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【発明の名称】 視野照明装置
【発明者】 【氏名】山田 光彦

【要約】 【課題】照明方向を使用者が望む方向に自動的に制御でき又使用者にとって抵抗感のない視野照明装置を提供すること。

【解決手段】視野照明装置において、カメラ10は所望の照明領域付近に配置した基準マーカ21を撮像した撮像位置22と、予め取得してある基準撮像位置12とを比較して一致しているかどうかを判定手段81で判定する。ずれているときは、制御手段82がずれ量に応じて、光源を配置した基板42をX、Y方向に駆動モータで駆動させて光源の照明方向を変更させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】頭部に装着可能な照明部を備えた視野照明装置において、照明部の光源と、該光源の照明方向を変更する変更手段と、略照明方向の対象物を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した前記対象物の撮像位置を判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に応じて前記変更手段を制御して前記光源の照明方向を制御する制御手段と、を備える視野照明装置。
【請求項2】前記判定手段は、予め設定した基準撮像位置と実際に撮像した撮像位置を比較してずれ量を検出する手段を、含む請求項1に記載の視野照明装置。
【請求項3】前記撮像手段が光電変換素子を備えたカメラである請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の視野照明装置。
【請求項4】前記撮像手段がレンズとエリアCCDで構成される請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の視野照明装置。
【請求項5】前記撮像手段がレンズと複数のホトセンサから構成される請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の視野照明装置。
【請求項6】前記光源が発光ダイオードである請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の視野照明装置。
【請求項7】前記光源がハロゲンランプ又はELパネルである請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の視野照明装置。
【請求項8】前記光源を複数個備える請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の視野照明装置。
【請求項9】前記照明部を複数備える請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の視野照明装置。
【請求項10】前記照明部の光源を頭部の中心に配置した請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の視野照明装置。
【請求項11】前記変更手段は、前記照明部の光源を水平方向および垂直方向の各軸回りに回転駆動して、照明方向を変更させる請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の視野照明装置。
【請求項12】前記撮像手段が照明部に設けられている請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の視野照明装置。
【請求項13】前記撮像手段が照明部と異なった位置に設けられている請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の視野照明装置。
【請求項14】前記変更手段は、前記照明部の光源と撮像手段を一体的に水平方向および垂直方向の各軸回りに回転駆動して、照明方向と撮像方向を変更させる請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の視野照明装置。
【請求項15】前記撮像手段は対象物として配置した基準マーカを撮像する請求項1乃至14のいずれかに記載の視野照明装置。
【請求項16】前記撮像手段は発光体で構成される基準マーカを撮像する請求項15に記載の視野照明装置。
【請求項17】前記撮像手段は特定のスペクトル光を撮像する請求項15ないし請求項16のいずれかに記載の視野照明装置。
【請求項18】前記撮像手段で撮像した基準マーカが、前記撮像手段の撮像領域外である時、光源を消灯する請求項15ないし請求項17のいずれかに記載の視野照明装置。
【請求項19】前記撮像手段で撮像した基準マーカが、前記撮像手段の撮像領域外である時、前記制御手段をリセットする請求項15ないし請求項18のいずれかに記載の視野照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、頭部または身体に装着可能な照明部を備えた視野照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、病院の手術室においては、手術すべき術部に影をつくることなく高い照度で明瞭に照明するために、いわゆる無影灯と称される照明装置が使用されている。しかし、このような照明装置は、照明装置自体のコストやその冷却機構のコストが高く、また、多数のスタッフが存在する場合や術部が上方を向いていない場合等においては術部を確実に照明することが困難になると言う問題がある。
【0003】このため、従来の無影灯にかわるものとして、あるいは、頭部等により影になる部分を集中的に照明する補助照明として、フレームとヒンジを介して接続されたテンプルを有するゴーグル型の眼鏡に照明機構を備えた視野照明装置が提案されている。これらの視野照明装置を術者の頭部に装着した場合には、術部を効率的に照明することが可能となる。しかし、これらの装置では照明機構が術者の頭部に固定されているので、照明方向を所望の方向に変更させることが困難である。このため術者の所望の方向に照明することができるように、照明機構に照明方向を調節するための照明方向調節手段を設けることが考えられる。しかしこの場合であっても、術者が自ら手動で照明方向を調節する必要があり、手術中においては調節が困難であった。そのため、視線方向検出機構を用いて術者の視線方向を検出し、検出した視線方向に照明機構の照明方向を変更する方法も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような視線方向検出機構では、術者の眼球に光を照射する照明機構と、眼球からの反射光を検出する検出機構を用いて眼球の視線方向を検出しなければならない。従って、装置そのものが高価となり、制御それ自体も非常に複雑となる。さらに、眼球に常に光を照射するので場合によっては術者に心理的負担を強いることもある。またこのような視線方向検出機構を頭部に装着する場合は、視線方向検出機構の重量が大きいので術者の負担が大きくなってしまう。 本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、複雑で高価な装置を用いることなしに、照明部の照明方向を術者が望む方向に自動的に制御でき又使用者にとって抵抗感のない視野照明装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の視野照明装置は、頭部に装着可能な照明部を備えた視野照明装置において、照明部の光源と、該光源の照明方向を変更する変更手段と、略照明方向の対象物を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した前記対象物の撮像位置を判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に応じて前記変更手段を制御して前記光源の照明方向を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】請求項2に記載の視野照明装置は、請求項1において、前記判定手段は、予め設定した基準撮像位置と実際に撮像した撮像位置を比較してずれ量を検出する手段を、含む請求項1に記載の視野照明装置。
【0007】請求項3に記載の視野照明装置は、請求項1ないし請求項2において、前記撮像手段が光電変換素子を備えたカメラであることを特徴とする。請求項4に記載の視野照明装置は、請求項1ないし請求項2において、前記撮像手段がレンズとエリアCCDで構成されることを特徴とする。請求項5に記載の視野照明装置は、請求項1ないし請求項2において、前記撮像手段がレンズと複数のホトセンサから構成されることを特徴とする。
【0008】請求項6に記載の視野照明装置は、請求項1ないし請求項5において、前記光源が発光ダイオードであることを特徴とする。
【0009】請求項7に記載の視野照明装置は、請求項1ないし請求項5において、前記光源がハロゲンランプ又はELパネルであることを特徴とする。請求項8に記載の視野照明装置は、請求項1ないし請求項7において、前記光源を複数個備えることを特徴とする。請求項9に記載の視野照明装置は、請求項1ないし請求項8において、前記照明部を複数備えることを特徴とする。
【0010】請求項10に記載の視野照明装置は、請求項1ないし請求項8において、前記照明部の光源を頭部の中心に配置したことを特徴とする。請求項11に記載の視野照明装置は、請求項1ないし請求項10において、前記変更手段は、前記照明部の光源を水平方向および垂直方向の各軸回りに回転駆動して、照明方向を変更させることを特徴とする。請求項12に記載の視野照明装置は、請求項1ないし請求項11において、前記撮像手段が照明部に設けられていることを特徴とする。
【0011】請求項13に記載の視野照明装置は、請求項1ないし請求項11において、前記撮像手段が照明部と異なった位置に設けられていることを特徴とする。請求項14に記載の視野照明装置は、請求項1ないし請求項12において、前記変更手段は、前記照明部の光源と撮像手段を一体的に水平方向および垂直方向の各軸回りに回転駆動して、照明方向と撮像方向を変更させることを特徴とする。
【0012】請求項15に記載の視野照明装置は、請求項1ないし請求項14において、前記撮像手段は対象物として配置した基準マーカを撮像することを特徴とする。請求項16に記載の視野照明装置は、請求項15において、前記撮像手段は発光体で構成される基準マーカを撮像することを特徴とする。請求項17に記載の視野照明装置は、請求項15ないし請求項16において、前記撮像手段は特定のスペクトル光を撮像することを特徴とする。
【0013】請求項18に記載の視野照明装置は、請求項15ないし請求項17において、前記撮像手段で撮像した基準マーカが、前記撮像手段の撮像領域外である時、光源を消灯することを特徴とする。請求項19に記載の視野照明装置は、請求項15ないし請求項18において、前記撮像手段で撮像した基準マーカが、前記撮像手段の撮像領域外である時、前記制御手段をリセットすることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る頭部に装着する視野照明の斜視図である。この視野照明装置は、ヘッドベルト1と、照明部2と、ヘッドベルト固定部3と、照明ケース5からなる。図2はその正面図で、この照明部2の照明ケース5内に本発明の光源に該当する複数個の発光ダイオード41と、本発明の撮像手段に該当するレンズと撮像素子からなるカメラ10が収納されている状態を示す。この複数個の発光ダイオード41が、図3で示す基板42上に、5列7行になるように矩形形状に配設した構成となっている。なお発光ダイオード41の替わりに高輝度の小型ハロゲンランプやELパネルの光源を配設してもよい。そして、当該矩形形状に配設した複数個の発光ダイオード41の中心部に本発明のカメラ10を設けている。
【0015】図9、図10、図11は、上記複数の発光ダイオード41とカメラ10を一体的に配設、搭載した基板42を支持、回転させる機構を示すものである。図9はその正面から見た基板42、第1の枠体63、第2の枠体73の位置関係を示している。図10は基板42と第1の枠体63の関係を示す斜視図で、複数個の発光ダイオード41及びカメラ10を搭載した基板42は、その外側に設けた第1の枠体63に対して支持軸61及び支持軸62で保持されている。そして、片側の支持軸61は駆動モータ(Yモータ)60の軸と連結しており、前記駆動モータ60を回転させることで複数個の発光ダイオード41及びカメラ10を搭載した基板42を軸心回りに垂直方向(Y方向)に回転させることができる。
【0016】図11はさらに、第1の枠体63と第1の枠体63の外側に設けられる第2の枠体73との関係を示す図である。図11のように、第1の枠体63は第2の枠体73に対して支持軸72及び支持軸71で保持されている。そして、片側の支持軸71は駆動モータ(Xモータ)70の軸と連結しており、前記駆動モータ70を回転させることで第1の枠体63を軸心回りに水平方向(X方向)に回転させることができる。前記したように第1の枠体63には、支持軸を介して基板42が保持されている。従って、複数個の発光ダイオード41及びカメラ10を搭載した基板42が回転すると、複数個の発光ダイオード41の照明方向が変更される。
【0017】図7は本発明の概略ブロック図を示すもので、本発明の対象物に該当する基準物体である基準マーカ21を撮像するカメラ10、カメラ10を構成するレンズ13及び撮像素子に該当する2次元CCD(エリアCCD)11、2次元CCD11で撮像した基準マーカ21の2次元CCD上の撮像位置にもとづいて、基準マーカ21の撮像位置を判定する判定手段81と、判定手段81内に設けられたずれ量検出手段83と、判定手段81のメモリに格納された基準位置データ84と、判定結果によって2次元CCD11の撮像方向及び複数個の発光ダイオード41の照明方向を変更するための制御手段82と、2次元CCD11の撮像方向及び複数個の発光ダイオード41の照明方向をX方向、Y方向に変更するための本発明の変更手段を構成する駆動モータ70、駆動モータ60の構成を示している。さらに、複数個の発光ダイオード41、複数個の発光ダイオード41のON(点灯)、OFF(消灯)及び光量等を制御する光源制御手段91、各部に電力を供給する電源90、及び外部から光源のON、OFFを制御する光源制御信号93をも示している。
【0018】以下に、複数個の発光ダイオード41の照明方向の変更について詳細に説明する。図3は基板42上に配設した複数個の発光ダイオード41が、照射光30を介して所望の照明領域20を照明している状態を示すものである。本発明での対象物は照明領域20近傍に配置した基準物体で例えば色紙やテープ等の基準マーカ21を用い、カメラ10はこの色紙やテープ等の基準マーカ21の像を撮像する。図4は基板42の斜め後ろ側からみた図を示し、上記基準マーカ21からの反射光31が、カメラ10に入射することを示している。このように本発明では、基板42上に配設した複数個の発光ダイオード41の照明方向を変更するために、基準物体である基準マーカ21の像を撮像して、2次元CCD11上に投影された基準マーカ21の撮像位置と、予め設定してある基準撮像位置12との相対位置関係を判定する。
【0019】そしてこの相対位置関係から複数個の発光ダイオード41の照明方向を制御する。この制御について図5をもとに説明する。図5はカメラ10の撮像素子として2次元CCD11を用いた例を示している。なお、この2次元CCD11の素子数は例えば400×300程度のものであるが、本図では簡略化して複数の素子Q(3×3素子)から1つの桝目Pが形成されているものとする。図5では2次元CCD11、2次元CCD11の撮像領域(撮像可能領域)15、基準マーカ21の2次元CCD上の撮像位置(以下基準撮像位置12という)をしめす。
【0020】つまり基準マーカ21を2次元CCD11で撮像して、その撮像位置22が基準撮像位置12と一致しているか否かを判定する。そして基準マーカ21の撮像位置22が基準撮像位置12とずれているときは、2次元CCD11の撮像方向をX方向、Y方向にずらし、基準マーカ21の撮像位置22が基準撮像位置12にくるように変更手段を制御する。
【0021】このとき、2次元CCD11は基板42に複数個の発光ダイオード41とともに固設されて、一体的に動くように形成されているので、2次元CCD11の撮像方向を変更すると、同時に複数の発光ダイオード41の照明方向も変更される。なお、基準マーカ21の撮像位置22が基準撮像位置12と合致している場合は、基準マーカ21と所定の距離だけ離れた位置に照明領域の中心が来るように照明方向と撮像方向の関係が予め定められている。従って、基準マーカ21の撮像位置22を基準撮像位置12に合わせることで、常に基準マーカ21と所定の距離だけ離れた位置に照明領域の中心がくるようになる。
【0022】従って、視野照明装置の使用者が頭部を動かした場合、その動きに追従して撮像方向すなわち照明方向が変更されるので、常に視野照明装置の使用者が所望する照明領域が照明される。例えば、照明領域の中心部を術部とし、術部から所定距離離れた位置に基準マーカ21を載置または貼付等しておけば、視野照明装置の使用者が頭部を動かしても常に、光源は術部を照明することができる。なお、この照明領域の中心と基準マーカ21間の所定の距離は予め定めた複数個の発光ダイオード41の照明方向と2次元CCD11の撮像方向の関係から決めておけばよい。図5では、基準マーカ21の撮像位置22が基準撮像位置12とずれている場合を示しているが、このずれの補正を図6のフローチャートをもとに説明する。
【0023】ステップS1では、基準撮像位置12を求める準備ステップである。この基準撮像位置12は例えば次のようにして求めることができる。まず使用者は照明をしたい照明領域を特定するため、基準マーカ21を所望の照明領域付近に貼付し、一旦図示しないリセットスイッチを作動させる。このリセットスイッチを作動させるとリセット信号85が制御手段82に供給される。制御手段82はリセット信号85に応答して駆動モータを駆動させて、基板42がX、Y方向の原点位置(あらかじめ設定してある基準位置)に来るように制御する。次に、この状態で視野照明装置の使用者は照明されている領域が所望の位置にきているかどうかを確認をする。所望の領域である場合は基準マーカ21の撮像を行い、そのときの2次元CCD11上に投影された基準マーカ21の撮像位置を基準撮像位置12として求め、この位置を基準位置データ84として判定手段81内のメモリに格納しておく。従って、基準マーカ21が撮像領域15内に投影されていれば、常に基準撮像位置12を得ることができる。以下のステップは実際に使用者がこの視野照明装置を装着して使用する場合の、づれ補正に関するものである。
【0024】ステップS2では、カメラ10で基準マーカ21の撮像を開始する。ステップS3では、カメラ10で基準マーカ21の実際の撮像を行い、当該基準マーカ21の撮像が2次元CCDの撮像領域15内に入っているかどうかを判定する。なお、この判定は撮像領域15内にスッテプS1で求めた基準位置データ84と同じ形状の撮像が存在するか否かで判定すればよい。基準マーカ21の撮像が、2次元CCDの撮像領域15内に入っているときは、スッテプS4に進み、入っていないときはステップ10に進む。ステップ4では基準マーカ21の2次元CCD11上の撮像位置22の位置データを取得して判定手段81内のメモリに格納する。
【0025】ステップS5では、ステップS1で求めメモリに格納してある基準マーカ21の基準撮像位置12の基準位置データ84と、実際に撮像した基準マーカ21の撮像位置22の位置データを読み出して、一致しているか否かの比較を図7の判定手段81で行う。なお一致するとは、基準撮像位置12に基準マーカ21の撮像位置がきている場合で、この場合は再度スッテプS3に戻りスッテプS5でずれを検出するまでこのスッテプを循環する。一致しないときは、ステップS6に進みX方向にずれているか否かを図7の判定手段81で判定する。図5では、実際の撮像位置22と基準撮像位置12がずれている場合を示し、このずれ量は判定手段81内に設けたずれ量検出手段83で検出する。本例の場合はずれ量がX方向にM(=4)桝目分となっている。
【0026】次に、ステップS7では、このX方向のずれを補正するために、図7の制御手段82がずれ量に対応する駆動信号をX方向の駆動モータ70に与え、駆動モータ70を駆動する。前記の図11で示したようにX方向の駆動モータ70を駆動すると、駆動方向すなわち回転方向に枠体63が回転し、枠体63に連結している基板42も回転する。この基板42には複数の発光ダイオード41及びカメラ10が配置されているので、X方向に対して複数の発光ダイオード41の照明方向及びカメラ10の撮像方向が変更される。本例の場合は4桝目分撮像方向が変更される。次に、ステップS8では同様にY方向にずれているか否かを判定手段81で判定する。図5の例の場合は、ずれ量検出手段83はY方向にN(=4)桝目分ずれていることを検出する。
【0027】ステップS9では、このY方向のずれを補正するために、制御手段82が駆動信号をY方向の駆動モータ60に与え、駆動モータ60を駆動する。X方向と同様にY方向の駆動モータ60を駆動すると、駆動方向すなわち回転方向に基板42が回転する。この基板42には複数の発光ダイオード41及びカメラ10が配置されているので、Y方向に対して複数の発光ダイオード41の照明方向及びカメラ10の撮像方向が変更される。本例の場合は4桝目分撮像方向が変更される。
【0028】そして再び、図6のようにステップ3にもどり前記ルーチンを繰り返す。次にステップS3で基準マーカ21が2次元CCDの撮像領域15内に入っていない場合を説明する。なおこの様な場合は、視野照明装置を装着した者が術部に向けていた頭部を大きく動かした場合に生じやすい。ステップS10、S11はこのときの処理を示すものである。ステップS10では、一旦制御手段82をリセットしてX方向の駆動モータ70及びY方向の駆動モータ60の駆動を停止させ、続いて、制御手段82はX方向の駆動モータ70及びY方向の駆動モータ60を駆動させて、基板42が原点位置に来るように制御する。このとき、光源制御信号93に所定の信号を供給して光源も同時に消灯するようにしてもよい。ステップS11では、基準マーカ21の撮像が2次元CCDの撮像領域15内に入っているか否かを検出する。
【0029】入っていないときは、撮像領域内に基準マーカ21の撮像が入るまでこのステップS11をループさせる。このループは一旦大きく頭部を動かした後、再び、もとの状態に頭部を戻すまで検出が繰り返されことを意味する。そして、頭部が元の状態に戻ったときは、基準マーカ21が2次元CCDの撮像領域15内に入るので、引き続いてステップS4に処理が進む。なお、前記で光源を消灯しているときは、ステップS4に進む段階で光源制御信号93に所定の信号を供給して光源を点灯させるようにすればよい。そして、スッテプS4以後は前記したように処理が進められる。
【0030】このように本発明では、基準マーカ21の撮像位置を、カメラ10を構成する2次元CCD11で検出し、検出した2次元CCD11上の基準マーカ21の撮像位置22から撮像方向即ち複数個の発光ダイオード41の照明方向を判定することができる。そして判定結果によって、使用者が望む照明方向とずれが生じているときは、自動的に照明方向を変更して、常に一定の照明領域を照明するようにできる。さらに、視線検出装置のように眼球に対して視線検出用の照明光の照射が不必要となり、視野照明装置の使用者にとって不快感がなく好適なものとなる。また視線検出装置に比べて制御も簡単で、装置の軽量化ができる効果がある。
【0031】前記の説明では、光源とカメラが一体的に構成されている例を説明したが、光源とカメラが別個に設けられた第2の実施の形態について図8をもとに説明する。この第2の実施形態では、ヘッドベルト1と、ヘッドベルト1の下部に光源を備えた照明部2と、ヘッドベルト1の上部にカメラ10を内臓したカメラケース6と、それぞれを連結させるための取り付け部材7と、ヘッドベルト固定部3からなる。さらに、図示していないが、照明方向を変更するための変更手段を、光源を収納している照明部2内に設ける。なお説明の都合上、光源は第1の実施の形態と同様に基板上42に複数の発光ダイオード41が配設され、かつ当該基板がX、Y方向に回転駆動可能なものとする。この実施の形態と第1の実施の形態の大きく異なる点は、基準マーカ21を撮像するカメラ10が基板42ではなく、ヘッドベルト1と一体的に固設されており、変更手段で照明方向を変更しても撮像方向は変更されない。
【0032】この場合の照明方向の変更手順は以下のように行われる。第1の実施の形態と同様に、まず準備手順として、使用者は照明をしたい照明領域を特定するため、基準マーカ21を所望の照明領域付近に貼付し、一旦リセットスイッチを作動させる。このリセットスイッチを作動させると制御手段82はX方向またはY方向に駆動モータを駆動させて、基板42がX、Y方向の原点位置に来るように制御する。次に、この状態で視野照明装置の使用者は照明されている領域が所望の位置にきているかどうかを確認をする。所望の領域である場合は基準マーカ21の撮像を行い、そのときの2次元CCD上に撮像された基準マーカ21の撮像位置22を基準撮像位置12として求め、この位置をメモリに格納しておく。ここで例えば頭部を動かすと、動かした量に応じて基準マーカ21の撮像位置22は基準撮像位置12よりずれてくる。
【0033】第1実施形態の場合は、このずれに応じて基準撮像位置12に基準マーカ21の撮像位置22が一致するように撮像方向を制御していたが、本実施形態では撮像位置22と基準撮像位置12のX、Y方向のずれ量(差分)を求める。そして、求めたX、Y方向のずれ量に対応して、X、Y方向の駆動モータを駆動させて、基板42をX、Y方向に駆動させる。基板42上には発光ダイオード41が搭載されれいるので、ずれ量に応じて照明方向が変更されることになる。この実施の形態では、カメラを固定させているので、大きく頭部を動かした場合には、カメラの撮像領域15内に基準マーカ21の像が入らないことがある。
【0034】その様な場合は自動的に光源をオフにし、再度頭部を元に戻し、撮像領域15内に基準マーカ21の像が入ったときに光源を点灯させるようにするのが好ましい。同様に、撮像領域15内に基準マーカ21の像が入らない場合は制御手段82に対してリセット信号を供給して変更手段の動作を停止させても良いし、変更手段を原点位置に復帰又設定させるようにしても良い。さらに基準マーカ21の像が撮像領域15外であることを使用者に報知するようにしてもよい。この報知によって使用者は、手動でリセットスイッチを操作することでリセット信号を制御手段82に供給することができる。一方、第1の実施の形態にくらべて、光源とカメラを一体的に構成する必要がなくなり、光源部、照明部及びカメラ部の機構を簡単にすることができる。
【0035】他の実施形態を以下に説明する。上記実施形態では前記の撮像手段の撮像素子として、2次元CCDの替わりに複数のホトセンサを使用してもよい。また、使用者の頭部が大きく動き基準マーカ21が撮像領域15外の場合は、一旦制御手段82の動作をストップさせるようにし、その後頭部がもとの位置にきて基準マーカ21が撮像領域15内に入ったときに再度制御手段82の動作を開始させるようにしてもよい。また、光源は常時点灯させておいてもよいが、光源の寿命、電力消費を考慮して基準マーカ21の撮像位置が撮像領域15内にある時のみ点灯させるように制御するのが好ましい。
【0036】上記実施の形態では、基準物体の形状を横長の矩形形状の基準マーカとして説明したが、十字型などのどんな形状であってもかまわないし、基準物体上に形成した図形等を基準マーカとしてもよい。また、基準マーカの色は周辺の照明領域の色と異なるものを使い、基準マーカの像の識別を明瞭にできるようにすることが好ましい。上記実施形態では、基準物体として色紙やテープ等を基準マーカとして取り上げたが基準物体として発光体を使用しても良い。また発光体として特定のスペクトル光を発するものを用いてもよい。この場合特定のスペクトル光に対して受光感度の高い撮像素子を選択することが好ましい。それによって、発光体の撮像感度を高めることができる。
【0037】上記実施形態では、光源として発光ダイオードを例として説明したが、ハロゲンランプ、ELパネル等の高輝度光源でもよい。また、光ファイバを介した光源を照明部に設けてもよい。また、発光ダイオードとして白色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオードを用いることができる。さらに、これらを組み合わせて用いても良い。また、前記説明では撮像手段を複数個の発光ダイオードの中心部に配置するようにしているが、撮像手段を複数個の発光ダイオード41の周辺部に配置してもかまわない。また撮像手段の前面側に光ファイバを配設して、光ファイバを介して撮像してもよい。
【0038】上記実施形態では、頭部に装着するヘッドベルトに光源、撮像手段を取り付けた例を示しているが、たとえばゴーグル型眼鏡に、光源、撮像手段を設ける構成にしてもよい。また上記実施形態では、撮像手段を1つとして説明しているが、撮像手段を複数設けて基準マーカを撮像しても良い。この場合は複数の撮像手段の撮像領域をそれぞれ異なるように設定しておくことで、ずれ量が大きくなっても広範囲に光源の照明方向を変更可能にできる。
【0039】
【発明の効果】請求項1ないし請求項19の発明によれば、光源と、該光源の照明方向を変更する変更手段と、略照明方向の対象物を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した前記対象物の撮像位置を判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に応じて前記変更手段を制御して前記光源の照明方向を制御する制御手段とを有する。従って、撮像手段で略照明方向に配置した対象物を撮像し、この対象物の撮像位置と予め求めた基準撮像位置とのずれを検出できる。そして、検出したずれ量に応じて光源の照明方向を変更できるので、自動的に使用者が望む照明領域に照明方向を変更することができる。また複雑、高価な視線検出装置のようなものを用いることなく、対象物の撮像位置に応じて使用者の望む照明領域に照明方向を変更することができる。
【出願人】 【識別番号】000207551
【氏名又は名称】大日本スクリーン製造株式会社
【出願日】 平成13年3月29日(2001.3.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−298607(P2002−298607A)
【公開日】 平成14年10月11日(2002.10.11)
【出願番号】 特願2001−95540(P2001−95540)