温度17℃よりも高い22℃〜25℃の温度の空調空気を供給すればよい。このため、エネルギー効率がよく、特に電気室や空港ラウンジ、空港ターミナルのように、天井が高くて、高所から排気できる空調空間の空調を行なうのに適した空調システムである。あるいは、溶接工場や鋳物工場などのように作業環境が好ましくない空調空間等にも適している。
【0004】従来のこの種の置換式空調装置では、空調装置本体が空調空間の外部に設置され、この空調装置に接続されたダクトの吹出口が空調空間内の床面近傍等の所望の位置まで導入されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の置換式空調装置では、空調空間の外部に空調装置が設置され、ダクトが所望の位置まで導入される構成とされているため、次のような問題が生じるおそれがある。既存の空調空間にこの置換式空調システムを導入する場合や、既に置換式空調システムが導入されている空調空間に、例えば設備の増加等によって発熱量が増えて既設の空調装置では容量が不足し空調装置を増設する必要がある場合等には、空調空間の外部の空調装置からダクトを空調空間に引き込む必要があり、設置のための工事が大掛かりとなってしまうおそれがある。
【0006】そこで、この発明は、既存の空調空間への導入が容易であり、また容易に空調装置を増加することができて、空調空間の発熱量の増加に迅速に対応することができる置換式空調装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するための技術的手段として、この発明に係る置換式空調装置は、下方向へ空調空気を吹き出す吹出口を備えた下吹き出し式空調装置本体と、前記吹出口に接続されたチャンバー部とを備え、前記チャンバー部で設置されることを特徴としている。
【0008】この置換式空調装置を空調空間の床面等下部に設置すれば、チャンバー部が空調装置本体の下側に配され、空調空気は床面近傍に吹き出される。したがって、空調空気が作業者の近傍に吹き出され、空調空気、特に冷房空気は上昇しながら昇温し、空調装置本体の上部の吸込口から吸い込まれたり、天井部近傍に設けられた排出孔から排出される。このため、空調空間では上方となるにしたがって徐々に温度が高くなる温度成層が形成される。すなわち、空調空間内の空気は撹拌されることがなく、作業者の近傍には所望の温度の空調空気を供給すればよい。
【0009】また、請求項2の発明に係る置換式空調装置は、前記チャンバー部の下部に台座部を設けたことを特徴としている。
【0010】台座部で床面に設置されることにより、この置換式空調装置を安定して設置することができる。また、台座部の高さを変更することにより空調空気の吹き出し高さを調整することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図示した好ましい実施の形態に基づいて、この発明に係る置換式空調装置を具体的に説明する。図1はこの置換式空調装置1を空調空間としての電気室2に設置した場合を示す図で、室内にはインバータ盤3やその他の電気機器と共に、置換式空調装置1が配設される。また、電気室2の天井部付近には必要に応じて排気孔(図示せず)が設けられている。
【0012】置換式空調装置1は、図1と図3〜図5に示すように、空調装置本体11の下部に吹出し用チャンバー12を備えている。この空調装置本体11の送風機11b の吹出口11a は下方を指向しており、送風機11b から吹き出される空調空気は下部の吹出し用チャンバー12に供給される。図3〜図5は置換式空調装置1を示す図で、吹出し用チャンバー12は空調装置本体11を載置することができる形状の筒状、あるいは底部を備えた容器状をしており、全てのまたは一部の側面には、適宜形状の多数の透孔によって吹出口12b が形成されている。なお、この吹出し用チャンバー12の側面をパンチングメタルで形成すればよい。吹出し用チャンバー12の下部には、透孔が形成された脚部12a が設けられており、この脚部12a の透孔に貫通させた固定ボルトが床面に締め付けられて、置換式空調装置1が固定される。この脚部12a は適宜な大きさとされて、置換式空調装置1の転倒を防止するものとなっている。
【0013】なお、図1と図3〜図5には、吹出し用チャンバー12を直接床面に設置した実施形態を示してあるが、吹出し用チャンバー12の下側に台座部を設けて設置しても構わない。この台座部の高さを変更することにより吹出口12b の高さを調整することができる。
【0014】以上により構成されたこの発明の実施形態に係る置換式空調装置1の作用を、以下に説明する。
【0015】この置換式空調装置1が作動させられると、送風機11b が作動しその吹出口11a から空調空気が吹出し用チャンバー12内に吐出される。そして、この空調空気は吹出し用チャンバー12の側面に形成された吹出口12b から電気室2内に吹き出される。
【0016】前記吹出し用チャンバー12は床面に設置されているから、吹出口12b から吹き出される空調空気は床面近傍に供給され、作業者等はこの空調空気が直接的に吹き掛けられて快適さを感じることができる。また、電気室2に設置された冷却を必要とするインバータ盤3その他の電気機器の下部にも空調空気が直接的に吹き掛けられて、これらインバータ盤3などの冷却に供される。
【0017】床面近傍に供給された空調空気は、電気室2の床面近傍を冷却し、昇温して上昇する。また、電気室2に設置されたインバータ盤3その他の電気機器からの発熱によって加温された空気が上昇するから、これに伴われて空調空気も徐々に上昇する。したがって、床面から天井部にかけて徐々に温度が異なる空気層が形成される。そして、上昇した空調空気は電気室2の図示しない排気孔から室外に排出されたり、置換式空調装置1の吸込口から吸込まれて空調空気が調整されて再び電気室2に吹き出される。
【0018】すなわち、空調空気は作業者等の作業領域に直接的に吹き出されるので、作業者等は快適さを感じることができ、昇温した空気は天井部付近から排出される。しかも、電気室2内の空気が徐々に上昇するのみで、撹拌されることがないから室内の空気が汚されず、上昇する空気と共に排出される。
【0019】なお、この実施形態では、床面上に直接に吹出し用チャンバー12を設置する場合を示してあるが、適宜な高さの台座部を設け、これに吹出し用チャンバー12を設置するようにしても構わない。この台座部の高さを変更すれば、吹出口12b の高さを調整することができ、所望の高さ位置に空調空気を吹き出させることができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る置換式空調装置によれば、空調装置本体の下部に空調空気を吹き出すチャンバー部が設けられているから、空調空間の床面近傍に空調空気を吹き出させることができ、空調空間の下部で作業する者に直接的に空調空気を吹き掛けることができる。また、冷却を必要とする機器にも直接的に冷却用空気を供給することができ、これら機器の冷却を効率よく行うことができる。しかも、昇温した空調空気は上方から排出させることができるので、空調空間を撹拌することがない。このため、空調空気は作業者等に快適さを感じさせる温度に設定すればよいから、省エネルギーに寄与することができる。
【0021】さらに、空調装置本体とチャンバー部とが一体的であるから、既存の空調空間への設置を容易に行なうことができる。
【0022】また、チャンバー部の下部に台座部を設けて、該台座部の高さを変更することにより該チャンバー部の吹出口の高さを調整することができ、所望の高さで空調空気を吹き出させることができる。
【出願人】 【識別番号】000227618
【氏名又は名称】日比谷総合設備株式会社
【出願日】 平成12年11月27日(2000.11.27)
【代理人】 【識別番号】100091591
【弁理士】
【氏名又は名称】望月 秀人
【公開番号】 特開2002−162056(P2002−162056A)
【公開日】 平成14年6月7日(2002.6.7)
【出願番号】 特願2000−359115(P2000−359115)