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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】酒井 悟

【要約】 【課題】夜間等のインナーレンズに入射する外光が少ない場合においては、塗装膜の色が観察されずに塗装膜を見せることによる統一的な外観デザインの印象に乏しいものであった。そこで、新規な印象を与える発光面を備えた車両用灯具を提供する。

【解決手段】複数の灯室を備えたハウジング1と灯室内に配設する主光源3と、光源を覆いハウジングの開放された側に取付けたレンズカバー2とレンズカバーの背面側に配設されたインナーレンズ35とを備え、上記インナーレンズには透光部と上記主光源とは異なる光源を発光源とする発光部とを備えており、上記主光源が非点灯の際に主光源の点灯状態における灯具の照度にくらべて暗い照度となる明るさで上記発光部が点灯するようにした車両用複合灯具を提供し、インナーレンズ発光部による発光色で全体の統一的外観デザインを与える車両用灯具が得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジングと、ハウジング内に配設する主光源と、光源を覆いハウジングの開放された側に取付けたレンズカバーと、レンズカバーの背面側に配設されたインナーレンズと、を備える車両用灯具において、上記インナーレンズは透光部と、上記主光源とは異なる光源を発光源とする発光部とを備えている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】 上記発光部が面状発光素子光源である、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】 上記面状発光素子光源が直流駆動もしくはパルス駆動により点灯する有機EL素子光源である、ことを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】 上記発光部がインナーレンズ側方に設けた補助光源からの光を反射および/または屈折して放射する光出射面である、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項5】 上記インナーレンズの主光源側表面には透光部と発光部がストライプ状に交互に複数配設されており、レンズカバー側表面にはインナーレンズを経て上記発光部に到達する外光量を低減させるレンズ素子が配設されている、ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の車両用灯具。
【請求項6】複数の灯室を備えたハウジングと、灯室内に配設する主光源と、光源を覆いハウジングの開放された側に取付けたレンズカバーと、レンズカバーの背面側に配設されたインナーレンズと、を備える車両用複合灯具において、上記ハウジングは並設する2つの灯室を備え、各灯室内に主光源を有しており主光源から発せられインナーレンズに到達する光が、両灯室で異なる色を呈しており、上記レンズカバーおよびインナーレンズは、少なくとも上記した並設する灯室を覆い、上記インナーレンズには、透光部と、上記主光源とは異なる光源を発光源とする発光部とを備えており、上記主光源が非点灯の際に、主光源の点灯状態における灯具の照度に比べて暗い照度で上記発光部が点灯する、ことを特徴とする車両用複合灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車等の灯具に関するもので、詳細には尾灯、制動灯、方向指示灯、後退灯、これらの灯具が複合されたリアコンビネーションランプ、サイドマーカーランプなどの車両用灯具に係るもので、特に点灯時と非点灯時において異なった色感を与える車両用灯具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような車両用灯具は例えば図8〜図10に示すリアコンビネーションランプのように構成され、自動車の車体に取り付けて使用される。
【0003】図8および図9において、リアコンビネーションランプ90は図示しない自動車の車体後方に、開放した前面が車体後方を向くように取り付けられるハウジング91と、ハウジング91の開放した前面を覆うレンズカバー92と、各灯室90a,90b,90c内の各々に配設した光源93と、該光源に焦点を有する反射鏡94と、レンズカバー92と光源93との間に配設されたインナーレンズ95とから構成されている。
【0004】上記ハウジング91は、方向指示灯部90a、尾灯/制動灯部90bおよび後退灯部90cの3つの灯室を備えるように隔壁により区分され、前面が開放した略函状に形成されており、例えば、ABS樹脂により一体に成形されている。上記レンズカバー92および/またはインナーレンズ95は、光源93および反射鏡94からの光を所定の配向特性を満足するように拡散するレンズカットが設けられている。レンズカバー92は、ハウジング91の開放した前面に接着して灯室を気密的に固定する。また、インナーレンズ95はレンズカバー92の背面に配設され、区分した各灯室90a,90b,90cに対応して各々がアンバー色、赤色、白色の異なる色の材料からなり、例えばアクリル樹脂を用いて多色成形する等の手段により形成されている。上記光源93としては白熱電球が採用され、反射鏡94の中央部に設けた図示しない開口部に反射鏡94の背面側から挿入して固定する。上記反射鏡94は例えば光源93に焦点を有する回転放物面を備え、光源93から放射された光を平行光として反射してレンズカバー92を通して車体後方を照らす。
【0005】また、インナーレンズ95には図10に示すように照射方向側、すなわちレンズカバー92側には水平方向にストライプ状に設けた透過部96および非透過部97が交互に整列され、非透過部97には例えば車体色とした塗装膜97aで被覆処理がなされている。インナーレンズ95の光源側の透過部96に対応する位置には透過部96と同軸にレンズカット98が形成されている。レンズカットは透過部96に対応する位置に形成された垂直方向の断面を凸形状とした半円柱状の凸状カット、いわゆるフルートカットがストライプ状に形成され、インナーレンズ95に入射した光源光Lが透過部96とほぼ同一径に収束してインナーレンズに入射した光を効率よく照射方向側に射出可能なものとしている。
【0006】このような構成のリアコンビネーションランプ90によれば、各灯室90a,90b,90c内の各光源93が点灯することにより、灯室90aにおいてはアンバー色光を照射して方向指示灯として作用し、灯室90bにおいては赤色光を照射して尾灯/制動灯として作用し、灯室90cにおいては白色光を照射して後退灯として作用する。また、インナーレンズ95に区分した各灯室90a,90b,90cに対応する着色を付し、レンズカバー92に着色を施さないものとした場合には、昼間の非点灯時においては上記塗装膜97aの色が観視され、塗装膜97aを例えば車体色とした場合にはリアコンビネーションランプ90が車体色で覆われている印象を与えるものとなり、観視者に統一感を与えるものとなる。このような透過部と非透過部を設けた灯具は、例えば本願出願人による実登2522999号、実登2553539号などに記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した塗装膜を設けたインナーレンズを用いた灯具においては、塗装膜の色は昼間のような外光が入射する状態でなければ観視されないため、夜間等のインナーレンズに入射する外光が少ない場合においては統一的な印象に欠けるものであった。また、上記した理由から、いずれの灯具の発光面も類似の印象を与えるものとなっており、新規な印象を与える発光面を備えた車両用の信号灯具が要望されている。
【0008】本発明は、以上の点から、インナーレンズに発光部を備えた新規な印象を与える車両用灯具を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明の態様によれば、(1)ハウジングと、ハウジング内に配設する主光源と、光源を覆いハウジングの開放された側に取付けたレンズカバーとレンズカバーの背面側に配設されたインナーレンズとを備える車両用灯具において、上記インナーレンズは透光部と、上記主光源とは異なる光源を発光源とする発光部とを備えていることを特徴とする車両用灯具、により達成される。
【0010】この態様では、インナーレンズからも発光する車両用灯具を提供することができ、新規な印象を与えることができ得る。
【0011】また、上記目的は、本発明の他の態様によっても達成される。すなわち(2)上記発光部が面状発光素子光源であることを特徴とする(1)に記載の車両用灯具。この態様によれば、面状発光素子光源発光部を備えたインナーレンズを提供でき、インナーレンズ表面を効果的に発光部させることができ得る。(3)上記面状発光素子光源が直流駆動もしくはパルス駆動により点灯する有機EL素子光源であることを特徴とする(2)に記載の車両用灯具。この態様によれば、さらに、車両の電源を用いてインナーレンズ発光部を点灯でき、その際に交流駆動用のインバータ等を用いる場合に比べて格段に低ノイズにて制御することができ得る。
【0012】また、上記目的は、以下の態様によっても達成される。(4)上記発光部がインナーレンズ側方に設けた補助光源からの光を反射および/または屈折して放射する光出射面であることを特徴とする(1)に記載の車両用複合灯具。この態様によればインナーレンズ表面に自発光素子光源を設けることなく発光部を得ることができるので、車両用灯具を観視した際に予想外の箇所が光るものとなり斬新な印象を与えることができ得る。
【0013】また、(5)上記インナーレンズの主光源側表面には透光部と発光部がストライプ状に交互に複数配設されており、レンズカバー側表面にはインナーレンズを経て上記発光部に到達する外光量を低減させるレンズ素子が配設されていることを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の車両用灯具、によっても上記した目的は達成される。この態様によれば、外部から車両用灯具を観察した際にレンズ素子により発光部を直接に視認しにくくなるので発光部の存在感が薄れ、存在をあまり感じない箇所が発光するものとなり斬新な印象を与える車両用灯具を提供でき得る。
【0014】さらに、上記目的は、(6)複数の灯室を備えたハウジングと、灯室内に配設する主光源と、光源を覆いハウジングの開放された側に取付けたレンズカバーと、レンズカバーの背面側に配設されたインナーレンズと、を備える車両用複合灯具において、上記ハウジングは並設する2つの灯室を備え、各灯室内に主光源を有しており主光源から発せられインナーレンズに到達する光が両灯室で異なる色を呈しており、上記レンズカバーおよびインナーレンズは少なくとも上記した並設する灯室を覆い、上記インナーレンズには透光部と上記主光源とは異なる光源を発光源とする発光部とを備えており、上記主光源が非点灯の際に主光源の点灯状態における灯具の照度に比べて暗い照度で上記発光部が点灯する、ことを特徴とする車両用複合灯具、によっても達成される。この態様によれば、主光源の点灯時においては所定の車両用灯具として作用し、主光源の非点灯時においては、発光部により統一的な外観の印象を与え、夜間においても全体の統一感を損なわないリアコンビネーションランプ等の車両用複合灯具を提供でき得る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態を図1から図7を参照しながら、詳細に説明する。
【0016】本発明による車両用灯具の一例として、リアコンビネーションランプに適用した場合の一実施形態について説明する。図1において、リアコンビネーションランプ10は、所定の規格を具備するようにレンズカットが施されたレンズカバー2と、方向指示灯部10a、尾灯/制動灯部10bおよび後退灯部10cの3つの灯室を備えるように隔壁により区分され開放した前面に上記レンズカバー2が取り付けられた略函状のハウジング1と、上記した3つの灯室内の各々に配設した光源と、該光源に焦点を有する反射鏡4と、レンズカバー2と光源との間に配設されたインナーレンズ5とから構成されている。また、方向指示灯部10aに対応する光源はアンバー色フィルターが被覆されたアンバー光源3Aとされ、尾灯/制動灯部10bに対応する光源は赤色フィルターが被覆された赤色光源3Rとされ、後退灯部10cに対応する光源は白色を発する白色光源3Wとされている。
【0017】ハウジング1はABS樹脂等により形成され、隔壁により区分され3つの灯室を備えている。各灯室内には、例えば回転放物面もしくは複数の反射領域からなる複合反射面からなる反射鏡4と該反射鏡4の焦点の近傍にフィラメントが位置する光源3(3A,3R,3W)が夫々配設され、光源3から発せられた光をほぼ平行光として前方に照射するものとしている。なお、ハウジング1の内面に反射面を形成して反射鏡4とハウジング1を一体のものにしても良い。ハウジング1の開放した前面の周囲には、インナーレンズ5およびレンズカバー2を固定するための取付け溝1aが形成され、該溝内においてインナーレンズ5およびレンズカバー2を溶着、接着等の手段により固定する。本発明実施形態においてはレンズカバー2は透明なアクリル樹脂からなり、その内面のインナーレンズ5側表面には所望の配向特性を満足するように図示しないレンズカットが形成されている。
【0018】以上の構成は、従来のリアコンビネーションランプとほぼ同様の構成であるが、本発明実施形態によるリアコンビネーションランプ10においては、以下の点で異なる構成になっている。
【0019】即ち、上記インナーレンズ5の光源3側の表面には図2に示すように発光部6が設けてある。図2においてインナーレンズ5は、透明材料からなる基体7と、基体7の光源3側表面にストライプ状に配設した複数の発光部6とからなり、複数の発光部6の間には透光部8が形成されている。基体7は透光性材料、例えばアクリルやポリカーボネートなどの樹脂材料またはガラス基体等を用いることができるが、耐震性が高く軽量な樹脂材料を用いることが好ましい。発光部6は、面状に拡散して光を照射する発光部を備えた自発光素子光源を発光面が基体7側となるようにして基体7上に配設する。配設する際には、例えば、自発光素子光源の発光面が路面と略平行となるようにストライプ状に複数配設する。自発光素子光源としては例えば無機化合物発光層もしくは有機化合物発光層を用いたEL素子光源等を用いることができる。
【0020】図3はEL素子光源として有機化合物からなる発光材料を用いた有機EL素子(有機エレクトロルミネッセント素子)光源の一例を示す。有機EL素子光源20は、例えば、上記した基体7の表面に有機EL素子21を設け、それを封止基板22にて覆い周辺をシール剤27にて接着固定して外部雰囲気から隔離している。また、有機EL素子21と封止基板22との間、例えば封止基板22内面には乾燥剤28を設け、封止空間内の湿気等を吸着することが好ましい。
【0021】有機EL素子21は、ITO透光性電極からなる陽極層23と、有機EL層24と、低仕事関数の電極材料からなる陰極層25を、例えば蒸着法により順次積層して構成する。また、必要に応じて有機EL素子21を覆う封止層26が、例えば無機化合物膜と有機化合物膜とを積層するなどの方法により形成されている。陽極層23としては、ニッケル、金、白金、パラジウムやこれらの合金或いは酸化錫、沃化銅などの仕事関数の大きな金属やそれらの合金、化合物、更にはポリピロール等の導電性ポリマーなども用いることができるが、透明、且つ仕事関数の大きなITO透光性電極が好適には用いられる。陰極層25としては、電子注入に優れた材料とするため電子注入効率の向上が図れる仕事関数の小さな金属材料(低仕事関数金属材料)を用いることが好ましく、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウムインジウム合金、マグネシウムアルミニウム合金、マグネシウム銀合金や、アルミニウムリチウム合金などが好適に用いられる。LiもしくはLiF等の薄層上にアルミニウム層を設けた積層構造の電極等を用いることもできる。
【0022】有機EL層24は、上記した両電極間に通電することにより有機EL層24から所望の発光が得られる有機材料を含む。例えば、陽極層23側から順に、正孔注入輸送層と有機発光層の2層構造として形成したり、上記有機発光層上に陰極層25から電子を注入され易くする機能を有する電子輸送層を更に設けた3層構造としたり、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層、正孔注入層/正孔輸送層/発光層、正孔輸送層/発光層/電子輸送層とした多層構成や、単層構成の有機EL層としたもの、PEDOT(Poly (3,4) ethylenedioxythiophene)バッファー層を介して単層構成の有機層としたものなど様々な構成のものを用いることもできる。正孔輸送層としては例えば芳香族アミン誘導体のジトリル−ジフェニル−ビフェニル−ジアミン(TPD)やビス(ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン(TPAC)を、有機発光層としてはトリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)等を用いることができ、発光層にドーパントを添加することにより発光波長を変化させることもできる。
【0023】また、これらの層の組合せおよび膜厚を適宜調整することにより、現在実用化されている有機EL素子の3V程度の発光電圧を、12V等の車両の電源電圧による発光電圧にすることもでき得る。例えば2000オングストローム程度の膜厚としている有機EL層24を、有機EL層24に使用する材料の組合せによっても相違するが6000〜8000オングストローム程度とすれば、3V程度の発光電圧を10V以上の発光電圧にすることができる。よってインバータ等のように電磁ノイズを発生することなく容易に直流駆動もしくはパルス駆動により点灯することができ、低コスト且つ車両に搭載されている他の電子機器に与える悪影響を最小限にして点灯することができ得る。
【0024】本発明実施形態における車両用灯具は上記したような構成とされている。リアコンビネーションランプ10の各灯室部10a,10b,10cに設けた各光源3A,3R,3Wが点灯した際には、これらの主光源からの発光Lは各灯室部に応じたアンバー色光,赤色光,白色光となってインナーレンズ5の基体7および透光部8を通過し、所定の配光特性にレンズカバー2により制御されて灯具前方を照射して各灯室の機能を奏するものとなる。
【0025】光源3の非点灯状態においては、レンズカバー2およびインナーレンズ5を透過してストライプ状に設けた発光部6が観視される。この状態において、発光部6が点灯すると発光部6からの光がレンズカバー2を通過して灯具前方に光を出射する。発光部6の照度を光源3の点灯状態に比べて暗いものにすると、実質的には灯具前方を殆ど照明することなく、外部から視認した際に発光部6による発光色を視認できるものとなり、夜間等においても灯具全体が発光部6の発光色により略統一した外観色となって第三者に訴求するものとなる。また、光源3が非点灯状態でインナーレンズ5の発光部6も非点灯の際には、外光により発光部6の色が視認され、発光部6の点灯状態と同様に灯具全体として略統一した外観色として第三者に訴求するものとなる。このとき灯具を観視している第三者に認識される色はレンズカバー2およびインナーレンズ5を通過して発光部6により反射した発光部自体の色となる。
【0026】なお、光源3の点灯状態において上記した発光部6を点灯することもできるが、その場合には各灯室の機能の発光色に影響を与えないようにする。例えば光源3の点灯により赤色を照射している場合には、赤色に視認される発光色の発光部6もしくは灯具全体として赤色と認識される程度の異なる発光色の発光部6とする。また、発光部6としてインナーレンズ5の基体7上に自発光素子光源を直接に設ける例にて説明したが、別体に作製した自発光素子光源を基体7上に固定するものでも良いし、発光面が基体7と反対側を向くようにして設けるものでも良い。また、発光部6が点灯した際における灯具の明るさは、主光源である光源3の点灯状態における灯具の明るさ(照度)に比べて暗いものとして、該灯具近傍のみを明るくする程度とすることが実用上好ましい。
【0027】図4および図5は、他の実施形態のリアコンビネーションランプ30およびそのインナーレンズ35を示す。なお、以後の説明において先の実施形態と同一の機能を奏する箇所については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略している。リアコンビネーションランプ30は、所定の規格を具備するようにレンズカットが施されたレンズカバー2と、方向指示灯部30a、尾灯/制動灯部30bおよび後退灯部30cの3つの灯室を備えるように隔壁により区分され開放した前面に上記レンズカバー2が取り付けられた略函状のハウジング1と、上記した3つの灯室内の各々に配設した光源3と、該光源に焦点を有する反射鏡4と、レンズカバー2と光源3との間に配設されたインナーレンズ35とから構成されている。また、方向指示灯部30aに対応する光源3を覆うようにアンバー色としたカラーキャップ31Aが設けられ、同様に尾灯/制動灯部30bに対応する光源3にも赤色としたカラーキャップ31Rが反射鏡4に取り付けられている。
【0028】また、インナーレンズ35は透光性の基体37と、基体37の光源3側表面に発光面をレンズカバー側としてストライプ状もしくはドット状に配設した複数の発光部36と、複数の発光部36間に設けられた透光部38からなり、さらにレンズ素子32が反対側表面に形成されている。図5はレンズ素子を設けたインナーレンズ35の具体例を示すもので、(a)は基体37のレンズカバー2側表面に凸状のレンズ素子32を形成したもの、(b)は基体37のレンズカバー2側表面に凸状のレンズ素子32を設けたレンズフィルム33を貼付したもの、(c)は基体37のレンズカバー2側表面に凹状のレンズ素子32および平坦部34を形成したレンズフィルム33を貼付し、且つ、基体37の光源3側の透光部38にも凸状の第2レンズ素子39を設けた例を示す。
【0029】図5(a)のインナーレンズ35においては、レンズ素子32は半円柱状もしくは半球状に形成され、発光部36は複数の凸状のレンズ素子32間に対応する位置に配設し、レンズカバー2を通過してきた外光OLがレンズ素子32により屈折して光源3側に進み発光部36に到達する外光の量が少なくなるようにする。これにより、光源3および発光部36の双方が点灯しない際に、外光が入射して発光部36により反射する絶対量を低減することができる。よって外部から視認した際に発光部36の存在を認識しにくくした車両用灯具を提供できる。図5(b)のインナーレンズ35においてもレンズ素子32および発光部36の相対的位置関係が(a)と同様になるようにして、レンズ素子32を形成したレンズフィルム33を基体37に貼付しており同様の効果を奏する。図5(c)のインナーレンズ35においては、凹状のレンズ素子32および平坦部34を形成したレンズフィルム33を基体37のレンズカバー2側表面に貼付し、凹状のレンズ素子32の光軸に対応する位置の基体37の光源側表面に発光部36を配設する。これにより、光源3および発光部36の双方が点灯しない際に外光OLが入射しても、凹状のレンズ素子32により発光部36に向かう光は屈折され、発光部に到達する絶対的な光量が少なくなる。したがって、(a)および(b)と同様に発光部36で反射する光量を低減することができ得る。さらに、発光部36間の透光部38にも第2レンズ素子39を形成し、光源3から放射された光Lを主として平坦部34を通して放射するものとしている。
【0030】本発明に係るこの実施形態においては、発光部36を備えたインナーレンズ35に何らレンズカットを設けない場合に比べて外光が到達しにくいようにしたレンズ素子を設けたことで、発光部36が点灯しない状態においては発光部36が観視されにくいものとなる。また、発光部36が点灯した状態においては観視者にとって観察されていない箇所から発した発光部36の光が突如観視される斬新な印象を与えるものとし、灯具全体として略統一的な印象を第三者に訴求するものとなる。
【0031】図6は本発明に係る別の実施形態の一例を示すもので、本実施形態の車両用灯具40においては、上記した実施形態におけるインナーレンズに設けた発光部の配設位置を基体47上の反対側表面に設け発光面を灯室40a内側としている。すなわち、インナーレンズ45においては発光部46を基体47のレンズカバー2側表面に発光面が光源3側を向くようにしている。この実施形態においては、発光部46が光源3側に光を照射するものとしているので、発光部46が点灯した際には灯室40aおよび反射鏡4を照らし、反射鏡4により反射して灯室40a内全体を発光部46による照射色に照らして灯具全体の統一感を高めることができる。また、例えば発光部46の点灯色を赤色とし光源3の点灯色を白色とした場合には、光源3の点灯時には白色にて照射して後退灯としての機能し、発光部46を点灯させた場合には灯具全体を赤色に照射して尾灯としての機能を発することもでき得る。この場合において光源3点灯時の照度および発光部46点灯時の照度を各々の機能に応じた明るさとする。
【0032】図7は本発明に係るさらに別の実施形態に用いるインナーレンズ部の一例を示すもので、本実施形態の車両用灯具においては、上記した実施形態とは異なりインナーレンズにおける発光部が自発光素子光源からなるものではなく、別途設けた光源からの光を放射する光出射面としている。すなわち、インナーレンズ55の下方に補助光源51および補助反射鏡52を設け補助光源51から発せられた光を車両用灯具の灯室内もしくは灯具前方に照射する光出射面とした発光部56を備えている。
【0033】補助光源51は例えば冷陰極放電管、LED素子やEL素子などの小型化が可能な光源を用い、インナーレンズ55の側方からインナーレンズ55の内部に光を照射する。補助反射鏡52は補助光源51に焦点を有する断面放物面形状とされ、補助光源51から発せられた光を基体57内に高効率に導くようにする。基体57はアクリル等の光透過性樹脂材料により形成され、図7(b)に示すように補助光源51を設けた側と補助光源から離れた位置とで厚みの差を設け、基体57内に発せられた補助光源51からの光が基体内を導光するようにする。また、少なくとも一方の側の表面には粗面化した拡散処理を施すなどの光出射処理を実施してインナーレンズ内を導光してきた補助光源光を外部に出射する複数の発光部56を形成する。発光部56は拡散処理に限るものではなく屈折・反射を利用した光出射面でもよい。
【0034】このようなインナーレンズ55を用いた車両用灯具においては、補助光源51が点灯した状態においては光出射面とした発光部56からの出射光を観視するものとなり、上記した実施形態と同様に灯具全体として略統一的な印象を第三者に対し訴求するものとなる。また、補助光源51の光をインナーレンズ55内に導光する例にて説明したが、例えば図7(b)の基体57上方のPの位置に補助光源を設けてインナーレンズ表面に向かって側方から照射し、発光部を反射面とすることもでき得る。
【0035】尚、上記した実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、これらの態様に限られるものではない。リアコンビネーションランプの例で説明したが、例えば車幅灯や、サイドターンランプまたはリアガーニッシュなどに設ける車両用灯具等の等の種々の応用も本願発明に包含される。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば従来の車両用灯具では得られない斬新な印象を与えるような車両用灯具が提供でき得る。また、複数の異なる機能を発揮する灯室を備えた車両用灯具に適用した場合には、全体として統一感のある外観を提供でき得る。また、インナーレンズに設けた発光部の発光色が観視されることにより、主光源が非点灯状態における車両用灯具の外観色を、灯具の機能を発揮する主光源が点灯した際の点灯色と異ならせることもできる。
【出願人】 【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
【出願日】 平成13年1月18日(2001.1.18)
【代理人】
【公開番号】 特開2002−216507(P2002−216507A)
【公開日】 平成14年8月2日(2002.8.2)
【出願番号】 特願2001−9600(P2001−9600)