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【発明の名称】 品質検査装置
【発明者】 【氏名】金川 正人

【氏名】高居 茂雄

【氏名】松井 真人

【氏名】氷上 好孝

【要約】 【課題】照明光の出射面に付着する汚損物質を簡単に除去することができて検査作業能率を向上させることができ、また、照明光源をその寿命まで使用することができて経済性の向上を図ることができる。

【解決手段】被検査物の被検査面を照明するための照明光を出射し得る照明光源である蛍光灯14、15における少なくとも照明光の出射面を汚損防止し得るように防汚カバー20で交換可能に被覆する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検査物の被検査面を照明するための照明光を出射し得る照明光源を有する照明手段と、この照明手段における少なくとも照明光の出射面を汚損防止し得るように交換可能に被覆する光透過性の防汚カバーとを備えた品質検査装置。
【請求項2】 被検査物の被検査面を照明するための照明光を出射し得る照明光源を有する照明手段と、この照明手段における少なくとも照明光の出射面を汚損防止し得るように交換可能に被覆する光透過性の防汚カバーと、この防汚カバーの汚損部分を照明光の出射面から離脱させ、防汚カバーの非汚損部分で照明光の出射面を被覆するように防汚カバーを繰出す繰出し手段とを備えた品質検査装置。
【請求項3】 照明手段が、照明光源として露出状態の蛍光灯を用いる請求項1または2記載の品質検査装置。
【請求項4】 照明手段が、照明光源として露出状態の蛍光灯を用い、この蛍光灯の回りで長手方向に沿って複数箇所に補助部材を備えた請求項1または2記載の品質検査装置。
【請求項5】 照明手段が、照明光源と、この照明光源を照明光が透過し、温度調整し得るように収める光透過収納体とを備えた請求項1または2記載の品質検査装置。
【請求項6】 蛍光灯にフィルム状の防汚カバーが交換可能に巻かれた請求項3記載の品質検査装置。
【請求項7】 蛍光灯の回りで補助部材に跨ってフィルム状の防汚カバーが交換可能に巻かれた請求項4記載の品質検査装置。
【請求項8】 繰出し手段が、フィルム状の防汚カバーを繰出し可能に支持する繰出し軸と、前記防汚カバーを繰出すように巻取る巻取り軸とを備えた請求項2ないし5のいずれかに記載の品質検査装置。
【請求項9】 繰出し手段が、巻取り軸を回転させる駆動手段を備えた請求項8記載の品質検査装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット輪転印刷、オフセット枚葉印刷、グラビア輪転印刷等により印刷された枚葉印刷物、長尺印刷物や、印刷された壁紙、建材、段ボール、若しくは捺染された布地、若しくはラミネート層を有する材料等、各種の被検査物を走行させる途中で、その被検査面における各種の欠陥の有無を検査するために用い、特に、インク、塵等、照明光源の出射面を汚損する物質が浮遊する環境下で被検査面における各種の欠陥の有無を検出するために用いるのに適する品質検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、オフセットにより印刷された枚葉印刷物の印刷面における印刷ミス、汚れ等の欠陥の有無を検査するには、枚葉印刷物を搬送する途中で、印刷面を照明光源から出射する照明先により照明し、照明された印刷面を撮像カメラにより撮像し、判定手段により前記撮像カメラからの出力に基づく被検査面の多階調画像データの濃度レベルをあらかじめ設定された基準濃度レベルと比較して被検査面の欠陥の有無について判定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のように枚葉印刷物をインラインで検査する場合、圧胴上に位置する枚葉印刷物を照明して撮像するに際し、枚葉印刷物が圧胴から浮き上がって撮像距離が変化するのを防止するため、圧胴の長さ方向に沿って複数箇所に配置したノズルから圧縮空気を枚葉印刷物に対して噴射させ、枚葉印刷物を圧胴に対して押さえるようにしている。このような圧縮空気の噴射方式を採用することにより乾燥前のインクを擦らないようにして印刷面の汚損を防止することができる。しかしながら、前記のように圧縮空気を印刷面に噴射すると、インクが乾燥していないため、噴射される圧縮空気によりインクミストとして吹き飛ばされて照明光源の出射面に付着する。そして、付着量が増加すると、印刷面の照度が下がり、特に、前記のように濃淡画像データを用いて欠陥の有無を判定する場合には照明光の照度が急激に変化すると、検査精度に悪影響を及ぼすことになるため、照明光源に付着したインクミストを除去する必要がある。この除去作業は頻繁に行う必要があるため、その作業が煩わしいばかりでなく、照明光源の出射面は高温となっているため、インクミストが焼け付き、除去し難く、終には寿命に至っていない照明光源を交換しなければならず、非経済的である。このような問題は、壁紙、建材、段ボール等、塵が浮遊しやすい環境下で検査する場合にも同様に生じる。
【0004】本発明の目的は、前記のような従来の問題を解決しようとするものであって、照明光の出射面に付着する汚損物質を簡単に除去することができ、したがって、検査の作業能率を向上させることができ、また、照明光源をその寿命まで使用することができ、したがって、経済性の向上を図ることができるようにした品質検査装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために本発明の品質検査装置は、被検査物の被検査面を照明するための照明光を出射し得る照明光源を有する照明手段と、この照明手段における少なくとも照明光の出射面を汚損防止し得るように交換可能に被覆する光透過性の防汚カバーとを備えたものである。
【0006】前記課題を解決するために本発明の他の品質検査装置は、被検査物の被検査面を照明するための照明光を出射し得る照明光源を有する照明手段と、この照明手段における少なくとも照明光の出射面を汚損防止し得るように交換可能に被覆する光透過性の防汚カバーと、この防汚カバーの汚損部分を照明光の出射面から離脱させ、防汚カバーの非汚損部分で照明光の出射面を被覆するように防汚カバーを繰出す繰出し手段とを備えたものである。
【0007】前記照明手段は、照明光源として露出状態の蛍光灯を用いることができ、または前記照明手段は、照明光源として露出状態の蛍光灯を用い、この蛍光灯の回りで長手方向に沿って複数箇所に補助部材を備えることができ、または前記照明手段は、照明光源と、この照明光源を照明光が透過し、温度調整し得るように収める光透過収納体とを備えることができる。
【0008】前記蛍光灯にフィルム状の防汚カバーを交換可能に巻くことができ、前記蛍光灯の回りで補助部材に跨ってフィルム状の防汚カバーを交換可能に巻くことができる。
【0009】前記繰出し手段として、フィルム状の防汚カバーを繰出し可能に支持する繰出し軸と、前記防汚カバーを繰出すように巻取る巻取り軸とを備えたることができ、この場合、巻取り軸を回転させるモータ等の駆動手段を備えるのが好ましい。
【0010】また、前記照明光により照明された被検査面から得たデータをもとに判定手段により前記被検査面における欠陥の有無について判定するに際し、被検査面から多階調の濃淡データを得てこの多階調濃淡データの濃度レベルを基準濃度レベルと比較して披検査面における欠陥の有無を判定するのが好ましい。
【0011】前記のように構成された本発明によれば、被検査面のデータをもとに被検査面の欠陥の有無を判定するに際し、照明光源から出射する照明光により被検査物の被検査面を照明する。そして、照明光の出射面を光透過性の防汚カバーにより被覆しているので、この防汚カバーに汚損物質が付着して照明光の光量が下がると、防汚カバーを新たに交換することにより、照明光源から出射する照明光の光量を常にほぼ一定に保つことができて被検査面を常にほぼ一定の照度で安定的に照明することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る品質検査装置を枚葉印刷物の印刷装置(インライン)に適用した一部の概略側面図、図2は同品質検査装置に用いるものであって、照明光源をフィルム状の防汚カバーにより被覆した状態を示す斜視図である。
【0013】図1において、1、2、3はそれぞれオフセット印刷機を構成する圧胴、送り胴、圧胴であり、圧胴1で図示していない版胴とブランケット胴との組合わせにより枚葉紙に紫外線乾燥型インクが転写されて印刷され、印刷後の枚葉紙が送り胴2から圧胴3へ送られるようになっている。圧胴3で前記と同様に、枚葉紙に印刷される場合もあるが、本実施形態においては、この圧胴3では印刷することなく、枚葉印刷物の印刷面の検査にのみ利用するようになっている。4は搬送手段であり、左右一対のチェン5がスプロケット6、7に無端状に掛けられ、一方のスプロケット6がモータ(図示省略)により図において時計方向に駆動され、スプロケット6の駆動によりチェン5が矢印方向に走行し得るようになってる。チェン5間には竿、把持爪等から成る把持手段8が取り付けられ、印刷後に圧胴3から排出される枚葉印刷物Pの先端部が把持手段8によりスプロケット6上で把持されてチェン5の走行に伴い、矢印方向に搬送される。9は搬送される枚葉印刷物Pの印刷面における紫外線乾燥型インクを乾燥させる乾燥装置であり、UV(紫外線)照射ランプ、若しくはIR(赤外)ランプ(共に図示省略)がカバー10により覆われている。11は不良品の枚葉印刷物Pの受箱、12は良品の枚葉印刷物Pの受箱であり、把持手段8の解放により枚葉印刷物Pが選択的に落下されて収納される。
【0014】13は印刷後の枚葉印刷物Pにおける外面の印刷面側に圧縮空気を噴射して枚葉印刷物Pを圧胴3側へ加圧するための噴射ノズルであり、枚葉印刷物Pの幅方向に沿って複数個並列され、圧縮空気供給源(図示省略)から圧縮空気が供給されるようになっている。このように、枚葉印刷物Pの印刷面側に圧縮空気を噴射して枚葉印刷物Pを圧胴2に対して加圧することにより、印刷面を擦らないので、その汚損を防止することができる。14と15は圧胴3上で空気噴射ノズル13から噴射される圧縮空気により加圧されている枚葉印刷物Pにおける印刷面の部分を反射照明する明視野用と暗視野用の照明光源として用いられる蛍光灯であり、枚葉印刷物Pの印刷面が全幅に亘ってほぼ均一な照度で照明されるようになっている。16は検査(撮像)手段としての撮像カメラであり、例えば、CCDラインセンサ等のカメラが用いられ、蛍光灯14、15から出射される照明光により照明される枚葉印刷物Pの印刷面を光学系レンズ17を用いて撮像することができる(なお、撮像カメラに代えて高分解能なセンサを用いることもできる。)。18は判定手段であり、撮像カメラ16から得られる多階調画像データの濃度レベルをそれぞれ基準濃度レベルと比較して印刷面の欠陥の有無について判定する。そして、判定手段18による判定手段結果をもとに把持手段8を不良品受箱11、良品受箱12に対応させて解放させるようになっている(なお、圧胴3においても図示していない版胴とブランケット胴との組合わせにより枚葉紙に印刷する場合には、噴射ノズル13、蛍光灯14、15、撮像カメラ16等は圧胴3においてブランケット胴に対する回転方向下流側に配置されることになる。)。
【0015】各蛍光灯14、15は、その照明光の出射面が図2に示すように、透明、若しくは半透明の光透過性を有する合成樹脂フィルムから成る方形状の防汚カバー20により直接、交換可能に巻かれた状態で被覆され、蛍光灯14、15の出射面にインクミスト、塵等が直接、付着するのを防止している。
【0016】以上の構成において、以下、その動作について説明する。前記のように紫外線乾燥型インクにより印刷され、圧胴3上を搬送される枚葉印刷物Pを噴射ノズル13から噴射される圧縮空気により圧胴3から浮き上がらないようにする。この間、枚葉印刷物Pの印刷面を蛍光灯14、15から防汚カバー20を通して出射される照明光により反射照明する。この反射照明された部分を撮像カメラ16により撮像する。撮像後の枚葉印刷物Pは圧胴3から排出され、枚葉印刷物Pはその先端部が走行されているチェン5に取付けられている把持手段8によりスプロケット6上で把持されて搬送され、この搬送の途中で枚葉印刷物Pの印刷面がインク乾燥装置9により乾燥される。
【0017】この間、撮像カメラ16により撮像データをもとに判定手段18により枚葉印刷物2の印刷面における欠陥の有無について判定する。その一例として、撮像カメラ16から順次出力される256階段の多階調ライン画像のデータをもとにそれぞれ多階調エリア画像を作成し、これらの多階調エリア画像の各部の濃度レベルをあらかじめ設定してある基準画像の256階調の多階調エリア画像の対応する各部の濃度レベルと比較し、両画像の対応する部分の濃度レベル差の許容値をもとに欠陥の有無を判定する。このとき、前記のように明視野用と暗視野用の蛍光灯14、15を組み合わせて用いることにより、カラーインクの色成分等が得やすくなり、欠陥の検出精度を向上させることができる。そして、判定手段18により判定の結果、枚葉印刷物Pが良品であれば、その枚葉印刷物Pを杷持している把持手段8を良品受箱12の位置で解放させ、把持していた良品の枚葉印刷物Pを良品受箱12に落下させる。一方、枚葉印刷物Pが不良品であれば、その枚葉印刷物Pを把持している把持手段8を不良品受箱11の位置で解放させ、把持していた不良品の枚葉印刷物Pを不良品受箱11に落下させる。
【0018】このようにして順次、枚葉印刷物Pの印刷面における欠陥の有無について検査し、良品と不良品とに分類する。そして、前記のような濃度レベルに基づいて判定することにより、傷や濃い汚れ等のみならず、インクの濃度差等による欠陥や淡い汚れ等についても検出することができて検出精度を向上させることができる。しかしながら、前記のような検査に際し、印刷面に対して噴射ノズル13から圧縮空気を噴射しており、この印刷面上のインクは乾燥されていないため、圧縮空気の噴射によりインクミストが飛散して防汚カバー20に付着する。このインクミストの付着量が次第に増えることにより、蛍光灯14、15の照度が急激に下がると、印刷面が急激に暗くなり、撮像カメラ16から出力される画像データの濃度が下がる。このように画像データの濃度が下がると、基準濃度レベルとの差が大きくなり、判定手段18において、本来、欠陥を有しないにも拘らず、欠陥であると誤った判定をするおそれがある。
【0019】そこで、インクミストが付着した防汚カバー20を図2に鎖線で示すように、蛍光灯14、15の出射面から剥離して除去し、新たな防汚カバー20を図2に実線で示すように蛍光灯14、15の出射面に巻き付けた状態で被覆する。そして、再び前記のように枚葉印刷物Pの印刷面における検査作業を開始する。
【0020】このようにして蛍光灯14、15から出射される照明光の光量を常にほぼ一定に保つことができ、印刷面を常にほぼ一定の照度で照明することができるので、判定手段18における照度の急激な変化等に基づく誤判定を防止することができる。
【0021】次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図3は本発明の第2の実施形態に係る品質検査装置に用いるものであって、照明光源をフィルム状の防汚カバーにより被覆した状態を示す側面図である。
【0022】本実施形態においては、前記第1の実施形態とは照明光源の防汚カバーの構成を異にするので、主として、この構成の異なる部分について説明する。図3に示すように、本実施形態においては、照明光源である蛍光灯14、15の出射面を透明、若しくは半透明の光透過性を有する合成樹脂フィルムから成る帯状の防汚カバー20により直接、螺旋状で交換可能に巻いた状態で被覆したものである。
【0023】本実施形態においても前記第1の実施形態と同様にして枚葉印刷物Pの印刷面を検査するのに伴い、インクミストの飛散により防汚カバー20を汚損し、蛍光灯14、15の照度が下がると、汚損された防汚カバー20を蛍光灯14、15の出射面から剥離して除去し、新たな防汚カバー20を蛍光灯14、15の出射面に巻き付けた状態で被覆する。したがって、蛍光灯14、15から出射される照明光の光量を常にほぼ一定に保つことができ、印刷面を常にほぼ一定の照度で照明することができるので、判定手段18における照度の急激な変化に基づく誤判定を防止することができる。
【0024】次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図4は本発明の第3の実施形態に係る品質検査装置に用いるものであって、照明光源の回りをフィルム状の防汚カバーにより被覆した状態を示す斜視図である。
【0025】本実施形態においては、前記第1の実施形態とは照明手段とその防汚カバーの構成を異にするので、主として、この構成の異なる部分について説明する。図4に示すように、本実施形態においては、照明光源である蛍光灯14、15の回りで蛍光灯14、15の長手方向に沿って複数箇所に棒状の補助部材21が設けられ、これらの補助部材21に跨り、蛍光灯14、15の出射面とに間隔存して透明、若しくは半透明の光透過性を有する合成樹脂フィルムから成る方形状の防汚カバー20により交換可能に巻いた状態で被覆したものである(なお、帯状の防汚カバー20を前記第2の実施形態と同様に、螺旋状で交換可能に巻くこともできる。)。
【0026】本実施形態においても前記第1、第2の実施形態と同様にして枚葉印刷物Pの印刷面を検査するのに伴い、インクミストの飛散により防汚カバー20を汚損し、蛍光灯14、15の照度が下がると、汚損された防汚カバー20を補助部材21から剥離して除去し、新たな防汚カバー20を蛍光灯14、15の出射面の回りで補助部材21に跨るように巻き付けた状態で被覆する。したがって、蛍光灯14、15から出射される照明光の光量を常にほぼ一定に保つことができ、印刷面を常にほぼ一定の照度で照明することができるので、判定手段18における照度の急激な変化に基づく誤判定を防止することができる。また、本実施形態においては、防汚カバー20を蛍光灯14、15の出射面から離隔させているので、防汚カバー20が熱により蛍光灯14、15に付着することがなく、防汚カバー20の剥離作業を容易に行うことができる。
【0027】次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図5は本発明の第4の実施形態に係る品質検査装置に用いるものであって、照明ユニットをフィルム状の防汚カバーにより被覆した状態を示す中央部縦断面図、図6は図5のVI−VI矢視断面図である。
【0028】本実施形態においては、前記第1の実施形態とは照明ユニットおよびその防汚カバーによる被覆についての構成を異にするので、主として、この構成の異なる部分について説明する。オフセット輪転印刷等においては、近年、印刷の仕上がりが良好な紫外線乾燥型インクが次第に多く使用されつつある。このような印刷物を積み重ねるには前記のように紫外線乾燥型インクを紫外線照射ランプ9から出射する紫外線の照射により乾燥させる必要がある。したがって、時間の経過に伴い、検査環境が高温に変化する。また、前記のような印刷物に限らず、検査対象物によっては、冷暖房設備が整備されていないことなどにより、低温、若しくは高温の環境下で欠陥の有無を検査することが要求される。そして、特に、前記のように濃淡画像データを用いて欠陥の有無を判定する場合には、照明光の照度が急激に変化すると、検査精度に悪影響を及ぼすことになるため、検査精度を向上させるには低温から高温に至るいかなる周囲温度環下にあっても照明光の光量を常時、ほぼ一定に保ち、被検査面を常時、ほぼ一定の照度で照明する必要がある。
【0029】一方、従来、前記のような印刷面等の被検査面を照明する照明光源として、一般的には被検査面の全幅に亘ってほぼ均一に照明することができ、しかも、低コスト化、メンテナンスの容易さを図ることができるように蛍光灯が用いられている。しかしながら、照明光源、特に、蛍光灯14、15は、一例として、周囲温度が約25〜28℃付近をピークとし、周囲温度が低過ぎても高過ぎても照度が低下するため、低温、若しくは高温の環境下では被検査面を常に一定の照度で照明することができず、検査精度にばらつきを生じ、一定の検査精度を維持することができないおそれがある。そこで、本実施形態においては蛍光灯14、15を周囲温度を調整して常にほぼ一定の光量で出射し得るようにしたものである。
【0030】図5および図6に示すように、明視野用と暗視野用の各照明ユニット22、23は、照明光源である蛍光灯14、15と、この蛍光灯14、15をその照明光が透過し得るように収める光透過収納体24とを備えている。本実施形態における光透過収納体24は反射板(笠)25、前面側の光透過被覆体26、背部カバー27等から構成されている。更に、具体的に説明すると、反射板25は頂板28の両側短辺縁に端板29aの基部が一体的に設けられ、頂板28の両側長辺縁に側板29bの基部が一体的に設けられている。頂板28の端板29a側にはソケット30が設けられ、このソケット30に蛍光灯14、15の端子が係合される。光透過被覆体26は、ポリカーボネート、アクリル樹脂等の透明、若しくは乳白色の半透明な光透過材料により両端の端板間に前方へ突出する曲面状部(かまぼこ屋根状部)が一体に設けられ、両側長辺側と両側の端板が反射板25の側板29bおよび端板29aの縁部に嵌合され、蛍光灯14、15を収納する密閉状の温度調整用空間(収納空間)31が形成されている。光透過被覆体26はその両側長辺縁部に形成されたねじ挿通用切欠(図示省略)と側板29bに形成されたねじ挿通用穴(図示省略)の利用によりボルト、ナット32により取外し可能に取り付けられている。背部カバー27は金属、樹脂等により頂板33、端板34、側板35が一体的に設けられ、端板34と側板35が反射板25上に一体的に設けられて頂板28の背方に温度調整用流路36が形成されている。頂板28の両短辺側には各ソケット30のやや内方に位置して流入穴37と流出穴38が形成され、これら流入穴37と流出穴38により温度調整用空間31と温度調整用流路36とが連通されて光透過収納体24が構成されている。そして、光透過被覆体26の出射面が曲面状に形成されることにより、蛍光灯15、15から出射された照明光が光透過被覆体26の曲面状出射面により拡散されて枚葉印刷物Pの印刷面に対して全体にほぼ均一に散乱されるようになっている。
【0031】光透過収納体24の温度調整用空間31内は光透過収納体24内で空気を循環させる方式の温度調整手段により温度調整される。その一例について説明すると、温度調整用流路36内の中央部にペルチェ効果の利用により温度調整用流路36内の空気を冷却し得る冷却ユニット39が設けられ、この冷却ユニット39は吸熱側が温度調整用流路36内に設けられ、放熱側が頂板33に形成された穴40から外方へ突出されている。その一例について説明すると、ペルチェ素子41の吸熱面側に吸熱フィン42が設けられ、この吸熱フィン42が頂板28上に支持されている。ペルチェ素子41の放熱面側には穴40外に突出する放熱フィン43、放熱ファン44が順次設けられている。そして、ペルチェ素子41は電流が供給されることにより、ペルチェ効果により下側の吸熱面から上側の放熱面に向かう熱移動が生じ、吸熱フィン42が冷却されるようになっている。また、放熱ファン44を駆動して外気を放熱フィン43へ送ることにより、ペルチェ効果により放熱フィン43側へ移動した熱は外気により放散されるようになっている。
【0032】温度調整用流路36内には流出穴38と冷却ユニット39との間で送風器45が設けられ、冷却ユニット39と流入穴37との間で送風器46が設けられ、冷却ユニット39と送風器46との間でヒータ47が設けられている。そして、送風器45、46の駆動により温度調整用流路36内の空気を送風器45側から送風器46側へ送り、この間、冷却ユニット39が駆動している場合には、空気が吸熱フィン42と接触して通過することにより冷却され、若しくはヒータ47が駆動している場合には空気がヒータ47を通過することに加熱され、この冷却され、若しくは加熱された空気が流入穴37から温度調整用空間31内へ供給され、温度調整用空間31内の空気が流出穴38から温度調整用流路36内へ流出する循環系路が構成されている。また、この循環系路中において、熱電対等から成る温度センサ48が設けられている。
【0033】光透過被覆体26の前側は防汚カバー20により交換可能に被覆されるようになっている。その一例として、光透過収納体24に支持フレーム49が一体的に設けられている。この支持フレーム49の端板50、50間には光透過収納体24における各側板29bの基部寄り位置の側方で繰出し軸51と巻取り軸52が蛍光灯14、15とほぼ平行でそれぞれベアリング53により回転可能に支持され、各側板29bの前部寄り位置の側方で案内ローラ54、55が蛍光灯14、15とほぼ平行でそれぞれベアリング56により回転可能に支持されている。巻取り軸52は一方の端板50に取付けられたモータ57により回転されるようになっている。そして、繰出し軸51には前記と同様に透明、若しくは半透明で光透明性の合成樹脂フィルムから成り、ロール状に巻かれた防汚カバー20が繰出し可能に支持され、繰出された防汚カバー20が案内ローラ54、55に案内されて巻取り軸52に巻取られ、光透過被覆体26の出射面が案内ローラ54、55間で出射面と僅かに離れた位置で接線方向に展張された防汚カバー20により被覆されるようになっている。
【0034】本実施形態においても、前記第1の実施形態と同様に、枚葉印刷物Pの印刷面を照明ユニット14、15から光透過被覆体26および防汚カバー20を通して出射する照明光により照明し、この照明された印刷面を撮像カメラ16により撮像し、判定手段18により撮像カメラ16から得られる多階調画像データの濃度レベルをそれぞれ基準濃度レベルと比較して印刷面の欠陥の有無について判定し、良品と不良品とに選別する。
【0035】そして、前記検査に際し、インクミストの飛散により防汚カバー20が汚損されると、モータ57の駆動により巻取り軸52を回転させ、繰出し軸51から防汚カバー20を繰出させ、防汚カバー20における汚損された部分を巻取り軸52に巻取り、防汚カバー20における新たな非汚損部分で光透過被覆体26を被覆することができる。
【0036】また、前記検査に際し、送風器45、46を駆動し、流出穴38、流入穴37により光透過収納体24の温度調整用空間31と温度調整用流路36とに空気を常時、循環させ、温度調整用空間31内、すなわち、蛍光灯14、15の周囲温度を温度センサ48により常時、検出する。そして、例えば、40℃を超えると、冷却ユニット39を駆動することにより、温度調整用流路36内の空気を冷却し、駆動していないヒータ47を介して冷却空気を流入穴37から温度調整用空間31内に供給し、温度調整用空間31内の加熱されている空気を流出穴38から温度調整用流路36排出して冷却する。温度センサ48の検出に基づき、前記動作を連続的に行うように制御することにより、温度調整用空間31内、すなわち、蛍光灯14、15の周囲温度を所定の適正温度に下降させることができる。
【0037】検査開始時等、前記と同様に、送風器45、46を駆動して温度調整用空間31と温度調整用流路36とに空気を常時、循環させ、温度センサ48の検出により蛍光灯14、15の周囲温度が例えば、15℃以下であれば、ヒータ47を駆動することにより、温度調整用流路36内の空気をヒータ47で加熱し、この加熱空気を流入穴37から温度調整用空間31内に供給し、温度調整用空間31内の低温の空気を流出穴38から温度調整用流路36に排出し、駆動していない冷却ユニット39を介してヒータ47へ送る。温度センサ48の検出に基づき、前記動作を連続的に制御することにより、温度調整用空間31内、すなわち、蛍光灯14、15の周囲温度を適正温度に上昇させることができる。
【0038】このようにして蛍光灯14、15の出射面の汚損を防止して、蛍光灯14、15の周囲温度を適正温度に調整することにより、蛍光灯14、15から出射される照明光の光量を常にほぼ一定に保つことができ、印刷面を常にほぼ一定の照度で照明することができるので、判定手段18における照度の急激な変化等に基づく誤判定を防止することができる。
【0039】なお、温度センサ48の検出結果に基づく送風器45、46と冷却ユニット39の駆動、若しくは送風器45、46とヒータ47の駆動についてはコンピュータにより自動的に制御することもでき、手動で制御することもできる。また、モータ57の駆動についても一定時間ごとにコンピュータにより自動的に制御し、巻取り軸52を回転させて防汚カバー20を繰出すようにすることもでき、手動で巻取り軸52を回転させて防汚カバー20を繰出すようにすることもできる。また、前記加熱手段として、ヒータ47に替え、ペルチェ素子に逆向きの電流を流すなどにより、吸熱側と放熱側とを逆にし、ペルチェ効果の利用により循環する空気を加熱するように構成することもできる。
【0040】なお、前記第1ないし第3の実施形態のように蛍光灯14、15を露出状態で使用する場合においても、防汚カバー20を前記第4の実施形態のように繰出しながら使用することもでき、防汚カバー20を交換を容易に、かつ迅速に行うことができる。また、前記第4の実施形態においては照明光源として蛍光灯に限らず、ハロゲンランプ、ハロゲン化金属ランプ、水銀ランプ等、任意のランプを用いることができる。また、第4の実施形態においては、光透過収納体21内における循環方式で温度を調整するようにしているが、光透過収納体21の内外で循環させて温度を調整するようにしてもよく、この場合、光透過収納体に流路を形成して液体を循環させるようにすることもできる。また、光透過収納体はその両端部を開放し、中央部にファンを設け、このファンの駆動により光透過収納体内にその両端開放部から空気を吸引し、中央部のファンにより外方へ排出することにより、照明光源の周囲温度を下降させることもできる。また、前記各実施形態において、照明手段として、暗視野用の蛍光灯15、照明ユニット23等のみを用いることもできる。更に、防汚カバーはフィルム状に限らず、所望の光透過性材料を用いることができ、例えば、光透過性を有する合成樹脂製の筒体であってもよい。また、前記各実施形態においては、枚葉印刷物をインラインで検査する場合について説明したが、検査専用の搬送装置(オフライン)で検査する場合に適用することもでき、また、任意の検査対象物に適用することができる。このほか、本発明は、その基本的技術思想を逸脱しない範囲で種々設計変更することができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、被検査面のデータをもとに被検査面の欠陥の有無を判定するに際し、照明光源から出射する照明光により被検査物の被検査面を照明する。そして、照明光の出射面を光透過性の防汚カバーにより被覆しているので、この防汚カバーに汚損物質が付着して照明光の光量が下がると、防汚カバーを新たに交換することにより、照明光源から出射する照明光の光量を常にほぼ一定に保つことができて被検査面を常にほぼ一定の照度で安定的に照明することができる。したがって、検査の作業性能率を向上させることができる。また、照明光源をその寿命まで使用することができ、したがって、経済性の向上を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000109200
【氏名又は名称】ダックエンジニアリング株式会社
【出願日】 平成12年6月26日(2000.6.26)
【代理人】 【識別番号】100071515
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 景介
【公開番号】 特開2002−8428(P2002−8428A)
【公開日】 平成14年1月11日(2002.1.11)
【出願番号】 特願2000−191404(P2000−191404)