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【発明の名称】 電球形蛍光ランプ
【発明者】 【氏名】松井 伸幸

【氏名】中川 博喜

【氏名】田原 哲哉

【要約】 【課題】安価で信頼性の高い電子形安定器を適用した電球形蛍光ランプを提供する。

【解決手段】蛍光発光管2、蛍光発光管を点灯駆動する電子形安定器3、および電子形安定器に電源を供給する口金6が順に配設され、電子形安定器は、蛍光発光管と直列接続されたインダクタと共に共振回路を構成する、蛍光発光管と並列接続された少なくとも2つのキャパシタ11、12を備え、少なくとも2つのキャパシタは、プリント基板17の口金側の面上に配置され、かつ少なくとも2つのキャパシタの本体部分が対向することなく、容量値が大きいほど本体部分が蛍光発光管から離間して段状配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 蛍光発光管、前記蛍光発光管を点灯駆動する電子形安定器、および前記電子形安定器に電源を供給する口金が順に配設された電球形蛍光ランプであって、前記電子形安定器は、前記蛍光発光管と直列接続されたインダクタと、前記インダクタと共に共振回路を構成する、前記蛍光発光管と並列接続された少なくとも2つのキャパシタとを備えたことを特徴とする電球形蛍光ランプ。
【請求項2】 前記少なくとも2つのキャパシタは、前記電子形安定器を構成するプリント基板の前記口金側の面上に配置され、かつ前記少なくとも2つのキャパシタの本体部分は対向することなく段状配置されることを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。
【請求項3】 前記少なくとも2つのキャパシタは、容量値が大きいほど本体部分が前記蛍光発光管から離間して段状配置されることを特徴とする請求項2記載の電球形蛍光ランプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光ランプ、特に電球形蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の省エネルギ時代を迎えて、特に蛍光ランプ、その中でも電球形蛍光ランプが、低効率の一般電球に対する代替用の低消費電力光源として、活発な開発と普及化が進められている。
【0003】かかる電球形蛍光ランプの基本構成は、図4に示すように、両端部にコイル電極19、20が設けられたガラス管が一連の放電路をなすように曲げあるいは接合加工された蛍光発光管18と、蛍光発光管18を安定に点灯させる回路である電子形安定器21とを組み合わせ、更に、電球口金22を装着した一体構造からなっている。そして、通常、蛍光発光管18は外管ガラスバルブ23内に配置され、また電子形安定器21は樹脂ケース24内に配置されている。
【0004】ところで、電球形蛍光ランプの従来開発では、重点課題として、ランプ効率及び寿命などの特性改善と、併せて一般電球代替用にランプの小形・軽量化が、一貫して取組まれてきた。この結果、図4にも示したように、現行の主力安定器としては高周波点灯の電子形安定器21が、ランプ特性改善と小形・軽量化の両面で優れていることから電球形蛍光ランプに採用されている。
【0005】そのような従来技術による電子形安定器21の汎用の点灯回路は、図5に示すように、インバータ回路部25と、蛍光発光管18に直列接続されたインダクタ26と、蛍光発光管18に並列接続された1つのキャパシタ27とから構成されている。更に、蛍光発光管18に並列接続された正温度特性抵抗素子(PTC)28が殆どの回路で設けられている。
【0006】次に、かかる従来の点灯回路によるランプの点灯動作について説明する。
(a)まず、電源29を印加すると、コイル電極19、20にキャパシタ27と正温度特性抵抗素子28の両者を介して発光管始動に十分な予熱電流が流れる。
(b)次いで、正温度特性抵抗素子28の温度上昇でその抵抗値が高くなると、インダクタ26とキャパシタ27によるいわゆる共振電圧(ピーク値700V〜1000V)が蛍光発光管18に印加されて蛍光発光管18が始動される。
(c)その後は、蛍光発光管18に規定のランプ電流が流れて、ランプの定常点灯へと移行する。なお、ランプ定常点灯においても、コイル電極19、20を介してキャパシタ27には継続して電流が流れることになる。
【0007】上記のように、蛍光発光管18にキャパシタ27が並列接続された従来の点灯回路は、比較的簡易な回路構成でありながら、ランプ始動時にコイル電極19、20を十分予熱しかつ規定の始動電圧を印加できることに特徴があり、安価で信頼性の高い回路といえる。
【0008】なお、図4に示すように、電子形安定器21の回路部品組立において、キャパシタ27を含む主要部品は、プリント回路基板30の口金22側の面上に配置・装着されている。これにより、これら主要部品は、ランプ点灯時の熱源である蛍光発光管18からプリント回路基板30でいわゆる熱遮断されており、その温度上昇が抑えられることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】最近の電球形蛍光ランプにおける一つの動向として、一般電球60W代替用の13W低ワットタイプに加えて、一般電球100W代替用の20W以上、例えば22W〜25W高ワットタイプの開発・展開が図られている。この高ワットタイプの開発でも、一般電球60Wと100Wの形状は同一であることから、一般電球代替用としてのランプ形状の小形化に引き続き取り組みがなされている。つまり、小形のランプ形状を可能なかぎり保ちながら、ランプの高ワット化が求められている。
【0010】本発明者は、図4に示すような従来技術による特徴ある基本回路からなる電子形安定器21を採用して、同様の小形で高ワットタイプの開発に取り組んだ。この結果、特に電子形安定器の回路部品の温度上昇が避けられず、これによる回路不良が発生してランプ短寿命に至ることがわかった。そして、短寿命ランプの解析から、回路不良は主に、図4の蛍光発光管18に並列接続されたキャパシタ27の温度上昇による破壊に起因することが判明した。
【0011】本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価で信頼性の高い電子形安定器を適用した電球形蛍光ランプを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するため、本発明に係る電球形蛍光ランプは、蛍光発光管、この蛍光発光管を点灯駆動する電子形安定器、およびこの電子形安定器に電源を供給する口金が順に配設された電球形蛍光ランプであって、電子形安定器は、蛍光発光管と直列接続されたインダクタと、このインダクタと共に共振回路を構成する、蛍光発光管と並列接続された少なくとも2つのキャパシタとを備えたことを特徴とする。
【0013】この電球形蛍光ランプにおいて、少なくとも2つのキャパシタは、電子形安定器を構成するプリント基板の前記口金側の面上に配置され、かつ少なくとも2つのキャパシタの本体部分は対向することなく段状配置されることが好ましい。この場合、少なくとも2つのキャパシタは、容量値が大きいほど本体部分が蛍光発光管から離間して段状配置されることが好ましい。
【0014】上記の構成によれば、少なくとも2つのキャパシタのランプ定常点灯時における表面温度が保証上限動作温度以下に抑えられ、よって少なくとも2つのキャパシタのランプ使用期間中における破壊現象が防止されて、安価で信頼性の高い電子形安定器を適用した電球形蛍光ランプを実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。
【0016】図1は、本発明の一実施形態による電球形蛍光ランプの蛍光発光管2を外管バルブ4と樹脂ケース5を取り外し上から見た場合の平面図(a)、および全体構造を部分的に破断して示す正面図(b)である。なお、図1に示す電球形蛍光ランプは、ランプワット20W以上、例えば22W高ワットタイプのものである。
【0017】図1において、電球形蛍光ランプ1は、蛍光発光管2と電子形安定器3が組み合わされて、それぞれ、ガラスあるいは樹脂からなる外管バルブ4と樹脂ケース5の内部に配置され、更に、口金6が樹脂ケース5の端部に装着された構成をとる。
【0018】蛍光発光管2は、4本のU形ガラス管がいわゆるブリッジ接合により一連の放電路をなすように接続されたものからなり(図1(a)参照)、その両管端部には、タングステンからなるフィラメントコイル電極7、8が設けられており、その管内表面には、3波長発光形の希土類蛍光体が塗布され、その管内には、水銀と緩衝希ガスとして圧力300Paのアルゴンガスが封入されている。
【0019】ここで、蛍光発光管2は小形の形状からなり、すなわちその寸法は、管外径が10.8mm、電極管距離が490mm、発光管高さHが77mm、発光管幅Wが41mmである。
【0020】また、電球形蛍光ランプ1の寸法も、外管バルブ4の外径Ф0の上限値が68mm、ランプ全長L0の上限値が147mmと、小形化されているのが特徴である(なお、一般電球100Wでは、Ф0が60mm、L0が110mmである)。
【0021】上記のようなランプ構成により、ランプ光束が1520lm(一般電球100Wと同等)で、効率が69lm/Wという優れたランプ特性が得られた。
【0022】図2は、本発明の一実施形態による電球形蛍光ランプ1における電子形安定器3の点灯回路の基本構成を示す回路図である。
【0023】図2において、点灯回路は、基本的に、シリーズインバータ方式からなるインバータ回路部9と、インダクタ10と、蛍光発光管2に並列接続された2つのキャパシタ11、12と、正温度特性抵抗素子(PTC)13とから構成されている。ここで、2つのキャパシタ11、12としては、特に耐圧・耐熱性に優れているポリエステルコンデンサを用いた。また、ランプ点灯周波数は75kHzに設定した。
【0024】なお、図2の点灯回路では、点線で示すように、ランプワットの低減のために、コイル電極7、8のそれぞれに並列接続された負温度特性抵抗素子(NTC)14、15を付設してもよい。これにより、ランプ定常点灯時に2つのキャパシタ11、12を介して流れる電流は殆ど、コイル電極7、8ではなく、温度上昇で低抵抗となった負温度特性抵抗素子14、15を経て流れるので、コイル電極7、8に電流が流れるときの加熱電力損失が約0.8W削減できることになる。
【0025】本実施形態における電子形安定器3の点灯回路の特徴は、図4の従来回路での1つのキャパシタ27に対して、蛍光発光管2に2つのキャパシタ11、12が並列接続されている点にある。そして、本点灯回路によるランプの点灯動作は、図4の従来回路による点灯動作と基本的に同一である。但し、従来回路で1つのキャパシタ27に流れる電流は、本実施形態における点灯回路では、2つのキャパシタ11、12にそれぞれ分流して流れることになる。
【0026】以下では、上記の本実施形態における電子形安定器3の点灯回路の具体的構成について説明する。
【0027】まず、キャパシタ11、12の値を、以下で説明する部品組立の仕方とも関連して、それぞれ3900pF、2700pFに設定した。この場合、市場での実使用状態に十分対応できるよう、一般電球用灯具内での点灯及び商用電源16の電圧110V(定格値10%up)の点灯条件によるエイジング試験での定常点灯時にキャパシタ11、12に流れる分流電流は、それぞれ200mA、130mAであった。
【0028】次に、上記の具体的回路構成からなる電子形安定器3を組み込んだ22W高ワットタイプの電球形蛍光ランプ1について、前記と同じ点灯条件においてエイジング試験を行なった。
【0029】その結果、2つのキャパシタ11、12の破壊現象は発生せず、目標のランプ寿命時間6000hrsが保証されることが確認された。
【0030】また、エイジング試験における定常点灯時のキャパシタ11、12のそれぞれの表面温度は116℃、121℃であり、共に保証上限動作温度である130℃以下となることも確かめられた。
【0031】更に、部品単体のキャパシタ11、12にそれぞれ、上記200mA、130mAの分流電流を流したときの自己温度上昇△Tsは、それぞれ13.9deg、12.3degとなり、これも共に保証上限値15deg以下となることがわかった。
【0032】次に、比較のため、図4の従来回路と同様に、1つのキャパシタ27からなる電子形安定器を組み込んで検討した。この場合、始動時での蛍光発光管2のコイル電極7、8に十分な予熱電流を供給しかつ規定の始動電圧(ピーク値約1000V)を印加するために、1つのキャパシタ27の容量値を6600pFに設定した。
【0033】上記試作ランプについて、前記点灯条件によるエイジング試験を行ない、そのときのランプ寿命特性を調べた。この結果、目標の定格ランプ寿命時間6000hrsに対してランプ不点現象がエイジング時間約1200hrsから発生することがわかった。そして、かかる短寿命の不良ランプの解析から、キャパシタ27が破壊して導通状態にあることが判明した。
【0034】ここで、上記試作ランプのエイジング試験における定常点灯時のキャパシタ27の表面温度Tsを測定してみると、Ts値はその保証上限動作温度130℃を超えて、最高136℃にも達することがわかった。また、キャパシタ27を部品単体で取り出して、ランプ定常点灯時のキャパシタ27に流れるのと同じ電流値330mAによるいわゆる自己温度上昇△Ts(同じ電流を流したときのキャパシタ27の表面温度Tsから、部品測定時の周囲温度Taを差し引いた値)を測定したところ、△Ts値は保証上限値15degを超えて、24.7degに達することもわかった。
【0035】このようにキャパシタ27の破壊現象を防止できる最適な解決手段として、図2に示すように、基本的に2つのキャパシタ11、12からなる点灯回路を用いればよい、ということが確かめられた。これは、一見単純な手段といえるが、その単純さゆえに信頼性が高く、また適用も容易な手段である。
【0036】更に、図3に示すように、電子形安定器3の部品組立において、2つのキャパシタ11と12をプリント回路基板17の口金6側の面上に配置・装着する際に、両者の本体部分(リード部を除いた部分)が必ず部分的にも対向することなく、2段状に配置した。ここで、両者の本体部分が互いに対向し合い密に配置された場合、ランプ定常点灯時のそれぞれの表面温度がその保証上限温度を超えるときがあった。これに対して、上記の2段状の配置方式により、2つのキャパシタ11、12の表面温度を確実に保証上限動作温度である130℃以下に抑えることができた。
【0037】また、上記の2段状の配置方式において、容量値が3900pFで分流電流の多いキャパシタ11を、熱源となる蛍光発光管2から遠い2段目に配置し、他方、容量値が2700pFで分流電流の少ないキャパシタ12を、熱源となる蛍光発光管2に近い一段目に配置した。これにより、ランプ定常点灯時の両者の表面温度を均一化することで、より確実に保証上限動作温度である130℃以下に抑えることができた。
【0038】以上の部品組立における、2つのキャパシタ11、12の2段状組立配置方式は、本実施形態での点灯回路構成のもう一つの特徴である。
【0039】なお、本実施形態では、従来例における1つのキャパシタ27の代わりに、2つのキャパシタ11、12を用いたが、基本的には、複数の、例えば3つのキャパシタを用いた場合でも、同様の効果が得られる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、蛍光発光管に並列接続されるキャパシタのランプ使用期間中における破壊現象を防止することができ、安価で信頼性の高い電子形安定器を適用した電球形蛍光ランプを実現可能になるという格別の効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成12年8月29日(2000.8.29)
【代理人】 【識別番号】100095555
【弁理士】
【氏名又は名称】池内 寛幸 (外5名)
【公開番号】 特開2002−75010(P2002−75010A)
【公開日】 平成14年3月15日(2002.3.15)
【出願番号】 特願2000−259420(P2000−259420)