| 【発明の名称】 |
光照射処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】廣瀬 賢一
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| 【要約】 |
【課題】大面積のワークであっても、その全域を効率よく処理することが可能な誘電体バリア放電ランプを用いた光照射処理装置を提供すること。
【解決手段】複数の誘電体バリア放電ランプを具備し、該誘電体バリア放電ランプとワークとを相対的に移動させながら該ワークの被処理面に誘電体バリア放電ランプよりの光を照射して当該ワークの処理を行う光照射処理装置であって、前記複数の誘電体バリア放電ランプを前記ワークの搬送方向からみたときに、前記一の誘電体バリア放電ランプが形成する光出射領域は、少なくとも1つの他の誘電体バリア放電ランプが形成する光出射領域と相違し、かつ、その少なくとも一部の領域において重なることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の誘電体バリア放電ランプを具備し、該誘電体バリア放電ランプとワークとを相対的に移動させながら該ワークの被処理面に誘電体バリア放電ランプよりの光を照射して当該ワークの処理を行う光照射処理装置であって、前記複数の誘電体バリア放電ランプを前記ワークの搬送方向からみたときに、前記一の誘電体バリア放電ランプが形成する光出射領域は、少なくとも1つの他の誘電体バリア放電ランプが形成する光出射領域と相違し、かつ、その少なくとも一部の領域において重なることを特徴とする光照射処理装置。 【請求項2】 誘電体バリア放電ランプのリード線は、当該誘電体バリア放電ランプの長手方向の一方の端部からのみ導出されていることを特徴とする請求項1に記載の光照射処理装置。 【請求項3】 前記誘電体バリア放電ランプのリード線は、前記ワークの搬送方向からみたとき、前記光照射処理装置の処理領域よりも外側の領域で導出されていることを特徴とする請求項2に記載の光照射処理装置。 【請求項4】 前記誘電体バリア放電ランプには、前記リード線の導出されている一方の端部においてのみホルダが装着されていることを特徴とする請求項2または3に記載の光照射処理装置。 【請求項5】 前記一の誘電体バリア放電ランプと前記他の誘電体バリア放電ランプとからなるランプユニットを少なくとも2組具備してなり、前記ランプユニットを前記ワークの搬送方向からみたときに、一のランプユニットにより形成された前記誘電体バリア放電ランプよりの光出射領域が重なる領域は、その少なくとも一部の領域において、他のランプユニットにより形成された前記誘電体バリア放電ランプよりの光出射領域が重なる領域と、相違していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載の光照射処理装置。 【請求項6】 前記複数の誘電体バリア放電ランプは、それらの管軸方向同士が平行に伸びるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の光照射処理装置。 【請求項7】 前記複数の誘電体バリア放電ランプはいずれもその管軸方向が、前記ワークの搬送方向と、直交することを特徴とする請求項6に記載の光照射処理装置。 【請求項8】 前記ワークの搬送方向に対して、前記複数の誘電体バリア放電ランプの管軸の角度を変えることができることを特徴とする請求項6または7に記載の光照射処理装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光化学反応用の紫外線光源として使用され、誘電体バリア放電によってエキシマ分子を形成し該エキシマ分子から放射される光を利用するいわゆる誘電体バリア放電ランプを具えた光照射処理装置にする。 【0002】 【従来の技術】本発明に関連した技術としては、例えば、特開平2−7353号があり、そこには、放電容器にエキシマ分子を形成する放電用ガスを充填し、誘電体バリヤ放電(別名オゾナイザ放電あるいは無声放電。電気学会発行改定新版「放電ハンドブック」平成1年6月再版7刷発行第263ページ参照)によってエキシマ分子を形成せしめ、このエキシマ分子から放射される光を取り出す放射器、すなわち誘電体バリヤ放電ランプについて記載されている。そして、放電容器の形状は円筒状であり、放電容器の少なくとも一部は誘電体バリア放電を行う誘電体を兼ねており、この誘電体の少なくとも一部はエキシマ分子から放射されるエキシマ光(例えば、波長200nm以下の真空紫外光)に対して透過性であることが開示されている。更に、放電容器の外面には一方の電極として網状電極が設けられた誘電体バリア放電ランプが記載されている。 【0003】このような誘電体バリア放電ランプは、単一の波長の光を効率良く放射するなどの特長を有している。例えばXeガスを封入した誘電体バリア放電ランプでは172nmの真空紫外光を効率良く放射する。この誘電体バリア放電ランプを用いた紫外線照射装置は、半導体用ウエハや液晶製造工程のマザーガラスのドライ洗浄や、製造工程中におけるウエハや液晶パネル基板などのドライアッシングなどに用いられている。また、LCDプロセス、材料関連の分野における樹脂や金属材料の表面活性化処理などにも用いられている。 【0004】ここで、誘電体バリア放電ランプの構成を図2を参照して説明する。図2(a)は誘電体バリア放電ランプ1の管軸方向の断面図であり、同図(b)は同図(a)のA−A’における断面図である。誘電体バリア放電ランプ1(以下、簡単に「ランプ1」ともいう。)の放電容器は内側管2と外側管3とが略同軸に配置されその両端で接合されて形成される。この放電容器は石英ガラス製で、誘電体バリア放電における誘電体壁を構成すると共に、エキシマ光を透過して光の出射窓を構成する。前記放電空間4には例えばキセノンガスが適宜の圧力で封入されて適宜のゲッタが配置される。外側管3における外周面上には該外側管3の略全体に亘って外側電極5が設けられ、一方、内側管2における内周面上に内側電極6が設けられる。放電容器の長手方向の一方の端部において、外側電極5及び内部電極6に適宜の給電用部材を介してリード線7が接続され、該リード線7は前記一方の端部より外部に導出されている。なおこの放電容器の端部にはランプ保持用のホルダD、D’が装着され、同図の誘電体バリア放電ランプ1では(図面上左端の)ホルダDよりリード線7が導出されている。リード線7は高周波電源8に接続され、この高周波電源8より例えば周波数20kHzとして8kVの電圧を上述の一対の電極5、6間に印加すると、放電空間4にエキシマ分子が形成されエキシマ光が出射する。放電用ガスとして例えばキセノンガスを使った場合は、波長172nmの光が放射されるようになる。なお、誘電体バリア放電ランプ1においては、高周波電源8の周波数を、例えば商用周波数の50Hz程度から、数MHz乃至数GHz、更にそれ以上にして当該ランプを点灯させてもエキシマ発光を得ることができる。 【0005】このような誘電体バリア放電ランプを利用した半導体製造に係り、所定面積を一括で処理可能な光照射処理装置としては例えば特許第2836058号に記載のものがある。 【0006】図6に光照射処理装置の構成の一例を示す。同図において誘電体バリア放電ランプ1a、1b、1cは上記において図2で説明した構成に係るものであり、ワークW面に平行な平面上に当該ワークWから所定距離、具体的には数mm離間して並べられる。ワークWは例えば、半導体ウエハーや液晶基板などである。誘電体バリア放電ランプ1a、1b、1cより出射した光がワークWを照射すると、当該ワークW表面においてドライ洗浄、表面改質等の処理が施されるようになる。 【0007】ドライ洗浄においては、ワーク表面に付着している有機物の分子結合をエネルギーの高い真空紫外光で切断し、更に介在する酸素に対して真空紫外光が照射することで酸素からオゾンや活性酸素を発生させ、切断された有機物と反応することでCO2やH2Oのような気体となり、飛散させることで洗浄を行う。上述のドライ洗浄や有機レジストのアッシングにおいては、汚れ等を完全に分解することが目的であり、所定の処理が完遂されるために最低限必要な積算光量(照射光の光量と照射時間の積)以上に、ワークに光を照射すれば良い。 【0008】ところで、近年、製造コストの削減や液晶ディスプレイの大型化に伴ない、マザーガラスや液晶パネル基板が大型化してきている。これにともない液晶製造に係る装置においては、例えば1000×1200mmという大面積を処理可能な装置が要求されている。このような事情から、図6の構成に係る光照射処理装置においても、従来よりも処理面積が大きい装置が求められており、用いる誘電体バリア放電ランプの本数を増やすと共に誘電体バリア放電ランプ本体を長手方向に大きくして係る要請に対応するようにしている。 【0009】一方で、紫外線の照射コストの低減が望まれており、このため、ランプの出力を上げてランプの本数を減らすことも望まれており、ワーク又は誘電体バリア放電ランプを走査させながら照射を行う走査型の光照射処理装置は、誘電体バリア放電ランプの本数を少なくできる点で、上記一括処理型の光照射処理装に比して有利であるといえる。また、走査型の光照射処理装置は、一括処理型の光照射処理装よりも製造ライン長の短縮できるので高価なクリンルーム占有面積を低減させることができ、コストダウンを図ることができる。 【0010】なお、光照射処理装置を上記した走査型とした場合でも、その被処理面の形状が長手方向と短手方向を有するような形状、例えば矩形のワークの場合、処理能力を向上させるためにもその短手方向に走査させる方が好ましく、その際には誘電体バリア放電ランプの有効発光長は少なくともワークの長手方向の幅よりも大きくなければならない。このような事情からもランプを長手方向に大きくすることが望まれている。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】然るに、有効発光長が例えば800mm以上となるような長尺のランプは製造が困難である上、係るランプを装置に組み込んで使用する際や輸送する際に機械的強度の点から信頼性に乏しくなる、という問題がある。なお、誘電体バリア放電ランプにおける「有効発光長」とは、誘電体バリア放電ランプの管軸方向において当該ランプの最大照度を100としたときの相対照度が約90%以上となる領域の長さである。 【0012】また、誘電体バリア放電ランプの有効発光長が長くなると発光効率が低下するという問題がある。本発明者らは、誘電体バリア放電ランプへの給電を昇圧トランスを介して行う光源装置において、この光源装置の回路のインダクタンスをL、静電容量をCとしたとき、その積LCが、LC≦2.8×10−8(Cの単位はF(ファラッド)、Lの単位はH(ヘンリー))の範囲であれば発光効率が良いことを見出し、係る技術について先に提案した(特開平11−317203号公報)。ここで用いられる静電容量Cは、おおむねランプの静電容量に依存する。ランプの静電容量は、電極の表面積、放電ギャップ、誘電体の誘電率に影響される。電極の表面積は、ランプの構造によって多少変わるが、ランプの長さに略比例すると考えて良い。したがって、有効発光長が長くなれば、つまりランプが長くなれば電極の表面積も大きくなってLCの値は大きくなるため、発光効率は低下する。 【0013】また、誘電体バリア放電ランプは、先に図2で説明したように、当該ランプの長手方向における一方の端部において一対の電極間に電力が供給されて該一方の端部よりリード線が導出される構造が主流である。このような構成に係る誘電体バリア放電ランプ、つまり、電極におけるリード線の導出側端部においてのみ、給電用部材が接続されて電圧が印加されるものにおいては、有効発光長が長くなると当該ランプにおける他方の端部側においてエキシマ光の出力が低下することがある。このように誘電体バリア放電ランプの一方の端部側と他方の端部側とでワーク面で積算光量に大きな差異が生じると、ワーク面で所定の積算光量を得るために照射時間を長くしなければならず処理効率が低下してしまう。 【0014】なお、上記構成に係る誘電体バリア放電ランプでは、特に矩形波状の電圧波形、パルス状の電圧波形においては電圧の立ち上がり速度が速い方が前記他方の端部側における照度低下の割合が大きく、また、正弦波でも低周波数よりも高周波数での点灯の場合に前記と同様照度の低下が大きいことが判明した。この原因については詳細には解明されていないが次のように推察される。■ 対向する電極間に高電圧を印加すると、つまり一方の電極に瞬時に高電圧が掛けられると、非常に短い時間で見れば、給電部側と反給電部側には電圧の立ち上がりに時間差が生じていると考えられる。この時間差は、電子の移動速度による遅れと電極のインダクタンスの影響から生じる遅れとによるものである。■通常、対向する電極間に電圧を印加するとその間の空間に電界を生じる。ところが、誘電体バリア放電ランプでは、対向する電極間に少なくとも1枚の誘電体が入っているので、つまり、誘電体を介して放電ガスに電圧を印加しているので、これによる電界は誘電体による分極の速度の影響をうけて、誘電体が電極間に介在しない放電ランプにおける当該電極間のみで作り出されれる電界よりも少し遅れて生じるようになる。更に、■、■の複合作用と近傍(ランプ軸方向)の電界の影響をうけることにより、非常に短い時間での放電ガスに印加する電界はランプ軸方向で見れば複雑な分布になる。エキシマ発光の効率は、先に示した特開平11−317203号公報(とくに、第3頁、段落番号〔0005〕〜〔0007〕)に記載されているようにエネルギー注入の時間やその大きさに影響されるものであり、これを決めるのは電界の強さや時間変化である。従って、誘電体バリア放電ランプでは非常に短い時間であっても前述のような軸方向に複雑な電界分布を持つため、その軸方向で発光効率に差が生じ、その結果光出力に差が生じるものと推察される。 【0015】そこで、本願発明が解決しようとする課題は、大きさが1000×1200mm以上となる大面積のワークであっても、その全域を効率よく処理することが可能な誘電体バリア放電ランプを用いた光照射処理装置を提供することにある。 【0016】 【課題を解決する手段】複数の誘電体バリア放電ランプを具備し、該誘電体バリア放電ランプとワークとを相対的に移動させながら該ワークの被処理面に誘電体バリア放電ランプよりの光を照射して当該ワークの処理を行う光照射処理装置であって、前記複数の誘電体バリア放電ランプを前記ワークの搬送方向からみたときに、前記一の誘電体バリア放電ランプが形成する光出射領域は、少なくとも1つの他の誘電体バリア放電ランプが形成する光出射領域と相違し、かつ、その少なくとも一部の領域において重なることを特徴とする。 【0017】更に、誘電体バリア放電ランプのリード線は、当該誘電体バリア放電ランプの長手方向の一方の端部からのみ導出されているのが良い。 【0018】更に、前記誘電体バリア放電ランプのリード線は、前記ワークの搬送方向からみたとき前記光照射処理装置の処理領域よりも外側の領域で導出されているのか良い。 【0019】更に、前記誘電体バリア放電ランプには、前記リード線の導出されている一方の端部においてのみホルダが装着されているのが良い。 【0020】前記一の誘電体バリア放電ランプと前記他の誘電体バリア放電ランプとからなるランプユニットを少なくとも2組具備してなり、前記ランプユニットを前記ワークの搬送方向からみたときに、一のランプユニットにより形成された前記誘電体バリア放電ランプよりの光出射領域が重なる領域は、その少なくとも一部の領域において、他のランプユニットにより形成された前記誘電体バリア放電ランプよりの光出射領域が重なる領域と、相違しているのが良い。 【0021】更に、前記複数の誘電体バリア放電ランプは、それらの管軸方向同士が平行に伸びるように配置されているのが好ましい。 【0022】更に、前記複数の誘電体バリア放電ランプはいずれもその管軸方向が、前記ワークの搬送方向と、直交するのが好ましい。 【0023】又、前記ワークの搬送方向に対して、前記複数の誘電体バリア放電ランプの管軸の角度を変えることができるのが好ましい。 【0024】 【作用】短波長の真空紫外光によりワークの洗浄、表面改質を行う場合、酸素を必要とする一方、例えば波長172nm付近の光は酸素に吸収され易いため、大気中においてはランプにおける光取り出し部とワーク表面との距離が約3mm離れると照度は1/2乃至1/3に減衰してしまう。そしてこれ以上に距離が離れるなるとほとんどの光が到達しなくなる。ランプとワークとの距離を3mm以下にするのが好ましく、より好ましくは1mm以下である。光照射処理装置において、その照射領域の全幅を、比較的短尺の誘電体バリア放電ランプを2本以上用いて照射する場合、当該ランプの端部同士を突き合わせて一線上に配置する構成を考えることができる。しかしながら、上述のようにランプとワークとの距離が近接していると、比較的小さい範囲ではあるが、ランプの突き合わせ部分において配光が極端に落ち込んでしまう。このような問題に鑑み、突き合わせ部分における配光を上げるためにランプへの投入電力を大きくしたとしても、ランプとワークの被照射面とが近接しているために配光の改善に寄与されず、入力を増大した分ワーク面における照度(絶対値)の差が益々大きくなってしまう。又、照射時間を長くする場合も、効率が悪く、更には時間当たりの処理効率も低下して実用には不向きなものとなってしまう。 【0025】本発明によれば、ワークの搬送方向で、光出射領域が異なる複数の誘電体バリア放電ランプを用いて光照射処理装置の照射領域を形成すると共に、これら誘電体バリア放電ランプの光出射領域が重なる領域が少なくとも一部に形成されるので、光照射処理装置の照射領域の全幅よりもその全長が小さい誘電体バリア放電ランプを用いることができる。よって、生産性、機械的強度、及び、発光効率の何れも低下させることのない比較的短尺の誘電体バリア放電ランプを用いることができ、よって、大面積のワークを効率よく処理できて生産性の高い光照射処理装置を提供できる。 【0026】 【発明の実施の形態】図1は本発明の誘電体バリア放電ランプ(後段において「誘電体バリア放電ランプ」を単に「ランプ」ともいう。)を使った光処理装置の一実施形態の概略図である。同図において、この実施形態に係る光照射処理装置は、ランプユニットUの下方に、図示省略の搬送機構により搬送される液晶パネル基板等のワークWの被処理面に対し、前記誘電体バリア放電ランプからエキシマ光を照射して、該ワークWの処理を行う。無論このような機構に限定されることなく、ワークWを固定してランプユニットUを駆動させるものであってもよい。要は、エキシマ光が照射されるべくランプユニットUとワークWとが相対的に移動する機構を具備していればよい。 【0027】同図において、ランプユニットUは、ランプ管軸方向が平行に伸びる2本の誘電体バリア放電ランプ、により構成される。 【0028】前記誘電体バリア放電ランプは、例えば先に説明した図2の誘電体バリア放電ランプの構成に係り、再び図2を参照してこれを説明する。図2に示すように、誘電体バリア放電ランプ1は、全体形状が円筒状で、放電容器は誘電体バリア放電における誘電体壁であると共にエキシマ光を透過する石英ガラスよりなり、同軸に配置された内側管2と外側管3がその両端が閉塞されることにより、円筒形の放電空間4を形成して構成される。放電空間4には、例えばキセノンガスが適宜の圧力で封入される。また放電空間4には適宜のゲッタが配置される。 【0029】上記構成において具体的数値例を挙げると、ランプ1は有効発光長が700mm、外径が27mm、内側管2の外径が16mm、内側管2と外側管3の肉厚が1mmである。 【0030】外側管3における外周面上には外側電極5が設けられ、一方内側2管における内周面上に内側電極6が設けられて一対の電極が構成される。外側電極5は例えば光透過性を具備する網状電極よりなりシームレスに構成されて全体として伸縮性を具備している。内側電極6は例えば金属パイプ或いは断面がC字状の金属片により構成される。 【0031】外側電極5及び内部電極6には、放電容器の長手方向の一方の端部において、図示省略の給電用部材を介してリード線7が接続され、当該リード線7は前記一方の端部より外部に導出される。放電容器の端部にはホルダD、D’が装着される。リード線7が高周波電源8に接続され、該高周波電源8より上述の一対の電極5、6間に例えば、周波数が20kHzで8kVの電圧が印加される。前記放電空間4にエキシマ分子が形成され、エキシマ光が出射する。放電用ガスがキセノンである場合は、波長172nmの光が放射されるようになる。 【0032】図1を参照して本発明に係る光照射処理装置の構成について説明する。同図においてランプユニットUは上述したように、2本の誘電体バリア放電ランプにより構成され、同図に示すように第1の誘電体バリア放電ランプ1a、第2の誘電体バリア放電ランプ1bと称す。光照射処理装置内において、前記第1の誘電体バリア放電ランプ1aと前記第2の誘電体バリア放電ランプ1bは、管軸が平行関係を有すると共に、ワークの搬送方向(Y方向)でリード線導出側の一方の端部が交互に位置され、搬送されたワークW面と所定距離離間して、当該ワークW面と平行な面に配置される。 【0033】Y方向からみて、第1の誘電体バリア放電ランプ1a及び第2誘電体バリア放電ランプ1bは、それぞれ、X方向で相違する位置にP1、P2となるような光出射領域を形成し、これら光出射領域P1、P2により、光照射処理装置の処理領域Rが形成される。前記ランプよりの光出射領域P1、P2は、前記光照射処理装置の処理領域R内において、領域Qにおいて重なっており、従って、ワークWが搬送されると、当該領域Qにおいては、当該ワークW表面には第1のランプからの出射光と第2のランプからの出射光が照射されるようになる。これにより、処理領域R内において、ワークWが、配光の低下するランプ端部や当該ランプに装着されたホルダD’の下方を通過しても、当該ワークWの搬送が搬送されたときには、処理領域R内における積算光量は、一のランプによる出射光の配光の低下分が他のランプよりの出射光が照射されることにより賄われるため部分的に低下するようなことがなくなる。ここで、ワークを1回の搬送したときに得られる一の誘電体バリア放電ランプの出射光よりの積算光量を100%としたとき、上記光出射領域P1、P2が重なる領域Qにおける積算光量を相対値で約90%以上とすると、従来の光照射処理装置に比して一の誘電体バリア放電ランプの有効発光長、つまり相対照度90%以上の領域が伸びたこととになるので、大面積のワークであっても処理に掛かる所要時間は従来の小面積ワークを処理する所要時間と同程度で済むようになる。よって、非常に効率のよい大面積のワーク用の光照射処理装置を提供できるようになる。 【0034】ここで具体的数値例を挙げると、上記図2の構成に係る誘電体バリア放電ランプを用いて、面積が1000×1200mmのワークWを短辺方向に走査し、処理可能な光処理装置とするには、θ=90°の場合、当該光照射処理装置における処理領域Rが1240mm、第1のランプの光出射領域P1が700mm、第2のランプの光出射領域P2が700mmである。そして、処理領域R内において各ランプよりの光出射領域が重なる領域Qは160mmである。 【0035】上記実施形態に係る光照射処理装置によれば、ワークの搬送方向からみて、処理領域内で光出射領域が異なる第1及び第2のランプを、各々ランプよりの光出射領域がその少なくとも一部において重なるように配置したので、ワークが大面積であっても比較的短い時間で当該ワークの全域を確実に処理することができる。なお、搭載される誘電体バリア放電ランプ本体においては、生産性、機械的強度、発光効率等において優位点を有する比較的短尺のものを採用できるので、製作が容易であって信頼性の高い、処理効率の高い、光照射処理装置とすることができる。 【0036】なお、上記実施形態において、第1、第2の誘電体バリア放電ランプの一方の端部よりリード線を導出させると共に、当該一方の端部が処理領域Rの外方に位置されるように、当該第1、第2の誘電体バリア放電ランプを配置すると、リード線の引き回しが容易になるので好適である。また、リード線に直接光が当たり、被覆が劣化するのを防止するための遮光板を設けることが容易になる。 【0037】図3は、本発明に係る光照射処理装置に搭載されるランプユニットの形態を説明する図であり、図1に示したものと同様の構成要素については同じ符号を付してある。誘電体バリア放電ランプに、リード線の導出側端部(C)とは反対側の端部(C’)において、ホルダが装着されてないこと以外は、先に示した図1の実施形態に係るランプユニットと同様の構成を有している。 【0038】この形態に係るランプユニットUによれば、第1の誘電体バリア放電ランプ1aと第2の誘電体バリア放電ランプ1bとをホルダの外周分管軸を近接して配置することができるので、1組のランプユニットが占有するY方向の幅Hを小さくすることができる。光照射処理装置にこの実施形態に係るランプユニットを搭載することにより、ワークの搬送距離を短くでき、当該装置の小型化を達成できる。 【0039】続いて、図4は、他の実施形態に係る光照射処理装置の実施形態を説明するための図で、図1に示したものと同様の構成要素については同じ符号を付してある。同図において、光照射処理装置には、ランプユニットU1、U2が搭載される。ランプユニットU1、U2は何れも、2本の誘電体バリア放電ランプにより構成されており、個々のランプユニットU1、U2に係る構成は、先に示した図1の実施形態に係るランプユニットと同様の構成を有している。ランプユニットU1はこれを構成する2本の誘電他バリア放電ランプにより、光出射領域が重なる領域Q1を、ランプユニットU2はこれを構成する2本の誘電他バリア放電ランプにより、光出射領域が重なる領域Q2を、それぞれ光照射処理装置の処理領域R内に形成している。 【0040】光照射処理装置における照射領域Rにおいて、この光出射領域の重なる領域Q1、Q2は、Y方向からみると、X方向で異なった位置に形成されている。このように、複数のランプユニットが搭載された光照射処理装置において、各ランプユニットが形成する光出射領域が重なる領域(Q)を、X方向で配分することにより、前記処理領域内で積算光量の均一化を図ることができるようになる。 【0041】なお、上記実施形態に係る装置において、各ランプユニットにおける光出射領域が重なる領域(Q)をX方向で配分する手段としては、上記実施形態のように誘電体バリア放電ランプの全長を適宜に変えてランプユニットを構成することによるほか、例えば、同じ仕様のランプユニットを用いる場合は、光出射領域が重なる領域(Q)がX方向で配分されるようにランプユニットをX方向に移動させて、装置に搭載すればよい。なお、この実施形態において、ランプユニットを前記ワークの搬送方向からみたときに、一のランプユニットにより形成された前記誘電体バリア放電ランプよりの光出射領域が重なる領域は、その少なくとも一部の領域において、他のランプユニットにより形成された光出射領域が重なる領域と相違していれば、積算光量の均一化に対して効果を有するものである。 【0042】図5は、更に他の実施形態に係る光照射処理装置の説明図で、図1に示したものと同様の構成要素については同じ符号を付してある。同図において、誘電体バリア放電ランプ1a、1b、1c、1dは、ランプの管軸が平行関係を有すると共にY方向からみて隣接するランプ同士間に光出射領域の重なる領域Q1、Q2、Q3が形成されるように配置されている。これらランプ1a、1b、1c、1dの各々におけるリード線導出側の一方の端部CにはホルダDが装着されている。 【0043】前記ホルダDは、図示省略のランプ保持用部材により保持され、図示省略の操作機構により前記保持用部材を介して、ホルダを支点としてY方向(ワークの搬送方向)に対してランプ(1a、1b、1c、1d)管軸の角度を変更できるようになっている。Y方向とランプ管軸方向とのなす角θ’の大きさは0°<θ’≦90°の範囲であり、上述の操作機構等により、ワークWのX方向の幅Sに合わせて、ランプ(1a、1b、1c、1d)よりの処理領域Rを所望に変更することが可能となっている。 【0044】上記実施形態に係る光照射処理装置によれば、ワークの搬送が搬送されると、一のランプからの出射光が当該一のランプ端部近傍において低下していても、このランプに隣接する他のランプよりの出射光が、ワークにおける前記一のランプの端部近傍を照射するので、ワークの搬送が終了したときには積算光量が部分的に低下するような部分が形成されなくなる。よって、大面積のワークであっても従来と同程度の所要時間で所定の処理を完遂させることができるようになる。 【0045】ランプを保持してワークの搬送方向に対してそのランプの管軸の向きを変えることができるので、ワークの幅Sに合わせてランプよりの処理領域Rを適宜変えることができるので、種々の幅のワークWを効率よく処理できる光照射処理装置を提供できるようになる。なお、ワークWの搬送方向とランプ管軸方向とのなす角θ’の角度が小さいほどランプの下方を通過する時間が長くなり、処理能力は向上するようになる。 【0046】なお、この実施形態のように、各ランプにおけるリード線の導出側端部を、ランプの管軸方向で同方向に配置しておくと、ランプの保持及びリード線の取り出しが簡単になり好適である。 【0047】以上、本願発明に係る実施形態を説明したが、本願発明は上記構成に限定されることなく適宜変更が可能である。例えば、誘電体バリア放電ランプに係る構成について上記は一例であって、ランプの放電容器が外側管と内側管を有する形態に以外に適宜変更可能であるのは言うまでもない。なお、上記実施形態において、前述のランプユニットは、光出射領域の異なる2以上の誘電体バリア放電ランプが、光照射処理装置における処理領域内において光出射領域の少なくとも一部が重なるように配置されて、構成されていればよく、ランプユニットごとに誘電体バリア放電ランプを区分する必要はない。無論、ランプユニット毎で誘電体バリア放電ランプを区分するよう構成しても良い。また更に、本発明に係る光照射処理装置において、上述の構成を備えたランプユニットを複数用意し、ワークの搬送方向から該複数のランプユニットをみたときに、一のランプユニットにより形成される光出射領域が少なくとも1つの他のランプユニットにより形成される光出射領域と相違するように、かつ、その少なくとも一部領域において重なるようにこれらを配置すれば、更に処理領域の大きな光照射処理装置とすることができる。 【0048】 【発明の効果】本発明によれば、ワークの搬送方向で各ランプよりの光出射領域が重なるようにして、複数の誘電体バリア放電ランプを配置して、該ランプと該ワークとを相対的に移動させるようにしたので、ワークWの全域で部分的に積算光量が低下するような部分が形成されないので、効率よくワークの処理を行うことができる。従って、大面積のワークであっても、従来と同程度の所要時間で所定の処理を完遂させることができるようになる。また、ワークの幅よりもその全長が小さい誘電体バリア放電ランプを用いることができランプ本体の生産性、機械的強度、及び、発光効率に優れ、従って、生産性が良くて処理効率が高い光照射処理装置を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000102212 【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年2月21日(2001.2.21) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−245807(P2002−245807A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月30日(2002.8.30) |
| 【出願番号】 |
特願2001−44918(P2001−44918) |
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