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【発明の名称】 保護拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置
【発明者】 【氏名】真崎 忠宏

【氏名】荒川 文裕

【要約】 【課題】カール、たわみの発生を抑えた、高品質な保護拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置を提供すること。

【解決手段】透明基材層と、前記透明基材層の両方の面上に設けられ、微粒子を含まない、表面が微細な凹凸形状を有する樹脂層とを備える保護拡散フィルムにおいて、前記表面が微細な凹凸形状を有する樹脂層同士の塗工量の差が、各々の樹脂層の塗工量に対する百分率で、−20%〜20%の範囲内にある保護拡散フィルム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 レンズフィルムを備えた面光源装置に用いられる保護拡散フィルムであって、透明基材層と、前記透明基材層の両方の面上に設けられ、微粒子を含まない、表面が微細な凹凸形状を有する樹脂層と、を備える保護拡散フィルムにおいて、前記表面が微細な凹凸形状を有する、前記透明基材層の表裏の樹脂層同士の塗工量の差が、各々の樹脂層の塗工量に対する百分率で、−20%〜20%の範囲内にあること、を特徴とする保護拡散フィルム。
【請求項2】 請求項1に記載の保護拡散フィルムにおいて、透明基材層の両方の面上に設けられた、微粒子を含まない、表面が微細な凹凸形状を有する樹脂層同士の組成成分が同一であること、を特徴とする保護拡散フィルム。
【請求項3】 請求項1から請求項2までのいずれか1項に記載の保護拡散フィルムにおいて、前記表面が微細な凹凸形状を有する樹脂層は、電離放射線硬化型樹脂により形成されていること、を特徴とする保護拡散フィルム。
【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の保護拡散フィルムを製造する製造方法であって、前記凹凸形状に対応した型形状を有するシリンダ版を用いて、前記電離放射線硬化型樹脂に形状を賦型する賦型工程と、前記電離放射線硬化型樹脂に電離放射線を照射して、前記電離放射線硬化型樹脂を硬化させる硬化工程と、を備えた保護拡散フィルムの製造方法。
【請求項5】 光源と、前記光源の光を投光面から所定の方向に面投光する面投光手段と、前記投光面上に設けられたレンズフィルムと、前記レンズフィルムの出光面側に設けられた請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の保護拡散フィルムと、を備える面光源装置。
【請求項6】 光源と、前記光源の光を投光面から所定の方向に面投光する面投光手段と、前記投光面上に設けられたレンズフィルムと、前記レンズフィルムの出光面側に設けられた請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の保護拡散フィルムと、前記保護拡散フィルムの出光面側に配置された、透過型の液晶表示素子と、を備える液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズフィルムの出光面側に設けられる保護拡散フィルムに関し、特に、保護拡散フィルムのカール、たわみの発生を抑えた、高品質な保護拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、従来の保護拡散フィルム110を用いた面光源装置の一例として、エッジ型平面光源である面光源装置120を設けた液晶表示装置135の断面図である。面光源装置120は、光源121、導光板122、反射フィルム124、光拡散フィルム125,レンズフィルム140,保護拡散フィルム110等からなっている。導光板122は、面投光手段であって、側端部に光源121を備え、光源121からの光を拡散させて出光方向に向けるためのドットパターン123を出光面122aと対向する非出光面に設けている。反射フィルム124は、導光板122の非出光面側に設けられ、不要な方向へ出光する光線を遮るとともに、所定の方向に光線を反射して戻す役割を果たしている。
【0003】導光板122の出光面122a側には、光を拡散することにより、ドットパターン123を隠蔽するための光拡散フィルム(拡散板)125を挟んで、レンズフィルム140が、プリズム面を出光面側にして配置されている。光拡散フィルム(拡散板)は、光拡散作用を備えており、透明樹脂基材中に、有機又は無機ビーズを光拡散剤として分散混入したものや、透明樹脂基材上に、有機又は無機ビーズを拡散剤として含有するインキをコーティングしたものが使用されていた。レンズフィルム140の出光面側には、レンズフィルム140のプリズム140aと液晶表示素子133とが直接接触して、輸送時の振動等により互いに傷を付けることを防ぐ保護拡散フィルム110が設けられている。保護拡散フィルム110は、レンズフィルム140のプリズム140aのスジや、図示しないスペーサ等を隠蔽するために、わずかな光拡散作用も備えており、透明樹脂基材中に、有機又は無機ビーズを光拡散剤として分散混入したものや、透明樹脂基材上に、有機又は無機ビーズを拡散剤として含有するインキをコーティングしたものが使用されていた。
【0004】面光源装置120の出光側には、下基板132と上基板131に挟まれた液晶層130からなる透過型の液晶表示素子133が設けられており、面光源装置120は、液晶表示素子133を裏面から照明する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来の装置に使用される保護拡散フィルム110は、通常、透明基材の両面に、拡散インキ(樹脂中に拡散剤を添加混合したインキ)をコーティングしているが表1に示す様に、表裏の塗工量に差がある。
【0006】
【表1】

【0007】従来の保護拡散フィルムのように、表裏の塗工量差が大きいと、熱や湿度によるカールやたわみが生じやすくなるという問題があった。これは、拡散インキ(コーティング剤)の表裏塗工量の差による伸縮の差に起因しており約90℃まで上昇する高温度状態の閉鎖空間となる液晶表示装置用バックライト内の条件では、フィルムのたわみ不良が生じるからである。
【0008】また、光源側(下側)の塗工量を観察側(上側)と同程度量まで塗工すると、次の■、■のような問題があった。
■表面の凹凸が少なくなり下側に設置する導光板やレンズフィルムとの干渉縞外観不良が発生する。
■拡散剤(微粒子)が多くなることで拡散性が増し(ヘイズが高くなる)て、光の利用効率が落ちてしまい輝度が低下する不具合が生じる。
【0009】つまり、従来の拡散性付与方法では、樹脂中に添加する拡散剤によるものなので、塗工量の増減によって、拡散性や表面凹凸形状に変化が現れる。このため輝度などの光学特性やステッキング防止性に影響が見られる。
【0010】本発明の課題は、レンズフィルムの出光面側に設けられる保護拡散フィルムにおいて、特に、保護拡散フィルムのカールやたわみの発生を抑えた、高品質な保護拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、レンズフィルム(40)を備えた面光源装置(20)に用いられる保護拡散フィルム(10)であって、透明基材層(11)と、前記透明基材層の両方の面上に設けられ、微粒子を含まない、表面が微細な凹凸形状を有する樹脂層(13A,13B)と、を備える保護拡散フィルムにおいて、前記表面が微細な凹凸形状を有する、前記透明基材層の表裏の樹脂層(本発明においては、保護拡散層ともいう)同士(透明基材層の表裏両方の面に設けらている樹脂層同士)の塗工量の差が、各々の樹脂層の塗工量に対する百分率で、−20%〜20%の範囲内にあること、を特徴とする保護拡散フィルムである。
【0012】本発明では、透明基材層の表裏の樹脂層の塗工量の差を上記の範囲にすることで表裏塗工量の差に起因する伸縮の差をなくし熱や湿度による保護拡散フィルムのカールやたわみを無くすことに成功したのである。本発明の拡散性付与方法は、樹脂中に添加する拡散剤によるものではなく表面凹凸形状によるものであるため塗工量の増減によって、拡散性や表面凹凸形状にほとんど変化がない。このため輝度などの光学特性やステッキング防止性に影響は見られない。透明基材層の表裏の樹脂層の塗工量差が上記範囲を越えると、表裏の樹脂の伸縮の差が大きくなりカールの程度が増す【0013】請求項2の発明は、請求項1に記載の保護拡散フィルム(10)において、透明基材層の両方の面上に設けられた、微粒子を含まない、表面が微細な凹凸形状を有する樹脂層同士の組成成分が同一であること、を特徴とする保護拡散フィルムである。
【0014】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の保護拡散フィルム(10)において、前記表面が微細な凹凸形状を有する樹脂層は、電離放射線硬化型樹脂により形成されていること、を特徴とする保護拡散フィルムである。
【0015】請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の保護拡散フィルム(10)を製造する製造方法であって、前記凹凸形状に対応した型形状を有するシリンダ版(88)を用いて、前記電離放射線硬化型樹脂に形状を賦型する賦型工程と、前記電離放射線硬化型樹脂に電離放射線を照射して、前記電離放射線硬化型樹脂を硬化させる硬化工程と、を備えた保護拡散フィルムの製造方法である。
【0016】請求項5の発明は、光源(21)と、前記光源の光を投光面(22a)から所定の方向に面投光する面投光手段(22)と、前記投光面上に設けられたレンズフィルム(40)と、前記レンズフィルムの出光面側に設けられた請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の保護拡散フィルムと、を備える面光源装置である。
【0017】請求項6の発明は、光源(21)と、前記光源の光を投光面(22a)から所定の方向に面投光する面投光手段(22)と、前記投光面上に設けられたレンズフィルム(40)と、前記レンズフィルムの出光面側に設けられた請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の保護拡散フィルム(10)と、前記保護拡散フィルムの出光面側に配置された、透過型の液晶表示素子(33)とを備える液晶表示装置(35)である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
(第1実施形態)
(光拡散フィルム)図1は、第1実施形態における保護拡散フィルム10の一部を拡大した断面図である。保護拡散フィルム10は、基材フィルム11と、その両面に設けられた保護拡散層13A,13Bとを有している。
【0019】基材フィルム11は、ベースとなる透明基材層であり、セルローストリアセテート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリメタアクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂の延伸又は未延伸フィルムを使用することができる。基材フィルム11の厚みは、フィルムがもつ剛性にもよるが、50〜200μmのものが、加工性等の取扱い面からいって好ましい。また、保護拡散層13A,13Bを設ける面は、コロナ放電処理等の易接着処理を施すことが、積層する保護拡散層13A,13Bとの接着を強固に安定化するために好ましい。
【0020】保護拡散層13A,13Bは、表面に微細な凹凸形状を有し、接触する部材を保護し、かつ、適度な拡散性を有することにより、隠蔽性を備える層である。本実施形態における保護拡散層13Aと13Bの塗工量の差の数値を、保護拡散層13A又は13Bの塗工量で割った数値に、100%をかけた数値が百分率で、−20%〜20%の範囲内にある。本実施形態における保護拡散層13A,13Bの表面粗さは、十点平均粗さRzで示すと、Rz=1.6μmである。また、測定条件を、縦倍率:2000倍、横倍率50倍、測定基準長0.8mm、位相特性:ノーマル型、送り速度:0.1mm/秒、カウントレベル±0.1μmとして、Pc1方式により測定した場合の粗さである山の数PC=8である。
【0021】Rzは、1〜6μmの範囲内にあることが望ましい。1μm未満では、凹凸の高さが足りず、隠蔽性が低くなるからであり、6μmを越えると、隠蔽性が必要以上に高くなりすぎて、光学特性が悪くなるからである。同様な理由から、PCは、上記測定条件において、2〜15の範囲内であることが望ましい。
【0022】保護拡散フィルム10は、保護拡散層13A,13Bの表面凹凸により、適度な光拡散作用を持っている。光を拡散するレベルを示す指標として、物体の輝度とそれを散乱媒質を通して見た場合の輝度との比として示すヘーズ値が用いられるが、本実施形態の保護拡散フィルム10のヘーズ値は、30である。保護拡散フィルムのヘーズ値としては、15〜50の範囲内にあることが望ましく、更に、20〜40の範囲内にあることがより好ましい。15未満では、隠蔽性が低くなり、導光板以下の微細な不具合等を隠せなくなり、50を越えると、必要以上に隠蔽性がありすぎて、輝度が低下するからである。
【0023】図2は、Pc1方式を説明する図である。Pc1方式は、カウントレベルCLを設定し、粗さ曲線Fの中心線Cに平行な2本の上側ピークカウントレベルU及び下側ピークカウントレベルDを設ける。下側ピークカウントレベルDと粗さ曲線Fとが交叉する2点間において、上側ピークカウントレベルUと粗さ曲線Fとが交叉する点が1箇所以上存在するときを1山としてカウントし、このカウントを基準長さLの範囲内において行い、山のカウント数により表面粗さを表す。図2に示す例では、4山あるので、Pc1方式による山の数は、4となる。
【0024】樹脂層(本発明においては、保護拡散層ともいう)13A,13Bは、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アクリレート(以下、本明細書では、アクリレートとメタアクリレートとを、(メタ)アクリレートと記載する。)等のオリゴマー又はプレポリマー及び反応性の希釈剤を比較的多量に含むものから構成する。上記希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー、並びに多官能モノマー、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等がある。
【0025】更に、上記の電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用するときは、これらの中に光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、αーアミロキシムエステル、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィン等を混合して使用する。
【0026】上記の電離放射線硬化型樹脂には、次の反応性有機ケイ素化合物を含ませることもできる。Rm Si(OR′)n で表せる化合物であり、ここでR、R′は、炭素数1〜10のアルキル基を表し、m+n=4であり、そしてm及びnは、それぞれ整数である。更に具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン等があげられる。
【0027】樹脂層13A,13Bは、上記の反応硬化型樹脂ばかりでなく、熱可塑性樹脂を用いて形成することもできる。例えば、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート等のアクリル樹脂、、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネートや、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリハイドロカーボン、6,6ナイロン、6ナイロン等のポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリイミド、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、アセチルセルロース等の熱可塑性樹脂から選択できる。
【0028】本実施形態の内、実施例1では、基材フィルム11、樹脂層13A,13Bについて、上記素材の中から、以下のものを選択して使用した。基材フィルム11は、PETフィルム:A4300(東洋紡績社製)の厚さt=125μmを使用した。樹脂層(保護拡散層)13A,13Bは、紫外線硬化型樹脂: RC19−941(大日本インキ化学工業株式会社製)を使用した。
【0029】(保護拡散フィルムの製造方法)保護拡散フィルム10は、基材フィルム11上に、樹脂層(保護拡散層)13A,13Bを形成することにより製造した。図3は、保護拡散層13Aを形成する工程の概略を説明する図である。最初に、保護拡散層13Aの表面の微細凹凸形状に対応した凹凸形状を形成してあるシリンダ版88に、ポンプ87で電離放射線硬化型樹脂82をダイヘッド86に送り、シリンダ版88に電離放射線硬化型樹脂82を均一に押し込む。そして、基材フィルム11の面とシリンダ版88とを入口ニップ83で密着(賦型工程)したものに、電離放射線照射装置85〔Dバルブ紫外線ランプ(フュージョン社製)〕により電離線を照射し、硬化した電離放射線硬化型樹脂81とするとともに基材フィルム11との接着を行う(硬化工程)。そして、出口ニップ84でシリンダ版88から基材フィルム11に形成した保護拡散層13Aを剥離し、保護拡散フィルム10を形成する途中の形態であるフィルム10−1を形成した。保護拡散フィルム10は、このフィルム10−1に、更に保護拡散層13Bを同様な工程により形成して作製した。実施例1において、基材フィルム11の表裏の塗工量は、保護拡散層13A(第一工程面側)が10g/m2で、保護拡散層13B(第二工程面側)が11g/m2であった。
【0030】シリンダ版88は、円筒形の鉄製の素材上に、#250の液体サンドを吹き付けて、サンドブラスト処理を行い、前述の表面凹凸形状に対応した形状を設けた。これを更に、電解研磨により仕上げた後、保護のためにクロムメッキを施した。
【0031】(面光源装置及び液晶表示装置)図4は、本実施形態の保護拡散フィルム10を用いた面光源装置20を設けた液晶表示装置35を示す断面図である。面光源装置20は、光源21、導光板22、反射フィルム24、光拡散フィルム25,レンズフィルム40,保護拡散フィルム10等からなっている。尚、面光源装置20を設けた液晶表示装置35は、保護拡散フィルム10以外の部分については、従来技術の説明において示した液晶表示装置135と同様であるので、重複する説明は省略する。本実施形態(実施例1)では、光拡散フィルム25として光拡散フィルムD121(ツジデン社製)、レンズフィルム40としてBEF2(住友3M社製)を使用した。レンズフィルム40の出光面側には、レンズフィルム40のプリズム40aと液晶表示素子33とが直接接触して、輸送時の振動等により互いに傷を付けることを防ぐ保護拡散フィルム10が設けられている。
【0032】(評価試験)以上のようにして、実施例1で作製した保護拡散フィルム10の評価を、カールやたわみの特性について、下記の比較例1〜2との対比により行った。
【0033】比較例1は、株式会社 ツジデン製 拡散フィルム D117Uである。
【0034】比較例2は、樹脂層(保護拡散層)13Bの紫外線硬化型樹脂の塗工量を15g/m2に変えた以外は、実施例1と同じにした。
【0035】(評価方法)15cm×20cmサイズに切り取った、実施例1及び比較例1、2で作製した保護拡散フィルムをガラス板上に置き、50℃、90%RH雰囲気下に放置する2時間経過後、常温常湿度雰囲気下に取り出して、10分間空冷した後、カールや歪みにより、拡散フィルム(シート)内に発生した浮き部分の最大高さをJIS 1級定規にて測定したこの浮き測定を保護拡散フィルムの表裏両方について測定した【0036】(評価結果)実施例1は、比較例1、比較例2と比較して、湿熱状態でもカールや歪みが非常に少ない結果となった具体的な評価結果を、表2に示す。
【0037】
【表2】

【0038】(変形形態)以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。例えば、保護拡散フィルムの表裏に用いるシリンダ版は、お互いに別の版形状(凹凸形状)でも構わない。
【0039】
【発明の効果】以上、詳しく説明したように、本発明によれば、保護拡散フィルムのカール、たわみの発生を抑えて、高品質な保護拡散フィルム及びその製造方法、面光源装置及び液晶表示装置を提供することができるものである。保護拡散フィルムは、シリンダ版を用いて、電離放射線硬化型樹脂に形状を賦型する賦型工程と、電離放射線硬化型樹脂を硬化させる硬化工程とを備えた製造方法(DPS法によるロールtoロールの連続成形)により製造されるので、従来の保護拡散フィルムより製造コストが高くなることもなく製造することができる。したがって、このような保護拡散フィルムを用いた面光源装置及び液晶表示装置は、保護拡散フィルムのカール、たわみによる不良が発生することがなくなり、より信頼性を高くすることができる。本発明の拡散性付与方法は、樹脂中に添加する拡散剤によるものではなく表面凹凸形状によるものであるため塗工量の増減によって、拡散性や表面凹凸形状にほとんど変化がない。このため輝度などの光学特性やステッキング防止性に影響は見られない。
【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【出願日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【代理人】 【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
【公開番号】 特開2002−343121(P2002−343121A)
【公開日】 平成14年11月29日(2002.11.29)
【出願番号】 特願2001−149619(P2001−149619)