| 【発明の名称】 |
光ファイバライン照明装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡部 陽次郎
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| 【要約】 |
【課題】従来の漏光技術を踏襲しつつ、看者への視認性、特に水平斜め方向からの視認性を向上させることができる照明装置を提供する。
【解決手段】それぞれ所定の屈折率を有するコアと、このコアを取り囲んで配置され、コアの屈折率より小さい屈折率を有するクラッドとを備える複数の光ファイバをその長手方向に整列させ、前記クラッドの側面から外部にライン状に漏光するようにした光ファイバ束と、この光ファイバ束の少なくとも一端面に光学的に接続した光源装置とを有する光ファイバライン照明装置において、前記複数の光ファイバの開口数が、0.55ないし0.70の間であることを特徴とする光ファイバライン装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 それぞれ所定の屈折率を有するコアと、このコアを取り囲んで配置され、コアの屈折率より小さい屈折率を有するクラッドとを備える複数の光ファイバをその長手方向に整列させ、前記クラッドの側面から外部にライン状に漏光するようにした光ファイバ束と、この光ファイバ束の少なくとも一端面に光学的に接続した光源装置とを有する光ファイバライン照明装置において、前記複数の光ファイバの開口数が、0.55ないし0.70の間であることを特徴とする光ファイバライン装置。 【請求項2】 前記光ファイバ束は、前記複数の光ファイバを所定本数毎に束ねて複数のグループとし、形成された複数のグループのうち1本のグループが前記光ファイバ束の中心軸上に配置され、他のグループをそれぞれこの1本のグループに対してこの1本のグループのまわりに撚り合わせて形成される請求項1に記載の光ファイバライン照明装置。 【請求項3】 前記光ファイバ束は、前記複数の光ファイバを所定本数毎に束ねて複数のグループとし、形成された複数のグループを互いに撚り合わせて形成されている請求項1に記載の光ファイバライン照明装置。 【請求項4】前記光ファイバ束と前記光源装置との間に配置された、複数のカラーフィルタを周方向に備えた回転円板と、前記光源装置からの光が前記光ファイバ束から外部に漏光する際、所望の色となるように、この回転円板を回転制御する制御装置とをさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の光ファイバライン照明装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバからライン状に漏光させて、照明装置として使用する光ファイバライン照明装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、光ファイバから漏光させる技術が、照明だけでなく、装飾、意匠或いはディスプレイなど広範囲の用途に使用されている。特に、このような技術を用いて照明装置として使用する、光ファイバ照明装置は、それぞれ所定の屈折率を有するコアと、このコアを取り囲んで配置され、コアの屈折率より小さい屈折率を有するクラッドとを備える複数の光ファイバをその長手方向に整列させ、外部にライン状に漏光するようにした光ファイバ束と、この光ファイバ束の少なくとも一端に光学的に接続した光源装置とを有する。漏光技術としては、これまでに種々の技術が開発されており、たとえばクラッド或いはコアの材質を工夫することにより、光ファイバ表面の表面処理により、或いは光ファイバ自体に歪みを形成することにより、漏光させている。このような構成によって、端面に光を入射すると、反光源側に光が多く漏れる光ファイバーの性質を利用することにより、光ファイバーの長手方向にライン状に漏光する光を照明として活用することができる。 【0003】しかしながら、このような照明装置には、以下のような技術上の問題があった。 【0004】即ち、光ファイバの開口数(numerical aperture)が小さいことに起因して、反光源側への漏光輝度が光源側へのそれに比して低いことである。より詳細には、 開口数は、光ファイバが端面で受光できる角度をθとするとき、sinθで表されるが、従来の照明装置における光ファイバの開口数は、約0.5以下であった。 【0005】このようなことから、特に、誘導灯や安全表示灯等に使用する際、被誘導者に対する視認性を向上させることができなかった。より具体的には、誘導灯においては、たとえば夜間ガソリンスタンドや駐車場で車を効果的に誘導することが困難であり、一方、安全表示灯においては、たとえば夜間ガードレール等に設置した安全表示灯によって対向車が近づいた旨の注意を有効に喚起することが困難であった。 【0006】一方で、被誘導者に対する視認性を向上させるために、従来の漏光技術とは異なる新たな漏光化技術を採用するとすれば、複雑で高度な漏光化制御が不可欠となる。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、従来の漏光技術を踏襲しつつ、看者への視認性、特に水平斜め方向からの視認性を向上させることができる照明装置を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、本発明の光ファイバライン照明装置は、 それぞれ所定の屈折率を有するコアと、このコアを取り囲んで配置され、コアの屈折率より小さい屈折率を有するクラッドとを備える複数の光ファイバをその長手方向に整列させ、前記クラッドの側面から外部にライン状に漏光するようにした光ファイバ束と、この光ファイバ束の少なくとも一端面に光学的に接続した光源装置とを有する光ファイバライン照明装置において、前記複数の光ファイバの開口数が、0.55ないし0.70の間である構成としてある。 【0009】また、前記光ファイバ束は、前記複数の光ファイバを所定本数毎に束ねて複数のグループとし、形成された複数のグループのうち1本のグループが前記光ファイバ束の中心軸上に配置され、他のグループをそれぞれこの1本のグループに対してこの1本のグループのまわりに撚り合わせて形成されるのが好ましい。さらに、前記光ファイバ束は、前記複数の光ファイバを所定本数毎に束ねて複数のグループとし、形成された複数のグループを互いに撚り合わせて形成されているのがよい。 【0010】さらにまた、前記光ファイバ束と前記光源装置との間に配置された、複数のカラーフィルタを周方向に備えた回転円板と、前記光源装置からの光が前記光ファイバ束から外部に漏光する際、所望の色となるように、この回転円板を回転制御する制御装置とをさらに有するのもよい。 【0011】 【作用】本発明の光ファイバライン照明装置によれば、その反光源側をたとえば安全表示灯の場合における被誘導者等看者に向けながら、光源装置からの光を光ファイバ束の端面から入射すると、コアの外側のクラッド側面から外部にライン状に漏光する光が、反光源側に多く漏れ、特に開口数を0.55以上とすることにより、反光源側の輝度が光源側のそれより高くなる。その結果、安全表示灯の場合における被誘導者等看者に対するライン状の視認性を向上させることができる。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1乃至図4を参照しながら、以下に詳細に説明する。 【0013】図1は、本発明の実施の形態に係わる光ファイバライン照明装置の概略図である。図2は、本発明の実施の形態に係わる光ファイバライン照明装置をトンネル内のガードレールに設置し、安全表示灯として利用した場合の概略図である。図3は、光ファイバから漏光するパターンの測定方法についての実験装置に関する概略図である。図4は、NA=0.5、NA=0.55の場合における、図3の実験装置による輝度の測定結果を示すグラフである。 【0014】図1(a)を参照すれば、光ファイバライン照明装置10は、従来と同様に、それぞれ所定の屈折率を有するコア(図示せず)と、このコアを取り囲んで配置され、コアの屈折率より小さい屈折率を有するクラッド(図示せず)とを備える複数の光ファイバをその長手方向に整列させ、外部にライン状に漏光するようにした光ファイバ束12と、この光ファイバ束の少なくとも一端に光学的に接続した光源装置14と、光ファイバ束を被覆する透明チューブ16とを有する。 【0015】コア及びクラッドの材料としては、従来と同様なものでよく、たとえばコアの材料としては、ポリメチルメタクリレート 樹脂、重水素化PMMA、ポリスチレン系重合体、ポリ−4−メチルペンテン−1、シリコン系重合体などを用いることができる。一方、クラッドの材料としては、たとえば、フッ素系重合体、フッ化ビニリデン系重合体、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロアセトン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、メタクリル酸エステル系重合体などがある。 【0016】光ファイバ束12は、複数の光ファイバを所定本数毎に束ねて複数のグループとし、形成された複数のグループのうち1本のグループを長手方向に真っ直ぐに延ばした状態で、他のグループをこの1本のグループに対して撚り合わせて形成される。より具体的には、直径0.75mmの光ファイバを14本束ねて1本のグループとし、各グループ内の撚り数を10回撚り回数/mで予め加撚する。ついで、7本のグループのうちの1本を光ファイバ束12の中心軸上に位置決めしたうえで、長手方向に真っ直ぐに延ばし、このまわりに残りの6本のグループを8.3撚り回数/mの割り合いで撚り合わせて、光ファイバ束12を形成する。 【0017】透明チューブ16は、光ファイバを保護するために設けられ、たとえば軟質或いは可撓性プラスチックからなる透明性を有するものであり、無色或いは着色されたものでよい。より具体的には、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエスチレン樹脂などがある。これらの樹脂に可塑剤や拡散剤などを適宜添加してもよい。 【0018】光源装置14は、一般的な大容量のランプであり、たとえばメタルハライドランプなどの放電灯がよい。その容量は、反射鏡、レンズの装着、ランプの形状、消費電力などを含め、本装置の用途、たとえば一般道路に設置する警告灯、単なる照明等に応じて決定すればよい。 【0019】光ファイバ束12を構成する光ファイバの開口数は、コア材の屈折率をn1、クラッド材の屈折率をn2としたとき、√(n12−n22)で定義される。本発明においては、開口数が0.55以上となるように、コア材及びクラッド材を選択する。図1(b)は、光源装置14a、14bを光ファイバの両端に設置した例である。このような構成とすることにより、たとえば一般道のガードレール等に警告灯或いは表示灯等として設置する際、双方向からの視認性を向上することができる。図1(c) に示すように、このような光源装置を両端に設置したタイプを直列に接続して、12aないし12cからなる光ファイバ束12の構成とすることにより、相当な距離に亘ってライン状に照明を行うことができる。 【0020】特に、トンネル内の警告灯として利用した例を、図2を参照しながら、以下に説明する。図2において、本装置10が、トンネル20の長手方向に沿って延びるガードレール22に取り付けられている。本装置10は、その両端で光源装置14a、14bに光学的に接続され、さらにトンネル20の外には、車両がトンネル20内に進入するかどうかを検出する車両検出センサー24a、24bと、これらの車両検出センサー24a、24b及び光源装置14a、14bそれぞれと電気的に接続された制御装置26とが設けられている。この制御装置26は、それぞれの車両検出センサー24a、24bからの信号を受信することにより、それぞれの光源装置14a、14bに向かって制御信号を発信するようにしている。 【0021】このような装置によれば、トンネル20の両方の開口端から車両が進入する場合には、それぞれの車両検出センサー24a、24bが制御装置26に信号を送信し、それに応答して制御装置26は、それぞれの光学装置14a、14bに制御信号を発信して、それぞれの光学装置をオンにする。それによって、各光学装置14a、14bは、光を光ファイバーに向けて発光し、上述のように、光ファイバーのクラッド側面から外部にライン状に漏光する光がトンネル内に進入する各ドライバーに対して警告灯の役割を果たす。その際、反光源側の輝度が高められるので、どちらの方向からのドライバーに対しても視認性を向上させることができる。 【0022】以下に、光ファイバーライン照明装置において、漏光する光の輝度が光源側から反光源側に応じてどのように変化するかの確認試験について説明する。 【0023】試験に用いた照明装置は、図3に示すように、光ファイバ12とこの光ファイバ12の一端に光学的に接続された光源装置14とを有する。光ファイバ12は、直径0.75mmの光ファイバーを5本シート状に長手方向に整列させることにより構成している。一方、光源装置14は、150Wのメタルハライドランプである。図に示すように、輝度を測定するために、光ファイバの光源装置14から10m、光ファイバから360mm離れた位置に、輝度計30を設置している。この輝度計30は、図の矢印に示すように、光源装置側から反光源側まで180度に亘って回転可能な構成としてある。 【0024】図4は、2種類の開口数(Na)について、縦軸に輝度、横軸に輝度計の角度をとって輝度の変化を示すグラフである。図4によれば、Na=0.5の場合とNa=0.55の場合とを比較すれば、光源側から反光源側までNa=0.55の場合の方が、Na=0.5の場合より輝度が高く、特に反光源側に近づくにつれてその差が大きくなる。より詳細には、角度125度近辺から反光源側に近づくほど差は大きくなり、175度では、Na=0.55の場合輝度が約250.0cd/m2 であるのに対して、Na=0.5の場合輝度が約90.0cd/m2 である。 【0025】そのため、本発明の照明装置を用いるに際し、想定される看者の位置が、反光源側の光ファイバの中心軸に対して−55度ないし+55度の範囲内、好ましくは−25度ないし+25度の範囲内にはいるように光ファイバ束12を配置すると、視認性の向上効果は著しく大きくなる。 【0026】このように、本試験によって、Na値の反光源側における輝度に与える影響について実証確認することができた。なお、Na値の上限値について、コアの屈折率は、1.492であり、一方公知のクラッドのうち最も低い屈折率の樹脂材料は、テフロン(登録商標)であり、その屈折率は1.33であることから、Na=√(1.4922−1.332)=0.67となり、したがって、上限値は、通常0.70である。 【0027】さらに、変形例として、光ファイバ束と光源装置との間に、複数色のカラーフィルムを周方向に有する回転円板と、この回転円板を回転制御する制御装置と、この回転円板を回転駆動するための駆動手段とを設けてもよい。 【0028】この回転円板には、板上に検出片と、この検出片と対向した位置に近接スイッチ等からなる検出センサーとが設置されており、この検出センサーは、制御装置に電気的に接続され、検出センサーから検出信号が制御装置に送信されるようにしている。制御装置は、外部からの指定色信号により駆動手段、たとえば回転円板の中心部に取り付けられたステッピングモータを回転させることにより、回転円板を所定角度回転させ、それにより所望色のカラーフィルム位置まで回転させる。これにより、光源装置から発光する光がカラーフィルムによって所望色に着色された後、光ファイバーの端面から入射して、コアを経由してクラッド側面から漏光して、照明機能を果たすようにしている。これにより、看者に対する視認性をさらに向上させることができる。 【0029】本発明の実施の形態を詳細に説明したが、請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更、修正が可能である。例えば、本実施の形態では、光ファイバーを束状としたが、シート状、ロープ状、紐状などに集合化したものにも適用可能である。さらに、本発明の照明装置に従来の種々の漏光化技術を適用することも可能である。 【0030】 【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の光ファイバーライン照明装置によれば、たとえば安全表示灯の場合における被誘導者等看者に対する視認性を向上することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006035 【氏名又は名称】三菱レイヨン株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年9月19日(2000.9.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059959 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 稔 (外10名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−93224(P2002−93224A) |
| 【公開日】 |
平成14年3月29日(2002.3.29) |
| 【出願番号】 |
特願2000−283304(P2000−283304) |
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