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【発明の名称】 電球、反射鏡付き電球および照明器具
【発明者】 【氏名】難波 香織

【氏名】別所 誠

【氏名】酒井 誠

【要約】 【課題】フィラメント断線時にアーク放電が生起した場合は、短時間のうちに消孤してマウントやバルブの破壊を防止できる電球、反射鏡付き電球および照明器具を提供する。

【解決手段】バルブ1内に延在した一対の内部リード線32,33と、この一対の内部リード線32,33を埋設固定したガラスビード30と、一対の内部リード線32,33に継線されたコイル状フィラメント5と、封止部11とガラスビード30との間に互いに離間して配設されるとともに一端を封着導体2に他端を内部リード線32,33に接続したこの内部リード線より細径の一対の金属細線4,4と、封着導体2の他端に接続してバルブ1外に導出された外部リード線と、バルブ1内に封入された封入ガスとを具備している電球L1および反射鏡付電球ならびに照明器具である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも一端に封止部が形成されたガラスバルブと;この封止部内に気密封止された一対の封着導体と;上記封止部に一端が埋設固定されるとともにバルブ内に延在した一対の内部リード線と;この一対の内部リード線を埋設固定したガラスビードと;上記一対の内部リード線に継線されたコイル状フィラメントと;上記封止部とガラスビードとの間に互いに離間して配設されるとともに一端を上記封着導体に他端を上記内部リード線に接続したこの内部リード線より細径の一対の金属細線と;上記封着導体の他端に接続してバルブ外に導出された外部リード線と;上記バルブ内に封入された封入ガスと;を具備していることを特徴とする電球。
【請求項2】 少なくとも一端に封止部が形成されたガラスバルブと;この封止部内に気密封止された一対の封着導体と;上記封止部に一端が埋設固定されるとともにバルブ内に延在した一対のサポート線と;この一対のサポート線を埋設固定したガラスビードと;このガラスビード中に埋設固定されるとともに上記封止部とは反対方向に延在する一対の内部リード線と;この一対の内部リード線に継線されたコイル状フィラメントと;上記封止部とガラスビードとの間に互いに離間して配設されるとともに一端を上記封着導体に他端を上記内部リード線に接続したこの内部リード線より細径の一対の金属細線と;上記封着導体の他端に接続してバルブ外に導出された外部リード線と;上記バルブ内に封入された封入ガスと;を具備していることを特徴とする電球。
【請求項3】 金属細線はタングステン線からなり、フィラメントより1.3倍以下の大きい電流容量を有することを特徴とする電球。
【請求項4】 金属細線の線径に対しガラスビードを支持する内部リード線の線径が150%以上あることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の電球。
【請求項5】 金属細線は端部にこの金属細線より大径の導電線を介し封止部内に埋設されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の電球。
【請求項6】 外部リード線部分の少なくとも一部にヒューズが直列して接続されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の電球。
【請求項7】 バルブ内にはハロゲン化物および不活性ガスが封入されているとともにバルブの表面には可視光透過赤外線反射膜が形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の電球。
【請求項8】 反射鏡と;この反射鏡のネック部内に収容された請求項1ないし7のいずれか一記載の電球と;を具備していることを特徴とする反射鏡付き電球。
【請求項9】 器具本体と;器具本体に配設された反射体と;反射体に光学的に対向して配設された請求項1ないし7のいずれか一記載の電球と;を具備していることを特徴とする照明器具。
【請求項10】 器具本体と;器具本体に配設された請求項9記載の反射鏡付き電球と;を具備していることを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はバルブの破裂防止をはかり安全性を向上させた電球およびこの電球を装着した照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン電球は、小形で高効率であるところから、最近、ダウンライト用やスポットライト用として家庭や店舗などで多用されるようになってきた。このハロゲン電球は、フィラメントから蒸発したタングステンをバルブ内に封入したハロゲンの循環サイクルを利用して、フィラメントに戻しバルブの黒化を防ぎ効率を高めるとともに長寿命化を図ったものである。
【0003】そして、このハロゲン電球に限らず、電球はフィラメントが断線したときにその断線部間隙にアーク放電が発生することがある。そして、このアーク放電が持続するとアーク放電によりフィラメントや内部リード線の一部が溶融飛散して、その赤熱した高温の溶塊がガラスバルブ部分に衝突したり、加工歪みが残存している封止部に熱衝撃を与える結果バルブにクラックが入り、これがクラックに止まらずバルブの破裂という現象を招くことが希にある。
【0004】また、このハロゲン電球は、ハロゲンサイクルを円滑に行うため、ガラスバルブの温度が250℃以上になるよう管形化した小形に設計され、また、効率を高めるために封入される不活性ガスの圧力も1.5×105 〜7.0×105 Pa(パスカル)に高められている。
【0005】このような高温、高圧および耐蝕性に対処するためのバルブ材料として、石英ガラスやアルミナシリケートガラスなどの硬質ガラスが用いられている。しかし、これら諸条件に強いガラスであっても、バルブ表面に傷や熱加工による強い残存歪みなどがあると、電球点灯時に高まった内圧により傷などが伸展してこの傷などに起因するクラックがバルブに生じ、バルブが破裂しガラスの破片が四方に飛散して人身にけがを負わせたり、展示商品を損傷してしまう虞がある。
【0006】この電気的要因のアーク放電が発生してもただちに電気回路を遮断すればアーク放電が持続しないことから、フィラメントを支持し電気的な接続をなすリード線の一部、通常は外部リード線の一部に電流ヒューズを設けることで対処している。
【0007】しかし、この電流ヒューズでは、過電流に対しての許容範囲が広く速断せず、フィラメント断線時にアーク放電が持続してフィラメントやリード線などフィラメントの保持部材までも溶融飛散したり、また、外部リード線部分の場合は過大な電流で口金内においてもヒューズの溶断によりアークが発生しヒューズの溶塊が口金のシェル部や絶縁部を破壊してソケットと溶着するなどしてソケットからの離脱を困難にするなどの問題がある。
【0008】そこで、このバルブ内でのアークはバルブ内で消孤させる手段がいろいろと開発されている。このバルブ内での対応としては、内部リード線部分にヒューズ機能をもたせる、たとえば封止部内のリード線径を細くすることにより、アーク発生時に封止部に加わる封入圧力および熱衝撃などの応力を軽減させる方法(特開平11−329371号公報)や内部リード線の一部にヒューズを設ける(特開平2−210753号公報)ことが開示されているが、迅速、かつ、確実な消孤が行われない。
【0009】また、前者の場合は内部リード線の細径化した一部を封止部内に埋設形成したもので、内部リード線、フィラメントやステム(ガラス)などからなるマウントをバルブ内に支持するのに、最も荷重が加わる基部を細径化したリード線部分で行うのは、電球が振動や衝撃を受けた場合に重量的に不安定なもので、アークに対応する以前の構造的に不具合の虞がある。
【0010】また、後者のマウントは、一対の内部リード線が2個のガラスロッドにより支持されているが、マウントを支えるのは実質的には1本の内部リード線で、振動や衝撃を受けた場合に強度的に問題を生じる虞がある。この内部リード線を大径化することによりその対応もできるが、金属からなるリード線を石英ガラス中に埋設するにはそれぞれが熱膨張率も異なることから密着して植設されているものではなく、大径化するほど密着性は悪く強度的には低下する傾向にある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フィラメントを支持するマウントの強度を低下させることなく、フィラメント断線時にアーク放電が生起した場合は、短時間のうちに消孤してマウントやバルブの破壊を防止できる電球、反射鏡付き電球および照明器具を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明および以下の発明において、特に言及しない限り、用語の定義および技術的意味は次のとおりとする。
【0013】本発明は、アーク放電が持続した場合などの過電流に対しての対応性を向上したものである。
【0014】本発明が適用される電球は、投光用ハロゲン電球に限らず、他の用途の電球やハロゲンを封入しない他の種類の電球であってもよく、また、バルブに形成する封止部は片端に限らず、バルブの両端部に設けてあるものでもよい。また、封止部は圧潰封止部に限らず、バルブを収縮して形成した封止部でもよく、封着導体はモリブデン箔などの金属箔に限らず、線状の封着部材を用いることもできる。
【0015】また、ガラスバルブの材料は、石英ガラス、アルミノシリケートガラスやホウケイ酸ガラスなどの硬質ガラスでも、ソーダライムガラスや鉛ガラスからなる軟質ガラスで形成することができる。また、その形状は管形、球形や回転楕円体、回転放物線や回転長円体などの膨出部を有するもので特に限定されない。
【0016】また、フィラメントの配設方向はバルブ軸に沿ったものに限らず、バルブ軸と直交して配設したものであってもよい。
【0017】フィラメントと接続する内部リード線と直列してこの内部リード線より小径の金属細線は、過電流に対応して溶断する線材でアーク消孤用として作用する。この金属細線としてはタングステンW、モリブデンMo、タンタルTaなどを用いることができる。また、その線径や長さは適用する電球の定格に応じて適宜選べばよい。
【0018】また、マウントを構成するリード線などの金属部材の材料としては、ハロゲンを封入する電球の場合は、タングステンW、モリブデンMo、レニウムReやタンタルTaなどを、また、他の電球の場合は、上記材料のほかニッケルNi、銅Cu、鉄Feなどを用いることができる。
【0019】また、内部リード線およびサポート線は、その用途や作用が近似しており共用する場合もあって、特に名称に拘るものではない。
【0020】また、本発明はバルブ内に設けるアーク消孤用の金属細線のほか、外部リード線部分に、モネルメタル、コンスタンタン、ニッケル−マンガン合金やニッケルまたは/および銅などを主体とするヒューズを併用しても差支えない。
【0021】本発明の請求項1に記載の電球は、少なくとも一端に封止部が形成されたガラスバルブと、この封止部内に気密封止された一対の封着導体と、上記封止部に一端が埋設固定されるとともにバルブ内に延在した一対の内部リード線と、この一対の内部リード線を埋設固定したガラスビードと、上記一対の内部リード線に継線されたコイル状フィラメントと、上記封止部とガラスビードとの間に互いに離間して配設されるとともに一端を上記封着導体に他端を上記内部リード線に接続したこの内部リード線より細径の一対の金属細線と、上記封着導体の他端に接続してバルブ外に導出された外部リード線と、上記バルブ内に封入された封入ガスとを具備していることを特徴とする。
【0022】本発明の請求項2に記載の電球は、少なくとも一端に封止部が形成されたガラスバルブと、この封止部内に気密封止された一対の封着導体と、上記封止部に一端が埋設固定されるとともにバルブ内に延在した一対のサポート線と、この一対のサポート線を埋設固定したガラスビードと、このガラスビード中に埋設固定されるとともに上記封止部とは反対方向に延在する一対の内部リード線と、この一対の内部リード線に継線されたコイル状フィラメントと、上記封止部とガラスビードとの間に互いに離間して配設されるとともに一端を上記封着導体に他端を上記内部リード線に接続したこの内部リード線より細径の一対の金属細線と、上記封着導体の他端に接続してバルブ外に導出された外部リード線と、上記バルブ内に封入された封入ガスとを具備していることを特徴とする。
【0023】本発明の請求項3に記載の電球は、金属細線はタングステン線からなり、フィラメントより1.3倍以下の大きい電流容量を有することを特徴とする。
【0024】金属細線はフィラメントより少々大きい電流容量を有し、過電流が流れた場合に容易に断線する。
【0025】本発明の請求項4に記載の電球は、金属細線の線径に対しガラスビードを支持する内部リード線の線径が150%以上あることを特徴とする。
【0026】金属細線はフィラメントについで細径であって、内部リード線としてマウント部材を支持できる強度は有しない。
【0027】本発明の請求項5に記載の電球は、金属細線は端部にこの金属細線より大径の導電線を介し封止部内に埋設されていることを特徴とする。
【0028】本発明の請求項6に記載の電球は、外部リード線部分の少なくとも一部にヒューズが直列して接続されていることを特徴とする。
【0029】本発明の請求項7に記載の電球は、バルブ内にはハロゲン化物および不活性ガスが封入されているとともにバルブの表面には可視光透過赤外線反射膜が形成されていることを特徴とする。
【0030】本発明の請求項8に記載の反射鏡付き電球は、反射鏡と、この反射鏡のネック部内に収容された請求項1ないし7のいずれか一記載の電球とを具備していることを特徴とする。
【0031】反射鏡のネック部に耐熱性の接着剤を介して電球の封止部を固着あるいはネック部に相当する部位にソケットを配設し電球の口金部を装着して、両者を一体化することによって、寿命中の配光維持特性が変わることなく上記請求項1ないし7に記載したと同様な作用を奏する。
【0032】本発明の請求項9に記載の照明器具は、器具本体と、器具本体に配設された反射体と、反射体に光学的に対向して配設された請求項1ないし7のいずれか一記載の電球とを具備していることを特徴とする。
【0033】この反射鏡付き電球の端部には、口金が取着されていても取着されていなくてもよい。
【0034】本発明の請求項10に記載の照明器具は、器具本体と、器具本体に配設された請求項9記載の反射鏡付き電球とを具備していることを特徴とする。
【0035】器具本体のソケットに装着された上記請求項9に記載の反射鏡付電球は、上記請求項9に記載したと同様な作用を奏する。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は小形投光用の定格110/100Vタイプのハロゲン電球L1の正面図である。
【0037】バルブ1は、石英ガラスからなる直管状をなし、一端部には封着導体としてモリブデンMoなどからなる一対の金属箔2,2を封着した圧潰封止部11が形成してある。また、バルブ1の他端部には排気管12が接続してある。
【0038】このバルブ1は外径が約10mm、肉厚は約1mm、全長が約50mmで、後述する口金を含む全長は60〜70mm程度ある。
【0039】バルブ1内には、一対のサポート線31,31の一端側が上記圧潰封止部11内に埋設固定されているとともにバルブ1内に延在した他端側を石英ガラスからなるガラスビード30中に埋設固定してある。また、このガラスビード30には長短2本の内部リード線32,33およびアンカ39の各一端部が埋設固定されている。
【0040】そして、内部リード線32,33の折曲した他端側にはタングステン細線を巻回した二重コイル状のフィラメント5端部の単コイル状のレグ部51,51が内部リード線32,33へ挿入、溶接やフック止めなどの手段で継線され、このフィラメント5はバルブ1内の中心軸に沿って配設してある。また、アンカ39の他端部側はこのフィラメント5の発光部中央付近に巻回されている。
【0041】また、上記各金属箔2と各内部リード線32,33の一端側との間には金属細線4,4はが接続され、これらサポート線31,31、内部リード線32,33、アンカ39、ガラスビード30、アーク消孤用の金属細線4,4、金属箔2,2およびこの金属箔2,2の他端側に接続した図示しない外部リード線とでマウント3を構成している。なお、この外部リード線の一部にはヒューズ線が接続されている。
【0042】なお、サポート線31,31、内部リード線32,33およびアンカ39は線径が約0.3mmのタングステン線からなり、また、金属細線4,4は線径が約0.13mmのタングステン線からなる。
【0043】また、二重コイル状のフィラメント5は素線径が0.052〜0.055mm、長さが590〜620mmのタングステン(W)線を1stピッチが200〜230%、コイル径0.3〜0.5mm、長さ60〜65mm、2ndピッチが150〜160%、コイル径1.6〜1.8mm、長さ8.0〜10.0mmで巻回してある。
【0044】また、内容積が約1.4ccのバルブ1内には少量のCH2 Br2 やCH3 Brなどのハロゲン化物およびクリプトン(Kr)と窒素(N2 )とを混合したガスが常温(25℃)で約1.8×105 Pa(パスカル)封入してある。
【0045】また、バルブ1の外表面の周囲部分には、可視光透過赤外線反射膜(以下、赤反膜と称する。)6が形成してある。この赤反膜6は、バルブ1のガラス面に高屈折率層膜を作る二酸化チタン(TiO2 )と低屈折率層膜を作る二酸化ケイ素(SiO2 )とを交互に繰り返えし所定層積層した多層光干渉膜からなる。
【0046】なお、図中7は口金で、この口金7はステアタイトやコージライトなどのセラミック製の大小径部が連設され内部に空洞部を有する本体部71と、上記小径部に取付けられたシェル72および頂部のアイレット部73とからなる。そして、バルブ1端部の圧潰封止部11を大径部内の空洞部に収容して接着剤を介し両者を接合するとともに、外部リード線の端部が互いに短絡しないようシェル72とアイレット部73に溶接やろう付けなどの手段で電気的に接続してある。
【0047】このような構成の電球L1をソケットに装着して通電すると、口金7のシェル72およびアイレット部73を介し外部リード線(図示しない。)−金属箔2−アーク消孤用の金属細線4−内部リード線32(33)−フィラメント5のレグ部51を通じフィラメント5に電流が流れ、フィラメント5が発光する。
【0048】そして、この電球L1は、バルブ1の中心軸上に沿って配設したフィラメント5は発熱して可視光とともに大量の赤外線を放射し、フィラメント5から放射した光のうち可視光の殆どはバルブ1および赤反膜6を透過してバルブ1外方へと放射される。また、フィラメント5から放射した780〜1500nmの波長域はもとより2000nm位までの赤外線を赤反膜7で反射してフィラメント5に戻し、(この赤外線のフィラメント5からの放射と赤反膜6での反射は反復行われる。)フィラメント5を再加熱して発光をより高くし、この結果フィラメント5からの可視光放射が増して、発光効率が向上できる。
【0049】この電球L1の点灯時には、バルブ1内に封入した不活性ガスの圧力は、常温時の2〜3倍の3.6ないし5.4×105 Paに高まるり、所定の光束1000〜1100Lmおよび定格寿命2000〜2400時間を得ることができた。
【0050】そして、この電球L1のフィラメント5が損耗などして断線したときに、その断線部先端間にアーク放電などが発生しても、そのアークが大きくなく過電流により外部リード線部分に設けたヒューズ(図示しない。)が溶断すれば問題ない。
【0051】しかし、ヒューズが溶断せず、フィラメント5部や内部リード線32,33などにまでアークが達しアークが持続すると、フィラメント5と直列的に接続されたフィラメント5のタングステン線より少々線径を太くしてあるタングステン線からなる金属細線4が過熱し溶断して内部リード線32,33側への通電を遮断し、アークを消孤する。すなわち、金属細線4がアーク消孤用としての作用をなす。
【0052】このとき、フィラメント5付近のアーク部分に比べ高抵抗部分であるアーク消孤用のタングステン線4が作用することによりアークを持続させず短時間(瞬時)のうちに消孤することができる。また、フィラメント5の両給電部にほぼ直線状に配設したアーク消孤用のタングステン線4,4を接続しておくことにより、少なくともいずれか一方が溶断して確実な遮断を行うことができる。
【0053】また、タングステン線4は、細径であまり長くないので、溶融後の溶塊の大きさも小さく、万一、溶塊がバルブ1に当たっても熱的衝撃を与えてクラックを発生する虞もない。
【0054】また、本発明のマウント3は、ガラスビード30を封止部11中に埋設した2本のサポート線31,31により支持するとともにガラスビード30に同じく埋設した内部リード線32,33によりフィラメント5を支持させたので、構造的には従来と同じ強度の耐震性や耐衝撃性を有する。
【0055】なお、従来はマウントを1本の内部リード線で支持する構造であったが、本発明は2本のサポート線31,31で支持するようにしたので、同じ強度を持たせるとしたら細径の線材でしかも安定した支持を行わせることができる。そして、細径の線材である方がバルブ1のガラスとのなじみもよく、強固に固定できる利点がある。
【0056】また、図2は本発明の第2の実施の形態を示す反射鏡付(ハロゲン)電球RLで、図1と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0057】まず、内部の電球L2であるが、第1の実施の形態と同種のハロゲン電球で、この電球L2のマウント3構造は、内部リード線32,33およびアンカ39の一端側を上記圧潰封止部11内に埋設固定しているとともにバルブ1内に延在した中間部において石英ガラスからなるガラスビード30中に埋設固定してある。
【0058】そして、このガラスビード30に短い内部リード線33の一端側を埋設固定し、長短の内部リード線32、33の他端側でフィラメント5と継線している。また、ガラスビード30の封止部11寄りの位置で金属箔2,2との間のアーク消孤作用を有する金属細線4,4を接続している。
【0059】この電球L2のマウント3も、封止部11内に埋設固定している内部リード線32およびアンカ39の2本の支柱によりガラスビード30が固定支持され、このガラスビード30に固定された内部リード線32,33にフィラメント5が接続されているので、強度的にマウント3は何等問題ない。また、アーク発生時は金属細線4,4が第1の実施の形態と同様な作用効果を奏する。
【0060】また、この図2中、34,34,は外部リード線部分で導線35、ヒューズ36,導線37の3部品からなっている。
【0061】さらに、図2中、8は硬質ガラス、耐熱性合成樹脂や金属体などで形成された回転放物面、回転楕円面などの形状の反射面を有する反射鏡で、内面にはアルミニウム、クローム、銀などからなる光・熱反射膜81あるいはダイクロイック膜などの可視光反射赤外線透過膜81が形成され、その中央の基部82には上記電球L2の圧潰封止部11が収容される透孔を有している。そして、この透孔内に電球L2の圧潰封止部11が置かれた状態でシリコン系などの耐熱接着剤(図示しない。)が注入され、反射面81に対するフィラメント5位置の焦点合わせが終了したらこの接着剤を固化して、両者を一体化している。
【0062】そして、この図2の反射鏡付電球RLを点灯すると、ハロゲン電球L2は上記実施の形態と同様の作用を奏し、反射鏡8と一体化されていることから光放射特性も一段と向上できた。なお、この反射鏡付電球RLにおいては、電球L2のバルブ1破裂の虞はないが、制光のために反射鏡8の前方開口部を覆うようにレンズなどのカバー部材83を設けることは構わない。
【0063】また、図3は本発明の第3の実施の形態を示す照明器具9である。この図3中、91は天井面などに取着される基台、92は支持ポール、93はポール92の先端に回動自在に取付けられた自在継手、94はこの自在継手が設けられた器具本体、95は器具本体の前方開口部内に設けられた反射体で、この反射体95の部分にはソケット(図示しない。)が配設され、このソケット(図示しない。)にハロゲン電球L1やL2の口金を装着することにより照明器具9が構成される。
【0064】そして、この図3に示す照明器具9に装着した電球L1を点灯すると、電球LL1は上記実施の形態と同様の作用を奏し、安全性とともに光放射特性も向上できた。なお、この照明器具9においては、電球L1のバルブ1破裂の虞はないが、制光のために器具本体94の前方開口部を覆うようにカバー部材を設けることは構わない。
【0065】
【発明の効果】請求項1ないし5の発明によれば、バルブ内に生じたアーク放電を短時間のうちに遮断できるとともにフィラメントを支持するマウントを強固にできる、安全性および品質の向上した電球を提供できる。
【0066】請求項6の発明によれば、フィラメントの断線時などに金属細線に先立ち溶断して、安全性を向上できる。
【0067】請求項7の発明によれば、点灯時高温となり発光特性の高い可視光透過赤外線反射膜付きのハロゲン電球に適用して、上記請求項1〜6に記載したと同様な効果を呈する。
【0068】請求項8の発明によれば、上記請求項1ないし7に記載の効果を奏する電球を設けているので、安全性の向上した反射鏡付き電球を提供できる。
【0069】請求項9および10の発明によれば、上記請求項1ないし8に記載の効果を奏する電球を設けているので、安全性の向上した照明器具を提供できる。
【出願人】 【識別番号】301010951
【氏名又は名称】オスラム・メルコ・東芝ライティング株式会社
【出願日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【代理人】 【識別番号】100081732
【弁理士】
【氏名又は名称】大胡 典夫 (外2名)
【公開番号】 特開2002−298637(P2002−298637A)
【公開日】 平成14年10月11日(2002.10.11)
【出願番号】 特願2001−102043(P2001−102043)