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【発明の名称】 紙製照明反射板
【発明者】 【氏名】田口 頼幸

【氏名】児島 明彦

【要約】 【課題】耐光性、耐水性、耐湿性、耐溶剤性、耐摩耗性、接着性、柔軟性に優れた塗工層を有する紙製反射板を提供する。

【解決手段】原紙表面に樹脂と顔料を主成分とする白色層を形成した照明反射板において、白色層の上に保護層を形成し、白色層及び保護層の樹脂として脂肪族及びまたは脂環族ポリイソシアネートとポリオールを反応させたポリウレタン樹脂を含有する紙製照明反射板。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原紙表面に樹脂と顔料を主成分とする白色層を形成した照明反射板において、白色層の上に保護層を形成し、白色層及び保護層の樹脂として脂肪族及びまたは脂環族ポリイソシアネートとポリオールを反応させたポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする紙製照明反射板。
【請求項2】 ポリオールがポリエステルポリオールまたはアクリルポリオールであることを特徴とする請求項1に記載の紙製照明反射板。
【請求項3】 白色層中の顔料は樹脂100重量部に対して20〜200重量部である請求項1または請求項2に記載の紙製照明反射板。
【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の紙製照明反射板の紙側をポリエチレンを介して紙製段ボールシートに貼合したことを特徴とする紙製照明反射板。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蛍光燈などの照明器具に使用される反射板に関する。本発明で反射板とは、照明燈背面の反射板だけではなく、照明器具の傘、ルーバーなど、光を反射する作用をする部分の総称である。
【0002】
【従来の技術】蛍光燈の反射板あるいはルーバーとしては、金属板を成形し、表面に白色塗料を塗布したものが使用されている。塗料の樹脂としては、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂が一般的に使用されている。金属製のものは重量が重い、廃棄しにくいなどの問題があり、これを紙製のもので製造する試みがあり、例えば、特開平10−55711号公報には、樹脂と顔料からなる塗料を塗布した紙製の反射板が記載されている。同公開では樹脂としては、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエンラテックス、アクリル系ラテックスなどが例示されている。
【0003】塗工層は光線により変色し易いという問題を一般的に有しており、耐光性が要求される。また、紙製反射板においては、紙自体の耐水性、耐湿性がないことから、塗料皮膜には耐水性、耐湿性が必要である。
【0004】反射板やルーバー、傘などは石鹸水や溶剤系スプレーなどて清掃されることなどもあり、耐水性、耐湿性のみならず、耐溶剤性、耐摩耗性が要求され、紙製の場合には、紙の伸び縮みがあるため、紙との接着性、柔軟性などもあることが望まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般的に金属製反射板の塗料として知られているアクリル、メラミンなどの前記樹脂や、前記特開平10−55711号のラテックスでは、これらの要求を達成できず、紙製反射板に適した塗料用樹脂が望まれている。即ち、本発明は、耐光性、耐水性、耐湿性、耐溶剤性、耐摩耗性、接着性、柔軟性に優れた塗工層を有する紙製反射板を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は以下の第1〜第5の発明により構成される。即ち、本発明の第1は、「原紙表面に樹脂と顔料を主成分とする白色層を形成した照明反射板において、白色層の上に保護層を形成し、白色層及び保護層の樹脂として脂肪族及びまたは脂環族ポリイソシアネートとポリオールを反応させたポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする紙製照明反射板」である。
【0007】本発明の第2は、前記第1発明において、該ポリオールがポリエステルポリオールまたはアクリルポリオールであることを特徴とする紙製照明反射板である。
【0008】本発明の第3は、前記第1または第2発明において、白色層中の顔料は樹脂100重量部に対して20〜200重量部である紙製照明反射板である。
【0009】本発明の第4は、前記第1〜第3発明のいずれかに記載の紙製照明反射板の紙側をポリエチレンを介して紙製段ボールシートに貼合したことを特徴とする紙製照明反射板である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に使用する原紙としては、白色度が70%以上の紙であれば特に制限はなく、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプのいずれを使用した紙ても良く、米坪50〜500g/m2程度の紙または板紙が使用できる。好ましくは晒クラフトパルプを使用した米坪70〜200g/m2程度の紙である。
【0011】原紙の上に形成する白色層は樹脂と白色顔料を主成分とする。白色顔料としては、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、タルク、雲母、サチンホワイトなど高知の白色顔料が使用できる。中でも、隠蔽力が強い二酸化チタンが好ましい。また、二酸化チタンは黄変の防止にも有効であると推定される。
【0012】樹脂としては、耐水性、耐湿性があり、適度な架橋により耐摩耗性が向上し、かつ、柔軟性が維持できるという点でウレタン樹脂を採用する。更に、耐光性(耐黄変性)を必要とするため、ウレタン樹脂の原料であるポリイソシアネートとして脂肪族ポリイソシアネートまたは脂環族ポリイソシアネートを主成分として含む必要がある。脂肪族と脂環族は併用しても良い。
【0013】脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、水添シクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)などが挙げられる。また、本発明で使用するポリシソシアネートは、脂肪族または脂環族ジイソシアネートから誘導されるビウレット体あるいはイソシアヌレート体であっても良い。
【0014】これら脂肪族及びまたは脂環族ジイソシアネートもしくはそれらのビウレット体またはイソシアヌレート体は全ポリイソシアネート成分中で80モル%以上とすることが好ましく、最も好ましくは100%である。芳香族ポリイソシアネートやアラルキレンジイソシアネートなどは必要に応じて少量使用しても良い。
【0015】ポリウレタンを構成するもう一つの原料であるポリオールは特に限定されず、一般に良く使用されるポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールが使用できる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが使用できる。
【0016】ポリエステルポリオールとしては、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールが挙げられる。縮合系ポリエステルポリオールは、二塩基酸とポリオールとの縮合反応により製造する。トリオールを適量に使用することにより、耐溶剤性と柔軟性のバランスが取れる。二塩基酸としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸など、ポリオールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどが使用できる。特に耐熱性を重視する場合には、ポリカーボネートポリオールを適宜配合すれば良い。
【0017】また、撥水性を必要とする場合には、前記ポリオールの水素の一部をフッ素に置き換えたフッ素系ポリオールも使用できる。フッ素系ポリオールとしては、例えば、特開昭57−34107号公報、特開昭61−275311号公報などに例示されている。アクリルポリオールとは、ヒドロキシアルキルアクリレートまたは多価アルコールのモノアクリレートなどの水酸基を有するアクリレートを含むアクリルモノマーの重合体である。
【0018】白色層を形成するためには、前記した顔料と樹脂液を混合して塗料とし、塗料を紙に塗工して乾燥・硬化すれば良く、樹脂液は溶剤溶液、水分散液のいずれでも良い。しかし、耐水性、耐湿性の要求から、溶剤系樹脂液の方が好ましく、特に、2液タイプの塗料が好ましい。即ち、ポリオールの溶剤溶液を主剤とし、ポリイソシアネート溶剤溶液を硬化剤とし、主剤と硬化剤を塗工直前に混合し、更に顔料を混合して攪拌して塗料を作成することが好ましい。硬化剤としては、HDIをベースとしたビウレット体またはイソシアヌレート体が好ましい。
【0019】2液タイプならば、常温または低温で硬化できるので、紙の変形という点で問題が少ない。硬化温度としては、例えば40〜90℃程度が好ましい。しかしながら、生産設備や生産量の関係で1液タイプが要求される場合もあり、その場合には、特開平5−17719号公報に記載のような、脂肪族または脂環族イソシアネートから誘導されるブロックイソシアネートを使用できる。
【0020】白色層における白色顔料とウレタン樹脂の比率としては、樹脂100重量部に対して顔料20〜200重量部程度が白色度、作業適性などの点から好ましい。塗料の塗工量としては乾燥固形分で10〜50g/m2程度が好ましい。
【0021】白色層は主として紙層を隠蔽するために設けるのであり、極力樹脂を少なくし顔料を多く設計する。そのため、耐摩耗性、耐湿性などの点で樹脂を主成分とする保護層を設ける必要がある。保護層の樹脂としては、前記した白色層の塗料に使用する樹脂と同様である。保護層においては、顔料は入れなくても良いが、少量の雲母を配合することにより耐湿性、耐摩耗性が向上できる。
【0022】保護層には更にシリコーンオイルなどのケイ素化合物、フッ素系オイルなどのフッ素化合物を配合しても良い。これらの物質は耐光性の向上と耐摩耗性の向上に寄与する。また同様の意味で、保護層のウレタン樹脂原料として、前記したフッ素系ポリオールを使用することも好ましい。保護層及び白色層には、その他、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤などを配合しても良い。特に、黄変防止のために2価の錫化合物、ヒンダードアミン化合物などを添加しても良い。
【0023】以上のようにして作成された紙製反射板はそれ自体で使用できるが、更に構造体として強度を向上するため、該反射板の紙の面を段ボールシートに貼合することも好ましい使用方法である。段ボールシートとしては、普通の包装箱に使用されるA段、B段などの段ボールシートでも良いが、耐水性段ボールシートが好ましい。また、反射板と段ボールシートの貼合に際しては、ポリエチレン樹脂で貼合することが好ましい。ポリエチレンで貼合することにより、全体の耐水性、耐湿性が向上する。
【0024】
【実施例】<実施例1>[イソシアヌレート体溶液の作製]ヘキサメチレンジイソシアネート1400gとビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン50gを混合し80℃に加温し均一溶液とした後55℃に降温した。イソシアヌレート化触媒を使用し60℃でイソシアヌレートを合成し、精製後酢酸エチルで希釈し、固形分75%溶液とした。なお、この製法は特開平8−253545号公報の記載に基づいて実施したものである。
【0025】[塗料の作製と塗工]上記A液にポリオール成分として大日本インキ化学工業製アクリディックA(アクリルポリオール)と二酸化チタンを混合・攪拌し、直ちにバーコーターにより晒クラフト紙(ブリザード:王子製紙製、米坪100g/m2、白色度80%)の片面に塗布し硬化させた。塗料は、酢酸エチル、トルエンで希釈して粘度調整し、乾燥固形分塗布量として10.5g/m2となるように塗工した。また塗料中でポリウレタンと二酸化チタンの割合は重量比率で5:8となるようにした。
【0026】[保護層の塗工]上記塗料のうち二酸化チタンを入れないクリアー塗料を、前記硬化された塗工層の上に、乾燥固形分で3.5g/m2となるように塗布し同様に硬化させた。
[段ボールシートへの貼合]保護層を形成した前記塗工紙を、米坪180g/m2の王子製紙製クラフトライナー(NRKライナー)と米坪125g/m2の中芯で構成される段ボールシートにポリエチレンで押出しラミネート接着して、本発明の紙製照明反射板を作成した。なお、ポリエチレン層の厚さ20μmとなるようにした。
【0027】
【発明の効果】本発明により、耐光性、耐水性、耐湿性、耐溶剤性、耐摩耗性、接着性、柔軟性に優れた塗工層を有する紙製反射板の提供が可能となった。
【出願人】 【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子製紙株式会社
【出願日】 平成13年2月16日(2001.2.16)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−245820(P2002−245820A)
【公開日】 平成14年8月30日(2002.8.30)
【出願番号】 特願2001−40190(P2001−40190)