トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F21 照明




【発明の名称】 ガスランタン
【発明者】 【氏名】大須賀 康孝

【要約】 【課題】液化燃料ガスを収容したガスボンベを装着して使用するガス燃焼器、特にガスランタンにおいて、液化燃料ガスの気化を促進するため、ガスボンベ内の気化熱を維持し、バーナーへの燃料ガスの供給に優れたガスランタンを提供することを目的とする。

【解決手段】バーナー9の上方にガスボンベ2を配置したことにより、ガスボンベ2がバーナー9の燃焼熱により下方から加温及び保温されるため、ガスボンベ2内の気化熱が補給され、燃料ガスの気化が促進されるので、燃料ガスを安定して供給することができる。バーナー9の灯は周辺を明るくすると同時に、ガスボンベ2をも加温及び保温する役割を果たし、非常に効率的である。特に、バーナー9を熱伝導性のカバー10で覆うと、広く灯りを照らす効果及び風除けの効果が期待できると共に、燃焼熱を逃がすことなく効率的に上方のガスボンベ2に伝導することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】液化燃料ガスが充填されたガスボンベのガス出口部を脱着自在に保持可能で、前記ガス出口と連通可能とされ、前記ガスボンベから流出するガスを導出するガス導出路を有するホルダーと、前記ガスボンベから導出されるガス量を調節するガス供給量調整装置と、前記ガス導出路に設けたガス/空気混合器と、前記ガスボンベよりも下方に位置するように前記ホルダーに取付けられ、前記ガス導出路から供給されるガスを燃焼させ、灯りをともすと共に該燃焼熱で前記ガスボンベを加温するバーナーと、を備えたことを特徴とするガスランタン。
【請求項2】前記バーナーを上部から覆う熱伝導性カバーを取付け、該熱伝導性カバーが前記バーナーの灯りを反射させるとともに、前記バーナーの燃焼熱が前記熱伝導性カバーを介して上方に伝達されることを特徴とする請求項1記載のガスランタン。
【請求項3】前記ホルダーの上端部に吊下げ装置を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のガスランタン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスランタンに係わり、詳しくはキャンプ等の所謂アウトドア活動で使用する屋外用ガスランタンに関する。
【0002】
【従来の技術】液化燃料ガスを収容した小型ガスボンベを装着して使用するガス燃焼器は、キャンプ等の所謂アウトドア活動で使用される屋外用ガスランタン等の照明具等に数多く利用されている。従来のガス燃焼器では、小型ガスボンベ内で気化した気体状態の燃料ガスをバーナーに導き、燃焼させる構造になっているが、小型ガスボンベ内で液化燃料ガスを気化させるためには気化熱(蒸発潜熱)の供給が必要であり、通常この気化熱は、ボンベ壁を介しての大気からの入熱と、液化燃料ガスが保有している顕熱によって賄われている。このため、実際に燃焼する気体状態の燃料ガスの供給速度は、主に小型ガスボンベの大きさによって決定される。
【0003】また、従来のガスランタンは、小型ガスボンベの上にランタン本体を載せた状態で、小型ガスボンベをランタン本体に取付ける構造であり、この構造では小型ガスボンベから気化熱が奪われ、その結果、小型ガスボンベの温度低下に伴い小型ガスボンベ内の圧力が低下し、気体状態の燃料ガスを安定して供給することが難しい。この状態でガスランタンをテーブルの上に置いたり、ランタン本体に取付けられる金具等で吊るしたりして使用するため、揺動したり、傾けたりすることも多く、液化燃料ガスの気化が不十分であると、時として燃料ガスが液体状態のままバーナー部に供給され、炎の吹き消え、空気不足、不良燃焼等の異常を起すことが多いという問題もある。このため、一定の灯りを提供するというランタン本来の役割が果たせない場合が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、液化燃料ガスを収容した小型ガスボンベを装着して使用するガス燃焼器、特に、ガスランタン等では、小型ガスボンベ内の気化熱によるガス圧力の低下を防ぎ、燃料ガスを安定してバーナーに供給し、灯りの光量低下を防止するガスランタンを提供することが課題となる。
【0005】
【課題を解決するための手段及び効果】そこで、本発明者は、上記課題を解決するため、小型ガスボンベをバーナーの熱で下方向から加温すれば、小型ガスボンベの温度の低下を防止できることに着目し、本発明をなしたものである。即ち、請求項1に記載のガスランタンは、液化燃料ガスが充填されたガスボンベのガス出口部を脱着自在に保持可能で、前記ガス出口と連通可能とされ、前記ガスボンベから流出するガスを導出するガス導出路を有するホルダーと、前記ガスボンベから導出されるガス量を調節するガス供給量調整装置と、前記ガス導出路に設けたガス/空気混合器と、前記ガスボンベよりも下方に位置するように前記ホルダーに取付けられ、前記ガス導出路から供給されるガスを燃焼させ、灯りとともすと共に該燃焼熱で前記ガスボンベを加温するバーナーと、を備えたことを特徴とするガスランタンが好ましい。このように、バーナーの上方にガスボンベを配置したことにより、ガスボンベがバーナーの燃焼熱により下方から加温されるため、ガスボンベ内の気化熱による温度低下が防止され、これによりガス圧力の低下が防止され、燃料ガスの気化が促進され、燃料ガスを安定して供給することができる。このとき、バーナーの灯は周辺を明るくすると同時に、ガスボンベをも加温する役割を果たし、非常に効率的である。また、ランタンが周辺を照らすときにガスボンベが灯りの邪魔になることもない。
【0006】請求項2に記載のガスランタンは、前記バーナーを上部から覆う熱伝導性カバーを取付け、該熱伝導性カバーが前記バーナーの灯りを反射させるとともに、前記バーナーの燃焼熱が前記熱伝導性カバーを介して上方に伝達されることを特徴とする請求項1記載のガスランタンが好ましい。ここでいう熱伝導性カバーは熱伝導性の良い金属等が好ましい。このように、バーナーを熱伝導性カバーで覆うことにより、広く灯りを照らす効果及び風除けの効果が期待できると共に、燃焼熱を逃がすことなく効率的に上方のガスボンベに伝達することができる。
【0007】請求項3に記載のガスランタンは、前記ホルダーの上端部に吊下げ装置を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のガスランタンが好ましい。ここでいう吊下げ装置とはハンガータイプの吊金具等をいうが、引掛けるもの、はめ込むもの、又はその他のものでも構わない。ここでは、燃料ガスが安定して供給されており、揺動した場合でも影響を受けにくいため、このように吊下げ装置を備えたことにより、吊るしても実用的に使用することができる。また、テントや樹木等に引掛けて使用することもできるようになるため、地面等の状況に左右されず、使用形態が多様化すると共に、ランタンが周辺を照らすときにガスボンベが灯りの邪魔になることもない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な一実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加えることができるものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれ、該技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0009】図1及び図2に示すように、本実施形態のガスランタン1は、液化燃料ガスが充填されたガスボンベ2のガス出口部3を脱着自在に保持可能で、ガス出口3と連通可能とされ、ガスボンベ2から流出するガスを導出するガス導出路4を有する、立設体であるリング状のホルダー5と、ガス導出路4の適宜位置(ここでは始端)に設けられガスボンベ2から導出されるガス量を調節するガス供給量調整装置7と、ガス導出路4の適宜位置(ここでは終端)に設けたガス/空気混合器8と、ガスボンベ2よりも下方に位置するようにガス/空気混合器8の下部に取りつけられ、ガス導出路4から供給されるガスを燃焼させ、灯りとともすと共に燃焼熱でガスボンベ2を加温するバーナー9とを備えたものである。更に、バーナー9を上部から覆う熱伝導性(ここでは熱伝導性の良好な真鍮)のカバー10を取付け、カバー10がバーナー9の灯りを反射させるとともに、バーナー9の燃焼熱がカバー10を介して上方に伝達され、ガスボンベ2を加温するように構成されている。以下、各要素その他の部品を詳細に説明する。
【0010】ホルダー5は、ガスボンベ2を内部領域に収容可能な大きさと形状に設定されたリング50、リング50の上端部に取りつけられた吊下げリング51、リング50の上端部下側に取り付けられたロックナット52、とを備えている。ロックナット52は、ガスボンベ2の口形状に適合し、ガスボンベ2を取付けると、重力でもガスボンベ2の圧力でも外れない構造である。リング50の左側領域の内部を中空構造とすることにより、ガス導出路4が形成されている。
【0011】ガス供給量調整装置7は、火力調整つまみ70を備えている。ロックナット52とホルダー5の結合部にはガス供給量調整装置7が備えられ、ガス供給量調整装置7を緩めるとガスボンベ2から気体状態の燃料ガスが流出し、ホルダー5内のガス導出路4を通りガス/空気混合器8へと誘導される構造となっている。
【0012】ガス/空気混合器8の上端は、ねじでリング50の下端部に脱着自在に取りつけられている。ガス/空気混合器8には空気孔80が設けられ、空気孔80から空気が取り入れられガス/空気混合器8内で気体状態の燃料ガスと混合されバーナー9に送られる仕組みとなっている。
【0013】バーナー9を覆うように、バーナーカバー11は、ナット12によりカバーホルダー13にねじ込まれている。バーナーカバー11には点火用の孔11aが下に設けられている。バーナーカバー11は、耐熱性の高い金属等を網目状にしたものが好ましい。バーナー9には、不燃性の繊維からできている発光体14が被せられている。
【0014】カバー10は若干下方に傾斜して形成された傘状に形成されたものであり、発光体14から360度、光が放射されることを防止し、一定方向に光を反射するように設計されたものである。
【0015】ガス/空気混合器8の下部には、カバー10よりも表面積が小さく設定された熱伝導性の適宜形状(ここでは円)の温度上昇抑制板19が取り付けられている。この温度上昇抑制板19は、ステンレスなどであってカバー10の熱伝導率よりも低い熱伝導率に設定してある。この温度上昇抑制板19は、ガスボンベ2が過熱されることを防止し、ガスボンベ2を適温に保持するものである。ガス/空気混合器8の下部は、カバー10を介装させて、ねじでバーナーカバー11の上部へ脱着自在に取り付けられている。
【0016】図3〜図6を参照して、本実施形態のガスランタン1の使用方法について説明する。まず、図3(a)の通り、火力調節つまみ70を時計方向に回し完全に閉めて、ガス供給量調整装置7をガスが誘導されない状態とする。ロックナット52を右方向に回し緩めたところで、ガスボンベ2を填め込み、図3(b)の通り、ロックナット52を左方向に回して完全に閉め、ガスボンベ2を固定する。
【0017】次に、図4(a),(b)の通り、バーナー9に不燃性の繊維からできている発光体14を取付ける。このとき、バーナー9のくびれ部15,16に合わせて発光体14の結ばれた糸17,18が取り付けられる。発光体14は消耗品なので、使用する度毎又は適宜取り替えることが好ましい。さらに、図5(a)の通り、ナット12をカバーホルダー13にねじ込む。
【0018】図5(b)の通り、火力調整つまみ70を反時計方向に回すことにより、ガスボンベ2内の燃料ガス(ブタンガス、プロパンガス等)は、ガス出口3からロックナット52を経てガス導出路4、ガス/空気混合器8を通してバーナー9に供給される。この燃料ガスは、ガスボンベ2内の圧力とガス供給量調整装置7の弁の隙間とにより調整される流量で噴射され、ガス/空気混合器8内で空気孔80から取り入れられた空気と混合される。そして、図6(a)の通り、点火装置20で点火することにより燃焼され、バーナー9が灯りとなる。このように、ガス供給量調整装置7によりガス流出量が調節できるので、ガスランタン1の明るさを調節することができる。
【0019】使用後は、図6(b)の通り、火力調節つまみ70を時計方向に回し完全に閉めて、ガス供給量調整装置7をガスが誘導されない状態とし、ロックナット52を右方向に回し緩めたところで、ガスボンベ2を下に引き抜くように取り外す。
【0020】本実施形態のガスランタン1を吊下げリング51によりテントや樹木等に引掛けて吊るして使用した場合は、ロックナット52に取付けたガスボンベ2の真下にバーナー9が位置する。このため、本実施形態のガスランタン1では、バーナー9の燃焼熱が上方に伝導し、カバー10と温度上昇抑制板19を経てガスボンベ2は下方から加温されるため、ガスボンベ2内から気化熱が奪われたとしても、気化熱を補給することができ、ガス圧力が低下せず、燃料ガスの気化が促進されるので、バーナー9へ燃料ガスを安定して供給することができる。その結果、ガスランタン1は一定の灯りを提供することが可能となる。このように、バーナー9の灯は周辺を明るくすると同時に、ガスボンベ2をも加温する役割を果たし、非常に効率的である。また、ガスランタン1が周辺を照らすときにガスボンベ2が灯りの邪魔になることもない。さらに、本実施形態のガスランタン1では、バーナー9を熱伝導性のカバー10で覆っているので、広く灯りを照らす効果、及び風除けの効果が期待できると共に、燃焼熱を逃がすことなく効率的に上方のガスボンベ2に伝導することができる。
【出願人】 【識別番号】301030007
【氏名又は名称】有限会社オスカー
【出願日】 平成13年5月16日(2001.5.16)
【代理人】 【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
【公開番号】 特開2002−343118(P2002−343118A)
【公開日】 平成14年11月29日(2002.11.29)
【出願番号】 特願2001−146155(P2001−146155)