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【発明の名称】 低温槽内観察装置用照明装置
【発明者】 【氏名】津井 伸彦

【氏名】山本 和成

【氏名】石山 弘之

【氏名】酒匂 直浩

【氏名】内藤 潔

【氏名】齋藤 利貴

【氏名】瀧本 英敏

【氏名】早川 佳代子

【氏名】飯村 賢司

【氏名】小林 研吾

【要約】 【課題】ハンドリング性を考慮して撮影装置と照明装置を2体に分離し、単独で低温槽内に挿入される照明装置を構成しつつ、複雑な機構を排除して簡単な構成でもって側方,下方の照明を可能にし、しかも細径化,小型化,軽量化を達成する。

【解決手段】円錐状の上部筐体11と、円筒状の外周縁に沿って円筒軸方向に配設される細径の線状フレーム12と、この線状フレーム12に支持されて円筒軸方向に所定間隔置きに配設される複数のソケット支持部13,13’とを備えてあり、ソケット支持部13にはそれぞれソケット14が支持されていて、このソケット14には棒状の側方用ランプ15が接続され、最下端のソケット支持部13’に支持されたソケット14’には、下方用ランプ16が接続されている。そして、側方用ランプ15のソケット14は、斜倒可能にソケット支持部13に支持されており、また線状フレーム12の内側には過熱保護された配線が配設されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 低温槽の内部状態を観察するために、該低温槽の天井部から単独に吊り下げられて槽内の液中に挿入される低温槽内観察装置用の照明装置であって、上記照明装置は、円筒状の筐体を形成すべく円筒軸方向に向けて円形配置される複数の線状フレームと、この線状フレームに支持されて円筒軸方向に所定間隔置きに配設される複数段のソケット支持部と、このソケット支持部間の円筒軸上に並列される側方用棒状ランプと、最下段のソケット支持部の下方に向けて配置される下方用ランプとを備えてなり、上記側方用棒状ランプの基端が接続されるソケットは、該側方用棒状ランプの先端が脱着可能状態となるように、斜倒自在に上記ソケット支持部に支持してなることを特徴とする低温槽内観察装置用照明装置。
【請求項2】 上記線状フレームの内側には、過熱保護されたランプ用配線を配設してなることを特徴とする請求項1に記載された低温槽内観察装置用照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LNGを貯蔵する地下タンク等の低温槽の内部状態を観察する際に使用される観察装置用の照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】LNGの地下貯槽等、高額な設備投資の基に建設された大規模施設は、適切な管理を行って長寿命化を図る必要があり、そのためには、貯槽の外部だけでなく貯槽の内部状態も観察して設備の健全性を評価する必要がある。
【0003】このような大規模貯槽の内部を観察するために開放点検を行う場合には、1年近い工事期間と、多大な費用を要することから、運転状態で内部を液中観察することができる小型で高性能な観察装置が求められている。
【0004】従来、上記のような低温槽内観察装置としては、低温槽の天井部に設けられた筒状開口を有するノズル部から内部に挿入でき、かつ、容易に引き出しが可能であって大規模な槽内の全体を高精度に観察できること、低温雰囲気中での使用に耐えうること、安全性,ハンドリング性,堅牢性を備えていること、等の要求を満たすべく開発が行われている。
【0005】従来提案されているものは、概ね、カメラ等を備える撮影装置と、照明装置とこれらを収容する筐体とから構成され、筐体はノズル部の筒状開口を通過させるために円筒状の外形を有する構成となっている。
【0006】図6(a),(b)に、これまでに提案されている低温槽内観察装置の一例を示す。図において観察装置1は、ケーブル2と、それに垂下された観察装置本体3と、この観察装置本体3の上部に取付けられた照明用ランプなどを有する照明装置4,5とからなる。観察装置本体3は、ハウジング6内にカメラなどの撮影手段を備え、ハウジング6の下方および側方に設けられた窓7,8を通して低温槽内部を撮影するものである。この観察装置本体3には図示していないが撮影手段の視界を下方または側方に切り替える視界切替え手段や、照明装置4,5の照射角度を調節するための照明切替え手段などが収納されている。
【0007】これによると、観察装置1は、ケーブル2で垂下して低温槽の天井部に設けた挿入孔(ノズル部)から槽内の所定位置に下ろされ、照明装置4,5で照明しながら視界切替え手段により視界を下方または側方に切り替えて撮影手段で撮影を行い、その画像信号がケーブル2を通って外部に送られる。この際、照明切替え手段を撮影視界に対応して作動させると、照明装置4,5の照明方向は、図6(a)に示すように側方に、または図6(b)に示すように下方に切り替えられ、それぞれタンクの側方または下方を照射することができるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の低温槽内観察装置では、照明装置4,5が、観察装置1と一体に設けられており、またこの観察装置内部に照明装置4,5の照射角度を調節するための照明切替え手段などが収納されていることから、観察装置全体が大型且つ重いものになりハンドリング性に欠けるという問題がある。
【0009】また上記の照明装置自体においても、照明切り替え手段等の複雑な機構を備えており、また照明ランプそのものの形態及び設置について特に考慮されていないことから、装置の外径が大きくなり、小開口径のノズル部を通過する照明装置を構成し難いという問題もある。
【0010】本発明は、このような問題に対処するために提案されたものであって、ハンドリング性を考慮して撮影装置と照明装置を2体に分離し、単独で低温槽内に挿入される照明装置を構成しつつ、複雑な機構を排除して簡単な構成で側方及び下方の照明を可能にし、しかも細径化,小型化,軽量化を達成し得る低温槽内観察装置用の照明装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、以下の第1発明及び第2発明に構成されていることを特徴としている。
【0012】第1発明は、低温槽の内部状態を観察するために、該低温槽の天井部から単独に吊下げられて槽内の液中に挿入される低温槽内観察装置用照明装置であって、上記照明装置は、円筒状の筐体を形成すべく円筒軸方向に向けて外周縁に円形配置される複数の線状フレームと、この線状フレームに支持されて円筒軸方向に所定間隔置きに配設される複数段のソケット支持部と、このソケット支持部間の円筒軸上に並列される側方用棒状ランプと、最下段のソケット支持部の下方に向けて配置される下方用ランプとを備えてなり、上記側方用棒状ランプの基端が接続されるソケットは、該側方用棒状ランプの先端が脱着可能状態となるように斜倒自在に上記ソケット支持部に支持してなることを特徴とする。
【0013】上記第1発明の特徴によると、まず照明装置を観察装置に対して独立した形態とすることによって、装置の小型・軽量化が可能になり、ハンドリング性を向上させることが可能になる。そして、この照明装置は、側方用棒状ランプを円筒軸上に並列させ、下端部に下方用ランプを設けるように形成したことで、複雑な切り替え機構を省き、装置の細径化と軽量化を可能としている。また、上記側方用棒状ランプ用のソケットは、この側方用棒状ランプの先端が脱着可能状態となるように、斜倒自在にソケット支持部に支持されているので、側方用棒状ランプの先端と隣接するソケット支持部との間に、ランプの装着或いは交換時にランプをソケットから引き抜くための間隔を設ける必要がなく、その分、照明装置の全長を短く形成することが可能になり、装置の小型化を達成することができる。
【0014】また第2発明は、上記第1発明の特徴を前提として、上記線状フレームの内側には過熱保護されたランプ用配線を配設してなることを特徴とする。この第2発明の特徴によると、照明装置における配線は、円筒状の筐体を形成すべく外周縁に沿って円筒軸方向に配設される複数の線状フレームの内側に配設され、この配線を、過熱保護された耐熱性のもので形成しているので、上記線状フレーム及び配線と上記円筒軸上に並列される側方用棒状ランプとを近接配置することが可能になり、その分、装置の外径を細径化することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態である低温槽内観察装置用照明装置の全体構成を示す説明図である。この照明装置10は、図1に破線で示すように略円筒状の筐体形状をなすものであり、後述の図5に示す低温槽としてのLNG地下式貯槽50の天井部に備えたノズル部52を通して槽内に挿入され、ケーブル20により吊り下げられて槽内の側方及び下方を照明するものである。
【0016】上記照明装置10における円筒状の筐体を構成する部材は、図1に示しているように円錐状の上部筐体11と、円筒状の外周縁に沿って円筒軸方向に配設される複数本(図示の実施例では3本)の細径の線状フレーム12と、この線状フレーム12に支持されて円筒軸方向に所定間隔置きに配設される複数段のソケット支持部13,13’により構成される。そしてソケット支持部13にはそれぞれソケット14が支持されており、このソケット14には棒状の側方用ランプ15が接続され、また、最下端のソケット支持部13’に支持されたソケット14’には、下方用ランプ16が接続されている。
【0017】図2は、上記照明装置10における側方用ランプ15の装着状態を示す説明図である。この図に示しているように側方用ランプ15は、その基端部に設けられた口金17を、ソケット14に嵌合接続して、使用時には円筒軸上に並列配置してなるものであり、この使用状態(側方用ランプ15の実線状態)のとき、ランプ先端部に生じている突起15a(ランプガラス管の成形時に発生した突起)が、隣接するソケット保持部13の対向面に設けられた保持具19の穴19aに嵌合して使用状態が保持されるようにしている。またこの際に、側方用ランプ15の先端部と、隣接するソケット支持部13の対向面との間隔e1は、保持具19が介在しうる程度の僅かな対向間隔に設定されている。
【0018】そして、この側方用ランプ15が接続されたソケット14は、ソケット支持部13に対して片側が蝶着されて斜倒自在に支持されている。したがってランプの装着時あるいは交換時には、破線で示すように、側方用ランプ15の先端が脱着可能状態となるようにソケット14を斜倒させて、側方用ランプ15の口金17をソケット14から引き抜くことができる。
【0019】このようなソケット14の斜倒手段を設けない場合には、側方用ランプ15の装着及び交換を行うために、側方用ランプ15の先端と隣接するソケット支持部13の対向面との間隔e1を、口金17の長さLより大きく設定する必要があるのであるが、本実施形態の照明装置10では、間隔e1を小さく設定することが可能になり、装置全長の短小化を達成することができる。
【0020】図3は、図2におけるA−A断面図を示すものであり、側方用ランプ15及び下方用ランプ16の配線18を、線状フレーム12の内側に設けた状態を示している。そして、この配線18は、ランプの発熱による加熱,焼損対策として耐熱電線或いは耐熱チューブ等により過熱保護したものを使用しており、これによって配線18とランプ15との間隔e2を極力小さくしている。したがってこれによると、線状フレーム12の内側を高密度に設計することができ、装置の外径を細径化することが可能になる。さらに、線状フレーム12の内側に配線18を設けることができるため、配線やフレームによる遮光面積を最小にすることが可能となる。
【0021】次に図4及び図5によって本発明の使用形態について説明する。図4は、本発明の照明装置10と共に用いられる観察装置30の概要を示す説明図である。観察装置30は、上記照明装置10と同様に、円筒状の筐体形状をなすものであり、低温槽天井部の筒状開口を有するノズル部から挿入され、上方に延びたケーブル40によって吊り下げられて、槽内の側方及び下方を観察するものである。
【0022】この観察装置30は、低温槽の液中でも内部が常温に保たれる真空断熱容器部30aと、使用時には常時、低温下に曝される曝露部30bとからなる。真空断熱容器部30aは、断熱層とシートヒータによる温度制御で内部が常に0〜40℃に保温されており、その内部に、高感度のCCDカメラ31と小型高倍率の光学ズームレンズ32が光軸を円筒軸と一致させて配備されている。また機構部或いはモータ等は曝露部30bに配備され、これらは個別で低温仕様に製作されている。
【0023】そして真空断熱容器部30aにおける先端窓33の前方には、側視ミラー34aを装備した側視ヘッド34が脱着自在に設けられる。これによって低温槽内の側壁を観察する場合には、側視ヘッド34を装着して、側視ヘッド34のティルト動作(垂直面内で視界を変化させる動作)によって水平方向に対して上方10度から下方30度の範囲を観察できるようにし、また側視ヘッド34を360度以上パン(水平面内での視界を変化させる動作)回転させることによって、側壁全周を観察できるようにしている。更に側視ヘッド34を取り外して、低温槽内に挿入することによって、槽内底面部を直接観察できるようにしている。
【0024】図5は、本発明の使用状態を示す説明図であり、LNG地下式貯槽の内部を観察している状況を示している。低温槽であるLNG地下式貯槽50は、天井部にノズル部51,52があり、そこから観察装置30及び照明装置10を挿入してケーブル40,20で液中に吊り下げた状態で内部の観察が行われる。
【0025】観察装置30及び照明装置10の高さ調整は、ケーブル40,20を人力で引きながら行う。ケーブル40,20はノズル部52,51からケーブル固定装置53を介してケーブル収納台54に巻き取られ、制御装置55に接続される。制御装置55では照明装置10及び観察装置30の各機能の操作及び状態監視が行われる。
【0026】上述の構成を備える実施形態によると、照明装置10と観察装置30とが別体に形成されているので、それぞれを小型・軽量化することによってハンドリング性が向上する。そして照明装置10の筐体部材は、上部筐体11,線状フレーム12,ソケット支持部13といった簡素な骨格部材のみであり、複雑な機構を含まないために小型・軽量化が十分可能な構造である。また照明装置10における側方用ランプ15のソケット14を斜倒自在な構成としているので、側方用ランプ15の先端と隣接するソケット支持部13の背面との間に脱着用の間隔を設ける必要がなくなり、装置の全長を短小化することが可能なる。更に、照明装置10内部の配線を過熱保護しているので、装置内部を高密度に形成でき、装置の外径を細径化することが可能になる。
【0027】[実施例]以下に、容量200,000klのLNG地下式貯槽の内部を観察する場合を例に本発明の実施例を説明する。照明装置10は、小口径のノズル部から挿入できるように外径76mmで全長1584mmの円筒形状とし、ランプは、側方用ランプ15が3灯(2kW×3)で6kW、下方用ランプ16が1灯で1kWのハロゲンランプとした。筐体構造部材は、最適軽量化を行い、線状フレーム12はランプ光を遮らないように細く軽く設計して、全重量9kgの装置とした。また、装置内の配線18は、発熱とLNGによる数百度の温度差に耐え得るようにセラミック繊維被覆配線を採用した。これらの照明装置10の仕様をまとめて表1に示す。
【0028】
【表1】

上記仕様の照明装置によりパン回転角度;−190〜+190度、ミラー回転角度;+5〜−15度、ティルト角度;+10〜−30度、CCD画素数;38万画素、CCDサイズ;1/3インチ、ズームレンズ最高倍率;5倍、ズームレンズ焦点距離;20〜100mm(F2.4)の仕様を備えた観察装置を用いて槽内の観察を実施した場合に、制御装置のモニタで得られた画像は、側方及び下方とも良好な明るさであり、充分な視認性を確認できた。貯槽のコーナ部などの比較的照度が低い場所の視認性も充分であった。また、気中及び液中の双方で視距離37mにおいて所要の有効分解能以下の視認性を実現できた。
【0029】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成されるものであり、ハンドリング性を考慮して撮影装置と照明装置を2体に分離し、単独で低温槽内に挿入される照明装置を構成しつつ、複雑な機構を排除して簡単な構成でもって側方及び下方の照明を可能にし、しかも細径化,小型化,軽量化を達成し得る低温槽内部観察用照明装置を提供することできる。
【出願人】 【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成12年8月31日(2000.8.31)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳
【公開番号】 特開2002−75015(P2002−75015A)
【公開日】 平成14年3月15日(2002.3.15)
【出願番号】 特願2000−263889(P2000−263889)