| 【発明の名称】 |
面発光装置及びその製造方法並びに液晶表示装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 貞夫
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| 【要約】 |
【課題】光源から離れた位置でも十分な光量が得られる面発光装置及びその製造方法、並びに表示領域の全面にわたって均一な明るさの表示が可能な液晶表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】光源13と、該光源13からの光を側端面12aから入射して出射面12bから出射させる構造を有する導光板12とを備え、前記出射面12bと反対側の対向面12cに、溝14がストライプ状に形成されており、前記溝14のうち、光源12からの距離が大きい溝14ほど深く形成されており、かつ隣接する溝14の深さの差が、光源からの距離が大きい溝14ほど大きくなるように形成されていることを特徴とする面発光装置およびその製造方法、並びに前記面発光装置を備えた液晶表示装置を採用する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源と、該光源からの光を側端面から入射して該光を出射面から出射させる構造を有する導光板とを備え、前記導光板の出射面と反対側の対向面に、緩斜面部と該緩斜面部より急な傾斜角度を有する急斜面部とから構成される複数の溝がストライプ状に周期的に形成されており、前記溝のうち、光源からの距離が大きい溝ほど深く形成されており、かつ隣接する溝の深さの差が、光源からの距離が離れるほど大きくなるように形成されていることを特徴とする面発光装置。 【請求項2】 前記複数の溝のうち、光源から(n+1)番目の溝の深さHn+1が、n番目の溝の深さHnと導光板の板厚Tを用いてHn+1=Hn×T/(T−Hn)なる関係式を満たすように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の面発光装置。 【請求項3】 前記複数の溝のうち、光源からn番目の溝の深さHn(μm)が、溝の番号n、係数a、1本目の溝深さH1(μm)、導光板の板厚T(μm)を用いてHn=an2T+H1なる式で示されており、前記係数aが、1.0×10-8以上5.0×10-8以下であることを特徴とする請求項1に記載の面発光装置。 【請求項4】 前記複数の溝のうち、光源からn番目の溝の深さHn(μm)が、溝の番号n、係数a、b、1本目の溝深さH1(μm)、導光板の板厚T(μm)を用いてHn=(an2+bn)×T+H1なる式で示されており、前記係数aが、1.0×10-8以上5.0×10-8以下であり、前記係数bが、1.0×10-6以上3.0×10-6以下であることを特徴とする請求項1に記載の面発光装置。 【請求項5】 前記複数の溝のうち、光源からn番目の溝の深さFnが、該Fnのうち光の出射に寄与する実効部分Hnと、該Hn以外の部分である無効部分dとの和(Hn+d)で示されており、光源から(n+1)番目の溝の深さFn+1が、n番目の溝の深さFnと、導光板の板厚Tと、前記無効部分dとを用いてFn+1=((Fn−d)×T/(T−Fn+d))+dなる式で示されることを特徴とする請求項1に記載の面発光装置。 【請求項6】 前記導光板の反射面部が、互いに隣接する溝の間に形成された平坦部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の面発光装置。 【請求項7】 前記導光板の反射面部が、溝の底部に形成された平坦部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の面発光装置。 【請求項8】 前記平坦部のうち、光源からの距離が大きい平坦部ほど該平坦部の面積が小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の面発光装置。 【請求項9】 鋳型用基材の一面に所定のピッチで平面加工を施し、該平面加工により前記鋳型用基材の表面に前記ピッチで形成された段差部に複数の溝をストライプ状に形成して鋳型を作製する工程と、該鋳型から金型を作製する工程と、該金型を用いた射出成形により導光板を作製する工程と、該導光板に光源を配設する工程とを含み、前記複数の溝のうち、光源からの距離が大きい溝ほど深く形成され、かつ隣接する溝の深さの差を光源からの距離が離れるほど大きくなるように形成されることを特徴とする面発光装置の製造方法。 【請求項10】 金型用基材の一面に所定のピッチで平面加工を施し、該平面加工により前記金型用基材の表面に前記ピッチで形成された段差部に複数の溝をストライプ状に形成して金型を作製する工程と、該金型を用いた射出成形により導光板を作製する工程と、該導光板に光源を配設する工程とを含み、前記複数の溝のうち、光源からの距離が大きい溝ほど深く形成され、かつ隣接する溝の深さの差を光源からの距離が離れるほど大きくなるように形成されることを特徴とする面発光装置の製造方法。 【請求項11】 前記複数の溝のうち光源からn番目の溝の深さFnが、該Fnのうち光の出射に寄与する実効部分Hnと、該Hn以外の部分である無効部分dとの和(Hn+d)で示されており、光源から(n+1)番目の溝の深さFn+1が、n番目の溝の深さFnと導光板の板厚Tと前記無効部分dとを用いてFn+1=((Fn−d)×T/(T−Fn+d))+dなる式を満たすように前記溝を形成することを特徴とする請求項9または10に記載の面発光装置の製造方法。 【請求項12】 前記複数の溝のうち光源からn番目の溝の深さHn(μm)が、溝の番号nと、1.0×10-8以上5.0×10-8以下の係数aと、導光板の板厚T(μm)と、1本目の溝の深さH1(μm)とを用いて示されるHn=an2T+H1なる式を満たすように前記溝を形成することを特徴とする請求項9または10に記載の面発光装置の製造方法。 【請求項13】 前記複数の溝のうち光源からn番目の溝の深さHn(μm)が、溝の番号nと、1.0×10-8以上5.0×10-8以下の係数aと、1.0×10-6以上3.0×10-6以下の係数bと、導光板の板厚T(mm)と、1本目の溝深さH1(μm)とを用いて示されるHn=(an2+bn)×T+H1なる式を満たすように前記溝を形成することを特徴とする請求項9または10に記載の面発光装置の製造方法。 【請求項14】 互いに隣接する前記溝の間に平坦部が形成されるように前記複数の溝を形成することを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の面発光装置の製造方法。 【請求項15】 前記平坦部のうち、光源が配される側の端部からの距離が大きい平坦部ほど該平坦部の面積が小さくなるように形成されることを特徴とする請求項14に記載の面発光装置の製造方法。 【請求項16】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の面発光装置を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、面発光装置とその製造方法、液晶表示装置に関するものであり、特に、液晶表示装置のフロントライトとして用いて好適な面発光装置の構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】太陽光や照明光を光源として表示を行う反射型液晶表示装置は、消費電力が小さいという特徴から、携帯電話や携帯情報端末などに用いられているが、この反射型液晶表示装置は、外部の光源が利用できない暗所での表示が極端に劣るという問題がある。この問題を解決するために、反射型液晶表示装置にバックライトを配して、外光が得られない暗所などではこのバックライトを点灯させて透過表示を行う半透過反射型液晶表示装置が知られている。しかしながら、この半透過反射型液晶表示装置ではバックライトの光を金属薄膜からなる反射膜を通過させる必要があるため、透過表示と反射表示の明るさを両立させることは極めて困難であった。 【0003】そこで、導光板の側端面から導入された冷陰極管などの光源からの光を導光板の一面から出射させて、この光を反射型液晶表示素子の前面から照射する面発光装置(フロントライト)を備えた液晶表示装置が開発されている。このように液晶表示装置の前面に面発光装置を配することにより、暗所であっても外光を利用する場合と同様の反射表示が可能になる。図15は、液晶表示ユニットの前面にフロントライトを備える液晶表示装置の一例を示す断面構造図であり、この図において、液晶表示装置100は、フロントライト110と液晶表示ユニット120とから構成されており、フロントライト110は、透明なアクリル系樹脂等からなる導光板112とその側端面112aに配置された冷陰極管やLED(Light Emitting Diode)等からなる光源113とから概略構成されており、導光板112の出射面112bと対向する対向面112cには複数の溝114がストライプ状に連続して形成されており、この溝114は、出射面112bに対して傾斜して形成された2つの斜面部114a、114bから構成されている。上記2つの斜面部は、緩斜面部114aと、この緩斜面部114aより急な傾斜角度を有する急斜面部114bとからなり、前記導光板112の対向面112cに緩斜面部114aと急斜面部114bが交互に連続して形成されている。一方、液晶表示ユニット120は液晶層123を挟んで対向する一対のガラス基板121、122をシール材124で接合一体化した構成である。液晶表示ユニット120の後面側(フロントライト110と反対側)の基板121の液晶層123側に反射膜125と表示回路126が形成されている。基板121と対向する基板122の液晶層123側に表示回路127が形成されている。尚、表示回路126、127は、図示されていないが電極層や配向膜などの液晶層223を駆動、制御する回路を含むものである。 【0004】上記の液晶表示装置100において、フロントライト110の導光板112は液晶表示ユニット120の表示領域の前面側(図示上面側)に配置されている。光源113からの光は、導光板112の側端面112aを介して導光板112に導入されて出射面112bや対向面112cで反射されて導光板112の内部を伝搬するとともに対向面112cに形成された2つ斜面部114a、114bのうち、より急な傾斜角を有する急斜面部114bでの反射により出射面112bに向かう方向へその伝搬方向を変えられて、出射面112bから出射される。このようにしてフロントライト110が液晶表示ユニット120を照明するようになっている。次に、液晶表示ユニット120に入射した光は、各表示回路126、127および液晶層123を通過して反射層125に達して反射され、再び液晶表示装置120の外側に戻る。この反射された光がフロントライト110を通過して観察者に到達して、液晶表示ユニット120の表示が観察者に視認される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記の構成の液晶表示装置100によれば、フロントライト110を点灯させることにより、暗所であっても表示を行うことが可能であるが、フロントライト110を点灯させた状態において、光源113に近い側は明るい表示が得られるものの、光源113から離れるに従って表示が暗くなり、一般的なフロントライトでは光源113から約50mm離れた位置の表示の明るさは光源113近傍における表示の明るさの半分程度でしかない。従って、上記の液晶表示装置100において、暗所での十分な視認性を実現しているのは上記液晶表示装置100の表示領域の一部のみであった。また、上記のような表示が暗い領域があるために、場合によっては却って表示が見づらくなるという問題もあった。 【0006】本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、光源から離れた位置でも十分な光量が得られる面発光装置及びその製造方法、並びに表示領域の全面にわたって均一な明るさの表示が可能な液晶表示装置を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、光源と、該光源からの光を端面から入射して出射面から出射させる構造を有する導光板とを備え、前記出射面と反対側の対向面に、複数の溝がストライプ状に形成されており、前記溝のうち、光源からの距離が大きい溝ほど深く形成されており、かつ隣接する溝の深さの差が、光源からの距離が大きい溝ほど大きくなるように形成されていることを特徴とする面発光装置を上記課題の解決手段とした。 【0008】次に、本発明の上記の面発光装置において、前記ストライプ状に形成されている複数の溝のうち、光源側から(n+1)番目の溝の深さHn+1が、前記導光板の板厚Tと、n番目の溝の深さHnとを用いて、Hn+1=Hn×T/(T−Hn)なる関係を満たすことを特徴とする面発光装置を上記課題の解決手段とした。 【0009】次に、上記の面発光装置において、前記ストライプ状に形成されている複数の溝のうち、前記光源からn番目の溝の深さHn(μm)が、溝の番号n、係数a、1本目の溝深さH1(μm)と、導光板の板厚T(μm)を用いて、Hn=an2T+H1なる式で示され、前記係数aが、1.0×10-8以上5.0×10-8以下であることを特徴とする面発光装置を上記課題の解決手段とした。 【0010】次に、上記の面発光装置において、前記ストライプ状に形成されている複数の溝のうち、光源からn番目の溝の深さHn(μm)が、溝の番号n、係数a、b、1本目の溝深さH1(μm)、導光板の板厚T(μm)を用いてHn=(an2+bn)×T+H1なる式で示されており、前記係数aが、1.0×10-8以上5.0×10-8以下であり、前記係数bが、1.0×10-6以上3.0×10-6以下であることを特徴とする面発光装置を上記課題の解決手段とした。 【0011】次に、本発明は、上記の面発光装置において、前記ストライプ状に形成されている複数の溝のうち、光源からn番目の溝の深さFnが、該Fnのうち光の出射に寄与する実効部分Hnと、該Hn以外の部分である無効部分dとの和(Hn+d)で示されており、光源から(n+1)番目の溝の深さFn+1が、n番目の溝の深さFnと、導光板の板厚Tと、前記無効部分dとを用いてFn+1=((Fn−d)×T/(T−Fn+d))+dなる式で示されることを特徴とする面発光装置を上記課題の解決手段とした。 【0012】次に、本発明は、上記の面発光装置において、前記導光板の反射面部が、導光板の互いに隣接する溝の間に形成された平坦部を有することを特徴とする面発光装置を上記課題の解決手段とした。 【0013】次に、本発明は、上記の面発光装置において、前記導光板の反射面部が、溝の底部に形成された平坦部を有することを特徴とする面発光装置を上記課題の解決手段とした。 【0014】次に、本発明は、上記の面発光装置において、前記平坦部の面積が、導光方向に沿って徐々に小さくなるように形成されていることを特徴とする面発光装置を上記課題の解決手段とした。 【0015】次に、本発明は、鋳型用基材の一面に所定のピッチで平面加工を施し、該平面加工により前記鋳型用基材の表面に前記ピッチで形成された段差部に複数の溝をストライプ状に形成して鋳型を作製する工程と、該鋳型から金型を作製する工程と、該金型を用いた射出成形により導光板を作製する工程と、該導光板に光源を配設する工程とを含み、前記複数の溝のうち、光源からの距離が大きい溝ほど深く形成され、かつ隣接する溝の深さの差が光源からの距離が大きい溝ほど大きくなるように形成されることを特徴とする面発光装置を上記課題の解決手段とした。 【0016】次に、本発明は、金型用基材の一面に所定のピッチで平面加工を施し、該平面加工により前記鋳型用基材の表面に前記ピッチで形成された段差部に複数の溝をストライプ状に形成して金型を作製する工程と、該金型を用いた射出成形により導光板を作製する工程と、該導光板に光源を配設する工程とを含み、前記複数の溝のうち、光源からの距離が大きい溝ほど深く形成され、かつ隣接する溝の深さの差が光源からの距離が大きい溝ほど大きくなるように形成されることを特徴とする面発光装置を上記課題の解決手段とした。 【0017】次に、本発明は、上記の面発光装置の製造方法において、前記複数の溝のうち光源からn番目の溝の深さFnが、該Fnのうち光の出射に寄与する実効部分Hnと、該Hn以外の部分である無効部分dとの和(Hn+d)で示されており、光源から(n+1)番目の溝の深さFn+1が、n番目の溝の深さFnと導光板の板厚Tと、前記無効部分dとを用いてFn+1=((Fn−d)×T/(T−Fn+d))+dなる式で示されるように前記溝を形成することを特徴とする面発光装置の製造方法を上記課題の解決手段とした。 【0018】次に、本発明は、上記の面発光装置の製造方法において、前記複数の溝のうち光源からn番目の溝の深さHn(μm)が、溝の番号nと、1.0×10-8以上5.0×10-8以下の係数aと、導光板の板厚T(μm)と、1本目の溝深さH1(μm)とを用いて示されるHn=an2T+H1なる式を満たすように前記溝を形成することを特徴とする面発光装置の製造方法を上記課題の解決手段とした。 【0019】次に、本発明は、上記の面発光装置の製造方法において、前記複数の溝のうち光源からn番目の溝の深さHn(μm)が、溝の番号nと、1.0×10-8以上5.0×10-8以下の係数aと、1.0×10-6以上3.0×10-6以下の係数bと、導光板の板厚T(μm)と、1本目の溝深さH1(μm)とを用いて示されるHn=(an2+bn)×T+H1なる式を満たすように前記溝を形成することを特徴とする面発光装置の製造方法を上記課題の解決手段とした。 【0020】次に、本発明は、上記の面発光装置の製造方法において、互いに隣接する前記溝の間に平坦部が形成されるように前記溝を形成することを特徴とする面発光装置の製造方法を上記課題の解決手段とした。 【0021】次に、本発明は、上記の面発光装置の製造方法において、前記平坦部のうち、光源からの距離が大きい平坦部ほど該平坦部の面積が小さくなるように該平坦部が形成されることを特徴とする。 【0022】次に、本発明は、上記の面発光装置を備えたことを特徴とする液晶表示装置を上記課題の解決手段とした。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。ただし本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、以下の実施の形態において参照される図面は、各実施の形態の構成を説明するためのものであり、各部の大きさや厚さや寸法等は実際の面発光装置や液晶表示装置とは異なる。 【0024】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態であるフロントライトを備える液晶表示装置を示す断面図である。この図に示す液晶表示装置1は、液晶表示ユニット20と、この液晶表示ユニット20の前面(図示上方)に配されたフロントライト10とから構成されている。フロントライト10は、導光板12と、光源13とから概略構成されている。導光板12の液晶表示ユニット20側(下面側)は平坦面とされて光が出射される出射面12bとされている。また、出射面12bと反対側の面である対向面12cには、図1に示すように、出射面12bに対して傾斜して形成された緩斜面部14aと、この緩斜面部14aに続いて形成されて緩斜面部14aよりも急な傾斜角度を有する急斜面部14bとからなる複数の溝14がストライプ状に形成されており、これらの複数の溝14は、光源13から離れたものほど深さが大きくなるように形成されている。また、対向面12cの隣接する溝14の間に、平坦部15が形成されており、この平坦部15は光源13から離れたものほどその面積が小さくなるように形成されている。 【0025】導光板12は光透過率90%以上の透明な樹脂材料から構成されることが好ましく、この材料として例えばアクリル系樹脂やシクロオレフィン系樹脂などを好適なものとして挙げることができる。また、光源13を構成するものとしては冷陰極管や白色LED、有機EL素子などを好適なものとして挙げることができる。対向面12cにストライプ状に形成された複数の溝14は、図1に示す断面視において互いに相似形を成して形成されている。すなわち、溝14を構成する緩斜面部14aと急斜面部14bの出射面12bに対する傾斜角は全ての溝14において同一である。本発明によれば、このような単純な構成であっても溝14の深さを制御することにより出射面12bからの出射光量を制御することができる。また、単純な構成であるために加工精度を高めることが容易であり、より精度よく出射光量を制御することができるという効果も得られる。 【0026】また、導光板12は、互いに隣接して形成された溝14の間に平坦部15を有する構成となっている。このような平坦部15を隣接する溝14の間に形成することにより、対向面12cにおいて緩斜面部14aおよび急斜面部14bのほかに上記平坦部15も外光の反射面とすることができる。従って、導光板12の外面で特定の方向の光が強く反射されて視認性が低下する現象を抑制することができる。また、上記平坦部15の面積が、光源13から離れるに従って小さくなるように形成されている。これは、平坦部15を同一の面積となるように設けた場合には、この平坦部15の表面において特定の方向の光が強く反射されて視認性が低下することと、光源13から離れた位置での出射光量を確保するために溝14を深く形成する必要があるために溝14が観察者から視認されやすくなり、液晶表示ユニット20の表示を妨げて表示の視認性が低下することによるものである。 【0027】一方、液晶表示ユニット20は、液晶層23を挟持して対向するガラスなどからなる第1の基板21と、第2の基板22をシール材24で接合一体化して構成されている。前記第1の基板21の液晶層23側の面に金属の反射膜を含む反射層25と、表示回路26が順に積層されており、前記第2の基板22の液晶層23側の面には、それぞれ表示回路27が形成されている。このように液晶表示ユニット20は、外部から入射した光を反射させるための反射層25を備えた反射型の液晶表示ユニットとされている。尚、表示回路26および27には、図示されていないが液晶層23を駆動するための透明導電膜等からなる電極層や液晶層23の配向を制御するための配向膜等が形成されている。また、場合によってはカラー表示を行うためのカラーフィルタなどが形成されていてもよい。また、反射層25は例えば表面に凹凸形状が形成されたアクリル系樹脂等からなる有機膜上に、アルミニウムや銀などからなる金属の反射膜をスパッタ法などにより形成し、この反射膜と有機膜を覆うようにアクリル系樹脂などからなる平坦化膜を形成して構成される。この反射層25はカラーフィルタを含む構成としても良く、その場合には、前記反射膜の直上にカラーフィルタを形成することが好ましい。このような構成とするならば、光の反射面にカラーフィルタを配置することができるので、色ずれや視差を低減して高品位のカラー表示が可能である。 【0028】ここで、上記の液晶表示ユニット20の反射層25の有機膜の表面および有機膜上に形成される反射膜の形状について図2を参照して以下に説明する。図2は、液晶表示ユニット20の反射層25に形成された有機膜と反射膜とを拡大して示す斜視図である。この図において、有機膜28の表面には内面が球面の一部を成す多数の凹部28aが重なり合うように連続して形成されており、この有機膜28上に反射膜29が成膜されている。有機膜28は、基板上に感光性樹脂などからなる樹脂層を平面形状に形成した後、図2に示す有機膜28の表面とは逆凹凸の表面形状を有するシリコーン系樹脂などからなる転写型を上記樹脂層の表面に圧着した後、樹脂層を硬化させることにより形成される。反射膜29は、有機膜28の表面に形成されて液晶表示ユニット20に入射する光を反射するものであり、アルミニウムや銀などの高い反射率を有する金属材料をスパッタ法や真空蒸着などの成膜法により形成したものである。 【0029】図2に示す凹部28aは、その深さを0.1μm〜3μmの範囲でランダムに形成し、隣接する凹部28aのピッチを5μm〜100μmの範囲でランダムに配置し、上記凹部28a内面の傾斜角を−30度〜+30度の範囲に設定することが望ましい。特に、凹部28a内面の傾斜角分布を−30度〜+30度の範囲に設定する点、隣接する凹部28aのピッチを平面全方向に対してランダムに配置する点が特に重要である。なぜならば、仮に隣接する凹部28aのピッチに規則性があると、光の干渉色が出て反射光が色付いてしまうという不具合があるからである。また、凹部28a内面の傾斜角分布が−30度〜+30度の範囲を超えると、反射光の拡散角が広がりすぎて反射強度が低下し、明るい表示が得られない(反射光の拡散角が空気中で36度以上になり、液晶表示装置内部の反射強度ピークが低下し、反射ロスが大きくなるからである。)からである。また、凹部28aの深さが3μmを超えると、後工程で凹部28aを平坦化する場合に凸部の頂上が平坦化膜で埋めきれず、所望の平坦性が得られなくなる。隣接する凹部28aのピッチが5μm未満の場合、有機膜28を形成するために用いる転写型の製作上の制約があり、加工時間が極めて長くなる、所望の反射特性が得られるだけの形状が形成できない、干渉光が発生する等の問題が生じる。また、実用上、有機膜28の表面形状を形成するための前記転写型は、ダイヤモンド圧子を基材に多数押圧して作製された転写型用基材を用いて作製されるが、このダイヤモンド圧子の先端径が30μm〜200μmであることが望ましいので、隣接する凹部28aのピッチは5μm〜100μmとすることが望ましい。 【0030】以上の構成の液晶表示装置1は、太陽の光や外部の照明光を利用した反射表示のほか、フロントライト10を点灯させてその光を上記反射層25で反射させて表示を行うことができる。フロントライト10の導光板12は、液晶表示ユニット20の表示領域の前面に配置されており、フロントライト10の光源13から導光板12の側端面12aを介して導光板12に導入された光は、導光板12の内部を伝搬するとともに導光板12の対向面12cに形成された複数の溝14によって反射されて出射面12bに向かう側に方向を変えられ、導光板12の出射面12bから出射されて液晶表示ユニット20を照明する。液晶表示ユニット20に入射した光は液晶表示ユニット20の表示回路26、27および液晶層23を通過して、反射層25に達し、この反射層25の反射膜によって反射されて液晶表示ユニット20の外側へ戻り、導光板12を通過して対向面12cから出射されて観察者に到達する。このようにして液晶表示ユニット20の表示が観察者に視認される。 【0031】この液晶表示装置1のフロントライト10においては、図1に示すように導光板12の対向面12cにストライプ状に形成された複数の溝14が、光源13から遠いものほどその深さが深く形成されており、隣接する2つの溝14の深さの差が、光源から離れた位置の溝14ほど大きくなるように形成されている。この溝14の深さは、光源13から(n+1)番目の溝14の深さHn+1が、n番目の溝14の深さHnと導光板12の板厚Tを用いてHn+1=Hn×T/(T−Hn)なる関係式を満たすように形成されていることが好ましい。上記の導光板の板厚と溝の深さの関係式を、図3を参照して以下に詳細に説明する。図3は、本実施形態のフロントライト10の導光板12の部分断面構造を示す図であり、この図において導光板12の下面が平坦面として形成されて光が出射される出射面12bとされている。また、前記出射面12bの反対側に位置する対向面12cに出射面12bに対して傾斜して形成された緩斜面部14aと、この緩斜面部14aより急な傾斜角を有して形成された急斜面部14bとからなる溝14が連続して周期的に形成されている。また、図示されていないが、図3の図示右側に光源が配置されており、この光源13からの光が図示右側から左側に向かって導光板12の内部を伝搬するようになっている。 【0032】図3において、導光板12の光出射面12bから出射される光は、図3に示す対向面12cの急斜面部14bにて反射された光が出射面12bから放出されるものである。光源からの光は導光板12の内部を内面で反射しながら伝搬するので導光板12の溝14を構成する急斜面部14bによって反射されて出射面部12bから出射される光量は、図3に示すA−A’線に沿う導光板12の断面を通過する光のうち、急斜面部14bによって反射される部分に相当する。ここで、図3に符号14nで示す溝を光源からn番目の溝としてその深さをHnとする。また、この溝14nの前後の溝の深さを光源側に隣接する溝((n−1)番目の溝)の深さをHn-1とし、導光方向側に隣接する溝((n+1)番目の溝)の深さをHn+1とする。図3に示す導光板12において、急斜面部14bによって反射されて出射面12bから出射される光量は、図3に示すA−A’線に沿う断面を通過する光量Lnおよび導光板12の板厚Tを用いてLn×Hn/Tで示され、急斜面部14bで反射されずに導光方向へ伝搬する光量Ln+1は、Ln+1=Ln−Ln×Hn/Tで示される。従って、溝14nの次に導光板12内を伝搬する光が通過する溝である(n+1)番目の溝14において急斜面部14bにより方向を変えられて出射面12bに向かう光量は、この(n+1)番目の溝14の深さHn+1、および上記Ln+1を用いてLn+1×Hn+1/Tで示される。 【0033】以上から、この(n+1)番目の溝14による出射光量と、前記n番目の溝14による出射光量を同一にするためには、Ln+1×Hn+1/T=Ln×Hn/Tなる式が成立すればよく、上記からLn+1=Ln−Ln×Hn/Tであるので、この2式から、Hn+1=Hn×T/(T−Hn)なる関係式が導かれる。つまり(n+1)番目の溝14の深さは、n番目の溝14よりも深く形成する必要があり、具体的には上記のようにT/(T−Hn)倍とする必要がある。 【0034】また、上記の式から(n+1)番目の溝14の深さHn+1と、n番目の溝14の深さHnの差を求めると、Hn+1−Hn=Hn2/(T−Hn)なる式で表すことができる。さらに、n番目の溝14の深さHnと、(n−1)番目の溝の深さHn-1の差は、上式からHn−Hn-1=Hn2/(T+Hn)なる式で表すことができる。この2式から明らかなように、(Hn+1−Hn)>(Hn−Hn-1)である。すなわち、各溝による出射光量を均一化するためには、隣接する溝14の深さの差を、nが大きくなるほど(すなわち光源から離れた位置にあるほど)大きくする必要がある。 【0035】以上から、多数の溝14による出射光量の差を小さくして、出射面12bにおける出射光量の分布を均一にするためには、導光板12の対向面12cに形成された溝14の深さを、光源13から離れたものほど深く形成し、かつ隣接する溝14の深さの差が光源13から離れるほど大きくなるようにすればよい。より具体的には、光源から(n+1)番目の溝の深さHn+1が、n番目の溝の深さHnと、導光板12の板厚Tを用いて、Hn+1=Hn×T/(T−Hn)なる関係式を満たすように、溝14の深さを設定するならば、対向面12cに形成された各溝14による出射光量を同一にすることができる。従って、本実施形態のフロントライト10の導光板12は、対向面12cにストライプ状に形成された溝14によって反射されて出射面12bに向かう光量を全ての溝14において均一化することができる。これにより、フロントライト10を備えた液晶表示装置1においては、表示領域の全面において均一な明るさの表示を行うことが可能である。 【0036】あるいは、溝14の深さが光源13から離れたものほど大きい深さとなり、かつ隣接して形成された溝14の深さの差が光源13から離れるほど大きくなる構成として、図1に示す溝14の深さを、光源13からn番目の溝14の深さHn(μm)が、溝の番号nと、係数a、および導光板12の板厚T(μm)、および1本目の溝深さH1(μm)を用いてHn=an2T+H1なる関係式で示されており、かつ係数aが1.0×10-8以上、5.0×10-8以下の範囲となるようにすることもできる。上記のように溝14の深さを、溝の番号nの二次関数とすることにより光源13からの距離の増大に対して溝14の深さと隣接する溝14の深さの差をいずれも大きくすることができる。これにより、導光板12の出射面12bにおいて均一な出射光量を得ることができるので、液晶表示装置1は均一な明るさの表示を行うことができる。 【0037】あるいはまた、光源13からn番目の溝14の深さHn(μm)が、溝の番号nと、係数a、bと、導光板12の板厚T(μm)と、1本目の溝深さH1(μm)を用いて、Hn=(an2+bn)×T+H1なる関係式で示されており、係数aが1.0×10-8以上、5.0×10-8以下の範囲であり、係数bが1.0×10-6以上、3.0×10-6以下の範囲となるようにしてもよい。溝14の深さをこのような式で示される構成とするならば、上記の二次関数Hn=an2T+H1なる式で示される場合と比較してより正確に溝の深さを制御することができるので、出射面12bからの出射光量をより均一にすることができる。 【0038】(第2の実施形態)上記第1の実施形態では、前記溝14の深さと導光板12の板厚Tの割合によって出射面12bからの出射光量を導き、溝14の深さを決定している。しかしながら、上記導光板12はアクリル系樹脂やシクロオレフィン系樹脂を射出成形することにより製造されるため、前記ストライプ状に形成された溝14の一部に面ダレ等による成形不良が発生して溝14を構成する急斜面部16における反射効率が低下する現象が見られる。上記の射出成形工程における面ダレ等の成形不良は、導光板12の表面において外側に突出した部分や内側に凹んだ形状の部分に対して、成形条件が一定ならば、一定の長さあるいは深さにおいて発生するものである。より具体的には、図3に示す導光板12の対向面12cにおいて、符号18で示される凸部の高さが一定量だけ小さくなり、符号19で示される凹部の深さが一定量だけ浅くなるものである。 【0039】そこで、上記の面ダレなどの成形不良に対する補正を加えてより正確に溝の深さを制御した導光板を備えるフロントライトを本発明の第2の実施形態として、図4を参照して以下に詳細に説明する。図4は、本発明の第2の実施形態であるフロントライトの導光板の部分断面構造図である。この図において、導光板32は平坦面として形成されて光が出射される出射面32bと反対側の対向面32cに、出射面32bに対して傾斜している緩斜面部34aとこの緩斜面部34aに続いて形成されて緩斜面部34aより急な傾斜角度を有する急斜面部34bとから構成される複数の溝34がストライプ状に形成されている。この溝34の深さは光源33から離れているものほど大きくなるように形成されている。また、ストライプ状に形成された複数の溝34のうち、隣接する2本の溝34の深さの差が、導光方向に沿って大きくなるように溝34は形成されている。また、図示されていないが、本実施の形態のフロントライトは、図1に示すフロントライト10と同様の構造であって、図4に示す導光板32と、この導光板32の一側端面に光源を備える構造であり、図4において光源は図示幹側に配置されており、この光源からの光が図示右側から左側へ導光板32内部を伝搬する構造である。また、導光板32内部を伝搬する光のうち、上記急斜面部34bによって反射されて出射面32bに向かって伝搬した光が、出射面部32bから出射されるようになっている。 【0040】本実施形態の導光板32の複数の溝34の深さは、光源からn番目の溝の深さFnが、該Fnのうち光の出射に寄与する実効部分Hnと、該Hn以外の部分である無効部分dとの和(Hn+d)で示され、光源から(n+1)番目の溝の深さFn+1が、n番目の溝の深さFnと、導光板の板厚Tと、前記無効部分dとを用いてFn+1=((Fn−d)×T/(T−Fn+d))+dなる式で示されることが好ましい。 【0041】上記に示す関係式について以下に詳細に説明する。本実施形態においては、上記ストライプ状に形成された複数の溝34の深さが上記の成形不良を考慮した上で設定されている。この溝34の深さについて、図4を参照して以下に詳細に説明する。図4に示すように、導光板32の対向面32cにはストライプ状に形成された溝34により、凸部35a、35bおよび凹部36a、36bが形成されている。これらの凸部35a、35bおよび凹部36a、36bにおいては、導光板32が射出成形により作製される工程において、図4に示すように面ダレが発生する。より具体的には、例えば凸部35aを例に挙げると、図4に示す凸部35aの近傍に点線で示す部分が、導光板32を作製するための射出成型用の金型に形成された形状であるが、実際に作製された導光板32においては、図4に示すように角が取れた形状の凸部35aのようになる。また、凸部35bおよび凹部36a、36bも同様である。 【0042】図4に示す導光板32において、溝34によって生成される出射光は急斜面部34bによって反射された光であり、溝34が深く形成されているほど出射光量は大きくなる。従って、上記のような成形不良を考慮するならば、図4に示す溝34を光源からn番目の溝とすると、その設計深さFnから上記の成形不良部を除いた実効的な溝34の深さの実効部分Hnに対応する急斜面部34bのみが光の出射に寄与する部分であり、上記Hnを差し引いた溝の深さをdとすると、d=Fn−Hnなる部分が無効部分となる。ところで、凸部35a、および凸部35bにおいて、上記金型の設計寸法からのずれは、凸部35a、35bにおいてほぼ同一であり、導光板32の対向面に形成された他の凸部においても同様である。また、凹部36a、36bにおいても上記凸部35a、35bと同様の設計寸法からのずれとなる。従って、上記無効部分dは、溝34の深さによらず一定の値とすることができる。 【0043】以上から、上記複数の溝34の深さにおける実効部分Hnを適切に設定することにより、導光板32の出射面32bからの出射光量を均一にすることができる。具体的には、上記第1の実施形態に記載のように、光源から(n+1)番目の溝34の深さHn+1が、n番目の溝34の深さHnと、導光板の板厚Tとを用いて、Hn+1=Hn×T/(T−Hn)なる式を満たすように、溝34の深さの実効部分Hnを設定すればよい。上記から、溝34の深さの無効部分dは溝34の深さによらず一定とすることができるので、n番目の溝34の設計深さFnは、上記実効部分Hnと、無効部分dの和として示されてFn=Hn+dなる式が成立する。従って、これらの式から溝34の設計深さは、(n+1)番目の溝34の設計深さFn+1が、n番目の溝の設計深さFnと、導光板の板厚Tと、上記無効部分dとを用いて、Fn+1=(Fn−d)×T/(T−Fn+d)なる式で示されるように、各溝34の設計深さを設定すればよい。 【0044】上記第1、第2の実施形態においては、図1に示す導光板12および図4に示す導光板32のように、一面にストライプ状の溝が形成されており、この溝の間に平坦部を有する導光板を面発光装置に適用する場合について説明したが、本発明の面発光装置には一面にストライプ状の溝が形成されており、この溝の底部に平坦部を備える導光板を用いることもできる。このような構成とした場合も上記第1の実施形態、第2の実施形態と同様に溝の深さを設定することにより、出射面からの出射光量が大きく、かつ出射面において均一な発光が可能な面発光装置とすることができる。 【0045】尚、上記第1または第2の実施形態では導光板の一側端面にのみ光源を設けたフロントライトについて説明したが、対向する2つの側端面に光源を設けた構成とすることもできる。このような構成とする場合には、側端面に配された2つの光源側に近いほど浅い溝が形成されており、導光板の中心に近いほど深い溝が形成されている構成とすればよい。このような構成とするならば、出射光量が出射面において均一で、かつ大面積の面発光装置を実現することができる。 【0046】(面発光装置の製造方法)次に、本発明に係る面発光装置の製造方法について図5〜図6を参照して説明する。図5および図6は、本発明の面発光装置の製造工程の一例を示す断面構成図である。尚、図5のA〜Cおよび図6のD〜Fはそれぞれ工程順を示しており、図5Cと図6Dに示す工程は連続している。 【0047】まず、図5Aに示すように、先端が平坦な形状のダイヤモンドカッター41を用いて、例えばSUS420鋼に50〜100μm厚さのNiメッキを施した材料等からなる平板状の鋳型用基材40の一面に例えば160μmのピッチで平面加工を連続して行う。このように平面加工をピッチ送りしながら行う際には、図5Aに示すように、連続的な平面を形成することは非常に難しく、実際の加工では平面加工により形成された平坦部42aと、この平坦部42aに隣接する平坦部42bとの境界に段差部43が形成される。図5Aに示す工程においては鋳型用基材40の上方からダイヤモンドカッター41による平面加工を行っており、この平面加工の鋳型用基材40の厚さ方向での加工精度は0.1μm程度である。従って平坦部42aと平坦部42bの境界に0.3μm程度以下の高さを有する段差部43が生じる。しかしながら、その一方で平面加工により形成された平坦部42a、42bの表面粗さ(Ra)は0.01μm以下になるために、この両者の違いにより平坦部42aと平坦部42bの境界に形成される段差部43が、わずか0.数μmのものであっても段差として認識され、光の散乱等の問題の原因となる。 【0048】次に、先の工程とは異なり、先端形状が三角形のダイヤモンドカッター44を用いて、上記の平面加工により形成された段差部43に上記ダイヤモンドカッター44の先端44aが位置するように加工の位置決めを行い、前記段差部43に沿う溝45をストライプ状に連続して形成する。このようにして、図5Cに示す鋳型50を得る。以上の工程のように鋳型用基材40の一面への平面加工をダイヤモンドカッター41をピッチ送りしながら行うことにより、鋳型用基材40に所望の平面粗度を有する平坦面が得られるとともに、識別可能な段差43が形成され、その後の溝45を形成する工程において、加工を行うダイヤモンドカッター44を正確に段差43に位置決めすることが可能になる。その一方で、光学的に問題となる段差43は、ダイヤモンドカッター44による加工で削除することができる。従って、本発明の製造方法によれば作製される導光板の溝の寸法精度を向上させることができるので、面発光装置の出射光量、およびその分布をより設計値に近いものとすることができる。 【0049】図5Bに示す工程で形成される溝45の深さは、最初に加工された溝45からピッチ送りされる順に徐々に深い溝45を形成して、かつ1ピッチごとの溝45の深さの増加量がピッチ送りされる順に徐々に大きくなるようにする。具体的には、最初に形成された溝を1番目として(n+1)番目の溝の深さFn+1が、n番目の溝の深さFnと、このFnのうち出射面からの光の出射に寄与する実効部分Hnと、このHn以外の無効部分dと、作製される導光板の板厚Tを用いてFn+1=(Fn−d)×T/(T−Fn+d)なる式を満たすように上記溝45をストライプ状に形成する。上記の関係式を満たすように溝45の深さを設定することにより、導光板の出射面からの出射光量が均一な面発光装置を構成することができる。その理由は上記第2の実施形態に記載の通りである。 【0050】あるいは、最初に形成された溝からn番目の溝45の深さHn(μm)が、溝の番号nと、1.0×10-8以上、5.0×10-8以下の範囲の係数aと、作製される導光板の板厚T(μm)と、1本目の溝深さH1(μm)とを用いて、Hn=an2T+H1なる関係式を満たすようにしてもよい。このような構成とした鋳型を用いて作製された導光板においても、上記と同様に光源からの距離が離れるほど深い溝が形成されており、かつ隣接する溝の深さの差が光源から離れた位置の溝ほど大きい構成とすることができるので、導光板の出射面における出射光量が均一な面発光装置を構成することができる。あるいはまた、最初に形成された溝からn番目の溝の45の深さHn(μm)が、溝の番号nと、1.0×10-8以上、5.0×10-8以下の係数aと、1.0×10-6以上3.0×10-6以下の係数bと、作製される導光板の板厚T(μm)と、1本目の溝深さH1(μm)とを用いて、Fn=(an2+bn)×T+H1なる関係式で示されるように前記溝を形成してもよい。このような構成として作製された導光板を用いた場合も上記と同様に出射面における出射光量が均一な面発光装置を構成することができる。 【0051】また、上記いずれの関係式によって溝の深さを決定する場合においても、図5Cに示すように、隣接する溝45の間に平坦部46、47が形成されるようにすることが好ましい。このような平坦部46、47を隣接する溝45の間に設けることにより、作製された面発光装置の導光板の表面で特定の方向の光が強く反射して視認性が低下する現象を防止することができる。また、平坦部46、47はダイヤモンドカッター44のピッチ送りの方向に徐々にその面積が小さくなるように形成されることが好ましい。すなわち、図6Cに示す平坦部46の面積よりも、ピッチ送り方向の平坦部47の面積が小さくなるように形成することが好ましい。このような構成とすることによりより効果的に特定の方向の反射を防ぐことができる。 【0052】次に、図6Dに示すように、上記の工程にて作製された鋳型50を用いて、Ni電鋳等の方法によりNi等からなる射出成型用の金型51を作製する。この金型51は上記鋳型50の溝45が形成された一面50aの形状とは逆凹凸の形状を有する一面を備えるものである。 【0053】次に、図6Eに示すように、上記工程にて作製された前記鋳型50と逆の凹凸形状を備える金型51および箱状の金型52を用いて、アクリル系樹脂やシクロオレフィン系樹脂を射出成形して、前記鋳型50の一面50aと同一の面形状を有する導光板53を作製する。この導光板53の一面には、図6Fに示すように溝55がストライプ状に形成されており、溝55は導光板53の側端面53a側から対向する側端面に向かって徐々に深いものが形成されている。また、隣接する溝55の間には平坦部56、57が形成されており、導光板53の側端面53aから離れる方向に上記平坦部の面積が小さくなっている。つまり、図6Fに示す導光板53においては、平坦部57の面積は、側端面53a側の平坦部56よりも小さくなっている。 【0054】次に、図6Fに示すように、上記の導光板53の側端面53aに冷陰極管やLED等からなる棒状の光源58を配設して面発光装置60を得る。以上の工程により作製された面発光装置60は、導光板53とその側端面53aに配された光源58とからなり、光源58の光を導光板53の側端面53aを介して導光坂53の内部に導入し、前記ストライプ状に形成された溝55により、導光板53の内部を伝搬する光の方向を変えて、前記溝55が形成された面と反対側の出射面53bから出射させるようになっている。 【0055】本実施形態の製造方法により作製された面発光装置60は、導光板53の一面に形成された溝55が、光源58から離れた位置のものほど深く形成されており、隣接する2本の溝55の深さの差が光源58から離れるほど大きくなるように形成されているので、導光板53の出射面53bから出射される光量を出射面53bにおいて均一にすることができる。また、溝55の深さが、図6Eに示す射出成形の工程において生じる面ダレなどの成形不良部分を予め考慮して設計されているので、出射面53bからの出射光量を減少させることなく出射光量の分布を均一にすることができる。 【0056】あるいは、本発明の面発光装置の製造方法として、上記のように鋳型から作製した金型を用いずに、金型用の基材に平面加工および溝加工を施して金型を作製する方法も適用可能である。すなわち、上記の実施形態において、図5Cに示す鋳型50をそのまま射出成形の金型として用いることができる。この製造方法を本発明の面発光装置の製造方法の他の実施形態として、図7、8を参照して以下に詳細に説明する。図7A〜C、および図8D、Eは、本実施形態の面発光装置の製造工程の一例を示す断面構成図であり、図7Cと図8Dに示す工程は連続している。 【0057】まず、図7Aに示すように、先端が平坦な形状のダイヤモンドカッター71を用いて、例えばSUS420鋼に50〜100μmのNiメッキを施した材料などからなる平板状の金型用基材70の一面に例えば160μmピッチで平面加工を連続して行う。この際、本実施形態の製造工程においても、図5、6に示す製造工程と同様の段差部73が、平面加工により形成された平坦部72aの境界に形成される。 【0058】次に、図7Bに示すように、先端形状が三角形のダイヤモンドカッター74を用いて、上記の平面加工により形成された段差部73にダイヤモンドカッター74の先端74aが位置するように加工の位置決めを行い、前記段差部73に沿う溝75をストライプ状に連続して形成する。このようにして金型80を得る。尚、図7Bに示す工程において、本実施形態の製造方法は、ダイヤモンドカッター74によって形成される溝75の緩斜面部と急斜面部の位置関係が、図5Bに示す溝45とは逆になるように加工を行う。すなわち、溝75の急斜面部が1本目の溝75側に配置されるようにダイヤモンドカッター74の方向を設定して加工を行う。これは、本実施形態の製造方法が、鋳型を介さずに金型を作製するため、作製される導光板の表面形状が、ダイヤモンドカッター74による加工形状とは逆凹凸の形状となるためである。 【0059】また、図7Bに示す工程において形成される溝75の深さやピッチなどは、図5に示す溝45と同様の構成とすればよい。すなわち、最初に加工された溝75からピッチ送りされる順に徐々に深い溝75を形成し、かつ1ピッチごとの溝の深さの増加量がピッチ送りされる順に徐々に大きくなるようにすればよい。また、この溝75に関する溝深さの関係式も先の実施形態の関係式を適用することができる。 【0060】次に、図8Dに示すように、上記の工程にて作製された金型80と、箱状の金型82を用いて、アクリル系樹脂やシクロオレフィン系樹脂を射出成形して、前記金型80の一面80aと逆凹凸の面形状を有する導光板83を作製する。この導光板83の一面には、図8Eに示すように溝85がストライプ状に形成されており、この溝85は導光板83の側端面83a側から、対向する側端面に向かって徐々に深くなるように形成されている。また、溝85の底部に平坦部86、87が形成されており、導光板83の側端面83aから離れるに従って上記平坦部の面積が小さくなっている。つまり、図8Eに示す導光板83においては、平坦部87の面積は側端面83a側の平坦部86よりも小さくなっている。次に、図8Eに示すように、導光板83の側端面83aに冷陰極管やLED等からなる棒状の光源88を配して、面発光装置90を得る。この面発光装置90も上記光源88の光を導光板83の側端面83aを介して導光坂83の内部に導入し、前記ストライプ状に形成された溝85により、導光板83の内部を伝搬する光の方向を変えて、前記溝85が形成された面と反対側の出射面83bから出射させることができる。また、上記溝85が図6Fに示す溝55と同様に制御されて形成されているので、上記面発光装置60と同様に、均一な出射光量分布が得られる。 【0061】以上の構成の面発光装置の製造方法によれば、射出成形に用いる金型を直接加工して作製するので、鋳型を作製する工程を省略することができる。従って、工数の削減による製造コストの低減を図ることができる。また、鋳型を介さずに金型を作製するので、金型の寸法精度を高めることができ、より精度良く導光板、面発光装置を作製することができる。 【0062】 【実施例】(実施例1)まず、ステンレス鋼の鋳型用基材を用意し、先端に平坦形状を有するダイヤモンドカッターを用いて160μmピッチで切削加工することにより前記鋳型用基材の一面に平坦加工を行った。続いて、上記平坦加工により鋳型用基材の一面に160μmピッチで形成された段差部に、先端が三角形のダイヤモンドカッターの先端を位置決めして上記段差部に沿って切削加工を行って前記鋳型用基材の一面に溝をストライプ状に形成して鋳型を得た。尚、この工程において鋳型の一面に形成された溝は、面発光装置として動作する状態において光源に最も近い溝の深さを5.24μmとして形成し、成形不良に対する補正量d(μm)をd=3.69とし、以後光源側から(n+1)番目の溝の深さFn+1が、n番目の溝の深さFnと導光板の板厚Tを用いてFn+1=((Fn−d)×T/(T−Fn+d))なる関係式を満たすように順次設定して形成した。具体的には、1番目の溝の深さ5.24μm、導光板の板厚800μm、および上式から順次溝の深さを算出した。光源から最も離れた位置に形成された314番目の溝の深さは7.64μmであった。尚、上記溝を構成する2つの斜面部の傾斜角度は、それぞれ急斜面部を45度、緩斜面部を2.87度とした。次に、上記鋳型を用いて、この鋳型と逆凹凸の凹凸形状が一面に形成されたNiからなる金型を作製した。次に、上記金型を用いてアクリル樹脂を射出成形して、(縦)40mm×(横)50mm×(厚さ)0.8mmの導光板を作製した。次に、この導光板の溝と平行な側端面に、白色LEDを備える棒状の光源を配設してフロントライトを作製した。 【0063】上記の工程により得られた本実施例のフロントライトの導光板の一面に形成された溝深さの分布を図9Aに示す。図9Aのグラフの横軸は光源に最も近い溝を1番目とした溝の番号を示し、縦軸は溝番号に対応する溝の深さを示すものである。この図に示すように、本実施例の導光板においては光源から離れた溝ほど溝深さが大きくなり、隣接する溝の溝深さの差が光源から離れるほど大きくなるなるように溝が形成されている。 【0064】次に、本実施例のフロントライトを動作させて導光板の出射面の各部における出射光量の分布を測定した結果を図9Bに示す。図9Bのグラフにおいて横軸は導光板に形成された上記溝を光源に最も近い溝を1番目として示す溝の番号であり、縦軸は光源の光量で規格化されたフロントライトの光出射面からの出射光量を示す。図9Bに示すように、本実施例のフロントライトの出射光量の最大値は入光量を1とした場合、0.00194であり、最小値は0.001844であった。また、出射光量がそれぞれ最大、最小となる位置は、上記溝の位置でそれぞれ1本目、314本目であった。本実施例のフロントライトの出射光量のばらつきを出射光量の最小値と最大値の比で示すと約95%であった。また、平均の出射光量は0.001899であった。また、本実施例のフロントライトの光源の使用効率は、26.0%であった。 【0065】(実施例2)次に、1本目の溝深さを5.25μmとし、n本目の溝深さHn(μm)が、溝番号nと、導光板の板厚800μmと、Hn=(2.8×10-8)n2+5.25となる式を満たすように、上記実施例1と同様の方法にてストライプ状に形成された溝を有する導光板を作製した。尚、本実施例においても各溝のピッチは160μmとし、溝を構成する斜面部の傾斜角度を急斜面部を45度、緩斜面部を2.8度とした。また、最終端(314本目)の溝の溝深さは7.46μmであった。次に、この導光板に上記実施例1と同等の光源を接合一体化してフロントライトを作製した。 【0066】上記の工程により得られた本実施例のフロントライトの導光板の一面に形成された溝深さの分布を図10Aに示す。図10Aのグラフの横軸は光源に最も近い溝を1番目とした溝の番号を示し、縦軸は溝番号に対応する溝の深さを示すものである。この図に示すように、本実施例の導光板においては光源から離れた溝ほど溝深さが大きくなり、隣接する溝の溝深さの差が光源から離れるほど大きくなるなるように溝が形成されている。 【0067】次に、本実施例のフロントライトを動作させて導光板の出射面の各部における出射光量の分布を測定した結果を図10Bに示す。図10Bのグラフにおいて横軸は導光板に形成された上記溝を光源に最も近い溝を1番目として示す溝の番号であり、縦軸は光源の光量で規格化されたフロントライトの光出射面からの出射光量を示す。図10Bに示すように、本実施例のフロントライトの出射光量の最大値は、入光量を1として0.001965であり、出射光量の最小値は0.001813であった。これより、出射光量分布は92.3%であり、平均の出射光量は0.001892であった。また、本実施例のフロントライトの光源の使用効率は25.4%であった。本実施例のフロントライトの出射光量がそれぞれ最大、最小となる位置は上記実施例1とは異なっており、出射光量が最大となる位置は260番目の溝付近であり、最小となる位置は80番目の溝付近であった。 【0068】(実施例3)次に、1本目の溝深さを5.25μmとし、n本目の溝深さHn(μm)が、溝の番号nを用いてHn=((2.36×10-8)n2+(1.6×10-6)n)×800+5.25なる式を満たすように、上記実施例1と同様の方法にてストライプ状の溝を形成して導光板を作製した。尚、本実施例においても各溝のピッチは160μmとし、溝角度を急斜面側を45度、緩斜面側を2.82度とした。また、最終端(314本目)の溝の溝深さは7.51μmであった。次に、この導光板に上記実施例1と同等の光源を接合一体化してフロントライトを作製した。 【0069】上記の工程により得られた本実施例のフロントライトの導光板の一面に形成された溝深さの分布を図11Aに示す。図11Aのグラフの横軸は光源に最も近い溝を1番目とした溝の番号を示し、縦軸は溝番号に対応する溝の深さを示すものである。この図に示すように、本実施例の導光板においては光源から離れた溝ほど溝深さが大きくなり、隣接する溝の溝深さの差が光源から離れるほど大きくなるなるように溝が形成されている。 【0070】次に、本実施例のフロントライトを動作させて導光板の出射面の各部における出射光量の分布を測定した結果を図11Bに示す。図11Bのグラフにおいて横軸は導光板に形成された上記溝を光源に最も近い溝を1番目として示す溝の番号であり、縦軸は光源の光量で規格化されたフロントライトの光出射面からの出射光量を示す。図11Bに示すように、本実施例のフロントライトの出射光量の最大値は0.001984であり、出射光量の最小値は0.001879であった。これより、出射光量分布は94.7%であり、平均の出射光量は0.001934であった。また、本実施例のフロントライトの光源の使用効率は25.9%であった。本実施例のフロントライトの出射光量がそれぞれ最大、最小となる位置は上記実施例1、2とは異なっており、出射光量が最大となる位置は230番目の溝付近であり、最小となる位置は60番目の溝付近であった。 【0071】(比較例1)次に、1本目の溝深さを5.06μmとし、溝深さを1本ごとに0.0056μmずつ深くしてストライプ状の溝を形成して導光板を作製した。尚、本比較例においても各溝の溝ピッチは160μmとし、溝角度は急斜面側を45度、緩斜面側を2.55度とした。また、最終端(314本目)の溝深さは6.82μmであった。次に、この導光板に上記実施例1と同等の光源を接合一体化してフロントライトを作製した。 【0072】上記の工程により得られた本比較例のフロントライトの導光板の一面に形成された溝深さの分布を図12Aに示す。図12Aのグラフの横軸は光源に最も近い溝を1番目とした溝の番号を示し、縦軸は溝番号に対応する溝の深さを示すものである。この図に示すように、本比較例の導光板においては光源から離れた溝ほど溝深さが大きくなるように溝が形成されているが、隣接する溝の溝深さの差は光源からの距離に関わらず0.0056μmで一定である。 【0073】次に、本比較例のフロントライトを動作させて導光板の出射面の各部における出射光量の分布を測定した結果を図12Bに示す。図12Bのグラフにおいて横軸は導光板に形成された上記溝を光源に最も近い溝を1番目として示す溝の番号であり、縦軸は光源の光量で規格化されたフロントライトの光出射面からの出射光量を示す。図12Bに示すように、本比較例のフロントライトの出射光量の最大値は入光量を1として0.001981であり、出射光量の最小値は0.001620であった。これより、出射光量分布は81.8%であり、平均の出射光量は0.001870であった。また、本比較例のフロントライトの光源の使用効率は25.1%であった。本比較例のフロントライトの出射光量がそれぞれ最大、最小となる位置は上記実施例1〜3とは異なっており、出射光量が最大となる位置は120番目の溝付近であり、最小となる位置は314番目の溝の位置であった。 【0074】(比較例2)次に、比較例2として従来の構成の導光板を作製して、フロントライトを作製した。従来の構成の導光板とは、導光板において光が出射される出射面と反対側の対向面に、出射面と傾斜して形成された緩斜面部と、この緩斜面部より急な傾斜角度を有する急斜面部とからなる溝が、ストライプ状に連続して周期的に形成されており、この溝が全て同一の形状で構成されている導光板である。溝の深さを5.66μmとし、溝を構成する急斜面部および緩斜面部の傾斜角度をそれぞれ45度、2.1度としてストライプ状の溝を形成して導光板を作製し、続いてこの導光板に白色LEDを備える棒状の光源を接合一体化してフロントライトを作製した。 【0075】本比較例のフロントライトの導光板の一面に形成された溝深さの分布を図13Aに示す。図13Aのグラフの横軸は光源に最も近い溝を1番目とした溝の番号を示し、縦軸は溝番号に対応する溝の深さを示すものである。この図に示すように、本比較例の導光板の溝の深さは、光源からの距離に関わらず5.66μmで一定である。 【0076】次に、本比較例のフロントライトを動作させて導光板の出射面の各部における出射光量の分布を測定した結果を図13Bに示す。図13Bのグラフにおいて横軸は導光板に形成された上記溝を光源に最も近い溝を1番目として示す溝の番号であり、縦軸は光源の光量で規格化されたフロントライトの光出射面からの出射光量を示す。図13Bに示すように、本比較例のフロントライトの出射光量の最大値は入光量を1として0.002464であり、出射光量の最小値は0.001138であった。これより、出射光量分布は46.2%であり、平均の出射光量は0.001717であった。また、本比較例のフロントライトの光源の使用効率は23.0%であった。本実施例のフロントライトの出射光量が最大となる位置は1番目の溝の位置であり、最小となる位置は314番目の溝の位置であった。 【0077】(比較例3)次に、溝深さを4.49μm、緩斜面部の傾斜角度を1.65度とした以外は上記比較例2と同様の構成のフロントライトを作製した。本比較例のフロントライトの導光板の一面に形成された溝深さの分布を図14Aに示す。図14Aのグラフの横軸は光源に最も近い溝を1番目とした溝の番号を示し、縦軸は溝番号に対応する溝の深さを示すものである。この図に示すように、本比較例の導光板の溝の深さは、光源からの距離に関わらず4.49μmで一定である。 【0078】次に、本比較例のフロントライトを動作させて導光板の出射面の各部における出射光量の分布を測定した結果を図14Bに示す。図14Bのグラフにおいて横軸は導光板に形成された上記溝を光源に最も近い溝を1番目として示す溝の番号であり、縦軸は光源の光量で規格化されたフロントライトの光出射面からの出射光量を示す。図14Bに示すように、本比較例のフロントライトの出射光量の最大値は入光量を1として0.001000であり、出射光量の最小値は0.000731であった。これより、出射光量分布は73.1%であり、平均の出射光量は0.000859であった。また、本比較例のフロントライトの光源の使用効率は11.5%であった。本実施例のフロントライトの出射光量が最大となる位置は1番目の溝の位置であり、最小となる位置は314番目の溝の位置であった。 【0079】以上の実施例1〜実施例3のフロントライトの出射光分布の測定結果をまとめて以下の表に示す。
【0080】上記の表から本発明の実施例1〜3のフロントライトは、いずれも出射光量の最大値と最小値の比である出射光量分布において90%以上を実現しており、平均出射光量においても従来の構成のフロントライトである比較例2のフロントライトと比較して10%程度向上している。また、実施例1〜3と比較例1とを比較すると、これらのフロントライトはいずれも光源から離れた溝ほど溝の深さが大きくなるように溝が形成された導光板を備えているが、平均出射光量、出射光量分布ともに実施例1〜3のフロントライトの方が優れる結果となっている。これは、実施例1〜3のフロントライトの導光板においては隣接する溝の深さの差が光源から離れるほど大きくなるように溝が形成されているのに対し、比較例1のフロントライトの導光板においては、隣接する溝の深さの差が一定であり、光源から離れた位置における出射光量が不足しているためであると考えられる。 【0081】比較例2と比較例3のフロントライトを比較すると、溝深さを浅くした比較例3のフロントライトは、出射光量分布のみ73%と改善されているものの、平均出射光量が約半分にまで落ち込んでいる。このことから溝深さの分布を変化させずに出射光量分布を改善した場合には、平均出射光量が低下することが確認された。これに対して、実施例1〜3のフロントライトは、比較例2と比較して平均出射光量、出射光量分布ともに改善されており、本発明の格別な効果を確認することができる。 【0082】 【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、光源と、該光源からの光を端面から入射して出射面から出射させる構造を有する導光板とを備え、前記出射面と反対側の対向面に、複数の溝がストライプ状に形成されており、前記複数の溝のうち、光源からの距離が大きい溝ほど深く形成されており、かつ隣接する溝の深さの差が、光源からの距離が大きい溝ほど大きくなるように形成されているので、光源から離れた位置での出射光量を増大させて出射光量分布に優れた面発光装置を提供することができる。 【0083】次に、本発明にかかる面発光装置において、前記複数の溝のうち、光源側から(n+1)番目の溝の深さHn+1が、前記導光板の板厚Tと、n番目の溝の深さHnとを用いて、Hn+1=Hn×T/(T−Hn)なる関係を満たすようにするならば、導光板の内部を伝搬する光のうち、各溝によって反射される光量を、各溝で均一にすることができるので、出射面における出射光量を均一にすることができる。 【0084】次に、本発明にかかる面発光装置において、前記複数の溝のうち、前記光源からn番目の溝の深さHn(μm)が、溝の番号nと、係数aと、導光板の板厚T(μm)と、1本目の溝深さH1(μm)を用いて、Hn=an2T+H1なる式で示され、前記係数aが、1.0×10-8以上5.0×10-8以下であるように溝の深さを設定するならば、出射面における出射光量分布を均一にすることができる。 【0085】次に、本発明にかかる面発光装置において、前記複数の溝のうち、前記光源からn番目の溝の深さHn(μm)が、溝の番号nと、係数a、bと、導光板の板厚T(μm)と、1本目の溝深さH1(μm)を用いて、Hn=(an2+bn)×T+H1なる式で示されており、前記係数aが、1.0×10-8以上5.0×10-8以下であり、前記係数bが、1.0×10-6以上3.0×10-6以下であるように溝の深さを設定しても、出射面における出射光量分布を均一にすることができる。 【0086】次に、本発明にかかる面発光装置において、前記複数の溝のうち、光源からn番目の溝の深さFnが、該Fnのうち光の出射に寄与する実効部分Hnと、該Hn以外の部分である無効部分dとの和(Hn+d)で示されており、光源から(n+1)番目の溝の深さFn+1が、導光板の板厚Tと、前記無効部分dを用いてFn+1=((Fn−d)×T/(T−Fn+d))+dなる式で示されるように溝の深さを設定するならば、射出成形によって導光板を作製する際の面ダレ等の成形不良による溝の反射効率の低下を補正したうえで各溝による出射光量を決定することができるので、出射面における出射光量分布をより均一にすることができる。 【0087】次に、本発明にかかる面発光装置の製造方法によれば、鋳型用基材の一面に所定のピッチで平面加工を施し、該平面加工により前記鋳型用基材の表面に前記ピッチで形成された段差部に溝加工用のダイヤモンドカッターの先端を位置決めして複数の溝をストライプ状に形成して鋳型を作製する工程と、該鋳型から金型を作製する工程と、該金型を用いた射出成形により導光板を作製する工程と、該導光板に光源を配設する工程とを含み、前記溝を形成する工程において、光源からの距離が大きい溝ほど深く形成され、かつ隣接する溝の深さの差を光源からの距離が大きい溝ほど大きくなるように形成するので、出射面における出射光量を均一化した、視認性に優れる面発光装置を製造することができる。 【0088】次に、本発明にかかる面発光装置の製造方法において、金型用基材の一面に所定のピッチで平面加工を施し、該平面加工により前記金型用基材の表面に前記ピッチで形成された段差部に溝加工用のダイヤモンドカッターの先端を位置決めして複数のみ度をストライプ状に形成して金型を作製する工程と、該金型を用いた射出成形により導光板を作製する工程と、該導光板に光源を配設する工程とを含み、前記溝を形成する工程において、光源からの距離が大きい溝ほど深く形成され、かつ隣接する溝の深さの差を光源からの距離が大きい溝ほど大きくなるように形成する製造方法とするならば、鋳型を介さずに金型を作製することができるので、工数の削減による製造コストの低減を図ることができる。 【0089】次に、本発明にかかる面発光装置の製造方法において、前記複数の溝のうち光源からn番目の溝の深さFnが、該Fnのうち光の出射に寄与する実効部分Hnと、該Hn以外の部分である無効部分dとの和(Hn+d)で示されており、光源から(n+1)番目の溝の深さFn+1が、n番目の溝の深さFnと導光板の板厚Tとを用いてFn+1=((Fn−d)×T/(T−Fn+d))+dなる式で示されるように前記複数の溝を形成するならば、出射面における出射光量分布がより均一な面発光装置を製造することができる。 【0090】次に、本発明にかかる面発光装置の製造方法において、前記複数の溝のうち光源からn番目の溝の深さHn(μm)が、1.0×10-8以上5.0×10-8以下の係数aと、導光板の板厚T(μm)と、1本目の溝深さH1(μm)を用いて示されるHn=an2T+H1なる式を満たすように前記複数の溝を形成しても、出射面における出射光量分布が均一な面発光装置を製造することができる。 【0091】次に、本発明にかかる面発光装置の製造方法において、前記複数の溝のうち光源からn番目の溝の深さHn(μm)が、1.0×10-8以上5.0×10-8以下の係数aと、1.0×10-6以上3.0×10-6以下の係数bと、導光板の板厚T(μm)と、1本目の溝深さH1(μm)とを用いて示されるHn=(an2+bn)×T+H1なる式を満たすように前記複数の溝を形成しても、出射面における出射光量分布が均一な面発光装置を製造することができる。 【0092】次に、本発明に係る液晶表示装置によれば、本発明の面発光装置を備えているため、光源から離れた位置であっても面発光装置からの照明光を十分に得ることができる。そのため、表示領域全体で均一な明るさの表示が可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000010098 【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月14日(2000.12.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−184223(P2002−184223A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月28日(2002.6.28) |
| 【出願番号】 |
特願2000−380740(P2000−380740) |
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