| 【発明の名称】 |
放電ランプ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】津田 俊明
【氏名】原崎 正人
【氏名】志藤 雅也
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| 【要約】 |
【課題】アークチューブの限られた領域からのUVの照射を阻止することで、合成樹脂製絶縁プラグにUV劣化等の不具合が発生せず、また灯具の外観体裁に悪影響を与えない放電ランプ装置の提供。
【解決手段】放電部12を包囲するようにシュラウドガラス20がアークチューブ11に溶着一体化されてアークチューブ本体10が構成されるとともに、シュラウドガラス20の後方に延出するアークチューブの後方延出部14bが合成樹脂製絶縁プラグ30の開口部32内に挿入保持された放電ランプ装置において、アークチューブの後方延出部14bの外表面にUV遮光膜102を形成し、後方延出14b部からの漏光中のUV成分がカットされて、開口部32内の樹脂層が浴びる紫外線量が減少する。UV遮光膜102は開口部32内あって、前面レンズを通して透けて見えないので、灯具の外観体裁が悪くなることもない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放電部を包囲するように円筒形状のシュラウドガラスがアークチューブに溶着一体化されてアークチューブ本体が構成されるとともに、前記シュラウドガラスの後方に延出するアークチューブの後方延出部が合成樹脂製絶縁プラグの前面側開口部内に挿入保持された放電ランプ装置において、前記アークチューブの後方延出部の外表面にUV遮光膜が形成されたことを特徴する放電ランプ装置。 【請求項2】 前記絶縁プラグの前面側開口部周縁と前記シュラウドガラス後端部間には、シュラウドガラスを透過して前記絶縁プラグの前面側開口部内に向かう光を遮光する遮光部材が介装されたことを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ装置。 【請求項3】 前記絶縁プラグの前面側開口部には、その内周面に沿ってUV劣化防止用の筒状遮光部材が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ装置。 【請求項4】 前記絶縁プラグの前面側開口部周縁と前記シュラウドガラス後端部間には、シュラウドガラスを透過して前記絶縁プラグの前面側開口部内に向かう光を遮光する遮光部材が介装されるとともに、前記合成樹脂製絶縁プラグの前面側開口部内周面に沿ってUV劣化防止用の筒状遮光部材が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ装置。 【請求項5】 放電部を包囲するように円筒形状のシュラウドガラスがアークチューブに溶着一体化されてアークチューブ本体が構成されるとともに、前記シュラウドガラスの後方に延出するアークチューブの後方延出部が合成樹脂製絶縁プラグの前面側開口部内に挿入保持された放電ランプ装置において、前記アークチューブの後方延出部または/および前記絶縁プラグの前面側開口部内に臨む前記シュラウドガラス後端部に、UVカット作用のある非金属製の筒状遮光シェードが被着されたことを特徴とする放電ランプ装置。 【請求項6】 放電部を包囲するように円筒形状のシュラウドガラスがアークチューブに溶着一体化されてアークチューブが構成されるとともに、前記シュラウドガラスの後方に延出するアークチューブの後方延出部が合成樹脂製絶縁プラグの前面側開口部内に挿入保持された放電ランプ装置において、前記シュラウドガラスの外表面には、配光制御用遮光膜が設けられるとともに、前記アークチューブの後方延出部または/および前記絶縁プラグの前面側開口部内に臨む前記シュラウドガラス後端部に、前記配光制御用遮光膜と異なる組成のUV遮光膜が設けられたことを特徴とする放電ランプ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製絶縁プラグの前方にアークチューブが延出する放電ランプ装置に係わり、特に、アークチューブにシュラウドガラスが溶着一体化されて放電部がシュラウドガラスに包囲された構造のアークチューブ本体を備え、前記シュラウドガラスの後方に延出するアークチューブの後方延出部が合成樹脂製絶縁プラグの前面側開口部内に挿入保持された構造の放電ランプ装置に関する。 【0002】 【従来の技術】放電部の発光中には人体や灯具構成部材(合成樹脂や金属)にとって有害な波長域の紫外線が含まれていることから、従来のアークチューブ本体2は、図10に示されるように、アークチューブ2aにUVカット作用のある円筒形状のシュラウドガラス2bを溶着一体化して、放電部2a1をシュラウドガラス2bで包囲した構造とされて、アークチューブ本体からの出射光中に含まれる紫外線が減少するように構成されている。 【0003】そして、従来の放電ランプ装置としては、シュラウドガラス2bの後方に延出するアークチューブの後方延出部2a2が合成樹脂製絶縁プラグ(絶縁性ベース)1の前面側開口部1a内に挿通され、絶縁プラグ1の前面に固定された金属製固定保治具3によってアークチューブ2後端側(シュラウドガラス2bの後端部)が固定支持されるとともに、絶縁プラグ1から前方に延出する金属製リードサポート4によってアークチューブ本体2の先端側が支持された構造となっている。 【0004】符号6は、シュラウドガラス2bの外側面に設けられた配光制御用の遮光膜で、リフレクタ―8の有効反射面8aに向かう光の一部を遮って、鮮明なクリアカットラインを形成するためのものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した従来の放電ランプ装置を光源として用いた反射式ヘッドランプでは、リフレクター8の有効反射面8aに白濁が生じた。 【0006】発明者らが検討したところ、アークチューブ本体2からの漏光中に含まれるUV成分がその原因であると推定された。即ち、図10矢印に示すように、アークチューブの放電部2a1の発光の一部がアークチューブの後方延出部2a2等から漏れて絶縁プラグ1の前面側開口部1a内に照射されるが、この漏光には合成樹脂にとって有害な波長域の紫外線が含まれており、絶縁プラグ(PPS樹脂)はこの紫外線を浴びて劣化したり、硫黄系ガスを発生し、この硫黄系ガスがリフレクター8の有効反射面8aを曇らせたり、白濁させたりする、と推定される。 【0007】また、このような問題を解決する先行技術として、特開2001−23427号が挙げられる。これは、シュラウドガラスに設けられる配光制御用の遮光膜をシュラウドガラス(外管)の後端側の根本部分にまで延長させて設けることで、合成樹脂製絶縁プラグの凹部へのUV照射量が減じ、UVに対する樹脂の劣化等の一連の問題に対応しようというものである。 【0008】しかし、前記した先行技術では、耐熱性が要求されるため高価である配光制御用の遮光膜をシュラウドガラス(外管)の後端側の根本部分にまで拡大して設けるため、さらに高価なものとなる。また、配光制御用の遮光膜を形成するには、例えば900℃という高温で焼き付けて乾燥処理を行うが、遮光膜の塗布形成範囲が広い分、乾燥用ヒータの数を増やしたり、乾燥処理に要す時間が長くなって作業コストもアップするという問題がある。 【0009】さらに、一般に配光制御用の遮光膜は黒色で、シュラウドガラス(外管)の後端側の根本部分にまで設けられているため、前面レンズを通してこの拡大された配光制御用の遮光膜が黒く透けて見えて、外観体裁が悪い。特に、最近のランプ業界では、リフレクターで配光を制御して前面レンズに配光制御ステップを設けない傾向にあるため、このステップを設けない前面レンズを通して遮光膜が黒く大きく透けて見えて、外観体裁が非常に悪い。 【0010】そこで、発明者らは、図11に示すように、アークチューブの後方延出部Aのみ、絶縁プラグの前面側開口部1a内に臨むシュラウドガラスの後端部Bのみ、固定保持具3と配光制御用の遮光膜6間の帯状領域Cのみ、配光制御用の遮光膜6の下側でバルブ挿着孔近傍に対応する領域Dのみ、前記A〜Dの全領域に、それぞれUV遮光膜を形成して、点灯時間に対する有効性(リフレクター8の有効反射面8aに白濁等の不具合が発生しない等の有効性)を確かめる実験を行ったところ、図12に示すような結果となった。 【0011】即ち、A〜Dの全領域にUV遮光膜を形成した場合は、勿論有効であるが、アークチューブの後方延出部Aのみ、あるいは絶縁プラグ1の前面側開口部1a内に臨むシュラウドガラスの後端部BのみにUV遮光膜を形成した場合も、有効であることが確認された。 【0012】本発明は、前記した先行技術の問題点に鑑みて、また前記した発明者の知見に基づいてなされたもので、その目的は、アークチューブ本体の限られた領域からのUVの照射を阻止することで、合成樹脂製絶縁プラグにUV劣化等の不具合が発生せず、また灯具の外観体裁に悪影響を与えない放電ランプ装置を提供することである。 【0013】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、請求項1に係る放電ランプ装置においては、放電部を包囲するように円筒形状のシュラウドガラスがアークチューブに溶着一体化されてアークチューブ本体が構成されるとともに、前記シュラウドガラスの後方に延出するアークチューブの後方延出部が合成樹脂製絶縁プラグの前面側開口部内に挿入保持された放電ランプ装置において、前記アークチューブの後方延出部の外表面にUV遮光膜を形成するようにした。 (作用)UV遮光膜としては、ZnO膜、TiO2膜、多層蒸着膜、アクリル系蒸着膜等があり、アークチューブの後方延出部からの漏光は、UV遮光膜を透過する際にUV成分がカットされてUV成分の少ない光となって、合成樹脂製絶縁プラグの前面側開口部内に導かれる。 【0014】UV遮光膜が形成されているアークチューブの後方延出部は、絶縁プラグの前面側開口部内に挿入保持されており、前面レンズを通してUV遮光膜は見えない。 【0015】請求項2においては、請求項1記載の放電ランプ装置において、前記絶縁プラグの前面側開口部周縁と前記シュラウドガラス後端部間に、シュラウドガラスを透過して前記絶縁プラグの前面側開口部内に向かう光を遮光する遮光部材を介装するように構成した。なお、絶縁プラグの前面に固定されて、シュラウドガラス後端部を固定支持する金属製の固定保持具が、前記遮光部材を兼ねるように構成することができる。 (作用)シュラウドガラス後端部を透過して絶縁プラグの前面側開口部内に向かう光(UV成分を含む光)は、絶縁プラグの前面側開口部周縁とシュラウドガラス後端部間に介装された遮光部材で遮光されて、絶縁プラグの前面側開口部内に届かない。 【0016】また、絶縁プラグに固定されてシュラウドガラス後端部を固定支持する固定保持具が、UV遮光膜を隠す覆い(遮光部材)としても機能する。 【0017】請求項3においては、請求項1に記載の放電ランプ装置において、前記絶縁プラグの前面側開口部に、その内周面に沿ってUV劣化防止用の筒状遮光部材を設けるように構成した。 (作用)シュラウドガラス後端部を透過して絶縁プラグの前面側開口部内に向かう光(UV成分を含む光)は、絶縁プラグの前面側開口部内周面の表層側に設けたUV劣化防止用の筒状遮光部材で遮光されて、遮光部材裏側の樹脂層にまで届かない。 【0018】請求項4においては、請求項1に記載の放電ランプ装置においては、前記絶縁プラグの前面側開口部周縁と前記シュラウドガラス後端部間に、シュラウドガラスを透過して前記絶縁プラグの前面側開口部内に向かう光を遮光する遮光部材を介装するとともに、前記合成樹脂製絶縁プラグの前面側開口部内周面に沿ってUV劣化防止用の筒状遮光部材を設けるように構成した。 (作用)シュラウドガラス後端部を透過して絶縁プラグの前面側開口部内に向かう光(UV成分を含む光)は、絶縁プラグの前面側開口部周縁とシュラウドガラス後端部間に介装された遮光部材で遮光されて、絶縁プラグの前面側開口部内に届かない。さらに、遮光部材で遮光しきれずに絶縁プラグの前面側開口部内に光(UV成分を含む光)が漏れたとしても、開口部内周面に沿って設けられたUV劣化防止用の筒状遮光部材で遮光されるため、遮光部材裏側の樹脂層にアークチューブの発光(UV成分を含む光)が届かない。 【0019】請求項5に係る放電ランプ装置においては、放電部を包囲するように円筒形状のシュラウドガラスがアークチューブに溶着一体化されてアークチューブ本体が構成されるとともに、前記シュラウドガラスの後方に延出するアークチューブの後方延出部が合成樹脂製絶縁プラグの前面側開口部内に挿入保持された放電ランプ装置において、前記アークチューブの後方延出部または/および前記絶縁プラグの前面側開口部内に臨む前記シュラウドガラス後端部に、UVカット作用のある非金属製の筒状遮光シェードを被着するように構成した。 (作用)アークチューブの後方延出部に遮光シェードが被着された形態では、アークチューブの後方延出部から開口部内にUV成分を含む光が漏れない。また、シュラウドガラスの後端部に遮光シェードが被着された形態では、シュラウドガラス後端部から開口部内にUV成分を含む光が漏れない。また、アークチューブの後方延出部およびシュラウドガラス後端部に遮光シェードが被着された形態では、アークチューブの後方延出部およびシュラウドガラス後端部から開口部内にUV成分を含む光が漏れない。 【0020】また、筒状遮光シェードとしては、セラミックスリーブや軟質ガラス等のUVカット作用のある耐熱性良好な無機素材が望ましく、焼結や成形によって簡単に形成できるので、アークチューブ本体に簡単に被着できる。 【0021】また、非金属製筒状遮光シェードは、高電圧の発生する絶縁プラグ内において使用しても、絶縁破壊のおそれもなく、安全である。即ち、アークチューブの後方延出部からは、通電路であるリード線が導出し、この後方延出部に被着される筒状遮光シェードが金属製であると、リード線と筒状遮光シェード間で放電する等の絶縁破壊が発生するおそれがあるが、非金属製の筒状遮光シェードでは、絶縁破壊が発生するおそれがない。 【0022】筒状遮光シェードの被着されたアークチューブの後方延出部やシュラウドガラス後端部は、絶縁プラグの前面側開口部内に挿入保持されており、前面レンズを通して遮光シェードは見えない。 【0023】請求項6に係る放電ランプ装置においては、放電部を包囲するように円筒形状のシュラウドガラスがアークチューブに溶着一体化されてアークチューブ本体が構成されるとともに、前記シュラウドガラスの後方に延出するアークチューブの後方延出部が合成樹脂製絶縁プラグの前面側開口部内に挿入保持された放電ランプ装置において、前記シュラウドガラスの外表面に、配光制御用遮光膜を設けるとともに、前記アークチューブの後方延出部または/および前記絶縁プラグの前面側開口部内に臨む前記シュラウドガラス後端部に、前記配光制御用遮光膜と異なる組成のUV遮光膜を設けるように構成した。 (作用)アークチューブの後方延出部や絶縁プラグの前面側開口部内に臨むシュラウドガラス後端部からの漏光は、UV遮光膜を透過する際にUV成分がカットされてUV成分の少ない光となって、合成樹脂製絶縁プラグの前面側開口部内に導かれる。 【0024】配光制御用遮光膜は、鮮明なクリアカットラインを形成する上では、可視光成分の遮光特性が要求され、またアークチューブの放電部近傍に設けられて高温にさらされるため、耐熱性が要求される。一方、UV遮光膜は、UV成分の遮光特性が要求され、またアークチューブの放電部から離れた後方延出部やシュラウドガラス後端部に設けられるため、配光制御用遮光膜に要求されるほどの耐熱性は要求されない。このため、配光制御用遮光膜の組成とは異なる、UVカット特性に最適な組成のUV遮光膜を用いることで、アークチューブの後方延出部やシュラウドガラス後端部からの漏光中のUV成分が有効にカットされる。 【0025】また、UV遮光膜を形成したアークチューブの後方延出部やシュラウドガラス後端部は、絶縁プラグの前面側開口部内に挿入保持されており、前面レンズを通してUV遮光膜は見えない。 【0026】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。 【0027】図1〜図5は本発明の第1の実施例を示すもので、図1は本発明の第1の実施例である放電ランプ装置の斜視図、図2は同放電ランプ装置の縦断面図、図3は同放電ランプ装置の側面図、図4はシュラウドガラス後端部を固定保持する支持部材の分解斜視図、図5はアークチューブ本体におけるUV遮光膜形成領域を示す断面図である。 【0028】これらの図において、符号30は、給電側コネクターC1(図3参照)を挿着脱できるランプ側コネクターC2がその後端部に一体に設けられ、自動車用ヘッドランプのリフレクタ100のバルブ挿着孔102(図3参照)に係合する焦点リング34が外周に設けられたPPS樹脂からなる絶縁プラグで、この絶縁プラグ30の前方には、プラグ30から前方に延出する金属製リードサポート36と、プラグ30の前面に固定された金属製支持部材50とによって、アークチューブ本体10が固定支持されて、放電ランプ装置が構成されている。 【0029】即ち、アークチューブ本体10の前端部から導出するリード線18aが、絶縁プラグ30から延出するリードサポート36の折曲された先端部にスポット溶接により固定されるとともに、アークチューブ本体10の後端部が、絶縁プラグ30の前面に固定されたベースプレート51,スライドプレート61,アークチューブ把持バンド71からなる金属製支持部材50で把持された構造となっている。 【0030】なお、アークチューブ本体10は、電極15a,15bの対設された密閉ガラス球12をもつアークチューブ11に、円筒型の紫外線遮蔽用シュラウドガラス20が溶着(封着)一体化されて、密閉ガラス球12をシュラウドガラス20が包囲密封した構造となっている。符号Lは、電極15a,15b間を結ぶ放電軸である。 【0031】アークチューブ11は、円パイプ形状の石英ガラス管から加工されて、長手方向所定位置に横断面矩形状のピンチシール部13a,13bで挟まれた回転楕円体形状の密閉ガラス球12が形成された構造で、ガラス球12内には始動用希ガス,水銀及び金属ハロゲン化物(例えばナトリウム−スカンジュウム系発光物質)が封入されている。ピンチシール部13a,13bには、矩形状のモリブデン箔16a,16bが封着されており、このモリブデン箔16a,16bの一方の側には、密閉ガラス球12内に対設されたタングステン電極15a,15bが、他方の側には、アークチューブ11外に導出するリード線18a,18bがそれぞれ接続されている。アークチューブ11のピンチシール部13a,13bから密閉ガラス球12に至る領域がシュラウドガラス20で包囲密封されるとともに、アークチューブ11の非ピンチシール部である円パイプ形状の後方延出部14b(図2参照)がシュラウドガラス20の後方に延出している。 【0032】シュラウドガラス20は、TiO2 ,CeO2 をドープした紫外線遮光作用のある石英ガラスで構成されており、放電部である密閉ガラス球12における発光から人体に有害となる所定波長域の紫外線を確実にカットするようになっている。また、シュラウドガラス20内は、真空状態又は不活性ガスを封入した状態とされて、放電部である密閉ガラス球12からの熱の幅射に対する断熱作用を営み、ランプ特性が外部環境の変化に影響を受けないように設計されている。 【0033】また、絶縁プラグ30の前面側には、アークチューブ11の後方延出部14bを挿通収容できる開口部32の設けられた円筒形状内筒部31が形成され、リードサポート挿通孔35aの形成されたブリッジ部35を除く内筒部31の回りには、焦点リング34の周設された円筒形状外筒部33が形成されている。そして、リードサポート挿通孔35aには、リードサポート36を挿通させたセラミック製の絶縁スリーブ36aが挿入され、絶縁スリーブ36aを貫通したリードサポート36の後端部は、絶縁プラグ30の背面側に開口するテーパ孔35c(図2参照)から後方に突出して、絶縁プラグ30の後端部に設けられているベルト型端子44のリードサポート係合孔45aに挿通されかつレーザ溶接されている。 【0034】また、内筒部31の前縁には、円筒型の金属製ベースプレート51が密着固定されている。ベースプレート51は、金型内にベースプレート51をインサートした状態で射出成形するインサート成形により、絶縁プラグ30に円盤状基部52(図4参照)を露呈させた形態に一体化されている。 【0035】また、絶縁プラグ30に一体化されたベースプレート51の円盤状基部52には、金属製のスライドプレート61と金属製のアークチューブ把持バンド71とから構成されて、アークチューブ10のシュラウドガラス20を垂直に保持する金属製垂直保持部材60が接合固定されて、アークチューブ本体10の放電軸Lが焦点リング34の中心軸に一致するように配置されている。 【0036】即ち、垂直保持部材60を構成するアークチューブ把持バンド71は、図4に示すように、帯状のバンド本体72の両端付き合わせ部に、断面L字型に折曲された矩形状の耳片74が形成され、アークチューブ本体10のシュラウドガラス20に捲回したバンド本体72の耳片74同士を付き合わせ、これらをスポット溶接することで、シュラウドガラス20に把持バンド71を捲回固定できるようになっている。符号73は、バンド本体72の長手方向2箇所に設けられている屈曲部で、この屈曲部73が弾性変形することで、バンド本体72が伸縮し、これによりバンド本体72をシュラウドガラス20に捲回固定できる。符号75はスポット溶接部を示す。 【0037】また、垂直保持部材60を構成する金属製スライドプレート61は、図4に示すように、その基部62がベースプレート51の基部52と整合するドーナツ円盤状に形成され、基部62の内周縁には、切り起こされて立ち上がる板ばね状の4本の舌片状挟持片64が周方向等間隔に設けられている。そして、アークチューブ本体10のシュラウドガラス20に捲回固定されたアークチューブ把持バンド71の外周がこの舌片状挟持片64に挟持されるとともに、舌片状挟持片64が把持バンド71にレーザ溶接されることで、アークチューブ10の放電軸Lがスライドプレート61のベースプレート51との接合面(スライドプレート61のドーナツ円盤状基部62の底面)に対し垂直であって、基部62の底面から所定の距離だけ離間した位置となるように、アークチューブ本体10がスライドプレート61に一体化されている。符号65,66はレーザ溶接部を示す。 【0038】また、絶縁プラグ30の後端部には、後方に延出する円筒形状外筒部42と、外筒部42内において後方に延出する円柱形状ボス43とが形成され、外筒部42の付け根部外周には、ランプ側コネクターC2 のマイナス端子を構成する円筒形状のベルト型端子44が固定一体化されるとともに、ボス43には、ランプ側コネクターのプラス端子を構成するキャップ型端子47が被着一体化されている。符号48は、キャップ型端子47の頂部に設けられたリード線係合孔で、アークチューブ10の後端側から導出し絶縁プラグ30の開口部32およびリード線挿通孔43bを貫通したリード線18bが、この係合孔48に係合しかつレーザ溶接されている。 【0039】また、図5に示すように、シュラウドガラス20の後方に延出するアークチューブの後方延出部14bの外表面およびシュラウドガラス後端面20aにはUV遮光膜100が形成されており、後方延出部14bおよびシュラウドガラス後端面20aからの漏光(図5破線矢印参照)中のUV成分がカットされて、絶縁プラグの開口部32内周面の樹脂層がUV劣化等しないように構成されている。即ち、アークチューブの後方延出部14bおよびシュラウドガラス後端面20aからの漏光は、UV遮光膜100を透過することでUV成分がカットされ、UV成分の少ない光となって開口部32内に照射される。このため、開口部32の内周面(樹脂層)が浴びる紫外線量は減少し、樹脂層のUV劣化等が抑制される。 【0040】また、シュラウドガラス20後端部外周からの漏光(図5実線矢印)も開口部32内に導かれるが、開口部32の入口周縁部に設けられている金属製のベースプレート51がUV劣化防止用の筒状遮光部材として機能するので、シュラウドガラス20後端部外周からの漏光によって開口部32内の入口寄りの樹脂層がUV劣化等しない。 【0041】さらに、シュラウドガラス20後端側を透過して開口部32に向かう光は、開口部32を塞ぐように設けられて、遮光部材として機能する金属製把持バンド71や金属製スライドプレート61によって、開口部32内への侵入が阻止されるので、開口部32から侵入した光によって開口部32内の樹脂層がUV劣化することもない。 【0042】なお、前記した実施例では、アークチューブの後方延出部14bからシュラウドガラス後端面20aにかけてUV遮光膜100を形成しているが、開口部32内に臨むシュラウドガラス20後端部の外周面にもUV遮光膜100を形成すれば、シュラウドガラス20後端部外周からの漏光中のUV成分もカットされることとなって、開口部32内の樹脂層がUV劣化する等の不具合が一層改善されたものとなる。 【0043】図6は、本発明の第2の実施例の放電ランプ装置を示す断面図である。 【0044】この第2の実施例では、アークチューブの後方延出部14bから開口部32内に臨むシュラウドガラス後端部にかけて、UVカット作用のある非金属製の筒状遮光シェード102が被着されて、アークチューブの後方延出部14bおよびシュラウドガラス20後端部から開口部32内にUV成分を含む光が漏れない構造となっている。 【0045】即ち、アークチューブの後方延出部14bやシュラウドガラス20後端部からのUV成分を含む漏光が阻止されて、絶縁プラグの開口部32が浴びる紫外線量が減少し、絶縁プラグ30が劣化する等の不具合がない。 【0046】また、開口部32の底面には、非金属製のUV劣化防止用の円錐形状遮光シェード104が設けられて、アークチューブの後方延出部14bの先端面14b1から漏れるUV成分を含む漏光に対しての樹脂層の保護対策がとられている。 【0047】遮光シェード102,104としては、セラミックス、ガラス(UV吸収ガラス、軟質ガラス、不透明ガラス)、PC樹脂、アクリル樹脂等のUVカット作用のある耐熱性良好な無機材料や有機材料で構成することが望ましい。 【0048】その他は前記実施例と同一であり、同一の符号を付すことで、その重複した説明は省略する。 【0049】また、遮光シェード102,104は非金属製であり、高電圧の発生する絶縁プラグ30内において用いても、絶縁破壊のおそれもなく安全である。即ち、アークチューブの後方延出部14bからは、通電路であるリード線18bが導出し、遮光シェード104の真ん中の孔にはリード線18bが挿通されている。これらの遮光シェード102,104が金属製であると、リード線18bと遮光シェード102,104間で放電する等の絶縁破壊が発生するおそれがあるが、非金属製の遮光シェードでは、絶縁破壊が発生するおそれがない。 【0050】また遮光シェード102,104は、開口部32内にあって、しかもスライドプレート61で隠されるため、前面レンズを通して全く見えず、灯具の外観を損なうことはない。 【0051】また、筒状遮光シェード102は、アークチューブの後方延出部14bからシュラウドガラス20後端部にかけての領域を覆うように構成されているが、図7(a)、(b)の符号102A,102Bに示すように、アークチューブの後方延出部14bのみ、またはシュラウドガラス20後端部のみを覆う構造であってもよい。 【0052】図8は、本発明の第3の実施例である放電ランプ装置を示す断面図である。 【0053】この実施例では、符号105で示すアークチューブの後方延出部14bの表面領域に、シボまたはフロスト表面処理が施されている。このため、後方延出部14bから出射するUV成分を含む漏光(図8破線矢印参照)は拡散されて、開口部32の内周面の樹脂層に照射されるUV成分のエネルギーが弱められ、それだけUV劣化の影響が少ない。 【0054】また、シュラウンドガラス後端部(の底面および外周面)からのUV成分を含む漏光(図8実線矢印参照)に対しては、UV劣化防止部材として機能する金属製のベースプレート51を下方に延長して設けることで対応している。 【0055】その他は前記実施例と同一であり、同一の符号を付すことで、その重複した説明は省略する。なお、開口部32内の樹脂層のUV劣化を防ぐ上では、ベースプレート51を開口部32の底面近くにまで延長することが望ましいが、開口部32内に露出しているリード線18bとの延面距離が短くなって絶縁破壊のおそれがあるため、限界がある。 【0056】図9は、本発明の第4の実施例である放電ランプ装置を示す断面図である。 【0057】シュラウドガラス20の外表面には、クリアカットライン形成用の配光制御用遮光膜110が形成されるとともに、開口部32内に臨むシュラウドガラス20後端部からアークチューブの後方延出部14bにかけて、配光制御用遮光膜110と異なる組成のUV遮光膜112が形成されている。 【0058】配光制御用遮光膜110は、アークチューブの放電部12近傍に設けられて高温にさらされるため、耐熱性が要求される。一方、UV遮光膜112は、UV成分の遮光特性が要求されるものの、アークチューブの放電部12から離れた後方延出部14bやシュラウドガラス後端部に設けられるため、配光制御用遮光膜110に要求されるほどの耐熱性は要求されない。このため、UV遮光膜112として、配光制御用遮光膜110の組成とは異なる、耐熱性が緩和されたUVカット特性に最適な組成のUV遮光膜が用いられて、アークチューブの後方延出部14bやシュラウドガラス20後端部からの漏光中のUV成分が有効にカットされるようになっている。 【0059】また、UV遮光膜112を形成したアークチューブの後方延出部14bやシュラウドガラス後端部は、絶縁プラグの開口部32内に挿入保持されており、本実施例の放電ランプ装置をヘッドランプ用の光源(すれ違いビーム形成用の光源)として用いた場合に、前面レンズを通してUV遮光膜112が透けて見えることがなく、見栄えが悪いということは全くない。 【0060】また、前記した第4の実施例では、アークチューブの後方延出部14bおよび開口部32内に臨むシュラウドガラス後端部にUV遮光膜112が形成されていたが、アークチューブの後方延出部14bまたはシュラウドガラス後端部のいずれか一方にだけUV遮光膜112を形成したとしても、両者に形成する場合に比べて多少劣るものの、図12の実験結果に示すように、開口部32内の樹脂層のUV劣化防止等に対して有効であることには違いない。 【0061】 【発明の効果】以上の説明から明かなように、本発明に係る放電ランプ装置によれば、アークチューブの後方延出部からの漏光中のUV成分がカットされて、合成樹脂製絶縁プラグの前面側開口部が浴びる紫外線量が減少するので、絶縁プラグが劣化する等の不具合、特にPPS樹脂からなる絶縁プラグに紫外線が照射されることにより有機ガスが発生し、その有機ガスによりランプリレクターの有効反射面に曇りや白濁を発きさせるといった不具合がない。 【0062】また、前面レンズを通してUV遮光膜が透けて見えないので、灯具の外観体裁が良好である。 【0063】請求項2によれば、アークチューブの後方延出部からの漏光中のUV成分がカットされることに加えて、シュラウドガラス後端部を透過したUV成分を含む光が絶縁プラグの前面側開口部に届かないので、合成樹脂製絶縁プラグの前面側開口部が浴びる紫外線量がさらに減少して、絶縁プラグが劣化する等の不具合が発生するおそれが一層ない。 【0064】また、絶縁プラグの前面側開口部内のUV遮光膜は、遮光部材によって確実に隠されるので、灯具の外観体裁が一層良好となる。 【0065】請求項3によれば、アークチューブの後方延出部からの漏光中のUV成分がカットされすることに加えて、シュラウドガラス後端部を透過したUV成分を含む光が筒状遮光部材で遮光されて遮光部材裏側の樹脂層に届かないので、絶縁プラグが劣化する等の不具合が発生するおそれが一層ない。 【0066】請求項4係る放電ランプ装置によれば、アークチューブの後方延出部からの漏光中のUV成分がカットされることに加えて、シュラウドガラス後端部を透過したUV成分を含む光が絶縁プラグの前面側開口部の入り口において遮光部材で遮光され、さらに開口部に沿って設けたUV劣化防止用の筒状遮光部材で遮光されるため、合成樹脂製絶縁プラグの前面側開口部を構成する樹脂層が浴びる紫外線量が著しく減少して、絶縁プラグが劣化する等の不具合が発生するおそおそれが全くない。 【0067】また、絶縁プラグの前面側開口部内のUV遮光膜は、遮光部材によって確実に隠されるので、灯具の外観体裁が一層良好となる。 【0068】請求項5によれば、アークチューブの後方延出部または/およびシュラウドガラス後端部からのUV成分を含む漏光が阻止されて、絶縁プラグの前面側開口部が浴びる紫外線量が減少するので、絶縁プラグが劣化する等の不具合がない。 【0069】また、アークチューブの後方延出部に被着される筒状遮光シェードは非金属製であるため、高電圧の発生する絶縁プラグ内において用いても絶縁破壊の発生のおそれもなく、安全である。 【0070】また、前面レンズを通して絶縁プラグの前面側開口部内の筒状遮光シェードが見えないので、灯具の外観体裁が良好である。 【0071】請求項6によれば、アークチューブの後方延出部からの漏光中のUV成分がカットされて、合成樹脂製絶縁プラグの前面側開口部が浴びる紫外線量が減少するので、絶縁プラグが劣化する等の不具合がない。特に、アークチューブの後方延出部やシュラウドガラス後端部に形成するUV遮光膜を配光制御用遮光膜よりもUVカット特性に優れた組成のものを用いることで、絶縁プラグが劣化する等の不具合がさらに一層改善される。 【0072】また、アークチューブの後方延出部やシュラウドガラス後端部に形成するUV遮光膜を配光制御用遮光膜よりも耐熱特性を緩和した組成のものを用いることで、UV遮光膜のコスト自体が安価となり、しかもUV遮光膜を形成する上でも耐熱性が要求されない分、設備上および作業上において簡単となり、それだけ放電ランプ装置を安価に提供できる。 【0073】また、前面レンズを通して絶縁プラグの前面側開口部内のUV遮光膜が透けて見えないので、灯具の外観体裁が良好である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001133 【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
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| 【出願日】 |
平成13年3月12日(2001.3.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087826 【弁理士】 【氏名又は名称】八木 秀人
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| 【公開番号】 |
特開2002−270010(P2002−270010A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月20日(2002.9.20) |
| 【出願番号】 |
特願2001−68585(P2001−68585) |
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