| 【発明の名称】 |
車両の灯火制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】亀山 昌吾
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| 【要約】 |
【課題】単一の灯火部によって多くの情報を通知することができる灯火制御装置を提供する。
【解決手段】灯火制御装置においては、リアコンビランプ20に備えられるLED板23は、発光色の異なる3種類の発光ダイオード(赤、緑、青)を含む複数の発光ダイオードLEDが格子状(ドットマトリクス状)に配列されて構成されている。そして、リアECU24に備えられるマイコン26が、灯火系多重通信線などから入力される灯火指令信号に基づき、データ記憶部29から読み出した灯火パターンでLED板23を灯火表示するように、LEDドライバ(走査ドライバ27およびデータドライバ28)を制御する。これにより、LED板23に、各種灯火指令信号に応じた灯火パターン(模様および文字等)を表示することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両状態を周囲に通知するための灯火部を備え、車両各部からの灯火指令に応じて前記灯火部の灯火状態を制御する車両の灯火制御装置であって、前記灯火部が、少なくとも発光色の異なる2種類の自発光素子を含む複数の自発光素子を備えて構成され、前記複数の自発光素子の各点消灯状態を前記灯火指令に応じて設定するための複数の灯火パターン情報を記憶する記憶手段と、前記車両各部から前記灯火指令を受け取り、該灯火指令に対応する前記灯火パターン情報を前記記憶手段から読込み、該灯火パターン情報に基づいて前記複数の自発光素子を駆動制御して、前記灯火部の灯火状態を制御する灯火状態制御手段と、を備えたことを特徴とする車両の灯火制御装置。 【請求項2】 前記灯火部は、前記複数の自発光素子が格子状に配列されて構成されたこと、を特徴とする請求項1に記載の車両の灯火制御装置。 【請求項3】 前記自発光素子が、発光ダイオード、有機EL、無機ELのいずれかであること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の灯火制御装置。 【請求項4】 前記記憶手段は、前記灯火部を、テールランプ、ストップランプ、ターンシグナルランプ、ハザードランプ、クリアランスランプ、バックアップランプ、フォグランプのうち少なくとも1つとして灯火させるための灯火パターン情報を記憶していること、を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両の灯火制御装置。 【請求項5】 前記灯火状態制御手段は、車内LANを形成する多重通信線を通じて車両各部と接続されて、該多重通信線を介して前記灯火指令を受け取ること、を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両の灯火制御装置。 【請求項6】 前記多重通信線における通信プロトコルがLINであること、を特徴とする請求項5に記載の車両の灯火制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両各部からの灯火指令に応じて、車両の状態を周囲に通知するための灯火部の灯火状態を制御する車両の灯火制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、車両には、周囲(対向車、追随車(後続車)、歩行者など)に対して自車両に関する情報(停止、右左折、運転状態など)を通知するための灯火部が備えられており、具体的には、テールランプ、ストップランプ、ターンシグナルランプ、ハザードランプ、クリアランスランプ、バックアップランプ、リアフォグランプ、ライセンスランプ等の灯火部が備えられている。 【0003】そして、これらの灯火部は、例えば、フィラメントを有するバルブ(電球)を発光部として備えて、このバルブが発する光をレンズを通じて出射する構成のものが多く使用されている。なお、灯火部に備えられるレンズは、一般に、光を透過可能な有色あるいは無色の材質で形成されており、車両は、発光色の異なる複数の灯火部を搭載し、発光色の違いによって、周囲に通知すべき車両状態の種類を識別可能としている。例えば、ストップランプ(以下、ブレーキランプともいう)は赤色のレンズ、ターンシグナルランプは橙色(アンバー)のレンズ、バックアップランプは白色(無色)のレンズを備えて構成されている。 【0004】また、灯火部には、バルブに換えて発光ダイオード(LED)を備えたものもあり、発光色が赤色の発光ダイオードを用いて構成されたハイマウントストップランプがその一例である。そして、車両には、周囲に通知すべき車両情報に応じた複数の灯火部が備えられると共に、各灯火部を灯火制御する灯火制御装置が備えられ、車両の灯火制御装置は車両各部からの指令に基づき灯火部を灯火制御することで、車両情報を周囲に通知している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従来の灯火部はそれぞれの発光色が固定された一色であり、また灯火部の形状が一定であることから、上述の灯火部を1個のみ用いて表示可能な意匠(形状、模様、色彩等)には限りがある。そのため、上述の灯火部を用いてより多くの情報(車両状態)を周囲に通知するためには、例えば、互いに発光色が異なる灯火部を、その情報量に応じた個数だけ車両に備える必要がある。 【0006】しかし、車両において、灯火部を配置できるスペースには限りがあり、また、周囲からの視認性を確保するためには灯火部の面積を一定以上とする必要があるため、車両に搭載可能な灯火部の最大個数には限界があり、灯火部を用いて周囲に通知可能な情報量を増やすには限界がある。 【0007】これに対して、発光色が単一色である灯火部であっても、光量(輝度)を変化させることで、複数の情報を通知することは可能であり、例えば、特開平7−61285号公報に記載のように、灯火部に備えられる1個のバルブにおける発光時の光量(輝度)を変化させて、ブレーキランプとテールランプとを同一の灯火部で実現することができる。また、灯火部の点滅回数を変化させることで、複数の情報を通知することも可能である。 【0008】このように光量(輝度)を変化させることや点滅回数を変化させることで、灯火部を用いて通知可能な情報を増加させることはできるが、発光色が単一色であり、また、灯火部の発光部分の形状が固定であることから、同一の灯火部で通知可能な情報量が一定範囲内に制限されることになる。 【0009】そこで、本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、単一の灯火部によって多くの情報を通知することができる車両の灯火制御装置を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の車両の灯火制御装置は、車両状態を周囲に通知するための灯火部が、少なくとも発光色の異なる2種類の自発光素子を含む複数の自発光素子を備えて構成されており、また、記憶手段と灯火状態制御手段とを備えて、車両各部からの灯火指令に応じて灯火部の灯火状態を制御する車両の灯火制御装置である。 【0011】そして、この車両の灯火制御装置においては、灯火部を構成する複数の自発光素子のうち、互いに近接する発光色の異なる自発光素子のそれぞれの光量(輝度)を調整して各発光色を重ね合わせることで、灯火部が多彩な発光色を発生することができる。このため、灯火部が単数である場合でも、その1つの灯火部が、車両状態に応じて多彩な発光色を発生することで、様々な車両状態を周囲に通知することが可能となる。 【0012】なお、自発光素子としては、少なくとも発光色の異なる2種類の自発光素子が備えられるが、光の三原色である赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の各色を発光色とする3種類の自発光素子を備えることで、ほとんどの色が生成可能となる。このことから、灯火部は、赤・緑・青の3色の自発光素子を含むように構成すると良い。 【0013】そして、この車両の灯火制御装置では、記憶手段が、複数の自発光素子の各点消灯状態を灯火指令に応じて設定するための複数の灯火パターン情報を記憶しており、また、灯火状態制御手段が、車両各部から入力される灯火指令を受け取り、この灯火指令に対応する灯火パターン情報を記憶手段から読込み、この灯火パターン情報に基づいて複数の自発光素子を駆動制御して、灯火部の灯火状態を制御する。 【0014】なお、灯火パターン情報は、少なくとも各自発光素子の光量(輝度)に関する情報を含むものであり、また、光量としては消灯状態の自発光素子の光量(つまり、0(ゼロ))を設定することができる。即ち、1種類の自発光素子のみを点灯状態とし、その他の種類の自発光素子は消灯状態として、灯火部全体を点灯状態の自発光素子の発光色のみで点灯しても良く、また、灯火部のうち特定領域の自発光素子のみを点灯状態として、灯火部の一部の領域のみを点灯しても良い。 【0015】そして、灯火状態制御手段が、車両各部から入力される灯火指令に対応する灯火パターン情報に基づき、複数の自発光素子をそれぞれ別個独立に駆動制御して各自発光素子の光量(輝度)を調整することにより、灯火部は、複数の自発光素子の発光色の組み合わせに応じた様々な発光色で発光可能となる。 【0016】よって、本発明(請求項1)の車両の灯火制御装置によれば、灯火部の発光色を変化させることで複数種類の灯火状態を実現することができるため、1個の灯火部のみを用いる場合であっても、複数の車両状態を周囲に通知することができ、より多くの情報を通知することが可能となる。 【0017】そして、上述(請求項1)の車両の灯火制御装置は、請求項2に記載のように、灯火部が、複数の自発光素子が格子状に配列されて構成されるとよい。つまり、自発光素子が格子状に配列された灯火部は、各自発光素子の点消灯状態を制御することにより、色彩(発光色)のみならず、発光部分の形状や模様を変化させることができる。これにより、灯火部で表示可能な意匠が多彩になり、1個の灯火部で通知可能な情報量を増加させることができる。 【0018】また、自発光素子の個数を増やし、灯火部としての画素数を増加することで、より精細な模様を表示することや文字を表示することが可能となる。とりわけ、灯火部で文字が表示可能となることで、通知する情報の内容を的確に表現することができ、灯火部を用いて通知可能な情報を飛躍的に増大させることができる。 【0019】例えば、車両事故発生時において車両搭乗者が負傷して動くことが不可能な場合に、緊急連絡先や即座に行うべき対応措置等の情報を灯火部に文字表示することで、事故現場の近くに居る第3者が適切な対応をとることが可能となる。あるいは、車両搭乗者が不在の際に車両盗難が発生した場合に、盗難発生を文字で表示することで、第3者が早急に警察への通報などの対応をとることができる。 【0020】よって、本発明(請求項2)の車両の灯火制御装置によれば、灯火部で表示可能な意匠の数を更に増大させることができ、1個の灯火部のみを備える構成であっても、より多くの車両状態を周囲に通知することが可能となる。そして、例えば、車両事故や盗難等が発生した場合に、その状況や対応措置等を適切に周囲に通知することができる。 【0021】なお、灯火部に表示する文字や模様等は、時間経過に伴い変化する動画として表示しても良い。そして、上述(請求項1または請求項2)の車両の灯火制御装置は、請求項3に記載のように、自発光素子が、発光ダイオード、有機EL、無機ELのいずれかであるとよい。 【0022】つまり、フィラメントを備えるバルブ(電球)にくらべて、発光ダイオード、有機EL、無機ELは、発光色1色あたりの面積を小さくでき、隣接する自発光素子の間隔を短くすることができる。これにより、複数の発光色の重ね合わせが容易になり、発光色を好適に変化させることができる。そして、自発光素子を格子状に配列した灯火部では、単位面積あたりの自発光素子の個数を増やすことができ、灯火部で表示する文字や模様等をより精細に表示することができる。 【0023】また、発光ダイオード、有機EL、無機ELは、バルブに比べて消費電力が小さいことから、発光ダイオード、有機EL、無機ELのいずれかで構成された灯火部を用いることで、灯火部での電力消費量を抑えることができる。近年は、車両に搭載される電子機器が増加傾向にあることから、灯火部での電力消費を抑制することで、車両に搭載される車載発電機への負担を軽減できる。 【0024】よって、本発明(請求項3)の車両の灯火制御装置によれば、灯火部の発光色を好適に変化させることができ、また、灯火部で表示する文字や模様等をより精細に表示することができるため、周囲への情報通知をより正確に行うことができる。また、電力消費の抑制により車載発電機への負担を軽減でき、同一車両に搭載された他の車載電子機器へ供給可能な電力量を増大させることができる。 【0025】なお、自発光素子として発光ダイオード、有機EL、無機ELを用いる際に、灯火部の光量(輝度)を調整するには、例えば、電流値を変化させる方法や、人間にとって点滅が認識できない程度の早い周期で点滅させつつ点灯時間を変化させる方法等がある。 【0026】次に、上述(請求項1から請求項3のいずれか)の車両の灯火制御装置は、請求項4に記載のように、記憶手段が、灯火部を、テールランプ、ストップランプ、ターンシグナルランプ、ハザードランプ、クリアランスランプ、バックアップランプ、フォグランプのうち少なくとも1つとして灯火させるための灯火パターン情報を記憶しているとよい。 【0027】このような灯火パターン情報に基づいて、灯火状態制御手段が灯火部を灯火制御することにより、灯火部は、テールランプ、ストップランプ、ターンシグナルランプ、ハザードランプ、クリアランスランプ、バックアップランプ、フォグランプのうち少なくとも1つとしての動作が可能となる。 【0028】つまり、本発明の車両の灯火制御装置に備えられる灯火部が、従来から車両に備えられる灯火部としての動作が可能であれば、当該灯火部は、新たな設置スペースを設けることなく、従来の設置スペースに設置することができる。そして、車両の灯火制御装置が、この灯火部の灯火状態を制御して発光色が変化することで、従来の灯火器が通知する車両状態に加えて、さらに多くの車両状態を周囲に通知することが可能となる。 【0029】また、記憶手段は、灯火部を、テールランプ、ストップランプ、ターンシグナルランプ、ハザードランプ、クリアランスランプ、バックアップランプ、フォグランプとしての灯火動作のうち複数の灯火動作が可能となるように、複数の灯火パターン情報を記憶してもよい。 【0030】これにより、従来は異なる設置スペースに配置されていた複数の灯火部を、1つの灯火部に置き換えることができ、例えば、ストップランプとしての灯火部分の面積を大きく確保することで、後方車両からの視認性向上を図ることができる。あるいは、複数の灯火部を1つの灯火部に置き換えることで、車両における灯火部の設置スペースを従来よりも縮小でき、灯火部の統合により生じたスペースに対して、新たな種類の車両状態を通知するための灯火部を設けることで、周囲に通知可能な情報(車両状態)を更に増やすことができる。 【0031】よって、本発明(請求項4)の車両の灯火制御装置によれば、灯火部の設置スペースを新たに設けることなく、周囲に通知可能な情報(車両状態)を増加させることができる。ところで、車両の灯火制御装置が、より多くの車両状態を周囲に通知するためには、その車両状態の種類に応じた個数の灯火指令を、車両各部から受け取る必要がある。そして、車両の灯火制御装置と車両各部との間を接続する配線ケーブルを1個の灯火指令毎に1本用いるように構成する場合には、通知する車両状態の種類が増加するに従い、配線ケーブルの数が増えることになり、配線ケーブルの材料費が増大すると共に、配線ケーブルの敷設作業に要する労力も増大する。特に、車両では、物理的な空間に限りがあることに加えて、エンジンなどが発する熱による影響を避ける必要があるため、配線ケーブルを配設可能な領域は制限されることになり、配線ケーブルの数の増加に伴う敷設作業の労力の増大は、大きな問題となる。 【0032】そこで、上述(請求項1から請求項4のいずれか)の車両の灯火制御装置は、請求項5に記載のように、灯火状態制御手段が、車内LANを形成する多重通信線を通じて車両各部と接続されて、この多重通信線を介して灯火指令を受け取るように構成するとよい。 【0033】つまり、多重通信線は、物理的な配線ケーブルが1本であるにも拘わらず、複数種類の灯火指令信号を伝達することが可能であり、周囲に通知すべき車両状態の種類が多数である場合において、敷設作業すべき配線ケーブルを1本とすることができる。このため、上述の車両の灯火制御装置は、灯火状態制御手段が多重通信線を介して車両各部からの灯火指令を受け取るように構成することで、周囲に通知すべき車両状態の増加に起因する配線ケーブルの増加を抑制することができる。 【0034】よって、本発明(請求項5)の車両の灯火制御装置によれば、車両各部との間を接続する配線ケーブルの増加を抑えることで、配線ケーブルの材料費の増加および敷設作業の労力増大をおさえることができる。なお、フェールセーフの観点から、多重通信線としての物理的な配線ケーブルを複数本備える構成(二重化構成や三重化構成など)としてもよく、また、安全上重要な灯火指令については、多重通信線ではなく、バックアップ専用の直接信号線を備えても良い。 【0035】ところで、多重通信線を用いて車両各部に備えられる複数の各機器が互いに情報の送受信を行う通信方式(通信プロトコル)としては、例えば、マルチマスタ方式やマスタ・スレーブ方式と呼ばれるもの等がある。このうち、マルチマスタ方式は、多重通信線に接続される各機器が、アクチュエータ等の駆動制御処理に加えて、他の機器との情報送受信処理や多重通信線における通信状態の監視処理等の様々な処理を行う通信方式である。そして、マルチマスタ方式は、各機器が複雑な制御処理を実行できる構成であることから、多様な用途に使用できるという利点がある。しかし、各機器は高度な処理能力が要求されることから、マルチマスタ方式は、処理能力の高い高価な機器で構成する必要がある。つまり、マルチマスタ方式は、各機器が高価であるため、装置全体としてのコストが高くなるという欠点がある。 【0036】一方、マスタ・スレーブ方式は、マスタである機器(以下、マスタ機器ともいう)は、通信状態の監視処理やスレーブである機器の動作を制御する制御処理等、全体を統括制御するための様々な処理を行い、スレーブである機器(以下、スレーブ機器ともいう)は、マスタ機器からの指令に基づき比較的単純な処理(アクチュエータ等の駆動制御処理等)を行う通信方式である。そして、マスタ機器は、高度な処理能力が要求されるため、処理能力の高い高価な機器で構成する必要があるが、スレーブ機器は、高度な処理能力が要求されないため、実行すべき処理内容に応じた処理能力を有する比較的安価な機器で構成することができる。つまり、マスタ・スレーブ方式は、スレーブ機器を安価な機器で構成できるため、全ての機器を処理能力の高い高価な機器で構成する必要が無いことから、全体としてのコストを低く抑えることができる。 【0037】そして、灯火部を駆動制御する処理は比較的単純な処理であることから、上述(請求項5)の車両の灯火制御装置をスレーブとして動作させるマスタ・スレーブ方式を適用することが可能である。これにより、車両の灯火制御装置は比較的安価な機器(安価なマイコンなど)で構成することができるため、コストの上昇を抑えることができる。 【0038】ここで、車内LANにおける通信プロトコルのうち、マスタ・スレーブ方式の通信プロトコルとしては、ISO9141に準拠しているLIN(Local Interconnect Network)が多く用いられることから、上述(請求項5)の車両の灯火制御装置は、請求項6に記載のように、多重通信線における通信プロトコルがLINであるとよい。 【0039】つまり、通信プロトコルとしてLINを用い、車両の灯火制御装置がスレーブとして車両各部からの灯火指令を受信して灯火制御を実行するように構成することで、車両の灯火制御装置は、比較的安価な機器(安価なマイコンなど)を用いて灯火制御処理を行うことができる。 【0040】また、LINは、マルチマスタ方式の通信プロトコルであるCAN(Controller Area Network )とゲートウェイを介して接続可能であることから、車内LANを、マスタ・スレーブ方式とマルチマスタ方式とが混在した構成とすることができる。 【0041】よって、本発明(請求項6)の車両の灯火制御装置によれば、比較的安価な機器(安価なマイコンなど)を用いて灯火制御処理を実現できるため、コストの上昇を抑えることができる。また、車内LANを、マスタ・スレーブ方式とマルチマスタ方式とが混在した構成とすることができるため、用途に応じて車内LANの構成を柔軟に変更することが可能であり、拡張性が高いという利点がある。 【0042】 【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。 【0043】まず、図1は、車両Cに搭載された実施例の車両の灯火制御装置1の構成を表す構成図である。尚、本実施例の灯火制御装置1は、コンビスイッチ41、フロントECU43、リアECU24、灯火系多重通信線LLを備えている。そして、フロントECU43は、コンビスイッチ41から灯火系多重通信線LLを介して各種灯火指令信号や警笛指令信号が入力され、ハザードスイッチ42から第1ハザード用直接信号線DL2を介してハザードランプ灯火指令信号が入力される。すると、フロントECU43は、入力された灯火指令信号等に応じて、車両前部に備えられるフロントコンビランプ45とフロントフォグランプ47の灯火制御、および警笛ホーン49の駆動制御を行う。 【0044】なお、フロントコンビランプ45は、右側フロントコンビランプ45Rと左側フロントコンビランプ45Lとで構成され、右側および左側それぞれが灯火指令信号に応じて、少なくともヘッドライト、ターンシグナルランプ(ハザードランプ)、クリアランスランプ、コーナリングランプとして灯火動作する。このうち、ヘッドライトはフィラメントを有するバルブ(電球)を備えて構成され、その他のランプは発光ダイオード(詳細には後述するLED板23)を備えて構成されている。なお、ヘッドライトは、フィラメントのないディスチャージヘッドランプにより構成しても良い。また、フロントフォグランプ47は、フィラメントを有するバルブ(電球)を備えるとともに、右側フロントフォグランプ47Rと左側フロントフォグランプ47Lとで構成されている。 【0045】この時、コンビスイッチ41とフロントECU43との間には、ヘッドライトのバックアップ灯火指令信号のみを通知するためのバックアップ用直接信号線DL1が配線されている。このバックアップ用直接信号線DL1は、灯火系多重通信線LLの異常発生時における安全性を考慮して設けられており、灯火系多重通信線LLの異常発生時に、コンビスイッチ41からフロントECU43に対してバックアップ灯火指令信号を直接通知して、ヘッドライトを灯火制御するのを可能とするためのものである。 【0046】また、フロントECU43は、ハザードスイッチ42とは第1ハザード用直接信号線DL2を介して直接接続されており、ハザードスイッチ42からのハザードランプ灯火指令信号は、灯火系多重通信線LLではなく第1ハザード用直接信号線DL2を介してフロントECU43に通知される。このように直接信号線で接続するのは安全性を考慮したためであり、ハザードランプの灯火制御が、灯火系多重通信線LLの異常発生時の影響を受けないようにするためである。 【0047】次に、リアECU24は、コンビスイッチ41から灯火系多重通信線LLを介して各種灯火指令信号が入力され、ハザードスイッチ42から第2ハザード用直接信号線DL3を介してハザードランプ灯火指令信号が入力され、ブレーキスイッチ55からブレーキ用直接信号線DL4を介してブレーキランプ灯火指令信号が入力される。すると、リアECU24は、入力された灯火指令信号等に応じて、車両後部に備えられるリアコンビランプ20、ハイマウントストップランプ51、ライセンスランプ53の灯火制御を行う。 【0048】なお、リアコンビランプ20は、右側リアコンビランプ20Rと左側リアコンビランプ20Lとで構成され、右側および左側それぞれが灯火指令信号に応じて、少なくともストップランプ(ブレーキランプ)、テールランプ、ターンシグナルランプ(ハザードランプ)、リアフォグランプ、バックアップランプとして動作する。 【0049】また、リアECU24は、ハザードスイッチ42とは第2ハザード用直接信号線DL3を介して直接接続されており、ハザードスイッチ42からのハザードランプ灯火指令信号は、灯火系多重通信線LLではなく第2ハザード用直接信号線DL3を介してリアECU24に通知される。このように直接信号線で接続するのは安全性を考慮したためであり、ハザードランプの灯火制御が、灯火系多重通信線LLの異常発生時の影響を受けないようにするためである。 【0050】さらに、リアECU24は、ブレーキスイッチ55とはブレーキ用直接信号線DL4を介して直接接続されており、ブレーキスイッチ55からのブレーキランプ灯火指令信号は、灯火系多重通信線LLではなくブレーキ用直接信号線DL4を介してリアECU24に通知される。このように直接信号線で接続するのは安全性を考慮したためであり、ブレーキランプの灯火制御が、灯火系多重通信線LLの異常発生時の影響を受けないようにするためである。 【0051】また、コンビスイッチ41は、灯火系多重通信線LLにおけるマスタとして動作する灯火系ECU41a(図1では図示省略)を備えており、この灯火系ECU41aは、灯火系多重通信線LLを介してフロントECU43およびリアECU24と接続される。そして、灯火系多重通信線LLを介して情報の送受信を行う多重通信方式(通信プロトコル)としては、マスタ・スレーブ方式の一つであるLIN(Local Interconnect Network)を採用している。なお、灯火系多重通信線LLに接続される機器のうち、灯火系ECU41aはマスタとして機能し、フロントECU43およびリアECU24はスレーブとして機能する。 【0052】さらに、コンビスイッチ41に備えられる灯火系ECU41aは、灯火系多重通信線LLとは異なる第2多重通信線を介してセキュリティECU57やエアバックECU59とも接続されている。なお、この第2多重通信線を介して情報の送受信を行う多重通信方式(通信プロトコル)としては、マルチマスタ方式の一つであるCAN(Controller Area Network )を採用している。 【0053】ここで、セキュリティECU57は、車両の盗難を検知するための盗難検知処理を実行するものであり、盗難検知時には盗難検知信号を灯火系ECU41aに対して出力する。また、エアバックECU59は、車両衝突等を検出してエアバックを作動させる処理を行うものであり、エアバック作動時には灯火系ECU41aに対してエアバック作動信号を出力する。 【0054】そして、灯火系ECU41aは、盗難検知信号が入力されると盗難通知用灯火指令信号をフロントECU43およびリアECU24に対して出力し、また、エアバック作動信号が入力されると事故通知用灯火指令信号をフロントECU43およびリアECU24に対して出力する。すると、フロントECU43およびリアECU24は、それぞれの灯火指令信号に応じてコンビランプの灯火状態を制御し、各灯火指令信号に応じた所定の灯火パターンを表示することで、周囲に車両状態を通知する。 【0055】次に、本実施例で使用するリアコンビランプ20およびリアECU24の分解斜視図を図2に示す。なお、本実施例では、リアECU24は、右側リアコンビランプ20Rと一体に構成されている。図2に示すように、リアコンビランプ20は、無色透明レンズ21とLED板23とで構成されている。そして、LED板23は、発光色の異なる3種類の発光ダイオードを含む複数の発光ダイオードLEDが格子状(ドットマトリクス状)に配列されて構成されている。なお、LED板23には、発光色が赤色の赤色発光ダイオードRLED、発光色が緑色の緑色発光ダイオードGLED、発光色が青色の青色発光ダイオードBLEDの3種類の発光ダイオードが備えられ、LED板23を構成する1つの画素PIは、これらの3種類の発光ダイオードをそれぞれ1個ずつ備えて形成されている。 【0056】また、リアECU24は、図2に示すように、インターフェース25、マイコン26、LEDドライバ31(走査ドライバ27、データドライバ28)を備えて構成されている。そして、インターフェース25は、ハザードスイッチ42、ブレーキスイッチ55および灯火系多重通信線LLと、マイコン26との間で送受信される各種灯火指令信号等の入出力部である。 【0057】また、マイコン26は、灯火系多重通信線LLとの間で送受信する各種信号を処理するとともに、インターフェース25を介して入力される各種灯火指令信号に基づき、LED板23に備えられる各発光ダイオードLEDの駆動指令信号を走査ドライバ27およびデータドライバ28に出力して、リアコンビランプ20の灯火制御を行う。 【0058】ここで、マイコン26には、ROM(EEPROMまたはFLASHROM等)からなるデータ記憶部29が備えられており、このデータ記憶部29は、各種灯火指令信号に応じた灯火パターンでLED板23を灯火表示するための灯火パターン情報を記憶している。なお、灯火パターン情報には、LED板23に備えられる各発光ダイオードLEDの光量(輝度)に関する情報が含まれており、光量(輝度)が0(ゼロ)に設定された発光ダイオードLEDは消灯状態となる。 【0059】つまり、マイコン26は、入力された灯火指令信号に応じた灯火パターン情報をデータ記憶部29から読込み、その灯火パターン情報に基づいて駆動指令信号を走査ドライバ27およびデータドライバ28に出力している。すると、走査ドライバ27およびデータドライバ28は、マイコン26からの駆動指令信号に基づいて、LED板23に格子状に配列された各発光ダイオードLEDを駆動制御する。 【0060】例えば、リアECU24に対して、ブレーキスイッチ55からのブレーキランプ灯火指令信号が入力された場合には、赤色発光ダイオードRLEDのみを所定の光量(輝度)で発光させる灯火パターン情報が読み出されて、LED板23は全体またはその一部が赤色で灯火表示される。また、リアECU24に対して、テールランプ灯火指示信号が入力された場合には、ブレーキランプ灯火指示信号の場合よりも光量が少ない(輝度が低い)状態で赤色発光ダイオードRLEDのみを発光させる灯火パターン情報が読み出される。 【0061】さらに、リアECU24に対して、ターンシグナルランプ灯火指令信号あるいはハザードランプ灯火指令信号が入力された場合には、LED板23の全体またはその一部がアンバー色(橙色)で灯火表示あるいは点滅表示されるように各発光ダイオードLEDの輝度が設定される。また、リアECU24に対して、バックアップランプ灯火指令信号あるいはリアフォグ灯火指令信号が入力された場合には、LED板23が白色で灯火表示されるように各発光ダイオードLEDの輝度が設定される。 【0062】ここで、LED板23、マイコン26、走査ドライバ27およびデータドライバ28のブロック図を図3に示す。上述したように、LED板23は、画素PIを形成する3種類の発光ダイオードLEDが格子状(ドットマトリクス状)に配列されて構成されており、また、10本の走査線23aと99本のデータ線23bが備えられている。つまり、本実施例のLED板23は、990個の発光ダイオードLEDを備えると共に、330個の画素PIを備えている。そして、各発光ダイオードLEDは、アノードが走査線23aを介して走査ドライバ27に接続され、カソードがデータ線23bを介してデータドライバ28に接続されている。 【0063】また、マイコン26は、走査ドライバ27に対して、走査イネーブル信号SENA、走査クロック信号SCLKおよび走査クリア信号SCLRを出力し、データドライバ28に対して、データイネーブル信号DENA、データラッチ信号DLAT、データシフトクロック信号DCLK、データクリア信号DCLR、4種類のビットデータ信号D0,D1,D2,D3を出力する。なお、マイコン26から走査ドライバ27およびデータドライバ28にそれぞれ出力される各信号の出力時期や出力状態は、前述した灯火パターン情報により決定される。 【0064】そして、LEDドライバ31を構成する走査ドライバ27は、走査シフトレジスタ27aと、10個の論理積回路AND0〜AND9と、10個の定電圧出力回路OP0〜OP9とを備えて構成されている。まず、走査シフトレジスタ27aは、10個の論理積回路AND0〜AND9のそれぞれに対して出力するアクティブ走査線信号AS0〜AS9のうち、いずれか1個をハイレベル出力するよう動作している。そして、走査シフトレジスタ27aは、マイコン26からの走査クロック信号SCLKが入力される毎に、第0論理積回路AND0、第1論理積回路AND1、第2論理積回路AND2、・・・、第9論理積回路AND9という順番で、ハイレベル出力の対象となるアクティブ走査線信号を順次更新していく。このとき、走査シフトレジスタ27aは、ハイレベル出力の対象となるアクティブ走査線信号以外のアクティブ走査線信号に対しては全てローレベル出力を行う。また、第9論理積回路AND9に対する第9アクティブ走査線信号AS9をハイレベル出力すると、その次は再び第0論理積回路AND0に対する第0アクティブ走査線信号AS0がハイレベル出力される。 【0065】なお、走査シフトレジスタ27aは、マイコン26からの走査クリア信号SCLRが入力されると、その後の走査クロック信号SCLKの最初の入力に対しては、第0論理積回路AND0に対して出力するアクティブ走査線信号AS0をハイレベルとする。その後、走査シフトレジスタ27aは、走査クロック信号SCLKが入力される毎に、ハイレベル出力するアクティブ走査線信号を順次更新していく。 【0066】そして、各論理積回路AND0〜AND9は、走査イネーブル信号SENAおよび対応するアクティブ走査線信号AS0〜AS9が共にハイレベル入力されると、接続された定電圧出力回路OP0〜OP9に対してハイレベル出力し、アクティブ走査線信号または走査イネーブル信号SENAのいずれか一方がローレベル入力されると、接続された定電圧出力回路OP0〜OP9に対してローレベル出力する。また、定電圧出力回路OP0〜OP9は、接続された論理積回路AND0〜AND9がハイレベル出力する際には、対応する走査線23aに対して発光ダイオードLEDを点灯させるための定電圧Vccを電圧供給信号CH0〜CH9として出力する。 【0067】よって、走査ドライバ27は、マイコン26から入力される各信号(SCLR、SCLK、SENA)に基づき、10個の電圧供給信号CH0〜CH9を順番に駆動制御して、LED板23の10本の走査線に対して順番に定電圧Vccを供給している。 【0068】次に、LEDドライバ31を構成するデータドライバ28は、データシフトレジスタ28aと、出力レジスタ28bと、定電流出力段28cとを備えている。まず、データシフトレジスタ28aは、マイコン26から入力される4個のビットデータ信号D0,D1,D2,D3の状態を、データシフトクロック信号DCLKの入力時期に同期してビットシフトしながら蓄積するシフトレジスタである。そして、データシフトレジスタ28aは、データラッチ信号DLATの入力時期に同期して、4ビットデータからなる99個のオン時間設定信号DT0〜DT98をパラレルに出力レジスタ28bに対して出力する。 【0069】また、出力レジスタ28bは、データイネーブル信号DENAがハイレベルからローレベルに状態変化した時点から所定時間が経過するまでの間、99個のLED状態設定信号DH0〜DH98の出力レベルをローレベルに保持する。ここで、所定時間は、データシフトレジスタ28aから入力されたオン時間設定信号DT0〜DT98により決定されるオン状態時間(16段階)のことである。なお、出力レジスタ28bは、通常時は、99個のLED状態設定信号DH0〜DH98をハイレベル出力しており、オン状態時間の間だけ出力レベルをローレベルに保持している。 【0070】このとき、出力レジスタ28bでのオン状態時間の計測は、4ビットデータの示す値と内部クロックの計数値とを比較することで行い、出力レジスタ28bは、両者が同一値となるときにオン状態時間が経過したと判断して、出力をローレベルからハイレベルに変化させる。あるいは、出力レジスタ28bは、外部から時間計測用の計数クロック信号を入力して、この計数クロック信号と4ビットデータの示す値とを比較するように構成しても良い。 【0071】さらに、定電流出力段28cは、出力レジスタ28bから入力されるLED状態設定信号DH0〜DH98がローレベルの間、LED板23における99本のデータ線23bのうち、対応するデータ線23bをグランド(電位0[V])に接続する。すると、このデータ線23bはグランドと同電位となり、このデータ線23bに接続された発光ダイオードLEDのうち、定電圧Vccが印加された走査線23aに接続された発光ダイオードLEDは通電状態となる。 【0072】つまり、データドライバ28は、マイコン26から入力される各信号(DENA、DLAT、DCLK、DCLR、D0〜D3)に基づき、LED板23における99本のデータ線23bに接続された発光ダイオードLEDの灯火状態(点灯時間)を制御している。なお、データドライバ28は、マイコン26からデータクリア信号DCLRが入力されると、データシフトレジスタ28aおよび出力レジスタ28bに蓄積されているデータを全て消去する。 【0073】ここで、走査ドライバ27およびデータドライバ28における入出力信号のタイムチャートの一例を図4に示す。図4に示すように、走査ドライバ27は、時刻t0にて走査クリア信号SCLRがハイレベル入力された後、時刻t2において走査クロック信号SCLKおよび走査イネーブル信号SENAが共にハイレベルとなると、第0論理積回路AND0および定電圧出力回路OP0の出力動作により第0電圧供給信号CH0をハイレベル出力(アクティブVcc出力)する。これにより、第0電圧供給信号CH0に対応する走査線23aに、定電圧Vccが印加される。 【0074】なお、走査クロック信号SCLKは、時刻t2よりも早い時刻t1でハイレベルとなるが、走査ドライバ27は、この時刻t1では第0電圧供給信号CH0をハイレベル出力せず、走査イネーブル信号SENAがハイレベルとなる時刻t2で、第0電圧供給信号CH0をハイレベル出力する。これは、定電圧Vccの印加対象となる走査線23aの切換タイミングで、不必要な発光ダイオードに対する誤通電によって灯火パターンが乱れるのを防止するためである。 【0075】この後、走査クロック信号SCLKが入力される毎(図4では、時刻t11,t21,t91)に、走査シフトレジスタ27aにより、電圧供給信号CH0〜CH9をハイレベル出力動作するための論理積回路AND0〜AND9および定電圧出力回路OP0〜OP9が順次更新され、さらに、走査イネーブル信号SENAがハイレベルに状態変化する毎(図4では、時刻t12,t22,t92)に、次の走査線23aに定電圧Vccが印加される。 【0076】次に、データドライバ28は、図4に示すように、時刻t0にて、データクリア信号DCLRがハイレベル入力され、かつデータラッチ信号DLATがハイレベル入力された後、時刻t2にてデータイネーブル信号DENAがハイレベルとなると、LED状態設定信号DH0〜DH98のローレベル出力を開始する。このあと、99個のLED状態設定信号DH0〜DH98は、それぞれ所定のオン状態時間の間だけ出力レベルがローレベルに保持される。このオン状態時間が長いほど発光ダイオードLEDの光量は大きく(輝度が高く)なり、オン状態時間が短いほど発光ダイオードLEDの光量は小さく(輝度が低く)なる。なお、消灯状態に設定される発光ダイオードに対応するLED状態設定信号は、ローレベル出力されることなく、ハイレベル出力を継続する。 【0077】ここで、データドライバ28は、データイネーブル信号DENAがローレベルとなる場合には、全てのLED状態設定信号DH0〜DH98をハイレベル出力して、発光ダイオードLEDを消灯状態に維持する。また、データドライバ28は、時刻t2以降、一定周期でデータシフトクロック信号DCLKが入力される毎に、ビットデータ信号D0,D1,D2,D3をマイコン26から順次読込むことで、データシフトレジスタ28aに、次回(この場合は時刻t12以降)に出力レジスタ28bが出力すべきデータを蓄積する。なお、データシフトクロック信号DCLKの入力周期は、時刻t2から時刻t4までの期間に、ビットデータ信号D0,D1,D2,D3をそれぞれ99個取り込むことが可能な周期に設定されている。 【0078】この後、データラッチ信号DLATが入力される毎(図4では、時刻t5,t15,t85)に、データシフトレジスタ28aに蓄積されたビットデータが出力レジスタ28bに転送され、その後、データイネーブル信号DENAがハイレベルとなると(図4では、時刻t12,t22,t92)、99個のLED状態設定信号DH0〜DH98は、それぞれ所定のオン状態時間の間だけ出力レベルがローレベルに保持される。 【0079】また、データラッチ信号DLATがハイレベルからローレベルに状態変化し、かつデータイネーブル信号DENAがハイレベル入力された後(図4では、時刻t2,t12,t22,t92以降)、次のデータラッチ信号DLATがハイレベル入力されるまで(図4では、時刻t5,t15,t85)の期間には、データシフトレジスタ28aは、新たなビットデータ信号D0,D1,D2,D3が順次入力されて、次回に出力レジスタ28bに転送するデータを蓄積する。 【0080】なお、走査ドライバ27およびデータドライバ28によって、LED板23の全ての発光ダイオードLEDを一通り灯火制御するのに要する時間は、1/60(60分の1)秒以下に設定されており、LED板23に表示される灯火パターンの更新周期は、1/60秒以下に設定されている。このような早い周期で発光ダイオードLEDの点消灯状態を更新することで、残像の効果により人間にとって発光ダイオードLEDが点滅して見えるのを防止して、発光ダイオードLEDが連続して点灯しているように認識させるためである。 【0081】このようにして、LED板23を構成する3色の各発光ダイオードLEDの点消灯状態(点灯時間など)を制御することで、車両後部に備えられるリアコンビランプ20は、ストップランプ(ブレーキランプ)、テールランプ、ターンシグナルランプ(ハザードランプ)、リアフォグランプ、バックアップランプとして灯火動作することに加えて、任意の文字、模様および色彩等を表示することが可能となる。 【0082】つまり、データ記憶部29に記憶した様々な灯火パターン情報に基づいて、様々な灯火パターンを実現することができ、例えば、盗難発生を通知するための灯火パターンや事故発生(走行不能な故障発生)を通知するための灯火パターンなどを実現することができる。このとき、LED板23は、模様のみならず、文字で情報を灯火表示することも可能である。 【0083】なお、左側リアコンビランプ20Lは、走査ドライバ27およびデータドライバ28からなるLEDドライバ31と一体に構成されており、このLEDドライバ31は、右側リアコンビランプ20Rに備えられるマイコン26と接続されており、マイコン26からの指令に基づき、LED板23の灯火制御を行う。また、ハイマウントストップランプ51およびライセンスランプ53についても、右側リアコンビランプ20Rに備えられるマイコン26に接続されており、マイコン26からの指令に基づき、灯火状態となる。 【0084】次に、フロントコンビランプ45(右側フロントコンビランプ45Rと左側フロントコンビランプ45L)およびフロントECU43について、図5に示す接続図を用いて説明する。図5に示すように、フロントECU43は、マイコン26、インターフェース25および3個のスイッチング素子35とを備えている。 【0085】そして、インターフェース25は、灯火系多重通信線、ヘッドライトスイッチ、ハザードスイッチと、マイコン26との間で送受信される各種灯火指令信号等の入出力部である。また、スイッチング素子35は、トランジスタやMOSFETに過電流・過電圧・過熱保護機能を備えたインテリジェントパワースイッチング素子からなるものであり、マイコン26からの指令に基づき、ヘッドライトLow、ヘッドライトHiおよびフォグランプのそれぞれの通電状態を制御する。さらに、マイコン26は、前述したリアECU24に備えられるマイコンとほぼ同様の制御を行うと共に、各スイッチング素子35の駆動制御を行う。 【0086】また、フロントコンビランプ45は、LEDドライバ31とLED板23を備えた右側フロントコンビランプ45Rおよび左側フロントコンビランプ45Lで構成されている。なお、このLEDドライバ31は、前述の走査ドライバ27およびデータドライバ28で構成されている。 【0087】そして、フロントECU43(マイコン26)からの指令に基づき、LEDドライバ31がLED板23の灯火制御を行うことにより、フロントコンビランプ45は、少なくともターンシグナルランプ(ハザードランプ)、クリアランスランプ、コーナリングランプとしての灯火動作に加えて、任意の文字、模様および色彩等を表示することが可能となる。 【0088】以上、説明したように、本実施例の車両の灯火制御装置1は、フロントコンビランプ45およびリアコンビランプ20において、LED板23の発光色を変化させることで、複数種類の灯火パターンを実現することができるため、1個の灯火部のみを用いる場合であっても、複数の車両状態を周囲に通知することができ、より多くの情報を通知することが可能となる。 【0089】また、本実施例の灯火制御装置では、LED板23が格子状に配列された複数の発光ダイオードLEDで構成されていることから、模様および文字を表示することができる。このため、LED板23に表示可能な意匠の数を更に増大させることができ、1個のLED板23のみを備える構成であっても、より多くの車両状態を周囲に通知することが可能となる。そして、例えば、車両事故や盗難等が発生した場合には、LED板23に車両状態に応じた灯火パターンを表示することで、その状況や対応措置等を適切に周囲に通知することができる。 【0090】また、LED23は、テールランプ、ストップランプ、ターンシグナルランプ、ハザードランプ、クリアランスランプ、バックアップランプ、フォグランプとしても動作することから、従来からコンビランプが備えられていた領域に配置することができる。これにより、文字や模様などを表示するLED23の設置スペースを新たに設けることなく、周囲に通知可能な情報(車両状態)を増加させることができる。 【0091】さらに、本実施例の灯火制御装置は、リアECU24およびフロントECU43が、灯火系多重通信線LLを介してコンビスイッチ41(灯火系ECU41a)に接続されており、さらに、コンビスイッチ41(灯火系ECU41a)が第2多重通信線を通じて他のECUと接続されている。このため、リアECU24およびフロントECU43は、1本の灯火系多重通信線LLを介して複数種類の灯火指令信号を伝達することが可能であり、灯火指令信号の増加に起因する配線ケーブルの増加を抑制することができる。よって、本実施例の灯火制御装置によれば、配線ケーブルの増加を抑えることで、配線ケーブルの材料費の増加および敷設作業の労力増大を抑制することができる。 【0092】また、灯火系多重通信線LLにおける通信プロトコルとして、マスタ・スレーブ方式のLINを用いていることから、リアECU24およびフロントECU43は、実行すべき処理はあまり複雑ではなく、比較的安価な機器(安価なマイコンなど)で構成でき、コストの上昇を抑えることができる。 【0093】なお、本実施例の灯火制御装置においては、LED板23が、特許請求の範囲に記載の灯火部に相当し、データ記憶部29が記憶手段に相当し、マイコン26、インターフェース25およびLEDドライバ31が灯火状態制御手段に相当するものである。 【0094】以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されることはなく、種々の態様をとることができる。上述の灯火制御装置においては、各発光ダイオードLEDの光量(輝度)を通電時間で制御しているが、例えば、通電電流値を変化させることで各発光ダイオードLEDの光量(輝度)を制御しても良い。つまり、データドライバ28を、図6に示すように、パワートランジスタTr、抵抗Ra、電流検出用抵抗RsおよびオペアンプOPからなる可変電流出力段28dを備えて構成して、マイコン(図6では図示省略)が、電流検出用抵抗Rsを用いて検出した検出電流値と目標電流値とを比較しつつ、各発光ダイオードLEDの通電電流値を制御するのである。なお、出力レジスタ28bは、D/Aコンバータを備えており、データシフトレジスタ28aから入力されたビットデータに基づく目標値を、可変電流出力段28dに対してアナログ出力することで、発光ダイオードの通電電流値を制御している。 【0095】このようにして、各発光ダイオードの通電電流値を制御することで、光量(輝度)を制御するようにしても良い。また、灯火系ECU41aは、セキュリティECU57およびエアバックECU59の他に、第2多重通信線を介して、エンジンECU、トランスミッションECU、VSCECU、ABSECUなどとの間でも情報の送受信を行っても良い。そして、灯火系ECU41aは、エンジンECU、トランスミッションECU、VSCECU、ABSECUなどから走行不能の故障等の異常を知らせるダイアグ信号を受け取ると、その内容に応じた灯火制御を行うとよい。 【0096】また、データドライバ28の出力段の電圧値をモニタすることで、発光ダイオードLEDの断線、ショート破壊を検出し、これらの異常を検出した場合には、メータのウォーニングランプを点灯する等により、異常を運転者に通知するよう構成してもよい。つまり、発光ダイオードLEDの断線時には、データドライバ28の出力段の電圧値はグランド電位(0[V])を示し、ショート破壊の場合には、データドライバ28の出力段の電圧値は、走査ドライバ27からの供給電圧Vccを示すことになる。なお、正常時には、データドライバ28の出力段の電圧値は、LED板23の走査線23aへの印加電圧Vccから発光ダイオードの順方向項過電圧Vfを差し引いた電圧値を示すことになる。 【0097】さらに、LED板23は、任意の曲面に対応可能とするために、複数の板部材で構成しても良く、また、樹脂や金属などの基板を平板形状ではなく曲面形状に加工して構成しても良い。なお、曲面を用いた基板を使用する際には、発光ダイオード素子にストレス(外力)が印加されないように、発光ダイオード素子の搭載部分については、平面形状とすることが望ましい。 【0098】また、LED板23は、3色の発光ダイオードを一体に備える画素を複数配列することで構成するのではなく、それぞれ独立した状態の3色の発光ダイオードを格子状に配列して構成しても良い。さらに、発光ダイオードに換えて、有機EL、無機ELを用いてもよい。 【0099】さらに、多重通信線の通信プロトコルとしては、LINおよびCANの他に、BEAN(Body Electronics Area Network )を用いても良い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成13年3月13日(2001.3.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082500 【弁理士】 【氏名又は名称】足立 勉
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| 【公開番号】 |
特開2002−270011(P2002−270011A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月20日(2002.9.20) |
| 【出願番号】 |
特願2001−70167(P2001−70167) |
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