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【発明の名称】 光源ユニット
【発明者】 【氏名】中人 由佳

【氏名】井尻 良

【氏名】多久島 朗

【要約】 【課題】ファンの冷却効率を低下させることなく、光源からの光を遮ることができる光源ユニットを提供する。

【解決手段】ランプハウス7の壁面に冷却風の流入口6が設け、下流位置には流出口8および冷却風を排気するためのファン2が設置され、矢符9の向きに冷却風が流れる。流出口8付近において、リフレクタ一体型ランプ3とファン2との間にランプ3aからの漏れ光を遮光するための遮光板を形成する。第1の遮光板4は、光軸10に垂直な方向(紙面に対して垂直方向)に平行に伸び、複数の遮光板が光軸10の方向にずれることで流出口8の幅全体にわたって形成され、ランプ3aからの光を遮光している。また、第1の遮光板4の幅は、遮光板間の間隙を通過して斜めに入射する光が到達する位置まで伸びている。第2の遮光板5は、ランプハウス7の後面で第1の遮光板4の間隙による開口部に対向し、第1の遮光板4に対して略垂直に形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源と光源からの放射光を集光するリフレクタと冷却用のファンとを備える光源ユニットにおいて、前記光源とファンとの間にあって、リフレクタの光軸に垂直な方向に平行に伸びる複数の遮光板が、リフレクタの光軸方向にずれて形成され、前記遮光板の幅が、遮光板間の間隙を通過して斜めに入射する光源からの光が到達する位置まで伸びていることを特徴とする光源ユニット。
【請求項2】 前記遮光板の間隙による開口部に対向し、前記遮光板に対して略垂直に形成した第2の遮光板を有することを特徴とする請求項1記載の光源ユニット。
【請求項3】 前記第2の遮光板に対して略垂直に連なるように形成した第3の遮光板を有することを特徴とする請求項2記載の光源ユニット。
【請求項4】 前記遮光板のうちリフレクタの首部に最も近い遮光板と、これに隣接する遮光板との間隙を他の間隙より広くすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の光源ユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置における光源ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置などに使用される光源ユニットには、光源としてメタルハライドランプや超高圧水銀ランプといった放電ランプが使用される。この放電ランプからの放射光は凹面反射鏡(リフレクタ)により集光され、さらにインテグレータレンズなどの各種光学レンズでスクリーンでの照度が均一になるように工夫されて液晶面に照射される。放電ランプは凹面反射鏡の首部に光軸を一致させて固定される。
【0003】たとえば超高圧水銀ランプは、高圧の水銀が封入された石英ガラスよりなる発光部の中に一対の電極を有し、発光部の両端には封止部が形成される。ランプ点灯時には、発光効率の低下を防ぐために、発光部を所定の温度、たとえば1050℃に維持しなければならない。しかし、発光部の温度が所定温度以上の高温になると石英ガラスが失透してしまったり、クラックが発生して破損してしまう。
【0004】また、封止部の金属箔温度がたとえば350℃を超える高温になると、金属箔が酸化するか、あるいは膨張して封止部内でクラックなどを発生させることがある。さらに、凹面反射鏡の鏡面温度が高温になり、蒸着膜の耐熱温度を超えたり、あるいは反射鏡の内面と外面との間で大きな温度差が生じた場合には蒸着膜のひび割れなどの熱劣化および熱によるクラックなどの破壊を起こすことがある。
【0005】このように、光源ユニットに対しては、囲まれた空間内において発光管を効率よく冷却し、かつ放電ランプの封止部を冷却して金属箔の酸化を良好に防止すること、凹面反射鏡を冷却して蒸着膜の熱劣化や破損を防止することなどが要求されており、ランプハウス付近に配置したファンによって送風する冷却方式が一般に用いられている。特開平8−94990号公報記載の液晶プロジェクタ用冷却装置は、ファンによって取り入れられた冷却風が結像レンズと液晶パネルとの間および液晶パネルとランプハウスとの間に形成される冷却風通路に沿って流れることで、液晶パネルの表裏両面が効率的に冷却される。
【0006】しかし、ファンによって冷却を行う場合、ファンから光源の光が漏れ、光源近くに位置する投射装置の使用者またはスクリーンの看者の眼に光が入射することがあり、使用者の眼を痛める恐れがある。また、漏れ光がファンモータおよびその他光源近傍に配置される電源などの基盤に当たり、それらの温度が上昇して動作不良を起こしてしまうという問題がある。
【0007】そこで上記の問題を解決する方法として、光源とファンとの間に遮光体を設ける方法がある。たとえば図7の従来の光源ユニット91の構造を示す図である。図に示すように、ファン92に対向する前後面が開口したランプハウス93に、複数の板片を光進行方向に対し傾け、上下段に配列している。しかし、この構造では図に示すように光源94から直進する光95を遮ることはできても、光源から斜め下向きに進む光96は透過される。そこでこの課題を解決する方法として特開平11−167166号公報に記載されている投写装置の遮光体構造がある。図8は、従来の光源ユニットにおける遮光板101を示す断面図である。図に示すように、複数の遮光板101を上下段に配列して設け、各遮光板は光源からの水平光に沿って延びた水平片102と、水平片102のファン側端部から水平片に直交して伸びた垂直片103と、水平片102のファン側端部から水平光に対し傾いて延びた傾斜片104を放射状に備えている。光源から漏れる光のうち、水平方向成分は垂直片103で、遮光板101の水平片102と垂直片103との間に形成される隙間から漏れる斜め方向成分は一垂直片103の下側にて対向する水平片102にて遮断する。これにより光源からのどの向きの光105も直接使用者などの眼に到達することが防止され使用者の安全が図れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような従来の光源ユニットの遮光構造では、ファンによって送風される冷却風の通路が遮光板の水平片と垂直片の間に形成される隙間となり、筺体の面積に対する通路面積の割合が急激に縮小されるため、遮光板での圧力損失によって空気流入量が減り、ファンの冷却効率が低下するという問題がある。
【0009】本発明の目的は、ファンの冷却効率を低下させることなく、光源からの光を遮ることができる光源ユニットを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、光源と光源からの放射光を集光するリフレクタと冷却用のファンとを備える光源ユニットにおいて、前記光源とファンとの間にあって、リフレクタの光軸に垂直な方向に平行に伸びる複数の遮光板が、リフレクタの光軸方向にずれて形成され、前記遮光板の幅が、遮光板間の間隙を通過して斜めに入射する光源からの光が到達する位置まで伸びていることを特徴とする光源ユニットである。
【0011】本発明に従えば、リフレクタの光軸に垂直な方向に平行に伸びた遮光板が、光源とファンとの間にあり、リフレクタの光軸に方向にずれて複数形成され、前記遮光板の幅が、遮光板間の間隙を通過して斜めに入射する光源からの光が到達する位置まで伸びているので、ファンの冷却効率を低下させることなく、光源からの漏れ光を遮光し、使用者の眼を痛めることを防止することができる。
【0012】また本発明は、前記遮光板の間隙による開口部に対向し、前記遮光板に対して略垂直に形成した第2の遮光板を有することを特徴とする。
【0013】本発明に従えば、遮光板の間隙による開口部に対向し、遮光板に対して略垂直に形成した第2の遮光板を有するので、遮光板に平行な漏れ光を遮光し、温度の上昇による光源ユニット近傍に配置された電源や基盤などの故障や動作不良を防ぐことができる。
【0014】また本発明は,前記第2の遮光板に対して略垂直に連なるように形成した第3の遮光板を有することを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、第2の遮光板に対して略垂直に連なるように形成した第3の遮光板を有するので、第2の遮光板で反射した漏れ光を遮光し、暗室内での使用時に光源ユニットを用いたプロジェクタの投射映像が見やすくなる。
【0016】また本発明は、前記遮光板のうちリフレクタの首部に最も近い遮光板と、これに隣接する遮光板との間隙を他の間隙より広くすることを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、遮光板のうちリフレクタの首部に最も近い遮光板と、これに隣接する遮光板との間隙を他の間隙より広くするので、遮光板による冷却風の圧力損失を低く抑えることができるため、より高い冷却効率を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0019】図1は、本発明の実施の一形態である光源ユニット1の構成を示す断面図である。光源ユニット1は、ファン2、リフレクタ一体型ランプ3、第1遮光板4、第2遮光板5、流入口6およびランプハウス7から構成される。リフレクタ一体型ランプ3は、光源となるランプ3aおよび凹面形状の反射鏡3bからなる。リフレクタ一体型ランプ3の反射鏡3bによって反射された光は指向性を有し、光軸10の向きに照射される。
【0020】リフレクタ一体型ランプ3を覆いかつ、固定保持するランプハウス7によって、光源を冷却するための風路が形成されている。ランプハウス7の壁面には、冷却風の流入口6が設けられており、下流位置には流出口8および冷却風を排気するためのファン2が設置され、矢符9の向きに風が流れる。
【0021】なお、流入口6からの漏れ光に対しては、遮光板を形成したり、流入口6付近に基盤を配置しないようにすることで対応することができる。
【0022】流出口8付近では、リフレクタ一体型ランプ3とファン2との間にランプ3aからの漏れ光を遮光するための遮光板が形成されている。反射鏡3bは、ガラス表面に反射膜を蒸着させて形成したもので、赤外線などは反射せずに透過する。また、反射率が100%ではないため可視光が漏れてしまう。第1の遮光板4は、光軸10に対して垂直な方向(紙面に対して垂直方向)に平行に伸び、複数の遮光板が光軸10の方向にずれることで流出口8の幅全体にわたって形成され、ランプ3aからの光を遮光している。
【0023】図2の斜視図に示すように、第1の遮光板4は複数の板が一定の角度、間隙、長さをもって枠11に備え付けられており、これをランプ3aとファン2との間に設置する。また、第1の遮光板4の幅は、遮光板間の間隙を通過して斜めに入射する光が到達する位置まで伸びている。第2の遮光板5は、ランプハウス7の後面で第1の遮光板4の間隙による開口部に対向し、第1の遮光板4に対して略垂直に形成されており、光源ユニット1の近傍に配置された基盤に漏れ光が照射されないように遮光している。
【0024】図3は、遮光板とランプ3aからの漏れ光との関係を示す図である。ランプ3aから放射状に漏れる漏れ光12のうち、光軸10に対して平行ではない方向に漏れる光は、第1の遮光板4にて遮断される。また、光軸10と平行な方向に漏れる光は第1の遮光板4と直交する第2の遮光板5で遮断される。隣接する遮光板との間には間隔aを設けて冷却風の通路とする。第1の遮光板4の幅は、ランプ3aから放射状に漏れる光のうち、隣接する遮光板との間に設けられた隙間aを通過して斜めに入射する光が到達する位置までの長さとする。
【0025】以上のように、ランプ3aから放射状に漏れる光がファンモータに当たり、モータを加熱し故障の原因となることが第1の遮光板4によって防がれる。さらに、ランプ3aからの光がファン2の開口面からユニット外部へ漏れて使用者等の眼に直接入射し、目を痛めるのを防止することができる。さらに、第2の遮光板5によって、光軸と平行な方向に漏れる光が、ランプハウス7の近傍に配置された電源および基盤などの部品の温度を上昇させて故障や動作不良の原因となることを防ぐ。
【0026】また、漏れ光を反射、吸収する第1、第2の遮光板は、ともに冷却通路内に配置されるため、ランプハウス7内を通過する冷却風によって冷却され、ファン2により外部へ放熱されるので光源ユニット内の温度上昇を防ぐ。また、複数の第1の遮光板の間に設けられた風路幅aの和と全体の風路幅bとの差は第1の遮光板4の板厚分のみであるため、風路幅の急激な縮小による圧力損失が生じず、ファン2の冷却性能を低下させない。
【0027】以上の構造により、ファンの冷却効率を低下させることなく、光源からの漏れ光を遮断して、使用者の眼を痛めることを防止する。また、光源からの漏れ光がユニット内部の基盤などの温度を上昇させて故障するのを防ぐことができる。
【0028】また、上記ではランプハウス7に設けた冷却風の流入出口がランプハウス両側面に対角線上に設けられた場合の実施形態を示したが、図4に示す他の実施形態の光源ユニット1のように流出口をランプハウス後面に設けた場合にも上記の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0029】図5は、本発明の他の実施形態である光源ユニット1の構成を示す断面図である。なお、図1に示した光源ユニット1と異なる構成は第3の遮光板13のみであり、それ以外の部位については、図1と同じ参照符号を付して詳細な説明は省略する。本実施形態では、第2の遮光板5上に、第2の遮光板5に対して垂直方向に第3の遮光板13を形成する。第3の遮光板13は、たとえば第2の遮光板5と一体成形され、表面は黒色にして反射防止加工を施しており、冷却風の風路に沿って複数配置する。
【0030】第2の遮光板5で遮光する漏れ光のうち、遮光板で反射した成分は第3の遮光板13によって反射を繰り返して吸収されるため、漏れ光の反射成分も遮断することができる。
【0031】このように、遮光板における反射光がファン2から漏れることも防ぐことができるので、使用者等の眼に直接光が入って痛めることを防ぎ、暗室内での使用時に投射映像が見づらくなるという課題を解決する。また、第3の遮光板13は放熱フィンとしても作用し、漏れ光の吸収により温度が上昇した第2、第3の遮光板の冷却効率を向上させ、ユニット内部の温度上昇を防ぐ。
【0032】図6は、本発明の他の実施形態である光源ユニット1の構成を示す断面図である。なお、図1に示した光源ユニット1と異なる構成は遮光板14のみであり、それ以外の部位については、図1と同じ参照符号を付して詳細な説明は省略する。本実施形態では、ランプハウス7に形成した複数の第1の遮光板4のうち、リフレクタである反射鏡3bの首部に最も近い位置に配置される遮光板14とこれに隣接する遮光板との間隙を他の間隙より広くする。図6にランプハウス7内部を通過する風の流れ9を示す。流入口6からランプハウス7内に流入した冷却風は、リフレクタ一体型ランプ3の表面に沿って流れた後、第1の遮光板4によって方向転換されてランプハウス7から流出し、ファン2によってユニット外へ排気される。ここで、冷却風が第1の遮光板4によって方向転換されるとき、圧力損失が生じる。圧力損失を低減させるためには、流体(冷却風)の流れの偏向角度を緩やかにするために、リフレクタ一体型ランプ3から第1の遮光板4までの距離を長くしなければならない。しかし、距離を長くすると光源ユニット1のサイズが大きくなってしまうという問題が新たに生じてしまう。
【0033】ところで、ランプハウス7内を通過する流れの主流はリフレクタ一体型ランプ3の首部(円錐型凹面形状の頂部にあたる部分)近くにあるため、遮光板14での圧力損失が大きく、全体の約50%を占めている。そこで、遮光板14の位置をファン2側へずらして形成し間隙を広くすることで主流の偏向角度を緩やかにする。遮光板14とファン2との距離を10mmから5mmに変更して、遮光板14をファン2側にずらしたところ、圧力損失が全体の約20%削減されるという実験結果を得た。
【0034】上記の構造とすることにより、光源ユニット1のサイズを大きくすることなく、遮光板による圧力損失を低く抑えることができるため、より高い冷却効率を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ファンの冷却効率を低下させることなく、光源からの漏れ光を遮光し、使用者の眼を痛めることを防止することができる。
【0036】また本発明によれば、遮光板に平行な漏れ光を遮光し、温度の上昇による光源ユニット近傍に配置された電源や基盤などの故障や動作不良を防ぐことができる。
【0037】また本発明によれば、第2の遮光板で反射した漏れ光を遮光し、暗室内での使用時に光源ユニットを用いたプロジェクタの投射映像が見やすくなる。
【0038】また本発明によれば、遮光板による冷却風の圧力損失を低く抑えることができるため、より高い冷却効率を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【代理人】 【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
【公開番号】 特開2002−352622(P2002−352622A)
【公開日】 平成14年12月6日(2002.12.6)
【出願番号】 特願2001−157305(P2001−157305)