| 【発明の名称】 |
蛍光カバー及び半導体発光装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】川栄 裕之
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| 【要約】 |
【課題】半導体発光装置の輝度及び演色性を向上する。
【解決手段】本発明による蛍光カバー(9)は、弾性及び光透過性を有する樹脂製の基材(12)と、基材(12)中に添加された蛍光体(11)とを有し、蛍光体(11)は、下記の何れかの一般式であり、蛍光体(11)で波長変換される光は、赤色系発光となる波長成分の新たな発光ピーク及び十分な輝度が得られ、演色性が向上する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弾性及び光透過性を有する樹脂製の基材と、基材中に添加された蛍光体とを有し、前記蛍光体は、下記の何れかの一般式:(1) R3M5O12:Ce、Prで表される蛍光粒子であり、Rはイットリウム(Y)及びガドリニウム(Gd)のうちの少なくともいずれか1つの元素、Mはアルミニウム(Al)及びガリウム(Ga)のうちの少なくともいずれか1つの元素である、(2) (Y1-x、Gdx)3(Al1-y、Gay)5O12:Cez、Prwで表される蛍光粒子であり、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.001≦z≦0.5及び0.001≦w≦0.5であることを特徴とする蛍光カバー。 【請求項2】 前記基材は、透光性のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン、ナイロン、シリコーン樹脂、塩化ビニル、ポリスチロール、ベークライト、CR39(アクリル・グリコール・カーボネート樹脂)の1種又は2種以上から選択される請求項1に記載の蛍光カバー。 【請求項3】 Mはアルミニウム(Al)の元素である請求項1又は2に記載の蛍光カバー。 【請求項4】 y=0である請求項1又は2に記載の蛍光カバー。 【請求項5】 前記蛍光体は、波長が430〜530nmに発光ピークを有する励起光により励起されて、赤色の特殊演色評価数が増大する請求項1〜4の何れか1項に記載の蛍光カバー。 【請求項6】 青色光を発光する半導体発光素子と、該半導体発光素子を封止する樹脂封止体と、該樹脂封止体に装着され且つ請求項1〜5の何れか1項に記載された蛍光カバーとを有し、該蛍光カバーの基材に添加された蛍光体は、前記半導体発光素子から照射される光の少なくとも一部を吸収して、前記半導体発光素子から照射される光の波長よりも長い波長の光を放出することを特徴とする半導体発光装置。 【請求項7】 前記半導体発光素子は、窒化物系化合物半導体から成る請求項6に記載の半導体発光装置。 【請求項8】 前記半導体発光素子は、青色発光を生ずる窒化物系化合物半導体から成り、前記半導体発光素子からの発光と前記蛍光体からの発光とが混色して、前記樹脂封止体の外部に白色系の光が導出される請求項6又は7に記載の半導体発光装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、半導体発光素子から発光された光を波長変換して外部に放射する蛍光カバー及び半導体発光装置に属する。 【0002】 【従来の技術】例えば、特開平10−200165号公報は、光透過性樹脂から構成される樹脂封止体によって半導体発光素子を被覆し、発光波長変換部材の蛍光体を含有するキャップ(蛍光カバー)で樹脂封止体を覆うことにより、半導体発光素子から照射される光を蛍光体によって波長変換して樹脂封止体の外部に放出する半導体発光装置を開示している。また、特許2927279号は、発光層をGaN、GaAlN、InGaN、InGaAlN等の窒化物系化合物半導体で形成した発光素子と、セリウム賦活のイットリウム・アルミン酸塩系蛍光体から成る発光波長変換部材とを組み合わせた半導体発光装置を示す。この半導体発光装置は白色系の光を放出し、且つ白熱電球や蛍光灯に比べて構造が簡単であり、消費電力が少なく長寿命である利点を有する。また、この半導体発光装置には、水銀等の環境汚染物質を使用しない優れた特徴があり、環境面からも次世代照明装置として大いに期待される。 【0003】特許2927279号に示される半導体発光装置では、発光層が窒化物系化合物半導体から成り発光スペクトルが400〜530nmの単色性ピーク波長を有する青色発光素子を備え、青色発光素子を被覆するモールド部材中に、セリウム賦活のイットリウム・アルミン酸塩系蛍光体から成る発光波長変換部材として(RE1-xSmx)3(AlyGa1-y)5O12:Ce[但し、0≦x≦1,0≦y≦1、REは、Y、Gdから選択される少なくとも1種]を含有させる。この半導体発光装置では、発光素子からモールド部材を透過する光は、モールド部材中の蛍光体によって波長変換され、モールド部材の外部に白色系の発光を取り出すことができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前記のように、従来の白色系半導体発光装置では、発光波長変換部材として使用されるセリウム賦活のイットリウム・アルミン酸塩系蛍光体では、青色系の光に励起されて発光する光の成分の中に赤色領域での発光成分は比較的少ないため、発光ダイオード装置の良好な演色性を得られないことが判明した。「演色性(color rendering properties)」とは、発光ダイオード装置が物体に光を照射したとき、その物体の色(物体色)の見え方に及ぼす光の影響を表す特性のことである。物体色は、その物体表面での固有の反射率のスペクトル分布と、その物体を照射する照明光のスペクトル分布とによって決定される。例えば、赤色の物体に光を照射した場合、太陽光や白熱電球の下では相対的に鮮やかな赤色に見えるのに対し、家庭用蛍光灯の下ではややどす黒く変色して見える。これは太陽光や白熱電球に比べ、家庭用蛍光灯のスペクトルに含まれる赤色光成分が相対的に少ないために、被照射物からの赤成分の反射光が少なく暗く見えることに起因する。このように照明光の演色性とは、どの程度自然に、その物体の持つ本来の物体色を表現できるかの特性であり照明光として重要な特性の一つである。 【0005】従って、セリウム賦活のイットリウム・アルミン酸塩系蛍光体を使用する従来の白色系半導体発光装置では、発光波長変換部材の発光成分の内、特に赤色成分が少ないために、この半導体発光装置の光で対象となる物体を照らしても、その物体が本来持つ固有の色彩を正確に目視できない問題があった。そこで、本発明は、演色性に優れた蛍光カバー及び半導体発光装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明による蛍光カバーは、弾性及び光透過性を有する樹脂製の基材(12)と、基材(12)中に添加された蛍光体(11)とを有し、蛍光体(11)は、下記の何れかの一般式である。 (1) R3M5O12:Ce、Prで表される蛍光粒子である。Rはイットリウム(Y)及びガドリニウム(Gd)のうちの少なくともいずれか1つの元素、Mはアルミニウム(Al)及びガリウム(Ga)のうちの少なくともいずれか1つの元素であるため、赤色系発光となる波長成分の新たな発光ピーク及び十分な輝度が得られ、演色性が向上する。 (2) (Y1-x、Gdx)3(Al1-y、Gay)5O12:Cez、Prwで表される蛍光粒子である。0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.001≦z≦0.5及び0.001≦w≦0.5の範囲を選択すると、赤色系発光となる波長成分の新たな発光ピーク及び十分な輝度が得られ、十分な輝度の白色光により演色性も向上する。この場合、x値が0.5より大きいとGdの割合が増大して、輝度が低下するおそれがあるため、0≦x≦0.5がよい。また、y値が0.5より大きいと、Gaの割合が増大して、輝度が低下するおそれがあるため、0≦y≦0.5がよい。また、z値が0.001より小さいと賦活剤のCeの割合が低下して輝度が減少する反面、z値が0.5より大きいと賦活剤の濃度の増大により発光強度が低下する濃度消光が生じて輝度が低下するおそれがあるため、0.001≦z≦0.5が好適である。更に、w値が0.001より少ないとPrの割合が減少して赤色系発光の波長成分のピーク強度が低下する反面、w値が0.5より大きいと輝度が低下するおそれがあるため、0.001≦w≦0.5がよい。 【0007】本発明の実施の形態では、基材(12)は、透光性のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン、ナイロン、シリコーン樹脂、塩化ビニル、ポリスチロール、ベークライト、CR39(アクリル・グリコール・カーボネート樹脂)の1種又は2種以上から選択される。一般式中、Mがアルミニウム(Al)の元素であると、輝度が増大すると共に、赤色系発光の波長成分の新たな発光ピークの強度が増大し、演色性の向上がより発揮される。y=0とすると、Gaの不存在により、輝度が増大するとともに、赤色系発光の波長成分の新たな発光ピークの強度が増大する。 【0008】波長が430〜530nmに発光ピークを有する励起光により励起されて、赤色の特殊演色評価数が増大する蛍光体(11)を使用することにより、蛍光体(11)が十分に励起されて高輝度が得られると共に、赤色系発光の波長成分の新たな発光ピークの強度が増大する。例えば半導体発光素子(5)として青色系の光を放出する窒化物系化合物半導体発光素子を使用するとき、蛍光体(11)により波長変換された光と半導体発光素子(5)から直接外部に放出された光とが合成され、混色により良好な白色光及び演色性が得られる。ピーク波長が430nmより短いか又は530nmより長いと、蛍光体が十分に励起されず、白色発光の輝度が向上せず赤色の特殊演色評価数が増大しないので、430〜530nmのピーク波長を有する半導体発光素子(5)を用いる。 【0009】本発明による半導体発光装置は、青色光を発光する半導体発光素子(5)と、半導体発光素子(5)を封止する樹脂封止体(7)と、樹脂封止体(7)に装着され且つ前記蛍光カバー(9)とを有し、蛍光カバー(9)の基材(12)に添加された蛍光体(11)は、半導体発光素子(5)から照射される光の少なくとも一部を吸収して、半導体発光素子(5)から照射される光の波長よりも長い波長の光を放出する。 【0010】本発明の実施の形態では、半導体発光素子(5)は、発光層が少なくとも窒化物系化合物半導体から成る。半導体発光素子(5)は、青色発光を生ずる発光層が少なくとも窒化物系化合物半導体から成り、半導体発光素子(5)からの発光と蛍光体(11)からの発光とが混色して、樹脂封止体(7)の外部に白色系の光が導出される。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明による蛍光カバー及び半導体発光装置の実施の形態を図1〜図6について説明する。図1及び図2に示すように、本実施の形態による蛍光カバー(9)は、円筒状のカバー本体(9a)と、カバー本体(9a)に一体に半球状に形成された球面部(9b)とを備えている。円筒状カバー本体(9a)及び球面部(9b)は、それぞれ図3に示す樹脂封止体(7)の封止部(7a)及びレンズ部(7b)に合致する形状を有する。また、蛍光カバー(9)の内面(9d)が樹脂封止体(7)と同一の形状を有するので、カバー本体(9a)の一端に設けられた開口部(9c)を通じて、蛍光カバー(9)を樹脂封止体(7)に装着すると、蛍光カバー(9)の内面(9d)は樹脂封止体(7)の外面に密着する。即ち、蛍光カバー(9)のカバー本体(9a)と球面部(9b)とはそれぞれ樹脂封止体(7)の封止部(7a)とレンズ部(7b)に密着して装着されるので、装着後に振動等の外力が蛍光カバー(9)に加えられても蛍光カバー(9)は樹脂封止体(7)から容易には離脱しない。 【0012】蛍光カバー(9)は、図3に示す半導体発光素子(5)の発光によって励起されて蛍光を発する蛍光体(11)が樹脂製の基材(12)中に添加されている。蛍光体(11)は、ガーネット構造を有するイットリウム・アルミン酸塩系の蛍光体で、賦活剤にセリウム(Ce)、共賦活剤にプラセオジム(Pr:Praseodymium)をドープしたR3M5O12:Ce、Prの一般式で表される。Rはイットリウム(Y)及びガドリニウム(Gd)のうちの1元素又は2元素であり、Mはアルミニウム(Al)及びガリウム(Ga)のうちの1元素又は2元素である。特に(Y1-x、Gdx)3(Al1-y、Gay)5O12:Cez、Prwの一般式で表される蛍光体で、0≦x≦0.5、0≦y≦0.5、0.001≦z≦0.5及び0.001≦w≦0.5の範囲がよい。本実施の形態では、Mはアルミニウム元素でありY=0である。 【0013】基材(12)は透光性のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン、ナイロン、シリコーン樹脂、塩化ビニル、ポリスチロール、ベークライト、CR39(アクリル・グリコール・カーボネート樹脂)等から選択される。ウレタン、ナイロン、シリコーン樹脂は蛍光カバー(9)にある程度の弾力性を付与するため、樹脂封止体(7)への装着が容易であると共に密着性が高まる。 【0014】前記蛍光カバー(9)を用いた半導体発光装置の第1の実施の形態を図3により説明する。図3に示す半導体発光装置であるLED(半導体発光ダイオード)(8)は、第1の配線導体(2)及び第2の配線導体(4)と、第1及び第2の配線導体(2,4)間にボンディングワイヤ(6)で電気的に接続され且つ第1の配線導体(2)のカップ部(1)に接着剤(15)で固着された半導体発光素子(5)と、第1及び第2の配線導体(2, 4)の一端、ボンディングワイヤ(6)及び半導体発光素子(5)を封止する樹脂封止体(7)と、樹脂封止体(7)に装着された透光性の前記蛍光カバー(9)とを備える。半導体発光素子(5)から照射された光は、第1の配線導体(2)の上部に形成されたカップ部(1)の側面及び樹脂封止体(7)のレンズ部(7b)によって集光して、樹脂封止体(7)外に放出される。放出された光が蛍光カバー(9)内の蛍光体(11)で励起され、半導体発光素子(5)から生ずる光と異なる波長の光がLED(8)の外部に取り出される。 【0015】樹脂封止体(7)は、周知のトランスファモールド法又はキャスティング法によって形成され、円柱状の封止部(7a)と、封止部(7a)の一端側にこれと一体に形成されたほぼ半球状のレンズ部(7b)とを有する。樹脂封止体(7)は光透過性を有する例えばエポキシ系樹脂等を主成分とし、これにシリカ等から成る散乱剤が混入され、若干の非発光物質の顔料が添加される場合もある。 【0016】半導体発光素子(5)は、430〜480nm付近に発光ピークを有する青色系発光色を生ずるGaN系の半導体発光素子(5)を用いる。半導体発光素子(5)から発光した光は、樹脂封止体(7)を介して蛍光カバー(9)中の蛍光体(11)へ照射される。このとき、蛍光体(11)は励起され500〜600nm付近に発光ピークを有する白色光に波長変換され、波長変換された光は波長変換されない光と共に蛍光カバー(9)の外部に取り出される。本実施の形態では、蛍光体(11)が樹脂封止体(7)中に添加されずに蛍光カバー(9)にのみ添加されるので、樹脂封止体(7)内では蛍光体(11)による光散乱が生じない。また、蛍光カバー(9)を十分に肉薄のフィルム状に形成するので、蛍光カバー(9)内でも蛍光体(11)による光散乱は比較的小さい。このため、カップ部(1)及びレンズ部(7b)の形状等によって所望の光指向性が得られ、波長変換に伴う輝度の低下を最小限に抑制することができる。 【0017】本実施の形態のLED(8)は、蛍光体(11)を含む樹脂の射出成形により所定の形状に形成した蛍光カバー(9)を樹脂封止体(7)に被着することにより簡単に完成できる。即ち、LED(8)の樹脂封止体(7)に対し、蛍光カバー(9)を交換可能に被着できる。特に、蛍光カバー(9)は弾力性を有するため、市販のLED(8)の樹脂封止体(7)に容易に被着することができる。また、蛍光カバー(9)は弾力性を有すると同時に樹脂封止体(7)と同一の形状の内面を有するので、樹脂封止体(7)の表面に密着して樹脂封止体(7)と蛍光カバー(9)との間での空気層の形成を防止できる。更に、蛍光カバー(9)の弾力性により、樹脂封止体(7)に被着した後、振動等の外力が蛍光カバー(9)に加えられても蛍光カバー(9)は樹脂封止体(7)から容易には離脱しない。 【0018】次に、本発明による第2の実施の形態を図4に示す。図4に示すLED(8)では、蛍光カバー(9)の厚さが球面部(9b)の頂点で最も厚く、円筒状のカバー本体(9a)に近づくに従い次第に薄く形成される。樹脂封止体(7)の円柱状の封止部(7a)から放出される光に比べ、レンズ部(7b)から放出される光がより強いため、均一な厚さの蛍光カバー(9)に蛍光体(11)が均一に分散されると、蛍光体(11)で波長変換して外部に放出される光の割合が球面部(9b)とカバー本体(9a)とで相違し、LED(8)から放出される光が色のばらつきを生じる。このため、図4に示すように、蛍光カバー(9)の球面部(9b)を厚くして、LED(8)の発光色の均一化を図っている。 【0019】図4に示すLED(8)では、蛍光カバー(9)の厚さを球面部(9b)の頂点で最も厚く形成したが、蛍光カバー(9)の厚さを全て均一にし、基材(12)中の蛍光体(11)の含有密度をカバー本体(9a)から球面部(9b)に従い増加させて蛍光カバー(9)を形成してもよい。 【0020】図5は、絶縁性基板(14)を使用するチップ形のLED(8)に適用した本発明による第3の実施の形態を示す。図5のチップ形のLED(8)は、一方の主面にカップ部(1)が形成された基体となる絶縁性基板(14)と、絶縁性基板(14)に相互に離間して形成された第1の配線導体(2)及び第2の配線導体(4)と、第1の配線導体(2)のカップ部(1)に接着剤(15)を介して固着された半導体発光素子(5)と、半導体発光素子(5)と第1及び第2の配線導体(2, 4)の各々とを電気的に接続するボンディングワイヤ(6)と、カップ部(1)内に充填され半導体発光素子(5)及びボンディングワイヤ(6)の端部を被覆するコーティング(16)と、絶縁性基板(14)の一方の主面に形成され且つコーティング(16)の外側を被覆する台形状断面の樹脂封止体(7)とを備える。樹脂封止体(7)の外側には、樹脂封止体(7)と同一の形状の内面を有し且つ交換可能に樹脂封止体(7)に被着された蛍光カバー(9)を備える。 【0021】図5に示す第3の実施の形態では、半導体発光素子(5)から照射された光はコーティング(16)、樹脂封止体(7)及び蛍光カバー(9)を通じて外部に放出される。このとき、蛍光カバー(9)に達した光の一部は、蛍光カバー(9)内の蛍光体(11)で異なる波長に波長変換され、波長変換されない光と混合されて外部に放出される。また、図6のチップ形のLED(8)は第4の実施の形態を示し、図5に示す第3の実施の形態と同様の作用効果が得られる。 【0022】図3〜図6に示す第1〜第4の実施の形態では下記の作用効果が得られる。 <1> 蛍光体(11)が蛍光カバー(9)に添加され、樹脂封止体(7)中には添加されないので、樹脂封止体(7)内では蛍光体による光散乱が生じない。 <2> また、十分に肉薄なフィルム状の蛍光カバー(9)内では蛍光体(11)による光散乱は比較的小さい。このため、カップ部(1)及び樹脂封止体(7)のレンズ部(7b)の形状等によって所望の光指向性が得られ、波長変換に伴う輝度の低下を最小限に抑制することができる。 <3> 蛍光カバー(9)によって市販の半導体発光素子(5)から生ずる光とは異なる波長の光を取り出すことができる。 <4> 蛍光カバー(9)を容易に交換して異なる波長の光を取り出すことができる。 <5> 複数種の蛍光体(11)を蛍光カバー(9)に混合することにより所望の混合色又は中間色の光を取り出すことができる。 <6> 蛍光カバー(9)が樹脂封止体(7)に密着して装着されるので、装着後に振動等の外力が蛍光カバー(9)に加えられても蛍光カバー(9)は樹脂封止体(7)から容易には離脱しない。 <7> 市販の半導体発光素子(5)に蛍光カバー(9)を被着できるので、半導体発光装置を安価に製造することができる。 【0023】本発明の前記実施の形態は変更が可能である。例えば、前記実施の形態では蛍光カバー(9)にのみ蛍光体(11)を含有させたが、LED(8)の樹脂封止体(7)中にも、蛍光カバー(9)による光変換を補助する少量の蛍光体(11)を添加してもよい。但し、樹脂封止体(7)中に蛍光体(11)を添加すると、発光輝度が低下するので前記実施の形態のように、蛍光カバー(9)のみに蛍光体(11)を添加するのが望ましい。前記実施の形態では、蛍光カバー(9)内に蛍光体(11)のみ添加したが、蛍光カバー(9)内に蛍光体(11)と共に蛍光増感剤を混合してもよい。また、前記実施の形態では、樹脂封止体(7)全体に蛍光カバー(9)を被着したが、樹脂封止体(7)のレンズ部(7b)のみに蛍光カバー(9)を部分的に被着してもよい。更に、樹脂封止体(7)と蛍光カバー(9)との間に空気層が形成されることを防止するため、蛍光カバー(9)に小さな孔を複数個形成してもよい。この場合、蛍光体(11)によって波長変換された光と、孔を通じて放出される半導体発光素子(5)からの光との混合色を観察することができる。樹脂封止体(7)と蛍光カバー(9)との間に透光性の接着剤を充填して、樹脂封止体(7)と蛍光カバー(9)との間の空気層を除去して発光効率を向上してもよい。 【0024】 【発明の効果】前記のように本発明による蛍光カバー及び半導体発光装置では、赤色系発光成分となる新たな発光波長ピークを生じて、演色性に優れ且つ十分な発光輝度で赤色を帯びた発光を生ずる。特に、青色系の光を放出する半導体発光素子を使用すると、混色により十分な輝度の白色光が得られると共に、演色性に優れた白色系半導体発光装置を実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000106276 【氏名又は名称】サンケン電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年10月25日(2000.10.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082049 【弁理士】 【氏名又は名称】清水 敬一
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| 【公開番号】 |
特開2002−133925(P2002−133925A) |
| 【公開日】 |
平成14年5月10日(2002.5.10) |
| 【出願番号】 |
特願2000−325156(P2000−325156) |
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