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【発明の名称】 発光装置及び表示装置
【発明者】 【氏名】藤原 喜將

【要約】 【課題】本発明は、光源とする発光ダイオードからの光を効率よく拡散させ、高輝度で対象物や対象者へ照射することができる発光装置を提供することを目的とする。

【解決手段】発光装置1は、主に、透明で棒状の拡散部材11と、光源21を内側に備えたキャップ部材31とから構成される。光源21は、複数個の発光ダイオード21a、21b、21cからなり、光源21から拡散部材11へ入射する光の経路であるキャップ部材31の内側には、絶縁性オイル33が封入されている。また、拡散部材11の光源21とは反対の端面には第1反射板17があり、それと対向するように、キャップ部材31には、第2反射板39が設けられている。拡散部材11の側壁には、放射状に複数の側壁反射板15が配置され、その側壁反射板15の間となる拡散部材11の側壁には、レンズ部材13aが一体成形されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 発光ダイオードを光源とし、該光源からの光を拡散するための透明な拡散部材を備えた発光装置であって、該拡散部材に嵌合するためのキャップ部材を備え、該キャップ部材の内側には、該光源が固定され、該キャップ部材に固定された該光源から該拡散部材に入射する光の経路には、該光源からの光の透過率を高めるための液体が封入されていることを特徴とする発光装置。
【請求項2】 発光ダイオードを光源とし、該光源からの光を拡散するための透明な拡散部材を備えた発光装置であって、該拡散部材は、合成樹脂で該光源を封入しつつ、射出成形することにより、該光源と一体成形されていることを特徴とする発光装置。
【請求項3】 前記拡散部材は、棒状であり、前記光源は、該拡散部材の一端にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】 前記拡散部材には、該拡散部材の内部からその側壁方向へ伝搬する光を該拡散部材の内部へ反射するための側壁反射板が、該拡散部材の長手方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】 前記側壁反射板は、前記拡散部材の側壁に、該拡散部材の長手方向の中心軸から放射状に複数個配置されていることを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】 前記拡散部材には、該拡散部材の内部からその先端方向へ伝搬する光を該拡散部材の内部へ反射するための第1反射板が、該拡散部材の前記光源とは反対側の端面に設けられていることを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれかに記載の発光装置。
【請求項7】 前記第1反射板から反射され光源方向に入射する光を再び前記拡散部材の内部に反射させるための第2反射板が、光源側の端部に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】 前記拡散部材の側壁には、該拡散部材からの拡散光の出射角を決定するためのレンズ部材が該拡散部材の長手方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれかに記載の発光装置。
【請求項9】 前記レンズ部材は、前記拡散部材と一体成形されていることを特徴とする請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】 前記光源は、異なる色の光を発光する複数個の発光ダイオードにより構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の発光装置。
【請求項11】 文字、図形若しくは記号又はこれらの組み合わせからなる表示図柄が形成された表示板と、その内側から該表示板を照明して該表示図柄を表示するための発光装置と、を備えた表示装置であって、前記発光装置は、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の発光装置であることを特徴とする表示装置。
【請求項12】 文字、図形若しくは記号又はこれらの組み合わせからなる表示図柄が立体表示可能な表示装置であって、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の発光装置を複数個備え、複数個の該発光装置を組み合わせて前記表示図柄が形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項13】 文字、図形若しくは記号又はこれらの組み合わせからなる表示図柄が立体表示可能な表示装置であって、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の発光装置を備え、該発光装置の前記拡散部材は前記表示図柄に対応した形状に形成されていることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光ダイオードを光源として備えた発光装置、及び、該発光装置を備えた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、発光ダイオードは、電光掲示板やその他の表示灯、警告灯などのうち、高い輝度の必要のない発光装置の光源として使用されることが多く、高い輝度の必要な発光装置の光源には、未だに白熱灯や蛍光灯、ハロゲンランプなどが使われているのが通常である。
【0003】発光ダイオードが高い輝度を必要とする光源として使用されないのは、白熱灯や蛍光灯、ハロゲンランプなどと比較してそれ単体では、十分な輝度が得られないからである。つまり、発光ダイオードを使用して高輝度の照明装置などを作るには、大量の発光ダイオードを取り付けて、その数で輝度を補うしかないのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発光ダイオードは、従来の白熱灯等に比べ、電力消費量や、耐久性の面で優れており、高い輝度で発光することが可能となって、照明灯や表示灯、警告灯、その他の発光装置に代替することができるようになれば、電力消費量を抑えることができるし、また、球切れなどによる光源の取り替えを頻繁に行う必要がなくなるので、社会的にみて非常に有益である。
【0005】このような理由から、以前より高輝度の発光ダイオードの開発への社会的要請は強く、各研究機関でこのような発光ダイオードの輝度の改善に関する研究や開発が行われており、その成果が得られつつある。しかし、未だ、発光ダイオードを利用した発光装置は、発光ダイオードをただ単に配置しただけのものが多く、十分に有用な発光装置が開発されているとは言い難い。例えば、現在の発光ダイオードを光源とした照明装置は、点光源としたものが多いが、これでは、発光ダイオードの輝度を高めても、平均的に光を拡散できないので、光源近くでは、輝度が高すぎるし、離れた位置では、輝度が十分でなくなってしまう。
【0006】発光ダイオードは、その電力消費量の少なさや、耐久性にその有用性を要しているわけであるから、光源の発光ダイオードを効率的に伝搬し拡散させて、対象物や対象者が位置する方向を照明することができれば、さらなる高輝度化と省電力化を図ることができ、非常に有用なものとなりうる。
【0007】本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、発光ダイオードを光源とする発光装置において、光源から発せられた光を効率よく拡散させ、対象物や対象者に対して高い輝度で照射することができる発光装置、及び、該発光装置を備えた表示装置、を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、発光ダイオードを光源とし、該光源からの光を拡散するための透明な拡散部材を備えた発光装置であって、該拡散部材に嵌合するためのキャップ部材を備え、該キャップ部材の内側には、該光源が固定され、該キャップ部材に固定された該光源から該拡散部材に入射する光の経路には、該光源からの光の透過率を高めるための液体が封入されていることを特徴とする。
【0009】請求項2に記載の発明は、発光ダイオードを光源とし、該光源からの光を拡散するための透明な拡散部材を備えた発光装置であって、該拡散部材は、合成樹脂で該光源を封入しつつ、射出成形することにより、該光源と一体成形されていることを特徴とする。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発光装置において、前記拡散部材は、棒状であり、前記光源は、該拡散部材の一端にあることを特徴とする。請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発光装置において、前記拡散部材には、該拡散部材の内部からその側壁方向へ伝搬する光を該拡散部材の内部へ反射するための側壁反射板が、該拡散部材の長手方向に沿って設けられていることを特徴とする。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発光装置において、前記側壁反射板は、前記拡散部材の側壁に、該拡散部材の長手方向の中心軸から放射状に複数個配置されていることを特徴とする。請求項6に記載の発明は、請求項3〜請求項6のいずれかに記載の発光装置において、前記拡散部材には、該拡散部材の内部からその先端方向へ伝搬する光を該拡散部材の内部へ反射するための第1反射板が、該拡散部材の前記光源とは反対側の端面に設けられていることを特徴とする。
【0012】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発光装置において、前記第1反射板から反射され光源方向に入射する光を再び前記拡散部材の内部に反射させるための第2反射板が、光源側の端部に設けられていることを特徴とする。請求項8に記載の発明は、請求項3〜請求項7のいずれかに記載の発光装置において、前記拡散部材の側壁には、該拡散部材からの拡散光の出射角を決定するためのレンズ部材が該拡散部材の長手方向に沿って設けられていることを特徴とする。
【0013】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発光装置において、前記レンズ部材は、前記拡散部材と一体成形されていることを特徴とする。請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の発光装置において、前記光源は、異なる色の光を発光する複数個の発光ダイオードにより構成されていることを特徴とする。
【0014】請求項11に記載の発明は、文字、図形若しくは記号又はこれらの組み合わせからなる表示図柄が形成された表示板と、その内側から該表示板を照明して該表示図柄を表示するための発光装置と、を備えた表示装置であって、前記発光装置は、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の発光装置であることを特徴とする。
【0015】請求項12に記載の発明は、文字、図形若しくは記号又はこれらの組み合わせからなる表示図柄が立体表示可能な表示装置であって、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の発光装置を複数個備え、複数個の該発光装置を組み合わせて前記表示図柄が形成されていることを特徴とする。
【0016】請求項13に記載の発明は、文字、図形若しくは記号又はこれらの組み合わせからなる表示図柄が立体表示可能な表示装置であって、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の発光装置を備え、該発光装置の前記拡散部材は前記表示図柄に対応した形状に形成されていることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発光装置は、光源から拡散部材に入射する光の透過率を高めるために、光源から拡散部材に入射する光の経路に、液体を封入したものである。ここで使用される液体は、透明状で、屈折率が拡散部材の屈折率に近いものを選択し、光源からの光の透過率を高めることができるものとする。このような液体を封入すると、液体を封入しない時に比べて、空気との屈折率の違いにより反射されていた光の大部分は拡散部材に透過し伝搬するので、拡散部材から外部へ拡散する光の強度は増し、発光装置は高い輝度で発光することができる。
【0018】請求項2に記載の発光装置は、拡散部材に入射する際の光の経路に空気の層が存在すると、光の伝搬損失が大きくなることから、拡散部材を合成樹脂で射出成形する際に、発光ダイオードを封入し、空気の層を形成しないようにしたものである。これにより、請求項2の発光装置は、請求項1の発光装置と同様に、高輝度で発光することができる。
【0019】請求項3に記載の発光装置は、拡散部材を棒状にして、その拡散部材の一端に光源を設けたものである。これにより、発光装置から外部へ拡散する光は、一点から放射状に拡散するのではなく、拡散部材の軸に垂直方向に平均的に拡散するので、本発明の発光装置は、点光源とする従来の発光装置に比べ、出射される光の強度が同じであっても照明できる範囲を広くすることができる。また、本発明の発光装置は、点光源の発光装置に比べ、発光面積が広いので、視認性も高くなり、警告灯や表示灯などに用いても、その効果を発揮することができる。
【0020】請求項4に記載の発光装置は、拡散部材に、その長手方向に沿って側壁反射板を備えた発光装置である。側壁反射板のない発光装置では、光は拡散部材から均一に拡散されるが、必ずしも発光装置は、周囲全体に光を拡散させる必要はなく、その用途によっては、特定方向に光を拡散させた方がよい場合もある。そのため、側壁反射板を備えて、本来、拡散する必要のない方向に出射される光を、側壁反射板で拡散部材の内部に戻すようにすると、側壁反射板に遮られていない方向の出射光の強度が増し、発光装置の輝度を高めることができる。また、このようにすれば、使用者は、低い消費電力で対象物や対象者に対して高い輝度の光を照射させることができる。
【0021】請求項5に記載の発光装置は、請求項4の側壁反射板を、拡散部材の側壁に放射状に配置したものである。発光装置を警告灯などの主に視認性を必要とする装置に使用する場合、視認させる必要のある対象者が、周囲にいる可能性が高く、その対象者から視認させるように光を周囲に拡散させる必要がある。しかし、このような場合には、あらゆる方向に均一に光が拡散されていなければならないということはなく、対象者の視野の範囲内に光が拡散されるようにすればよい。そのため、本発明の発光装置は、放射状に配置された側壁反射板を用いて、対象者が視認できる程度に、光の出射方向を分散し、代わりに光の輝度を高めたものである。これにより、遠くの対象者まで発光装置からの光を視認させることができて、かつ周囲の対象者に光を視認させることができるのである。
【0022】請求項6に記載の発光装置は、拡散部材の光源とは反対側の端面に第1反射板を設けたものである。発光装置は光源を拡散部材の一端に備えていることから、その光の大部分は拡散部材の先端方向から出射する。そのため、第1反射板を拡散部材に設けると、本来、拡散部材の先端から出射されていた光は、第1反射板で内部に戻り、側壁から出射することになる。この結果、拡散部材の側壁から拡散される光の強度は増し、発光装置の輝度を高めることができる。
【0023】また、請求項7に記載の発光装置のように、第2反射板を一端に設ければ、拡散部材の端面に設けられている第1反射板から反射された光のうち、光源方向に伝搬する光を再び拡散部材の内部に反射することができる。このため、第1反射板と併せて使用することより、発光装置の輝度を一層高くすることができる。
【0024】請求項8に記載の発光装置は、拡散部材の長手方向に沿ってレンズ部材を設けて、拡散部材の側壁から出射される光の出射角をレンズ部材で調節することができるようにしたものである。これにより、レンズ部材を出射光の広がり角が小さくなるような形状に形成すれば、発光装置は、特定方向の向きへ照射する光の強度を高めることができて、その向きの対象物や対象者を十分に明るく照明したり、対象者からの視認性を高めることができる。また、レンズ部材を出射光の広がり角が大きくなるような形状に形成すれば、照射範囲の中央部ではレンズ部材を使用しない場合と同様に明るくしつつ照射範囲を広くすることができるので、レンズ部材を使用しない場合と照射範囲が同じであった場合には、対象者は明るく感じることができる。
【0025】また、請求項9に記載の発光装置のように、レンズ部材を拡散部材と一体成形すれば、レンズ部材と拡散部材との間に空気の層が形成されることがないので、レンズ部材を通過することによる光の伝搬損失を生じさせることなく、光の出射角を調節し、特定方向の輝度及び視認性を高めることができる。
【0026】その他、請求項10に記載の発光装置のように、請求項1〜請求項9に記載の発光装置の光源を、異なる色の光を発光する複数個の発光ダイオードにより構成すれば、発光装置は、これらから発せられる光を組み合わせることにより、色々な光の色で発光することが可能となる。これにより発光装置の用途の幅が広がり、照明装置や警告灯だけではなく、電飾看板などの光源としても使用することができるようになる。
【0027】また、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の発光装置を用いて表示装置を構成することもできる。請求項11に記載の表示装置は、表示図柄が形成された表示板と、請求項1〜請求項10に記載の発光装置と、を備え、発光装置からの光によって表示板が照明されて、その表示板の表示図柄が表示されるものである。このように、本発明の発光装置を用いて表示板を照明すると、光源からの光は拡散部材の表面から拡散されることになって、点光源となる通常の発光ダイオードからの光を直接表示板に照射して表示図柄を照明するよりも、表示図柄を均一に照明することができる。つまり、従来の表示装置のように、沢山の発光ダイオードを配置して表示板を照明しなくとも、表示図柄をはっきりと表示することができるのである。
【0028】そして、また、本発明の表示装置では、絶縁性オイルを用いたり、発光ダイオードと拡散部材とを一体成形することにより、発光ダイオードからの光を効率よく外部に拡散させて、発光装置の輝度を高めているから、表示図柄を一層はっきりと表示できる。
【0029】また更に、発光ダイオードを用いた本発明の発光装置は、消費電力が少なく、また、従来の白熱灯などに比べ長期間使用することができるから、従来より煩わしかった球切れ等による発光装置の交換等の表示装置の管理にかかる労力を大幅に軽減することができる。
【0030】請求項12に記載の表示装置は、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の発光装置を複数個組み合わせることにより表示図柄を形成したものであり、拡散部材から拡散される光によって表示図柄は表示される。このようにすると、表示図柄を形成している拡散部材からの光が、直接対象者の目に届くので、表示図柄の視認性がよく、また、拡散部材を組み合わせて表示図柄を形成できるので、所望の表示図柄を簡単に構成することができる。
【0031】請求項13に記載の表示装置は、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の発光装置の拡散部材を表示図柄に対応した形状に形成することにより、表示図柄を表示可能としたものである。このようにすると、表示図柄を形成する拡散部材からの光が直接対象者の目に届くので、表示図柄の視認性がよい他、表示装置の構成を簡単なものにすることができるのである。
【0032】
【実施例】以上に説明した本発明の発光装置の構成、作用を一層明らかにするために、以下に本発明の実施例について、図面とともに説明する。第1実施例の発光装置1は、主に、光を外部に拡散させるための棒状の拡散部材11と、光源21を内側に備えたキャップ部材31とより構成されている。図1は、第1実施例の発光装置1の構成を表す概略図であり、その斜視図である。
【0033】拡散部材11は、光源21からの光が拡散部材11の内部で減衰しないように、透明なアクリル樹脂で形成され、さらに、円柱状に形成されている。そして、その側壁には、凸状のレンズ部材13aが拡散部材11と一体成形され、拡散部材11のレンズ部材13aが設置されていない側壁には、図1の点線で示した側壁反射板15が設けられている。
【0034】また、キャップ部材31は、アルミ製で、拡散部材11に嵌合するように略円筒状で一方の開口端を閉塞した形状になっており、内側に光源21を備えている。拡散部材11の一端には、このキャップ部材31が嵌合されており、光源21からの光はこの拡散部材11の端から拡散部材11の内部に入射されるようになっている。さらに、拡散部材11のキャップ部材31とは反対側の端面には、キャップ部材31の内側に固定された光源21からの光を拡散部材11の内部に反射するための第1反射板17が設けられている。
【0035】ここで、この第1反射板17と側壁反射板15は、拡散部材11をアクリル樹脂で射出成形する際に、拡散部材11内部に封入され、形成されているが、拡散部材11の表面に接合するように形成してもかまわない。また、この第1実施例の拡散部材11は、キャップ部材31に対してさほど長くはないが、光源21からの光が十分伝搬される長さであれば、用途に応じて適当に決めればよい。
【0036】次に、この発光装置1の内部の構成を表した説明図を図2に示す。尚、図2(a)は発光装置1の長手方向に平行な面である発光装置1の断面図、図2(b)は拡散部材11の長手方向に垂直な面である拡散部材11の断面図であり、図2(c)はキャップ部材の底面図である。
【0037】図2(a)に示すように、キャップ部材31の内側には、光源21である赤色光を発光する発光ダイオード21aと、緑色光を発光する発光ダイオード21bと、青色光を発光する発光ダイオード21cが、その長手方向に並べて固定されている。
【0038】ここで、発光ダイオード21a、21b、21cをこのような配置とするのは、拡散部材11の径が大きくならないようにして、発光装置自体をコンパクトにするためである。使用される発光ダイオード21a、21b、21cは、発光体を透明な樹脂で覆ったものであるので、長手方向に並べて設置しても、それぞれの発光ダイオード21a、21b、21cからの光は、他のダイオードによって光の進行が妨げられないようになっている。
【0039】また、第1実施例の発光装置1は、上記のように、異なる色の発光ダイオード21a、21b、21cを複数個用いて光源21としており、各発光ダイオード21a、21b、21cの電流値を制御すれば、色々な光を発光することができるようになっている。そのため、電流制御により、赤色光と緑色光と青色光の強度をすべて同じにして、光源21から発光する光を白色光とすれば、従来の蛍光灯のような照明装置として使用することができるし、赤色光のみを発光させたり、光源21を点滅させたりすれば、この発光装置1は、電飾看板や警告灯などにも使用することができる。
【0040】さらに、光源21が固定されたキャップ部材31の内側には、拡散部材11への光の透過率を高めるための液体として、絶縁性オイル33が満たされている。このように絶縁性オイル33を封入すると光の透過率が高まるのは、空気の屈折率に比べ、絶縁性オイル33の屈折率の方がアクリル樹脂の屈折率に近いためである。
【0041】光は、空気の層からアクリル樹脂製の拡散部材11に入射すると、アクリル樹脂の空気に対する比屈折率が非常に大きいために、その多くが反射してしまう。しかし、光源21から拡散部材11までの光の経路に絶縁性オイル33を封入すると、アクリル樹脂の絶縁性オイル33に対する比屈折率が空気に対する比屈折率よりも小さいために、光の透過率が高まり、拡散部材11の内部に入射する光の強度が増加する。そのため絶縁性オイル33を、光源21から拡散部材11に入射する光の経路であるキャップ部材31の内側に封入すると、拡散部材11から出射される光の強度が増し、発光装置1の輝度が高まるのである。
【0042】この絶縁性オイル33をキャップ部材31の内側に封入するために、第1実施例の発光装置1のキャップ部材31には、絶縁性オイル33を注入するための螺子孔35aが形成されている。したがって、拡散部材11の一端にキャップ部材31を嵌合させた後に、この螺子孔35aからオイルを注入し螺子35bを螺合すれば、絶縁性オイル33を密封することができる。尚、螺子孔35aを2つ形成したのは、オイルを注入する際に、キャップ部材31の内部の空気を抜けやすくするためである。
【0043】この他、キャップ部材31には、第1反射板17と対向する面に、第2反射板39が設けられている。これは、第1反射板17によって反射された光のうち、光源方向に戻ってくる光を再び拡散部材11の内部に戻すことができるようにするためである。このようにすると、第1反射板17から光源21の方向に伝搬する光は第2反射板39により拡散部材11の内部に反射されるので、発光装置1の輝度を高めることができる。
【0044】尚、第2反射板39と、そのキャップ部材31の底には、発光ダイオード21a、21b、21cのリードを通すためのリード孔36が設けられている。第1実施例のキャップ部材31はアルミ製のため、このままでは絶縁性オイル33を密閉することができないが、このリード孔36にリードを通した後、合成樹脂などを用いてリード孔36を塞ぎ、リード孔36から絶縁性オイル33が漏れないようにしてある。
【0045】また、既述のようにキャップ部材には螺子孔35aが形成され、そこから絶縁性オイル33を注入するようになっているため、第2反射板39にもキャップ部材31の螺子孔35aに対応するように孔を形成して、絶縁性オイル33をキャップ部材の内部に注入できるようにしてある。
【0046】さらにこの他、拡散部材11をキャップ部材31の奥まで差し込まないように、キャップ部材31の内側には突起37が設けられている。以上に説明したように、キャップ部材31に固定された光源21から発光される光は、第2反射板39と第1反射板17とによって拡散部材11内部に導かれ、拡散部材11の側壁方向に拡散する。しかし、拡散部材11の側壁に側壁反射板15が設けられているので、側壁反射板15にも反射し、最終的に光源21からの光は、レンズ部材13aから出射されることになる。
【0047】第1実施例の発光装置1では、側壁反射板15は、図2に示すように、拡散部材11の側壁に、拡散部材11の長手方向に沿って、拡散部材11の中心軸から放射状に複数個配置されているので、この方向に伝搬する光は、側壁反射板15で、再び、拡散部材11内部に戻される。尚、放射状に配置されているとは、隣合う側壁反射板15が、拡散部材11の中心軸に対して等角度に配置されているという事である。つまり、第1実施例の発光装置1では、3つの側壁反射板15が120度ずつ等間隔で配置されている。
【0048】また、レンズ部材13aは、このように配置された隣り合う側壁反射板15の間となる拡散部材11の側壁に、その長手方向に沿って、3つ配置されている。つまり、レンズ部材13aは、120度ずつ等間隔で配置されることになるので、光源21からの光は、レンズ部材13aを介して120度ずつ異なる3方向に出射されることになる。
【0049】さらに、光は、レンズ部材13aの表面から出射される際に、屈折によって、その出射方向を変えて伝搬する。つまり、屈折により、レンズ部材13aの表面に入射する光の入射角に対して、レンズ部材13aの表面から出射する光の出射角は変化し、光は、レンズ部材13aを設置しない場合の光の出射方向とは異なる方向に伝搬することになる。そのため、レンズ部材13aから出射される光の拡散の程度、つまり、レンズ部材13aからの出射光の広がり角は、レンズ部材13aの形状を変えることにより、調整することができることになる。
【0050】例えば、第1実施例のレンズ部材13aの表面は、図3(a)に示すように、拡散部材11の中心軸を中心点Oとし、その中心軸に垂直な面と交わる側壁を円周とする円の半径よりも曲率半径が小さくなるように加工されているので、レンズ部材13aを通過する光を、レンズ部材13aの凸部の頂点側に屈折させることができる。
【0051】つまり、レンズ部材13aの表面を円弧とする円の中心点O’は、拡散部材11の側壁を円周とする円の中心点Oよりも側壁側にあるので、光が円の中心点Oからレンズ部材13aの方向に伝搬されるとすると、レンズ部材13aに対する空気の比屈折率が1より小さいという理由から、レンズ部材13aの曲面の法線方向に対する出射角Yは、入射角Xよりも大きくなり、光は、中心点Oをより延びる拡散部材11の法線に対して中心点Oと中心点O’を結ぶ線の方向に屈折するのである。したがって、レンズ部材13aを通過した光は、その広がり角が小さくなるか、ある焦点に収斂するような経路をとって伝搬し、発光装置1は、特定方向の輝度が高くなるように光を発光するものとなる。
【0052】また、第1実施例のレンズ部材13aの形状は、図3(b)に示すような形状に変更してもよい。つまり、表面の曲率半径が拡散部材の円の半径よりも大きくなるように形成されているレンズ部材13bに変更すれば、レンズ部材13aとは異なり、レンズ部材13bから出射される光の広がり角を大きくすることができる。尚、このレンズ部材13bから出射された光のうち、中心点Oと中心点O’を結ぶ直線方向に伝搬する光の強度は、レンズ部材13bを通過することによる影響をあまり受けないので、光は、その直線方向で、輝度が高く、その方向からずれるに従って、輝度が弱まるようにして広範囲に拡散されることとなる。
【0053】一方、このレンズ部材13bを使用せずに、単に、側壁反射板15の円弧の幅を小さくして、出射される光の広がり角を大きくしただけの発光装置1の場合には、拡散部材11の側壁から出射された光が、その側壁から均一に拡散されることになる。そのため、レンズ部材13bを使用して広がり角を大きくした発光装置1は、レンズ部材13bを使用せずに広がり角を大きくした場合と比較して、広がり角が同じであっても、対象者がより一層明るく感じることができる発光装置1となる。
【0054】また、このような作用及び効果は、図3(b)に示したレンズ部材13bの代わりに、図3(c)に示すような凹状のレンズ部材13cを用いても、同様に得ることができる。以上は、キャップ部材31を備えた第1実施例の発光装置1に関する説明であるが、次に、光源21を拡散部材11の内部に備えた第2実施例の発光装置41について図4を示しつつ説明する。
【0055】図4は、第2実施例の発光装置41の構成を表す説明図であり、図4(a)は発光装置41の斜視図、図4(b)は拡散部材11の長手方向に平行な面である発光装置41の断面図である。この発光装置41は、透明で棒状の拡散部材11と、光源21、側壁反射板15、第1反射板17、第2反射板39から構成されている。
【0056】拡散部材11は、アクリル樹脂製で、円柱状に形成されており、その一端には、光源21を内包している。つまり、拡散部材11は、アクリル樹脂を用いて射出成形される際に、光源21となる発光ダイオード21a、21b、21cを封入して形成されている。このように形成するのは、光の伝搬損失が生じる空気の層を光源21から拡散部材11に伝搬する光の経路に形成しないようにするためである。光源21と拡散部材11とを一体成形すれば、このような光の経路に空気の層は形成されないので、発光装置41は、十分な輝度で発光することができることとなる。
【0057】また、高輝度化を図るために、この発光装置41には、拡散部材11の光源21とは反対側の端に、光源21から伝搬された光を拡散部材11の先端から拡散しないようにするための第1反射板17が設けられている。さらに、拡散部材11の光源側の端面には第2反射板39が設けられており、第1反射板17から反射され、光源21方向に戻ってくる光を、再び、拡散部材11の内部に導くことができるようになっている。このように、光源21からの光は、すべて拡散部材11の内部に戻され、最終的に、拡散部材11の側壁から、外部へ拡散されるのである。
【0058】尚、この拡散部材11の側壁には、第1実施例の発光装置1と同様に、図4の点線で示す拡散部材11の側壁に放射状に3つの側壁反射板15が設けられ、それにより、側壁から出射する光の強度が高められている。また、第2実施例の発光装置41の光源21は、第1実施例の光源21と同様に、赤色光を発光する発光ダイオード21aと、緑色光を発光する発光ダイオード21bと、青色光を発光する発光ダイオード21cより構成され、それらの光を組み合わせて、色々な光を発光できるようになっている。
【0059】以上が第2実施例の発光装置41の構成であるが、第2実施例の発光装置41は、主に、光源21を拡散部材11の一端に、射出成型時に封入したことを特徴とするものであるから、第1実施例の発光装置1と同様に、レンズ部材13a、13b、13cを側壁に設け、それらを拡散部材11と一体成形してもよい。
【0060】また、第2実施例の発光装置41の側壁反射板15、第1反射板17、第2反射板39は、いずれも拡散部材11の射出成型時に、その内部に封入されているが、第1反射板17と第2反射板39は、拡散部材11の端面に、側壁反射板15は、その側壁に接合するように形成してもよい。ただし、接合する場合には、その接合面で、空気の層などが形成されないようにしなければならない。
【0061】次に、第2実施例の発光装置41は、表示装置の光源として使用することができることから、以下には、発光装置41を用いた表示装置51について図5を示しつつ説明する。尚、ただし、表示装置51で用いる発光装置41は、側壁反射板15を、放射状に配置せず、表示図柄を前方に表示するように、後述のフレーム又は支持板側に一枚だけ配置している。また、図5は、発光装置41を用いた表示装置51に関する説明図であり、文字ABCからなる表示図柄53が形成された表示板55と、発光装置41とを備えた表示装置51の構成を表す概略斜視図である。
【0062】図5に示すように、表示装置51は、表示図柄53が形成された表示板55と、その内側から表示板55を照明して表示図柄53を表示するための発光装置41と、表示板55を固定するためのフレーム57と、発光装置41をフレーム57に固定するための固定部材59と、から構成されている。
【0063】つまり、表示板55は、透明なアクリル樹脂製の板状部材で形成され、表面には、色々な色の顔料を用いて印刷された表示図柄53が形成されている。また、表示板55を固定するためのフレーム57は、中空状で、一端が開口された箱状のものとなっている。そして、表示板55は、この開口端を閉塞するようにしてフレーム57に接合され、表示板55は、表示板55の端部の図示しない螺子孔から螺子を螺合することによってフレーム57に固定できるようになっている。
【0064】また、発光装置41を固定するための固定部材59は、板状に形成され、表面には発光装置41の端部に嵌合する溝が形成されて、配置される発光装置41の両側の端面に対応するフレーム57の内側に、配置されている。そして、発光装置41は、両端をこの固定部材59に形成された図示しない溝に嵌合することにより挟持されて固定され、フレーム57の内側に固定されるのである。
【0065】そして、表示装置51では、このように固定部材59によりフレーム57に固定された発光装置41からの光を、フレーム57に固定された表示板55に照射すると、表示板55に形成された表示図柄53を、照明して表示することができるのである。
【0066】尚、発光装置41をフレーム57に固定する方法は、固定部材59に限定するものではなく、ベルトなどを用いてフレーム57に発光装置41を固定してもよい。また、尚、表示図柄53は顔料を用いて形成する以外に、透明なシート状のカラーフィルムを表示板55の表示図柄53に対応した部位に貼り付けて形成することもできる。
【0067】以上が表示板55を用いた表示装置51に関する説明であるが、表示装置51の形態をとらなくとも、例えば、図6(a)に示すように、発光装置41を複数個用いて、それらを文字Eの各部に対応する位置に配置すれば、表示図柄63である文字Eを立体表示することが可能な表示装置61を形成することができる。
【0068】つまり、支持板65に発光装置41を固定するための固定部材59を取り付け、固定部材59に形成された溝にを発光装置41の両端を嵌合させて、発光装置41を支持板65に固定し、表示図柄63を形成すればよいのである。また、図6(b)に示すように発光装置41を変形して、支持板65に固定すれば、一つの発光装置41でも文字C等の表示図柄73を立体表示することができる表示装置71を形成することができる。
【0069】そして、このような表示装置61、71では、既述の表示装置51に比べて、発光装置41から発光された光が、直接、立体的に表示図柄63、73を形成することになるので、見易いし、また、発光ダイオードからの光をカラフルにすれば、見た目にも綺麗に表示図柄63、73を表示することができるのである。尚、図6は、第2実施例の発光装置41を用いた表示装置61、71の構成を表す説明図であり、図6(a)には発光装置41を複数個組み合わせることにより表示図柄63である文字Eが形成された表示装置61の斜視図、図6(b)には、発光装置41の拡散部材11を変形することにより表示図柄73である文字Cが形成された表示装置71の正面図である。
【0070】以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の発光装置1、41は、主に、光源から拡散部材への光の経路に、空気の層が形成されないようにして、輝度を高めたものであるから、この趣旨に反しない限り、上記実施例に限定されることはなく、種々の態様を採ることができる。
【0071】例えば、第1実施例のキャップ部材31の内側には、拡散部材11への光の透過率を高めるための液体として絶縁性オイル33を使用したが、液体は、絶縁性オイル33に限定するものではなく、絶縁性を有し、拡散部材11へ透過する光の強度が高まればよいので、蒸留水などを用いてもよい。また、第1実施例の発光装置1では、螺子孔35aと螺子35bとを用いて液体を密封したが、密封することができればどのような方法でもよく、拡散部材とキャップ部材との間にOリングを填め込むことで液体を密封してもよい。
【0072】その他、拡散部材11には、アクリル樹脂を用いたが、透明なものであれば、その他の合成樹脂でもよい。さらに、拡散部材11の形状は、必ずしも円柱状である必要はなく、角棒状や球状に形成してもよい。要は、発光装置1、41の用途に合わせて、形状を決定し、光源21と拡散部材11の間の光の経路に、絶縁性オイル33などを封入するか、光源21と拡散部材11を、拡散部材11の射出成型時に一体成形すればよいのである。
【0073】また、実施例に挙げた発光装置1、41の側壁反射板15は、特に発光装置1、41の視認性をあげるために配置されたものであって、本発明の発光装置1、41として、その数や配置を限定したものではない。つまり、本発明の発光装置1、41の、側壁反射板15は、用途に合わせて数を決定し、配置すればよい。同様に、レンズ部材13a、13b、13cも、用途に合わせて数やその配置、形状を決定すればよいし、必要がなければ、設けなくてもよい。
【0074】また、光源21については、互いに異なる色の発光ダイオード21a、21b、21cの発光ダイオードにより構成されているが、光源21とする発光ダイオード21a、21b、21cの数などは特に限定するものではなく、色々な発光ダイオード21a、21b、21cを組み合わせて、それらを光源21としてもよい。つまり、同色の光を発光する発光ダイオード21a、21b、21cを複数個設けて光源21とすることもできる。
【0075】その他、実施例に説明した表示装置51、61、71には、発光装置41の代わりに、発光装置1等を用いてもよい。つまり、例えば、表示板55の表示図柄53に光が収斂するように配置されたレンズ部材を有する発光装置1を、発光装置41の代わりに表示装置51に設ければ、より明るく表示図柄53を照明することができて便利である。
【出願人】 【識別番号】591225051
【氏名又は名称】マルワ工業株式会社
【出願日】 平成12年10月27日(2000.10.27)
【代理人】 【識別番号】100082500
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 勉
【公開番号】 特開2002−133908(P2002−133908A)
【公開日】 平成14年5月10日(2002.5.10)
【出願番号】 特願2000−328797(P2000−328797)