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【発明の名称】 バックライトおよび液晶表示装置
【発明者】 【氏名】馬場 明夫

【要約】 【課題】低温下における蛍光管の輝度低下を防ぐ。

【解決手段】バックライト13によれば、反射シート5を設けた導光板3の端面に蛍光管4を配設し、蛍光管4にリフレクタ15を配したものであり、リフレクタ15は、長尺状の基体16上にその長手方向にそって発熱体17を帯状に形成し、この発熱体17の両側端にそれぞれ光反射性電極18を設け、これら発熱体17と光反射性電極18の上に電気的絶縁層19を被覆して成る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】導光板の端面に管状光源を配設し、この導光板の一方主面に光反射部材を設け、さらにこの管状光源の照射光を反射すべく長尺状の光反射曲面を有するリフレクタを配して、このリフレクタによる反射光を前記導光板の端面に投光せしめるように成したバックライトにおいて、前記リフレクタは、長尺状の基体上にその長手方向にそって発熱体を帯状に形成し、この発熱体の両側端にそれぞれ光反射性電極を設け、これら発熱体および光反射性電極の上に電気的絶縁層を被覆して成ることを特徴とするバックライト。
【請求項2】前記バックライトの導光板の他方主面上に液晶表示パネルを載設した液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は面状に光照射するバックライトならびにバックライトを用いた液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ワープロやパソコン、携帯型テレビ、自動車用計器、カーナビ等の表示装置として液晶表示装置が多用され、そのための照明装置にバックライトを配置している。
【0003】液晶表示装置を組み込んだ機器は、近年、さまざまな用途に使われており、携帯機器、魚群探知機など野外でも用途が拡大している。
【0004】これらの野外向けにおいては、動作保証が−20〜70℃、保存保証が−30〜80℃に要求されている。さらにもっとも厳しい環境温度保証条件として、車載用途にて動作保証が−35〜85℃、保存保証が−40〜90℃である。
【0005】これらの環境試験条件を満たすために、液晶表示パネルだけではなく、バックライトに対しても見なおしが求められている。
【0006】しかしながら、これら各表示装置は低温下にて使用すると、バックライトの輝度が低下していた。
【0007】このような輝度低下は、バックライトに使用する冷陰極放電管などの蛍光管の内部に封入した水銀蒸気において、その蒸気圧が低くなり、これによって蛍光管の輝度が低下することに起因する。
【0008】この課題を解消すべく、下記のように2つの技術が提案されている。双方の提案をそれぞれ図3と図4により説明する。
【0009】一方の技術を示す図3はバックライトに使用する蛍光管の平面図である。
【0010】同図において、1は冷陰極放電管などの蛍光管、2は蛍光管の周面を巻回したニクロム線等のヒーター線であり、低温にてバックライトを使用する場合に、ヒーター線2に電流を流して発熱させ、その発熱でもって蛍光管1を加熱し、適性な温度調整をおこなっている。
【0011】この技術においては、蛍光管1の温度低下を防ぐことができ、その輝度の低下を防ぐことができたが、その反面、蛍光管1の照射光の一部がヒーター線2により遮られ、それによってバックライトの輝度が下がるという課題があった。
【0012】この課題を解消するために、図4に示す構造の他の技術が提案されている(特開平11−39915号参照)。同図はエッジライト方式のバックライトを搭載した液晶表示装置の概略断面図である。
【0013】このバックライトによれば、従来周知のとおり、導光板3の端面に冷陰極放電管などの蛍光管4を配し、導光板3の一方主面に反射シート5を、他方主面に導光板3に進入した光が反射シート5でもって反射されながら光出射される際に、その出射光を光拡散させる拡散シート6を設けている。この構成のバックライトの上に液晶表示パネル7を載設している。
【0014】そして、蛍光管4の照射光を反射させるリフレクタ8はアルミニウム金属などからなる金属鏡面体9と、酸化シリコンや窒化シリコンなどの透明絶縁層10とITO(酸化インジウムスズ)や酸化スズなどからなる面状ヒーター11と、酸化シリコンや窒化シリコンなどの透明絶縁層12との4層構造であり、金属鏡面体9でもって光反射性となし、さらに透明絶縁層10と透明絶縁層12とで挟んだ面状ヒーター11に対し電流を流すことで発熱させ、その発熱でもって蛍光管4を加熱し、適性な温度調整をおこなっている。
【0015】上記構成のバックライトにおいては、かかるリフレクタ8にて低温下においても温度調整された蛍光管4を使用し、そして、蛍光管4の出射光がリフレクタ8の金属鏡面体9に反射されながら、導光板3の端面から入り、導光板3の内部にて反射シート5でもって反射されながら拡散シート6、さらにはこの上に設けたレンズシート(図示せず)を通して、液晶表示パネル7の背後を光照射する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】前述したような加熱機構を有するリフレクタ8からなるバックライトを使用することで、その輝度の低下を防ぎ、これによって液晶表示パネル7の輝度低下を防ぐことができた。
【0017】しかしながら、上記構成のリフレクタ8においては、蛍光管4の照射光が透明絶縁層12、面状ヒーター11および透明絶縁層10の順に通過し、金属鏡面体9にて反射され、そして、その反射光が透明絶縁層10と面状ヒーター11と透明絶縁層12との順にて通過するような構成であり、これら各層による光吸収は避けられない。
【0018】本発明者は面状ヒーター11の透過率は80〜90%程度であり、透明絶縁層10、12による光吸収にて、さらに輝度が10%ほど低下し、これによってリフレクタ8としての反射率は、かかる透明絶縁層10と面状ヒーター11と透明絶縁層12の3層構造の発熱体を設けないリフレクタと対比して70%〜80%にまで低下していることを、繰り返しおこなった実験により確認した。
【0019】また、特開平11−39915号には、面状ヒーター11上に透明絶縁層12を形成しない構造のリフレクタも提示されているが、このような透明絶縁層12がなくても、反射率は約85%である。
【0020】したがって本発明の目的は加熱機構を有するリフレクタを設けて、低温下にて光反射性能の低下を防ぎ、さらにそのリフレクタにおいて優れた光反射性能を維持し、これによって高い輝度を達成したバックライトを提供することにある。
【0021】本発明の他の目的は、かかる高輝度バックライトを搭載した液晶表示装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のバックライトは、導光板の端面に管状光源を配設し、この導光板の一方主面に光反射部材を設け、さらにこの管状光源の照射光を反射すべく長尺状の光反射曲面を有するリフレクタを配して、このリフレクタによる反射光を前記導光板の端面に投光せしめるように成し、そして、上記リフレクタは、長尺状の基体上にその長手方向にそって発熱体を帯状に形成し、この発熱体の両側端にそれぞれ光反射性電極を設け、これら発熱体および光反射性電極の上に電気的絶縁層を被覆して成ることを特徴とする。
【0023】本発明の液晶表示装置は、かかる本発明のバックライトの他方主面上に液晶表示パネルを載設したことを特徴とする。
【作用】本発明のバックライトは、上記構成のように、リフレクタは長尺状の基体上にその長手方向にそって発熱体を帯状に形成し、この発熱体の両側端にそれぞれ光反射性電極を設け、これら発熱体および光反射性電極の上に電気的絶縁層を被覆して成り、これにより、低温下における蛍光管の輝度低下を防ぐことができる。しかも、蛍光管の照射光が電気的絶縁層を通過し、光反射性電極にて反射されるので、その反射光は電気的絶縁層だけにて吸収され、反射光の光吸収ロスを低減でき、これにより、低温下だけでなく、あらゆる使用状態において、輝度低下のない高性能なバックライトが得られる。
【0024】また、本発明は、このような温度変化による輝度ムラが生じないバックライトを搭載したことで、いかなる環境下にても実用になる耐環境性に優れた液晶表示装置が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明を図によって詳述する。図1は本発明の液晶表示装置14の概略断面図であり、図2はこの液晶表示装置14に搭載するバックライト13において、それに付設するリフレクタ15の斜視図である。なお、図4に示す従来の液晶表示装置と同一個所には同一符号を付す。
【0026】本発明のバックライト13によれば、光透過性に優れる透明アクリル(PMMA)樹脂材にて構成した矩形状の導光板3の端面に前記管状光源である冷陰極放電管などの蛍光管4を配し、導光板3の一方主面に前記光反射部材である反射シート5を設けている。
【0027】反射シート5はPET等の白色シートの表面に反射層が設けたものであって、導光板3への入射光を光出射面に導いている。
【0028】導光板3の他方主面に前記光散乱部材である拡散シート6を設けている。この拡散シート6はPC、PET等の白色シートのいずれか一方の面に微細な凹凸(たとえばエンボス加工等)が施され、導光板3からの出射光を散乱させる。
【0029】さらに拡散シート6上にレンズシートを設けてもよい。このレンズシートは1枚だけで構成したり、複数枚の積層構造でもよい。
【0030】このようなバックライト13の上に液晶表示パネル7を載設して液晶表示装置14を構成する。
【0031】そして、蛍光管4の照射光を反射させるリフレクタ15については、半円筒状であり、長尺状の基体16上にその長手方向にそって発熱体17を帯状に形成している。
【0032】この基体16は、アルミナや酸化窒素、炭化窒素、ジルコニア、窒化珪素、チタニアなどの酸化物系や非酸化物系のセラミックス絶縁物、もしくはこのような材質からなる絶縁層を被覆してなるアルミニウムなどの金属体などからなる薄板もしくは基台である。
【0033】この発熱体17はチタン系酸化物、タンタル系無機材、ITO(酸化インジウムスズ)や酸化スズなどからなり、スパッタリングなどにて成膜する。
【0034】この帯状の発熱体17の両側端にそれぞれ光反射性電極18を設けている。この光反射性電極18はアルミニウム系、クロム系、銀系などの導電性の優れた金属からなり、真空蒸着やスパッタリングなどで成膜する。
【0035】これら発熱体17および光反射性電極18の上に電気的絶縁層19を被覆する。この電気的絶縁層19は酸化アルミニウム、酸化シリコンや窒化シリコンなどの光透過性や耐熱性に優れた材料にて作成する。
【0036】そして、一対の光反射性電極18において、一方をプラスに、他方をマイナスにして電流を流すことで発熱体17を発熱させ、その発熱でもって蛍光管4を加熱し、適性な温度調整をおこなっている。このような加熱制御はサーミスタを用いる。
【0037】本発明のバックライト13においては、上記構成のリフレクタ15にて低温下においても温度調整された蛍光管4を使用し、そして、蛍光管4の出射光がリフレクタ15の電気的絶縁層19を通して光反射性電極18に到達し、その光反射性電極18に反射され、ふたたび電気的絶縁層19を通して導光板3の端面から入り、導光板3の内部にて反射シート5でもって反射されながら拡散シート6、さらにはこの上に設けたレンズシート(図示せず)を通して光出射する。
【0038】そして、本発明の液晶表示装置14においては、かかる構成のバックライト13の上に液晶表示パネル7を配設し、その背後をバックライト13により光照射するようになっている。
【0039】かくして本発明のバックライト13においては、光反射性電極18の上に電気的絶縁層19を形成しただけであって、反射膜に至るまでに通過する層の数が一つであり、図4に示す液晶表示装置のような反射膜に至るまでに2層もしくは3層を通過する場合に比べて、それによる光吸収の度合が著しく減少し、これにより、反射光の光吸収ロスが低減され、低温下だけでなく、あらゆる使用状態において、輝度低下のない高性能なバックライトが得られた。
【0040】本発明においては、帯状の発熱体17の両側端にそれぞれ光反射性電極18を設けているが、それによって露出される発熱体17の露出帯体の幅aは、蛍光管4の円筒体外経bと対比するに、a<bに設定するとよく、さらには円筒体外経bが1.5〜3.5μmの場合に、とくに2.0〜3.0μmの場合には、a<bに設定するとともに、aを2.0μm以下にするとよい。
【0041】さらに本発明者が繰り返しおこなった実験により下記のような結果が得られた。
【0042】円筒体外経bを2.0mm、2.3mm、2.6mm、3.0mmの4とおりに変えて、それぞれの管径に対し、発熱体17の露出帯体の幅aを0.3mm、0.5mm、1.0mm、1.5mm、2.0mmに設定し、バックライト13の輝度(cd)を測定したところ、表1に示すような結果が得られた。
【0043】参考として、発熱体17を形成しないで、双方の光反射性電極18を接合した構成のバックライトを用いて、同様に輝度を測定した場合も示す(同表中「ヒーターなし(レファレンス)」と記す。
【0044】
【表1】

【0045】この表から明らかなとおり、各円筒体外経b(管径)において、発熱体17の露出帯体の幅aを大きくすることにともなって、輝度が低下する傾向にあることがわかる。
【0046】そして、この結果でもって特性曲線を求めたところ、図5に示すような結果が得られた。同図において横軸は幅a(mm)であり、縦軸はバックライト13の輝度(cd)を示し、(イ)は管径bが2.0mmの場合の特性曲線であり、(ロ)は管径bが2.3mmの場合の特性曲線であり、(ハ)は管径bが2.6mmの場合の特性曲線であり、(ニ)は管径bが3.0mmの場合の特性曲線である。なお、同図中、幅a(mm)が零の場合は、「ヒーターなし(レファレンス)」に相当する。
【0047】このような各特性曲線において、各管径に対し参考例である「ヒーターなし(レファレンス)」と比べ80%以上の輝度が得られるような幅aを好適な範囲とすると、各管径bと幅aとの関係にて好適範囲を定めることで表2に示すような結果が得られた。
【0048】
【表2】

【0049】さらに各管径bとバックライト13の輝度(cd)との関係にて好適範囲を求めると、表3に示すような結果が得られた。
【0050】
【表3】

【0051】つぎに本発明の他の実施形態例を図6に示す。前記リフレクタ15においては、1本の発熱体17を帯状に形成しているが、これに代えて本例のリフレクタ15aのように2本の発熱体17を帯状に形成してもよい。なお、その他のバックライト13の構成および液晶表示装置14の構成は同じである。
【0052】このリフレクタ15aによれば、半円筒状であり、長尺状の基体16上にその長手方向にそって発熱体17を帯状に形成している。両発熱体17は蛍光管4を介して対向するように配設している。
【0053】そして、双方の帯状の発熱体17の両側端に光反射性電極18を設け、これら発熱体17および光反射性電極18の上に電気的絶縁層19を被覆する。
【0054】このように2本の発熱体17を帯状に形成したことで、3個の光反射性電極18が形成されるが、一方の発熱体17に対しては、一対の光反射性電極18において、一方をプラスに、他方をマイナスにして電流を流すことで、その一方の発熱体17を発熱させ、他方の発熱体17に対しては、一対の光反射性電極18において、一方をプラスに、他方をマイナスにして電流を流すことで、その他方の発熱体17を発熱させる。
【0055】そして、双方の発熱体17でもって蛍光管4を加熱し、適性な温度調整をおこなっている。
【0056】かくして上記構成のリフレクタ15aにおいては、2個の発熱体17は蛍光管4を介して対向するように配設したことで、前記の1個の発熱体17を備えたリフレクタ15に比べて、加熱性が高くなり、蛍光管4の周辺温度をさらにいっそう均一にできる。
【0057】なお、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更や改良等をおこなっても何ら差し支えない。たとえば上記の液晶表示装置14においては、1本の蛍光管4を用いたバックライト13であるが、これに代えて矩形状の導光板3の対向端面に、それぞれ蛍光管4を配設した2灯式のバックライトを用いてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上のとおり、本発明のバックライトにおいては、管状光源の照射光を反射すべく長尺状の光反射曲面を有するリフレクタにおいて、長尺状の基体上にその長手方向にそって発熱体を帯状に形成し、この発熱体の両側端にそれぞれ光反射性電極を設け、これら発熱体および光反射性電極の上に電気的絶縁層を被覆して成ることで、低温下における蛍光管の輝度低下を防ぐことができた。
【0059】さらに蛍光管の照射光が電気的絶縁層を通過し、光反射性電極にて反射されるので、その反射光は電気的絶縁層だけにて吸収され、反射光の光吸収ロスを低減でき、これにより、低温下だけでなく、あらゆる使用状態において、輝度低下のない高性能なバックライトが得られた。
【0060】また、本発明は、このような温度変化による輝度ムラが生じないバックライトを搭載したことで、いかなる環境下にても実用になる耐環境性に優れた液晶表示装置が得られた。
【出願人】 【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
【出願日】 平成12年12月18日(2000.12.18)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−184229(P2002−184229A)
【公開日】 平成14年6月28日(2002.6.28)
【出願番号】 特願2000−384404(P2000−384404)