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【発明の名称】 光源装置及び投写型表示装置
【発明者】 【氏名】木田 博

【要約】 【課題】従来の高温となる光源の冷却手段を備えた光源装置では、光源装置を投写型表示装置に適用した場合に、常に同じ姿勢で投写型表示装置を使用なければ最適な冷却状態が得られない。本発明は、光源装置を投写型表示装置に適用した場合に、投写型表示装置を上下反転して使用しても、光源を最適に冷却することを目的とする。

【解決手段】リフレクタ11の前面開口部付近に設けられ、上記光源の上部または下部へより多くの外気を送る送風部として、送風口17と隣接して、ダクト21を配置している。ダクト21の内部には、風向制御板22が設けられおり、風向制御板22の一端は、風向制御板回転軸23により、ダクト21に対して風向制御板回転軸23を中心に回動できるように支持されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源支持部近傍に排風口を設けた凹面反射鏡と、上記凹面反射鏡の前面開口部を覆う光透過部材と、導管内に上記光源の上部または下部へより多くの外気を送る風向制御板を有し、かつ上記凹面反射鏡の前面開口部近傍に配置された送風部とを備えたことを特徴とする光源装置。
【請求項2】 上記風向制御板が、上記導管内で重力によって回動自在に支持され、上記導管内で所定の角度に位置するように回動を制限するストッパーを有することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】 光源支持部近傍に排風口を設けた凹面反射鏡と、上記凹面反射鏡の前面開口部を覆う光透過部材と、導管内に上記光源の上部または下部へより多くの外気を送る風向制御板を有し、かつ上記凹面反射鏡の前面開口部近傍に配置された送風部とを備えた光源装置と、上記送風部に外気を送るシロッコファンとを具備したことを特徴とする投写型表示装置。
【請求項4】 光源支持部近傍に排風口を設けた凹面反射鏡と、上記凹面反射鏡の前面開口部を覆う光透過部材と、導管内に上記光源の上部または下部へより多くの外気を送る風向制御板を有し、かつ上記凹面反射鏡の前面開口部近傍に配置された送風部とを備えた光源装置と、上記排風口から空気を排出する軸流ファンとを具備したことを特徴とする投写型表示装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投写型表示装置等に使用される光源装置に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】大画面映像を提供する投写型表示装置は、画像表示デバイスに透過型あるいは反射型の液晶パネルや、マイクロミラーが可動するDLPを使用し、画像表示デバイスを高輝度の白色光源により照明して、表示画像を投写レンズによってスクリーンに拡大投写する。
【0003】上記投写型表示装置に使用される光源としては、100〜400Wのメタルハライドランプや高圧水銀ランプが、大型機器には1kW程度のキセノンランプ等の放電ランプが使用されている。中でも高圧水銀ランプは、発光効率が高く、かつ小さいアークスポットのため光学系の光効率が高く、さらに長寿命であることより、投写型表示装置に使用される光源の主流となっている。
【0004】図4は、特開2000−57825号公報に示された投写型表示装置に使用する従来の放電ランプを用いた光源装置の断面図である。1は放電ランプ、2は発光管、3a,3bは電極、4a,4bは封止部、5a,5bはリード棒、6a,6bはリード線、11はリフレクタ、12は反射面、13は平板ガラス、14はランプ保持部材、15は接着材、16はランプ挿入開口、18は排風口、51は通気部材、52は冷却送風口である。
【0005】放電ランプ1は、一対の電極3a、3bとを配置した発光管2と、導電箔をガラスにより密着して発光管内部2cと外部との機密性を保つ封止部4a、4bとにより構成される。点灯中の電極3a、3bとは、2500〜3000℃の高温になるため、熱蒸発の小さい金属であるタングステンが使用される。また、放電ランプ1を構成するガラスには、耐熱性に優れた石英ガラスが使用される。発光管内部2cには、高圧水銀ランプの場合、水銀、アルゴンやキセノン等の希ガス、ハロゲン化物が封入されている。封止部4a、4bと導電箔との導通を取るため、リード棒5a、5bがそれぞれ封止部4a、4bのガラス部材より外部に突出している。さらに、リード棒5a、5bがそれぞれリード線6a、6bに接続されている。リード線6a、6bから電力が供給されることにより、電極3a、3bの間にアークが形成されて、放電ランプ1が発光する。
【0006】発光管2を透過した光を集光するため、楕円面あるいは放物面等の凹面形状をしたリフレクタ11を配置している。このリフレクタ11は、ほう珪酸ガラスや結晶化ガラスを基材とした内面に、可視光領域の光を効率よく反射する金属膜や誘電体多層膜により反射面12を形成している。放電ランプ1が高圧水銀ランプの場合、点灯中の発光管内部2cは、気化した水銀の蒸気圧により100〜200気圧の高圧となる。このため、万一、放電ランプ1が破裂した場合、ガラスや電極の飛散を防止するため、リフレクタ11の光出射開口部を、光透過性の平板ガラス13により覆っている。リフレクタ11の反射面12の中心部には、ランプ挿入開口16が形成されており、このランプ挿入開口16へランプ保持部材14に接着剤15で固定された放電ランプ1を挿入し、その後リフレクタ11にランプ保持部材14に接着剤15で固着固定する。
【0007】一般的に、投写型表示装置に使用される放電ランプ1は、水平姿勢で使用され、また上述のように、放電ランプ1は、リフレクタ11と平板ガラス13により覆われた構造となっているので、放電ランプ1の存在する内部は高温となる。最も高温となるのが発光管上部2bである。従来技術によれば150Wの放電ランプを、冷却風を送風しない状態で点灯した場合、上部は1060℃、下部は880℃程度となることがある。高温状態で使用すると、温度の高い発光管上部2bが白く曇る失透現象を起こして急激な照度低下を招いたり、ガラスの軟化による発光管2の変形や破裂の要因となる。
【0008】この問題を解決するため、リフレクタ11の下部に通気部材51と冷却送風口52を備えている。また、ランプ保持部材14に排風口18を備えている。冷却送風口52より送り込まれた冷却風71は、リフレクタ11の反射面12を反射して(冷却風72)、発光管上部2bを冷却しながら、リフレクタ11のランプ挿入開口16とランプ保持部材14の排風口18を通って(冷却風73)、リフレクタ11の外部に熱を放出している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来技術の光源装置では、光源装置を投写型表示装置に適用した場合は、常に冷却送風口52を下にして使用しなければならない。ここで、図5に投写型表示装置の投影形態を示す。投写型表示装置61aは床置きの投写形態であり、投写型表示装置61aより出射した投写光62aが前方のスクリーン63に大画面映像が投影される。一方投写型表示装置61bは天吊りの投写形態であり、投写型表示装置61aに対しては上下反転した形態で使用する。
【0010】床置きの投写形態の投写型表示装置61aに、上記の従来の光源装置を適用した場合、光源装置の冷却送風口52が下側になるように構成しなければならない。天吊り形態の投写型表示装置61bでは、図4に示す光源装置も上下反転するため、発光管2a部が最も温度が高くなり、冷却風は温度が低い発光管2b部をさらに冷却することになる。発光管の過冷却は、発光管内部に封入された水銀の蒸気圧が低下するとともに発光効率の低下を招くという問題が発生する。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明における光源装置においては、導管内に上記光源の上部または下部へより多くの外気を送る風向制御板を有し、かつ上記凹面反射鏡の前面開口部近傍に配置された送風部を備えたものである。
【0012】また、上記風向制御板が、上記導管内で重力によって回動自在に支持され、上記導管内で所定の角度に位置するように回動を制限するストッパーを有するものである。
【0013】さらに、この発明における投写型表示装置においては、光源支持部近傍に排風口を設けた凹面反射鏡と、上記凹面反射鏡の前面開口部を覆う光透過部材と、導管内に上記光源の上部または下部へより多くの外気を送る風向制御板を有し、かつ上記凹面反射鏡の前面開口部近傍に配置された送風部とを備えた光源装置と、上記送風部に外気を送るシロッコファンとを具備したものである。
【0014】また、光源支持部近傍に排風口を設けた凹面反射鏡と、上記凹面反射鏡の前面開口部を覆う光透過部材と、導管内に上記光源の上部または下部へより多くの外気を送る風向制御板を有し、かつ上記凹面反射鏡の前面開口部近傍に配置された送風部とを備えた光源装置と、上記排風口から空気を排出する軸流ファンとを具備したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1(a)は、実施の形態1における光源装置の正面図を示し、図1(b)は実施の形態1における光源装置の断面図を示す。1は光源である放電ランプ、2は発光管、3a,3bは電極、4a,4bは封止部、5a,5bはリード棒、6a,6bはリード線、11は光源支持部近傍に排風口を設けた凹面反射鏡であるリフレクタ、12は反射面、13は凹面反射鏡の前面開口部を覆う光透過部材である平板ガラス、14はランプ保持部材、15は接着材、16はランプ挿入開口、17は送風口、18は排風口、21は外気を導く導管であるダクト、22はダクト21内で重力によって回動自在に支持された風向制御板、23は風向制御板回転軸、24a、24bは風向制御板22がダクト21内で所定の角度に位置するように回動を制限するストッパである。
【0016】放電ランプ1は、一対の電極3a、3bを配置した発光管2と、導電箔をガラスにより密着して発光管内部2cと外部との機密性を図る封止部4a、4bにより構成される。点灯中の電極3a、3bは、2500〜3000℃の高温になるため、熱蒸発の小さい金属であるタングステンが使用される。また、放電ランプ1を構成するガラスには、耐熱性に優れた石英ガラスが使用される。管球内部2cには、高圧水銀ランプの場合、水銀、アルゴンやキセノン等の希ガス、ハロゲン化物が封入されている。封止部4a,4bの導電箔との導通を取るため、リード棒5a、5bがそれぞれ封止部4a、4bのガラス部材より外部に突出しており、さらにリード棒5a、5bはそれぞれリード線6a、6bに接続されている。リード線6a、6bから電力が供給されることにより、電極3a、3bの間にアークが形成されて、放電ランプ1が発光する。発光管2を透過した光を集光するため、楕円面あるいは放物面形状の凹面形状をしたリフレクタ11を配置している。
【0017】リフレクタ11は、ほう珪酸ガラスや結晶化ガラスを基材とした内面に、可視光領域の光を効率よく反射する金属膜や誘電体多層膜により反射面12を形成している。放電ランプ1が高圧水銀ランプの場合、点灯中の発光管内部2cは、気化した水銀の蒸気圧により100〜200気圧の高圧となる。このため、万一、放電ランプ1が破裂した場合、ガラスや電極の飛散を防止するため、リフレクタ11の光出射開口部を、光透過性の平板ガラス13により覆っている。リフレクタ11の反射面12の中心部には、ランプ挿入開口16が形成されており、このランプ挿入開口16へランプ保持部材14に接着剤15で固定された放電ランプ1を挿入し、その後リフレクタ11にランプ保持部材14に接着剤15で固着固定する。
【0018】リフレクタ11は、開口部側面の一部で、光源装置とした場合の水平方向に切り欠きが設けられている。このリフレクタ11と平板ガラス13とを組み合わせることにより、送風口17が形成される。リフレクタ11の中心部の放電ランプ挿入開口16には、ランプ保持部材14が固着されており、放電ランプ1は、所定の位置にランプ保持部材14と接着剤15により固定されている。ランプ保持部材14には、光源支持部近傍に排風口18が設けられており、放電ランプ挿入開口16から排風口18を通して、リフレクタ11内部から外部に流れる風路を形成している。
【0019】リフレクタ11内部に冷却風を送風するため、リフレクタ11の前面開口部付近に設けられ、上記光源の上部または下部へより多くの外気を送る送風部として、送風口17と隣接して、ダクト21を配置している。ダクト21の内部には、風向制御板22が設けられており、風向制御板22の一端は、風向制御板回転軸23により、ダクト21に対して風向制御板回転軸23を中心に回動できるように支持されている。ダクト21のストッパ24a,24bは、風向制御板22を所定の角度となるよう可動範囲を制限している。重力方向が図1記載のように下方の場合、風向制御板22は自重により、実線で示す風向制御板22aのように傾いて安定する。また、本光源装置を上下反転した場合は、風向制御板22は破線で示す風向制御板22bのように傾いて安定する。
【0020】上記のように、ダクト21に送り込まれた冷却風31は、風向制御板22により二分される。風向制御板22の上部から送風口17に流れ込む冷却風32は、リフレクタ11の反射面12を反射して、冷却風34の様に発光管上部2b近傍を通って、ランプ挿入開口16及び排風口18を通って、リフレクタ11の外部に排気される。風向制御板22の下側を通った冷却風33は、封止部4a付近を通って、反射面12を反射して冷却風35となってランプ挿入開口16及び排風口18を通って、リフレクタ11の外部に排気される。
【0021】このように、相対的にリフレクタ11の上部に強い風が流れて、放電ランプ1が最も熱くなる発光管上部2bを冷却しているため、失透現象を抑制できるとともに発光管上部2bと下部2aの温度差を低減できるので、安定したアークが得られる。
【0022】本発明の光源装置を図5に示す床置き姿勢の投写型表示装置61aに搭載し、天吊り姿勢にて投写型表示装置61bを使用した場合、図5の光源装置は上下反転する。このとき、発光部2aが最も熱くなるが、上述のように風向制御板22が使用姿勢に応じて可動するようにしているので、光源装置の使用する姿勢によらず、放電ランプを同じ状態に冷却できる。
【0023】実施の形態2.図2は、本発明の実施の形態2における投写型表示装置であり、上記光源装置の冷却風送風手段の一例を示す。41はシロッコファン、42はシロッコファン41の回転フィンである。シロッコファン41は、ドーナツ形状の回転フィン42が回転することにより、シロッコファン41の円形部の側面から吸気される冷却風36が、矩形開口部より排気されることにより冷却風31が発生する。シロッコファン41の排気部の開口形状とダクト21の開口形状をほぼ一致させて接続することにより、効率よく冷却風31をダクト21に送り込むことができる。
【0024】シロッコファン41の代わりに軸流ファンを使用しても良いが、ダクト21の開口径を軸流ファンの回転フィン径に一致させる必要があり、風量の大きいファンを使用する場合、ダクト21が大型化する。シロッコファンは、風量が大きくなるに従って回転フィンの径が大きくなるが、排気部の開口形状としては同じものが選択できる点で使用に適している。
【0025】実施の形態3.図3は、本発明の実施の形態3における投写型表示装置であり、上記光源装置における排気手段の他の例を示す。43はリフレクタ11を覆うハウジング、44は軸流ファン、45は軸流ファン44の回転フィンである。リフレクタ11の内部の熱は、冷却風34及び35となって、リフレクタ11とハウジング43とで囲われた空間に排気される。軸流ファン44の回転フィン45を回転することにより、ハウジング43内部の排気風37は、ハウジング43の外部に排気風38となり、リフレクタ11内部の熱を効率良く排気することができる。また、リフレクタ11とハウジング43及び軸流ファン44との密閉度を上げることにより、軸流ファン44の回転のみで、図1に記述した同様の冷却風の流れを作ることが可能となる。
【0026】軸流ファンの代わりにシロッコファンを使用しても良いが、リフレクタ11の外形は50角〜100角の矩形、あるいはこの矩形に内接する円形であるので、この形状に合った軸流ファンを選択すれば良く、比較的大型の軸流ファンでも排気手段を構成できる。
【0027】また、図2に示す冷却風送風手段と、図3に示す排気手段を併用すれば、さらに効率良く放電ランプ1に発生した熱を冷却でき、リフレクタ11内部の熱を外部に排気できる。
【0028】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成されているので以下に示すような効果を奏する。
【0029】導管内に上記光源の上部または下部へより多くの外気を送る風向制御板を有し、かつ上記凹面反射鏡の前面開口部近傍に配置された送風部を備えたことにより、光源装置の姿勢によらず常に同じ状態で、放電ランプを冷却できるとともに、光源装置の姿勢に応じて光源の高温側に多くの冷却風が送られる。
【0030】さらに、上記風向制御部が、上記導管内で重力によって回動自在に支持された風向制御板と、風向制御板が上記導管内で所定の角度に位置するように回動を制限するストッパーとを有することにより、光源装置の重力方向に応じて光源の高温側に多くの冷却風が送られる。
【0031】また、送風部に外気を送るシロッコファンを具備したことにより送風部に効率よく外気を送り込むことができる。
【0032】さらにまた、排風口から空気を排出する軸流ファンを具備したことにより、コンパクトで冷却効率の高い投写型表示装置が構成できる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成13年3月29日(2001.3.29)
【代理人】 【識別番号】100102439
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 金雄 (外1名)
【公開番号】 特開2002−298639(P2002−298639A)
【公開日】 平成14年10月11日(2002.10.11)
【出願番号】 特願2001−95637(P2001−95637)