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【発明の名称】 反射形照明装置
【発明者】 【氏名】瀧田 和雄

【氏名】高山 大輔

【要約】 【課題】高圧放電ランプやハロゲン電球等の管球を反射鏡内に収容し、反射鏡の開口部にガラス製の前面レンズや保護カバー等の制光板を配設した反射形ランプにおいて、クラックを生じてもガラス片が飛散しにくい安全性の高い制光板を備えた反射形照明装置を提供することを課題としている。

【解決手段】凹状反射面15を有する反射鏡1と、この反射鏡1内に配設された発光管L1と、上記反射鏡1の開口部を覆うよう設けられ、発光管L1に対向する位置を中心として円周方向に引っ張り応力を形成させた硬質ガラスからなる制光板2とを備えている反射形照明装置HLである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 凹状反射面を有する反射鏡と;この反射鏡内に配設された発光管と;上記反射鏡の開口部を覆うよう設けられ、発光管に対向する位置を中心として円周方向に引っ張り応力を形成させた硬質ガラスからなる制光板と;を具備していることを特徴とする反射形照明装置。
【請求項2】 反射鏡の開口部と制光板の周縁部との重合部を気密接合していることを特徴とする請求項1に記載の反射形照明装置。
【請求項3】 制光板における引っ張り応力の最大値が、30kg/cm2 以上であることを特徴とする請求項1に記載の反射形照明装置。
【請求項4】 発光管の定格点灯による熱により制光板に引っ張り応力を形成させることを特徴とする請求項3に記載の反射形照明装置。
【請求項5】 発光管の定格点灯時に制光板の径方向で、300℃以上の部分における温度勾配を5℃/mm以上としたことを特徴とする請求項3に記載の反射形照明装置。
【請求項6】 発光管が高圧放電ランプまたはハロゲン電球であることを特徴とする請求項1ないし請求項5に記載の反射形照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射鏡内に高圧放電ランプやハロゲン電球等の発光管を収容配設するとともに反射鏡の前面開口部に硬質ガラスからなるレンズ等の制光板を設けてなる反射形照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、メタルハライドランプ等の高圧放電ランプは小形化および低ワット化がすすみ家庭用や店舗用の光源として使用される機会が増えてきている。
【0003】このメタルハライドランプは、希にではあるが寿命末期に至ると発光管バルブが破損し、封入してある水銀やバルブ等のガラス片が飛散して安全上問題になることがある。これは、バルブ材料の石英ガラスが、封入ハロゲン化物と反応してその強度が低下することと点灯時に内圧が高まることに起因している。
【0004】そこで、この発光管を硬質ガラス製の外管内に収容した二重管構造のものがあるが、発光管の破裂の際には薄い肉厚のガラス外管の場合には同時に破壊する虞があるので、発光管をさらに硬質ガラスや石英ガラスからなる中管で囲ったり、光の透過ロスを抑えるため金属製の網で覆う等の防爆の対応策が採られている。
【0005】また、この二重管構造としたものでPAR形と呼ばれる凹状の反射鏡内にメタルハライドランプ等の発光管を収容して、この反射鏡前面の開口部に前面レンズからなる制光板を配設するとともに反射鏡背面に口金を取着した反射形の放電ランプがある。
【0006】この二重管構造の反射形放電ランプは、光放射効率が高く、外観的にもシンプルで、発光管バルブの破裂や接触に対しても反射鏡および前面レンズからなる外囲容器のガラス肉厚が厚いので安全性が高く、器具構造も簡単にできる等の事由で、多く用いられている。
【0007】しかし、最近はこのPAR形のランプに対し、顧客から用途等に応じて種々の特性ランプの要望があり、設計上の許容度も小さくなるとともに高出力化等により外囲容器の破損の危険性がでてきた。
【0008】このPAR形のランプにおいても、発光管を防爆用の中管や金属網で囲うことも考えられるがスペースや取り付け構造の問題があり、また、前面レンズのガラス肉厚をさらに厚くしたり強化ガラスとする等のことも考えられるが技術やコスト面等に問題があった。
【0009】そして、この種PAR形のランプは、反射鏡と前面レンズとを一体化する手段としては、反射鏡と前面レンズとの周縁重合部の周囲をリング状のガスバーナ等で加熱し、相互のガラスが軟化溶融したところで重合部の周縁をローラで加圧して融着成形して気密接合したり、重合部に介在させた耐熱性接着剤を加熱軟化して流下させ固化して接合する等のことが行われている。
【0010】上記の反射鏡と前面レンズとをガラスを溶融させて接合するものでは、成形後に徐冷して熱加工により入った歪みの除去が行われる。この徐冷作業は歪みをできる限り少なくあるいは無くして、外囲容器にクラックや割れ等の発生がないようにしたものであり、例えば前面レンズにおける残存歪量は引っ張り歪みが10〜20kg/mm2 程度の小さいものであった。また、接着剤による接合の場合は、熱加工温度も低く前面レンズにおける残存歪量は、融着の場合よりさらに小さいものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、融着や接着により接合された外囲容器は歪量が小さく強度的にも強いものとされていた。しかし、本発明者等の観察によるとこの小さい歪量の前面レンズに、何らかの原因で発光管が破裂してその破片が衝突した場合、前面レンズにクラックを生じ、そのクラックが不規則に入ったり前面レンズの円周方向に延びて、ときにはそのクラックの先端が繋がってしまい、リング状に割れたレンズのガラス片が飛散したり落下することがあった。
【0012】そこで、本発明者等はこのクラックについて種々検討し、例え前面レンズにクラックが生じて割れたとしても、そのクラックの入り方により割れた破片が飛散したり落下することを防止できることを見出した。
【0013】本発明は、高圧放電ランプやハロゲン電球等の管球を反射鏡内に収容し、反射鏡の開口部にガラス製の前面レンズや保護カバー等の制光板を配設した反射形ランプにおいて、クラックを生じてもガラス片が飛散しにくい安全性の高い制光板を備えた反射形照明装置を提供することを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載の反射形照明装置は、凹状反射面を有する反射鏡と、この反射鏡内に配設された発光管と、上記反射鏡の開口部を覆うよう設けられ、発光管に対向する位置を中心として円周方向に引っ張り応力を形成させた硬質ガラスからなる制光板とを具備していることを特徴とする。
【0015】外囲容器内に収容した発光管バルブが何らかの原因で破裂し、その破片が制光板に衝突してこの制光板にクラックが生じても、このクラックは放射状に延びてクラック相互が繋がることが極めて少なく、割れて飛散や落下する虞を低減できる。
【0016】なお、反射鏡や制光板の材質は石英ガラスやホウケイ酸ガラス等の硬質ガラスが、また、反射鏡は上記制光板と同質のガラスあるいは鉄板やアルミニウム板等の金属で形成したものに適用できる。
【0017】また、反射鏡の内面に形成される反射面は、多層光干渉膜からなる可視光透過赤外線反射膜、可視光反射赤外線透過膜、光フィルタ膜等あるいはアルミニウム、銀やクロム等からなる全光反射膜から選ばれたものを用いることができる。
【0018】さらに、制光板は放射光の配光分布を規制する集光(狭角)形、標準(中角)形、散光(広角)形等の前面レンズがあり、レンズは内面側に形成するレンズ素子の形状や大きさを変えることにより所定の配光特性が得られるようになっている。また、制光板は内部の発光管からの発光色等を変えるフィルターとして、あるいは発光管バルブが破壊したときの飛散防止や他の物体との衝突防止、内部の汚損防止等の保護カバー体としての作用をなすものに適用できる。
【0019】本発明の請求項2に記載の反射形照明装置は、反射鏡の開口部と制光板の周縁部との重合部を気密接合していることを特徴とする。
【0020】反射鏡と制光板の周縁部を融着や接着剤で気密に接合して一体化したものは、クラックが大きい場合でも両者は繋がっているので前面レンズが飛散したり落下することを防ぐことができる。
【0021】本発明の請求項3に記載の反射形照明装置は、制光板における引っ張り応力の最大値が、30kg/cm2 以上であることを特徴とする。
【0022】制光板に付与する径方向に垂直な引っ張り応力の最大値が30kg/mm2 未満であると制光板に生じたクラックは不規則であったり制光板の円周方向に延びて、ときにはそのクラックの先端が繋がってしまい、リング状に割れたレンズのガラス片が飛散したり落下する不具合がある。また、この引っ張り応力の最大値は好ましくは100kg/mm2 程度までで、その歪量が大きいと制光板に傷があったり少々の応力が加わった場合にクラックを生じる虞がある。
【0023】本発明の請求項4に記載の反射形照明装置は、発光管の定格点灯による熱により制光板に引っ張り応力を形成させることを特徴とする。
【0024】発光管を点灯して、直射光および反射光を制光板に当てる自己の発熱を利用して所定値の引っ張り応力を付与できる。
【0025】すなわち、照明装置を点灯すると、通常、発光管は反射鏡の中心軸上に配設されているので、制光板は中心軸の延長上の中心部位の温度が最も高くなり、周辺に向かうにしたがい温度が低下していく加熱がなされる。
【0026】本発明の請求項5に記載の反射形照明装置は、発光管の定格点灯時に制光板の径方向で、300℃以上の部分における温度勾配を5℃/mm以上としたことを特徴とする。
【0027】温度勾配を5℃/mm以上として加熱すれば、引っ張り応力の最大値が30kg/mm2 以上となってクラックを生じた場合に、このクラックが放射状に延びて、上記請求項1に記載したと同様な作用を奏する。
【0028】本発明の請求項6に記載の反射形照明装置は、発光管が高圧放電ランプまたはハロゲン電球であることを特徴とする。
【0029】発光管は、バルブ内に放電電極を対向配設したメタルハライドランプや水銀ランプ等の高圧放電ランプまたはタングステン線を巻回したコイル状フィラメントを発光源として配設したハロゲン電球等の白熱電球に適用できる。
【0030】なお、上記において外囲容器内に発光源として配設されるランプについてのバルブ形状、材質や封止部構造は問わない。
【0031】また、本発明の発光管は、発光管バルブの表面に多重光干渉膜が形成してあってもよい。発光管の効率向上等のためバルブの表面に可視光透過赤外線反射膜や可視光反射赤外線透過膜等を形成した、特に高温点灯される発光管に適用して、制光板のクラックを防止することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の反射形照明装置の実施の形態を図1および図2を参照して説明する。図1は反射形照明装置をなす投光用のPAR形(反射形)放電ランプHL(形名MR150W/WW−W)の一部断面正面図、図2は図1中の制光板の下面図である。
【0033】図中1はPAR形(最大径部約121mm)の反射鏡で、ホウケイ酸ガラス等の硬質ガラス(熱膨脹係数35〜40×10-7/℃、歪点温度470〜510℃)で成形した内面が回転放物面、回転楕円面や球面等、ここでは上下2段に別れた回転放物面からなる凹状(椀形)をなし前面の開口部周囲に突出した周縁部11を有する。
【0034】この反射鏡1の内表面にはダイクロイック膜等の多層光干渉膜からなる可視光反射赤外線透過膜あるいはアルミニウム、銀やクロム等の全光反射膜、ここではダイクロイック膜15が形成してある。
【0035】また、2は反射鏡1と同質のガラスで成形した円盤状の前面レンズや保護カバー等からなるここでは前面レンズからなる制光板で、この前面レンズ2の外表面側は円滑面をなすが、内表面側は図2に拡大して示すように突出した略半球状ないしは、表面は略半球状をなすが基部側は隣接する素子と重合して略六角形状に見える多数個のレンズ素子22,22,…(実際は全面に形成されているが、この図ではその一部を示す。)が形成されている。(なお、このレンズ素子22,22,…は、狭角(集光)形、中角(標準)形、広角(散光)形等、配光特性により形状ならびに配列、大きさや数等は異なる。)そして、この前面レンズ2は反射鏡1の開口部を覆うよう被せられ両者の周縁部11,21の対向面が重合して加熱され軟化溶融した後、重合部の周側縁にローラがかけられ成形されるとともに接合され、上記反射鏡1と前面レンズ2とで本発明でいう外囲容器3を形成している。
【0036】また、L1は小形の高圧放電ランプ、例えばメタルハライドランプの発光管で、この発光管L1は、石英ガラス製の発光管バルブ4の一端部には圧潰封止部41が形成され、封止部41内に封止されたモリブデン箔等からなる金属箔51,51に接続したタングステン等からなる内部導入線52,52の先端部にタングステン線を巻回したコイル状の放電電極6,6が設けられている。
【0037】また、バルブ4内には、Sn−Na−Tl−In−Li(I,Br)系のハロゲン化物、水銀、アルゴンガス等の放電媒体が点灯時圧力15〜25気圧となる量封入してある。
【0038】この発光管L1は、反射鏡1内に収容され反射鏡1の焦点位置より開口部に近い位置に配置して、封止部41から導出した外部導入線53,53が反射鏡1の基体部12の底壁を貫通しキャップ状のフェルール(図示しない。)に基部がろう付けされたサポート線55,55に溶接支持されるとともに電気的接続がなされている。また、フェルール(図示しない。)には他の導線が接続され、この導線は基体部12に取付けられた口金7の端子部に接続している。
【0039】そして、このPAR形(反射形)放電ランプHLは安定器等を有する点灯回路に接続して点灯される。この放電ランプHLは発光管L1内の放電電極6,6間の放電で放電媒体が励起することによって発光し、その放射光は直射光および反射膜15で反射されて前面レンズ2の略半球状のレンズ素子22,22,…に入射し、レンズ素子22,22,…により屈折してレンズ2から広い範囲(広角)へ拡散された光放射をする。
【0040】そして、この前面レンズ2は図2中に矢視して示すような、発光管L1中心と対向する位置を中心として円周方向に引っ張り応力を生じさせてある。この引っ張り応力の最大値は、約70kg/mm2 であり、外囲容器3内に収容した発光管L1のバルブ4が何らかの原因で破裂し、その破片が前面レンズ2に衝突してこのレンズ2にクラックが生じても、このクラックは放射状に延びてクラック相互が繋がることが極めて少ない。
【0041】したがって、前面レンズ2にクラックが入っても、割れて飛散や落下することが極めて希で、人や物品に影響を与えることが殆どない安全上すぐれた作用効果を奏するPAR形(反射形)放電ランプHLを提供することができる。
【0042】なお、上記実施の形態のPAR形(反射形)放電ランプHLのように、反射鏡1と前面レンズ2とを融着により一体化したものは、クラックが大きい場合でも両者は繋がっているので前面レンズ2が飛散したり落下することはない。
【0043】また、外囲容器3の高温となる前面レンズ2の中央部を除く表面部分および反射鏡1の表面部分に、クラック発生時に繋ぎの働きをするフッ素樹脂被膜を塗布形成しておくことは構わない。
【0044】なお、上記前面レンズ2に付与する径方向に垂直な引っ張り応力の最大値は、最小30kg/mm2 以上、最大100kg/mm2 程度あればよく、最大値が30kg/mm2 未満であると前面レンズに生じたクラックは前面レンズの円周方向に延びて、ときにはそのクラックの先端が繋がってしまい、リング状に割れたレンズのガラス片が飛散したり落下する不具合がある。
【0045】また、引っ張り応力の最大値が100kg/mm2 を超えると、その歪量が大きく、前面レンズ2に傷があったり少々の応力が加わった場合にクラックを生じる虞がある。
【0046】また、図3および図4は本発明の反射形照明装置の他の実施の形態を示す一部断面正面図で、図中、図1および図2と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0047】この図3の反射形照明装置(反射形ハロゲン電球)ILの発光管はハロゲン電球L2であって、反射鏡1は、石英ガラスやホウケイ酸ガラス等の硬質ガラスあるいは金属ここでは石英ガラスで成形した内面が回転放物面等の凹状(椀形)をなし、背面中央に突出した基体部12および貫通孔13が形成してある。また、この反射鏡1の内表面には反射膜15が形成してある。
【0048】また、制光板は反射鏡1と同質のガラスからなる透明なカバー部材2をなすもので、反射鏡1とカバー部材2とは両者の重合した周縁部間に介在させたシリコーン系の耐熱性接着剤31で接合して外囲容器3を形成している。
【0049】このカバー部材2も上記実施の形態の前面レンズ2と同形態の、円周方向に引っ張り応力を生じさせてあり、この引っ張り応力の最大値は、約65kg/mm2 である。
【0050】そして、上記ハロゲン電球L2は、石英ガラスやアルミノシリケートガラス等の硬質ガラスからなる発光管バルブ4内にモリブデン線等からなる一対の内部リード線52,52を導入しているとともにこの内部リード線52,52の先端部にタングステン線を巻回したコイル状のフィラメント6Fを継線してある。
【0051】また、バルブ4内にはBr・Cl系のハロゲン化物およびクリプトン、窒素等の不活性ガスが封入してある。
【0052】そして、ハロゲン電球L2はフィラメント6Fを反射膜15の焦点位置に合わせるとともに圧潰封止部41を中央の基体部12の貫通孔13内に収容して耐熱性の接着剤19を介し接合固定してある。なお、図中71,71は外部リード線53,53と接続した一対の端子ピンである。
【0053】そして、この反射形照明装置ILは端子ピン71,71がソケットに接続して点灯される。この反射形照明装置ILのハロゲン電球からなる発光管L2内のフィラメント6Fへの通電によって発光し、その放射光は直射光および反射膜15で反射されて透明なカバー部材2を透過して放射される。
【0054】この反射形照明装置ILも、ハロゲン電球からなる発光管L2が寿命等に至り発光管バルブ4が破裂して飛散し、この破片がカバー部材2に衝突して、カバー部材2にクラックを生じても、クラックは放射状で割れて飛散や落下することがない。
【0055】また、図4は上述した図1および図3が反射形ランプであったのに対し反射鏡と発光管とが別体の反射形照明装置(反射形照明器具)DLである。
【0056】この図4において81は筐体で、この筐体81内には金属製の反射鏡1、メタルハライドランプ等の高圧放電ランプL3の口金7が装着されるソケット82およびこのソケット82へ給電するための点灯回路装置83が設けられている。
【0057】また、筐体81の開口部には制光板2として硬質ガラスからなる透明のカバー部材がリング状の保持具84を介しねじ(図示しない。)止めにより取り付けられている。なお、このカバー部材2には、予め上記実施の形態のカバー部材2と同形態の、円周方向に引っ張り応力を生じさせてあり、この引っ張り応力の最大値は、約60kg/mm2 である。
【0058】このように反射鏡1、制光板2およびランプL3が一体化されてなく、例えばランプL3が寿命に至ったら新しいランプL3と交換が可能な反射形照明装置DLである。そして、この様な構成であっても上述した実施の形態の照明装置HL,ILと同様な作用効果を奏する。
【0059】なお、上記の適性な引っ張り応力を制光板(前面レンズやカバー部材)に付与する手段としては、(1)制光板(前面レンズやカバー部材)成形の徐冷作業時の温度コントロールにより行うことができる。(2)照明装置の完成後、発光管を点灯して、直射光および反射光を制光板(前面レンズやカバー部材)に当てる自己の発熱を利用して行うことができる。
【0060】すなわち、(1)は制光板の製造工程において大量を容易に、かつ、均等応力のものを生産できる。
【0061】また、(2)照明装置を点灯すると、通常、発光管は反射鏡の中心軸上に配設されているので、制光板は中心軸の延長上の中心部位の温度が最も高くなり、周辺に向かうにしたがい温度は低下していく。そして、本発明者等の実験ではこの点灯時、材質が硬質ガラス(歪点温度470〜510℃)からなる制光板の温度勾配を5℃/mm以上とすれば所望の引っ張り応力を付与することができた。
【0062】因みに、図5に制光板の中心からの距離rmmと温度℃との関係を対比したグラフを、また、図6に制光板における温度勾配℃/mmと最大応力kg/mm2との関係を対比したグラフを示す。
【0063】また、通常これらガラスからなる反射鏡および制光板は、ガラス溶融炉から溶融したガラス塊を一定量づつ挟みで切ってボトム金型に落下させ、上方からプランジャー金型で押圧して所定の形状寸法に成形している。
【0064】そして、成形後の製品を見ると上記の溶融ガラス塊を切る際のはさみあとやはさみしわあるいはシャーマークと呼ばれる筋状の皺が残っている。
【0065】この皺は外観上から見苦しい場合もあり、無い方がよいが無くすことは大変難しいとともに、この筋状の皺もクラック発生源の一つとしてマークされている。
【0066】本発明者等の実験では、制光板におけるこの筋状の皺の存在部分の応力は低い方が強度的に強く、その引っ張り応力は30〜60kg/mm2 程度であるのがよく、また、筋状の皺の存在部分は中央部から外れた部分に在るのが強度的にも外観的にも目立たずよかった。
【0067】なお、本発明は上記実施の形態に限るものではない。例えば外囲容器内に収容される発光管はメタルハライドランプやハロゲン電球に限らず、他の種類の高圧放電ランプや白熱電球であってもよい。
【0068】また、これらた高圧放電ランプや白熱電球からなる発光管バルブの表面には、発光効率を向上するための可視光透過赤外線反射膜や可視光反射赤外線透過膜等の多層光干渉膜、紫外線吸収や遮断をなす被膜等が形成してあってもよい。
【0069】さらに反射形のランプは、その照射ビーム角度が広角、中角、狭角等と配光分布特性が異なるランプがあり、それぞれ所望の特性を得るためには、制光板に刻設するレンズ素子や反射面に対する発光管の位置等の調整を行えばよい。
【0070】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、制光板にクラックが入っても、割れて飛散や落下することが極めて希で、人や物品に影響を与えることが殆どない安全上すぐれた作用効果を奏する反射形照明装置を提供できる。
【0071】請求項2の発明によれば、反射鏡と制光板の周縁部を融着や接着剤で気密に接合して一体化したものは、クラックが大きい場合でも両者は繋がっているので制光板の飛散や落下を防ぐことができる。
【0072】請求項3の発明によれば、制光板に付与する径方向に垂直な引っ張り応力の最大値を規制したことにより、上記請求項1に記載したと同様な効果を奏する。
【0073】請求項4の発明によれば、装置内に収容した発光管を点灯して、直射光および反射光を制光板に当てる自己の発熱を利用して所定の引っ張り応力を付与して、上記請求項1ないし3に記載したと同様な効果を奏する。
【0074】請求項5の発明によれば、制光板の径方向の温度勾配を規制することにより、上記請求項4に記載したと同様な効果を奏する。
【0075】請求項6の発明によれば、メタルハライドランプ、水銀ランプ等の高圧放電ランプおよびハロゲン電球等の白熱電球に適用して、上記請求項1ないし5に記載したと同様な効果が得られる反射形照明装置を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
【出願日】 平成12年7月31日(2000.7.31)
【代理人】 【識別番号】100081732
【弁理士】
【氏名又は名称】大胡 典夫 (外2名)
【公開番号】 特開2002−42538(P2002−42538A)
【公開日】 平成14年2月8日(2002.2.8)
【出願番号】 特願2000−231522(P2000−231522)