| 【発明の名称】 |
車両用灯具 |
| 【発明者】 |
【氏名】近藤俊幸
【氏名】堀井正俊
【氏名】酒井 悟
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| 【要約】 |
【課題】従来の半分以下の厚みに容易にすることができ、新規な印象を与えるリアコンビネーションランプを提供する。
【解決手段】車体に取付けられるハウジング4と、発光面をレンズカバー2に対峙するように配設し、その背面側には光源光を積極的に前方に反射する反射鏡を有していない有機EL素子からなる面状光源3と、該光源から発せられた放射光の放射角度を狭める複数のレンズ素子からなるレンズカットが設けられているレンズカバー2と、からなる車両用灯具で、該灯具の奥行き方向の寸法が、レンズカバー2の厚みとハウジング4の厚みの合計の厚みに対して、10倍以内の寸法として構成している。これにより、薄型化と、軽量化を図り、さらに電磁ノイズ等の発生しない新規な印象を与えるリアコンビネーションランプが得られる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジングと、ハウジング内に配設する光源と、光源を覆いハウジングの開放された側に取付けたレンズカバーと、を備える車両用灯具において、上記光源は、発光面をレンズカバーに対峙するように配設した面状光源からなり、その背面側にはその光源光を積極的に前方に反射する独立した反射鏡を有していず、光源から発せられた光がレンズカバーを透過する光路には、複数のレンズ素子からなるレンズカットが設けられている、ことを特徴とする車両用灯具。 【請求項2】 上記面状光源が、有機化合物を発光材料とする有機EL素子を備えた有機EL表示装置である、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。 【請求項3】 上記車両用灯具の奥行き方向の寸法が、レンズカバーの厚みとハウジングの厚みの合計の厚みに対して、10倍以内の寸法である、ことを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。 【請求項4】 上記レンズカットが、光源の有機化合物発光材料から発せられた放射光の放射角度を狭めるレンズ素子を備えている、ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の灯具。 【請求項5】 上記車両用灯具が、少なくとも2つの発光色の異なる面状光源と、これらの面状光源を同一色にて覆うレンズカバーとを備えている、ことを特徴とする請求項1から請求項4に記載の車両用複合灯具。 【請求項6】 上記車両用灯具が、少なくとも2つの面状光源と、これらの面状光源を同一色にて覆うレンズカバーとを備えており、光源から発せられた放射光がレンズカバーを透過する光路には、放射光を吸収して放射光の発光波長とは異なる発光色を発する蛍光材料を備えている、ことを特徴とする請求項1から請求項4に記載の車両用複合灯具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車等の灯具に関するもので、詳細には尾灯、制動灯、方向指示灯、後退灯、これらの灯具が複合されたリアコンビネーションランプ、サイドマーカーランプなどの車両用灯具に係るものである。 【0002】 【従来の技術】従来、このような車両用灯具は、例えば図9および図10に示すように構成され、リアコンビネーションランプとして用いられている。 【0003】図9および図10において、リアコンビネーションランプ90は、図示しない自動車の車体後方に、開放した前面が車体後方を向くように取り付けられるハウジング91と、ハウジング91の開放した前面を覆うレンズカバー92と、各灯室90a,90b,90c内の各々に配設した光源93と、該光源に焦点を有する反射鏡94と、から構成されている。 【0004】上記ハウジング91は、方向指示灯部90a、尾灯/制動灯部90bおよび後退灯部90cの3つの灯室を備えるように隔壁により区分され、前面が開放した略函状に形成されており、例えば、ABS樹脂により一体に成形されている。上記レンズカバー92には、光源93および反射鏡94からの光を所定の配向特性を満足するように拡散するレンズカットが設けられている。また、区分した各灯室90a,90b,90cに対応してアンバー色、赤色、白色の異なる色の材料からなるレンズカバーとされ、例えば、アクリル等の樹脂を用いて多色成形する等の手段により得ることができる。レンズカバー92は、ハウジング91の開放した前面に接着して灯室を気密的に固定する。上記光源93としては、白熱電球が採用され、反射鏡94の中央部に設けた図示しない開口部に反射鏡94の背面側から挿入して固定する。上記反射鏡94は、例えば光源93に焦点を有する回転放物面、もしくは複数の反射領域からなる複合反射面を備え、光源93から放射された光をレンズカバー92を通して、車体後方を照らす。 【0005】このような構成のリアコンビネーションランプ90によれば、各灯室90a,90b,90c内の各光源93が点灯することにより、灯室90aにおいてはアンバー色光を照射して方向指示灯として作用し、灯室90bにおいては赤色光を照射して尾灯/制動灯として作用し、灯室90cにおいては白色光を照射して後退灯として作用する。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このような構成のリアコンビネーションランプ90は、車体後方に取り付けられるが、取り付けのための空間を車体内に設けなければならず、車体内スペースを広くするためにその小型化が要望されている。一方、車両用信号灯としての機能を具備するためには、所定の発光面積が必要である。また、後続の車両の運転手等から見た際に均一な発光面として観視されることも要望されている。そこで、上記反射鏡94およびレンズカバー92には、光源93からの照射光を拡散するような拡散処理を施して、各灯室90a,90b,90cにおいて均一な発光面が得られるようにしている。ここで均一な発光面とするためには、白熱電球光源93および反射鏡94と、レンズカバー92との間の距離をある程度隔てることが必要であるため、薄型化を図ることが難かしくなってきている。 【0007】また、上記した理由から、レンズカバー92に形成するレンズカット等による拡散処理は、いずれのリアコンビネーションランプの発光面も類似の印象を与えるものとなっており、新規な印象を与える発光面を備えた車両用の信号灯具が要望されている。 【0008】本発明は、以上の点から、薄型化の可能な、小容量の車両用灯具、新規な印象を与える発光面を備えた車両用灯具を提供することを目的としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明の態様によれば、(1)ハウジングと、ハウジング内に配設する光源と、光源を覆いハウジングの開放された側に取付けたレンズカバーと、を備える車両用灯具において、上記光源は、発光面をレンズカバーに対峙するように配設した面状光源からなり、その背面側にはその光源光を積極的に前方に反射する独立した反射鏡を有していず、光源から発せられた光がレンズカバーを透過する光路には、複数のレンズ素子からなるレンズカットが設けられている、ことを特徴とする車両用灯具、により達成される。 【0010】この態様では、薄型で全体の容積の小さな車両用灯具を提供することができ得る。また、新規な印象を与える発光面を得ることができ得る。 【0011】また、上記目的は、本発明の他の態様によっても達成される。すなわち(2)上記面状光源が、有機化合物を発光材料とする有機EL素子を備えた有機EL表示装置である、ことを特徴とする(1)に記載の車両用灯具。この態様によれば、さらに、電磁ノイズを発生して他の車両搭載の電子機器に対して悪影響を与えないようにした車両用灯具を提供することができ得る。(3)上記車両用灯具の奥行き方向の寸法が、レンズカバーの厚みとハウジングの厚みの合計の厚みに対して、10倍以内の寸法である、ことを特徴とする(2)に記載の車両用灯具。この態様によれば、さらに、従来では到底得られない薄型の車両用灯具を提供することができ得る。(4) 上記レンズカットが、光源の有機化合物発光材料から発せられた放射光の放射角度を狭めるレンズ素子を備えている、ことを特徴とする(2)または(3)に記載の灯具。この態様によれば、さらに、従来とは異なる作用を奏する新規なレンズカットを採用でき、優れた意匠の車両用灯具を提供することができ得る。 【0012】また、上記目的は、以下の態様によっても達成される。(5)上記車両用灯具が、少なくとも2つの発光色の異なる面状光源と、これらの面状光源を同一色にて覆うレンズカバーとを備えている、ことを特徴とする(1)から(4)に記載の車両用複合灯具。この態様によれば、非点灯時においては、統一的な外観の印象を与え、点灯時においては、異なる点灯色となって、非点灯時とは異なる印象を与えるリアコンビネーションランプ等の車両用複合灯具を提供でき得る。(6) 上記車両用灯具が、少なくとも2つの面状光源と、これらの面状光源を同一色にて覆うレンズカバーとを備えており、光源から発せられた放射光がレンズカバーを透過する光路には、放射光を吸収して放射光の発光波長とは異なる発光色を発する蛍光材料を備えている、ことを特徴とする(1)から(4)に記載の車両用複合灯具。この態様によれば、白色以外の同一点灯色の光源を用意しても、様々な色の発光色のリアコンビネーションランプ等の車両用複合灯具を提供することができ得る。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態を図1から図6を参照しながら、詳細に説明する。 【0014】図1、図2および図3は本発明による車両用灯具の一例として、リアコンビネーションランプに適用した場合の一実施形態の構成を示している。図1、2において、リアコンビネーションランプ1は、所定の規格を具備するようにレンズカットが施されたレンズカバー2と、レンズカバー2の背面に配設された3つの光源3a,3b,3cからなる光源3と、さらにその背面側に配設されたハウジング4と、から構成され、ハウジング4とレンズカバー2により形成される灯室5が形成されている。 【0015】以上の構成は、従来のリアコンビネーションランプとほぼ同様の構成であるが、本発明実施形態によるリアコンビネーションランプ1においては、以下の点で異なる構成になっている。即ち、上記光源3として、薄型の面発光素子である有機EL素子からなる光源3を配設し、レンズカバー2とハウジング4とを略平行に、且つ、灯室5が狭い間隙となるようにして、薄型の奥行きを狭めた構成になっている。そして、上記光源の背面側にはその光源光を積極的に前方に反射する独立した反射鏡を有していない。 【0016】上記レンズカバー2は、方向指示灯部2a、尾灯/制動灯部2b、後退灯部2cおよび赤色にて形成された再帰反射部2dの4つの部分を備え、各々の部分の光源3と対峙するレンズカバー内面にはレンズカットが形成されている。また、各部分の間および周囲にはハウジング4と当接する平坦部2eが形成されている。このようなレンズカバー2は、例えば薄いピンク色のアクリル樹脂を用いて射出成形技術等の手段により一体に形成される。 【0017】方向指示灯部2a、尾灯/制動灯部2b、後退灯部2cのレンズカットは、例えば図4に示したようなレンズカット6をレンズカバー2の内面に形成する。図4において(a)は平面図、(b)は(a)のA−A部の断面図である。レンズカット6は多数のレンズ素子7からなり、各素子はレンズカバー2の外側表面と略平行な平坦表面の四角形状とした上部面6aと、上部面6aの各辺に台形状の平面を設けた側方斜面6bとからなる。 【0018】レンズカット6に近接して配設した面発光素子光源3からの照射光は、放射状に広がるベクトルを有して上記レンズ素子7の夫々に入射する。入射光の一部は殆ど屈折することなく上部面6aを通過して車体後部方向に出射し、他の一部は、側方斜面6bにより反射、屈折された後に車体後部方向に出射する。上部面6aおよび側方斜面6bの形状、大きさや傾斜角度を適宜調整することで、方向指示灯部2a、尾灯/制動灯部2b、後退灯部2cの夫々の機能に応じた配光を得ることができる。なお、上部面6aや側方斜面6bは平面に限られるものではなく、例えば図4(c)および(d)に示したように上部面6aおよび/または側方斜面6bを凸曲面、凹曲面やこれらの複合曲面などとした曲面であっても良く、さらには全てのレンズ素子7が同一のレンズカットでなくても良い。要はレンズ素子7全体として、照射光の照射角度を狭めるようなレンズカット6とすることで、所望の配光を得ることができるものならば他のカットでも構わない。 【0019】上記光源3は、方向指示灯部用のアンバー色を発光する光源3a、尾灯/制動灯部用の赤色を発光する光源3b、後退灯部用の白色を発光する光源3cの3つの面発光光源を備え、レンズカバー2の背面に固定されている。面発光光源とは、白熱電球のような線状のフィラメントからの発光ではなく、車両用灯具の光源として用いたときに実質的に面状とみなせる光源をいう。面発光光源としては、ZnS等の無機化合物蛍光体をバインダー樹脂に分散させて塗布形成した所謂厚膜EL素子、ZnS等の無機化合物を用いた所謂薄膜EL素子、有機化合物発光材料を用いた所謂有機EL素子等を用いることができるが、後述する有機EL素子10を用いた有機EL表示装置光源3を用いることが好適である。有機EL素子10を光源として用いた場合には、薄型の面発光光源が得られるばかりではなく、有機EL素子10を点灯する際においては、車両の電源として多用されている直流電源により点灯することができるので、インバーター等の電磁ノイズを発生する回路部品が不要となり、やっかいな電磁ノイズ発生の問題が生じない。また、有機材料を適宜選択する等によりアンバー色、赤色、白色等の異なる色の照射光を得ることができるからである。 【0020】上記ハウジンング4は、レンズカバー2を貼付する側となる内面側に上記したレンズカバーの各表示部2a,2b,2c,2dに対応して、各領域に区分するための隔壁4aが設けられている。ハウジング4はレンズカバー2と略同一の大きさの近似する外形形状となるように、例えばABS樹脂等を成形することにより得られる。また、外面には上記光源3に給電するための電気的接続部4bが形成されており、電気的接続部4bには、上記した光源に電源を供給するための電源供給配線4cが設けられている。 【0021】本発明実施形態のリアコンビネーションランプ1は、例えば次のようにして組み立てることができる。ハウジンング4内面の隔壁4aに区分された箇所のうち、方向指示灯部2a、尾灯/制動灯部2b、後退灯部2cに対応する位置に発光面側がレンズカバー2側となるようにして有機EL表示装置光源3a,3b,3cを図3に示したように配設固定する。ハウジング4内には、電気的接続部4bに延長された電源供給配線4cを事前に敷設し、その上にゴムや発泡性エラストマー樹脂などからなる衝撃吸収部材8を設け、さらにその上に有機EL表示装置光源3を接着剤等を用いて固定する。各区分された灯室内に配設する光源は1つに限らず複数の光源を配設しても良い。配設された有機EL表示装置光源3は上記した電源供給配線4cと接続される。その後、レンズカット6を形成したレンズカバー2内面とハウジング4内面とを対向配設し、上記隔壁4aをレンズカバー2の平坦部2eに当接させて灯室5を得る。 【0022】次にこの状態で両者を接着固定する。本実施形態においては隔壁4aと平坦面2eとの接触箇所と、光源3との距離が近いので、従来の灯具のように熱板溶着等の手法で両者を接着固定すると熱ダメージ、溶着作業スペース等が発生し好ましくない。さらに、熱板溶着による接着固定では、溶着跡が汚くなりリアコンビネーションランプの外観品質を低下させる問題もある。そこで、隔壁4aの先端は平面とされており、レンズカバー2の平坦面2eとを面接触させ、この状態にて、レンズカバー2の外面側からレーザー光線を照射してレンズカバー2とハウジング4とを溶着して接着固定することが好ましい。レーザー光線による溶着の場合には、上記した問題点を生じることなく強固な固定が得られ、また接着箇所を最小限に留めて有効発光面積を大きくとることができ得る。また、周辺部についても同様に溶着させて接着固定する。これにより灯室5内においては、有機EL表示装置光源3とレンズカット6とが適宜な間隙9を設けて対向するものとなる。なお、車両用灯具は比較的大きな面積を必要とするため、リアコンビネーションランプ1のように複数の灯室を有する薄型の複合灯具の場合には、ネジレ等が発生し易い。そこで、従来の灯具においては灯具周囲部のみを接着固定しているが、本実施形態においては灯具周囲部のみならず各灯室別に区切る隔壁4aもレンズカバー2と接着固定するものとして、ネジレ等が発生しにくい寸法精度および強度に優れたリアコンビネーションランプが得られるようにしている。 【0023】なお、両者の接着固定は溶着によるものに限らず、接着剤で固定するものでも、シールゴムを介して両者を貼り合せてクリップ等で挟持して固定するものなどでも良い。また、上記間隙9には有機EL表示装置光源3からの発光を大きく妨げないようにゴムや発泡性エラストマー樹脂もしくはバネなどの弾性部材からなる中間部材9aを設けることもできる。この場合、ハウジング4とレンズカバー2を貼り合せると、図示しない中間部材と衝撃吸収部材8の間で有機EL表示装置光源3を挟持するようにして、有機EL表示装置光源3が車両の振動等により位置ずれしたり、破損したりすることを予防でき得るようにすることが好ましい。 【0024】ここで、有機EL表示装置光源3について図5を参照しながら説明を実施する。有機EL表示装置光源3は、有機化合物を発光材料とする有機EL素子(有機エレクトロルミネッセント素子)を含む発光装置で、例えば、有機EL素子10を設けた透光性基板11と、有機EL素子10を外部雰囲気から隔離するために設けた封止基板12および両基板間を接着固定するシール剤17とからなり、封止された空隙19内には乾燥手段18を含む。また、図示しない直流電源により点灯駆動する。 【0025】有機EL素子10は、陽極層として透光性電極13と、有機EL層14と、陰極層として低仕事関数の電極15を、例えば蒸着法により順次積層して構成される。また、必要に応じて有機EL素子10を覆う封止層16が、例えば無機化合物膜と有機化合物膜とを積層することなどの方法により形成されている。陽極層としては、ニッケル、金、白金、パラジウムやこれらの合金或いは酸化錫、沃化銅などの仕事関数の大きな金属やそれらの合金、化合物、更にはポリピロール等の導電性ポリマーなども用いることができるが、透明、且つ仕事関数の大きなITO透光性電極13が好適には用いられる。陰極層15としては、電子注入に有効な材料とするため電子注入効率の向上が図れる仕事関数の小さな金属材料(低仕事関数金属材料)を用いることが好ましく、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウムインジウム合金、マグネシウムアルミニウム合金、マグネシウム銀合金や、アルミニウムリチウム合金や、LiもしくはLiF等の薄層上にアルミニウム層を設けた積層構造の電極等を用いることができる。有機EL層14は、両電極間に通電することにより有機EL層14から所望の発光が得られる有機材料を用いる。例えば、陽極層13側から順に、正孔注入輸送層14aと有機発光層14bの2層構造として形成したり、有機発光層14bの上に陰極層15から電子を注入され易くする機能を有する電子輸送層を更に設けた3層構造としたり、正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層、正孔注入層/正孔輸送層/発光層、正孔輸送層/発光層/電子輸送層とした多層構成や、単層構成の有機EL層としたもの、PEDOT(Poly (3,4) ethylenedioxythiophene)バッファー層を介して単層構成の有機層としたものなど様々な構成のものを用いることもできる。正孔輸送層14aとしては例えば芳香族アミン誘導体のジトリル−ジフェニル−ビフェニル−ジアミン(TPD)やビス(ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン(TPAC)を、有機発光層14bとしてはトリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体(Alq)等を用いることができ、発光層にドーパントを添加することにより発光波長を変化させることもできる。また、これらの層の組合せおよび膜厚を適宜調整することにより、現在実用化されている有機EL表示装置の3V程度の発光電圧を、12V等の車両の電源電圧による発光電圧にすることもでき得る。例えば2000オングストローム程度の膜厚としている有機EL層14を、有機EL層14に使用する材料の組合せによっても相違するが6000〜8000オングストローム程度とすれば、3V程度の発光電圧を10V以上の発光電圧にすることができる。 【0026】透光性基板11および封止基板12は、ガラスに限らず、金属、樹脂、セラミックなどの様々な材料を用いることができる。両基板は紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂などの接着作用を有するシール剤17により接着固定される。なお、有機EL層14が大気雰囲気中で駆動しても殆ど劣化しない有機EL素子10の場合には封止基板12を省略しても構わないし、封止層16のみで封止するものとしても良い。また、有機EL表示装置光源3を取り付ける面が曲面の場合には、可撓性を有する基板を用いることが好ましく。例えばポリマー樹脂の上に多層構造の酸素等遮断膜を形成した可撓性基板を用いることができる。 【0027】乾燥手段18は、例えば乾燥剤18aとそれを押さえるテープや結着樹脂からなる固定片18bからなり、封止基板12内面に設けている。乾燥剤18aには、例えば、活性炭、ゼオライト、活性アルミナ、シリカゲルなどの水分を物理的に吸着する乾燥剤や、水分を化学的に吸着する五酸化二燐(P2O5)、酸化バリウム(BaO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ナトリウム(Na2O)などのアルカリ金属酸化物、硫酸リチウム(Li2SO4)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、硫酸カルシウム(CaSo4)などの硫酸塩、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化ストロンチウム(SrCl2)、弗化タンタル(TaF5)、臭化マグネシウム(MgBr2)、沃化バリウム(BaI2)などの金属ハロゲン化物、過塩素酸バリウム(Ba(ClO4)2)などの過塩素酸塩などを用いることができる。これらは、粒径を1〜100μm、好適には約10μm程度としたものが好ましい。粒径が大きすぎると空隙19を大きく設けなければならなくなるからである。 【0028】なお、図6は、ITO透光性電極13を設けたガラス基板11上に、有機EL層14として銅フタロシアニンからなる正孔注入層、α−NPDからなるホール輸送層、橙色を発光するためにDCMからなる蛍光色素をドープしたAlq発光層、Alqからなる電子輸送層を順に積層し、アルミニウム−Li合金からなる陰極15を形成した有機EL素子10の分光反射特性を示すグラフである。この素子の場合、可視光領域で平均して50%以上の反射率を示すが赤色領域においては銅フタロシアニンによる吸収があるため薄く青色に着色した反射面として観察される。また、この有機EL素子10を点灯させた場合には、アンバー色の発光を呈する。 【0029】本発明実施形態によるリアコンビネーションランプ1は、以上のように構成されており、各有機EL表示装置光源3a,3b,3cから放射された光は、レンズカット6の各レンズ素子7により所定の配光に制御されて、車両後方等を照射する。リアコンビネーションランプ1においては、従来の灯具のような光源からの放射光を積極的に前方に反射するための反射鏡を各有機EL表示装置光源の背面に有していないので、全体の大幅な薄型化が図られている。例えば従来の白熱電球を用いたリアコンビネーションランプにおいては、白熱電球が5cm程度で、これに所定の距離を開けて反射鏡とレンズカバーを配設する必要があるため、薄くても10cm程度の奥行き方向の厚みが必要であった。これに対して上記リアコンビネーションランプ1の奥行き方向の寸法は、約1cm程度、ハウジングの強度を向上させるためのリブ等をハウジング外面に設けた場合であっても最大部の厚みで2cm程度以下の寸法とすることができる。具体的には、レンズカバーの厚みは一般的に3mm程度、ハウジングの厚みも3mm程度てあり、従来の灯具においては、この合計厚み6mmに対して16倍程度が必要であったが、本発明実施形態においては、優に10倍以内の寸法とすることができる。実用的には、有機EL表示装置光源3の厚みもレンズカバー等と同等の厚みとすることができるので、1.5〜5倍以内という従来の灯具では到底実用化できない、極めて薄いリアコンビネーションランプが容易に得られる。 【0030】また、同時に大型の反射鏡が不要になると共に、ハウウジング形状を複雑にする必要がなくなること等から、ハウジングの容積も低減でき、重量の軽量化と、材料コストの低減をも図ることができる。また、有機EL表示装置光源3を点灯する際には、直流電源駆動により点灯をすることができるので、電磁ノイズ等の発生がなく例えば車載ラジオなどの他の電子機器に与える悪影響を低減できる。よって、車両に搭載した場合において悪影響を与えることがなく省スペース化と軽量化を図ることができる。 【0031】図7、図8は、上記した実施形態におけるレンズカット6の他の具体例を示すものである。図7において、レンズカット6は、多数のレンズ素子17からなり、各レンズ素子17は、回転放物面からなる凸曲面、凹曲面もしくはこれらの複合曲面である。図8において、レンズカット6は、多数のレンズ素子27からなり、各レンズ素子27は、ピラミッド状の微小プリズム、三角錐、4,5,6・・nの多角錘で、凸もしくは凹、またはこれらの複合からなるプリズム素子である。レンズカット6は、これらのカットに限られるものではない。例えば各レンズ素子が整然とXY方向に並んで配置せずに、放射状、円弧状、波面状などレンズ素子が任意に配列したものや、図示したレンズカット6の表面(レンズ素子17やレンズ素子27の表面)に微少プリズムを設けたものであっても良い。また、別部材としたレンズカットをレンズカバー2の内面に配設することもできる。例えば行方向に平行な山型プリズムカットを設けたシート部材と列方向に平行な山型プリズムカットを設けたシート部材とを積層させた複合シートからなるレンズカットとすることもできる。各レンズ素子においてレンズ素子を設計する場合における光源の位置が、点光源ではなく各レンズ素子に近接して設けた面状光源となるので、従来の灯具では有り得ない光源位置の設定となる。それゆえ、従来の灯具では得られなかった新規な印象を与えるレンズカットを得ることができる。 【0032】上記した実施形態においては、3つの有機EL表示装置光源の夫々を灯具の機能に応じた点灯色を発光する光源とし、それらの光源を覆う1枚の同一色のレンズカバーとしたが、レンズカバーの一部を異なる色とした着色部を設けたもの、例えば、2a,2b,2cをクリア色のレンズ材料とし、2dを赤色のレンズ材料としたもの等としてもよい。本発明においては、外観を観視した際に全体として薄いピンク色を呈するように薄いピンク色材料からなるレンズカバー2を用いたリアコンビネーションランプ1が、異なる発光色を発する面状光源3を用いることで、非点灯時においてはデザイン上の統一感が得られ、点灯時において外観色の印象とは異なる印象を与える機能色を点灯するものとしているが、例えば、有機EL表示装置光源3として、青色等の短波長光を放射する同一発光色の光源3を採用し、その光源3の夫々から発せられた光が車両用灯具外部に照射される光路内に、光源3からの放射光を吸収して放射光の発光波長とは異なる発光色を発する蛍光材料、例えば黄色の光を出すYAG系の蛍光材料等を備えて、有機EL表示装置用光源3からの放射光と蛍光光により白色光を照射するものとし、さらに所望の機能に応じて、色フィルターをインナーレンズとしてその前方に設ける等とすることもできる。 【0033】尚、上記した実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、これらの態様に限られるものではない。リアコンビネーションランプの例で説明したが、例えば車幅灯や、サイドターンランプまたはリアガーニッシュなどに設ける車両用灯具等にも適用することもできる。また、有機EL表示装置光源3を交換可能に取付けるようにしたもの、有機EL表示装置光源3の背面に、放熱板やハウジングに設ける通気孔を形成する等の放熱機構を設けたもの等の種々の応用も本願発明に包含される。 【0034】 【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、従来の白熱電球を用いた車両用灯具では到底に得られないような薄型の車両用灯具が提供でき得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002303 【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年10月26日(2000.10.26) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2002−133915(P2002−133915A) |
| 【公開日】 |
平成14年5月10日(2002.5.10) |
| 【出願番号】 |
特願2000−326378(P2000−326378) |
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