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【発明の名称】 照明器具
【発明者】 【氏名】山下 浩司

【氏名】福盛 律之

【要約】 【課題】新たに部品を追加することなくトンネル内又は冷蔵庫内又は寒冷地などの低温状況下において速やかに放電灯を始動、点灯させることができる照明器具を提供することである。

【解決手段】複数の放電灯4a、4bと、放電灯4a、4bの点灯動作を行う複数のインバータ点灯装置5a、5bとを有し、少なくとも1灯の放電灯4aを点灯させるようにした照明器具1において、点灯させる放電灯4a又は該放電灯のインバータ点灯装置5a近傍に他の放電灯4bのインバータ点灯装置5bを配置した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の放電灯と、前記放電灯の点灯動作を行う複数のインバータ点灯装置とを有し、少なくとも1灯の放電灯を点灯させるようにした照明器具において、点灯させる放電灯又は該放電灯のインバータ点灯装置近傍に他の放電灯のインバータ点灯装置を配置したことを特徴とする照明器具。
【請求項2】 他の放電灯近傍に点灯させる放電灯のインバータ点灯装置を配置したことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】 点灯させる放電灯のインバータ点灯装置は他の放電灯の最零点近傍に配置し、他の放電灯のインバータ点灯装置は点灯させる放電灯の最高温度点近傍に配置したことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項4】 点灯させる放電灯が異常となった場合に他の放電灯を点灯させる手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項5】 反射板を放電灯とインバータ点灯装置との間に配置した照明器具において、前記反射板とインバータ点灯装置との間に伝熱性のある手段を配置したことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、照明器具に関するものであり、更に詳しくはトンネル内又は冷蔵庫内又は寒冷地などの低温状況下で用いられる照明器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トンネル内の照明の光源として一般的にナトリウム灯が用いられている。低圧ナトリウム灯はランプの発光効率が高く、単色光のため物体がシャープに見えるという特長があるが、演色性が悪く物体の色判別が難しいという問題点があった。
【0003】そこで近年、低圧ナトリウム灯に替わる光源として高圧ナトリウム灯が使用されてきている。高圧ナトリウム灯は、低圧ナトリウム灯と比較して発光効率は多少低くなるが、演色性は良く物体の色識別が容易である。このランプはトンネル内をカメラで監視する場合に用いられることがある。
【0004】最近になって、さらに演色性が良い光源としてインバータ専用の高周波専用放電灯が用いられる場合もある。水銀放電灯等の従来の放電灯は発光効率の面で低圧ナトリウム灯に劣るためトンネル内の照明の光源には不向きであったが、インバータ専用の高周波専用放電灯は発光効率も低圧ナトリウム灯と同程度まで向上されており、演色性においては高圧ナトリウム灯よりもさらに良く、一段と物体の色識別が容易である。
【0005】ところが、トンネル内又は冷蔵庫内又は寒冷地などのような、常温と比較して低温状況下にある場合には、上述の低圧ナトリウム灯、高圧ナトリウム灯、高周波専用放電灯といったいずれの放電灯も、極端に光束が低下して、所望の照度が得られなくなってしまう。又、放電灯の始動性も悪化してしまう。さらに、周囲温度が、放電灯を点灯させるインバータ点灯装置に使用される電子部品の動作温度下限を下回った場合には、インバータ点灯装置は動作困難となり、放電灯が点灯できなくなってしまう。
【0006】この低温状況下での問題を解決するため、特開平9−282918号公報に開示されているように、放電灯を予熱するためのバルブを設ける提案がなされている。これによれば、低温状況下で放電灯を始動、点灯させようとした場合、点灯させたバルブの発熱が放電灯に伝わり、点灯前に放電灯すでに温められることにより、放電灯の始動性を向上させることができる。
【0007】しかしながら、上述のようにバルブを設けた場合、放電灯の予熱のために新たに部品を追加しなければならず、大型化してしまうという問題が生じてしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記全ての問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、新たに部品を追加することなくトンネル内又は冷蔵庫内又は寒冷地などの低温状況下において速やかに放電灯を始動、点灯させることができる照明器具を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成するために、複数の放電灯と、前記放電灯の点灯動作を行う複数のインバータ点灯装置とを有し、少なくとも1灯の放電灯を点灯させるようにした照明器具において、点灯させる放電灯又は該放電灯のインバータ点灯装置近傍に他の放電灯のインバータ点灯装置を配置したことを特徴とするものである。
【0010】請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の発明において、他の放電灯近傍に点灯させる放電灯のインバータ点灯装置を配置したことを特徴とするものである。
【0011】請求項3記載の発明にあっては、請求項1記載の発明において、点灯させる放電灯のインバータ点灯装置は他の放電灯の最零点近傍に配置し、他の放電灯のインバータ点灯装置は点灯させる放電灯の最高温度点近傍に配置したことを特徴とするものである。
【0012】請求項4記載の発明にあっては、請求項1記載の発明において、点灯させる放電灯が異常となった場合に他の放電灯を点灯させる手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】請求項5記載の発明にあっては、請求項1記載の発明において、反射板を放電灯とインバータ点灯装置との間に配置した照明器具において、前記反射板とインバータ点灯装置との間に伝熱性のある手段を配置したことを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)発明の第1の実施の形態に係る照明器具1の斜視図を図1に示す。照明器具1は、照明器具本体2と、反射板3a、3bと、直管の放電灯4a、4bと、インバータ点灯装置5a、5bとから構成される。
【0015】照明器具本体2は、上面と、4つの側面と、下方に透光開口した底面とを有する略直方体の形状を有する。照明器具本体2内部には、反射板3a、3bと、放電灯4a、4bと、インバータ点灯装置5a、5bとが収納されている。反射板3a、3bは、短手方向の断面形状が半円を有し、下方に反射光を照射するために、それぞれ放電灯4a、4bの上部を覆うように配置されている。インバータ点灯装置5a、5bは、両方とも放電灯4a近傍の反射板3aの一部分に近接するように配置されている。
【0016】以下、簡単に動作について説明する。
【0017】電力供給することにより、インバータ点灯装置4a、4bが放電灯4a、4bの各電極間で電子の流れを起こして放電を始動させて、放電灯4a、4bは点灯する。放電灯4a、4bの点灯後、インバータ点灯装置5a、5bは、放電灯4a、4bの各電極間で増大する電流を抑制しつつ、放電の持続を図っている。放電灯4a、4bから発する光は、直接光又は反射板3a、3bに反射して得られる間接光として、周囲環境に照射される。通常、常温状況下では、放電灯4aは点灯動作を保ち、放電灯4bは点滅動作を繰り返している。ここで、低温状況下で、例えば、夜間時の省エネルギー等のために放電灯4bを消灯させて、放電灯4aのみを点灯させる場合、放電灯4aとインバータ点灯装置5aとは動作しているので、共に熱を発している。インバータ点灯装置5bは放電灯4a近傍の反射板3aの一部分に配置されているので、インバータ点灯装置5bは動作していないにも拘らず放電灯4a及びインバータ点灯装置5aの熱を受けて温められる。
【0018】以上のように構成することにより、低温状況下で、放電灯4bを再点灯させる時、インバータ点灯装置5bやインバータ点灯装置5bに使用される部品自体もすでに温められているので、放電灯4bを速やかに始動、点灯させることができる。
【0019】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態に係る照明器具1の斜視図を図2に示す。前記第1の実施の形態と異なる点は、インバータ点灯装置5aを放電灯4b近傍の反射板3bの一部分に近接するように配置したことであり、その他の前記第1の実施の形態と同一構成については同一符号を付してその説明を省略する。
【0020】低温状況下で、放電灯4bを消灯させて、放電灯4aのみを点灯させる場合、インバータ点灯装置5aが放電灯4b近傍の反射板3bの一部分に配置されているので、放電灯4bはインバータ点灯装置5aからの熱を受けて温められ、インバータ点灯装置5bは、第1の実施の形態と同様に放電灯4aからの熱を受けて温められる。
【0021】以上のように構成することにより、低温状況下で、放電灯4bを再点灯させる時、放電灯4b、インバータ点灯装置5bはすでに温められているので、放電灯4bをより速やかに始動、点灯させることができる。
【0022】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施の形態に係る照明器具1の斜視図を図3に示す。前記第2の実施の形態と異なる点は、インバータ点灯装置5aを放電灯4bの最冷点部6b近傍の反射板3bの一部分に近接するように、インバータ点灯装置5bを放電灯4aの最高温度点となるフィラメント部6a近傍の反射板3aの一部分に近接するように配置したことであり、その他の前記第2の実施の形態と同一構成については同一符号を付してその説明を省略する。なお、上述のインバータ点灯装置5bの構成は、一般に放電灯のフィラメント部近傍が最も温度が高く、最も多く熱を発していることを利用している。
【0023】低温状況下で、放電灯4bを消灯させて、放電灯4aのみを点灯させる場合、インバータ点灯装置5bは放電灯4aの最も温度が高いフィラメント部6aより熱を受けるので、インバータ点灯装置5bは効率よく熱を受けて温められる。又、放電灯4bの最冷点部6bはインバータ点灯装置5aの熱を受けることになるので、温めにくい最冷点部6bから徐々に放電灯4b全体も温められる。
【0024】以上のように構成することにより、低温状況下で、放電灯4bを再点灯させる時、放電灯4b、インバータ点灯装置5bはすでに温められているので、放電灯4bをより速やかに始動、点灯させることができる。
【0025】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施の形態に係る照明器具1の斜視図を図4に示す。前記第2の実施の形態と異なる点は、インバータ点灯装置5a近傍の反射板3aの一部分に放電灯4aと放電灯4bとの動作を切り替える切替回路7を設けたことであり、その他の前記第2の実施の形態と同一構成については同一符号を付してその説明を省略する。
【0026】一般に、インバータ点灯装置には放電灯の異常を検出する機能が付加されていることがあり、異常を検出した放電灯はインバータ点灯装置によって強制的に消灯動作又は点灯消灯を繰り返す動作が行われる。
【0027】低温状況下で、放電灯4bを消灯させて、放電灯4aのみを点灯させる場合、インバータ点灯装置5aが放電灯4b近傍の反射板3bの一部分に配置されているので、放電灯4bはインバータ点灯装置5aからの熱を受けて温められ、インバータ点灯装置5bは、第1の実施の形態と同様に放電灯4aからの熱を受けて温められる。ここで、点灯させている放電灯4aに何らかの異常が発生し、消灯してしまった場合、切替回路7によって強制的に放電灯4aの代わりに放電灯4bに電力を供給して、放電灯4bを点灯させるようにする。
【0028】以上のように構成することにより、第2の実施の形態の効果に加えて、点灯させていた放電灯4aに異常が発生しても、切替回路7により他の放電灯4bを強制的に点灯させることができる。
【0029】(第5の実施の形態)本発明の第5の実施の形態に係る照明器具1の斜視図を図5に示す。前記第2の実施の形態と異なる点は、伝熱材8a、8bをそれぞれ、反射板3a、3bとインバータ点灯装置5a、5bとの間に密着するように配置したことであり、その他の前記第2の実施の形態と同一構成については同一符号を付してその説明を省略する。
【0030】一般に、インバータ点灯装置は照明器具本体に取り付けられることが多く、構造的に反射板と密着して設置されることが少なくない。そのため放電灯からの輻射熱及びインバータ点灯装置からの輻射熱は空気が介在することにより有効に活用されにくい。本実施の形態では、輻射熱を有効に活用するための手段を提供する。
【0031】低温状況下で、放電灯4bを消灯させて、放電灯4aのみを点灯させる場合、動作しているインバータ点灯装置5aの輻射熱は、空気中に逃げることは少なく、インバータ点灯装置5aに密着する伝熱材8aに伝達され、反射板3aを介して放電灯4bに伝達されて、放電灯4bは輻射熱を受けて温められる。又、点灯している放電灯4aの輻射熱は反射板3bに伝達され、反射板3bに密着する伝熱材8bを介してインバータ点灯装置5bに伝達されて、インバータ点灯装置5bも輻射熱を受けて温められる。
【0032】以上のように構成することにより、低温状況下で、放電灯4bを再点灯させる時、放電灯4b、インバータ点灯装置5bはすでに温められているので、放電灯4bをより速やかに始動、点灯させることができる。
【0033】なお、前記全ての実施の形態においては、放電灯の数は2本としているが、3本以上設けても同様の効果を奏する。又、本発明に係る実施の形態は前述のものに限らず、本発明の作用効果を奏するものであれば、前記各実施の形態を適宜組み合わせたものであっても良い。
【0034】
【発明の効果】請求項1乃至3、5記載の発明によれば、新たに部品を追加することなくトンネル内又は冷蔵庫内又は寒冷地などの低温状況下において速やかに放電灯を始動、点灯させることができる照明器具を提供できる。
【0035】請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、点灯させる放電灯に異常が発生した場合、他の放電灯を強制的に点灯させるように切り替えられる照明器具を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成12年7月26日(2000.7.26)
【代理人】 【識別番号】100111556
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 淳二 (外1名)
【公開番号】 特開2002−42542(P2002−42542A)
【公開日】 平成14年2月8日(2002.2.8)
【出願番号】 特願2000−225079(P2000−225079)