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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】菊地 浩之

【要約】 【課題】LEDの三次元配置が容易で、ベースに対する制御回路基板の収まりがよく、レンズを通して制御回路基板が見えず、LEDが制御回路基板側の熱の影響を受けにくい車両用灯具の提供。

【解決手段】ランプボディ1とランプボディ1の前面開口部に組み付けたレンズ2とで構成した灯室S内に、複数個のLED6,LED6を配列状態に支持するベース4,LED6を電気接続する電気コード7およびLED6の点灯を制御する制御回路基板9を一体化した光源ユニット3を内装した灯具において、制御回路基板9をLED6と二次元的に離間するベース4の前面側の所定位置に配置して、回路基板9の取り付け性,LED6への回路基板9側の熱の影響の回避および灯室の薄型化を実現し、灯室Sの前面側に、回路基板9を隠すリフレックスリフレクター100を設けて、外観体裁を高めた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 容器状のランプボディと前記ランプボディの前面開口部に組み付けられた前面レンズとで構成される灯室内に、複数個の発光素子,前記発光素子を配列状態に支持するベース,前記発光素子を電気接続する電気コードおよび前記発光素子の点灯を制御する制御回路基板を一体化した光源ユニットが内装された車両用灯具において、前記灯室の前面側には、前記発光素子に対応し発光素子の発光を出射する光透過部と、リフレックスリフレクターまたはダミー部を構成する光不透過部とが設けられ、前記制御回路基板は、前記発光素子と二次元的に離間し、前記光不透過部背面と前記ベース前面の間に配置されたことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】 前記ベースの前面には、前記発光素子を挿着するためのホルダーが成形一体化されており、前記発光素子をその端子側から前記ホルダーに挿入すると、前記ホルダー内に配設された前記電気コードの絶縁被覆を前記端子が裂断して電気コード芯線部に前記端子が圧接状態に保持されることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】 前記ベースには、前記制御回路基板に対応する開口部が設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】 前記制御回路基板は、前記ベースに突出形成された複数のリブによってベースから離間して配置固定されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項5】 前記灯室は、車両幅方向中央部寄りから車両側方に回り込んだ形状で、前記制御回路基板は、前記灯室の車両幅方向中央部寄りに設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両用灯具。
【請求項6】 前記前面レンズと前記ベース間には、前記発光素子を囲繞するリフレクターが配置され、前記前面レンズが前記光透過部を構成し、前記リフレクターに連接一体化されたリフレックスリフレクターまたはダミー部が前記光不透過部を構成することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光源としてLED(発光ダイオード)等の発光素子(以下、LEDと称する)を用いる車両用灯具に係わり、特にLEDのリード端子を電気コードに直接結合して電気接続を行う車両用灯具に関するものである.
【0002】
【従来の技術】自動車の標識灯として、特に自動車のテール&ストップランプやターンシグナルランプ等のリアランプとして光源にLEDを用いた灯具が提案されている。このような灯具の第1の従来技術では、複数個のLEDを回路基板に搭載し、回路基板に設けた回路パターンに各LEDを直接電気接続して通電、発光する構成がとられている。
【0003】そして、自動車の車体コーナ部等のように、灯具の前面を二次曲面あるいは三次曲面として形成することが要求される場合には、これに追従させて、LEDを搭載している回路基板を二次曲面或いは三次曲面に形成する必要がある。二次曲面の場合は回路基板を屈曲することによって対処できるが、三次曲面の場合には回路基板を複数の回路基板に分割して三次元配置することが必要になり、結果として回路基板の構造が複雑化し、高コスト化をまねくことになる。
【0004】そこで、第2の従来技術として、回路基板に直接LEDを接続せず、LEDを保持するホルダーをベースに設け、ベースの裏側にLED全体の点灯を制御する制御回路基板を設け、前記ホルダに電気コードを延設するとともにLEDをホルダに嵌入保持したときに、LEDのリード端子が電気コードの被覆を剥がし、電気コードの芯線にLEDのリード端子が電気接続された形態に保持される構成(以下、これを圧接配線構造という)の灯具(特開2000−243110号)が提案されている。このような圧接配線構造を採用すれば、複数の回路基板が不要で、しかもLEDの三次元配置が容易になるため、コストの低減を図る上で有効となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、第1の従来技術では、LEDの三次元配置の自由度が限られるとともに、前面レンズを通して回路基板が透けて見えて、見栄えが悪い。また、LEDが回路基板に直接接続されているため、LEDは回路基板側の熱(特に回路基板に搭載されている抵抗の発熱)の影響を受け易い。
【0006】また、第2の従来技術では、圧接配線構造のため、LEDの三次元配置の自由度の制約はないものの、制御回路基板がベースの裏側に配置されているため、灯室の奥行きが大きくなる。特に、ベースが三次元形状に形成されている場合には、灯具が前後方向にそれだけ厚くなって、車体における灯具取り付けスペースもそれだけ必要となる。また、二次曲面や三次曲面のベース裏側には、制御回路基板をしっかりと固定しにくいという問題もあった。
【0007】本発明は、前記した従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、LEDの三次元配置が容易で、ベースに対する制御回路基板の収まりがよく、レンズを通して制御回路基板が見えず、LEDが制御回路基板側の熱の影響を受けにくい車両用灯具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、請求項1に係る車両用灯具においては、容器状のランプボディと前記ランプボディの前面開口部に組み付けられたレンズとで構成される灯室内に、複数個の発光素子,前記発光素子を配列状態に支持するベース,前記発光素子を電気接続する電気コードおよび前記発光素子の点灯を制御する制御回路基板を一体化した光源ユニットが内装された車両用灯具において、前記灯室の前面側に、前記発光素子に対応し発光素子の発光を出射する光透過部と、リフレックスリフレクターまたはダミー部を構成する光不透過部とを設け、前記制御回路基板を、前記発光素子と二次元的に離間させて、前記光不透過部背面と前記ベース前面の間に配置するように構成した。
【0009】ここで、光源ユニットとしては、ベース,電気コードおよび制御回路基板が機械的に固定一体化されて構成された場合と、ベースと電気コードが機械的に固定一体化されて構成されるとともに、制御回路基板はベースに機械的に固定一体化されず、光不透過部(リフレックスリフレクターまたはダミー部)に機械的に固定されて、ベースとは電気コードで接続されて光源ユニットとして一体化される場合とがある。また、リフレックスリフレクターは、光の入射方向と反対方向に光を反射する再帰反射面で構成されており、ダミー部は、レンズに反射面や反射塗装が設けられてそこがあたかもランプの発光領域の一部であるかのように見せるための部位である。
(作用)ベースを灯室や前面レンズに倣った形状に形成することで、発光素子を三次元配置できる。特に、発光素子を配置するベース表面側を階段状で、発光素子の支持部となる各段部を三次面曲面に沿うように形成することで、発光素子の三次元配置が容易となる。
【0010】また、たとえベースが三次元形状であっても、ベース前面側はベース裏側に比べて制御回路基板の収まりがよい平坦面を形成し易く、制御回路基板を取着しやすい。
【0011】また、発光素子と制御回路基板は二次元的に(即ち上下左右方向に)離間した位置にあるため、発光素子は制御回路基板(の主として抵抗)の発する熱の影響を受けにくい。
【0012】また、ベースと前面レンズ間には必ず空間があり、制御回路基板をベース前面領域側に配置することで、光源ユニットがベース背面側に厚くならず、灯室の奥行きを拡大する必要がない。
【0013】また、制御回路基板の前面側には、光不透過部(リフレックスリフレクターまたはダミー部)が設けられて、前面レンズを通して制御回路基板が透けて見えることはない。
【0014】請求項2においては、請求項1に記載の車両用灯具において、前記ベースの前面に、前記発光素子を挿着するためのホルダーを成形一体化し、前記発光素子をその端子側から前記ホルダーに挿入すると、前記ホルダー内に配設された前記電気コードの絶縁被覆を前記端子が裂断して電気コード芯線部に前記端子が圧接状態に保持されるように構成した。
【0015】ここで、LEDのリード端子は、例えば、その長さ方向の中間部において板厚方向に折り返し加工されており、その基端側と先端例の2箇所において前記ホルダに嵌入され、かつ前記電気コードに接触される。即ち、ホルダーに挿入されたリード端子は電気コードの絶縁被覆を裂断し芯線部に圧接状態となる。
(作用)複数の発光素子間の電気的接続は、発光素子をホルダーに挿着するだけで、発光素子のリード端子と電気コードの芯線部とが圧接状態となる圧接配線構造であって、しかもホルダーがベースに成形一体化されているため、光源ユニットを構成する部品点数が少ない。
【0016】請求項3においては、請求項1または2に記載の車両用灯具において、前記ベースに、前記制御回路基板に対応する開口部を設けるように構成した。
(作用)制御回路基板は、プリント配線板に電子部品を搭載して構成されているが、電子部品が開口部内に突出するように制御回路基板を配置することで、制御回路基板(の電子部品)とベース間の干渉を避けることができるとともに、制御回路基板のベース前方への突出量を小さくできる。
【0017】また、制御回路基板側の発熱は、前面レンズとベース間空間に放熱される他、開口部を介して灯室内のベース背後空間にも放熱されるので、それだけ発光素子は制御回路基板側の発する熱の影響を受けにくい。
【0018】請求項4においては、請求項1〜3のいずれかに記載の車両用灯具において、前記制御回路基板を、前記ベースに突出形成した複数のリブによってベースから離間させて配置固定するように構成した。
(作用)制御回路基板がベースに固定一体化される構造では、ベースと制御回路基板との接触部がリブだけであるため、ベース側に伝達される制御回路基板側の熱量がそれだけ少ない。
【0019】また特に、前記ベースに制御回路基板に対応する開口部が設けられている場合には、ベース背後空間とベース前方空間とが前記開口部を介して連通し、前記開口部を通るベース周りの空気対流が生成されて、制御回路基板からの放熱性が高まる。
【0020】請求項5においては、請求項1〜4のいずれかに記載の車両用灯具において、前記灯室を、車両幅方向中央部寄りから車両側方に回り込んだ形状で、前記制御回路基板を、前記灯室の車両幅方向中央部寄りに設けるように構成した。
(作用)ベースに制御回路基板が固定一体化される構造では、三次元形状のベースの成形性(金型構造の簡潔性)を考慮すると、ベースの制御回路基板取り付け面は、ホルダーが突出している各段部の前面とほぼ平行(LEDのホルダーへの挿入方向と垂直)であることが望ましく、ベースは、そのように構成されている。そして、灯室(前面レンズ)が水平方向に回り込んだ形状であると、ベースの制御回路基板取り付け面と前面レンズ間の間隔は、車両幅方向外側に行くほど小さくなり、車両幅方向中央部に行くほど大きくなる。このため、前面レンズとの間隔が十分にあるベース車両幅方向中央部寄りに制御回路基板を設けるようにした。
【0021】また、灯室の車両幅方向中央部寄りは水平方向にはほぼ真っ直ぐで、ベースの車両幅方向中央部寄りも水平方向にはほぼ真っ直ぐに形成されており、このベースのほぼ真っ直ぐな領域に平面状の制御回路基板を支持させるように構成することは容易である。
【0022】請求項6においては、請求項1〜5のいずれかに記載の車両用灯具において、前記前面レンズと前記ベース間に、前記発光素子を囲繞するリフレクターを配置し、前記前面レンズが前記光透過部を構成し、前記リフレクターに連接一体化したリフレックスリフレクターまたはダミー部が前記光不透過部を構成するようにした。
(作用)前面レンズに直接リフレックスリフレクターまたはダミー部を設けた場合は、斜め方向から前面レンズ(光透過部)を通して制御回路基板が透けて見えるおそれがあるが、光不透過部であるリフレックスリフレクターまたはダミー部の周縁には他の光不透過部であるリフレクターが連接されているため、前面レンズ(光透過部)を通して制御回路基板が透けて見えるおそれがない。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を実施例に基づいて説明する。
【0024】図1〜図8は、本発明の灯具を自動車用テールアンドストップランプに適用した実施例を示しており、図1は同ランプの正面図、図2は同ランプの水平断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)、図3は同ランプの縦断面図(図1に示す線III−IIIに沿う断面図)、図4は同ランプの要部分解斜視図、図5は同ランプの要部拡大縦断面図、図6はホルダーの縦断面図、図7はホルダーおよびLEDの分解斜視図、図8は制御回路基板の斜視図である。
【0025】これらの図、特に図1,2に示すように、テールアンドストップランプは、自動車後部の左コーナ部に取り付けられるもので、その全体形状が車体幅方向中央部寄りから車体左側方にかけて水平方向に回り込んだ形状に形成されている。したがって、容器状の合成樹脂製のランプボディ1の前面開口部は、自動車外板C(図2参照)の三次面に倣った三次元形状に形成されている。そして、ランプボディ1の前面開口部には、自動車外板Cの三次面に倣った三次元形状に形成された前面レンズ2が組み付け一体化されて、ランプボディ1と前面レンズ2とで灯室S(図2,3参照)が画成されている。なお、前面レンズ2は、その周縁部において、ランプボディ1の前面開口部周縁部1aに熱溶着等によって固定されている。
【0026】そして、灯室S内には、図2,3に示すように前面レンズ2にほぼ沿った形状のリフレクタ8が収容されており、リフレクタ8のエクステンション部83は、前面レンズ2と同様な三次面形状に形成されている。また、リフレクタ8は、後述するベース4に組み立てられた各LED6に対向する回転放物面形状の複数のリフレクタタ部84を有している。
【0027】また、リフレクタ8は、ベース4と同じ材質の樹脂を用いた樹脂成形によって一体に成形されるとともに、その前面側は、アルミニウム蒸着膜等が形成されて反射面として構成されている。特に、リフレクタタ部84の反射面は、微小凹凸が設けられたシボ加工処理反射面で構成されて、LED6の発光が拡散反射される。アウターレンズ2はライトレッド色で、LED6の赤色の発光は、アウターレンズ2を透過することで深みのある赤色になる。
【0028】また、リフレクタ8は、ランプボディ1の内側にすっぽりと収まり、前面レンズ2をランプボディ1に溶着することで、前面レンズ2とランプボディ1間にがたなく固定される。
【0029】また、リフクレタ8の各リフレクタ部84の背面には開口部84aが設けられ、この開口部84a内には、ベース4に支持されたLED6の樹脂モールド62が臨んで配置されて、LED6の樹脂モールド62がリフクレタ8(リフレクタ部84)で囲繞された形態に保持されている(図5参照)。
【0030】即ち、図4に示すように、ベース4の前面側に突出形成された4個の掛止フック42をリフレクター8の背面側に延出形成された延出片86の係合孔86aに、ベース4の前面側に設けられた4個係合孔43にリフレクター8の背面側に延出形成された延出片87をそれぞれ係合させると、ベース4に支持されたLED6の樹脂モールド62がリフクレタ8の開口部84aから突出するとともに、ベース4の周縁部がリフレクター8の背面側に当接して、リフレクター8とベース4が上下左右前後方向に互いに位置決めされてがたなく固定一体化される。
【0031】また、ランプボディ1に組み付けられたリフクレタ8の右端部寄りの背後には、ベース4に支持された制御回路基板9が配置されているが、リフレクター8の制御回路基板9に対応する位置には、車体後方から前面レンズ2を介して入射した光を入射方向に向けて反射する再帰反射面で構成されたリフレックスリフレクター100が設けられている。
【0032】このリフレックスリフレクター100は、リフクレタ8の右側端部寄りに設けられた開口部8aに接着などで固定されてリフレクター8に一体化されている。従って、リフレックスリフレクター100はリフレクター8の開口部8aの周縁部と隙間なく連接して、リフレクター8の背後に配置された制御回路基板9は、このリフレックスリフレクター一体型リフレクター8によって確実に隠されたものとなる。
【0033】また、リフクレタ8の左側端部寄りには、前面レンズ2を介して入射した車体側方からの光を入射方向に向けて反射する再帰反射面で構成されたサイドリフレックスリフレクター102(図1,2参照)が設けられている。
【0034】次に、べ一ス4,LED6,電気コード7および制御回路基板9からなる光源ユニット3の詳細を、主に図2,3,4を参照して説明する。
【0035】ベース4は、三次元方向に階段配置した複数の段部41で構成されており、各段部41はほぼ前面レンズ2の三次面形状に沿って配列され、ランプボディ1に固定されている。各段部41には、全て同一形状のLED挿着用のホルダ5が突設され、このホルダ5にLED6が保持されるとともに、絶縁被覆を有する電気コード7が各ホルダ5にわたって延設され、この電気コード7によって各LED6への通電が行われている。ベース4の右側縁部の前面側には、LED6の発光を制御するための電気回路を構成する制御回路基板9が取着され、各ホルダー5に延びる電気コード7は、この制御回路基板9に電気接続されている。
【0036】ホルダー5は、樹脂の一体成形によりベース4に一体化されており、段部41は車体の上下方向及び左右方向に向けて階段状に形成され、各段部41および各段部41に突設された各ホルダー5は、これらを包絡したときに前面レンズ2にほぼ平行する三次曲面を構成するように樹脂成形によって一体に形成されている。そして、ベース4は、その周辺部の1箇所に設けられたボス部44においてランプボディ1にねじ45により固定されている。(図4参照)ホルダー5は、図5,6,7に拡大して示すように、前面が開口された矩形の容器形状に形成されており、段部41の前面に対し垂直に突出している。ホルダ5の前面開口は両側壁内面の長手方向中間位置に設けられた突条53によって、長手方向に並んだ2つのリード挿入口54に画成されており、これら2つのリード挿入口54に対応するホルダ5の両側壁には、前面側から背面側に向けてコード挿通溝55が切り欠き形成されている。なお、このコード挿通溝55は、開口側では幅広に形成されているが、先端側55aでは幅狭に形成されており、この溝先端側55aの幅寸法は電気コード7の径寸法にほぼ等しくされている。なお、コード挿通溝55の先端位置のリード挿入口54の内底面には、LED6のリード先端が嵌合するガイド片56が立設されている。
【0037】LED6は、ディスクリート型LEDとして構成されており、図7に拡大して示すように、LED素子チップ61を樹脂モールド62により封止するとともに、LED素子チップ61に電気接続される一対の平行なリード端子63が樹脂モールド62から突出された構成である。符号61aは、LED素子チップ61と対向リード端子63とを接続するボディングワイヤを示す。リード端子63は、金属板をプレス或いはエッチング加工したリードフレームを個々に切断し、かつ曲げ加工して形成されたものであり、曲げ加工前には、図7仮想線に示すように、中心領域にスリット64を有する細長い帯片形状をしている。ここで、リード端子63の幅寸法はホルダ5の端子挿入口54の幅寸法よりも若干小さい寸法に形成されている。
【0038】一方、スリット64は、その長さ方向の中間部の幅広スリット部65とその両端の幅狭スリット部66とで構成されており、幅狭スリット部65は長円型に形成されて幅狭スリット部66との境界部65aが円弧状に形成されている。また、幅広スリット部65の幅寸法は、電気コード7の径寸法よりも若干大きい寸法に形成され、また幅狭スリット部66の幅寸法は電気コード7の絶縁被覆内の芯線の径寸法にほぼ等しい寸法に形成されている。そして、リード端子63は図7に示すように、ほぼ長さ方向の中間位置、すなわち幅広スリット部65の中間位置において板厚方向に略コ字状に折り返され、これによりリード端子63は、幅広スリット部65の中間位置を先端とした二股状でかつ折り返しによってホルダ5のリード挿入口54の幅寸法に等しい幅の二枚刃形状のリードとして形成されることになる。
【0039】また、リード端子63の側縁には、抜け止め用の微小突起69が形成されており、リード端子63がホルダー5内に挿入されると、微小突起69が壁面に食い込んでリード端子63を抜け止めする。
【0040】以上の構成のベース4,LED6,電気コード7により光源ユニット3を組み立てる際には、先ず、ベース4の各ホルダ5にわたって2本の電気コード7を並行に配置する。電気コード7は、図5に拡大して示すように、芯線71を絶縁材で被覆した絶縁被覆電線コードであり、ホルダ5の各一対のリード挿入口54にそれぞれ設けられたコード挿通溝55内に挿入される。しかる上で、電気コード7に対してLED6の一対のリード端子63を各リード挿入口54内に挿入する。挿入されるリード端子63は、先ず、幅広スリット部65が電気コード7の絶縁被覆72を径方向に挟むように進行され、次いで、幅狭スリット部66が絶縁被覆72を裂断しながら進行される。このとき、幅広スリット部65と幅狭スリット部66との境界部65aは直角に近いエッジ形状をしているため、絶縁被覆の裂断効果が高められる。そして、幅狭スリット部66が電気コード7を挟む位置まで挿入されると、幅狭スリット部66と電気コード7の芯線71とが直接接触され、リード端子63と電気コード7との電気接続が行われる。そして、リード端子63の側縁に設けられている微小突起69が壁面に食い込むため、リード端子63は挿入された位置で芯線71に圧接したままの形態が強固に保持されることとなる。
【0041】また、前記したように、リード端子63は折り曲げによって二枚刃形状とされているため、各片部においてリード端子63がリード挿入口54の内面に当接されることになり、この結果LED6が傾倒され難いものとなる。
【0042】また、リード端子63は、各片部において電気コード7に対して2箇所で電気接続されるため、確実な接続が可能となり、かつ両者間の接触抵抗を低減する上でも有利である。
【0043】一方、電気コード7は、その一端がベース4に取着した制御回路基板9に電気接続される(図4参照)。即ち、制御回路基板9は、図8に示すように、プリント回路基板91上に各種電子部品92が搭載されるとともに、その一部は図外のバッテリに接続した電源コード94がコネクタ93を介して接続されている。そして、プリント回路基板91と電気コード7との電気接続を行うために、プリント回路基板91の背面(電気部品92搭載側)の一部には、LED6のリード端子63と同じ形状をした一対の電極端子96が立設されている。すなわち、この電極端子96はLED6のうちのリード端子63のみを同様に曲げ加工した上で、その両端部をプリント回路基板91に半田付けにより取着したものである。したがって、電極端子96は、その先端から基端に向けてリード端子63の幅広スリット部65と幅狭スリット部66からなるスリット64と同様なスリット97が形成されている。
【0044】また、ベース4の右側端部寄りの前面側には、ホルダ5と同一構造のホルダ5Aが突出形成されている。そして、制御回路基板9側の電極端子96に対して電気コード7を接続するには、まず、前面側が上となるようにベース4をあお向けにし、上方に開口するホルダ5Aのコード挿通溝55に電気コード7を挿通する。次いで、制御回路基板9の電子部品92搭載側を下にして、即ち、図8に示す形態をちょうど逆様にして、電極端子96をホルダ5Aに嵌入する。これにより、ホルダ5A内の電気コード7は、電極端子96のスリット97によって、LED6の場合と同様に、電気コード7の絶縁被覆を裂断し、電気コード7と電極端子96との電気接続が可能となる。
【0045】また、ベース4の右側端部寄りには、図4に示すように、制御回路基板9に対応する開口部21が形成され、換言すれば、ベース4の右側端部寄りは、制御回路基板9に対応する開口部21の形成された枠形状に形成されている、そして、開口部21の周縁部には、ホルダ5Aと協働して制御回路基板9を担持する左右一対のリブ22と、制御回路基板9を左右方向に位置決めしかつ抜け止めする二対の掛止爪23と、制御回路基板9側の切欠に係合して位置決めするき掛止リブ24とが突設され、開口部21の上下方向ほぼ中央部を左右に横切る位置にも、制御回路基板9を担持する水平リブ25が突設されている。
【0046】そして、制御回路基板9をリブ23,24の付勢力に抗して押し込み、電極端子96をホルダー5A内に挿入すると、制御回路基板9は上下左右方向に位置決めされ、かつリブ22,25およびホルダー5Aで担持された形態となる。そこで、水平リブ25に立設されたボス26にねじ27を配して制御回路基板9をベース4に固定することで、制御回路基板9がベース4の前面から離間した形態に保持される。
【0047】このテール&ストップランプでは、図外のバッテリに電気接続される電源コード94からの電力は制御回路基板9に供給され、さらに、電極端子96と電気接続される一対の電気コード7に供給される。そして、これらの電気コード7は、ベース4の複数の段部41に立設されているホルダ5内に延設され、ホルダ5内においてLED6のリード端子と電気接続されて、各LED6が発光する。LED6の発光は、リフレクタ8のリフレクタ部84によって集光され、レンズ2を通してランプの前方に出射される。
【0048】そして、このランプの組み付け手順としては、まず、リフレクター8に光源ユニット3を組み付け一体化する。このリフレクター・光源ユニット組み付け体をランプボディ1内に収容し、前面レンズ2をランプボディ1に溶着一体化した後、ランプボディ1の背面側からランプボディ1背面壁と光源ユニット3のベース4とをねじ45で固定する。なお、前面レンズ2のランプボディ1への溶着と、ランプボディ背面壁とベース4との固定とは、どちらが先きでもよい。
【0049】このように、本実施例では、ベース4を階段状に形成して三次元配置した複数の段部41を形成し、さらに各段部41に形成したホルダにそれぞれLED6を挿着することで、LED6の三次元配置を実現しているため、従来のように複数の基板を三次元配置して組み立てる必要がなく、さらに光源ユニット3を構成する部品点数の削減と低コスト化が実現でき、しかも組み立て作業の簡易化が可能となる。
【0050】一方、光源ユニット3の組み立てに際しては、電気コード7をホルダ5のコード挿通孔55に挿通した上でLED6のリード端子63をホルダ5のリード挿入口54内に挿入することで、リード端子63とリード挿入口54との嵌合によってLED6の保持と、LED6と電気コード7の電気接続の両方を同時に行うことができ、組み立ては極めて簡単となる。
【0051】また、このとき、リード端子63に設けた幅広スリット部65と幅狭スリット部66との境界部(のエッジ)65aにおいて電気コード7の絶縁被覆72を好適に裂断してリード端子63と電気コード7の芯線71との良好な電気接続が行われる。さらに、LED6のリード端子63は折り曲げ加工によって二枚刃構成とされているので、リード端子63と電気コード7との接触が2箇所で行われ、好適な電気接続が可能であるとともに、リード端子63の板厚方向の寸法を大きくとることができ、LED6がホルダ5内で傾倒することが防止され、LED6の光軸方向の安定性と、電気コード7に対する電気接続性がそれぞれ向上できる。
【0052】また、ベース4に一体的に取り付けられたリフレクタ8は、ベース4と同じ材質で形成しているため、LED6の発光によりベース4及びリフレクタ8が加熱された場合でも、ベース4とリフレクタ8は等しく熱膨張されるため、ベース4に対してリフレク8の相対位置変化が生じることがなく、リフレクタ部83におけるLED6の光軸位置の位置ずれが防止できる。
【0053】また、光源ユニット3における制御回路基板9は、搭載された電子部品92が開口部21内に突出するようにベース4に対して配置されているので、電子部品92がベース4と干渉しないし、制御回路基板9取り付け部が厚くなることもない。
【0054】また、制御回路基板9側の発熱は、ベース4の前面側に放熱される他、開口部21を介して灯室S内のベース4背後空間にも放熱されるので、それだけLED6は制御回路基板9側の発する熱の影響を受けにくい。
【0055】また、ベース4には、制御回路基板9に対応する開口部21が設けられるとともに、制御回路基板9がリブによってベース4から離間して設けられているため、制御回路基板9周りに開口部21を通る空気対流が生成されて、制御回路基板9からの放熱性が良好になっている。
【0056】なお、前記実施例では、ホルダー5がベース4に一体成形された構造について説明したが、第2の従来技術に示すように、ベースと別体に形成されたホルダー5をベースに挿着して一体化できる構造であってもよい。
【0057】また、前記実施例では、リフレクター8に一体化したリフレックスリフレクター100によって、制御回路基板9を隠すように構成されているが、リフレックスリフレクター100に代えて、エクステンション部83をここまで延長させたダミー部によって構成してもよい。
【0058】また、前記実施例における光源ユニット3は、ベース4,LED6,電気コード7および制御回路基板9が機械的に固定一体化された構造であるが、ベース4および電気コード7が光源ユニットとして機械的に固定一体化されているが、制御回路基板9は、必ずしも光源ユニットとして機械的に固定一体化された構造でなくてもよい。即ち、制御回路基板9は光源ユニットに機械的に固定一体化されておらず、光不透過部であるリフレックスリフレクターやダミー部に機械的に固定された制御回路基板9が電気コード7を介して光源ユニットに接続されることで、光源ユニットとして一体化された構造であってもよい。なお、制御回路基板9を光不透過部(リフレックスリフレクターやダミー部)に固定する手段としては、前記した実施例において制御回路基板9をベース4に固定する構造と同様、光不透過部側に突出形成したボスやリブにねじ止めと掛止により光不透過部から離間させて固定配置したり、凹凸ランス係合や接着その他の機械的固定手段で構成すればよい。
【0059】また、前記実施例では、本発明をテール&ストップランプに適用した例であるが、他のランプに適用できることは言うまでもない。
【0060】また、本発明を二次曲面の灯具に適用することも勿論可能である。さらに、本発明においては、ベース,LEDはそれぞれ本発明にかかる機能を備えるものであれば、これら個々の構成は前記実施例の構成に限られるものでない。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る車両用灯具によれば、ベースを灯室に倣った形状に形成することで発光素子の三次元配置の自由度が高いので、種々の形状の灯具に適用できる。
【0062】また、制御回路基板のベースへの収まりがよいので、制御回路基板のベースへの固定が確実で、がたつくようなことがない。
【0063】また、発光素子は制御回路基板側の発する熱の影響を受けにくいので、長期にわたり適正光量が得られる車両用灯具が提供される。
【0064】また、灯室の奥行きを拡大する必要がないので、灯具が大型化せず、それだけ車体における灯具取り付けスペースも小さくて済む。
【0065】また、前面レンズを通して制御回路基板が透けて見えないので、外観体裁も良好である。
【0066】請求項2によれば、複数の発光素子間の電気的接続が圧接配線構造で、しかも光源ユニットを構成する部品点数が少ないので、光源ユニットの組み立てが容易で、灯具のコストを低減できる。
【0067】請求項3によれば、搭載電子部品を傷めることなく制御回路基板をベースに取着できるとともに、制御回路基板のベース前方への突出量が少ないので、前後厚さの薄い灯具を提供できる。
【0068】また、発光素子は制御回路基板側の発する熱の影響を一層受けにくいので、より長期にわたり適正光量が得られる車両用灯具が提供される。
【0069】請求項4によれば、制御回路基板側からベースに熱が伝達されにくく、しかも制御回路基板からの放熱性もよいので、発光素子は制御回路基板側の発する熱の影響を一層受けにくく、長期安定した光量の灯具を提供できる。
【0070】請求項5によれば、簡単な構成で平面状の制御回路基板をベースに支持できるので、光源ユニットの構成が簡潔となって、灯具のさらなる低コスト化を実現できる。
【0071】請求項6によれば、前面レンズを通して制御回路基板が全く透けて見えないので、外観体裁が非常に良好である。
【出願人】 【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
【出願日】 平成13年2月20日(2001.2.20)
【代理人】 【識別番号】100087826
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀人
【公開番号】 特開2002−245812(P2002−245812A)
【公開日】 平成14年8月30日(2002.8.30)
【出願番号】 特願2001−43061(P2001−43061)