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【発明の名称】 蛍光灯の反射板用のミラー状フィルム
【発明者】 【氏名】小川 猛

【氏名】猪股 政幸

【要約】 【課題】蛍光灯が点灯していなくても、常時、反射性能の経時低下が十分に抑制され、かつ抗菌、消臭、防カビ等の周囲の環境浄化機能を有する反射板を提供すること。

【解決手段】プラスチック製のフィルムからなるベースフィルム1と、ミラー状に形成された金属蒸着層2と、金属酸化物から成るセラミックスを含有する被膜層3と、必要に応じて補強フィルム層6と、接着剤層4と、剥離紙5が積層されてなる蛍光灯の反射板用のミラー状フィルムからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】プラスチック製のフィルムからなるベースフィルムと、ミラー状に形成された金属蒸着層と、金属酸化物から成るセラミックスを含有する被膜層とが積層されてなる蛍光灯の反射板用のミラー状フィルム。
【請求項2】請求項1記載の蛍光灯の反射板用のミラー状フィルムにおいて、ベースフィルムを透明あるいは光が透過可能な素材とし、このベースフィルムの一方の面に金属蒸着層を備えるとともに他方の面に被膜層を備えており、上記金属蒸着層を備えた面を蛍光灯本体への取り付け面とすることを特徴とする蛍光灯の反射板用のミラー状フィルム。
【請求項3】請求項1記載の蛍光灯の反射板用のミラー状フィルムにおいて、ベースフィルムの一方の面に金属蒸着層と被膜層を備え、上記ベースフィルムの他方の面を蛍光灯本体への取り付け面とすることを特徴とする蛍光灯の反射板用のミラー状フィルム。
【請求項4】請求項1から3のいずれかに記載の蛍光灯の反射板用のミラー状フィルムにおいて、セラミックスには、酸化ケイ素あるいは遷移元素酸化物を含んでいることを特徴とする蛍光灯の反射板用のミラー状フィルム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光灯の反射板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に蛍光灯の反射板として、金属製成形板の表面に白色の塗料を塗布してなるものが多用されている。しかし、白色の塗料では光の反射度が十分でないという問題がある。また、反射板面は、例えば空気中に浮遊するタバコの煙粒子やタール成分、あるいは有機物質などの汚染性物質の付着等により徐々に汚染され、反射性能の経時低下が著しいという問題もあった。
【0003】上記問題を解決する技術として、本発明者らは、蛍光灯の反射板用ミラー状フィルム(特願平11−95501)を考案し、出願している。しかしながら、この技術において、蛍光灯が点灯していない時には、光触媒作用が機能しないので、反射性能が低下してしまったり、防臭、滅菌等の周囲の環境浄化機能がはたらかないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記のような蛍光灯の反射板に関する状況において、蛍光灯が点灯していなくても、常時、反射性能の経時低下が十分に抑制され、かつ抗菌、消臭、防カビ等の周囲の環境浄化機能を有する反射板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記本発明の目的を達成すべく研究を重ねた結果、蛍光灯の反射板の反射面を、水分子を活性化あるいはイオン化させる電磁波を放射させるセラミックスを含むミラー状フィルムで構成すれば、上記本発明の目的を達成できることを見出して本発明を完成した。
【0006】すなわち、請求項1記載の蛍光灯の反射板用のミラー状フィルムは、プラスチック製のフィルムからなるベースフィルムと、ミラー状に形成された金属蒸着層と、金属酸化物から成るセラミックスを含有する被膜層とが積層されて構成されてなる。
【0007】また、請求項2記載の蛍光灯の反射板用のミラー状フィルムは、透明あるいは光が透過可能なプラスチック製のフィルムをベースフィルムとし、該ベースフィルムの一方の面に金属蒸着層を備えてミラー状となっており、他方の面に被膜層を備えており、上記金属蒸着層を備えた面を蛍光灯本体への取りつけ面とすることを特徴とする。
【0008】また、請求項3記載の蛍光灯の反射板用のミラー状フィルムは、プラスチック製のフィルムをベースフィルムとし、該ベースフィルムの一方の面に金属蒸着層と被膜層を備えており、上記ベースフィルムの他方の面を蛍光灯本体への取り付け面とすることを特徴とする。
【0009】さらに、請求項4記載の蛍光灯の反射板用のミラー状フィルムは、上記セラミックスには、酸化ケイ素あるいは遷移元素酸化物を含んでいることを特徴とする。
【0010】本発明に係る蛍光灯の反射板用のミラー状フィルムは、蛍光灯が点灯していなくても常に、金属酸化物からなるセラミックスから放射される電磁波によって空気中の水分子を活性化させあるいはイオン化させ、その結果生成した活性酸素やイオンが、汚染物質や臭気成分あるいは菌類と酸化還元反応し、これによって汚染物質の分解、除去や、臭気成分の分解、菌体の生理機能の阻害や繁殖の抑制を行なう。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1〜3に基づいて詳細に説明する。
【0012】本発明のミラー状フィルムAの構成の一例を図1の断面図として示す。ミラー状フィルムAは、ベースフィルム1の一方の面にミラー状に形成された金属蒸着層2が積層され、ベースフィルム1の他方の面に金属酸化物からなるセラミックスを含有する被膜層3が積層されている。上記ミラー状フィルムAは金属蒸着層2が備えられた面を蛍光灯本体Xへの取り付け面となし、金属蒸着層2の上に補強フィルム層6が設けられ、さらに接着剤層4が設けられている。接着剤層4には剥離紙5を備えることが望ましい。
【0013】前記ベースフィルム1は、ベースフィルムとしての強度を有するものであれば、種々のプラスチック製のフィルムを用いることができる。ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリカーボネートなどのポリ炭酸エステル、ポリメチルメタクリレートなどのアクリルなどが挙げられる。なかでも、透明性、強度、コスト等の諸点の総合的観点から、ポリエチレンテレフタレート製のフィルムがベースフィルムとして好ましく用いられる。また、ベースフィルム1を通過した光を反射させる場合には、ベースフィルム1が透明であることが望ましい。ベースフィルム1の厚さは、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に25〜100μmが適当である。
【0014】前記金属蒸着層2は、鏡面を形成し得る種々の金属の蒸着層とすることができる。その例として、アルミニウム、銅、スズ、金、銀等の蒸着層が挙げられる。なかでも、アルミニウムの蒸着層が、安価であること、色調に変化を来さない反射光を与えることなどからして、好ましく用いられる。また、ベースフィルムの一方の面に金属蒸着層を設けるには、一般に、それ自体は公知の金属真空蒸着法によることができる。金属蒸着層2の厚さは、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に0.8〜1.5μmが適当である。
【0015】前記被膜層3は、金属酸化物を焼成したセラミックスを分散させたアクリル樹脂やウレタン樹脂もしくはエステル樹脂被膜からなる。被膜層3の厚さは、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に3〜10μmが適当である。
【0016】上記セラミックスは、金属酸化物からなるセラミックス基材表面に、酸化チタンが担持されたセラミックス粉体からなる。さらに、酸化チタンの表面にはプラチナが担持されている。
【0017】上記セラミックス基材は、主成分として酸化ケイ素あるいは遷移元素酸化物からなるが、さらに酸化アルミニウムや酸化亜鉛が加えられるとよい。また、遷移元素酸化物は多種のものが存在するが、特に酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルトが望ましく、しかも複数の遷移元素酸化物を適宜割合で組成させるとなおよい。
【0018】上記セラミックス粉体の例として、セラミックス基材は粒径が1μm以下の酸化ケイ素が30〜60%重量、酸化アルミニウムが20〜40%重量、酸化亜鉛が7〜15%重量および、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケルから選ばれる遷移元素酸化物が7〜15%重量で組成され、また、酸化チタンは、セラミックス基材に対して2〜8%重量、プラチナは酸化チタンに対して0.1〜1.0%重量で組成される。
【0019】前記被膜層3は、アクリル樹脂やウレタン樹脂もしくはエステル樹脂のエマルジョン溶液中の水分の蒸発によって、あるいは上記樹脂を適宜の有機溶剤に希釈させた溶剤溶液中の有機溶剤の揮発によって膜が形成される。
【0020】被膜層3から放射される水分子を活性化あるいはイオン化させる電磁波には、波長が2.5〜3.2μmの近赤外線電磁波、あるいは波長が5.0〜7.4μmの遠赤外電磁波があり、より強くかつ効率よく水分子を活性化あるいはイオン化させるには、近赤外線並びに遠赤外線電磁波の両方を放射させることが好ましい。
【0021】ベースフィルム1の他方の面に被膜層3を設けるには、上記エマルジョン溶液あるいは上記溶剤溶液をスプレーコーティング法、ローラーコーティング法、刷毛塗法などの公知の塗布手段により行なうことができる。
【0022】補強フィルム層6はフィルムとして強度を有するものであれば、種々のプラスチック製のフィルムを用いることができるが、ポリエチレンテレフタレート製のフィルムが好ましく用いられる。補強フィルム層6の厚さは、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に25〜150μmが適当である。
【0023】本発明のミラー状フィルムAの蛍光灯への適用の一例を、従来の蛍光灯への適用を例にとって、概念的に断面図として示せば図2のとおりである。図2において、金属製成形板11と白色塗料12とで蛍光灯本体Xを形成している。蛍光灯本体Xは天井材15に取りつけられ、蛍光管14、14’が設置されている。ミラー状フィルムAは、剥離紙5を剥がし、接着剤層4を介して蛍光灯本体Xに取りつけられる。なお、図2においては、蛍光灯本体Xの側面にミラー状フィルムAが取り付けられていないが、側面にも取りつけることができる。図2では側面に取り付けても反射性向上への寄与が少ないので省略されている。
【0024】以上は、ベースフィルム1の一方の面に金属蒸着層2が備えられ、他方の面に金属酸化物から成るセラミックスを含有する被膜層3が備えられ、金属蒸着層が備えられた面を蛍光灯本体への取り付け面とする構成について述べたが、各層の積層する順番は必ずしも上述の構成の通りでなくともよい。
【0025】具体的には、図3に示すように、プラスチック製のフィルムをベースフィルム1とし、そのベースフィルム1の一方の面に金属蒸着層2が備えられていてミラー状となっており、さらにその金属蒸着層2上に金属酸化物から成るセラミックスを含有する被膜層3が備えられ、一方ベースフィルム1の金属蒸着層2を備えていないほうの面には、補強フィルム層6が備えられ、さらに接着剤層4が設けられているミラー状フィルムA’とすることもできる。接着剤層4には剥離紙5が備えられることが望ましい。このような構成にすると、光を反射する金属蒸着層2がベースフィルム1よりも蛍光管側に位置するため、ベースフィルムを通過した光を反射する場合に比較して反射輝度を向上させることができる。なお、ベースフィルム1が金属蒸着層2に隠れるときには、ベースフィルム1を半透明又は不透明、あるいは着色することもできる。
【0026】上記ミラー状フィルムA’の従来の蛍光灯への適用の一例を概念的に断面図として図4に示す。金属製成形板11で蛍光灯本体X’を形成している。蛍光灯本体X’は天井材15に取りつけられ、蛍光管14、14’が設置されている。ミラー状フィルムAは、剥離紙5をはがし、接着剤層4を介して蛍光灯本体Xに取り付けられる。なお、図2と同様に蛍光灯本体X’の側面にミラー状フィルムA’が取りつけられていないが、側面にも取り付けることができる。しかし、側面に取り付けても反射性向上への寄与が少ないので省略されている。
【0027】図2に示したミラー状フィルムAの蛍光灯への適用例では、金属製成形板11に白色塗料12が塗布された蛍光灯本体Xへの適用例を示したが、白色塗料12が塗布されていない蛍光灯本体X’へ取り付けてもよい。同様に、図4に示したミラー状フィルムA’の蛍光灯への適用例では、白色塗料12が塗布されていない蛍光灯本体X’への適用例を示したが、白色塗料12が塗布されている蛍光灯本体Xへ取り付けてもよい。つまり、白色塗料12は塗布されていてもいなくてもよい。
【0028】上記ミラー状フィルムAやA’は従来より設置されていた蛍光灯本体にも、これから設置しようとする蛍光灯本体にも取り付けることができる。
【0029】上記ミラー状フィルムAやA’において補強フィルム層6が設けられていたが、図5に示すように、補強フィルム層6がなくてもよく、ベースフィルム1の一方の面に金属酸化物からなるセラミックスを含有する被膜層3が積層され、ベースフィルム1の他方の面にミラー状に形成された金属蒸着層2が積層され、さらに接着剤層4が設けられている。接着剤層4には剥離紙5を備えることが望ましい。なお、各層の積層する順番は必ずしも上述の構成の通りでなくともよい。すなわち、プラスチック製のフィルムからなるベースフィルム1と、ミラー状に形成された金属蒸着層2と、金属酸化物から成るセラミックスを含有する被膜層3との積層体であれば適用可能である。また、接着剤層4は蛍光灯本体への取り付け面の全面に設けてもよい。
【0030】また、本発明のミラー状フィルムは内照式サインへ適用することもできる。内照式サインは屋外に設置されることが多く、空気穴や熱気除去穴からサインの内部に湿気と埃が侵入するので、カビの発生や埃、汚染物質の付着が起こりやすく、その結果、照度が低下してしまう。本発明のミラー状フィルムを内照式サインに適用すれば、セラミックスより発せられる電磁波の作用により内表面上のカビの発生や繁殖を抑えられ、表面をクリーンにして、照度を向上させることができる。
【発明の効果】本発明によれば、金属酸化物からなるセラミックスから放射される電磁波によって空気中の水分子を活性化させあるいはイオン化させ、その結果生成した活性酸素やイオンと汚染物質や臭気成分、菌類との酸化還元反応により、蛍光灯が点灯していなくても、常に、反射板表面がクリーンに維持されて反射性能の経時低下を抑制し、かつ抗菌、消臭等の周囲の環境浄化機能を有する蛍光灯の反射板用のミラー状フィルムが提供される。
【出願人】 【識別番号】597089956
【氏名又は名称】株式会社中川ケミカル
【出願日】 平成12年7月27日(2000.7.27)
【代理人】 【識別番号】100081271
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 芳春
【公開番号】 特開2002−42524(P2002−42524A)
【公開日】 平成14年2月8日(2002.2.8)
【出願番号】 特願2000−227726(P2000−227726)