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【発明の名称】 光反射シート及びこれを用いた面光源装置と液晶ディスプレイ装置
【発明者】 【氏名】菅 義訓

【要約】 【課題】狭額縁化を図りながらも画像品質が良く、構造が簡素で且つ生産性の高い液晶ディスプレイ装置を提供すると共にこの液晶ディスプレイ装置を実現するためこの液晶ディスプレイ装置の構成要素として用いる光反射シート及び面光源装置を提供すること。

【解決手段】側端部12aに光源13が配設され且つ一表面を光出射面12bとする導光体12を備える面光源装置11に用いられ、導光体12の光出射面12bと対向する面12c側に配置される光反射シート10であって、光源13に近い光反射シート10の領域に、導光体12と光反射シート10の間隙に侵入した光線の少なくとも一部を光源13側に反射する傾斜面15bを設けたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 側端部に光源が配設され且つ一表面を光出射面とする導光体を備える面光源装置に用いられ、前記導光体の前記光出射面と対向する面側に配置される光反射シートであって、前記光源に近い前記光反射シートの領域に、前記導光体と前記光反射シートの間隙に侵入した光線の少なくとも一部を前記光源側に反射する傾斜面を設けたことを特徴とする光反射シート。
【請求項2】 前記傾斜面が、前記導光体の前記側端部と略平行な稜線を備える略相似形をした多数の基本ユニットの集合体によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光反射シート。
【請求項3】 前記傾斜面の傾斜角度が7度〜50度の範囲とされ、かつ前記光反射シートの光反射面は反射率70%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光反射シート。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の光反射シートを用いた面光源装置であって、一表面を光出射面とする導光体と、この導光体に設けられた光取り出し機構と、前記導光体の側端部に配設された光源と、前記光源を覆うように配設されたリフレクタとを含み、前記リフレクタが、前記導光体とこの導光体の前記光出射面と対向する面側に配置された前記光反射シートとを挟み込むように設置されていることを特徴とする面光源装置。
【請求項5】 請求項4に記載の面光源装置であって、前記光反射シートが、前記光源の配設された前記導光体の側端部より前記光源側に延出して設けられていることを特徴とする面光源装置。
【請求項6】 前記導光体には、前記側端部に対する法線方向に稜線が略平行とされた波板状の凹凸部をピッチ200μm以下にて形成してなる集光機構が設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の面光源装置。
【請求項7】 前記光取り出し機構は前記光出射面と対向する面に設けられた平滑面からなる凸状突起が多数配列したものであり、前記凸状突起の深さhと最小開口幅Wminで定義される値h/Wminは0.3以上であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の面光源装置。
【請求項8】 請求項4〜7のいずれかに記載の面光源装置をバックライト光学系に用いたことを特徴とする液晶ディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光反射シート及びこれを用いた面光源装置と液晶ディスプレイ装置に関し、更に詳細には光反射シート及び面光源装置を改良し、これらを主たる構成要素とする液晶ディスプレイ装置の画像品質を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、パーソナルコンピュータ向けモニターや薄型TV等の表示装置として透過型の液晶表示(ディスプレイ)装置が多用されており、このような液晶表示装置では、通常、液晶素子の背面に面状の照明装置即ちバックライトが配設されている。このバックライトは冷陰極放電管等の線状光源を面状の光に変換する機構とされている。
【0003】具体的には、液晶素子の背面直下に光源を配設する方法や、側面に光源を設置し、アクリル板等の透光性の導光体を用いて面状に光を変換して面光源を得る方法(サイドライト方式)が代表的であり、光出射面にはプリズムアレー等からなる光学素子を配設して所望の光学特性を得る機構とされている。
【0004】このサイドライト方式については、例えば特開昭61−99187号公報や特開昭63−62104号公報に開示されている。特に、軽量、薄型という液晶表示装置の一般的特徴をより有効に引き出すためには、バックライトを薄くすることができるサイドライト方式の利用が好適であり、携帯用パーソナルコンピュータ等の液晶表示装置にはサイドライト方式のバックライトが多く使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらバックライトに要求される性能は、近時、ますます高度化する方向にある。特に、ノートブック型パーソナルコンピュータに用いられる薄型の液晶パネルでは表示画面外の枠(額縁)部の小型化が極めて重要な課題となっている。しかしながら、額縁寸法をできる限り小さくした液晶パネルを設計しようとすると、液晶セル自体は狭額縁化が比較的容易であるものの、サイドライト型バックライトの照明光の品質が問題となり、画像品質に影響を与えるという問題があった。
【0006】すなわち、サイドライト型バックライトは、図15に示されるように導光体1の側端部1aに冷陰極放電管等の光源2を配設し、さらにこの光源2をランプリフレクタ3で覆って導光体1の側端部(光入射面)1aにできる限り多くの照明光線を入射させ、導光体1の下面(光出射面1bと対向する面1c)に形成された多数の粗面ドット4a、4b、4c、……からなる光取り出し機構4により導光体1から均一な照明光を取り出す構造とされているが、この光源2のごく近いエリアで光出射面1b上に帯状に異常な発光現象(輝線)が認められるため、実用的な均一度が得られず実用性能上の妨げとなっているのである【0007】この輝線現象が見られる原因の一つは、図15に示されるような光路5を経由する照明光線が存在することである。具体的にはランプリフレクタ3や光反射シート6を介して反射した光線が導光体1の本来の光入射面1aではなく導光体1の下面(光出射面1bと対向する面1c)から入射することによって導光体1内を伝搬することができず、輝線として光源近傍に出射してしまうことによる。
【0008】したがって、これらの光路を経由する光束が生じないように、例えば、図16に示されるように導光体1の光入射面1aにリフレクタ3の開放端縁を当接する態様、図17に示されるように光反射シート6に遮光部7を設ける態様、図18に示されるように導光体1の上に配設する調光シート(光拡散シート8aやレンズシート8b)8に遮光部7を設ける態様、或いは図示していないが導光体11に遮光部を設ける態様等、輝線を目立たなくさせる試みが数多く行われている。
【0009】しかしながら、ランプリフレクタ3の開放縁部を導光体1の光入射面に当接させる方法では、量産時にリフレクタ3のゆがみなどにより光が漏れ出すため品質が安定せず、また導光体1に当接するためにフレームの構造を強固にせざるを得ないため軽量化が困難であるという問題があった。
【0010】一方、光反射シート6や導光体1に遮光部7を設ける態様では遮光部7で大量の光量損失があるため面光源装置の効率低下を招き、また製造も困難であるという問題があった。さらに、調光シート8に遮光部7を設ける態様では遮光パターンが見えやすくなるため外観が見苦しくなり、また余分な印刷工程が増えるため高コスト化を招くという問題があった。
【0011】本発明の目的は、かかる従来の問題点を解決するためになされたもので、狭額縁化を図りながらも画像品質が良く、構造が簡素で且つ生産性の高い液晶ディスプレイ装置を提供すると共にこの液晶ディスプレイ装置を実現するためこの液晶ディスプレイ装置の構成要素として用いる光反射シート及び面光源装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は光反射シートであり、前述した技術的課題を解決するために以下のように構成されている。すなわち、本発明は、側端部に光源が配設され且つ一表面を光出射面とする導光体を備える面光源装置に用いられ、導光体の光出射面と対向する面側に配置される光反射シートであって、光源に近い光反射シートの領域に、導光体と光反射シートの間隙に侵入した光線の少なくとも一部を光源側に反射する傾斜面を設けたことを特徴とする。
【0013】〈本発明における具体的構成〉本発明の光反射シートは、前述した必須の構成要素からなるが、その構成要素が具体的に以下のような場合であっても成立する。その具体的構成要素とは、前記傾斜面が、導光体の側端部と略平行な稜線を備える略相似形をした多数の基本ユニットの集合体によって形成されていることを特徴とする。この傾斜面の傾斜角度としては、7度〜50度の範囲とされ、かつ光反射シートの光反射面は反射率70%以上であることが好ましい。
【0014】また、本発明は光反射シートを用いた面光源装置であって、前述した技術的課題を解決するために以下のように構成されている。すなわち、本発明の面光源装置は、前述した特徴を備える光反射シートを用い、一表面を光出射面とする導光体と、この導光体に設けられた光取り出し機構と、導光体の側端部に配設された光源と、光源を覆うように配設されたリフレクタとを含み、リフレクタが、導光体とこの導光体の光出射面と対向する面側に配置された光反射シートとを挟み込むように設置されていることを特徴とする。
【0015】更に、本発明の面光源装置では、前記光反射シートが、光源の配設された導光体の側端部より光源側に延出して設けられていることが好ましい。また、導光体には、側端部に対する法線方向に稜線が略平行とされた波板状の凹凸部をピッチ200μm以下にて形成してなる集光機構が設けられていることも好ましい。
【0016】更にまた、本発明の面光源装置では、前記光取り出し機構が光出射面と対向する面に設けられた平滑面からなる凸状突起を多数配列して構成されたものであり、この凸状突起の深さhと最小開口幅Wminで定義される値h/Wminは0.3以上であることが好ましい。また、本発明は、前述した特徴を備える面光源装置をバックライト光学系に用いることで従来の技術的課題を解決した液晶ディスプレイ装置でもある。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光反射シート及びこれを用いた面光源装置と液晶ディスプレイ装置を図に示される実施形態について更に詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る光反射シート10を用いた面光源装置11の主要部を概略的に示している。
【0018】この実施形態に係る面光源装置11は、ほぼ透明な平板からなる基板即ち導光体12を含んでいる。この導光体12の一表面(図1で見て上面)は光出射面12bであり、これとは反対側の他表面(図1で見て下面)は光出射面と対向する面12cである。この導光体12の一側端部(光入射面)12aには、光源13が配置される。
【0019】光源13は、一般的には小型化の容易な冷陰極管が用いられるが、これに限定されるものではなく、熱陰極管、LED、EL素子等の光源も用いることが可能である。また、本発明においては光入射面12aに1灯以上の光源を配設することもできる。更に、光源13の配設位置は、一つの側端部12aに限定されるものではなく、例えば、対向する側端部に1灯づつの光源を配設した2灯式の態様等も実施可能である。
【0020】この光源13の周囲には一般的にはランプリフレクタ14が配設され、出射した光線をできるだけ無駄なく導光体12の光入射面である側端部12aに入射させる機構とされている。このランプリフレクタ14に用いられる材質としては光線反射率の高いものであれば特に限定はされないが、例えば、Ag蒸着層を有する金属板、白色のプラスチックフィルム等が好適に用いられる。
【0021】ところで、従来のこの種の面光源装置では、既に説明したように導光体と光反射シートやランプリフレクタとの隙間から侵入した光線が導光体の下面(光出射面と対向する面)から光源近傍の光出射面に向かって入射するため、これらの光線は導光体内を伝搬することができず、輝線として外観上好ましくない影響を与えていた。
【0022】この状況について詳細に説明すれば、図14に示されるようにランプリフレクタ3若しくは光反射シート6で反射して導光体1の下面1cから入射する光線の入射角度をψ、導光体1内への出射角度をθとすれば、スネルの法則から導光体1の屈折率をnとして、【式1】

である。ここで、ψの取り得る値の範囲は0°〜90°であるから、θの取り得る値の範囲は、【式2】

と与えられる。ここで、導光体内を伝搬することのできるθの条件(角度範囲)は、【式3】

であるから、明らかに導光体1の下面から入射した光線は導光体1内に留まることができず、輝線として出射することが解る。
【0023】本発明ではこの問題に対し、図1〜図3に示されるように光反射シート10の光源近傍表面付近に、稜線15aを導光体12の光入射面12aと略平行とする断面平坦面又は断面凹状の傾斜面15bからなる略相似形の基本ユニット15を多数配置することで、本来輝線となってしまう光線を光源側に跳ね返し、輝線の発生を防止若しくは輝線を目立たなくさせる効果を実現するものである。
【0024】すなわち、この実施形態の面光源装置11では、ランプリフレクタ14は導光体12と光反射シート10を挟み込むように設置され、導光体12の下面12cに光線が侵入しずらい構造とされており、なおかつ光反射シート10には傾斜面アレーが入射光線を光源13の側に跳ね返すように配置されているため、僅かに導光体12と光反射シート10との間に侵入した光線も光源13の側に跳ね返されて、結果的に輝線として出射する光線が劇的に減少するのである。
【0025】しかも、特別な遮光性パターンを印刷する訳ではないため、照明光線の損失はは極めて小さく抑えられ、輝線対策によって効率低下を招くことがない。加えて、ランプリフレクタを特別な構造とする必要がないため、重量の増大等を招くこともなく、また組み立ても極めて容易である。
【0026】ここで、基本ユニット15を構成する傾斜面15bが導光体12と光反射シート10との間に侵入した光線を光源13の側に跳ね返す条件として、傾斜面15bの傾斜角度(図13に示されるように傾斜面15bが断面凹状曲面の場合には当該断面凹状曲面のほぼ中央で接する接線の角度)αは7〜50度の範囲、より好ましくは10〜45度の範囲、さらに好ましくは15〜40度の範囲が用いられる。
【0027】ところで、傾斜面15bが配列した本発明による光反射シートは図1に符号Eで示される如く、側端部12aから光源13の方に僅かに延出して(はみ出して)いることが好ましい。このようにすることで、導光体12の下面12cからの光線入射をより低減させることができるからである。好ましい延出量E(はみ出し量E)としては、あまりにはみ出し過ぎているとリフレクタ14の効果を妨げてしまうため、0.01〜5mmの範囲、より好ましくは0.03〜3mm、更に好ましくは0.1〜2mmである。
【0028】また、傾斜面15bからなる略相似形の基本ユニット15の配列ピッチP1はできる限り微細化されていることが望ましいが、具体的には好ましくは2000μm以下、より好ましくは1000μm以下、さらに好ましくは500μm以下であることがよい。更に、本発明の光反射シート10は、屈曲性を有した厚み1000μm以下程度の基材が好ましい。
【0029】また、この光反射シート10における反射面の反射率は、高効率化の観点から高反射率であることが望ましい。ここで、本発明において反射率とは、人が目視するための表示用途に用いられることから、可視光線スペクトル領域において前記の反射率が達成されることを意味することは言うまでもない。すなわち、JIS−Z8120に定められる如く、可視光線スペクトル領域において入射光束エネルギーに対する反射光束エネルギーの比が前記の値となるのであり、本発明においては可視スペクトルのほぼ中心に位置する550nmにおける分光反射率の値を用いて反射率とする。すなわち、同反射率が70%以上、好ましくは80%以上、極めて好ましくは85%以上とされるのである。
【0030】また、本発明において、光反射シート部で色調が変化することは避けるべきであり、可視光線スペクトルの範囲において出来る限りフラットな反射特性を有することが好ましい。加えて、上記の反射率は反射を実質的に起こす傾斜面の表面に位置する材質の反射率を意味するのであり、具体的には傾斜面の表面部に銀やアルミニウムに代表されるように、高い反射率を有し、色調変化が少ない材質が設けられることが好ましい。また、反射面の上に保護等の目的で透明なコート層等を設ける場合があるが、ここで言う反射率はコート層等のない、金属材質等の光反射に実質的に寄与する材質自体の表面の反射率を意味するのである。
【0031】また、反射の指向性に関しては鏡面反射及び拡散反射は、必要とする照明光の光学特性に応じて、適宜、選択されるものであり、鏡面反射層としては銀やアルミニウム等からなる金属光沢面が一般的であり、拡散反射層としては白色顔料を混練した樹脂や発泡性樹脂等が一般的である。
【0032】また、反射の指向性に関しては鏡面反射および拡散反射は、必要とする照明光の光学特性に応じて、適宜、選択されるものであり、鏡面反射層としては銀やアルミニウム等からなる金属光沢面が一般的であり、拡散反射層としては白色顔料を混練した樹脂や発泡性樹脂等が一般的である。
【0033】本発明において用いられる導光体12は、何らかの光取り出し機構を有するものであれば特に限定はされない。この光取り出し機構としては、アクリル樹脂等の透明樹脂に無機微粒子の分散したインキを印刷して構成される態様或いは図1に示されるように多数の粗面ドット16a、16b、16c………により構成される態様等のように光取り出し機構での光散乱現象を用いて導光体外に照明光線を取り出す方式が代表的である。
【0034】また、本発明における導光体12としては、図2及び図3に示されるようにその表面12bに導光体12の光入射面12aに対する法線方向にほぼ平行な稜線17aを備える波板状をした凹凸部(集光素子)17bで構成された集光機構17を設ける等して集光作用を高める構造とされていることが好ましく、特に集光作用の面から好ましいのは三角プリズムアレーが配設される態様である。
【0035】また、これら波板状の凹凸部17bの配列ピッチP2は視認できない程度に微細化されていることが望ましく、具体的には200μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下とされる。これによって、光反射シート10に設けられた傾斜面15bから得られる集光効果と併せて、極めて高い集光効果を得ることが可能となるのである。
【0036】また、本発明の特徴である、稜線15aを導光体12の光入射面12aと略平行とする傾斜面15bからなる略相似形の基本ユニット15を光源近傍領域のみでなく、図4及び図5に示されるように光反射シート10の全面に拡張して形成することで、輝線ばかりでなく導光体からの出射光線をも適切に制御する光学系を得ることが可能となる。
【0037】すなわち、導光体12からの出射光線を光反射シート10の方向に選択的に出射させ、該光反射シート10の表面に設けられた傾斜面15bからなる略相似形の基本ユニット15によって変角、集光することで照明光線の特性をもコントロールすることが可能となるのである。
【0038】ところで、このような光学系では、導光体12からの出射光線はできる限り光反射シート10の方向に向かうようにすることがより好ましい。そのためには通常の粗面ドット16a、16b、16c、……等からなる単純な光取り出し機構16とは全く異なる、図6〜図9に示されるように不要な光拡散(散乱)現象を発生しない平滑面から構成された方向性光出射素子18a、18b、18c………を適切な形状に制御してなる光取り出し機構18を導光体12に配設することが必要である。
【0039】特に好ましい光取り出し機構18として、具体的には、図6に示されるように平滑面からなる多数の凸状突起を方向性光出射素子18a、18b、18c………とし、これらを所定のパターンで配列したものが挙げられる。この他にも、図7〜図9に示されるように、各種の表面形状設計によって、導光体12から出射する大部分の出射光線が光反射シート10の方向に向かうように設計することが可能となるのである。
【0040】すなわち、図7に示される態様は、導光体12における光反射シート10側の面12cに形成された縦断面三角形状の多数の凸状突起を方向性光出射素子18a、18b、18c………としたものである。また、図8に示される態様は、導光体12における光反射シート10側の面12cに凹状のへこみを形成することで相対的に突出部を形成して方向性光出射素子18a、18b、18c………としたものである。
【0041】更に、図9に示される態様は、導光体12における光反射シート10側の面12cに断面V字状の多数の溝部21a、21b、21c、………所定の間隔で形成して光取り出し機構18としたものである。光取り出し機構18を構成するこのような方向性光出射素子18a、18b、18c………において、図10〜図12に示されるように凸状突起の深さhと最小開口幅Wminで定義される値、h/Wminは、0.3以上、好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.7以上とされる。
【0042】図6に示される凸状突起は、図10から明らかなように開口部形状が楕円形のものであったが、図11に示されるように開口部形状が長方形状である場合には、長方形の開口部短辺寸法が最小開口幅Wminとなる。また、図12に示されるように開口部形状がほぼ正方形状である場合には、その一辺の寸法が最小開口幅Wminとなる。このような条件を満足するように方向性光出射素子である凸状突起を設計すれば、導光体12からの出射光線の大部分を光反射シート10の側に出射させることができる。
【0043】また、本発明において、導光体12からの出射光線は大部分が光反射シート10の側に出射するように構成されていることが極めて重要なのであり、例えば前記のh/Wminなる値が好ましい領域にある導光体12を得たとしても、凸状突起の側面や、凸状突起の開口部周辺の面が、金型精度等の原因で、粗面化されてしまっている場合には、この粗面部分で光線が乱反射してしまい大部分の光線を光反射シート10の側に出射させることができなくなる状況も考えられ得る。
【0044】すなわち、凸状突起等の方向性光出射素子18a、18b、18c、………はできる限り平滑な面から構成されている必要があり、具体的にはJIS B0601に定める十点平均粗さRzの値が、好ましくは0.01〜10μmの範囲、より好ましくは0.02〜5μmの範囲、さらに好ましくは0.05〜2μmの範囲の表面とされている。照明光線の選択性という観点では、導光体12に側端部12aから入射した光線が出射する際に、出射する光束の好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上が光反射シート10の側に選択的に出射する構造とされていることが好ましい。
【0045】この様な構造をとることで、面光源装置の構造を極めてシンプルにすることが可能となり、従来型の面光源装置ではプリズムアレーなどによって光線の集光機能や変角機能を果たしていたのに対して、本発明においては、光反射シート10に設けられた傾斜面15bからなる略相似形の基本ユニット15や導光体12に設けられた波板状の凹凸部17bの集光素子(稜線17aが導光体12の光入射面12aに垂直)からなる集光機構17の効果によって同等の効果を果たすことが可能となるのである【0046】特に、例えば光反射シート10に設けられた傾斜面15bからなる略相似形の基本ユニット15の断面形状を凹面鏡のような構造とすることによって、集光機能や変角機能等の光学的特性をより精密に制御することができるようになるため、従来型の構造が複雑な面光源装置と略同等な光学的性能を保持しながら、極めて構造が簡素化された面光源装置を提供することができるのである。
【0047】本発明において光反射シート10に用いられる反射材質については特に限定されるものではないが、銀若しくはアルミニウムを表面にコーティングして反射面を形成するのが製造の容易性から最も好適である。特に、銀反射層を真空蒸着、スパッタリング、及びイオンプレーティング等のドライプロセスを用いて薄膜形成し、表面にコーティングする方法が最も好ましい。
【0048】また、例えば銀による真空蒸着をする以前に傾斜面15bからなる略相似形状の基本ユニット15が賦形された基材シート表面をサンドブラスト加工する等して、マット処理を施すこともできる。更に、銀反射層等の光沢性金属表面は非常に傷つき易く、また酸化劣化等も発生しやすい状態にあるため、表面には保護層としてシリカのスパッタリング、及び紫外線硬化性アアクリル樹脂塗料を塗布等によって傷つきや酸化劣化による光学特性の悪化を防止するのが好ましい。さらには、保護層としてアクリルビーズ等に代表される光透過性ビーズのコーティング層を設けることによって前述のマット処理を施したのと同一の効果を得ることもできるようになる。
【0049】本発明の好ましい態様においては、光反射シート10や導光体12は樹脂材料によって形成される。特にポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、又は環状ポリオレフィン系樹脂が好適に用いられ、また微細な構造の形成には上記の熱可塑性樹脂による賦形の他にも、光硬化性樹脂による賦形も好適に用いることができる。
【0050】また、本発明の面光源装置を透過型液晶パネルの背面に配設することで、液晶ディスプレイ装置が得られる。ここで、液晶パネルとは液晶分子の電気光学効果、すなわち電界に伴う光学異方性、配向性等を利用し、任意の表示単位に電界印加或いは通電して液晶の配向状態を変化させ、光線透過率や反射率を変えることで駆動する、光シャッタの配列体である液晶セルを用いて表示を行うものをいう。
【0051】具体的には、透過型単純マトリクス駆動スーパーツイステッドネマッチクモード、透過型アクティブマトリクス駆動ツイステッドネマチックモード、透過型アクティブマトリクス駆動インプレーンスイッチングモード、透過型アクティブマトリクス駆動マルチドメインヴァーチカルアラインドモード等の液晶素子が挙げられる。
【0052】以上の様に、光反射シート10における少なくとも光源近傍領域の表面に、稜線15aを導光体12の光入射面12aと略平行とする傾斜面15bからなる略相似形の基本ユニット15を設けることにより、実用化の妨げとなっていた光源近傍での輝線の発生を防止し得るか或いは輝線を目立たなくでき、光源近傍においても実用的な光学特性を有する面光源装置を提供することが可能となった。これは液晶モジュールの狭額縁化を図りながらも画像品質の向上、構造の簡素化及び生産性の向上に極めて大きな効果を果たすものである。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)導光体として215.0×163.0mm、厚みが光源付近では2.2mm、光源から最も離れた位置では0.8mmなる短辺方向に厚みの変化する楔型状のアクリル板(三菱レイヨン製、アクリペットTF8)を使用し、厚肉部に冷陰極管からなる線状光源(サンケン電気製、2.0φ管)を配設して、線状光源から離れるにしたがって徐々に直径が大きくなるようにした円形の粗面からなるパターンを導光体上に形成して光取り出し機構とした。円形パターンの配列はピッチ200μmなる正方格子とされ、直径は40μm〜120μmの範囲で変化している。
【0054】ここで、導光体は定法の射出成型法によって成型され、粗面からなるパターンを形成するための金型はステンレス製(SUS304)の鏡面板をドライフィルムレジスト(デュポン製)によるフォトリソグラフィーによってパターニングし、開口加工を施して後にサンドブラストによって開口部のみに粗面加工を施す方法によって作成した。
【0055】導光体12の粗面パターンからなる光取り出し機構が設けられない側には、導光体の光集光性をさらに高めるべく、頂角90度、ピッチ50μmなる三角プリズムアレーで形成される集光機構17が形成され、該プリズムアレーの稜線は線状光源13が配設される側端部(導光体12の光入射面)12aに垂直になるように配置された。
【0056】光反射シート10には、導光体12の光入射面から10mmまでの位置に断面形状が図13に示される、稜線15aが光入射面12aにほぼ平行で、傾斜角度αが25度なる傾斜面15bからなる略相似形の基本ユニット15がピッチ(P1)100μmにて並んで設けられ、輝線の発生を防止する構造とされた。反射層には銀のスパッタリング層を用い、該銀スパッタリング層表面にはシリカがスパッタリングによってオーバーコートされている【0057】冷陰極管には管径1.8mmなる冷陰極管を用い、インバーターを介して高周波点灯した。また、該冷陰極管の周囲は銀を反射面とする厚み0.1mmのステンレス板にて覆ってランプリフレクタ14とし、導光体12の光出射面12b直上にはヘーズ65%なるアクリルビーズをコーティングして得られた光拡散シート(ツジデン製)19を配設し、さらに、登頂角90度なる三角プリズムアレーがピッチ50μmにて配列して形成されたプリズムシート(3M製、BEFIII)20を2枚、プリズムの稜線が直交するように配して面光源装置を得た。
【0058】管電流は5mAとし、輝度測定装置(トプコム製、BM−7)を用いて面内25点の平均輝度を結果、平均輝度1740nitが得られ、輝度性能および輝度ムラとも、液晶ディスプレイパネルのバックライト光源として実用するに十分な光学特性であり、光源近傍には輝線は認められなかった。
【0059】(比較例1)光反射シートの光源近傍に傾斜面からなる略相似形の基本ユニットを設けなかったことの他は実施例1と同様にして面光源装置を作成した。平均輝度は1820nitであり、導光体の光入射面から4.5mmの位置に強い帯状の明部が現れ、輝度のムラが全く実用的でなかった。
【0060】(比較例2)ランプリフレクタを図16に示される如く、導光体の光入射面に押し当てる構造として輝線を防止したことの他は比較例1と同様にして面光源装置を作成した。平均輝度は1640nitであり、輝線はほぼ消去できたものの、僅かな外力でランプリフレクタが導光体の側端部からずれてしまい、光漏れ現象が発生するため実用的ではなかった。
【0061】(比較例3)光反射シートの光源近傍エリア、図17に示される如く、遮光性のパターンを印刷して輝線を防止したことの他は比較例1と同様にして面光源装置を作成した。平均輝度は1550nitであり、輝線はほぼ除去できたものの、輝度低下が著しく、低効率であった。
【0062】(実施例2)導光体として215.0×163.0mm、厚みが光源付近では2.2mm、光源から最も離れた位置では0.8mmなる短辺方向に厚みの変化する楔形状のアクリル板(三菱レイヨン製、アクリペットTF8)を使用し、厚肉部に冷陰極管からなる線状光源(サンケン電気製、2.0φ管)を配設するとして、線状光源から離れるにしたがって長さが一軸方向(線状光源と平行な方向)に相対的に長くなるようにパターニングした長方形の平滑面からなる凸状突起を導光体の光出射面と対向する面に形成した。図10〜図12に各種断面形状の凸状突起の拡大図を示す。突起の深さhは27.0μmとし、突起部分の最小開口幅Wminは45.0μmとされている。
【0063】ここで、導光体の成型は定法の射出成型法によって行い、凸状突起の形成に用いる金型は、厚さ25μmなるドライフィルムレジスト(ニチゴーモートン製)をガラス板上にラミネートし、フォトリソグラフィーによってパターンを形成し、該ドライフィルムレジストによるパターニングを施したガラス板上に電極を蒸着し、これを電鋳マスターとしてニッケル電鋳を行うことによって、突起形状に対応した開口部を有する表面形状の金型を得た。
【0064】また、導光体の光出射面(凸状突起からなる光取り出し機構が設けられ内面)には、集光素子として、図4に示す如く、登頂角90度、ピッチ50μmなる三角プリズムアレーが形成され、該三角プリズムアレーの稜線は線状光源が配される側端部(光入射面)に略垂直となるように配置されている。
【0065】導光体の方向性光出射素子である平滑面からなる凸状突起は高い平滑度で形成されており、凸状突起表面の粗さを光学式表面形状測定機(キーエンス製、VK−8500)にて測定した結果、表面の算術平均粗さは0.35μmであった。これにより、不要な光散乱が生じなく様になった為、導光体からの出射光線は77%が光反射シートの側に出射する本発明に用いるに極めて好適な導光体が得られた。
【0066】光反射シート10には、断面形状が図4に示される、稜線15aがほぼ平行に配列した傾斜面15bからなる基本ユニット15が光反射シート10の全面にわたって、多数、並列して配列したものが用いられた。基本ユニット15の配列ピッチP1は100μmとされ、反射層には反射率91.2%なる銀のスパッタリング層が用いられ、該銀スパッタリング層表面にはさらにシリカのオーバーコート層がスパッタリングによってコーティングされた。傾斜面15bの傾斜角度αは29度とされ、断面は凹状として、平滑面からなる方向性光出射素子18a、18b、18c、……から出射した光束を該光反射シート10で変角、集光する構造とした。
【0067】インバーター(ハリソン電機製)を介して高周波点灯し、導光体12の光出射面12b直上にはアクリルビーズをコーティングして得られた光拡散シート(ツジデン製、D117UEY)19を配設し、面光源装置11を得た。導光体12から出射した光束は大部分が、一旦、光反射シート10の側に向かい集光、変角され、更に導光体12自身がプリズムシートとして作用して集光されるため、照明光の特性は正面方向に極めて高い指向性を有する、液晶ディスプレイ装置のバックライトとして極めて好適な特性であった。
【0068】管電流5mAとし、輝度測定装置(トプコム製、BM−7)を用いて面内25点の平均輝度を測定した結果、平均輝度1690nitが得られ、輝線の発生も認められず、液晶ディスプレイ装置のバックライト光源として極めて実用性に優れた特性であることが確認された。
【0069】また、通常であれば2枚も配設されるプリズムシートを用いていないため、シート間にゴミの混入等も少なく、組立性も極めて良好であり、さらには余分なシートがないため、薄型かつ軽量の面光源装置が得られた。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、導光体の光入射面と略平行な稜線を備える傾斜面からなる略相似形をした多数の基本ユニットを光反射シートの少なくとも光源に近い領域の表面に多数配列したことにより、光源近傍での輝線の発生を防止若しくは目立たなくでき、これにより光源近傍においても実用的な光学特性を有する面光源装置を提供することができる。その結果、狭額縁化を図りながらも画像品質が良く、構造が簡素で且つ生産性の高い液晶ディスプレイ装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】393032125
【氏名又は名称】油化電子株式会社
【識別番号】000005968
【氏名又は名称】三菱化学株式会社
【出願日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【代理人】 【識別番号】100089244
【弁理士】
【氏名又は名称】遠山 勉 (外2名)
【公開番号】 特開2002−216522(P2002−216522A)
【公開日】 平成14年8月2日(2002.8.2)
【出願番号】 特願2001−11880(P2001−11880)