| 【発明の名称】 |
灯 具 |
| 【発明者】 |
【氏名】芹澤 由紀夫
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| 【要約】 |
【課題】灯具ボディにレンズを装着する際の傷の発生を防止し、かつ外観上の見栄え低下を防止して低コスト化を実現した灯具を提供する。
【解決手段】灯具ボディ1の前面開口の前端部P1から係合穴16の前端部P2までの長さをL1、レンズ2を装着したときの灯具ボディ1の前面開口の前端部P3からレンズ2の周縁リブの先端部P4までの長さをL2としたときに、L1>L2の関係を満たす構成とする。レンズ2を灯具ボディ1に装着する際に、ランス片22のランス23を灯具ボディ1の一側面の端部よりも内側に挿入位置させた状態からレンズ2の装着を開始することが可能となり、ランス23と灯具ボディ1の前端部P1との干渉が防止され、灯具ボディ内面に形成された膜の傷や膜剥がれが防止でき、灯具の外観上の見栄えの低下が防止できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 灯室内に光源を配置した灯具ボディと、前記灯具ボディの前方から当該灯具ボディの前面開口に取着されて前記灯室を構成するレンズとを備える灯具において、前記灯具ボディは、前記前面開口の一側面部に設けられたボディ側係合凹部と、これと対向する他側面部に設けられたボディ側係合突部を備え、前記レンズは、前記灯具ボディの前記ボディ側係合凹部に係合するレンズ側係合突部を有する係合突部片と、前記ボディ側係合突部に係合するレンズ側係合凹部を有する係合凹部片とを備え、前記灯具ボディの前記一側面部の前端部から前記ボディ側係合凹部の前端部までの長さをL1とし、前記レンズが前記灯具ボディに取着された状態のときの前記灯具ボディの前記他側面部の前端部から前記係合凹部片の先端部までの長さをL2としたときに、L1>L2の関係を満たすことを特徴とする灯具。 【請求項2】 前記ボディ側係合凹部は前記灯具ボディの上面部に設けられ、前記ボディ側係合突部は前記灯具ボディの下面部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の灯具。 【請求項3】 前記灯具ボディの下面部に設けられた前記ボディ側係合突部は、前記灯具ボディの上面部の前端部よりも灯具の前方に延長形成されていることを特徴とする請求項2に記載の灯具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は灯具ボディとレンズとで構成される灯具に関し、特に灯具ボディにレンズを組み付ける際に灯具ボディに傷を付けることを防止した灯具に関する。 【0002】 【従来の技術】灯具ボディの前面開口にレンズを装着して灯室を構成する灯具、例えば、自動車等の車両用灯具の一例を図5(a)に示す。同図において、灯具ボディ101は前面を開口した容器状に形成されており、その前面開口にはレンズ102が装着されて灯室が形成されている。また、前記灯具ボディ101の背面に設けたソケット取付穴111には、バルブ(電球)104を支持した電球ソケット105が着脱可能に取り付けられており、前記バルブ104は前記灯室内に配置される。前記レンズ102を前記灯具ボディ101に装着するための構造として、ランス構造が採用されている。このランス構造は、前記灯具ボディ101の前面開口の周縁の複数箇所、特に上縁部と下縁部のそれぞれに係合穴、あるいは係合凹部(以下、係合穴とする)112を形成する一方、前記レンズ102の周縁に沿って突設された周縁リブ121にはランス片122を後方に向けて突出形成し、このランス片122に前記係合穴112に係合するランス123を形成する。そして、前記レンズ102の周縁リブ121を、灯具ボディ101の前面開口の周縁部113に当接させた状態で、レンズ102を灯具ボディ101側に押圧することにより、ランス片122を内方に弾性変形させて各ランス123をそれぞれ対応する係合穴112に係合させ、この係合力によってレンズ102を灯具ボディ101に支持させている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような従来の灯具では、ランス123と係合穴112との係合を可能とするために、ランス123は外側面が灯具ボディ101の前面開口の周縁部113の内面によりも外側に突出した構成としている。そのため、同図に鎖線で示すように、レンズ102を装着する際にランス123の外側面が灯具ボディ101の前面開口の周縁部113の内面に接触され、かつレンズ102を装着する際の押し込みによって両者が干渉し、当該周縁部113の内面に形成した蒸着膜、あるいは塗布膜等の表面装飾膜に磨耗による傷が発生し、あるいは膜剥がれが生じることになる。このような傷や膜剥がれは、レンズを装着した状態では、レンズの周縁に沿って外部に露呈されてしまうため、灯具の外観上の見栄えを低下させる要因になる。 【0004】このような問題を解消するために、従来では、図5(b)のように、灯具ボディ101の前面開口の周縁部に内側に向けて突出するランス114を形成し、一方、レンズ102の周縁リブ121に係合穴124を形成する構造が考えられた。この構造では、レンズ102を装着する際に、レンズ102の周縁リブ121の外側面とランス114とが接触してレンズ102の周縁リブ121に傷が発生するが、当該周縁リブ121は灯具ボディ1の内部に内挿された状態で組み立てられるため、当該傷によって灯具の外観上の見栄えが低下するようなことはない。しかしながら、この構造では、灯具ボディ101を樹脂成形する際にランス114の突出部分にアンダーカットが発生し、樹脂成形後に成形金型からの離型を実現するためには成形金型にスライダが必要となって成形金型が複雑化し、灯具が高コストになる要因になる。 【0005】本発明の目的は、成形金型を複雑化することなく、レンズ装着時における傷の発生を防止し、かつ外観上の見栄え低下を防止して低コスト化を実現した灯具を提供するものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、灯室内に光源を配置した灯具ボディと、前記灯具ボディの前方から当該灯具ボディの前面開口に取着されて前記灯室を構成するレンズとを備える灯具において、前記灯具ボディは、前記前面開口の一側面部に設けられたボディ側係合凹部と、これと対向する他側面部に設けられたボディ側係合突部を備え、前記レンズは、前記灯具ボディの前記ボディ側係合凹部に係合するレンズ側係合突部を有する係合突部片と、前記ボディ側係合突部に係合するレンズ側係合凹部を有する係合凹部片とを備え、前記灯具ボディの前記一側面部の前端部から前記ボディ側係合凹部の前端部までの長さをL1とし、前記レンズが前記灯具ボディに取着された状態のときの前記灯具ボディの前記他側面部の前端部から前記係合凹部片の先端部までの長さをL2としたときに、L1>L2の関係を満たすことを特徴特徴とする。 【0007】本発明において、前記ボディ側係合凹部は前記灯具ボディの上面部に設けられ、前記ボディ側係合突部は灯具ボディの下面部に設けられていることが好ましい。また、この場合、灯具ボディの下面部に設けられたボディ側係合突部は、灯具ボディの上面部の前端部よりも灯具の前方に延長形成されていることが好ましい。 【0008】本発明によれば、レンズを灯具ボディに装着する際に、係合突部片のレンズ側係合突部を灯具ボディの一側面部の前端部よりも内側に挿入位置させた状態からレンズの装着を開始することが可能となり、当該レンズ側係合突部と灯具ボディの当該端部との干渉が防止され、灯具ボディの前端部における傷や膜剥がれが防止でき、灯具の外観上の見栄えが低下することが防止できる。また、灯具ボディには一方の側面部にのみボディ側係合突部が形成され、かつ当該ボディ側係合突部が設けられる側面部は他方の側面部よりも前方位置に延長形成されることにより、成形及び離型が容易になり、灯具ボディを成形するための成形金型を簡易化し、低コスト化が実現できる。 【0009】 【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明を自動車のテールランプに適用した実施形態の部分分解斜視図、図2はその組立状態の縦断面図である。これらの図において、テールランプTLは、内部に灯室を形成すべく前面開口1aを有する容器状をした灯具ボディ1と、この灯具ボディ1の前面開口1aに取着されるインナーレンズ2と、前記インナーレンズ2のさらに前側において前記灯具ボディ1に取着されるアウターレンズ3とを備える。また、前記灯具ボディ1の背面部15にはソケット取付穴11が開口されており、バルブ4を支持した電球ソケット5が前記ソケット取付穴11に着脱可能に取り付けられている。 【0010】前記灯具ボディ1は、上面部12と下面部13は水平方向に平行な平坦面として形成されるとともに、前記下面部13の下面前縁部13aは前記上面部12の上面前縁部12aよりも前方に突出位置されており、その上で前記灯具ボディ1の前面開口1aの周縁に沿って外方に突出されたフランジ14が形成されている。また、前記灯具ボディ1の背面部15は前記バルブ4を焦点とする回転放物面形状に形成されている。そして、前記灯具ボディ1の灯室を形成している内面1bないし前記フランジ14の表面14aにはアルミニウムが蒸着あるいは塗布されており、前記背面部15の内面15aは光反射面として形成され、前記フランジ14の表面14aは装飾面として形成されている。さらに、前記灯具ボディ1の前記上面前縁部12aの水平方向の左右2箇所には、前記灯具ボディ1の板厚方向に貫通した矩形をした係合穴16が開口されている。他方、前記下面前縁部13aには開口縁に沿って段状をした内面凹部13bが設けられており、この内面凹部13bの内面の水平方向の左右2箇所には、前方に向けて楔状をした係合ランス17が上方に突出した状態で一体に形成されている。なお、この係合ランス17は、前記上面前縁部12aよりも灯具ボディ1の前方に突出された位置に形成されており、したがって、灯具ボディ1を樹脂成形する際には成形金型にスライダを設けることなく灯具ボディ1の成形、離型が可能となる。 【0011】前記アウターレンズ3は、正面レンズ部30が前記灯具ボディ1の前面開口1aに沿って幾分湾曲した白色透明な樹脂、あるいは若干赤味がかった透明な樹脂で形成されており、前記灯具ボディ1の前面開口1aを覆うように取着され、かつ当該正面レンズ部30の裏面側の周縁部に設けた脚部31において、前記灯具ボディ1の前面開口1aの周縁に沿って設けられている前記フランジ14の表面に溶着により一体的に取着されている。 【0012】また、前記インナーレンズ2は、図には表れない所要のレンズステップが形成された赤色の樹脂で形成された正面レンズ部20を備えており、前記灯具ボディ1の前面開口1aを覆うように前記係合穴16及び係合ランス17によって取着されている。すなわち、前記正面レンズ部20は前記灯具ボディ1の前面開口1aに対応した形状に形成されており、この正面レンズ部20の裏面には周縁部20aに沿って周縁リブ21が後方に向けて突出形成されている。そして、前記周縁リブ21の上縁部21aには、前記灯具ボディ1の前記係合穴16に対向する位置にそれぞれランス片22が後方に向けて突出形成され、このランス片22の上面には先端方向に向けて楔状をしたランス23が一体に突出形成されている。また、ここでは前記ランス片22の厚さ方向の弾性変形を容易にするために、ランス片22の両側に沿って前記周縁リブ21の上縁部21aにスリット24が切り欠き形成されている。前記周縁リブ21の下縁部21bには、前記灯具ボディ1の前記係合ランス17にそれぞれ対向する位置に矩形の係合穴25が開口されている。そのため、前記係合穴25が開口されている前記周縁リブ21の下縁部21bの各領域は、それぞれ係合穴25を有する係合片として機能することになる。なお、前記インナーレンズ2に前記した周縁リブ21の後方への長さが短い場合には、周縁リブ21から後方に突出する係合片を形成し、その係合片に前記係合穴25を形成するようにしてもよい。 【0013】ここで、図3に要部を拡大図示するように、前記インナーレンズ2の周辺リブ21が灯具ボディ1の前面開口1aの内側に沿って内挿された状態では、インナーレンズ2の正面レンズ部20の周縁部20aは灯具ボディ1の前面開口1aの周縁に沿って装着されるものとする。このとき、前記灯具ボディ1の上面前縁部12aの前端部P1から前記インナーレンズ2に設けたランス片22のランス23に係合される係合穴16の前端部P2までの長さをL1とし、前記インナーレンズ2を灯具ボディ1に装着した際に、下面前縁部13aの前端部P3から前記インナーレンズ2の周縁リブ21の下縁部21bのレンズ後方を向いた先端部P4までの長さをL2としたときに、L1>L2の関係式を満たすように長さL1,L2が設計されている。 【0014】このように形成されたインナーレンズ2を灯具ボディ1に取着する際には、図4(a)のように、先ず、インナーレンズ2の周縁リブ21の上縁部21aのランス片22を灯具ボディ1の上面前縁部12aの内面に沿って挿入する。このとき、前記したL1>L2の関係により、ランス23を上面前縁部12aの前端部P1よりも内方に接触させてインナーレンズ2の装着を開始しても、その際に周縁リブ21の下縁部21bが灯具ボディ1の下面前縁部13aの前端部P3に当接することはない。したがって、ランス23が上面前縁部12aの前端部P1を越えた内方位置まで挿入された状態からインナーレンズ2の装着を開始することが可能になる。そのため、続いて図4(b)のように、インナーレンズ2を灯具ボディ1の内方に向けて真っ直ぐに押圧すると、周縁リブ21の下縁部21bは灯具ボディ1の下面前縁部13aの内面に沿って挿入され、インナーレンズ2を所要量だけ挿入した時点で、上縁部21aではランス23が灯具ボディ1の係合穴16に係合され、かつほぼ同時に下縁部21bでは係合穴25は灯具ボディ1の係合ランス17に係合され、図2に示したようにインナーレンズ2が灯具ボディ1に取着されることになる。 【0015】したがって、灯具ボディ1の上面前縁部12aの前端部P1の内面がインナーレンズ2の周辺リブ21の上縁部21aに設けたランス23と干渉し、当該前端部P1近傍の装飾面ないし反射面を構成するアルミニウム膜に傷が発生し、あるいは膜剥がれが生じることが防止される。これにより、灯具ボディ1の上面前縁部12aの前端部P1がインナーレンズ2の正面レンズ部20の周囲に沿ってアウターレンズ3を透して外部に露見される場合でも、アルミニウム膜の傷や膜剥がれによる外観上の見栄えが低下することはない。なお、前記したインナーレンズ2の装着に際しては、灯具ボディ1の上面前縁部12aの前端部P1よりも内側の領域においては、ランス23が上面前縁部12aの内面に接触する状態が生じるが、前端部P1におけるような角部での接触ではないため、傷や膜剥がれが生じることは少ない。なお、仮に傷や膜剥がれが生じた場合でも、この領域はインナーレンズ2を取着した状態ではインナーレンズ2の周縁リブ21によって覆い隠されるため、外部に露見されることはない。また、インナーレンズ2の周縁リブ21の下縁部21bを灯具ボディ1の下面前縁部13aに沿って挿入する際には、当該下縁部21bが下面前縁部13aの前端部P3に当接する状態が生じることがあるが、下縁部21bにはランスが設けられていないため、下面前縁部13aの前端部P3やその近傍の灯具ボディ1の内面1bのアルミニウム膜に傷や膜剥がれが生じることはない。 【0016】ここで、前記実施形態では、灯具ボディ1の上面前縁部12aに係合穴16を設け、またインナーレンズ2の周縁リブ21の下縁部21bに係合穴25を設けているが、これらの係合穴16,25はランスに係合するものであれば、板厚方向に貫通することがない凹部として形成することも可能である。また、前記実施形態では、灯具ボディ1の上面前縁部12aに係合穴16を設け、下面前縁部13aに係合ランス17を形成しているが、これは自動車用の灯具の場合には、下面前縁部13aが前方に延長形成されることが多く、しかも灯具の斜め上方から灯具を観察することになるため、灯具ボディ1の上面前縁部12aの前端部P1における傷や膜剥がれを防止するために構成したものである。したがって、灯具が配置される場所や状態によって灯具ボディの形状が異なる場合、あるいは灯具ボディが観察される形態が異なる場合には、最も傷や膜剥がれを防止することが好ましい状態に応じて係合穴や係合ランスの位置を変更することが可能である。 【0017】また、前記実施形態は、本発明を車両用灯具に適用した例を示しているが、車両用以外の灯具においても本発明を同様に適用できることは言うまでもない。また、本発明は前記実施形態のように、インナーレンズを灯具ボディに取着するための構造に限られるものではなく、アウターレンズを灯具ボディに取着するための構造としても適用可能である。 【0018】 【発明の効果】以上説明したように本発明は、灯具ボディの一側面部の前端部からレンズに設けられたレンズ側係合突部に係合されるボディ側係合凹部までの長さをL1とし、前記レンズが前記灯具ボディに取着された状態のときの前記灯具ボディの前記他側面部の前端部から前記係合凹部片の先端までの長さをL2としたときに、L1>L2の関係を満たす構成としているので、レンズを灯具ボディに装着する際に、係合突部片のレンズ側係合突起を灯具ボディの一側面部の前端部よりも内側に挿入位置させた状態からレンズの装着を開始することが可能となり、これによりレンズ側係合突部と灯具ボディの当該端部との干渉が防止され、当該前端部における傷や膜剥がれが防止でき、灯具の外観上の見栄えの低下が防止できる。 【0019】また、本発明において、灯具ボディには一方の側面部にのみボディ側係合突部が形成され、かつ当該ボディ側係合突部が設けられる側面部は他方の側面部よりも前方位置に延長形成される構成とすることにより、灯具ボディを成形する際の成形及び離型が容易になり、成形金型を簡易化し、低コスト化が実現できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001133 【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
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| 【出願日】 |
平成13年2月5日(2001.2.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081433 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 章夫
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| 【公開番号】 |
特開2002−231017(P2002−231017A) |
| 【公開日】 |
平成14年8月16日(2002.8.16) |
| 【出願番号】 |
特願2001−27814(P2001−27814) |
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