| 【発明の名称】 |
面光源ユニットおよびそれを用いた表示装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】平石 政憲
【氏名】大西 雅也
|
| 【要約】 |
【課題】輝度分布に異方性がある管状光源を備えていても、構造が簡単な面光源ユニットにより液晶表示装置の表示パネルを均一に照明する。
【解決手段】管状光源4からの光を側面から入射して平坦出射面から出射させる導光部材5と、この導光部材の出射面からの光により照明される表示パネル2との間に、互いに屈折率が異なる連続相(結晶性樹脂)及び分散相(非晶性樹脂)で構成された異方性光散乱フィルム7を配設し、表示パネル2を均一に照明する。異方性光散乱フィルムは、散乱角θと散乱光強度Fとの関係を示す光散乱特性F(θ)において、X軸方向の光散乱特性をFx(θ)、Y軸方向の光散乱特性をFy(θ)とするとき、下記式を充足する。Fy(θ)/Fx(θ)>5 (θ=4〜30゜) |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 管状光源と、この管状光源からの光を側面から入射して平坦な出射面から出射させて表示ユニットを照明するための導光部材と、前記導光部材と前記表示ユニットとの間に配設され、かつ前記管状光源からの光により前記表示ユニットを均一に照明するための少なくとも1つの異方性光散乱フィルムとを備えている面光源ユニット。 【請求項2】 異方性光散乱フィルムが、入射光を光の進行方向に散乱可能なフィルムであって、散乱角θと散乱光強度Fとの関係を示す光散乱特性F(θ)において、X軸方向の光散乱特性をFx(θ)、X軸方向と直交するY軸方向の光散乱特性をFy(θ)とするとき、θ=4〜30゜の範囲で式 Fy(θ)/Fx(θ)>5を充足する請求項1記載の面光源ユニット。 【請求項3】 異方性光散乱フィルムが、入射光を光の進行方向に散乱可能なフィルムであって、散乱角θと散乱光強度Fとの関係を示す光散乱特性F(θ)において、X軸方向の光散乱特性をFx(θ)、X軸方向と直交するY軸方向の光散乱特性をFy(θ)とするとき、光散乱特性Fx(θ)と光散乱特性Fy(θ)とが、θ=2〜30゜の範囲で式 Fy(θ)/Fx(θ)>10を充足する請求項1記載の面光源ユニット。 【請求項4】 異方性光散乱フィルムが、入射光を光の進行方向に散乱可能なフィルムであって、散乱角θと散乱光強度Fとの関係を示す光散乱特性F(θ)において、X軸方向の光散乱特性をFx(θ)、X軸方向と直交するY方向の光散乱特性をFy(θ)とするとき、散乱角θ=0〜30゜の範囲において、散乱角θが大きくなるにつれて光散乱特性Fy(θ)がなだらかに減少し、かつ光散乱特性が式 Fy(0°)/Fy(30°)<200を充足する請求項1記載の面光源ユニット。 【請求項5】 異方性光散乱フィルムが、入射光を光の進行方向に散乱可能なフィルムであって、散乱角θと散乱光強度Fとの関係を示す光散乱特性F(θ)において、X軸方向の光散乱特性をFx(θ)、X軸方向と直交するY方向の光散乱特性をFy(θ)とするとき、散乱角θ=0〜30゜の範囲において、散乱角θが大きくなるにつれて光散乱特性Fy(θ)がなだらかに減少し、かつ光散乱特性が式 Fy(0°)/Fy(30°)<50を充足する請求項1記載の面光源ユニット。 【請求項6】 互いに屈折率が異なる連続相と、この連続相に平均アスペクト比が1より大きな値で分散した分散相とで構成された複数の異方性光散乱フィルムを備えており、導光部材と表示ユニットとの間に、光散乱の方向性を互いに異にして複数の異方性光散乱フィルムが配設されている請求項1記載の面光源ユニット。 【請求項7】 導光部材と表示パネルとの間に、分散相の長軸方向を互いに直交する方向に向けて2つの異方性光散乱フィルムが配設されている請求項6記載の面光源ユニット。 【請求項8】 異方性光散乱フィルムが、屈折率が0.001以上異なる連続相と分散相とで構成されており、分散相の平均アスペクト比が1より大きく、分散相の長軸が管状光源の軸方向に配向している請求項1記載の面光源ユニット。 【請求項9】 分散相の平均アスペクト比が5〜1000である請求項8記載の面光源ユニット。 【請求項10】 分散相の短軸の平均長さが0.1〜10μmである請求項8記載の面光源ユニット。 【請求項11】 異方性光散乱フィルムの厚みが3〜300μmおよび全光線透過率が85%以上である請求項8記載の面光源ユニット。 【請求項12】 連続相と分散相との割合が、連続相/分散相=99/1〜50/50(重量比)である請求項8記載の面光源ユニット。 【請求項13】 連続相が結晶性樹脂で構成され、分散相が非結晶性樹脂で構成されている請求項8記載の面光源ユニット。 【請求項14】 異方性光散乱フィルムが相溶化剤としてのエポキシ化ジエン系ブロック共重合体を含有する請求項8記載の面光源ユニット。 【請求項15】 連続相を構成する結晶性ポリプロピレン系樹脂と、分散相を構成する非晶性コポリエステル系樹脂と、相溶化剤を構成するエポキシ化されたスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体とを含み、連続相と分散相との割合が、前者/後者=99/1〜50/50(重量比)であり、分散相と相溶化剤との割合が、前者/後者=99/1〜50/50(重量比)である請求項8記載の面光源ユニット。 【請求項16】 異方性光散乱フィルムの表面に、分散相の長軸方向に延びる凹凸部が形成されている請求項8記載の面光源ユニット。 【請求項17】 表示ユニットと、この表示ユニットを照明するための請求項1記載の面光源ユニットとで構成されている表示装置。 【請求項18】 表示ユニットが液晶表示ユニットである請求項17記載の表示装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置(特に透過型液晶表示装置など)の表示ユニットを均一に照明させるのに有用な面光源ユニット(又はバックライトユニット)およびそれを用いた表示装置に関する。 【0002】 【従来の技術】表示パネル(液晶表示モジュールなど)を裏面から照明するバックライト型表示装置(液晶表示装置)においては、表示パネルの裏面に面光源ユニット(又はバックライトユニット)が配設されている。この面光源ユニットは、例えば、蛍光管(冷陰極管)などの管状光源と、この管状光源に側面を隣接させて配設され、かつ管状光源からの光を表示パネルに導くための導光板と、この導光板のうち表示パネルと反対側に配設された反射板とで構成されている。このような面光源ユニットでは、蛍光管からの光を反射板で反射しつつ導光板で案内し、表示パネルを裏面から均一に照明するため、管状光源と表示パネルとの間に拡散フィルムを配設する場合が多い。拡散フィルムとしては、樹脂微粒子や透光性無機微粒子が分散して透明で耐熱性の高いポリカーボネートフィルムやポリエステルフィルムが利用されている。しかし、このような拡散フィルムを用いると、等方的に光拡散するため、特定の方向(蛍光管の軸方向)の輝度を必要以上に低下させ、高い輝度で表示パネルを均一に照明できない。 【0003】特開平11−231315号公報には、蛍光管などの線状光源と、側面からの線状光源の光が入射される導光板と、この導光板の下面に近接して配設された拡散反射板と、前記導光板の下面に形成された凹部/凸部からなる反射手段(プリズム部など)とを備えた面光源ユニットが開示されている。 【0004】特開平11−84357号公報には、バックライトユニットと、このユニット上に配設される液晶表示パネルと、前記バックライトユニットと液晶表示パネルとの間に設けられた第1のレンズシートと、この第1のレンズシートを第2のレンズシートに切り替えるための切換手段とを備えた液晶表示装置が開示されている。この文献には、蛍光管からの光を導光板の側面から出射面に案内し、出射面からの光を、断面三角形状の複数のプリズムを互いに平行に形成したレンズシートにより集光して表示パネルを照明することも記載されている。 【0005】このような装置又はユニットでは、プリズムにより拡散光を集光でき、表示パネルを高い輝度で照明できる。しかし、蛍光管の長手方向の発光分布(輝度分布)は均一であるものの、前記長手方向と直交する方向には発光分布のむらが生じ、縞模様が観測される場合がある。そのため、表示パネルを均一に照明することが困難である。 【0006】特開平11−84376号公報には、透過型液晶表示パネルを均一な輝度で照明するためのユニットとして、前記表示パネルに照明光を導くための導光板と、この導光板の一辺に近接して設けられた蛍光ランプと、この蛍光ランプからの光をフロント方向(表示パネル方向)へ反射させるための反射板と、前記導光板のフロント側に配設され、かつ導光板の出射面から分散して出射する光を拡散して均一化するための拡散板と、この拡散板からの光を集光するためのプリズムシートとを備えたバックライトユニットが開示されている。この文献には、プリズムの延出方向を互いに交差する方向に向けて2つのプリズムシートを対向して配設し、この一対のプリズムシートの両側に拡散板を配設した例が記載されている。 【0007】このようなバックライトユニットでは、複数のプリズムシートと複数の拡散板とを必要とするため、構造が複雑化するとともに輝度が低下する。また、上記バックライトユニットを用いても、輝度分布が未だ不均一である。すなわち、蛍光管(冷陰極管)の長手方向(X軸方向)の発光分布(輝度分布)は、比較的均一であるものの、前記X軸方向と直交するY軸方向の発光分布(輝度分布)は、未だ縞状のむら(線状暗部)があり、輝度分布を均一化することができない。 【0008】特開平4−314522号公報には、透明マトリックス中に、異方的形状を有し、かつこの透明マトリックスと異なる屈折率の透明物質が、秩序よく互いに平行移動した位置関係で、均質に分散している異方的光散乱材料が記載されている。また、異方的形状のアスペクト比の好ましい範囲は、15〜30であり、短軸の長さは1〜2μmであることが開示されている。具体的には、透明マトリックス樹脂としての低融点の低密度ポリエチレンと、透明物質としての高融点のポリスチレンやスチレン−アクリロニトリル共重合体とを混練し、生成した組成物を押出加工し、押出されたシート状の溶融樹脂を押出し方向に強く引き取り延伸をかけながら冷却する方法により製造している。この異方的光散乱材料は、プロジェクションテレビのスクリーン用レンチキュラーレンズとして用いられている。 【0009】特開平7−114013号公報には、視野角特性を改良するため、入射光を散乱透過させる機能を有するフィルム又はシートを表示画面上に設けた液晶表示装置が開示されている。この文献には、透明樹脂マトリックス中に、透明樹脂で形成され、かつ長軸と短軸の比が10以上であり、平均粒子径が0.5〜70μmの分散相粒子が分散したフィルム又はシートが開示されている。 【0010】しかし、発光分布(輝度分布)に異方性がある管状光源を用いた表示装置では、これらのフィルム又はシートを用いても、表示パネルを均一に照明することが困難である。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、発光分布(輝度分布)に異方性がある管状光源を備えていても、輝度の低下を抑制し、表示パネルを均一に照明するのに有用な面光源ユニットおよびこのユニットを備えた表示装置(特に、液晶表示装置)を提供することにある。 【0012】本発明の他の目的は、構造を簡素化でき、しかも表示パネルを均一に照明して表示データを鮮明に視認できる面光源ユニットおよびそれを用いた表示装置(特に液晶表示装置)を提供することにある。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、管状光源からの光を側面から入射して平坦な出射面から出射させるための導光部材と、この導光部材の出射面からの光により照明される表示パネルとの間に、異方性光散乱シートを配設すると、光散乱シートの透過光を異方的に散乱し、表示パネルを均一に照明できることを見いだし、本発明を完成した。 【0014】すなわち、本発明の面光源ユニットは、管状光源と、この管状光源からの光を側面から入射して平坦な出射面から出射させて表示ユニットを照明するための導光部材と、前記導光部材と前記表示ユニットとの間に配設され、かつ前記管状光源からの光により前記表示ユニットを均一に照明するための少なくとも1つの異方性光散乱シートとを備えている。前記異方性光散乱シートは、入射光を光の進行方向に散乱可能なシートであり、散乱角θと散乱光強度Fとの関係を示す光散乱特性F(θ)において、X軸方向の光散乱特性をFx(θ)、X軸方向と直交するY方向の光散乱特性をFy(θ)とするとき、次のような関係式を充足する。 【0015】θ=4〜30゜の範囲で式 Fy(θ)/Fx(θ)>5θ=2〜30゜の範囲で式 Fy(θ)/Fx(θ)>10θ=0〜30゜(例えば、2〜30°)の範囲において、散乱角θが大きくなるにつれて光散乱特性Fy(θ)がなだらかに減少し、かつ光散乱特性が式Fy(0°)/Fy(30°)<200(例えば、Fy(0°)/Fy(30°)<50)を充足する。 【0016】このような異方性光散乱フィルムは、互いに屈折率が異なる連続相と、この連続相に平均アスペクト比が1より大きな値で分散した分散相とで構成されている。前記面光源ユニットは、複数の異方性光散乱フィルムを備えていてもよく、複数の異方性光散乱フィルムは、導光部材と表示パネルとの間に、光散乱の方向性を互いに異にして(例えば、分散相の長軸方向を異にして)配設することができる。導光部材と表示パネルとの間には、分散相の長軸方向を互いに直交する方向に向けて2つの異方性光散乱フィルムを配設してもよい。また、異方性光散乱フィルムは、屈折率が0.001以上異なる連続相と分散相とで構成でき、分散相の平均アスペクト比が1より大きく、分散相の長軸を管状光源の軸方向に配向させて配設してもよい。さらに、連続相を結晶性樹脂で構成し、分散相を非晶性樹脂で構成してもよい。なお、異方性光散乱フィルムの表面には、分散相の長軸方向に延びる凹凸部を形成してもよい。 【0017】本発明には、表示ユニット(例えば、液晶表示ユニット)と、この表示ユニットを照明するための前記面光源ユニットとで構成された表示装置(例えば、液晶表示装置)も含まれる。 【0018】なお、本明細書において、「フィルム」とは厚さの如何を問わずシートを含む意味に用いる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照しつつ、本発明の面光源ユニットおよび表示装置について、詳細に説明する。 【0020】図1は本発明の面光源ユニットおよび表示装置の一例を示す概略分解斜視図であり、図2は図1の異方性光散乱フィルムの異方的散乱を説明するための概念図である。 【0021】前記表示装置1は、液晶が封入された液晶セルを備えた液晶表示ユニット(又は液晶表示パネル)2と、この表示ユニット(又はパネル)の背面側に配設され、前記表示ユニット2を照明するための面光源ユニット3とで構成されている。 【0022】前記面光源ユニット3は、蛍光管(冷陰極管)などの管状光源4と、この管状光源からの光を側面から入射して平坦な出射面から出射させるための導光部材(導光板)5とを備えており、この導光部材の出射面からの光により表示ユニット2を照明している。なお、導光部材5は透光性プレート状部材で構成されており、導光部材の側部(又は一辺)に管状光源4が略平行に隣接して配設されている。さらに、管状光源4の外側方には光源からの光を導光部材5の側面に反射させるための反射ミラー6bが配設されており、前記導光部材5の裏面側には、管状光源4からの光を前方方向(表示ユニット側)に反射して表示ユニット2に導くため、反射部材又は反射層6aが配設されている。このような面光源ユニット3では、管状光源4からの出射光の輝度分布は均一でなく、管状光源4の軸方向に対して直交する方向の輝度分布が不均一である。そのため、導光部材5を通じて出射面から光を出射させても、表示ユニット2を均一に照明できない。 【0023】そこで、本発明では、前記導光部材5と前記表示ユニット(パネル)2との間に異方性光散乱フィルム7を配設し、前記管状光源4からの光により表示ユニット2を均一に照明している。より具体的には、分散相粒子の配向と異方的散乱性との関係を説明するための図2に示されるように、前記異方性光散乱フィルム7は、互いに屈折率が異なる連続相10と分散相11とで構成されており、連続相10および分散相11はそれぞれ透明性の高い樹脂で構成されている。また、前記連続相10に分散する分散相11は平均アスペクト比が1より大きく、入射光を光の進行方向に異方的に散乱可能である。すなわち、フィルムの透過光を、分散相粒子の長軸方向と直交する方向に強く散乱できる。 【0024】より詳細には、前記表示装置において、異方性光散乱フィルム7は、分散相11の長軸(X軸)を管状光源4の長手方向(軸方向,X軸方向)に向けて配設しており、フィルムのY軸方向は、管状光源4の長手方向に直交するY軸方向に向けられている。一方、管状光源からの光はX軸方向には均一な発光分布を有しているが、Y軸方向には発光分布が不均一である。そして、前記異方性光散乱フィルム7を利用すると、分散相11の長軸方向(X軸方向)では入射光に対する光散乱性が小さいのに対して、前記長軸方向と直交する方向(Y軸方向)では光散乱性が大きい。そのため、後述するように、光散乱特性Fx(θ)とFy(θ)とは、Fy(θ)>Fx(θ)の関係を示す。このように、入射光をX軸方向よりもY軸方向に強く光拡散でき、輝度分布が不均一で異方性のある管状光源4を用いても、輝度の低下を抑制し、表示ユニット2を均一に照明できる。さらに、異方性光散乱フィルム7を介在させるだけで、表示ユニット2を均一に照明できるので、面光源ユニット3および表示装置(特に、液晶表示装置)1の構造を簡素化でき、表示ユニット2による表示データを鮮明に視認できる。 【0025】なお、光散乱フィルムは、後述するように、特定の散乱角θにおいて散乱強度が極大を示す特性、すなわち拡散光の指向性を有していてもよい。 【0026】なお、本発明の面光源ユニットおよび表示装置は、少なくとも1つの異方性光散乱フィルムを備えていればよく、複数の異方性光散乱フィルムを備えていてもよい。なお、光散乱フィルムを配設する場合、管状光源の長手方向(X軸方向)に対して、分散相粒子の長軸方向(フィルムのX軸方向)を完全に一致させる必要はなく、発光分布を均一化できる限り、ずれていてもよい。管状光源の長手方向とフィルムのX軸方向との角度は、例えば、0〜20゜程度、通常、0〜10゜程度である。 【0027】複数の異方性光散乱フィルムを用いる場合、各フィルムの分散相の長軸方向は同一方向であってもよく異なっていてもよい。例えば、光散乱の方向性(例えば、分散相の長軸方向)を互いに異にして複数の異方性光散乱フィルムを配設してもよく、分散相の長軸方向を互いに直交する方向に向けて複数(特に2つの)の異方性光散乱フィルムを配設してもよい。 【0028】前記異方性光散乱フィルムは、導光部材と前記表示ユニット(パネル)との間に位置すればよく、例えば、導光部材の出射面(又はフロント面)及び/又は表示ユニットの入射面(又は裏面)に積層してもよく、導光部材と表示ユニットとの間に遊離して介在させてもよい。なお、表示装置においては、表示ユニットと観察者との間(例えば、表示ユニットの表示面又はフロント面)に異方性光散乱フィルムを配設してもよい。 【0029】さらに、表示ユニットは、液晶表示ユニットに限定されることなく、種々の表示パネルが利用できる。面光源装置や表示装置は、さらに、カラーフィルター、偏光板(又は偏光フィルム)、位相差板などの種々の光学部材又は素子を有していてもよい。なお、前記導光部材(導光板)は、通常、表示ユニットに対して略平行な平坦面(出射面)を有しており、反射層側の面は管状光源に隣接する側の厚みが大きくなるように下方に傾斜していてもよい。管状光源としては、通常、冷陰極管(蛍光管)を利用する場合が多く、単一又は複数の管状光源を用いてもよい。 【0030】[異方性光散乱フィルム]入射光を光の進行方向に散乱可能な前記異方性光散乱フィルムは、散乱角θと散乱光強度Fとの関係を示す光散乱特性F(θ)において、フィルムのX軸方向(例えば、分散相の長軸方向)の光散乱特性をFx(θ)、フィルムのX軸方向(例えば、分散相の長軸方向)と直交するY軸方向の光散乱特性をFy(θ)とするとき、光散乱特性Fx(θ)と光散乱特性Fy(θ)とが、下記式(1)、好ましくは下記式(2)を充足している。なお、異方性光散乱フィルムのX軸方向は、通常、分散相の長軸方向である。 【0031】 F1=Fy(θ)/Fx(θ)>5 (但し、θ=4〜30゜) (1) F2=Fy(θ)/Fx(θ)>10 (但し、θ=2〜30゜) (2)なお、F1=Fy(θ)/Fx(θ)の値は、通常、10〜500、好ましくは15〜500、さらに好ましくは50〜500(例えば、100〜400)程度であり、このような値は、散乱角θ=4〜30°に限らず散乱角θ=4〜15°における値であってもよい。また、F2=Fy(θ)/Fx(θ)の値は、通常、15〜500、好ましくは20〜500(例えば、20〜400)程度であり、このような値は、散乱角θ=4〜30°に限らず散乱角θ=4〜15°における値であってもよい。 【0032】さらに、好ましい異方性光散乱フィルムは、散乱角θ=0〜30°(例えば、2〜30゜)の範囲において、散乱角θが大きくなるにつれて光散乱特性Fy(θ)がなだらかに減少する。しかも、光散乱特性が下記式(3)を充足する。 【0033】 F3=Fy(0°)/Fy(30°)<200 (3)F3=Fy(0°)/Fy(30°)の値は、通常、150以下(例えば、10〜150程度)、好ましくは100以下(例えば、10〜100程度)、好ましくは50以下(例えば、15〜50程度)である。 【0034】なお、前記のように、特開平4−314522号公報には、プロジェクションテレビのスクリーン用レンチキュラーレンズとして、透明樹脂マトリックス中に、異方的形状を有する分散相粒子が、秩序よく互いに平行移動した位置関係で、均質に分散した異方的光散乱材料とが記載されている。しかし、この文献の図3〜図6に記載されているように、分散粒子の長軸に垂直な平面における散乱角度θに対する光散乱特性(強度)をFy(θ)とし、分散粒子の長軸に平行な平面における散乱光の散乱角度θと光散乱特性(強度)をFx(θ)としたとき、散乱角度θ=4゜において、Fy(θ)とFx(θ)との比はFy(4゜)/Fx(4゜)=2程度であり、異方的光散乱材料の異方的散乱特性が不十分である。 【0035】Fy(θ)/Fx(θ)で表される異方性に関する係数F1が5以下では、フィルムを、管状の管状光源(発光源)を備えた液晶表示装置に適用したときに、均一な面発光を得ることができない。 【0036】なお、X軸方向とY軸方向との中間のψ方向の散乱特性をFψ(θ)(但し、ψはX軸方向からの角度を示す。即ち、X軸方向はψ=0°、Y軸方向はψ=90°に対応する)とすると、本発明の異方性光散乱フィルムは、必ずしも、Fψ(θ)(ψ≠90゜)がFx(θ)と同程度となる程の異方性を有している必要はないが、好ましくはFψ(θ)(ψ≠90゜)がFx(θ)と同程度の値を示す。このようなフィルムは、特に高い異方性で光散乱できる。 【0037】なお、散乱特性F(θ)は、例えば、図3に示すような測定装置を用いて測定できる。この装置は、異方性光散乱フィルム7に対してレーザ光を照射するためのレーザー光照射装置(NIHON KAGAKU ENG NEO-20MS)21と、異方性光散乱フィルム7を透過したレーザ光の強度を測定するための検出器22とを備えている。そして、異方性光散乱フィルム7に対して90°の角度でレーザー光を照射し、フィルムにより拡散された光の強度(拡散強度)Fを拡散角度θに対して測定(プロット)することにより光散乱特性を求めることができる。 【0038】異方性光散乱フィルムは、連続相(樹脂連続相など)と、この連続相中に分散した分散相(粒子状、繊維状分散相など)とで構成されており、前記連続相と分散相とは、互いに屈折率が異なるとともに、通常、互いに非相溶又は難相溶である。連続相および分散相は、通常、透明性物質で形成できる。 【0039】連続相及び分散相を構成する樹脂には、熱可塑性樹脂(オレフィン系樹脂、ハロゲン含有樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ビニルエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース誘導体など)および熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂など)などが挙げられる。好ましい樹脂は熱可塑性樹脂である。 【0040】オレフィン系樹脂には、例えば、C2-6オレフィンの単独又は共重合体(ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体などのエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ポリ(メチルペンテン−1)、プロピレン−メチルペンテン共重合体など)、C2-6オレフィンと共重合性単量体との共重合体(エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)などが挙げられる。 【0041】ハロゲン含有樹脂としては、ハロゲン化ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニルフルオライドなどの塩化ビニル又はフッ素含有単量体の単独重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などの塩化ビニル又はフッ素含有単量体の共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体などの塩化ビニル又はフッ素含有単量体と共重合性単量体との共重合体など)、ハロゲン化ビニリデン系樹脂(ポリ塩化ビニリデン、ポリビニリデンフルオライド、又は塩化ビニル又はフッ素含有ビニリデン単量体と他の単量体との共重合体)などが挙げられる。 【0042】ビニルアルコール系樹脂の誘導体には、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが含まれる。ビニルエステル系樹脂としては、ビニルエステル系単量体の単独又は共重合体(ポリ酢酸ビニルなど)、ビニルエステル系単量体と共重合性単量体との共重合体(酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)などが挙げられる。 【0043】(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(MS樹脂など)などが挙げられる。好ましい(メタ)アクリル系樹脂には、ポリ(メタ)アクリル酸C1-6アルキル、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体などが含まれる。 【0044】スチレン系樹脂には、スチレン系単量体の単独又は共重合体(ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体など)、スチレン系単量体と共重合性単量体との共重合体(スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体など)などが挙げられる。 【0045】ポリエステル系樹脂には、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールとを用いた芳香族ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリアルキレンナフタレートなどのホモポリエステル、アルキレンアリレート単位を主成分(例えば、50モル%以上、好ましくは75〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%)として含むコポリエステルなど)、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸を用いた脂肪族ポリエステル、液晶性ポリエステルなどが含まれる。 【0046】ポリアミド系樹脂としては、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、キシリレンジアミンアジペート(MXD−6)などの芳香族ポリアミドなどが挙げられる。ポリアミド系樹脂は、ホモポリアミドに限らずコポリアミドであってもよい。 【0047】ポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)をベースとする芳香族ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートなどの脂肪族ポリカーボネートなどが含まれる。 【0048】セルロース誘導体としては、セルロースエステル(セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースフタレートなど)、セルロースカーバメート類(セルロースフェニルカーバメートなど)、セルロースエーテル類(アルキルセルロース、ベンジルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、シアノエチルセルロースなど)が挙げられる。 【0049】なお、前記樹脂成分は、必要に応じて、変性(例えば、ゴム変性)されていてもよい。 【0050】また、前記樹脂成分で連続相マトリックスを構成し、このマトリックス樹脂に分散相成分をグラフト又はブロック共重合してもよい。このような重合体としては、例えば、ゴムブロック共重合体(スチレン−ブタジエン共重合体(SB樹脂)など)、ゴムグラフトスチレン系樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)など)などが例示できる。 【0051】繊維状分散相には、有機繊維、無機繊維などが含まれる。有機繊維は、耐熱性有機繊維、例えば、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリイミド繊維などであってもよい。無機繊維としては、例えば、繊維状フィラー(ガラス繊維,シリカ繊維,アルミナ繊維,ジルコニア繊維などの無機繊維)、薄片状フィラー(マイカなど)などが挙げられる。 【0052】連続相又は分散相を構成する好ましい成分には、オレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂などが含まれる。また、前記連続相及び/又は分散相を構成する樹脂は結晶性又は非晶性であってもよく、連続相及び分散相を非結晶性樹脂で構成してもよい。好ましい態様において、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを組み合わせることができる。すなわち、連続相及び分散相のうち一方の相(例えば、連続相)を結晶性樹脂で構成し、他方の相(例えば、分散相)を非結晶性樹脂で構成できる。 【0053】結晶性樹脂としては、オレフィン系樹脂(ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体などのプロピレン含量が90モル%以上のポリプロピレン系樹脂、ポリ(メチルペンテン−1)など)、ビニリデン系樹脂(塩化ビニリデン系樹脂など)、芳香族ポリエステル系樹脂(ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレートなどのポリアルキレンアリレートホモポリエステル、アルキレンアリレート単位の含有量が80モル%以上のコポリエステル、液晶性芳香族ポリエステルなど)、ポリアミド系樹脂(ナイロン46,ナイロン6,ナイロン66などの短鎖セグメントを有する脂肪族ポリエステルなど)などが例示できる。これらの結晶性樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。 【0054】結晶性樹脂(結晶性ポリプロピレン系樹脂など)の結晶化度は、例えば、10〜80%程度、好ましくは20〜70%程度、さらに好ましくは30〜60%程度である。 【0055】連続相を構成する樹脂としては、通常、透明性の高い樹脂が使用される。特に好ましい連続相を構成する樹脂は、流動性の高い結晶性樹脂である。このような樹脂と分散相を構成する樹脂とを組み合わせると、コンパウンドの均一性(分散相の均一分散性)を高めることができる。 【0056】なお、連続相を構成する樹脂は、融点又はガラス転移温度が130〜280℃程度、好ましくは140〜270℃程度、さらに好ましくは150〜260℃程度の樹脂であってもよい。 【0057】非結晶性樹脂としては、例えば、ビニル系重合体(アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ビニルアルコール系樹脂などのビニル系単量体の単独又は共重合体など)、(メタ)アクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)など)、スチレン系樹脂(ポリスチレン、AS樹脂など)、ポリカーボネート系重合体、非晶性ポリエステル系樹脂(脂肪族ポリエステル、ジオール成分及び/又は芳香族ジカルボン酸成分の一部が置換されたポリアルキレンアリレートコポリエステル、ポリアリレート樹脂など)、ポリアミド系樹脂(長鎖セグメントを有する脂肪族ポリアミド、非結晶性芳香族ポリアミド)、熱可塑性エラストマー(ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエラストマー、スチレン系エラストマーなど)などが例示できる。前記非晶性ポリエステル系樹脂において、ポリアルキレンアリレートコポリエステルとしては、ジオール成分(C2-4アルキレングリコール)及び/又は芳香族ジカルボン酸成分(テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸)の一部(例えば、10〜80モル%、好ましくは20〜80モル%、さらに好ましくは30〜75モル%程度)として、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどの(ポリ)オキシアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、フタル酸、イソフタル酸、脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸など)から選択された少なくとも一種を用いたコポリエステルなどが含まれる。これらの非結晶性樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。 【0058】分散相を構成する樹脂としては、通常、透明性の高い樹脂が使用される。 【0059】なお、分散相を構成する樹脂の融点又はガラス転移温度は、前記連続相を構成する樹脂よりも低い場合が多く、例えば、50〜180℃程度、好ましくは60〜170℃程度、さらに好ましくは70〜150℃程度の樹脂であってもよい。 【0060】連続相を構成する結晶性樹脂と分散相を構成する非結晶性樹脂との組合せとしては、例えば、結晶性ポリオレフィン系樹脂(結晶性ポリプロピレン樹脂など)と非結晶性ポリエステル(ポリアルキレンテレフタレートコポリエステルなどのポリアルキレンアリレートコポリエステルなど)との組合せなどが例示できる。 【0061】連続相を構成する樹脂として融点又はガラス転移温度の高い樹脂(特に、融点の高い結晶性樹脂)を用いると、熱安定性及びフィルム加工性に優れており、比較的高温(例えば、130〜150℃程度)での配向処理(又は一軸延伸処理)が容易であり、分散相を容易に配向できる。さらには、表示装置(液晶表示装置など)の部品として使用しても、広い温度範囲(例えば、室温〜80℃程度の範囲)で安定である。また、結晶性樹脂(結晶性ポリプロピレン樹脂など)は、一般に、廉価である。一方、分散相を構成する樹脂として連続相よりも低い融点又はガラス転移温度を有する樹脂(特に、結晶性樹脂よりも融点又はガラス転移温度の低い非結晶性樹脂)を用いると、一軸延伸などの配向処理により分散相粒子のアスペクト比を容易に高めることができる。例えば、分散相を非晶性コポリエステルなどで構成すると、透明性が高いだけでなく、ガラス転移温度を低く(例えば、約80℃程度)できるため、一軸延伸などの配向処理温度で分散相を容易に変形させることができ、成形後も所定の温度範囲(例えば、室温〜約80℃程度)で安定化できる。また、非結晶性コポリエステル(例えば、エチレングリコール/シクロヘキサンジメタノール=10/90〜60/40(モル%)、好ましくは25/75〜50/50(モル%)程度のジオール成分を用いたポリエチレンテレフタレートコポリエステルなど)は、屈折率が高く(例えば、1.57程度)、連続相との屈折率差を大きくできる。 【0062】連続相と分散相とは、互いに屈折率の異なる成分で構成されている。互いに屈折率が異なる成分を用いると、フィルムに光拡散性を付与できる。連続相と分散相との屈折率の差は、例えば、0.001以上(例えば、0.001〜0.3程度)、好ましくは0.01〜0.3程度、さらに好ましくは0.01〜0.1程度である。 【0063】このような特定の屈折率差を与える樹脂の組合わせとしては、例えば、次のような組合わせが挙げられる。 【0064】(1)オレフィン系樹脂(特に、プロピレン系樹脂)と、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリカーボネート樹脂から選択された少なくとも一種との組合わせ(2)スチレン系樹脂と、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びポリカーボネート樹脂から選択された少なくとも一種との組合わせ(3)ポリエステル系樹脂と、ポリアミド系樹脂及びポリカーボネート樹脂から選択された少なくとも一種との組合わせ光散乱フィルムは、必要に応じて、相溶化剤を含有してもよい。相溶化剤を用いると、連続相と分散相との混和性および親和性を高めることができ、フィルムを配向処理しても欠陥(ボイドなどの欠陥)が生成するのを防止でき、フィルムの透明性の低下を防止できる。さらに、連続相と分散相との接着性を高めることができ、フィルムを一軸延伸しても、延伸装置への分散相の付着を低減できる。 【0065】相溶化剤としては、連続相および分散相の種類に応じて慣用の相溶化剤から選択でき、例えば、オキサゾリン化合物、変性基(カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリニル基など)で変性された変性樹脂、ジエン又はゴム含有重合体[例えば、ジエン系単量体単独又は共重合性単量体(芳香族ビニル単量体など)との共重合により得られるジエン系共重合体(ランダム共重合体など);アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのジエン系グラフト共重合体;スチレン−ブタジエン(SB)ブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン(SB)ブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、水素化(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン)ブロック共重合体などのジエン系ブロック共重合体又はそれらの水素添加物など]、前記変性基(エポキシ基など)で変性したジエン又はゴム含有重合体などが例示できる。これらの相溶化剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。 【0066】相溶化剤としては、通常、ポリマーブレンド系の構成樹脂と同じ又は共通する成分を有する重合体(ランダム、ブロック又はグラフト共重合体)、ポリマーブレンド系の構成樹脂に対して親和性を有する重合体(ランダム、ブロック又はグラフト共重合体)などが使用される。 【0067】ジエン系単量体としては、共役ジエン、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、フェニル−1,3−ブタジエンなどの置換基を有していてもよいC4-20共役ジエンが挙げられる。共役ジエンは、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。これらの共役ジエンのうち、ブタジエン、イソプレンが好ましい。 【0068】芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン(p−メチルスチレンなど)、p−t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン類、1,1−ジフェニルスチレンなどが挙げられる。これらの芳香族ビニル単量体のうち、スチレンが好ましい。(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキル((メタ)アクリル酸メチルなど)、(メタ)アクリロニトリルなどが含まれる。マレイミド系単量体としては、マレイミド、N−アルキルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどが例示できる。これらの単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。 【0069】なお、変性は、変性基に対応する単量体(例えば、カルボキシル基変性では(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有単量体、酸無水物基変性では無水マレイン酸、エステル基変性では(メタ)アクリル系単量体、マレイミド基変性ではマレイミド系単量体、エポキシ変性では、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有単量体)を共重合することにより行うことができる。また、エポキシ変性は、不飽和二重結合のエポキシ化により行うことができる。 【0070】好ましい相溶化剤は、未変性又は変性ジエン系共重合体、特に変性ブロック共重合体(例えば、エポキシ化されたスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体などのエポキシ化ジエン系ブロック共重合体又はエポキシ変性ジエン系ブロック共重合体)である。エポキシ化ジエン系ブロック共重合体は、透明性が高いだけでなく、軟化温度も高く、連続相と分散相との多くの組み合わせにおいて樹脂を相溶化させ、分散相を均一に分散できる。 【0071】前記ブロック共重合体は、例えば、共役ジエンブロック又はその部分水素添加ブロックと、芳香族ビニルブロックとで構成できる。エポキシ化ジエン系ブロック共重合体において、前記共役ジエンブロックの二重結合の一部又は全部がエポキシ化されている。 【0072】芳香族ビニルブロックと共役ジエンブロック(又はその水素添加ブロック)との割合(重量比)は、例えば、前者/後者=5/95〜80/20程度(例えば、25/75〜80/20程度)、さらに好ましくは10/90〜70/30程度(例えば、30/70〜70/30程度)であり、通常、50/50〜80/20程度である。 【0073】ブロック共重合体の数平均分子量は、例えば、5,000〜1,000,000程度、好ましくは7,000〜900,000程度、さらに好ましくは10,000〜800,000程度の範囲から選択できる。分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)]は、例えば、10以下(1〜10程度)、好ましくは1〜5程度である。 【0074】ブロック共重合体の分子構造は、直線状、分岐状、放射状あるいはこれらの組み合わせであってもよい。ブロック共重合体のブロック構造としては、例えば、モノブロック構造、テレブロック構造などのマルチブロック構造、トリチェインラジアルテレブロック構造、テトラチェインラジアルテレブロック構造などが例示できる。このようなブロック構造としては、芳香族ジエンブロックをX、共役ジエンブロックをYとするとき、例えば、X−Y型、X−Y−X型、Y−X−Y型、Y−X−Y−X型、X−Y−X−Y型、X−Y−X−Y−X型、Y−X−Y−X−Y型、(X−Y−)4Si型、(Y−X−)4Si型などが例示できる。 【0075】エポキシ化ジエン系ブロック共重合体中のエポキシ基の割合は、特に制限されないが、オキシランの酸素濃度として、例えば、0.1〜8重量%、好ましくは0.5〜6重量%、さらに好ましくは1〜5重量%程度である。エポキシ化ブロック共重合体のエポキシ当量(JIS K 7236)は、例えば、300〜1000程度、好ましくは500〜900程度、さらに好ましくは600〜800程度であってもよい。 【0076】相溶化剤を構成するエポキシ化ブロック共重合体(エポキシ化SBSブロック共重合体など)は、前記のように、透明性が高いだけでなく、軟化温度が比較的高温(約70℃程度)であり、連続相と分散相との多くの組み合わせにおいて有効に相溶化でき、分散相を均一に分散できる。また、芳香族ビニルブロック(スチレンブロックなど)の含有量が60〜80重量%程度のエポキシ化ブロック共重合体は、屈折率が比較的高く(例えば、約1.57)、しかも前記分散相の樹脂(非晶性コポリエステルなど)と近似する屈折率を有しているため、分散相樹脂による光散乱性を維持しながら分散相を均一に分散できる。 【0077】なお、相溶化剤(エポキシ化ブロック共重合体など)の屈折率は、分散相樹脂と略同程度(例えば、分散相樹脂との屈折率の差が、0〜0.01程度、好ましくは0〜0.005程度)であってもよい。 【0078】前記エポキシ化ブロック共重合体は、慣用の方法により製造されたジエン系ブロック共重合体(又は部分的に水素添加されたブロック共重合体)をエポキシ化することにより製造できる。ブロック共重合体は、例えば、リチウム触媒の存在下、不活性溶媒中、芳香族ビニル単量体とジエン系単量体とを重合することにより調製できる(特公昭40−23798号公報、特公昭47−3252号公報、特公昭48−2423号公報、特開昭51−33184号公報、特公昭46−32415号公報、特開昭59−166518号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭56−28925号公報など)。水添ブロック共重合体は、不活性溶媒中、水素化触媒を用い、ブロック共重合体を水素添加することにより調製できる(特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特開昭59−133203号公報など)。 【0079】エポキシ化は、慣用のエポキシ化方法、例えば、不活性溶媒中、エポキシ化剤(過酸類、ハイドロパーオキサイド類など)により前記ブロック共重合体をエポキシ化する方法により得ることができる。過酸類としては、過ギ酸、過酢酸、トリフルオロ過酢酸、過安息香酸などが挙げられる。ハイドロパーオキサイド類としては、無機ハイドロパーオキサイド(過酸化水素など)、有機ハイドロパーオキサイド(t−ブチルハイドロパーオキサイドなど)などが挙げられる。なお、ハイドロパーオキサイド類は、酸や金属触媒と組み合わせて用いる場合が多く、例えば、タングステン酸と苛性ソーダの混合物と過酸化水素との組み合わせ、有機酸と過酸化水素との組み合わせ、モリブデンヘキサカルボニルとt−ブチルハイドロパーオキサイドとの組み合わせなどが例示できる。エポキシ化剤の使用量は特に制限されず、ブロック共重合体の種類、エポキシ化剤の種類、エポキシ化度(エポキシ当量など)などに応じて適当に選択できる。 【0080】エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の単離又は精製は、適当な方法、例えば、貧溶媒を用いて共重合体を沈殿させる方法、撹拌下、熱水に共重合体を添加し溶媒を留去する方法、直接脱溶媒法などにより行うことができる。 【0081】相溶化剤の使用量は、例えば、樹脂組成物全体の0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、さらに好ましくは1〜10重量%程度の範囲から選択できる。 【0082】光散乱フィルムにおいて、連続相と分散相と相溶化剤との好ましい組合せには、透明性及び熱安定性が高い樹脂(結晶性ポリプロピレン系樹脂などの結晶性樹脂など)で構成された連続相と、透明性及び熱変形性が高く、ある程度の熱安定性を有する樹脂(非結晶性コポリエステルなどの非晶性樹脂など)で構成された分散相と、エポキシ化ブロック共重合体で構成された相溶化剤との組合せが含まれる。 【0083】光散乱フィルムにおいて、連続相と分散相との割合は、樹脂の種類や溶融粘度、光拡散性などに応じて、例えば、前者/後者(重量比)=99/1〜30/70(例えば、95/5〜40/60(重量比))程度、好ましくは99/1〜50/50(例えば、95/5〜50/50(重量比))程度、さらに好ましくは99/1〜75/25程度の範囲から適宜選択できる。 【0084】好ましい前記光散乱フィルムにおいて、連続相、分散相、及び相溶化剤の割合は、例えば、以下の通りである。 【0085】(1)連続相/分散相(重量比)=99/1〜50/50程度、好ましくは98/2〜60/40程度、さらに好ましくは90/10〜60/40程度、特に80/20〜60/40程度(2)分散相/相溶化剤(重量比)=99/1〜50/50程度、好ましくは99/1〜70/30程度、さらに好ましくは98/2〜80/20程度このような割合で各成分を用いると、予め各成分をコンパウンド化することなく、各成分のペレットを直接的に溶融混練しても、均一に分散相を分散でき、一軸延伸などの配向処理によりボイドが発生するのを防止でき、透過率の高い光散乱フィルムを得ることができる。 【0086】光散乱フィルムにおいて、分散相粒子は、長軸の平均長さLと短軸の平均長さWとの比(平均アスペクト比、L/W)が1より大きく、かつ粒子の長軸方向はフィルムのX軸方向に配向している。好ましい平均アスペクト比(L/W)は、例えば、2〜1000程度、好ましくは5〜1000程度、さらに好ましくは5〜500(例えば、20〜500)程度であり、通常、50〜500(特に70〜300)程度である。このような分散相粒子は、フットボール型形状(回転楕円状など)、繊維形状、直方形状などであってもよい。アスペクト比が大きい程、異方的な光散乱性を高めることができる。 【0087】なお、分散相の長軸の平均長さLは、例えば、0.1〜200μm程度(例えば、1〜100μm程度)、好ましくは1〜150μm程度(例えば、1〜80μm程度)、特に2〜100μm程度(例えば、2〜50μm程度)であり、通常、10〜100μm(例えば、10〜50μm)程度である。また、分散相の短軸の平均長さWは、例えば、0.1〜10μm程度、好ましくは0.15〜5μm(例えば、0.5〜5μm)程度、さらに好ましくは0.2〜2μm(例えば、0.5〜2μm)程度である。 【0088】分散相粒子の配向係数は、例えば、0.7以上(0.7〜1程度)、好ましくは0.8〜1程度、さらに好ましくは0.9〜1程度であってもよい。分散相粒子の配向係数が高い程、散乱光に高い異方性を付与できる。 【0089】なお、配向係数は、下記式に基づいて算出できる。 【0090】配向係数=(3<cos2θ>−1)/2式中、θは粒子状分散相の長軸とフィルムのX軸との間の角度を示し(長軸とX軸とが平行の場合、θ=0゜)、<cos2θ>は各分散相粒子について算出したcos2θの平均を示し、下記式で表される。 【0091】 <cos2θ>=∫n(θ)・cos2θ・dθ(式中、n(θ)は、全分散相粒子中の角度θを有する分散相粒子の割合(重率)を示す) なお、光散乱フィルムは、拡散光の指向性を有していてもよい。すなわち、指向性を有するとは、異方的拡散光において散乱の強い方向のうち、散乱強度が極大を示す角度があることを意味する。拡散光が指向性を有している場合、前記図3の測定装置において、拡散光強度Fを拡散角度θに対してプロットしたとき、プロット曲線が、特定の拡散角度θの範囲(θ=0°を除く角度域)で極大又はショルダー(特に、極大などの変曲点)を有している。 【0092】異方性光散乱フィルムに指向性を付与する場合、連続相樹脂と、分散相粒子との屈折率差は、例えば、0.005〜0.2程度、好ましくは0.01〜0.1程度であり、分散相粒子の長軸の平均長さは、例えば、1〜100μm程度、好ましくは5〜50μm程度である。アスペクト比は、例えば、10〜300(例えば、20〜300)程度、好ましくは50〜200程度であり、40〜300程度であってもよい。 【0093】光散乱フィルムは、慣用の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などの安定化剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤などを含有していてもよい。 【0094】光散乱フィルムの厚みは、3〜300μm程度、好ましくは5〜200μm(例えば、30〜200μm)程度、さらに好ましくは5〜100μm(例えば、50〜100μm)程度である。また、光散乱フィルムの全光線透過率は、例えば、85%以上(85〜100%)、好ましくは90〜100%程度、さらに好ましくは90〜95%程度である。 【0095】なお、異方性光散乱フィルムは、異方性光散乱層単独で構成された単層フィルムであってもよく、異方性光散乱層の少なくとも一方の面(特に両面)に透明樹脂層が積層された積層フィルムであってもよい。透明樹脂層で異方性光散乱層を保護すると分散相粒子の脱落や付着を防止でき、フィルムの耐傷性や製造安定性を向上できるとともに、フィルムの強度や取扱い性を高めることができる。 【0096】透明樹脂層の樹脂は、前記連続相又は分散相の構成成分として例示した樹脂から選択できる。好ましい透明樹脂層は、連続相と同系統(特に、同一)の樹脂により形成されている。 【0097】耐熱性や耐ブロッキング性を高めるための好ましい透明樹脂には、耐熱性樹脂(ガラス転移温度又は融点が高い樹脂など)、結晶性樹脂などが含まれる。透明樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度又は融点は、前記連続相を構成する樹脂のガラス転移温度又は融点と同程度であってもよく、例えば、130〜280℃程度、好ましくは140〜270℃程度、さらに好ましくは150〜260℃程度であってもよい。 【0098】透明樹脂層の厚みは、例えば、前記異方性光散乱フィルムと同程度であってもよい。特に、異方性光散乱層の厚みが3〜300μm程度の場合、透明樹脂層の厚みは3〜150μm程度から選択できる。 【0099】異方性光散乱層と透明樹脂層との厚みの割合は、例えば、異方性光散乱層/透明樹脂層=5/95〜99/1程度、好ましくは50/50〜99/1程度、さらに好ましくは70/30〜95/5程度である。積層フィルムの厚みは、例えば、6〜600μm程度、好ましくは10〜400μm程度、さらに好ましくは20〜250μm程度である。 【0100】異方性光散乱フィルムの表面には、光学特性を妨げない範囲で、シリコーンオイルなどの離型剤を塗布してもよく、コロナ放電処理してもよい。 【0101】なお、異方性光散乱フィルムの表面には、フィルムのX軸方向(分散相の長軸方向)に延びる凹凸部を形成してもよい。このような凹凸部を形成すると、フィルムにより高い異方的光散乱性を付与できる。 【0102】[異方性光散乱フィルムの製造方法]光散乱フィルムは、連続相を構成する樹脂中に分散相を構成する成分(樹脂成分、繊維状成分など)を分散して配向させることにより得ることができる。例えば、連続相を構成する樹脂と分散相を構成する成分(樹脂成分、繊維状成分など)とを、必要に応じて慣用の方法(例えば、溶融ブレンド法、タンブラー法など)でブレンドし、溶融混合し、Tダイやリングダイなどから押出してフィルム成形することにより分散相を分散できる。また、分散相の配向処理は、例えば、(1)押出成形シートをドローしながら製膜する方法、(2)押出成形シートを一軸延伸する方法、(3)前記(1)の方法と(2)の方法を組み合わせる方法などにより行うことができる。なお、(4)前記(1)の溶融混練成分を溶液ブレンドし、流延法などにより成膜することによっても光散乱フィルムを形成できる。 【0103】溶融温度は、樹脂成分(連続相樹脂、分散相樹脂)の融点以上の温度、例えば、150〜290℃、好ましくは200〜260℃程度である。ドロー比(ドロー倍率)は、例えば、5〜80倍程度、好ましくは10〜60倍程度、さらに好ましくは20〜40倍程度である。延伸倍率は、例えば、1.1〜50倍程度(例えば、3〜50倍程度)、好ましくは1.5〜30倍程度(例えば、5〜30倍程度)である。 【0104】なお、ドローと延伸とを組み合わせる場合には、ドロー比は、例えば、2〜10倍程度、好ましくは2〜5倍程度であってもよく、延伸倍率は、例えば、1.1〜20倍程度(例えば、2〜20倍程度)、好ましくは1.5〜10倍程度(例えば、3〜10倍程度)であってもよい。 【0105】分散相のアスペクト比を容易に高める方法には、フィルム(例えば、製膜し、冷却したフィルム)を一軸延伸する方法が含まれる。一軸延伸法は特に限定されず、例えば、固化したフィルムの両端を引っ張る方法(引っ張り延伸)、互いに対向する一対のロール(2本ロール)を複数系列(例えば、2系列)並列し、それぞれの2本ロールにフィルムを挿入すると共に、繰り入れ側の2本ロールと繰出し側の2本ロールとの間にフィルムを張り渡し、繰出し側の2本ロールのフィルムの送り速度を繰り入れ側の2本ロールより速くすることにより延伸する方法(ロール間延伸)、互いに対向する一対のロールの間にフィルムを挿入し、ロール圧でフィルムを圧延する方法(ロール圧延)などが挙げられる。 【0106】好ましい一軸延伸方法には、フィルムの量産化が容易な方法、例えば、ロール間延伸、ロール圧延などが含まれる。特にロール圧延によれば、非結晶性樹脂のみならず、結晶性樹脂であっても容易に延伸できる。すなわち、通常、樹脂シートを一軸延伸すると、局部的にフィルムの厚みと幅が減少するネックインが発生し易いのに対し、ロール圧延によればネックインを防止でき、フィルムの延伸工程を安定化できる。そして、延伸の前後でフィルム幅の減少が少なく、かつ幅方向の厚みを均一にできるため、フィルムの幅方向において光散乱特性を均一化でき、製品の品質を維持しやすく、フィルムの使用率(歩留まり)も向上できる。さらに、延伸倍率を幅広く設定できる。なお、ロール圧延の場合、延伸の前後でフィルム幅を維持できるため、フィルム厚みの減少率の逆数と延伸倍率とが略等しくなる。 【0107】ロール圧延の圧力は、例えば、9.8×103〜9.8×106N/m程度、好ましくは9.8×104〜9.8×106N/m程度である。 【0108】延伸倍率は、幅広い範囲から選択でき、例えば、延伸倍率1.1〜10倍程度、好ましくは延伸倍率1.3〜5倍程度、さらに好ましくは延伸倍率1.5〜3倍程度であってもよい。ロール圧延は、例えば、厚み減少率0.9〜0.1程度、好ましくは0.77〜0.2程度、さらに好ましくは0.67〜0.33程度で行うことができる。 【0109】延伸温度は、延伸成形が可能な限り特には限定されないが、分散相樹脂の融点又はガラス転移温度以上であってもよい。また、連続相を構成する樹脂として、分散相樹脂よりもガラス転移温度又は融点が高い樹脂(例えば、5〜200℃程度、好ましくは5〜100℃程度高い樹脂)を用い、分散相樹脂を融解又は軟化しながら一軸延伸すると、連続相樹脂に比べて分散相樹脂が非常に変形し易いため、分散相粒子のアスペクト比を大きくでき、光散乱の異方性が特に大きいフィルムが得られる。好ましい延伸温度は、例えば、100〜200℃(110〜200℃)程度、好ましくは110〜180℃(130〜180℃)程度である。また、ロール圧延の温度は、連続相樹脂が結晶性樹脂の場合、樹脂の融点以下であって融点近傍の温度であってもよく、連続相樹脂が非晶性樹脂の場合、ガラス転移温度以下であってガラス転移温度近傍の温度であってもよい。 【0110】なお、前記積層フィルムは、慣用の方法、例えば、共押出成形法、ラミネート法(押出ラミネート法、ドライラミネート法など)などにより、異方性光散乱層の少なくとも一方の面に透明樹脂層を積層し、前記と同様に配向処理して分散相粒子を配向させることにより得ることができる。 【0111】 【発明の効果】本発明では、異方的散乱性を有する光散乱シートを用いるので、面光源ユニットや表示装置(液晶表示装置など)が発光分布(輝度分布)に異方性がある管状光源を備えていても、輝度の低下を抑制し、表示パネルを均一に照明できる。また、面光源ユニットおよび表示装置(液晶表示装置など)の構造を簡素化でき、しかも表示パネルを均一に照明して表示データを鮮明に視認できる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002901 【氏名又は名称】ダイセル化学工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成13年10月16日(2001.10.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090686 【弁理士】 【氏名又は名称】鍬田 充生
|
| 【公開番号】 |
特開2002−216521(P2002−216521A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月2日(2002.8.2) |
| 【出願番号】 |
特願2001−318256(P2001−318256) |
|