| 【発明の名称】 |
蛍光ランプ |
| 【発明者】 |
【氏名】柴田 武徳
【氏名】覚野 吉典
【氏名】板谷 賢二
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| 【要約】 |
【課題】蛍光ランプを構成する樹脂部品から樹脂構成成分の析出を抑制し、光束低下の生じることのない蛍光ランプを得る。
【解決手段】ホルダー3は、非直線状の発光管2を接着剤によって保持しており、発光管2側とは反対側に点灯回路4を保持している。この点灯回路4を覆うように、口金6を有するPBT樹脂製のケース5が設けられるとともに、発光管2を覆うように、光拡散物質微粉を被着したグローブ7を設け、これらケース5とグローブ7とで外囲器を構成している。ホルダー3は、180℃雰囲気中、主波長254nm付近のUV照射を500時間行った後における質量減少率が0.3%以下であるPET樹脂を用いている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 非直線状発光管がホルダーで支持されているとともに、前記ホルダーと口金を有する樹脂ケースとが組み合わされた蛍光ランプであって、前記ホルダーは、180℃雰囲気中で、主波長254nm付近のUV照射を500時間行った後における質量減少率が0.3%以下である樹脂により形成されていることを特徴とする蛍光ランプ。 【請求項2】 前記ホルダーがPET樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。 【請求項3】 前記非直線状発光管は、透光性のガラスもしくは樹脂からなるグローブ内に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の蛍光ランプ。 【請求項4】 点灯中における前記グローブ内の温度が140℃以上180℃以下であることを特徴とする請求項3に記載の蛍光ランプ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光ランプに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、電球形蛍光ランプ等のコンパクト形蛍光ランプは、直管状のガラス管をU字状に湾曲させたものや、複数本のガラス管同士を互いにブリッジ接続した非直線状の発光管が用いられている。そして、これら発光管は、耐熱性樹脂、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)等からなるホルダーで支持され、このホルダーと口金付きの点灯回路収納用ケースとが組み合わされ、さらにはガラスグローブまたは樹脂グローブ等で発光管を覆っている。また、これら蛍光ランプは、密閉型もしくは、一部が開放された開放型の照明器具に組み込まれて使用されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の蛍光ランプは、蛍光ランプ点灯中に、寿命到達前において、グローブや照明器具の内面にくもりを生じて発光光束減少を引き起こし光束維持特性の低下をもたらすことがある。 【0004】このような現象について検討したところ、発光管を支持する樹脂製のホルダの樹脂構成成分の一部が、発光管からの熱や微量の紫外線の影響を受けてホルダ表面に微粉状で析出され、さらに蒸発飛散してグローブや照明器具内面に被着して灰色状もしくは薄い灰色状、濃い灰色状のくもりを生じさせていることが明らかになった。 【0005】本発明は、蛍光ランプを構成する樹脂部品から樹脂構成成分の析出を抑制し、光束低下の生じることのない蛍光ランプを得ることを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の蛍光ランプは、非直線状発光管がホルダーで支持されているとともに、前記ホルダーと口金を有する樹脂ケースとが組み合わされた蛍光ランプであって、前記ホルダーは、180℃雰囲気中で、主波長254nm付近のUV照射を500時間行った後における質量減少率が0.3%以下である樹脂により形成された構成を有する。 【0007】点灯中に樹脂成分が分解してホルダー表面に析出する度合いの少ない樹脂材料をホルダーの材料として用いているので、点灯中に生じる、グローブや、密閉器具等への析出物付着量も少なく、このため、発光光束低下や光束減退特性低下を抑制することができる。また、外観も濃い灰色や灰色状等の着色が生じにくいので商品価値が低下することを防止できる。また高出力を図るための高ワットの品種においては、点灯中のグローブ内温度が高温化しても、樹脂成分の分解析出が少ないので格別の発光光束維持効果を維持できる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。 【0009】本発明の一実施形態である蛍光ランプ1は図1に示すように、管内径10mmのU字状に湾曲したソーダガラスからなるガラス管4本をそれぞれブリッジ接続したバルブの両端部に、タングステンコイルからなる電極2a(他方の電極は図示せず)がそれぞれ設けられ、内部に電極間距離480mmの一つの湾曲した放電路を有する非直線状の発光管2を有している。 【0010】発光管2の内面には色温度5000Kの三波長域発光特性を有する通常の蛍光体を所定量被着し、管内に所定量のアルゴンとHg−Bi−Snアマルガム、補助用のIn系アマルガム形成物質等が封入されている。 【0011】PET樹脂製のホルダー3は、発光管2を接着剤によって保持しており、また発光管2側とは反対側に点灯回路4を係止して保持している。この点灯回路4を覆うように、口金6を有するPBT樹脂製のケース5が設けられるとともに、発光管2を覆うように、白色のシリカ、酸化チタンやアクリル樹脂その他の光拡散物質微粉を所定量被着し光透過率を約94%としたガラスグローブ7を設け、これらケース5とグローブ7とで外囲器を構成している。 【0012】グローブ7は、ソーダガラス製であるが、ポリカーボネート樹脂等の透過性耐熱樹脂製のものでも良い。ホルダー3は、180℃雰囲気中で、主波長254nm付近のUV照射を500時間行った後における質量減少率が0.3%以下であるPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂製であるが、このような条件を備えたPBT(ポリブチレンテレフタレート)その他等の耐熱、耐紫外線性の樹脂より形成されたものでも良い。また、本実施形態の蛍光ランプは、全長140mm、最大径65mm、定格電力22Wとしている。 【0013】本実施形態の蛍光ランプによれば、点灯中に樹脂成分が分解してホルダー表面に析出する度合いの少ない樹脂材料をホルダーの材料として用いているので、点灯中に生じる、グローブや、密閉器具等への析出物付着量も少なく、このため、発光光束低下や光束減退特性低下を抑制することができる。また、外観上濃い灰色や灰色状等の着色が生じにくいので商品価値が低下することを防止できる。また高出力を得る高ワットの品種において、点灯中のグローブ内温度が高温化しても、樹脂成分の分解析出が少ないので格別の発光光束維持効果を維持できる。 【0014】次に、PET樹脂で形成したホルダー3について、次のとおり高温下での質量減少率、すなわち180℃雰囲気中で、主波長254nm付近のUV照射を500時間行った後における質量減少率が(A)0.1%、(B)0.2%、(C)0.4%である3種類の樹脂についてそれぞれ検討を行った。 【0015】上記(A),(B),(C)の樹脂からなるホルダーをそれぞれ用いた蛍光ランプの点灯試験を行った結果、図2に示す結果が得られた。 【0016】なお、以下、(A)の樹脂を用いたホルダーを備えた蛍光ランプを蛍光ランプA、(B)の樹脂を用いたホルダーを備えた蛍光ランプを蛍光ランプB、(C)の樹脂を用いたホルダーを備えた蛍光ランプを蛍光ランプCという。また、これら蛍光ランプ点灯実験中のグローブ内の温度は150℃であった。 【0017】図2から明らかなように、蛍光ランプA,Bは、蛍光ランプCと比して、光束維持率性が優れており、1000時間点灯後においてグローブの内面を確認したところ蛍光ランプA,Bについては、光拡散膜の変色や付着物による着色はほとんど視認できなかった。一方、蛍光ランプCについては、かなり濃い灰色着色によるくもり現象が視認された。 【0018】このようなグローブのくもり現象は、ホルダーの樹脂に含まれる熱安定性の低い成分や揮発性の高い成分が、発光管からの高温と微量の紫外線の影響を受けてホルダーの樹脂表面に微粉状に析出して飛散しグローブ内面に被着し、くもり発生をもたらしたものであると考えられる。 【0019】次に同様の実験として、ホルダー材料以外は全て前記条件と同等とし、ホルダー材料として、ポリエーテルイミド樹脂を用いたところ、ポリエーテルイミド樹脂の複数の品種については180℃雰囲気中、主波長254nm付近のUV照射を500時間行った後における質量減少率は、何れも0.1%以下であり、ほとんど樹脂成分の分解析出が生じなかった。したがって、PET樹脂の代わりにポリエーテルイミド樹脂を用いても良い。 【0020】したがって、180℃雰囲気中で、主波長254nm付近のUV照射を500時間行った後における質量減少率が0.2%以下、実用面を考慮して0.3%以下である樹脂をホルダー材として用いることによって、図2から明らかなように、グローブのくもりを実用上支障のない程度に低減でき、光束減退率特性を良好とすることができる。 【0021】次に、本発明において、質量・表面積比当たりの質量減少量で規定する場合について説明する。 【0022】表1は試供品に使用した3種の材料についてそれぞれ2種の形状のものを比較したものである。すなわち、同材料であっても、メーカーによっては樹脂成分が異なるため、本発明の効果を得るために適した樹脂を選択する必要がある。そのため、(A),(B),(C)の樹脂でそれぞれ製作されたホルダー(図1に示す樹脂ホルダー3と同等形状の実モデルホルダー)と、40mm×50mm厚み3.2mmの板状のテストピースとを製作し、180℃雰囲気中でのこれらの主波長254nm付近のUV照射を500時間行った後における質量減少量、質量比減少比率、表面積比減少量、および質量・表面積比当たりの質量減少量を求めた。 【0023】なお、このUV照射実験は、上記実モデルホルダーおよび上記テストピースを180℃の空気雰囲気オーブン内で、主波長254nm付近の蛍光灯を用いて試供品へ照射し500時間経過時点で熱重量天秤測定により行った。また、質量比減少比率は、試供品の形状により数値が変わるため形状が同じであることが必要である。 【0024】 【表1】
【0025】表1から明らかなように、質量比減少比率および表面積比減少量は試供品形状により違いを生じている。質量・表面積比当たりの質量減少量では、試供品形状に関わらずほぼ一定の値が得られていることがわかる。従って、質量・表面積比当たりの質量減少量で規定する場合には、樹脂(C)の質量・表面積比当たりの質量減少量の値よりも小さい値、すなわち、質量・表面積比当たりの質量減少量が実用面を考慮して10mg以下である材料を選択することが好ましい。 【0026】また、本実施形態の蛍光ランプにおいて、点灯中のグローブ内の温度、特にホルダー表面の温度は、130〜140℃であるが、電圧変動や、グローブの形状、照明器具等によっては最大で約180℃となってしまうことがあった。このため、グローブ内の温度を変えてPET樹脂ホルダーを用いた各蛍光ランプA,B,Cの光束減退特性をそれぞれ確認したところ、140℃〜180℃の範囲のグローブ内温度では、図2に示すものと略同等の結果が得られることがわかった。 【0027】グローブ内温度が140℃未満の場合は、樹脂成分のホルダー表面への析出も微少で光減退の大幅な悪化やグローブ内面のくもり発生も無く正常な結果となった。 【0028】したがって、グローブ内温度が140℃以上となる場合は、180℃雰囲気中で、主波長254nm付近のUV照射を500時間行った後における質量減少率が0.3%以下の樹脂からなるホルダを用いることにより、この発明の効果が特に発揮される。 【0029】 【発明の効果】以上のように、本発明は、蛍光ランプを小形高出力化してもグローブのくもりを実用上支障のない程度に抑制して発光光束減退特性の大幅低下を防止することのできる蛍光ランプを提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年3月14日(2001.3.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097445 【弁理士】 【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−270003(P2002−270003A) |
| 【公開日】 |
平成14年9月20日(2002.9.20) |
| 【出願番号】 |
特願2001−72218(P2001−72218) |
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