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【発明の名称】 フロントライト、液晶表示装置及び電子機器
【発明者】 【氏名】馬場 正武

【要約】 【課題】輝度むらの発生を低減し表示品質を向上させる。

【解決手段】フロントライト1は、点状光源2と、点状光源2から放射された光を帯状の光として出射する角柱状の導光体3と、一側端面側から導光体3からの光が入射して面状の照明光を液晶パネル22へ向けて照射すると共に液晶パネル22からの反射光を前方へ透過させる光透過性材料からなる平板状の導光板7とを有し、点状光源2は、導光体3の両端部3a、3bのうち、その端面と筋の延長方向とのなす角のなかで導光体3の中央部に最も近い側の角が鈍角である端部3a側に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 点状光源と、前記点状光源から放射された光を一方の端部側から受光し、受光した光をその長尺方向へ導きながら反射させ屈折させて側面部から略帯状の光を出射する柱状導光体と、前記柱状導光体から出射された光を側端面から受光し、所定の断面形状を有する微細な凹部、凸部又は凹凸部が、筋状模様を繰り返す態様に、かつ筋の延長方向が前記柱状導光体の前記長尺方向と所定の傾斜角をなすように形成され、前記側端面に略垂直なプリズム面で、前記側端面から受光した光を反射させ屈折させて、前記プリズム面に対向する光照射面から面状の光を出射する板状導光体とを備えたフロントライトであって、前記点状光源は、前記柱状導光体の両端部のうち、その端面と前記筋の延長方向とのなす角のなかで前記柱状導光体の中央部に最も近い側の角が鈍角である端部側に配置されていることを特徴とするフロントライト。
【請求項2】 前記柱状導光体は、前記板状導光体を挟んで互いに対向する両側に配置されていることを特徴とする請求項1記載のフロントライト。
【請求項3】 前記柱状導光体の両端側のうち、その端面と前記筋の延長方向とのなす角のなかで前記柱状導光体の中央部に最も近い側の角が鈍角である端部側に、複数の点状光源を有していることを特徴とする請求項1又は2記載のフロントライト。
【請求項4】 前記プリズム面は、主として側端面を介して入射した光を反射させて、前記光照射面側から出射させるために寄与する反射部と、主として前記光照射面側から入射した光を透過させるために寄与する透過部とを有することを特徴とする請求項1、2又は3記載のフロントライト。
【請求項5】 前記点状光源は、白色発光ダイオードからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載のフロントライト。
【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1に記載のフロントライトと、前記フロントライトの前記光照射面側に配置され、多数の画素を有する液晶パネルとを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】 前記筋の延長方向は、前記画素の配列方向に対して所定の傾斜角をなすように、設定されていることを特徴とする請求項6記載の液晶表示装置。
【請求項8】 請求項6又は7記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、点状光源を用いたフロントライト、該フロントライトを備えた反射型の液晶表示装置及び該液晶表示装置を備えた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】反射型の液晶表示装置は、透過型の液晶表示装置に比べ明るい場所での視認性に優れるため、特に携帯電話機や、情報携帯端末(PDA)、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯用の電子機器に搭載されて用いられる。この反射型の液晶表示装置は、例えば夜間屋外で使用する場合に、充分な周囲光が得られないときに備えて、フロントライトと呼ばれる面照明装置を有している。このフロントライトの光源としては、従来より、蛍光灯等を用いた線状光源が採用されてきた。図18に示すように、反射型の液晶表示装置101において、フロントライト102は、例えばTFT(Thin Film Transistor)方式の反射型の液晶パネル103に対して、観察者に対面することとなる前面側に配置されて、液晶パネル103へ照明光を照射する共に、液晶パネル103からの反射光を透過させて、観察者に視認させる。
【0003】このフロントライト102は、図18乃至図20に示すように、細管状の蛍光灯104と、溝形の断面形状を有し蛍光灯104の周面の三方を覆って蛍光灯104から放射された光を反射させて開放された側から帯状の光を出射させるリフレクタ105と、蛍光灯104からの直接光やリフレクタ105からの反射光を入射側端面109で受光し、受光した入射光を液晶パネル103側へ反射させると共に液晶パネル103側からの反射光を透過させて観察者側へ導く光透過性材料からなる例えば縦長で平板状の導光板106とを有している。導光板106は、前面側に筋状模様に凹凸が繰り返されて平行な稜線群が形成されたプリズム面107を有すると共に、背面側に平面状の光照射面108を有し、入射側端面109側から蛍光灯104からの帯状の光を受光して、入射光を液晶パネル103側へ反射させると共に液晶パネル103側からの反射光を透過させる。
【0004】また、プリズム面107は、図19に示すように、例えば、交互に繰り返し形成された急斜面107aと緩斜面107bとを有している。また、図20に示すように、入射側端面109として、この導光板106の4つの側端面のうち、上側の短尺な側端面を選んだ場合、プリズム面107は、稜線110が蛍光灯104の長尺方向に対して右上がりに所定の傾斜角θで傾くように、かつ所定のピッチp0で形成されるように、成形される。液晶パネル103は、例えばTFT方式パネルであり、図21及び図22に示すように、TFT111と、透明画素電極112とが多数形成され、TFT111や透明画素電極112の上層側には反射層113が形成されたTFT基板114と、TFT基板114と数[μm]の間隙を介して対向して固定され、着色層(カラーフィルタ)115が形成された対向基板116と、上記間隙に封入された液晶層117と、対向基板116の外側に配設された偏向板118及び四分の一波長板119とを有している。
【0005】ところで、プリズム面107の稜線と、液晶パネル103の画素配列との重なり方によっては、所定のピッチの平行線群同士の重なりによって生じる干渉縞であるモアレ縞が視認されてしまい、表示品質の劣化を招いてしまう場合がある。このモアレ縞は、プリズム面107の稜線110の方向と、水平方向又は垂直方向の画素配列方向とがなす角度が僅かにずれている状態で最も目立つ。このため、図20に示すように、例えば水平方向(この例では、蛍光灯104の長尺方向に一致している)に対する稜線110の右上がりの傾斜角θを略23°に設定している。こうした技術は、例えば、田中章著「フロントライトの技術動向」(月刊ディスプレイ、1999年6月号p48〜p53)や特開2000−155315号公報等に記載されている。
【0006】ところが、光源として蛍光灯を用いる場合は消費電力が多くなり、さらに蛍光灯には点灯のために高電圧を発生させるインバータが不可欠であるので、小型化及び軽量化を図る上でも障害となっている。この省電力化、小型化及び軽量化の要請から、特開2000−11723号公報等に記載されているように、例えば白色LED(発光ダイオード)からなる点状光源を導光体を用いて擬似線状光に変換して用いる技術も提案されている。また、バックライトではあるが、特開平10−260405号公報にも、LEDを点状光源として用い擬似線状光に変換する技術が記載されている。
【0007】次に、例えば上記特開2000−11723号公報に記載ざれている点状光源を用いたフロントライトについて説明する。このフロントライト201は、図23及び図24に示すように、例えば白色LEDからなる点状光源202と、点状光源202から放射された光を帯状に変換する導光体203と、導光体203からの帯状の光を受光して、入射光を液晶パネル側へ反射させると共に液晶パネル側からの反射光を透過させて観察者側へ導く光透過性材料からなる平板状の導光板204とを有している。なお、フロントライト201と液晶パネルとから液晶表示装置を組み立てる際には、フロントライト201は、例えば導光体203の長尺方向が、液晶パネルの水平な画素配列方向と略一致するように、液晶パネルの前面側に配設される。
【0008】導光板204においては、観察者に対面する表面205に筋状模様に平行な多数の溝部206が導光体203の長尺方向に沿って、すなわち、液晶パネルの画素配列の水平方向に沿って形成され、側端面207を介して導光体203からの帯状の光を受光して、受光した入射光を表面205で裏面208側へ反射させて、液晶パネルに照明光を照射すると共に、液晶パネルからの反射光を透過させる。また、光量を増加させるために、図25に示すように、導光体203の両側に点状光源202a、202bを配置したフロントライト201Aを用いることも行われる。このように、導光体203の片側に点状光源202を配置したフロントライト201や、導光体203の両側に点状光源202a、202bを配置したフロントライト201Aは、蛍光灯等を用いた場合と比較して、省電力化、小型化及び軽量化が可能であるために、例えば携帯電話機等に搭載するフロントライトとして有力視されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フロントライト201、201Aにおいて、上記導光板204の表面205に形成された溝部206は、導光体203の長尺方向(すなわち、水平な画素配列方向)に対して略平行に形成されているので、上述したようなモアレ縞の発生を防ぐことができないために、表示品質の劣化を引き起こしてしまうという問題がある。そこで、発明者は、図20に示すような例えば水平方向に対してプリズムの稜線110が所定の傾斜角θで右上がりに傾斜した導光板106を、フロントライト201、201Aにおいて、導光板204に代えて適用することを考えた。この導光板106を、例えば、フロントライト201、201Aのうち、蛍光灯に比較的近い擬似線光が得られると考えられたフロントライト201A(図25参照)において、導光板204に代えて適用して、発明者は、図26に示すように、点状光源を用いると共に、導光体において、稜線の延長方向が水平方向に対して所定の角度傾斜するようにプリズム面を形成したフロントライト301を試作した。
【0010】このフロントライト301は、図26乃至図28に示すように、例えば白色LEDからなる点状光源302a、302bと、点状光源302a、302bから放射された光を帯状に変換する導光体303と、導光体303からの帯状の光を受光して、入射光を液晶パネル304側へ反射させると共に液晶パネル304側からの反射光を透過させて観察者側へ導く光透過性材料からなる例えば縦長で平板状の導光板305とを有している。ここで、点状光源302a、302bは、それぞれ、導光体303の左側の端部303a側、右側の端部303b側に配置されている。導光板305は、前面側に筋状模様に凹凸が繰り返されて平行な稜線群が形成されたプリズム面306を有すると共に、背面側に平面状の光照射面307を有し、入射側端面308側から導光体303からの帯状の光を受光して、入射光を液晶パネル304側へ反射させると共に液晶パネル304側からの反射光を透過させる。また、プリズム面306は、図29に示すように、例えば、交互に繰り返し形成された急斜面306aと緩斜面306bとを有している。また、図26に示すように、入射側端面308として、この導光板305の4つの側端面のうち、上側の短尺な側端面を選んだ場合、プリズム面306は、稜線309が導光体303の長尺方向に対して右上がりに傾斜角θで傾くように、かつ所定のピッチp0で形成されるように、成形される。ここで、傾斜角θは、例えば略23°に設定される。
【0011】しかしながら、導光板305の入射側端面308からは略一様に帯状の光が入射するものの、図26に示すように、導光体303の左側、より厳密に言えば、端部303a側、端部303b側のうち、その端面と稜線(筋)の延長方向とのなす角のなかで導光体303の中央部に最も近い側の角が鋭角である端部303a側に配置されている点状光源302aからの入射光は、図28に示すように、垂直方向yよりもやや端部303b側に偏って広がり、最も光の強さが大きい主照射方向Vは、垂直方向yから鋭角の回転角度反時計周りに回転した方向となる。そして、上述したようにモアレ縞解消のために、稜線309は、右上がりに略23°で傾けているので、主照射方向Vは、丁度、稜線309に略直交した方向となる。
【0012】このため、図29に示すように、主照射方向Vから入射した光は、急斜面306aに入射すると、略直下方向Wに反射する。この反射光は光照射面307を透過した後、図27に示すように、液晶パネル304で反射して再び導光板305を透過し、フロントライト301の前面側から視認されることとなる。このため、特に点状光源302aに近い領域で多数の輝線による筋状の明暗模様が視認されて、表示品質の劣化を引き起こしてしまうという問題がある。さらに、例えば導光板305の点状光源302a側の角部310からの入射光の主照射方向V0も、垂直方向yよりもやや端部303b側に偏っており、また、点状光源302a側の長尺な側端面311からの光の入射も殆どないために、図26に示すように、略三角形状の比較的暗い領域312が形成されてしまい、輝線を際出させてしまうという問題がある。この多数の輝線による筋状の明暗模様が現れる現象は、図20に示すような光源として蛍光灯を用いた場合でも、多少は確認されたが、容認できる程度のものであった。これに対して、図26に示すフロントライト301においては、表示品質上支障が生じるものであった。
【0013】また、例えば携帯電話機に搭載するフロントライトにおいては、表示領域の比較的狭い液晶パネル304を照明すれば良いので、1つの点状光源で所定の輝度を確保することが可能な場合があり、さらなる省電力化、小型化及び低コスト化のために、図30に示すように、1つの点状光源を用いたフロントライト301Aを採用しても良い。ところが、このフロントライト301Aについて、発明者が、試験をしたところ、導光体303の両側に点状光源302a、302bを配置したフロントライト301と同様に、多数の輝線による筋状の明暗模様が視認される場合があることがわかった。すなわち、点状光源を、導光体303の左側、より厳密に言えば、端部303a側、端部303b側のうち、その端面と稜線(筋)の延長方向とのなす角のなかで導光体303の中央部に最も近い側の角が鋭角である端部303a側に配置した場合は、上述したフロントライト301と同様の不具合が生ずることがわかった。なお、図31に示すように、導光体303と導光板305との間に所定の厚さの拡散部材401を介在させて、最も光の強さが大きい主照射方向Vのピークをなだらかにすることも行われるが、導光板305の全体に必要な強度の光が届く範囲でしか主照射方向Vのピークを抑えることができないために、拡散が充分に行われず、依然として輝線は視認される。また、主照射方向Vのピークを抑えるために、点状光源302と導光体303とを離隔したとしても、やはり充分な輝度を得られないこととなる。このように、従来は、点状光源の配置位置を考慮に入れていなかったので、輝度むらによる表示品質の劣化を確実に低減することができなかった。
【0014】この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、輝度むらの発生を確実に低減し表示品質を向上させることができるフロントライト、液晶表示装置及び電子機器を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、点状光源と、上記点状光源から放射された光を一方の端部側から受光し、受光した光をその長尺方向へ導きながら反射させ屈折させて側面部から略帯状の光を出射する柱状導光体と、上記柱状導光体から出射された光を側端面から受光し、所定の断面形状を有する微細な凹部、凸部又は凹凸部が、筋状模様を繰り返す態様に、かつ筋の延長方向が上記柱状導光体の上記長尺方向と所定の傾斜角をなすように形成され、上記側端面に略垂直なプリズム面で、上記側端面から受光した光を反射させ屈折させて、上記プリズム面に対向する光照射面から面状の光を出射する板状導光体とを備えたフロントライトであって、上記点状光源は、上記柱状導光体の両端部のうち、その端面と上記筋の延長方向とのなす角のなかで上記柱状導光体の中央部に最も近い側の角が鈍角である端部側に配置されていることを特徴としている。
【0016】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のフロントライトに係り、上記柱状導光体は、上記板状導光体を挟んで互いに対向する両側に配置されていることを特徴としている。
【0017】また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のフロントライトに係り、上記柱状導光体の両端側のうち、その端面と上記筋の延長方向とのなす角のなかで上記柱状導光体の中央部に最も近い側の角が鈍角である端部側に、複数の点状光源を有していることを特徴としている。
【0018】また、請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載のフロントライトに係り、上記プリズム面は、主として側端面を介して入射した光を反射させて、上記光照射面側から出射させるために寄与する反射部と、主として上記光照射面側から入射した光を透過させるために寄与する透過部とを有することを特徴としている。
【0019】また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1に記載のフロントライトに係り、上記点状光源は、白色発光ダイオードからなることを特徴としている。
【0020】また、請求項6記載の発明に係る液晶表示装置は、請求項1乃至5のいずれか1に記載のフロントライトと、上記フロントライトの上記対向面側に配置され、多数の画素を有する液晶パネルとを備えたことを特徴としている。
【0021】また、請求項7記載の発明は、請求項6記載の液晶表示装置に係り、上記筋の延長方向は、上記画素の配列方向に対して所定の傾斜角をなすように、設定されていることを特徴としている。
【0022】また、請求項8記載の発明に係る電子機器は、請求項6又は7記載の液晶表示装置を備えたことを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施の形態について説明する。
◇実施の形態まず、この発明の一実施の形態であるフロントライトについて述べる。この形態のフロントライトは、点状光源と、点状光源から放射された光を一方の端部側から受光し、受光した光をその長尺方向へ導きながら反射させ屈折させて側面部から略帯状の光を出射する柱状導光体と、柱状導光体から出射された光を側端面から受光し、所定の断面形状を有する微細な凹部、凸部又は凹凸部が、筋状模様を繰り返す態様に、かつ筋の延長方向が柱状導光体の長尺方向と所定の傾斜角をなすように形成され、側端面に略垂直なプリズム面で、側端面から受光した光を反射させ屈折させて、プリズム面に対向する光照射面から面状の光を出射する板状導光体とを備え、点状光源は、柱状導光体の両端部のうち、その端面と筋の延長方向とのなす角のなかで柱状導光体の中央部に最も近い側の角が鈍角である端部側に配置されている。
【0024】これにより、板状導光体に入射する入射光のうち、最も光の強さが大きい主照射方向は、板状導光体のプリズム面の筋の延長方向(稜線方向)に対して鋭角をなし、筋の延長方向に対して直交する入射光は比較的弱くなる。プリズム面に対して斜めに入射した光は、入射角が、筋の延長方向に直交する方向から入射する場合と比べて大きくなり、プリズム面で反射する反射光は、その反射角も大きくなり、反射した反射部の直下よりも比較的遠方へ向けて伝播する。これにより、真上方向からプリズム面を観察した場合、特に点状光源近傍で強い光による輝線は視認され難いので、輝度むらの発生を確実に低減し、表示品質を向上させることができる。
【0025】◇実施例次に、図面を参照して、この発明の一実施例であるフロントライト、液晶表示装置について述べる。図1は、この発明の一実施例であるフロントライトの構成を一部破断して示す平面図、図2は、図1のA−A線に沿った断面図、図3は、図1のB部を拡大し一部破断して示す平面図、図4は、図3のC−C線に沿った横断面図、図5は、同フロントライトを備えた液晶表示装置の構成を示す断面図、図6乃至図8は、同フロントライトの動作を説明するための説明図、図9は、図8のD部を拡大して示す拡大断面図、また、図10は、同フロントライトの動作を説明するための説明図である。
【0026】この例のフロントライト1は、図1及び図2に示すように、白色LED等からなる点状光源2と、点状光源2から放射された光を帯状の光として出射する角柱状の導光体(柱状導光体)3と、光入射端面4側から導光体3からの光が入射して光照射面5から面状の照明光を、フロントライト1の後方側に配置された反射型の液晶パネルへ向けて照射すると共に液晶パネルからの反射光をプリズム状に表面加工された平行な稜線群が形成されるプリズム面6から前方へ透過させる光透過性材料からなる縦長の平板状の導光板(板状導光体)7とを有している。また、図1に示すように、光入射端面4として、この導光板7の4つの側端面のうち、上側の短尺な側端面を選んだ場合、プリズム面6は、稜線が導光体3の長尺方向に対して右上がりに所定の傾斜角θで傾くように形成されるように、成形される。
【0027】導光体3は、導光板7の光入射端面4側に配置され、図3や、横断面図である図4に示すように、例えばアクリル系樹脂等の光透過性材料からなり、導光板7に対面する光出射面3a側に対向する対向面3b側にはプリズム状に楔形の凹部8aが規則的に形成された角柱状透明体8と、角柱状透明体8の導光板7に対面する側を除く三方を覆うように角柱状透明体8に接合し、アルミニウム等の金属や光を反射させる表面に白色膜が塗布された樹脂からなる断面溝形の反射板9とを有し、角柱状透明体8と反射板9との接合箇所のうち凹部8aが形成された箇所には、空気が閉じ込められた略三角柱状の間隙部11が形成されている。
【0028】導光板7は、図2に示すように、例えばアクリル系樹脂製で光透過性の外形矩形の薄板状部材からなり、導光体5に対面する光入射端面4と、共に光入射端面4に略垂直で液晶パネル側に配置される光照射面5及び光照射面5に対向したプリズム面6とを有している。プリズム面6は、図1及び図2に示すように、主として光入射端面4から入射した光を反射させて液晶パネル側に照射するために寄与し、例えば光照射面5に対して比較的急傾斜の反射面(反射部)12と、主として周囲光を液晶パネル3側へ透過させ、また液晶パネル側からの反射光を前方側に透過させて観察者側に視認させるために寄与し、光照射面5に対し比較的緩傾斜の透過面(透過部)13とが所定のピッチで周期的に繰り返し形成されてなる凹凸形状を有している。
【0029】ここで、プリズム面6は、図1に示すように、その筋の延長方向(稜線の方向)が、導光体3の長尺方向xに対して反時計周りに所定の傾斜角度θ回転した方向に沿って(すなわち右上がりに)形成されるように、成形されている。そして、この例では、点状光源2は、図1に示すように、導光体3の両端部3a、3bのうち、その端面と筋の延長方向とのなす角のなかで導光体3の中央部に最も近い側の角が鈍角である端部3a側(すなわち、図1において、左右両側のうち右側)に配置されている。
【0030】そして、この例のフロントライト1は、図5に示すように、多数の画素が表示領域の水平方向及び水平方向に直交した垂直方向に配列された反射型の液晶パネル22の観察者に対面する前方側に配置されることにより、液晶表示装置21を構成する。フロントライト1は、液晶パネル22へ照明光を出射すると共に液晶パネル22からの反射光を前方側へ透過させ、観察者に視認させる。ここで、導光体3の長尺方向xは、フロントライト2の後方側に配置される液晶パネル22の画素の互いに直交する2つの配列方向のうち、水平方向に略一致するようにされている。したがって、「従来技術」の項で述べたように、プリズム面6の筋の延長方向(稜線の方向)は、液晶パネル22の水平方向に対して右上がりに傾斜角度θの方向に沿って形成されている。液晶パネル22は、外形が矩形状の例えばTFT方式パネルであり、図5に示すように、TFTと透明画素電極とが多数形成され、TFTや透明画素電極の上層側には反射層23が形成されたTFT基板24と、TFT基板24と数[μm]の間隙を介して対向して固定され、着色層(カラーフィルタ)が形成された対向基板25と、上記間隙に封入された液晶層26と、対向基板25の外側に配設された偏向板27及び四分の一波長板28とを有している。
【0031】次に、動作について説明する。まず、点状光源4から放射された光は、図6に示すように、柱状透明体8の内部を伝搬して、反射板9との境界部14に達し、図7に示すように、一部は柱状透明体8と反射板9との境界面15で反射し、一部は柱状透明体8と間隙部11との境界面16で反射し、一部は柱状透明体8と間隙部11との境界面16で屈折し、全体として長尺方向(水平方向)xに沿って進行しながら、光入射端面4に略一様に入射する。入射光は、略一様であるものの、図6に示すように、光入射端面4上の任意の入射点Qにおいて照射される光は、垂直方向yよりもやや端部3b側に偏って広がり、最も光の強度が強い主照射方向Rは、垂直方向yから所定の鋭角の回転角度時計周りに回転した方向となる。
【0032】光入射側端面4から入射した光は、図8及び図9に示すように、一部は直接、一部は透過面13で反射し又は透過して、反射面12に到達し、この反射面12で大部分は、光照射面5側に反射して、光照射面5から液晶パネル22に照明光が照射される。また、反射面12で僅かに一部は、透過方向へ漏洩光として透過するが、反射面12に到達した光は反射面12に対して斜めに入射するために、主照射方向Rから反射面12に入射する光は、図10に示すように、入射角(反射面12の法線方向Nと入射方向とのなす角)αが、例えば筋の延長方向に直交する方向から入射する場合と比べて大きくなり、入射角に等しく、反射面12で反射する光の反射角(反射面12の法線方向Nと出射方向とのなす角)βも大きくなり、反射した反射面12の直下よりも比較的遠方へ向けて伝播する。これにより、真上方向から液晶表示装置21を観察した場合、特に点状光源4近傍で強い光による輝線は視認され難い。また、従来技術で観察された三角形状の暗部も目立つことはない。
【0033】光照射面5から出射された光は、液晶パネル22に照射される。液晶パネル22に入射した光のうち、偏光板27を通過した直線偏光は、四分の一波長板28によって円偏光に変換されて液晶層26に入射し、反射層23で反射される際に、例えばオフ状態で液晶層26が円偏光を変調しない場合は円偏光の回転方向が逆転し、オン状態の場合は円偏光の回転方向を維持する。円偏光が四分の一波長板28を通過して直線偏光に変換された後は、この直線偏光は、オフ状態では偏光板27を透過せずに吸収され、オン状態で偏光板27を透過し、さらに導光板7を透過して視認される。
【0034】このように、この例の構成によれば、点状光源2は、導光体3の両端部3a、3bのうち、その端面と筋の延長方向とのなす角のなかで導光体3の中央部に最も近い側の角が鈍角である端部3a側に配置されているので、反射面12に到達した光は反射面12に対して斜めに入射するために、主照射方向Rから反射面12に入射する光は、入射角αが、例えば筋の長さ方向に直交する方向から入射する場合と比べて大きくなり、反射面12で反射する反射光は、その反射角βも大きくなり、反射した反射面12の直下よりも比較的遠方へ向けて伝播する。これにより、真上方向からフロントライト1(液晶表示装置21)を観察した場合、特に点状光源4近傍で強い光による輝線は視認され難いので、輝度むらの発生を確実に低減し、表示品質を向上させることができる。また、従来技術で観察された三角形状の暗部も目立つことはないので、輝度むらの発生を一段と確実に低減することができる。また、光源として、点状光源の白色LEDを用いているので、蛍光灯を用いる場合のように、インバータが不要であるので、フロントライト1及び液晶表示装置21を省電力化、小型化及び軽量化することができる。したがって、携帯電話機等特に省電力化、小型化及び軽量化が求められる電子機器に適用して好適である。
【0035】以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、図11に示すように、導光体3と導光板7との間に拡散部材31を介在させるようにしても良い。これによって、導光体3から出射される光の方向による強度の偏りを改善することができるので、一段と表示品質を向上させることができる。また、光量を増加させる必要がある場合は、図12に示すように、導光体3Aの片側に複数の点状光源3、3を配置したり、図13に示すように、導光板7の例えば両端辺側に導光体3及び点状光源2を配置するようにしても良い。特に、導光板7の両端辺側に導光体3及び点状光源2を配置した場合は、導光体3から導光板7全体へ必要な光量が行き渡るため、各点状光源3の輝度を抑えて、有害な輝線の発生を一段と低減することができ、かつ、導光板7から液晶パネル22へ向けて照射される面状照明光の輝度均一性を向上させることができる。
【0036】また、上述した実施例では、角柱状透明体8の凹部8aの形状を楔形とした場合について述べたが、凹部8aの形状を変えて点状光源から得られる帯状光の例えば輝度特性を調整することができる。例えば、図14に示すように、半円柱状の凹部8bとすることによって、点状光源2から間隙部11Aへ向かう光は、同一方向であっても、柱状透明体8Aと間隙部11Aとの境界面16Aの入射位置によって入射角が異なるので、様々な方向へ反射し又は屈折し、楔形の凹部8aに比べて均一に拡散させることができる。また、プリズム面を、比較的急傾斜の反射面12と比較的緩傾斜の透過面13とを繰り返す形状とする場合について述べたが、図15に示すように、反射部として対称な楔状の溝部12A、透過部として平坦部13Aを形成するようにして、特に、図13に示すように、導光板7の両端辺側に導光体3及び点状光源2を配置する場合に適用することによって、光照射面5から照射される面状照明光の輝度均一性を向上させることができる。また、上述した実施例では、点状光源として、白色LEDを用いる場合について述べたが、白色とは限らず、また、LED以外にも白熱電球等を用いても良い。また、光入射端面4として、導光板7の4つの側端面のうち、短尺な側端面を選んだ場合について述べたが、もちろん長尺な側端面を選んでも良い。
【0037】また、図16に示すように、実施例で述べたフロントライト1を備えた液晶表示装置21を用いて、電子機器としての携帯型情報端末(PDA)41を得ることができ、この携帯型情報端末41においては、従来よりも表示品質の向上が可能となる。
【0038】また、フロントライト1を備えた液晶表示装置21を用いた電子機器として、携帯型情報端末以外に、携帯型パーソナルコンピュータや、ノート型パーソナルコンピュータに適用しても良い。また、図17に示すように、フロントライト1を備えた液晶表示装置21を用いて例えば携帯電話機(電子機器)51を得ることができ、この携帯電話機51においては、従来よりも表示品質の向上が可能となる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、点状光源は、柱状導光体の両端部のうち、その端面と筋の延長方向とのなす角のなかで柱状導光体の中央部に最も近い側の角が鈍角である端部側に配置されているので、反射部に到達した光は反射部に対して斜めに入射するために、例えば最も光強度の大きい方向から反射部に入射する光は、入射角が、例えば筋の長さ方向に直交する方向から入射する場合と比べて大きくなり、反射部で反射する反射光は、その反射角も大きくなり、反射した反射部の直下よりも比較的遠方へ向けて伝播する。これにより、真上方向からプリズム面を観察した場合、特に点状光源近傍で強い光による輝線は視認され難いので、輝度むらの発生を確実に低減し、表示品質を向上させることができる。また、点状光源を用いているので、蛍光灯を用いる場合のように、インバータが不要であるため、フロントライト、このフロントライトを搭載した液晶表示装置、及びこの液晶表示装置を搭載した電子機器を、省電力化、小型化及び軽量化することができる。したがって、携帯電話機等特に省電力化、小型化及び軽量化が求められる電子機器に適用して好適である。
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【出願日】 平成12年12月22日(2000.12.22)
【代理人】 【識別番号】100099830
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 征生
【公開番号】 特開2002−197915(P2002−197915A)
【公開日】 平成14年7月12日(2002.7.12)
【出願番号】 特願2000−391669(P2000−391669)