トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 照光装置
【発明者】 【氏名】千葉 孝司

【氏名】吉田 寛

【要約】 【課題】光源に近い領域で懸念される発光面の輝度むらを解消できると共に、光源から遠い領域で懸念される発光面の光量不足も解消でき、表示品位が向上させやすい照光装置を提供すること。

【解決手段】導光体3の背面に設ける多数の条溝のうち、光源4の近傍に位置する第1の条溝31を、その壁面31aが滑らかに連続する丸みを帯びた溝形状とし、かつ溝の深さをそれ以外の断面三角形状の第2の条溝30よりも浅くした。これにより、光源4の光が近傍の第1の条溝31の湾曲した壁面31aで反射されると、その光は大きく広がって発光面3aに向かうため、該条溝31の前方の発光面3aに暗い帯状部分が現れる恐れはなくなる。また、光源4の近傍に位置する第1の条溝31が浅ければ、光源4から遠い導光体3の肉薄部分へ多くの光を到達させることができるので、発光面3aは光源4から遠い領域でも光量不足を起こさなくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前面を発光面となし、かつ一側部から他側部へと板厚を漸減させることで背面を湾曲させた導光体と、この導光体の前記一側部に対向して配置された光源とを備え、前記導光体の内部へ照射された前記光源の光を、該導光体の前記背面に設けた多数の条溝の壁面で反射させて前記発光面へと導く照光装置において、前記多数の条溝が、前記光源の近傍に位置して壁面が滑らかに連続する丸みを帯びた第1の条溝と、この第1の条溝よりも前記光源から離れて位置する断面三角形状の第2の条溝とからなり、かつ、前記第1の条溝の溝の深さを前記第2の条溝よりも浅くしたことを特徴とする照光装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導光体の発光面が比較的大きく液晶表示素子のバックライト等に用いて好適な照光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の照光装置を示す断面図、図4は図3のA部を拡大して示す説明図であり、この照光装置は液晶表示素子のバックライトとして用いられるものである。図3に符号1で総括的に示す照光装置は、光反射率の高い白色等の樹脂材料からなる反射ケース2と、前面を平坦な発光面3aとなして背面を湾曲させた導光体3と、基板5上に実装された小型電球等の光源4とによって概略構成されており、反射ケース2の内底面2a上に導光体3が搭載され、この導光体3の肉厚な一側部に光源4が対向配置されている。そして、光源4の光を導光体3の内部に照射してその背面で反射させることにより、発光面3aが発光するようになっている。この導光体3の背面のほぼ全領域には、断面三角形状の条溝30が列状に多数設けられている。図4に示すように、各条溝30を形成している山形の壁面のうち光源4側(図示左側)を向いた壁面30aが、光源4から入射してくる光Lを反射して前方(図示上方)の発光面3aへ向かわせる機能を果たす。また、導光体3の背面から外部へ漏出する光も、該背面に沿って湾曲させた反射ケース2の内底面2aで反射されるため、再び導光体3の内部へ戻されて発光面3aを発光させることができる。
【0003】ただし、導光体3の発光面3aは場所よって光源4までの距離が異なるため、光源4から直接発光面3aへ向かう光の強度は光源4から離れるほど(図3の右側ほど)弱くなる。しかし、この種の照光装置1では、導光体3の背面や反射ケース2の内底面2aが、光源4から離れるほどせり上がるように湾曲させてあるので、導光体3は光源4から離れる肉薄部分ほど、条溝30の壁面30aを光源4に正対させやすく、かつ内底面2aで反射された光が供給されやすくなっている。したがって、発光面3aは光源4から遠い領域でも、光源4に近い領域と同等の明るさに発光させることが可能である。
【0004】なお、反射ケース2の上部開口2bには、導光体3の発光面3aに近接させた状態で、拡散シート6を介して液晶表示素子7が組み込まれ、この液晶表示素子7が後方から発光面3aによって照光されるようになっている。そして、拡散シート6には相応の透光性が要求され、その光拡散効果には限界があることから、導光体3の発光面3aに場所によって明るさが異なる輝度むらが生じていると、液晶表示素子7の表示画面にも輝度むらが生じ、その表示品位を低下させることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の照光装置1において、発光面3aのうち光源4に近い領域には、反射ケース2の内底面2aで反射された光はさほど供給されず、光源4から直接発光面3aへ向かう光と、後方に設けられている条溝30の壁面30aで反射された光とによって、該領域は発光する。つまり、発光面3aのうち光源4に近い領域では、後方の条溝30の壁面30aからの反射光が比較的強く、図5(a)の平面図と図5(b)の断面図に示すように、該条溝30の他方の壁面(光源4に対して死角となる側の壁面)30bの前方が相対的に暗い帯状部分Dとなって目立ちやすい。そのため、かかる照光装置1をバックライトとして用いている液晶表示素子7の表示画面にも、光源4に近い領域に相対的に暗い帯状部分が視認されやすいという問題があった。
【0006】また、導光体3の背面は光源4の近傍ではほとんどせり上がっていないので、光源4の近傍に位置する条溝30によって、その反光源4側に位置する他の条溝30や内底面2aへ向かう光が遮られるという現象が起こる。その結果、光源4から遠く離れている導光体3の肉薄部分に十分な光が届かない恐れがあり、発光面3aの輝度むらを防止するうえで障害となっていた。
【0007】本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、光源に近い領域で懸念される発光面の輝度むらが解消できると共に、光源から遠い領域で懸念される発光面の光量不足が解消でき、表示品位が向上させやすい照光装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、導光体の背面に設ける多数の条溝のうち、光源の近傍に位置する条溝については、壁面が滑らかに連続する丸みを帯びた溝形状とし、かつ溝の深さを他の条溝よりも浅くすることとした。すなわち、光源の光が近傍の条溝の湾曲した壁面で反射されると、その光は大きく広がって発光面に向かうので、該条溝の前方の発光面に暗い帯状部分が現れる恐れはなくなる。また、光源の近傍に位置する条溝が浅ければ、その反光源側に位置する他の条溝や反射ケースの内底面等へ多くの光を到達させることができるので、光源から遠い発光面にも光源の光を供給しやすくなる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の照光装置では、前面を発光面となし、かつ一側部から他側部へと板厚を漸減させることで背面を湾曲させた導光体と、この導光体の前記一側部に対向して配置された光源とを備え、前記導光体の内部へ照射された前記光源の光を、該導光体の前記背面に設けた多数の条溝の壁面で反射させて前記発光面へと導く照光装置において、前記多数の条溝が、前記光源の近傍に位置して壁面が滑らかに連続する丸みを帯びた第1の条溝と、この第1の条溝よりも前記光源から離れて位置する断面三角形状の第2の条溝とからなり、かつ、前記第1の条溝の溝の深さを前記第2の条溝よりも浅くした。
【0010】このように、導光体の背面に設ける条溝のうち、光源の近傍に位置するものを丸みを帯びた浅い第1の条溝としておけば、該条溝の反光源側に生じる死角領域が減るだけでなく、該条溝の壁面で反射される光源の光を発光面の広い範囲に向かわせることができるので、光源近くの発光面に該死角領域に対応する暗い帯状部分が現れる恐れはなくなる。また、光源に近い第1の条溝が浅ければ、該条溝に遮られずに反光源側へ進む光の量が増えて、導光体の肉薄部分へ光源の光を供給しやすくなるので、発光面のうち光源から遠い領域で懸念されていた光量不足を回避することができる。したがって、発光面の全領域にわたって輝度むらを大幅に低減させることが可能となる。
【0011】
【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、図1は実施例に係る照光装置の断面図、図2は図1のB部を拡大して示す説明図であり、従来例の説明に用いた図3,4と対応する部分には同一符号が付してある。
【0012】図1において、符号10で総括的に示す照光装置は、光反射率の高い白色等の樹脂材料からなる反射ケース2と、前面を平坦な発光面3aとなして背面を湾曲させ、反射ケース2の内底面2a上に搭載された導光体3と、基板5上に実装されて導光体3の一側部に光を照射する小型電球等の光源4とによって概略構成されており、液晶表示素子7のバックライトとして用いられる。導光体3の形状は、光源4を対向配置させた一側部が肉厚で、光源4から離れるに従い板厚を漸減させて、他側部が肉薄となっている。この導光体3の背面には、光源4の光を反射して発光面3aへ向かわせるための多数の条溝が設けられているが、このうち光源4の近傍に位置する複数条の第1の条溝31は、それ以外の第2の条溝30とは溝形状や溝の深さが異なっている。すなわち、光源4からある程度離れて位置する第2の条溝30は、従来例と同様に断面三角形状の溝として形成されているが、図2に示すように、光源4に近い第1の条溝31は、その壁面31aが滑らかに連続する丸みを帯びた浅い溝として形成されている。なお、図2中の鎖線は第2の条溝30に相当する三角形を示しており、第1の条溝31が、第2の条溝30の角部を面取りして丸みをもたせた形状になっていることがわかる。
【0013】したがって、光源4から第1の条溝31へ向かって入射してくる光Lが、その壁面31aのうち光源4側の傾斜部で反射された場合には、第2の条溝30の光源4側の壁面で反射された場合と同様の進路で発光面3aへ向かうが、光源4からの光Lが第1の条溝31の壁面31aの頂部で反射されると、その反射光は該頂部の図示上方や図示斜め右上方へ大きく進路を変えてへ向かう。それゆえ、発光面3aは、その後方にある第1の条溝31の壁面31a頂部で反射される光によって、該条溝31の反光源4側に生じる死角領域の前方を含む広い範囲が発光することになり、該死角領域に対応する暗い帯状部分が発光面3aに現出する恐れはなくなる。すなわち、光源4に近い領域で従来懸念されていた発光面3aの輝度むらを回避することができる。なお、第1の条溝31は浅い溝であり、光源4に対する死角領域が少ないので、該条溝31の壁面31a頂部での反射光によって確実に該死角領域の前方をカバーすることができる。
【0014】また、光源4の近傍に位置する第1の条溝31が浅くて、反光源4側へ向かう光をさほど遮らないので、第2の条溝30や反射ケース2の内底面2aへ光源4の光が到達しやすくなっている。つまり、光源4から遠く離れた導光体3の肉薄部分に供給される光の量が増えるので、光源4から遠い領域で従来懸念されていた発光面3aの光量不足も解消することができる。
【0015】なお、反射ケース2の上部開口2bには、導光体3の発光面3aに近接させた状態で、拡散シート6を介して液晶表示素子7が組み込まれ、この液晶表示素子7が後方から発光面3aによって照光されるようになっている。したがって、上述したように発光面3aの全領域にわたって輝度むらを大幅に低減させることができる照光装置10を、バックライトとして用いることにより、液晶表示素子7の表示品位を大幅に向上させることができる。
【0016】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0017】導光体の背面に設ける多数の条溝のうち、光源の近傍に位置する条溝については、壁面が滑らかに連続する丸みを帯びた溝形状とし、かつ溝の深さを他の条溝よりも浅くした照光装置なので、光源の光が近傍の条溝の湾曲した壁面で反射されると、その光は大きく広がって発光面に向かい、該条溝の前方の発光面に暗い帯状部分が現れる恐れはなくなる。また、光源の近傍に位置する条溝が浅ければ、その反光源側に位置する他の条溝や反射ケースの内底面等へ多くの光を到達させることができるので、光源から遠い発光面にも光源の光を供給しやすくなって光量不足が回避できる。このように、発光面の全領域にわたって輝度むらを大幅に低減させることができる照光装置なので、これを液晶表示素子のバックライトとして用いれば、その表示品位を大幅に向上させることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
【出願日】 平成13年3月7日(2001.3.7)
【代理人】 【識別番号】100078134
【弁理士】
【氏名又は名称】武 顕次郎 (外2名)
【公開番号】 特開2002−270019(P2002−270019A)
【公開日】 平成14年9月20日(2002.9.20)
【出願番号】 特願2001−63665(P2001−63665)