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【発明の名称】 車両用灯具
【発明者】 【氏名】八木 隆之

【氏名】塚本 広徳

【要約】 【課題】灯具ボディの背面領域の寸法を低減し、当該灯具ボディで構成される車両用灯具の前後方向の寸法を縮小し、小型化を実現する。

【解決手段】灯具ボディ11に配設した複数の電球ソケット16と、灯具ボディ11の背面に延設して電球ソケット16に共通配線に電気接続する共通配線18とを備え、共通配線18を介して各電球ソケット16に車載電源を給電する構成とし、共通配線18には柔軟な電気コード31によりコネクタ30を接続し、このコネクタ30に車載電源を給電する構成とする。柔軟な電気コード31に接続されたコネクタ30を介して共通配線18に車載電源の給電が行われるため、当該電気コード31の柔軟性を利用してコネクタ30を任意の位置に配置することが可能になり、コネクタ30が灯具ボディ11の背面領域に突出状態に配設されることがなく、灯具ボディ11の背面領域のスペースを低減し、前後寸法の小さい、小型な灯具が実現できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 灯具ボディに配設した複数の電球ソケットと、前記灯具ボディの背面に延設し、前記各電球ソケットにそれぞれ電気接続する共通配線とを備え、前記共通配線を介して前記各電球ソケットに車載電源を給電する構成の車両用灯具において、前記共通配線には柔軟な電気コードによりコネクタを接続し、前記コネクタに前記車載電源を給電する構成としたことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】 前記共通配線は、帯状の金属板、金属棒、被覆された帯状の金属板または金属棒のいずれかで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】 前記電気コードは、前記共通配線に対して、コンタクト片による圧接構造、コンタクト片によるかしめ構造、半田付け、溶着のいずれかにより接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車等の車両に用いられる車両用灯具に関し、特に一つの灯具ボディに複数個の電球ソケットを取着し、かつ各電球ソケットを並列状態に電気接続して給電を行う構成の車両用灯具に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用灯具、特に自動車用のハイマウントストップランプは、細長い灯具ボディに沿って複数個の電球を装着し、これらの電球に対して給電を行って同時に点灯する構成がとられている。このような構成を実現するために、前記複数の電球を並列的に電気接続しているが、その際の電気接続構造を簡易化するために、共通配線構造を採用することが行われている。この共通配線構造は、図9に示すように、灯具ボディ111に複数個の電球115を直線状に配置する場合、前記灯具ボディ111の背面には前記各電球115を支持する電球ソケット116の取着箇所に沿って一対の導電材料からなる共通配線118を平行状態に延設しておき、前記各電球ソケット116を前記灯具ボディ111に取着したときに、各電球ソケット116の両側において半径方向に突出された接続片127内にそれぞれに内蔵されている図外の正側コンタクト及び負側コンタクトの各一部にそれぞれ前記共通配線118が接触して電気接続されるように構成している。また、前記電球ソケット116のうちの一つ、ここでは図示右側の電球ソケット116Aには、車載電源に電源コード132を介して接続されている電源コネクタ133が嵌合可能なソケットコネクタ130を一体に設けている。
【0003】そして、前記電源コネクタ133をソケットコネクタ130に嵌合することで、車載電源が電源コネクタ133及びソケットコネクタ130を介して前記共通配線118に給電され、さらにこれら共通配線118から各電球ソケット116に給電され、各電球115が点灯可能とされる。なお、電源コネクタ133に嵌合されるコネクタを共通配線コネクタとして電球ソケット116とは別体に形成しておき、当該共通配線コネクタを電球ソケット116から独立した状態で共通配線118に結合する構成もある。このような共通配線構造を採用することにより、個々の電球ソケットに個別に電源コードを接続する場合に比較して、組立の簡易化が可能になり、また電源コードの総延長の長さを短くすることができ、灯具の低コスト化を実現することが可能になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種の共通配線構造は、電源コネクタ133に嵌合して共通配線118に車体電源を給電するための共通配線側のコネクタが、前記したようにソケットコネクタ130として電球ソケット116と一体に、あるいは図示は省略したが電球ソケットとは別体に形成された上で共通配線に結合した構成とされている。その上で、前記ソケットコネクタ130のような共通配線側のコネクタに対して、電源コード132に接続された電源コネクタ133を嵌合した状態で結合する構成がとられているため、図10に示すように、前記電源コネクタ133がソケットコネクタ130に嵌合して共通配線118に給電を行う状態では、電源コネクタ133は灯具ボディ111の背面側に大きく突出した状態で配設されることになる。そのため、灯具ボディ111の背面側の領域が、電源コネクタ133及びソケットコネクタ130が突出した長さ分だけ長くなり、この種の車両用灯具の前後方向の寸法L2を縮小することが困難になり、灯具の小型化を図ることが難しいという問題がある。したがって、この種の灯具を自動車のハイマウントストップランプHMSLとして、図10に示したようなハウジング101内に内装すると、ハウジング101の前後方向の寸法も大きくなり、自動車への装備に際しての設計上の自由度が低下されるることになる。
【0005】本発明の目的は、前後方向の寸法を縮小し、小型化を図った車両用灯具を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、灯具ボディに配設した複数の電球ソケットと、前記灯具ボディの背面に延設し、前記各電球ソケットにそれぞれ電気接続する共通配線とを備え、前記共通配線を介して前記各電球ソケットに車載電源を給電する構成の車両用灯具において、前記共通配線には柔軟な電気コードによりコネクタを接続し、前記コネクタに前記車載電源を給電する構成としたことを特徴とする。
【0007】ここで、前記共通配線は、帯状の金属板、裸の金属棒、被覆された帯状の金属板または金属棒で構成される。また、前記電気コードは、前記共通配線に対し、コンタクト片による圧接構造、コンタクト片によるかしめ構造、半田付け、溶着構造により接続される。
【0008】本発明によれば、柔軟な電気コードに接続されたコネクタを介して共通配線に車載電源の給電が行われるため、電気コードの柔軟性を利用してコネクタを任意の位置に配置することが可能になり、コネクタが灯具ボディの背面領域に突出状態に配設されることがなく、灯具ボディの背面領域のスペースを低減し、前後寸法の小さい、小型な灯具が実現できる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1(a),(b)は本発明を自動車のハイマウントストップランプHMSLに適用した実施形態の自動車の背面図とそのAA線拡大断面図である。また、図2は前記ハウマウントストンプランプHMSLの概略構成を示す部分分解斜視図である。前記ハイマウントストップランプHMSLは、例えば、自動車のリアウインドガラスRWGを支持しているリアウインドサッシRWSの一部に装備されるものとして構成されており、前記リアウインドサッシRWSの内側に配置された水平方向に沿った細長いハウジング1内に収納支持される。前記ハイマウントストップランプHMSLは、前記ハウジング1の後部開口2に沿って水平方向に細長い灯具ボディ11と、前記灯具ボディ11の前面開口縁11aに溶着等によって取着される赤色レンズ12とを備えておいる。前記灯具ボディ11の背面部は、長さ方向に沿って複数領域、ここでは3つの領域に区画されたリフレクタ部13が形成されており、各リフレクタ部13の背面にはそれぞれ電球ソケット取付穴14が開口されている。そして、前記各電球ソケット取付穴15には、それぞれ電球15を支持した電球ソケット16が着脱可能に取着されている。また、前記灯具ボディ11の前記背面部の外側には、前記3つの電球ソケット取付穴14を上下方向に挟むように、一対の共通配線18が灯具ボディ11の長さ方向に沿って平行に延設され、前記各電球ソケット16はこれら共通配線18に対して電気接続されている。
【0010】すなわち、前記共通配線18は、細長い帯状をした裸の銅等の導電性を有する金属板で構成されている。また、前記灯具ボディ11の背面には、前記電球ソケット取付穴14の水平方向の両側位置にそれぞれ上下方向に微小間隔をおいて対をなす挟持ロッド17が立設されている。そして、前記共通配線18は、前記挟持ロッド17に沿って延長され、かつその複数部分がそれぞれ前記挟持ロッド17間に挿入されることで、前記共通配線18はその長さ方向の複数箇所においてそれぞれ前記挟持ロッド17により挟持され、灯具ボディ11の背面部に沿って延長支持されることになる。
【0011】また、前記3つの電球ソケット16は、図3に外観図を、図4に組立状態の断面図をそれぞれ示すように、前記電球15、ここでは口金電球が嵌入支持されるソケット部21と、前記共通配線18に電気接続される共通配線接続部22とを備えた構成とされている。前記ソケット部21は、円筒状をしたソケット本体内23に一対の金属片で構成される正側コンタクト24と負側コンタクト25が内装配置されており、前記ソケット本体23内に嵌入された電球15の口金にそれそれ電気接続される。また、前記ソケット本体23の外周部の複数箇所、ここでは2箇所には、半径方向に弾性変形可能なランス状の係合片26が設けられており、この係合片26が前記電球ソケット取付穴14の半径方向に設けられた係合溝14aに係合することによって、前記電球ソケット16が前記電球ソケット取付穴14に対して着脱可能とされている。一方、共通配線接続部22は、前記ソケット本体23の両側からそれぞれ半径方向に向けてL字型をした接続片27が一体に突出形成されている。これらの接続片27は、前記ソケット本体23の外周面に対して所要の間隔を有しており、これらの間隔内に前記正側コンタクト24と負側コンタクト25の各端部24a,25aがほぼU字状に曲げられた状態で内装されている。
【0012】したがって、前記電球ソケット16を電球ソケット取付穴14に取着する際には、図4に示すように、電球ソケット16を電球ソケット取付穴14内に挿入すると、係合片26が内径方向に弾性変形して係合溝14aの内側縁部に係合することにより、電球ソケット16は電球ソケット取付穴14に支持される。そして、この支持された状態では、電球ソケット16の一対の接続片27内にはそれぞれ共通配線18が挿入される状態となり、この状態では各接続片27内において正側コンタクト24aと負側コンタクト25aがそれぞれ共通配線18に接触し、相互に電気接続された状態となる。
【0013】一方、図2に示したように、前記一対の共通線18には、共通配線コネクタ30が柔軟な電気コード31を介して電気接続されている。前記共通配線コネクタ30は、車載電源に接続された電源コード32に接続された電源コネクタ33に嵌合可能な構成である。なお、これらのコネクタ30,33は周知のコネクタをそのまま利用しているので、ここでは説明は省略する。そして、前記共通配線コネクタ30に接続された前記電気コード31の他端には、金属板からなる共通配線コンタクト片34がそれぞれ接続され、この共通配線コンタクト片34により前記共通配線18に電気接続されている。前記共通配線コンタクト片34は、図5に示すように、この実施形態では、弾性を有する金属片をコ字状に曲げ形成した構造であり、その一側部34aにおいて前記電気コード31がかしめ等により接続されている。そして、前記共通配線コンタクト片34は、コ字状の開口部を前記共通配線18の端部に向けて押し付けることで、その開口部内に前記共通配線18を挟持した状態となり、相互に電気接続されることになる。
【0014】したがって、電源コネクタ33を共通配線コネクタ30に嵌合すると、車載電源は電源コネクタ33から共通配線コネクタ30を介し、さらに電気コード31、共通配線コンタクト片34を介して共通配線18に給電されることになり、結果として、各共通配線18から3個の各電球ソケット16にそれぞれ給電が行われ、各電球ソケット16に支持された電球15の点灯が可能な状態になる。この場合、共通配線コネクタ30は、柔軟な電気コード31を介して共通配線18に電気接続されているため、共通配線コネクタ30は、図2に示したように、灯具ボディ11の側面に沿った位置に配置することが可能になる。これにより、その灯具ボディ11の背面側にコネクタが突出位置されることがなくなり、図1(b)に示したように、ハウジング1内に内装されるハイマウントストップランプHMSLの背面領域のスペースを低減し、ハイマウントストップランプHMSLの前後寸法L1を縮小し、小型化を実現することが可能になる。
【0015】ここで、前記共通配線18は、細長い帯状の金属板で構成しているが、図6のように、丸棒状の裸の金属棒41で構成してもよい。この場合には、同図のように、金属棒41を灯具ボディ11の背面に延設支持する構造として、灯具ボディ11の背面に矩形の枠部42を突出形成し、前記枠部42にはその中間部に開口溝を形成して挟持部43を形成し、前記挟持部43内に前記金属棒41を延長支持する。また、前記電気コード31がかしめ固定されたU字溝45を有する共通配線コンタクト片44を前記枠部42の枠内に挿入し、共通配線コンタクト片44のU字溝45内に金属棒41を挟持した状態で圧接して電気接続を行うような構成としてもよい。
【0016】あるいは、図7(a),(b)のように、絶縁被覆した金属板51あるいは金属棒52で形成してもよく、この場合には電球ソケット16に導通する箇所や、図1の例のような共通配線コネクタ30の電気コード31に接続した共通配線コンタクト片34に接続する箇所の被覆を剥がしておけばよい。
【0017】また、共通配線コネクタの電気コードを共通配線に接続する構造として、前記図5の実施形態ではコ字状に形成した共通配線コンタクト片34を使用しているが、電気コードに接続した金属製のコンタクト片を共通配線にかしめ固定してもよい。あるいは、電気コード31の他端を直接共通配線に半田付け、または溶着等により接続してもよい。図8(a)は丸棒の金属棒41に電気コード31の端部をかしめ金具61により固定した例であり、図8(b)は金属板18にかしめ金具62により固定した例であり、図8(c)は金属板18に半田63によりろう付けした例である。さらに、かしめ位置は、図2の例のように共通配線18の端部であっても、あるいは図7に示したように共通配線18,41の中間部のいずれであってもよい。
【0018】なお、前記実施形態では、口金を有する電球を搭載した灯具の例を示したが、口金を有しない無口金電球を搭載する灯具においても本発明を適用することが可能である。また、本発明をハイマウントストップランプに適用した例を示したが、複数の電球を同時に点灯する構成の一方で背面領域の寸法の縮小が要求される前後方向の寸法が小さい車両用灯具であれば、同様に本発明を適用することが可能である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、灯具ボディに配設した複数の電球ソケットに対して車載電源を給電するための共通配線に、柔軟な電気コードによりコネクタを接続し、当該コネクタに車載電源を給電する構成としているので、電気コードの柔軟性を利用してコネクタを任意の位置に配置することが可能になり、これによりコネクタが灯具ボディの背面領域に突出状態に配設されることがなく、灯具ボディの背面領域の寸法を縮小し、前後寸法の小さい、小型な車両用灯具が実現できる。
【出願人】 【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
【出願日】 平成12年9月19日(2000.9.19)
【代理人】 【識別番号】100081433
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 章夫
【公開番号】 特開2002−93214(P2002−93214A)
【公開日】 平成14年3月29日(2002.3.29)
【出願番号】 特願2000−283657(P2000−283657)