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【発明の名称】 温水暖房システム
【発明者】 【氏名】安藤 隆史

【氏名】山岸 清磨

【要約】 【課題】切替スイッチの設定により、入力端子と出力端子との接続関係において余った入力端子が存在する場合、この余った入力端子に温水端末機を操作する別の操作部からの信号線を接続したときには、誤配線であることを明確に知らせることができるようにする。

【解決手段】操作部からの制御信号を入力する複数の入力端子N1〜N5と、入力端子に1対1あるいは1対複数の接続関係をもってつながる複数の出力端子D1〜D5と、それぞれの出力端子に関連してつながり、温水端末機へ供給する温水量を制御する開閉弁B1〜B5と、入力端子と出力端子との接続関係を設定する切替手段12とを備えた温水暖房システムである。切替手段12が1対複数の接続関係に切り替えられた場合、接続関係において余った入力端子に温水端末機を操作する別の操作部からの信号線を接続したとき、その接続状態が誤配線であることを表示する表示手段L1〜L5、14を設けた構成である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 温水端末機を操作する操作部からの制御信号を入力する複数の入力端子と、これら入力端子に1対1あるいは1対複数の接続関係をもってつながる複数の出力端子と、それぞれの出力端子に関連してつながり、前記温水端末機へ供給する温水量を制御する開閉弁と、前記入力端子と出力端子との接続関係を設定する切替手段とを備えた温水暖房システムにおいて、前記切替手段が1対複数の接続関係に切り替えられた場合、その接続関係において余った入力端子に温水端末機を操作する別の操作部からの信号線を接続したとき、その接続状態が誤配線であることを表示する表示手段を設けたことを特徴とする温水暖房システム。
【請求項2】 前記表示手段は、複数の入力端子のそれぞれに対応して設けられた表示灯を備えたことを特徴とする請求項1に記載の温水暖房システム。
【請求項3】 前記表示手段は、7セグメント表示器を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の温水暖房システム。
【請求項4】 前記誤配線の判定が、温水端末機の試運転開始時に実行されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の温水暖房システム。
【請求項5】 前記誤配線と判定された場合には、誤配線と判定された操作部にて操作される温水端末機の試運転を行わないようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の温水暖房システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温水を供給する熱源機と、この熱源機から温水が循環供給される床暖房パネル等の複数の温水端末機とを備えた温水暖房システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、温水を供給する熱源機と、この熱源機に温水配管で接続された床暖房パネル等の複数の温水端末機(以下単に端末機という)とを備えた温水暖房システムが知られている。
【0003】この温水暖房システムの熱源機は、温水行きヘッダーに、端末機へ供給する温水量を制御する複数の温水弁(開閉弁)を有し、これらの温水弁を開閉制御することにより各端末機に循環供給させる温水量を制御して端末機で暖房を行うように構成されている。
【0004】図6は従来の温水暖房システムにおける熱源機の信号配線の一例を示す説明図である。熱源機2にはバーナ等の加熱源(図示せず)や循環ポンプ(図示せず)等を制御する制御装置(図示せず)を搭載した制御基板5と、例えば温水行きヘッダに付設された複数の温水弁(開閉弁)B1〜B5を備えている。
【0005】また、前記制御基板5の前面側には、複数の端末信号入力端子(以下、入力端子という)N1〜N5と、複数の温水弁出力端子(以下、出力端子という)D1〜D5とが配置されている。
【0006】前記入力端子N1〜N5と出力端子D1〜D5とは、1対1の接続関係をもってつながれており、出力端子D1〜D5と温水弁B1〜B5は、1対1の接続関係で配線接続されている。
【0007】前記入力端子N1〜N5には、端末機の操作部、例えばリモコンR1〜R5等から信号を入力するための信号線3、3が接続されている。これにより各端末機の操作部からの操作信号等が、入力端子N1〜N5、制御装置及び出力端子D1〜D5を経由して各温水弁B1〜B5に送られ、各温水弁B1〜B5を開閉制御することができるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した従来の温水暖房システムでは、1つの入力信号で1つの温水弁、あるいは複数の温水弁を制御できるようにするため、入力端子と出力端子とが1対1あるいは1対複数の接続関係でつながるように切替できる切替スイッチ12が制御基板5に設けられている。
【0009】図7は、切替スイッチ12が1つの入力端子N1で2つの出力端子D1、D2につながるように切替設定された状態を示しており、二つの入力端子N1、N2にそれぞれ端末機のリモコンR1、R2が信号線3、3でつながれ、また、温水弁B1に温水配管を介して端末機M1が接続されるとともに、温水弁B2に同じく温水配管を介して端末機M2が接続されている。
【0010】ここで、切替スイッチ12の設定によって、入力端子と出力端子とが1対2の接続関係に設定してあるため、入力端子N2と出力端子D2はつながらない状態になっている。そのため、入力端子N2に端末機M2の操作部としてのリモコンR2を信号線3を介して接続しても、リモコンR2の操作信号は制御装置に届かない、或いは制御装置に届いても温水弁B2は開閉制御されないため、熱源機2から端末機M2には温水が供給されることがない。
【0011】このように、前記切替スイッチ12を1対複数に設定した場合、複数の入力端子N1〜N5のなかには、例えば、前述の入力端子N2のように出力端子D2に関連してつながらない、所謂余った入力端子が存在し、この余った入力端子N2に、リモコンR2からの信号線3を接続したときには、誤配線になってしまうという問題があった。
【0012】本発明は上述の実情に鑑みてなされたものであり、切替スイッチの設定により、入力端子と出力端子との接続関係において余った入力端子が存在する場合、この余った入力端子に温水端末機を操作する別の操作部からの信号線を接続したときには、誤配線であることを明確に知らせることができるようにした温水暖房システムの提供を目的としている。また、他の目的としては、誤配線と判定された場合には、誤配線と判定された操作部にて操作される温水端末機の試運転を行わないようにして、システム全体における試運転時間を短縮できるようにすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明は、温水端末機を操作する操作部からの制御信号を入力する複数の入力端子と、これら入力端子に1対1あるいは1対複数の接続関係をもってつながる複数の出力端子と、それぞれの出力端子に関連してつながり、前記温水端末機へ供給する温水量を制御する開閉弁と、前記入力端子と出力端子の接続関係を設定する切替手段とを備えた温水暖房システムにおいて、前記切替手段が1対複数の接続関係に切り替えられた場合、その接続関係において余った入力端子に別の温水端末機を操作する別の操作部からの信号線を接続したとき、その接続状態が誤配線であることを表示する表示手段を設けたことを特徴とする。
【0014】請求項2の発明は、請求項1に記載の温水暖房システムにおいて、前記表示手段は複数の入力端子のそれぞれに対応して設けられた表示灯を備えたことを特徴とする。
【0015】請求項3の発明は、請求項1または2に記載の温水暖房システムにおいて、前記表示手段は7セグメント表示器を備えたことを特徴とする。
【0016】請求項4の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の温水暖房システムにおいて、前記誤配線の判定が温水端末機の試運転開始時に実行されることを特徴とする。
【0017】請求項5の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の温水暖房システムにおいて、前記誤配線と判定された場合には、誤配線と判定された操作部によって操作される温水端末機の試運転を行わないようにしたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す温水暖房システム全体を説明する説明図、図2は切替スイッチの設定位置と入力・出力端子の接続関係を説明する説明図、図3は図1の制御装置の概要構成を示すブロック図である。
【0019】図1において、この温水暖房システム1は、室外に設置された熱源機2と、この熱源機に温水行き配管4A及び温水戻り配管4Bを介して接続された複数の端末機M1〜M3(温水床暖房パネル)とを備えた概略構成である。
【0020】前記端末機M1〜M3には、運転入切スイッチ等のスイッチ類を有するリモコンR1〜R3が装備され、これらリモコンR1〜R3は通常、端末機を設置した被暖房室の室壁等に取り付けられるとともに、信号線3、3を介して熱源機2の制御基板5に電気的に接続されている。そして、一般家庭では、各リモコンR1〜R3は、一つが一部屋に設置される。
【0021】前記熱源機2は内部に制御基板5が配され、この制御基板5には、複数の入力端子N1〜N5、複数の出力端子D1〜D5、切替スイッチ12、マイコン7を有する制御装置8、複数の端末ランプL1〜L5及び主として各種のエラー表示を行う3桁の7セグメント表示器14等が配置されている。
【0022】前記複数の入力端子N1〜N5のうち、入力端子N1〜N3には、複数のリモコンR1〜R3の各信号線3、3が接続され、端末機M1〜M3を操作する操作信号等の制御信号が入力される。
【0023】前記複数の出力端子D1〜D5は、複数の入力端子N1〜N5に対して1対1あるいは1対複数の接続関係をもってつながれる。
【0024】前記切替スイッチ12は、二つのスイッチの切り替え操作により、下記に記すように、前記入力端子N1〜N5と出力端子D1〜D5との接続関係を1対1あるいは1対複数に切り替えられるものである。
【0025】次に、前記切替スイッチ12の設定について説明する。図2において、切替スイッチ12をAモードの位置に設定すると、各入力端子N1〜N5と各出力端子D1〜D5とが1対1で対応し、例えば、入力端子N1に入力される信号に基づいて温水弁B1が、入力端子N2に入力される信号に基づいて温水弁B2が開閉制御される。
【0026】また、切替スイッチ12をBモードの位置に設定すると、入力端子N1が出力端子D1とD2に対応し、入力端子N3が出力端子D3とD4に対応し、入力端子N5が出力端子D5に対応する。これにより、例えば、入力端子N1に入力される信号に基づいて温水弁B1とB2が、入力端子N3に入力される信号に基づいて温水弁B3とB4が、入力端子N5に入力される信号に基づいて温水弁B5が開閉制御される。
【0027】また、切替スイッチ12をCモードの位置にすると、入力端子N1が出力端子D1〜D4に対応し、入力端子N5が出力端子D5に対応し、これにより、例えば、入力端子N1に入力される信号に基づいて温水弁B1とB2とB3とB4が、入力端子N5に入力される信号に基づいて温水弁B5が開閉制御される。
【0028】さらにまた、切替スイッチ12をDモードの位置にすると、入力端子N1が出力端子D1〜D5の全てに対応し、これにより、入力端子N1に入力される信号に基づいて温水弁B1〜B5の全てが開閉制御される。
【0029】図3は前記した制御装置8の概要構成を示すブロック図である。この制御装置8はマイコン7を有し、このマイコン7の入力側には、前記複数の入力端子N1〜N5や各種センサ(図示せず)等が接続され、一方、マイコン7の出力側には、前記複数の出力端子D1〜D5や複数の端子ランプL1〜L5並びに7セグメント表示器14等が接続されている。
【0030】また、図1において、前記熱源機2は、温水行き管15および戻り管16を有するともに、これら温水行き管15と戻り管16の先端には、温水行きヘッダ17と戻りヘッダ18がそれぞれ接続されており、前記温水行きヘッダ17には前記した複数の温水弁(開閉弁)B1〜B5(図1ではB1〜B3)が付設され、これら温水弁B1〜B3及び温水行き配管4A、4Aを介して床暖房パネル等の各温水端末機M1〜M3が熱源機2の温水行き管15に接続され、また各端末機M1〜M3は温水戻り配管4B、4B及び戻りヘッダ18を介して戻り管16に接続される。
【0031】また、前記熱源機2の内部には、貯溜タンク、循環ポンプ、熱交換器、バーナ等の加熱源(何れも図示せず)が収容され、循環ポンプの駆動により、貯溜タンク内の循環水を熱交換器へ流入させ、この熱交換器で加熱源の加熱作用により温水を生成し、こうして生成された温水は、前記した各端末機M1〜M3に循環供給される。
【0032】上述のように構成された温水暖房システム1において、例えば、リモコンR1の運転入切スイッチをオンすると、その運転オン信号が信号線3及び入力端子N1を介して制御装置8のマイコン7に入力され、これにより、マイコン7は加熱源の燃焼を開始させるとともに循環ポンプを駆動させ、そして、運転オンされたリモコンR1にて操作される端末機M1に対応した温水弁B1が開閉動作を繰返し、この温水弁B1の開閉動作の繰返しにより、熱交換器にて昇温した循環水(温水)が端末機M1に循環供給されて、その端末機M1が敷設された被暖房室の暖房が行なわれる。また、端末機M1〜M5は、一つの温水経路として一つの部屋に設置されたり、複数の温水経路として組み合わせて一つの部屋に設置される場合があり、一つの温水経路として一つの部屋に設置された場合には、一つの部屋に一つのリモコンが取り付けられるのは勿論であるが、複数の温水経路として組み合わせて一つの部屋に設置される場合でも、通常、一つのリモコンが取り付けられる。
【0033】図4は本発明の一実施形態における熱源機2の誤配線の場合の表示を説明する説明図であり、図6、7の従来例と同一構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0034】前記切替スイッチ12が、図2に示すBモードの位置に設定された場合について説明すると、それぞれ別の端末機を操作するリモコンR1とR2がそれぞれ信号線3、3を介して入力端子N1とN2に接続されており、一方、出力端子D1には温水弁B1が、出力端子D2には温水弁B2がそれぞれ接続されている。
【0035】この時、温水弁B3に端末機が接続されていないとすると、入力端子N2は余った端子となり、この余った入力端子N2とリモコンR2からの信号線3の接続は、誤配線である。
【0036】ここで、熱源機2や各端末機M1、M2の設置工事、配管工事並びに配線工事が終了して、試運転を開始すると、先ず、入力端子N2に対応する端末ランプL2が点灯し、この端末ランプL2の点灯により、入力端子N2に接続された信号線3、即ち、リモコンR2の信号線3の接続が誤配線であることを表示するとともに、エラー表示用の7セグメント表示器14でも切替スイッチ12の設定によって余った入力端子N2が存在することにより、この余った入力端子N2への信号線3の接続が誤配線であることを数字又は記号を用いて表示する。
【0037】こうして、施工工事の作業従事者は、前記7セグメント表示器14の表示によって余った入力端子N2に誤配線があることを認識でき、また、端末ランプL2の点灯により誤配線箇所が入力端子N2であることを認識できる。
【0038】図5は信号線の誤配線を判定するときのフローチャートである。温水暖房システム1の設置工事終了後、試運転を開始すると、制御装置6は端末機M1から端末機M2と施工された各端末機の順に試運転を実行する。
【0039】ステップS1において、切替スイッチ12が1つの入力端子(例えば、入力端子N1)で複数の温水弁(例えば、温水弁B1とB2)を制御するモード(例えば、図2のBのモード)になっているかどうかが判定される。そこで、切替スイッチ12が1対複数のモードに設定されていると判定されると、ステップS2に移行し、端末機(例えば、M2)が熱源機2の温水弁(例えば、B2)を使用するかどうかが判定される。この時、端末機M2が温水弁B2を使用すると判定した場合には、ステップS3に移行し、そこで、接続された入力端子N2は温水弁B2の制御が不可能かどうかが判定される。このステップS3において、温水弁B2が制御不可能と判定された場合には、ステップS4に移行し、このステップS4においてエラーの警告表示動作が実行され、表示ランプL2が点灯するとともに、7セグメント表示器14に誤配線を示す数字、例えば「763」が表示される。
【0040】また、ステップS1において、入力端子と温水弁とが1対1で対応するように切替スイッチ12が設定されている(図2のAモード)場合には、エラーの警告が解除される(ステップS5)。同様に、ステップ2において、端末機が温水弁を使用しない場合や、ステップS3において、温水弁が制御可能な場合にもエラーの警告が解除される。
【0041】また、前記制御装置8は、端末機M1から端末機M2と施工された各端末機の順に試運転を実行するが、前記したように、ある端末機を操作するリモコンが誤配線と判定された場合には、その誤配線と判定されたリモコンによって操作される端末機の試運転は省略して、次の端末機の試運転動作へ移行するように熱源機2を制御する。
【0042】以上説明したように、切替手段を1対複数の接続関係に切り替えた場合、入力端子N1〜N5と出力端子D1からD5との接続関係において、図4に示すように、余った入力端子(例えば、N2)に別の端末機を操作するための別のリモコン(例えば、R2)からの信号線3が接続されているときには、試運転の開始時に、該当する入力端子(例えば、N2)に対応する表示ランプ(例えば、L2)を点灯させるとともに、誤配線である旨を7セグメント表示器14に表示するので、信号線の誤配線の箇所を簡単に見つけることができる。
【0043】以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態では入力端子、出力端子、温水弁等をそれぞれ5つ備えた熱源機で説明しているが、この数は限定されるものではない。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、入力端子と出力端子との接続関係において、切替手段が1対複数の接続関係に切り替えられた場合、その接続関係において余った入力端子が存在し、この余った入力端子に温水端末機を操作する別の操作部からの信号線を接続したときには、試運転の開始時に、7セグメント表示器にその旨を表示して誤配線であることを知らせたり、誤配線がどの入力端子にあるかを表示灯の点灯により表示するので、誤配線箇所を簡単に見つけることができ、誤配線の修正時間の短縮を図ることができる。
【0045】また、誤配線と判定された場合には、誤配線と判定された操作部にて操作される温水端末機の試運転を実行させないようにしたことにより、システム全体の試運転時間を短縮できる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【識別番号】300034895
【氏名又は名称】三洋電機空調株式会社
【出願日】 平成12年12月4日(2000.12.4)
【代理人】 【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
【公開番号】 特開2002−168462(P2002−168462A)
【公開日】 平成14年6月14日(2002.6.14)
【出願番号】 特願2000−368772(P2000−368772)