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【発明の名称】 車両用前照灯
【発明者】 【氏名】山本 薫

【要約】 【課題】光源バルブの本体支持部がリフレクタの環状壁の内周面に摺接嵌合するように構成された車両用前照灯において、リフレクタが高温になってしまうのを未然に防止してリフレクタ等に熱変形が生じるおそれを低減する。

【解決手段】光源バルブ22の本体支持部22cをリフレクタ24の環状壁24Bの内周面に摺接嵌合させるようにして、そのフランジ部24dを環状壁24Bの後端面に当接させ、この状態でフランジ部24dを環状壁24Bとバルブ固定具32とで前後両側から挟み込むことにより、光源バルブ22をリフレクタ24に固定する構成とする。そして、環状壁24Bにおける光源バルブ22の本体支持部22cとの摺接嵌合位置(Oリング34の位置)よりも前方部位に、該環状壁24Bを貫通する3つの切欠き孔24mを形成する。これにより、これら切欠き孔24mを介してリフレクタ24の内部空間と外部空間とを連通させ、リフレクタ24の内部空間に生じる熱を切欠き孔24mを介して外部空間へ放散させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源バルブと、この光源バルブからの光を前方へ反射させるリフレクタと、上記光源バルブを上記リフレクタに固定するバルブ固定具と、を備えてなる車両用前照灯であって、上記光源バルブが、バルブ本体と、このバルブ本体を支持する本体支持部と、この本体支持部の周面部に形成されたフランジ部とを備えてなり、上記リフレクタが、上記バルブ本体を挿入するためのバルブ挿入孔が形成されたリフレクタ本体と、このリフレクタ本体における上記バルブ挿入孔の周囲から後方へ突出するように形成された環状壁とを備えてなり、上記光源バルブの上記リフレクタへの固定が、上記本体支持部を上記環状壁の内周面に摺接嵌合させるようにして上記フランジ部を上記環状壁の後端面に当接させた状態で、上記フランジ部を上記環状壁と上記バルブ固定具とで前後両側から挟み込むことにより行われるように構成された車両用前照灯において、上記環状壁における上記本体支持部との摺接嵌合位置よりも前方部位に、該環状壁を貫通する少なくとも1つの切欠き孔が形成されている、ことを特徴とする車両用前照灯。
【請求項2】 上記少なくとも1つの切欠き孔のうちの1つが、上記光源バルブの上方位置に形成されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用前照灯。
【請求項3】 上記環状壁の後端面における周方向複数箇所に、上記バルブ固定具を該環状壁にネジ止め固定するためのネジ止め固定部が形成されており、上記各ネジ止め固定部の前方位置に、上記切欠き孔が各々形成されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用前照灯。
【請求項4】 上記リフレクタが、該リフレクタの後端部近傍に上記環状壁の外径よりも大きい開口部が形成されたランプボディに収容されており、このランプボディに、上記環状壁の外径と略同一径を有するリフレクタ嵌着孔が形成されたカバー部材が、上記開口部を閉塞するようにして取り付けられておりこのカバー部材のリフレクタ嵌着孔が、上記環状壁の外周面における上記各切欠き孔よりも後方部位に嵌着されている、ことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の車両用前照灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、車両用前照灯に関するものであり、特に、そのリフレクタにおける光源バルブの固定部位周辺の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用前照灯においては、光源バルブがバルブ固定具によってリフレクタに固定されている。そして、その具体的構成としては、例えば図7に示すようなものが知られている。
【0003】同図に示す車両用前照灯においては、光源バルブ2は、そのバルブ本体2bを支持する本体支持部2cの周面部にフランジ部2dが形成された構成となっている。一方、リフレクタ4は、そのリフレクタ本体4Aに光源バルブ2のバルブ本体2bを挿入するためのバルブ挿入孔4bが形成されており、またリフレクタ本体4Aにおけるバルブ挿入孔4bの周囲には後方へ突出する環状壁4Bが形成されている。そして、光源バルブ2の本体支持部2cをリフレクタ4の環状壁4Bの内周面に摺接嵌合させるようにしてそのフランジ部2dを環状壁4Bの後端面に当接させ、この状態で、フランジ部2dを環状壁4Bとバルブ固定具6とで前後両側から挟み込むことにより、光源バルブ2がリフレクタ4に固定されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このように光源バルブ2の本体支持部2cがリフレクタ4の環状壁4Bの内周面に摺接嵌合するように構成された灯具においては、光源バルブ2の本体支持部2cによってリフレクタ4のバルブ挿入孔4bが完全に閉塞されてしまうので、光源バルブ2の点灯により該光源バルブ2のフィラメント2aから光と共に放射される熱が、リフレクタ4の内部空間に籠もってしまうこととなる。
【0005】このためリフレクタ4が高温になってしまい、リフレクタ4を樹脂成形品で構成した場合にはリフレクタ4が熱変形を生じやすくなってしまう、という問題がある。
【0006】また、光源バルブ2の本体支持部2cとリフレクタ4の環状壁4Bの内周面とが摺接嵌合する構成は、光源バルブ2の本体支持部2cを樹脂成形品で構成した場合に採用されることが多いが、このようにした場合には、本体支持部2cあるいは該本体支持部2cに摺接嵌合用として装着されたOリング8が熱変形を生じやすくなってしまう、という問題もある。
【0007】本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、リフレクタが高温になってしまうのを未然に防止してリフレクタ等に熱変形が生じるおそれを低減することができる車両用前照灯を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明は、リフレクタの環状壁の構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0009】すなわち本願発明に係る車両用前照灯は、光源バルブと、この光源バルブからの光を前方へ反射させるリフレクタと、上記光源バルブを上記リフレクタに固定するバルブ固定具と、を備えてなる車両用前照灯であって、上記光源バルブが、バルブ本体と、このバルブ本体を支持する本体支持部と、この本体支持部の周面部に形成されたフランジ部とを備えてなり、上記リフレクタが、上記バルブ本体を挿入するためのバルブ挿入孔が形成されたリフレクタ本体と、このリフレクタ本体における上記バルブ挿入孔の周囲から後方へ突出するように形成された環状壁とを備えてなり、上記光源バルブの上記リフレクタへの固定が、上記本体支持部を上記環状壁の内周面に摺接嵌合させるようにして上記フランジ部を上記環状壁の後端面に当接させた状態で、上記フランジ部を上記環状壁と上記バルブ固定具とで前後両側から挟み込むことにより行われるように構成された車両用前照灯において、上記環状壁における上記本体支持部との摺接嵌合位置よりも前方部位に、該環状壁を貫通する少なくとも1つの切欠き孔が形成されている、ことを特徴とするものである。
【0010】上記「バルブ固定具」は、光源バルブのフランジ部を環状壁とで前後両側から挟み込むことにより光源バルブをリフレクタに固定するように構成されたものであれば、その具体的構成は特に限定されるものではない。
【0011】上記「本体支持部」において環状壁の内周面に摺接嵌合する部分は、該本体支持部自体の外周面であってよいことはもちろんであるが、該本体支持部に装着されたOリング等であってもよい。
【0012】上記「切欠き孔」は、環状壁を貫通するものであって、該環状壁における本体支持部との摺接嵌合位置よりも前方部位に形成されたものであれば、その形状、サイズ、形成位置、形成個数等の具体的構成は特に限定されるものではない。
【0013】
【発明の作用効果】本願発明に係る車両用前照灯のように、光源バルブの本体支持部をリフレクタの環状壁の内周面に摺接嵌合させるようにしてそのフランジ部を環状壁の後端面に当接させ、この状態でフランジ部を環状壁とバルブ固定具とで前後両側から挟み込むことにより、光源バルブをリフレクタに固定するように構成された灯具においては、一般には、光源バルブの本体支持部によってリフレクタのバルブ挿入孔が完全に閉塞されてしまうので、光源バルブからの放射熱がリフレクタの内部空間に籠もりやすくなる。
【0014】その点、本願発明に係る車両用前照灯においては、環状壁における光源バルブの本体支持部との摺接嵌合位置よりも前方部位に、該環状壁を貫通する少なくとも1つの切欠き孔が形成されているので、これら切欠き孔を介してリフレクタの内部空間と外部空間とを連通させることができ、これによりリフレクタの内部空間に生じる熱を切欠き孔を介して外部空間へ放散させることができる。
【0015】したがって本願発明によれば、リフレクタが高温になってしまうのを未然に防止することができる。そしてこれにより、リフレクタを樹脂成形品で構成した場合においても、リフレクタに熱変形を生じにくくすることができ、また、光源バルブの本体支持部を樹脂成形品で構成した場合においても、本体支持部あるいは該本体支持部に装着された摺接嵌合用のOリング等に熱変形を生じにくくすることができる。
【0016】上記構成において、1つの切欠き孔を光源バルブの上方位置に形成するようにすれば、この切欠き孔を介してリフレクタの内部空間に生じる熱を効率的に外部空間へ放散させることができる。
【0017】上記構成において、環状壁の後端面における周方向複数箇所に、該環状壁にバルブ固定具をネジ止め固定するためのネジ止め固定部が形成されている場合には、各ネジ止め固定部の前方位置に上記切欠き孔を各々形成するようにすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0018】すなわち、環状壁においてネジ止め固定部の部分は、ボス状に形成する必要があるため必然的に厚肉になってしまう。したがって、仮に、環状壁がネジ止め固定部から厚肉のままリフレクタ本体まで延びているとすると、リフレクタを樹脂成形品で構成した場合にはリフレクタの反射面に大きなヒケが生じてしまい、灯具配光性能に悪影響を及ぼしてしまうこととなる。
【0019】これに対し、各ネジ止め固定部の前方位置に上記切欠き孔を各々形成するようにすれば、環状壁がネジ止め固定部から厚肉のままリフレクタ本体まで延びてしまうことはなくなるので、リフレクタの反射面に大きなヒケが生じてしまうのを未然に防止することができる。
【0020】ところで、リフレクタがランプボディに収容されるように構成された灯具においては、ランプボディにおけるリフレクタの後端部近傍部位に、環状壁の外径よりも大きい開口部が形成されるとともに、この開口部を閉塞するようにしてランプボディにカバー部材が取り付けられることが多い。
【0021】このような場合には、このカバー部材に環状壁の外径と略同一径を有するリフレクタ嵌着孔を形成し、このリフレクタ嵌着孔を環状壁の外周面における各切欠き孔よりも後方部位に嵌着する構成とすれば、これら切欠き孔とランプボディの外部空間とをカバー部材により遮断することができるので、防水性や防塵性を確保することができ、さらに、カバー部材をランプボディに取り付けたままの状態でも、光源バルブの交換作業を行うことが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0023】図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用前照灯を示す側断面図である。
【0024】図示のように、本実施形態に係る車両用前照灯10は、素通し状の透明カバー12とランプボディ14とで形成される灯室内に、灯具ユニット20が、図示しないエイミング機構を介して上下方向および左右方向に傾動可能に収容されてなっている。
【0025】図2は、図1のII部詳細図であり、図3は、灯具ユニット20を単品で示す背面図である。
【0026】これらの図にも示すように、灯具ユニット20は、いわゆるプロジェクタ型の灯具ユニットであって、光源バルブ22と、リフレクタ24と、投影レンズ26と、シェード28と、レンズホルダ30と、バルブ固定具32とを備えてなっている。
【0027】光源バルブ22は、いわゆるHB4タイプのハロゲンバルブである。すなわち、この光源バルブ22は、単一のフィラメントを光源22aとして有するバルブ本体22bと、このバルブ本体22bを支持する本体支持部22cと、この本体支持部22cの周面部に形成されたフランジ部22dと、本体支持部22cの後端部に形成されたコネクタ部22eとからなっている。そして、この光源バルブ22は、その光源22aが灯具光軸Axと同軸で配置されるようにして、バルブ固定具32によりリフレクタ24の後頂部に固定されている。この光源バルブ22の本体支持部22c、フランジ部22dおよびコネクタ部22eは、樹脂成形品として一体的に形成されている。また、本体支持部22cにおけるフランジ部22dよりも前方部位には、Oリング34が装着されている。
【0028】リフレクタ24は、樹脂成形品であって、リフレクタ本体24Aと環状壁24Bとを備えてなっている。
【0029】リフレクタ本体24Aは、灯具光軸Axを中心軸とする略楕円球面状の反射面24aを有している。この反射面24aは、灯具光軸Axを含む断面形状が楕円で形成されており、その離心率が鉛直断面から水平断面へ向けて徐々に大きくなるように設定されている。ただし、これら各断面を形成する楕円の後方側頂点は同一位置に設定されている。上記光源22aは、この反射面24aの鉛直断面を形成する楕円の第1焦点に配置されている。そしてこれにより、反射面24aは、光源22aからの光を前方へ灯具光軸Ax寄りに反射させるようになっている。
【0030】リフレクタ本体24Aの後頂部には、光源バルブ22のバルブ本体22bを挿入するためのバルブ挿入孔24bが形成されている。そして、環状壁24Bは、このリフレクタ本体24Aにおけるバルブ挿入孔24bの周囲から後方へ突出するように形成されている。この環状壁24Bの内周面24gは、バルブ挿入孔24bと同一径で後方へ延びるように形成されている。一方、リフレクタ本体24Aの前端開口部24cには、3本のレンズホルダ固定用アーム24dと、2本のシェード固定用ボス24eと、3本のシェード位置決め支持ピン24fとが、前方へ突出するように形成されている。
【0031】投影レンズ26は、レンズホルダ30に装着された状態で、リフレクタ24の前方に設けられている。レンズホルダ30は、投影レンズ26の外径と略同じ内径を有するリング状の樹脂製部材であって、リフレクタ24の3本のレンズホルダ固定用アーム24dの先端部にランス係合により固定支持されている。
【0032】シェード28は、鋼鈑のプレス成形加工品であって、投影レンズ26の焦点近傍に位置するようにしてリフレクタ24に固定支持されている。このシェード28には、リフレクタ24の前端開口部24cの下部領域を扇形に覆うようにして透光開口部28aが形成されている。そしてこれにより、シェード28は、反射面24aからの反射光の一部を遮蔽して灯具ユニット20からの上向き照射光を除去し、ロービーム配光パターンでビーム照射を行うようになっている。
【0033】リフレクタ24に対するシェード28の固定支持は、2本のシェード固定用ボス24eにおいてネジ止め固定により行われるようになっている。その際、3本のシェード位置決め支持ピン24fにより、リフレクタ24に対するシェード28の位置決めを行うようになっている。
【0034】シェード28は、リフレクタ24を傾動させるためのエイミング部材(図示せず)が取り付けられるエイミングブラケットとしての機能をも果たすようになっている。すなわち、シェード28は、リフレクタ24の前端開口部24cよりもかなり大きめのサイズに形成されており、その下部両コーナ部には、その一方にエイミング支点部材(図示せず)が装着される支点孔28bが形成されるとともに、その他方に左右傾動用エイミングスクリュウ(図示せず)と螺合するナットが装着される作用点孔28cが形成されており、さらに、支点孔28bの上方に位置する上部コーナ部には、上下傾動用エイミングスクリュウ(図示せず)と螺合するナットが装着される作用点孔28dが形成されている。
【0035】図4は、図3の要部詳細図であり、図5は、リフレクタ14の後頂部を示す背面詳細図であり、図6は、リフレクタ14の後頂部を斜め上方から見て示す図である。
【0036】これらの図にも示すように、環状壁24Bは3重壁構造になっており、内周壁24B1、中間壁24B2、外周壁24B3の順に、その後端面の位置が後方側へ変位するように形成されている。
【0037】内周壁24B1と中間壁24B2とは周方向3箇所に形成されたリブ24hを介して連結されており、中間壁24B2と外周壁24B3とは周方向3箇所に形成されたネジ止め固定部24iを介して連結されている。3つのネジ止め固定部24iは、そのうちの1つが灯具光軸Axの上方に位置するようにして120°間隔で形成されている。そして、これら各ネジ止め固定部24iにはタップ孔24jが形成されている。
【0038】光源バルブ22のリフレクタ24への固定は、本体支持部22cに装着されたOリング34を環状壁24B(の内周壁24B1)の内周面24gに摺接嵌合させるようにしてフランジ部22dを環状壁24B(の内周壁24B1)の後端面に当接させた状態で、フランジ部22dを環状壁24B(の内周壁24B1)とバルブ固定具32とで前後両側から挟み込むことにより行われるようになっている。
【0039】光源バルブ22のフランジ部22dにおける前面内周寄りの部分には、3つの位置決め用突起部22fが周方向3箇所に形成されており、また、フランジ部22dの外周端面には、3つの翼部22gが周方向3箇所に形成されている。そして、フランジ部22dは、各位置決め用突起部22fにおいて環状壁24Bの内周壁24B1の後端面と当接し、各翼部22gにおいてバルブ固定具32と当接するようになっている。
【0040】バルブ固定具32は、環状壁24B(の外周壁24B3)と同一の外径寸法を有する略円環状のプレート部材であって、周方向3箇所において環状壁24Bのネジ止め固定部24iにネジ36によってネジ止め固定されている。このバルブ固定具32の内周面32aにおける周方向3箇所には、フランジ部22dの各翼部22gよりもやや大きい切欠き部32bが形成されている。
【0041】リフレクタ14に対する光源バルブ12の取付けは、バルブ固定具32を予め環状壁24Bにネジ止め固定した状態で、フランジ部22dの各翼部22gをバルブ固定具32の各切欠き部32bと位置合わせするようにして光源バルブ12を環状壁24B内に挿入し、その後、光源バルブ12を反時計回り方向に所定角度回転させることにより行われるようになっている。なお、環状壁24Bにおける中間壁24B2の後端面には、光源バルブ12を回転させたときにその翼部22gと当接して該光源バルブ12の回転方向の位置決めを行うストッパピン24kが形成されている。
【0042】環状壁24Bにおける本体支持部22cとの摺接嵌合位置(Oリング34の位置)よりも前方部位には、該環状壁24B(内周壁24B1、中間壁24B2および外周壁24B3)を径方向に貫通する3つの切欠き孔24mが形成されている。これら3つの切欠き孔24mは、そのうちの1つが灯具光軸Axの上方位置に形成されており、残り2つが灯具光軸Axの左右斜め下方位置に形成されている。各切欠き孔24mの灯具光軸Axと直交する断面形状は、径方向外方へ向けて広がる扇形に設定されている。また、各切欠き孔24mの灯具光軸Axを含む断面形状は、その前端側がリフレクタ本体24Aの背面形状に沿った曲線に設定されており、その後端側が灯具光軸Axから垂直に延びる直線に設定されている。
【0043】環状壁24B(の外周壁24B3)の外周面24nにおける上部および下部には、周方向に所定角度範囲にわたって延びるリブ24pが形成されている。これら各リブ24pは、切欠き孔24mのすぐ後方側に位置している。
【0044】図2に示すように、ランプボディ14におけるリフレクタ24の後端部近傍部位には、環状壁24Bの外径よりも大きい開口部14aが形成されている。そして、このランプボディ14には、環状壁24B(の外周壁24B3)の外径と略同一径を有するリフレクタ嵌着孔16aが形成されたカバー部材16が、カバー固定具18を介して開口部14aを閉塞するようにして取り付けられている。
【0045】このカバー部材16のリフレクタ嵌着孔16aは、環状壁24Bの外周面24nにおける各切欠き孔24mよりも後方部位に嵌着されている。その際、環状壁24Bの上下1対のリブ24pがカバー部材16を嵌着する際のストッパとして機能するようになっている。
【0046】次に、本実施形態の作用について説明する。
【0047】本実施形態に係る車両用前照灯10の灯具ユニット20のように、光源バルブ22の本体支持部22cをリフレクタ24の環状壁24Bの内周面に摺接嵌合させるようにしてそのフランジ部24dを環状壁24Bの後端面に当接させ、この状態でフランジ部24dを環状壁24Bとバルブ固定具32とで前後両側から挟み込むことにより、光源バルブ22をリフレクタ24に固定するように構成された灯具ユニットにおいては、一般には、光源バルブ22の本体支持部22cによってリフレクタ24のバルブ挿入孔24bが完全に閉塞されてしまうので、光源バルブ22からの放射熱がリフレクタ24の内部空間に籠もりやすくなる。
【0048】その点、本実施形態に係る灯具ユニット20においては、環状壁24Bにおける光源バルブ22の本体支持部22cとの摺接嵌合位置よりも前方部位に、該環状壁24Bを貫通する3つの切欠き孔24mが形成されているので、これら切欠き孔24mを介してリフレクタ24の内部空間と外部空間とを連通させることができ、これによりリフレクタ24の内部空間に生じる熱を切欠き孔24mを介して外部空間へ放散させることができる。
【0049】したがって本実施形態によれば、リフレクタ24が高温になってしまうのを未然に防止することができる。このため、リフレクタ24が樹脂成形品で構成されているにもかかわらず、リフレクタ24に熱変形を生じにくくすることができ、また、光源バルブ22の本体支持部22cが樹脂成形品で構成されているにもかかわらず、本体支持部22cあるいは該本体支持部22cに装着された摺接嵌合用のOリング34に熱変形を生じにくくすることができる。
【0050】特に本実施形態に係る車両用前照灯10のように、その灯具ユニット20がプロジェクタ型の灯具ユニットで構成されている場合には、一般に、リフレクタ24の内部空間が狭く熱が籠もりやすいので、本実施形態の構成を採用することが特に効果的である。
【0051】また本実施形態においては、3つの切欠き孔24mのうちの1つが光源バルブ22の上方位置に形成されているので、この切欠き孔24mを介してリフレクタ24の内部空間に生じる熱を効率的に外部空間へ放散させることができる。
【0052】ところで本実施形態においては、環状壁24Bの後端面における周方向3箇所に、該環状壁24Bにバルブ固定具32をネジ止め固定するためのネジ止め固定部24iが形成されているが、3つの切欠き孔24mの各々が、各ネジ止め固定部24iの前方位置に形成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0053】すなわち、環状壁24Bにおいてネジ止め固定部24iの部分は、ボス状に形成する必要があるため必然的に厚肉になってしまう。したがって、仮に、環状壁24Bがネジ止め固定部24iから厚肉のままリフレクタ本体24Aまで延びているとすると、樹脂成形品で構成されたリフレクタ24の反射面24aに大きなヒケが生じてしまい、灯具配光性能に悪影響を及ぼしてしまうこととなる。
【0054】これに対し、本実施形態のように、3つの切欠き孔24mの各々を各ネジ止め固定部24iの前方位置に形成するようにすれば、環状壁24Bがネジ止め固定部24iから厚肉のままリフレクタ本体24Aまで延びてしまうことはなくなるので、リフレクタ24の反射面24aに大きなヒケが生じてしまうのを未然に防止することができる。
【0055】本実施形態に係る車両用前照灯10においては、透明カバー12とランプボディ14とで形成される灯室内に灯具ユニット20が収容されており、ランプボディ14におけるリフレクタ24の後端部近傍部位には、環状壁24Bの外径よりも大きい開口部14aが形成されるとともに、この開口部14aを閉塞するようにしてランプボディ14にカバー部材16が取り付けられている。
【0056】その際、本実施形態においては、カバー部材16に環状壁24Bの外径と略同一径を有するリフレクタ嵌着孔16aが形成されており、このリフレクタ嵌着孔16aが環状壁24Bの外周面24nにおける各切欠き孔24mよりも後方部位に嵌着されているので、これら切欠き孔24mとランプボディ14の外部空間とをカバー部材16により遮断することができる。これにより、灯具ユニット20の防水性や防塵性を確保することができ、さらに、カバー部材16をランプボディ14に取り付けたままの状態でも、光源バルブ22の交換作業を行うことが可能となる。
【0057】なお、本実施形態においては、灯具ユニット20がプロジェクタ型の灯具ユニットである場合について説明したが、いわゆるパラボラ型の灯具ユニット等である場合においても、本実施形態と同様の構成を採用することにより、本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
【出願日】 平成13年4月10日(2001.4.10)
【代理人】 【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
【公開番号】 特開2002−313109(P2002−313109A)
【公開日】 平成14年10月25日(2002.10.25)
【出願番号】 特願2001−112033(P2001−112033)