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【発明の名称】 反射鏡と偏向要素を組み合わせた自動車用のヘッドライト、および、その反射鏡と偏向要素の製造方法
【発明者】 【氏名】ピエール アルブー

【氏名】ウルヴェ ペラン

【要約】 【課題】技術的に「放物線タイプの」ヘッドライト・グループに属しながら、消したときに、「楕円タイプの」ヘッドライトのものと同様な外観を呈するヘッドライトを提供すること。

【解決手段】自動車用のヘッドライトは、光源(10)と、この光源と協働して、上部境界線によって画定されたビームを発生させることのできる反射鏡(20)と、鉛直方向の配光をほぼ変更することなく光の概ね水平方向の広がりを提供できる、この反射鏡の前方に配置された透明な光学偏向要素(30)とを備える。このヘッドライトは、全長にわたって途切れない光入力面(31)と光出力面(32)を有するという点で、注目に値する。したがって、このヘッドライトは、レンズを有する楕円タイプのヘッドライトのものと同様な外観を呈する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源(10)と、前記光源と協働して、上部境界線によって画定されたビームを発生させることのできる反射鏡(20)と、鉛直方向の配光をほぼ変更することなく光の概ね水平方向の広がりを提供できる、前記反射鏡の前方に配置された透明な光学偏向要素(30)とを備える自動車用のヘッドライトであって、前記偏向要素が、光点を投射するレンズのものと同様な外観を呈するように、全長にわたって途切れない光入力面(31)と光出力面(32)を有することを特徴とするヘッドライト。
【請求項2】 前記偏向要素(30)の前記光入力面(31)と前記光出力面(32)が、滑らかであることを特徴とする請求項1記載のヘッドライト。
【請求項3】 前記偏向要素(30)が、概ね円形の外形(33)を呈することを特徴とする請求項1記載のヘッドライト。
【請求項4】 前記光源から生じ、かつ前記反射鏡で反射された光線がすべて、前記偏向要素(30)の前記入力面(31)にぶつかるように、前記反射鏡(20)の外形(23)が選択されていることを特徴とする請求項3記載のヘッドライト。
【請求項5】 前記反射鏡(20)は、前記偏向要素(30)の近くに位置付けられた横断基準線(y=y1)上への反射光線の衝突位置の、ヘッドライトの光軸(y−y)からの第2の側方距離(χ)を、水平母線(21)上への前記反射光線の反射位置の、同一光軸(y−y)からの第1の側方距離(x)の関数として表現した所定の法則を満たす前記水平母線を有していることを特徴とする請求項1ないし4の1つに記載のヘッドライト。
【請求項6】 前記第1の側方距離(x)が、ゼロから前記第1の側方距離の最大値(D/2)まで変化するときに、前記第2の側方距離(χ)が、ゼロから前記第2の側方距離の最大値(D/2)まで、非直線的に変化することを特徴とする請求項5記載のヘッドライト。
【請求項7】 前記第1の側方距離および前記第2の側方距離の最大値がほぼ等しく(D/2)、それにより、前記反射鏡および前記偏向要素に対して、ほぼ同一の幅が与えられることを特徴とする請求項6記載のヘッドライト。
【請求項8】 前記第1の側方距離の値区間が少なくとも1つ([0,x1])ある場合には、前記第2の側方距離(χ)がゼロであることを特徴とする請求項5ないし7の1つに記載のヘッドライト。
【請求項9】 前記第1の側方距離の値区間が定義済み([x1,D/2])である場合には、前記第2の側方距離が、他の値区間([0,D/2])で、単調に変化することを特徴とする請求項5ないし8の1つに記載のヘッドライト。
【請求項10】 前記変化が直線的であることを特徴とする請求項9記載のヘッドライト。
【請求項11】 前記偏向要素(30)は、前記反射鏡で反射された光線の、ヘッドライトの光軸(y−y)からの光の水平角度偏向(θ)を、前記水平母線(21)上への前記反射光線の反射位置の、同一光軸からの第1の側方距離(x)の関数として表現した所定の法則を満たす水平断面を有していることを特徴とする請求項1ないし10の1つに記載のヘッドライト。
【請求項12】 ヘッドライトの側方半体では、前記所定の法則で定められた前記側方偏向(θ)の符号に変りはないことを特徴とする請求項11記載のヘッドライト。
【請求項13】 前記第1の側方距離の値区間が少なくとも1つ([0,x2];[x2,x3])ある場合には、前記水平角度偏向が、或る値区間([0,−θL];[−θL,0])の範囲内で単調に変化することを特徴とする請求項11と12のいずれかに記載のヘッドライト。
【請求項14】 前記偏向要素(30)の面の一方(32)が平坦であることを特徴とする請求項1ないし13の1つに記載のヘッドライト。
【請求項15】 前記平坦な面(32)が、ヘッドライトの光軸(y−y)と直交することを特徴とする請求項14記載のヘッドライト。
【請求項16】 自動車の前部において、互いに接近させて位置付けられるようになっている自動車用の一対のヘッドライトであって、請求項1ないし13の1つに記載のヘッドライトと、前記楕円タイプのヘッドライトを備え、また請求項1ないし13の1つに記載のヘッドライトの前記偏向要素(30)が、前記楕円タイプのヘッドライトの投射レンズの近くにあることを特徴とする一対のヘッドライト。
【請求項17】 光源(10)と、前記光源と係合して、上部境界線によって画定されたビームを発生させる反射鏡(20)と、鉛直方向の配光をほぼ変更することなく光の概ね水平方向の広がりを提供できる偏向要素(30)とをさらに備える自動車用ヘッドライトの前記反射鏡、および関係する前記偏向要素を製造する方法であって、前記偏向要素(30)の近くに位置付けられた横断基準線(y=y1)上への反射光線の衝突位置の、ヘッドライトの光軸(y−y)からの第2の側方距離(χ)を、前記反射鏡の水平母線(21)上への前記反射光線の前記反射位置の、同一光軸からの第1の側方距離(x)の関数として表現する第1の法則を確立するステップと、前記第1の法則から、前記反射鏡の前記水平母線(21)を決定するステップと、前記反射鏡の反射面を、前記水平母線から、かつ、前記ビームに求められた鉛直境界線の関数として、数学的に構築するステップと、前記反射面を有する前記反射鏡を製造するために、前記反射面の数学的構築から、くぼみ型を機械加工するステップと、前記くぼみ型を使用して、前記反射鏡(20)を製造するステップと、前記反射鏡で反射された前記光線の、前記ヘッドライトの前記光軸からの水平角度偏向(θ)を、前記第1の側方距離(x)の関数として表現する第2の法則を確立するステップと、この第2の法則から、前記偏向要素(30)の水平断面を決定するステップと、前記水平断面から、前記偏向要素の光入力面(31)と光出力面(32)を数学的に構築するステップと、前記入力面と前記出力面を有する前記偏向要素を製造するために、前記入力面と前記出力面の数学的構築から、型を機械加工するステップと、前記型を用いて、前記偏向要素(30)を製造するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、自動車用のヘッドライトに関する。
【0002】
【従来の技術】現在のところ、このようなヘッドライトには、2つの大きなグループがある。第1のグループは、ここでは「放物線タイプ」と呼ばれるヘッドライトのグループであって、道路上に光線を投射する反射鏡に取り付けて所望のビームを形成する小さい寸法の光源により、主として、ビームが発生するヘッドライトから成っている。このビームをモデル化するために、特に、このビームを幅方向に広げるために、必要に応じて、プリズム、ストリエーション(縞)などを付けることで、このヘッドライトの窓が含まれる。このような場合、このグループには、所望の上部境界線によって画定されたビームを直接に発生できる「自由表面」、もしくは「Surface Complex[複合表面]」(登録商標)と呼ばれるヘッドライトがある。
【0003】これらのヘッドライトは、配光の点から優れた品質のビームを発生させることができる性質と、一般に、たいして奥行きのない性質を有する。しかしながら、充分強いビームを発生させるためには、それらのヘッドライトの反射鏡は、ランプで送り出される光束の大部分を回収する必要がある。
【0004】これを行う第1の手法は、特に、光源の周りに非常に密接し、かつ幅方向に短い寸法である反射鏡を得るために、非常に短い初期焦点距離を用いることにある。しかしながら、このような場合、反射鏡で発生する、光源の像のサイズが大きいために、そのビームは、一般に、過度の太さを有し、したがって、いかなる場合でも、制御が困難である。
【0005】さらに薄いビームを得ながら、光束を回収する第2の手法は、上記に反して、初期焦点距離を長くすることにあるが、ただし、このような場合、反射鏡は、光軸と直角な方向に比較的に大きい寸法を持たなければならず、このことは、コンパクトなヘッドライトという目的に反する。
【0006】第2のグループは、「楕円タイプの」ヘッドライトのグループである。このようなヘッドライトは、反射光線とともに集中光点を発生させる反射鏡にランプを取り付けることを、その特徴としており(一般に、光源は、回転楕円面の形状をした反射鏡の第1の焦点にあり、また光点は、前記反射鏡の第2の焦点に形成される)、この光点は、収束レンズ(通常、平凸レンズ)によって、道路上に投射される。このビームが、境界線を含む必要がある場合には、境界線は、ビームが形成される光点を部分的に遮ることで、発生する。
【0007】この第2のグループのヘッドライトは、光軸と直角な方向に短い寸法を持つとともに、光源で送り出される光束を大部分、回収できるという利点がある。他方では、このビームの光度測定は、モデル化が困難であると判明する場合もある。これは、本来、プリズムまたは縞入りタイプ(striated type)のいかなる補正要素も、一般に、レンズの下流の光を補正できないからである。さらに、これらのヘッドライトは、奥行き方向の寸法が大きい。
【0008】さらに、実際には、これらの2つのグループのヘッドライトは、非常に異なる外観を呈する。
【0009】したがって、放物線タイプのヘッドライトは、幅が比較的に大きい窓を有する(一方、年中、スタイルと空気力学の理由から、それらの高さが徐々に低くなっている)。この窓は、縞が入っているか、あるいは、もっと最近のスタイルでは、ほぼ滑らかであって、ヘッドライトが消されると、反射鏡や様々なタイプのトリムが、完全に内側にあるのが認められるようにしている。
【0010】これと対照的に、楕円タイプのヘッドライトは、それが消されると、一般に、レンズのうち、適切なトリムで囲まれることの多い外部凸面だけを、滑らかな窓を通して、明らかにする。
【0011】今日では、自動車用の照明ヘッドライトの外観に関して、設計者からの要請が、ますます厳しくなっている。
【0012】したがって、いくつかのスタイルの「流行」は、放物線タイプのヘッドライト、楕円タイプのヘッドライト、あるいは、双方のタイプを組み合わせたヘッドライトに有利に働いている。
【0013】さらに、より高い技術水準では、光軸に直角な方向だけでなく、奥行き方向(言い換えれば、光軸に沿った方向)にも、適度の寸法を有するヘッドライトの要求が強く、原理的に、上述の2つのグループのヘッドライトのどちらも、照明品質の点から、譲歩せずには得ることはできない。
【0014】もちろん、特に道路の中心線に沿って、光の強さの点から制限されるとはいえ、適切なビームを形成しながら、楕円形ヘッドライトのものに匹敵する高さと幅(言い換えれば、それぞれ、一般に、100mmもしくは90mmよりも短いもの)を有する放物線グループのヘッドライトを製造しようとする試みがあった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、楕円タイプのヘッドライト沿いに配置されたこの種のサイドランプ(例えば、ロービーム照明の役割がある一方で、道路照明の役割もある)は、ヘッドライトを消したときに、前記楕円形ヘッドライトのものとは非常に異なる美しい外観を持つであろうが、このような外観は、今日では、もはや設計者を満足させるものではない。
【0016】それゆえ、本発明の目的は、技術的に「放物線タイプの」ヘッドライト・グループに属しながら、消したときに、「楕円タイプの」ヘッドライトのものと同様な外観を呈するヘッドライトを提供することである。
【0017】本発明の他の目的は、高品質の光束を発生させながら、この目的を満たすことである。
【0018】
【課題を解決するための手段】この目的のために、本発明は、第1の面により、光源と、この光源と協働して、上部境界線によって画定されたビームを発生させることのできる反射鏡と、鉛直方向の配光をほぼ変更することなく光の概ね水平方向の広がりを提供できる、この反射鏡の前方に配置された透明な光学偏向要素とを備える自動車用のヘッドライトであって、前記偏向要素が、光点を投射するレンズのものと同様な外観を呈するように、全長にわたって途切れない光入力面と光出力面を有することを特徴とするヘッドライトを提供する。
【0019】本発明によるヘッドライトの好ましい(ただし、限定しない)面は、以下の通りである:− この偏向要素の前記光入力面と前記光出力面は、滑らかである。
− この偏向要素は、概ね円形の外形を呈する。
− 光源から生じ、かつ反射鏡で反射された光線がすべて、この偏向要素の光入力面にぶつかるように、この反射鏡の外形が選択されている。
− この反射鏡は、上記の偏向要素の近くに位置付けられた横断基準線上への反射光線の衝突位置の、ヘッドライトの光軸からの第2の側方距離を、水平母線上への前記反射光線の反射位置の、同一光軸からの第1の側方距離の関数として表現した所定の法則を満たす水平母線を有している。
− 第1の側方距離が、ゼロから前記第1の側方距離の最大値まで変化するときに、前記第2の側方距離は、ゼロから前記第2の側方距離の最大値まで、非直線的に変化する。
− 第1の側方距離および第2の側方距離の最大値は、ほぼ等しく、それにより、反射鏡および偏向要素に対して、ほぼ同一の幅が与えられる。
− 第1の側方距離の値区間が少なくとも1つある場合には、第2の側方距離はゼロである。
− 第1の側方距離の値区間が定義済みである場合には、第2の側方距離は、他の値区間で、単調に変化する。
− 前記変化は、直線的である。
− この偏向要素は、反射鏡で反射された光線の、ヘッドライトの光軸からの側方光の水平角度偏向を、前記水平母線上への前記反射光線の反射位置の、同一光軸からの第1の側方距離の関数として表現した所定の法則を満たす水平断面を有している。
− ヘッドライトの側方半体では、前記所定の法則で定められた側方偏向の符号に変りはない。
− 第1の側方距離の値区間が少なくとも1つある場合には、その水平角度偏向は、或る値区間の範囲内で単調に変化する。
− この偏向要素の面の一方は平坦である。
− 前記平坦な面は、ヘッドライトの光軸と直交する。
【0020】本発明の第2の面により、自動車の前部において、互いに接近させて位置付けられるようになっている自動車用の一対のヘッドライトであって、上に定められたヘッドライトと、楕円タイプのヘッドライトを備え、また上に定められたヘッドライトの偏向要素が、楕円タイプのヘッドライトの投射レンズの近くにあることを特徴とする一対のヘッドライトが提供される。
【0021】最後に、本発明は、光源と、このランプと協働して、上部境界線によって画定されたビームを発生させることのできる反射鏡と、鉛直方向の配光をほぼ変更することなく光の概ね水平方向の広がりを提供できる、この反射鏡の前方に配置された透明な光学偏向要素とを備える自動車ヘッドライトと組み合わされた反射鏡と偏向要素を製造する方法であって、− 上記の偏向要素の近くに位置付けられた横断基準線上への反射光線の衝突位置の、ヘッドライトの光軸からの第2の側方距離を、反射鏡の水平母線上への前記反射光線の反射位置の、同一光軸からの第1の側方距離の関数として表現する第1の法則を確立するステップと、− この第1の法則から、反射鏡の水平母線を決定するステップと、− 反射鏡の反射面を、前記水平母線から、かつ、ビームに求められた鉛直境界線の関数として、数学的に構築するステップと、− 前記反射面を有する反射鏡を製造するために、反射面の数学的構築から、くぼみ型を機械加工するステップと、− 前記くぼみ型を使用して、反射鏡を製造するステップと、− 反射鏡で反射された光線の、ヘッドライトの光軸からの水平角度偏向を、前記第1の側方距離の関数として表現する第2の法則を確立するステップと、− この第2の法則から、偏向要素の水平断面を決定するステップと、− この水平断面から、偏向要素の光入力面と光出力面を数学的に構築するステップと、− 入力面と出力面を有する偏向要素を製造するために、前記入力面と前記出力面の数学的構築から、型を機械加工するステップと、− 前記型を用いて、偏向要素を製造するステップと、を含むことを特徴とする方法を提案している。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の他の面、目的、利点は、限定しない例として与えられ、かつ添付図面を参照して行われる、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読めば、さらに明らかとなろう。
【0023】前置きとして、以下の説明では、0が光源10の幾何学的中心であり、x−xが、ヘッドライトの光軸に直角な水平軸であり、y−yが光軸であり、z−zが鉛直線である基準直交座標系を参照することに気づかれよう。
【0024】さらに、ヘッドライトの設計は、そのヘッドライトの他方の半体が、対称的であろうとなかろうと、同じ情報を用いて構築されることを承知した上で、その一方の側方半体についてのみ、以下で述べられることに気づかれよう。
【0025】まず第一に、図1を参照すると、本発明によるヘッドライトは、主として、フィラメント(白熱電球)またはライト・アーク(放電ランプ)などの光源、反射鏡20、光学偏向要素30(この場合、「レンズ」と呼ばれる)を納めたランプを備えている。
【0026】まったく従来形である場合もあるこのヘッドライトの構造上の詳細は、簡略化のために示されていない。特に、図1に示される要素は、前部において、完全に滑らかな窓により閉ざされたボックスの中に収容されることもある。
【0027】この場合、光源10は、反射鏡20の光軸y−yに沿って軸方向に配置され、また反射鏡20の水平母線21は、以下で説明されるように、曲線y=f20(x)を表わす。
【0028】レンズ30は、OY軸に直角に配置され、反射鏡と外面32で反射された光を受け取る内面31を有する。この場合、外面32は、滑らかで、平坦で、かつ、OYに垂直である。レンズの内面31は、以下で説明されるように、連続的で、かつ好ましくは微分可能な曲線、すなわちy=f30(x)を描く水平断面を呈している。この場合、レンズは、その内面を形成するために、この曲線に沿って鉛直準線の移動により得られ、したがって、レンズは円筒形である。
【0029】この例では、反射鏡20は、全体にわたって上部境界線によって画定された光ビームを発生させることができる。
【0030】従来技術では、この種の反射鏡、特に、選ばれる母線y=f20(x)がどうであれ、この種の境界線を付けたビームを発生させることのできる反射鏡を述べた刊行物が多数ある。このような表面を、任意の水平母線から、数学的に生成する包括的な方法を詳細に述べたドイツ国特許公開第4200989号公報を、特に参照することになる。
【0031】下記のD/2は、反射鏡20およびレンズ30の半値幅であることに気づけれよう。
【0032】反射鏡20と、レンズ30の内面31はそれぞれ、反射および屈折された光線伝播の点から、それらの所望の動作の関数として構築される。
【0033】特に、反射鏡の水平母線は、まず第一に、反射鏡の水平母線の点xで反射された光線の、図1の平面内の等式y=y1の虚截線上への衝突点のxに沿って、値χ(x)を、xの関数として与える所与の法則を満たすように構築される。
【0034】この種の法則により、様々な形式の水平母線をモデル化できることがわかる。
【0035】したがって、例えば、xの値がどうであれ、χ(x)=0を与える法則は、楕円水平母線を描き、その楕円水平母線の第1の焦点は点0にあり、またその楕円水平母線の第2の焦点は、y−y軸において、y=y1にある。他の例により、χ(x)=xを与える法則は、焦点0の放物線水平母線を与えることがわかる。
【0036】このことから、選択された法則は、反射鏡が光源を「取り囲む」方法を制御できるようにし、言い換えれば、反射鏡で回収される光束の量を制御できるようにすることもわかり、さらに、点0と、反射鏡20の下端のy0との間の焦点距離f0により、このような光束の回収を変えることもできることがわかる。
【0037】この種の法則の特定の例は、これらの図面のうちの図2aに示される。反射鏡の水平母線は、0からx=x1まで、楕円形状(χ(x)=0)を呈することが認められよう。次に、x1と最大値x=D/2との間において、この反射光線の衝突点が、徐々に、χ=0からχ=D/2(レンズ30の側方の極値に相当する)にずらされる。
【0038】その結果、反射鏡の水平母線は、楕円形状を有するx1から、やや放物線の形状に向かって、徐々に変化することがわかる。
【0039】水平母線を定め、それゆえ、上述の文書の教えにより、その三次元形状全体を定める曲線y20(X)は、当業者の範囲内で、標準形の微分方程式系を用いて、図面のうちの図2aに示されるような法則の関数として、容易に定義することができる。
【0040】反射鏡で反射された光線の大部分、または、全部までも、正確にレンズの入力面に達することが重要である。これは、法則χ(x)を選択しているときに、χ(x)の値が、D/2を絶対に超えないことを確かめることで、容易に実現される。
【0041】レンズの内部水平断面の形状は、曲線y=f30(x)で定められるものであって、それ自体、反射鏡(それ自体、前記母線の形状を知ることで、光軸y−yからの光線の初期水平偏向を決定できるようにする)の母線21で反射された光線の透過用の値xの関数として、この光線に付与された最後の水平偏向θ(x)を決定する選択された法則から、定められる。
【0042】ここでは、慣行により、左向きの偏向には、負の符号が割り当てられることに気づかれよう。
【0043】したがって、図2bは、この種の法則の特定の例を示している。ここでは、− 値0とx2の間では、偏向は、0(偏向されてない光線)から、最大偏向−θLに徐々に進む;
− 値x2とx3の間では、偏向は、最大値−θLから、ゼロに徐々に進む;
− 値x3と極値D/2の間では、偏向は、ゼロのままである。
【0044】ここでは、x=0に対するθ(x)=0の選択により、値x=0では、レンズ30の内面は、微分できる断面を有するもの(この場合、光軸y−yに垂直である)と保証できることが認められよう。
【0045】ここでもまた、レンズの内面31の水平断面y=f30(x)は、例えば、標準形の微分方程式系を用いて選択された法則θ(x)の関数として、当業者により、容易に決定できる。
【0046】したがって、図2aと図2bの法則の組合せは、一方では反射鏡で与えられる光線の水平偏向、それゆえ、光源10で送り出された光束の、同一反射鏡による回収、他方ではレンズ30で与えられる光線の水平偏向、を調整することで反射鏡とレンズを設計できるようにする。
【0047】こうして得られた数値ファイルから、コンピュータ援用機械加工プロセスを実施すれば、一方では反射鏡、また他方ではレンズを製造するのに役立つ型またはくぼみ型を生産できる。
【0048】ヘッドライトは、以下のパラメータを使って、図2aと図2bの曲線に基いて生産された:D=90mmy1=130mmx1=30mmx2=10mmx3=30mm=x1θL=35°【0049】こうして得られた反射鏡およびレンズの形状は、図面のうちの図3〜図6に示されている。これらの図に示される様々な母線の形状は、この説明に関して、有意なものと見なされるものとする。
【0050】有利にも、図3〜図6に示されるように、レンズ30は、正方形の外形を有する理論上の形式で実線で示されており、点線で示される円形の外形33とともに製作される。このようなやり方では、レンズ30は、ヘッドライトを消すと、楕円タイプのヘッドライトの従来のレンズ(一般に、平凸レンズ)のものと、きわめて類似した外観(滑らかな面という点)および形状(円形の外形という点)を呈する。それゆえ、自動車の前部光学ブロックでは、本発明によるヘッドライトを、楕円タイプのヘッドライトと並置することが可能であり、これらのヘッドライトは双方とも、消すと、同一のタイプの外観を呈する。
【0051】図3〜図6においても、反射鏡20の外形23は、レンズの円形外形33の外に光を反射させることのできるどの領域も、外形23から除去するようにカットされるが、やはり、反射鏡のサイズは、厳密な最小値まで縮小されることが認められる。
【0052】したがって、満足すべきビームを発生させ、かつ、楕円形ヘッドライトのものに近い外観を呈することのできるヘッドライトは、幅がコンパクトで、また奥行きも或る程度コンパクトであるものが生産されていることがわかる。ビームの光度測定品質に関して、図7は、一連の等光度曲線を用いて、ビームの外観を示している。
【0053】大きい幅、良好な均等性、同時に、および、道路の中心線に沿っての大きい光点に気づかれよう。これは、反射鏡20およびレンズ30の有意な領域が、光のゼロ偏向(x3とD/2との間でθ=0)を得るのに充てられるという事実により、可能になる。ただし、これは、光源の比較的に小さい像をともなう(このような像が小さければ、それだけxの値が大きくなる)。
【0054】もちろん、本発明の多くの変形例が提供されることもある。
【0055】第1に、反射鏡20およびレンズ30に、異なる幅が与えられる場合があり、その場合、反射鏡の幅は、レンズの幅に等しいか、あるいは、それよりも短い可能性がある。
【0056】第2に、滑らかで、かつ平坦な外面や、上述のように設計された内面を持たず、これに反して、滑らかで、かつ平坦な内面と、上述のように設計された外面を持つ(もしくは、内面も外面も加工した)レンズが設計されることもある。
【0057】第3に、反射鏡およびレンズの左半体と右半体は、対称的に製作される場合も、対称的に製作されない場合もある。特に、本発明では、非対称であるビーム、例えば、幅が右よりも左の方へ(あるいは、その逆に)広がったビームを発生させることを予見することができる。
【0058】第4に、高さがずらされた2つの平面によって、もしくは、互いに傾けられた2つの平面によって画定された上部境界線を有するビームを発生させることができる。
【0059】第1の例は、一般に、アメリカ合衆国基準を満たすロービームに相当するものであって、2つの異なる境界線レベルを発生させるように、反射鏡の左側部分と右側部分を設計することで、得られる場合がある。
【0060】第2の例は、一般に、ヨーロッパ基準に適合するロービームに相当するものであって、傾斜した境界線平面を発生させるように、反射鏡の所与の領域を設計することで、得られる場合がある。このような場合、偏向要素30が、この境界線を乱すことのないように、この光のうち、この種の境界線よって画定された部分が、偏向要素30の一部において、本質的に偏向しない領域内を横切ることを確かめることができる。
【0061】第5に、反射鏡20の反射面の幾何学的分解能は、必要に応じて、この分解能に関係するいくつかのパラメータ、特に、本出願人の名にもとにフランス国特許公開第2760067号または同特許公開第2760068号公報に述べられた「ハイ・フォーカス」と「ローフォーカス」を変えることで、改善される場合がある。
【0062】他の多くの変形例も提供される場合がある。
【出願人】 【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
【出願日】 平成14年3月22日(2002.3.22)
【代理人】 【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一 (外2名)
【公開番号】 特開2002−298623(P2002−298623A)
【公開日】 平成14年10月11日(2002.10.11)
【出願番号】 特願2002−80463(P2002−80463)