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【発明の名称】 光源装置
【発明者】 【氏名】大庭 堅一

【氏名】大塚 俊幸

【氏名】市川 卓

【氏名】前嶋 賢哉

【要約】 【課題】光量の安定性と光量の変更を高速で行うことを両立させることのできる光源装置を提供すること。

【解決手段】ハロゲンランプ(3)から出射された光を、その出射光量を制御することなく一定のままで、光ファイバ束からなるライトガイドを通して対象物に導くようにした光源装置本体において、光源(3)とライトガイド(2)の入射端の間に、透過光量を制御する1枚の絞り羽根(4)、絞り羽根を駆動する駆動手段(5)および絞り羽根の位置を決定する信号を生成・出力する調光制御回路を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハロゲンランプから出射された光をその出射光量を制御することなく一定のままで光ファイバー束からなるライトガイドを通して対象物に導くようにした光源装置本体であって、光量を設定する光量設定部、光源とライトガイドの入射端との間に設けられ、その最小移動量毎に透過光量を制御する一枚の絞り羽根、該絞り羽根を駆動する駆動手段、及び該光量設定部の光量設定値に基づいて該絞り羽根の位置を決定する信号を生成・出力する調光制御回路を有する調光装置を備えたことを特徴とする光源装置。
【請求項2】 該駆動手段としてのリニアステッピングモータおよび該リニアステッピングモータの直線運動を20度〜40度の回転運動に変換して該絞り羽根を回転駆動するための回転変換機構を有する、請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】 該リニアステッピングモータが、そのストロークが8mm以下で1ステップ移動量が20μm以下、であるとともに、パルスレートが1000pps以上の小型・高速タイプである、請求項1または2に記載の光源装置。
【請求項4】 該絞り羽根の位置を検出するためのポテンションメータを備えた、請求項1から3のいずれかに記載の光源装置。
【請求項5】 該ライトガイドからの出射光量をモニタするための光量モニタファイバを備えた、請求項1から4のいずれかに記載の光源装置。
【請求項6】 光量フィードバック制御回路を備えた、請求項1から5のいずれかに記載の光源装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理検査装置の照明や、医療用あるいはイルミネーション用照明に用いられる光源装置に関し、さらに詳しくは、該光源装置に内蔵される調光装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、生産ラインでの検査工程や樹脂硬化工程等において、光ファイバー束からなるライトガイド式光源装置が盛んに使用されるようになってきた。これに伴い、この種の装置には光量を安定化させるための光量フィードバック制御回路を備えた製品が増えてきている。さらに、照射対象物も多岐に亘ってきていることから、光量の変更が可及的に迅速かつ容易に可能である光源装置も要求されている。しかし、光量の変更を外部からの電圧コントロールあるいは付属の光量調節ボリュームにて行う一般的な光源装置は、ランプへの印加電圧を変更する方式であることから、ランプに流れる電流値によってランプのフィラメント抵抗値が変化するため、光量が安定するまでにかなりの時間が掛かってしまうという応答性の問題があった。勿論、上記の問題を解消するには、ランプへの印加電圧を急激に変化させればよいが、これでも光量が安定する時間を多少短縮化できるにすぎない。しかも、この方式では、特に、光量アップ時、過大電流が流れてしまうため、ランプのフィラメントが劣化し寿命が短くなり、極端な場合には、ランプのフィラメントを断線させてしまうという問題を生ずる。これらを防止するためには、公知のスローアップ、スローダウン制御方式を使用せざるを得ない場合が多い。以上のことから、ランプへの印加電圧を変更して光量を変更するという電気的調光方法における応答性には自ずと限界があった。これに対して、特開平1−222213号公報の図5で示されるように、ライトガイドからの出射光量をモニタするためCCDに入射させ、ここで光電変換した後、積分器11で積分した信号に変換するとともに、比較部12において、明度の基準信号と比較し、その偏差信号を絞り駆動部13を介して複数の絞り羽根からなる絞り部5を駆動させて調光を行う方法も知られている。ところが、この方法では、積分器11を使用しているので、信号遅延時間が大きくならざるを得ない。また、複数枚の絞り羽根を使用しているため、重量が大きくなり高速駆動し難い。この結果、光量の変更に対しては依然として応答性が悪いという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の課題は、従来の問題を解消するとともに、光量の安定性と光量の変更を高速で行うことを両立させることのできる光源装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、電気的にランプの光量を変更するのではなく、ランプの光量は一定とすることにより信号遅延要因を排除するとともに、小型・軽量の絞り羽根を高速駆動手段により高速制御して出射光量をメカニカルに調光すれば良いことを着想し、本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明によれば、ハロゲンランプから出射された光を、その出射光量を制御することなく一定のままで光ファイバー束からなるライトガイドを通して対象物に導くようにした光源装置本体であって、光量を設定する光量設定部、光源とライトガイドの入射端との間に設けられ、その最小移動量毎に透過光量を制御する一枚の絞り羽根、該絞り羽根を駆動する駆動手段、及び該光量設定部の光量設定値に基づいて該絞り羽根の位置を決定する信号を生成・出力する調光制御回路から構成される調光装置を備えたことを特徴とする光源装置が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面を参照しながら説明する。図1〜図3において、(1)は光源装置本体、(2)はハロゲンランプからの光を対象物に照射させる光ファイバー束からなるライトガイド、(3)は光源装置本体に内蔵された光源となるハロゲンランプ、(4)は一枚の絞り羽根、(5)は駆動手段としてのリニアステッピングモータ、(6)は該リニアステッピングモータの直線運動を回転運動に変換するための回転変換機構で、アーム(6a)とスプリング(6b)とから構成される。ここで絞り羽根(4)は、アーム(6a)を支点として回転(回動)自在に調節されており、これによりハロゲンランプ(3)からライトガイド(2)への透過光量を適宜遮光するようになっている。さらに、(7)は光量設定部の光量設定値に基づいて該絞り羽根(4)の位置、すなわち回転角を決定する信号を生成・出力する調光制御回路、(8)は光量設定部(ボリューム)、(9)は絞り羽根の位置を検出するためのポテンショメータ、(10)はライトガイドからの出射光量をモニタするための光量モニタファイバ、(11)はフィードバック制御回路である。まず、図1〜図3を基づいて、本発明の光源装置の動作を最小光量(ゼロ)すなわち該羽根がハロゲンランプ(3)からライトガイド(2)への透過光量を完全に遮光している状態の光量から、最大光量(MAX)すなわち該羽根が前記の透過光量を完全透過する状態の光量へ増加させる場合を例にとって説明する。この場合はまず、光量設定部(8)を光量最大の設定位置(MAX)に設定する。すると、光量設定部(8)の光量指示値(最大値)が調光制御回路(7)に入力され、ここで絞り羽根の回転後の停止位置(すなわち透過光量が完全非遮光状態になる位置)が最大光量値に対応するように、指令パルス数が決定されるとともに、リニアステッピングモータ(5)を駆動するためのモータ駆動回路に指令パルスが印加される。次に、この指令パルス数に応じて、リニアステッピングモータ(5)が絞り羽根(4)による透過光量を最大とする(完全透過)方向、すなわち下方に回転・移動する。その際、リニアステッピングモータ(5)の軸はリニアステッピングモータの直線運動を、好ましくは20〜40度の回転運動に変換するための回転変換機構の(6a)アームにより回転運動に変換される。前記角度が20度未満では、1パルスでの光量の設定精度(分解能)が粗くなり過ぎる恐れがあり、逆に40度を超えると、応答が遅くなり過ぎるからである。なお、アーム(6a)を付勢しているスプリング(6b)は通常、透過光量を減少させる方向に付勢されている。以上の制御方式により、アーム(6a)に固定されている絞り羽根(4)がリニアステッピングモータ(5)により回転し、最終的に、上記指令パルス数に応じた位置まで回転した後、停止する。この結果、該絞り羽根(4)による光路遮弊量(面積)がゼロとなり、その結果最大光量(MAX)が得られる。以上の説明では、光量をゼロから最大光量(MAX)へ変更する例を示したが、現実には、絞り羽根の最小移動量毎に絞り羽根を高精度で制御することにより、透過光量を自由に設定変更するケースが多くなる。このためには、本発明では、リニアステッピングモータのストロークを8mm以下に設定することが好ましい。これにより、リニアステッピングモータはその1ステップの移動量が20μm以下、したがって1パルスの駆動パルス毎に、絞り羽根に20μm以下という、微小な最小移動量を与え、その際パルスレートを1000pps以上に維持することにより該最小移動量を達成するのに要する時間が可及的に短縮される。具体例を挙げると、リニアステッピングモータのストロークを6mmに設定すると、15μmの最小移動量が得られ、その際の駆動パルスレートを1200ppsに設定すると(これらの条件は、後述する図4の実験で使用したものである)、400パルスの駆動パルスを印加することにより、約0.3秒という極短時間で6mmの移動量が得られ、その間に光量をゼロから最大光量(MAX)に設定が可能となる。しかも、この場合1パルス毎に光量設定が可能であるので、400通りの光量設定が可能であり、光量の設定精度上からも十分な光量の設定精度が得られる。このようにして、本発明では、透過光量を自由にかつ高精度高速下に設定変更できる光源装置が実現される。絞り羽根(4)は高速化を実現させるため、さらには駆動手段(ステッピングモータ)等の機構部品を小型・軽量化するためにも、一枚で、しかも軽量・小型であることが望ましい。この絞り羽根(4)の材質については、特に制限はなく、金属または樹脂等各種材料の中からが選択すればよい。また、絞り羽根(4)の形状については、特に制限はなく楕円形状、スリット形状等各種の形状が採用できるが、加工性の容易さから、図1および図2に示すようなスリットや孔の無い平板状のものが好ましい。また、駆動手段のリニアステッピングモータ(5)については、前述のようにパルスレート1000pps以上で駆動可能な高速駆動タイプであることが高速化実現のためには重要である。このことに加えて、さらに該モータ(5)は1ステップ角20μm以下、ストロークが8mm以下の小型軽量であることが、制御精度、スペースの点から特に望ましい。このように本発明では、光量設定部(8)から調光制御回路(7)ヘ至る信号経路に積分回路等の、信号を遅延させる回路要素を入れないことが、高速応答を実現させるため重要なポイントになっている、ことが理解されよう。本発明では、ランプ自体の出射光量は制御することなく一定のままとし、絞り羽根(4)の瞬時の回転・移動により出射光量を調節している結果、その移動時間で光量が安定するので従来のランプ印加電圧を変更する電気的方法と比較して、より高速で調光できる。すなわち、図4は、最大光量が等しい、150Wの本発明の光源装置と従来の光源装置での最小光量(ゼロ)から最大光量(MAX)へ光量を変化させる場合の立ち上がり時の光量変化を比較したものである。なお、図4の例では、リニアステッピングモータの最小移動量を15μm、ストロークを6mm、パルスレートを1200ppsとした。図4の実線で示すように本発明の一実施例では、光量のオーバーシュート、アンダーシュートもなく、0・35秒で最大光量に調光でき、同図の破線で示す従来の方法(電気的調光)と比較し、光量調整時間をおよそ半分に短縮化できる。以上の説明では最小光量(ゼロ)から最大光量(MAX)へ光量を変化させる場合について説明したが、透過光量を50%変化させる場合には、0.15秒、10%変化させる場合には、0.03秒と言う、さらに短時間で透過光量の設定変更が可能となる。以上の説明では、本発明でのメカニカル調光を行うための最小限の構成を示したが、高速駆動パルス印加時のリニアステッピングモータ(5)の脱調を防止するため、ポテンションメータ(9)をアームに連動させる構成としたり、あるいは、出射光量をモニタし確実に設定光量に補正するための、光量モニタファイバ(10)を絞り羽根とライトガイド入射部間に挿入した構成とすることにより、より精度の高い調光が可能となる。さらに、ランプ等の経時変化による光量の変化を安定化させるための、フィードバック制御回路(11)等を付加する等各種のバリエーションが考えられる。また、上記の説明では、絞り羽根(4)とアーム(6a)を別体としたが、部品点数を削減するため、絞り羽根とアームを一体としてもよいことは言うまでもない。さらにまた、上記の説明では、光量設定部として光源装置本体に付属するボリュームを使用した例を示したがこれに代えて図3に破線で示すように、外部制御端子(8e)から直接、光量設定値である電圧指示値を調光制御回路に入力する方式である、外部制御方式を採用してもよい。本発明において、ライトガイド(2)としては通常の多数本のガラスまたはプラスチック製の光ファイバー素線を束ねたものが用いられる。また、ランプ(3)としては高輝度のハロゲンランプが好ましく用いられる。以上のことからも明らかなように本発明の特徴は、ランプ電圧を変更する電気的な方法でなく、特に小型軽量の一枚の絞り羽根を最小移動量で高速駆動する、メカニカル(機械的)な方法により、光量変更を高速に可能とした点にある。
【0007】また、上記の説明では、絞り羽根をリニアステッピングモータで駆動する構成としたが、これ以外に、回転型ステッピングモータあるいはDCサーボモータ等公知の駆動手段で駆動する構成としてもよいことも付記しておく。
【0008】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、再三述べてきたように、ハロゲンランプ自体の出射光量は制御することなく一定のままとし、調光を一枚の小型軽量の絞り羽根を高速に駆動する構成にしたので、以下のような格別顕著な効果が得られる。
1)電気的調光方法に比較して、高速調光が可能になる。
2)ハロゲンランプは一定光量で点灯したままであるので、光量のオーバーシュートやアンダーシュートがなく安定している。
3)ハロゲンランプに流れる電流変化が少ないので断線することなく、ランプの寿命が増す。
4)付加部品を追加した構成とすることにより、より高精度の調光が可能となる。
【出願人】 【識別番号】000226932
【氏名又は名称】日星電気株式会社
【出願日】 平成13年4月26日(2001.4.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−352613(P2002−352613A)
【公開日】 平成14年12月6日(2002.12.6)
【出願番号】 特願2001−128538(P2001−128538)