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【発明の名称】 埋込式発光装置
【発明者】 【氏名】北島 嘉江

【氏名】田中 茂

【要約】 【課題】製造費の安価な発光装置を提供すること。

【解決手段】光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池部材(変換部材)5と、二次電池から成り、その太陽電池部材により変換された電気エネルギーを蓄電する複数のバッテリー部材4と、発光ダイオード素子から成り、且つバッテリー部材4に蓄電された電気エネルギーを消費して発光する発光部材3と、太陽電池部材5により変換された電気エネルギーを蓄電する場合には、バッテリー部材4相互の接続を並列接続とする一方、バッテリー部材4に蓄電された電気エネルギーを発光部材3へ供給する場合には、バッテリー部材4相互の接続を直列接続とする接続切替部材6と、太陽電池部材5、バッテリー部材4、発光部材3及び接続切替部材6を収容するケース体2とを備えており、そのケース体2は、道路100に埋め込まれるものであることを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光エネルギーを電気エネルギーに変換する変換部材と、二次電池から成り、且つ其の変換部材により変換された電気エネルギーを蓄電する複数のバッテリー部材と、発光ダイオード素子から成り、且つ前記バッテリー部材に蓄電された電気エネルギーを消費して発光する発光部材と、前記変換部材により変換された電気エネルギーを蓄電する場合には、前記バッテリー部材相互の接続を並列接続とする一方、前記バッテリー部材に蓄電された電気エネルギーを前記発光部材へ供給する場合には、前記バッテリー部材相互の接続を直列接続とする接続切替部材と、前記変換部材、バッテリー部材、発光部材及び接続切替部材を収容するケース体とを備えており、そのケース体は、地面または壁面に埋め込まれるものであることを特徴とする埋込式発光装置。
【請求項2】 変換部材は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する複数の半導体素子と、その複数の半導体素子を配設する板状のパネル部材とを備えていることを特徴とする請求項1記載の埋込式発光装置。
【請求項3】 ケース体内に配設され、且つ発光部材による発光を拡散する拡散部材を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の埋込式発光装置。
【請求項4】 発光ダイオード素子から成る第2発光部材と、その第2発光部材による発光を拡散する第2拡散部材と、前記第2発光部材及び第2拡散部材を収容する第2ケース体とを備えており、その第2ケース体は、地面または壁面に埋め込まれるものであることを特徴とする埋込式発光装置。
【請求項5】 拡散部材または第2拡散部材は、透光性を有する板状の透光板と、その透光板の表面に形成された略V字状又は略U字状の溝部とを備えており、ケース体は、溝部が地表側に位置するように、埋め込まれるものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の埋込式発光装置。
【請求項6】 溝部は、透光板の表面に編み目状に形成されていることを特徴とする請求項5記載の埋込式発光装置。
【請求項7】 拡散部材または第2拡散部材は、透光性を有する粒状のチップ部材と、そのチップ部材を包含し透光性を有する板状の第2透光板とを備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の埋込式発光装置。
【請求項8】 拡散部材または第2拡散部材は、透光性を有するゼリー状のゼリー部材と、そのゼリー部材を包含し且つ透光性を有する板状の第3透光板とを備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の埋込式発光装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、地面または壁面に埋め込まれる埋込式発光装置において、発光ダイオード素子の発光色の如何を問わず、安価に、発光ダイオード素子を発光させることができる埋込式発光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 道路などの地面または壁面に埋め込まれる埋込式の発光装置がある。このような埋込式発光装置の中には、所謂「発光ダイオード素子(LED(light-emitting diode)」を発光素子とする発光部材を有する方式のものがある。埋込式発光装置の中には、電源として、光エネルギーを電気エネルギーに変換する所謂「太陽電池」(以下、便宜上、「太陽電池部材」と称する。)及び、充放電可能な所謂「二次電池」(以下、便宜上、「バッテリー部材」と称する。)を用いることが多い。かかる埋込式発光装置によれば、太陽電池部材により、光エネルギーが電気エネルギーに変換され、バッテリー部材により、その変換された電気エネルギーが蓄電される。そして、このバッテリー部材に蓄電された電気エネルギーを消費して、発光部材(発光ダイオード素子)が発光するのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、発光ダイオード素子の動作電圧は、発光ダイオード素子の発光色の如何によって異なる。具体例としては、赤色、黄色又はオレンジ色に発光する発光ダイオード素子の動作電圧は、約2Vであり、白色、青色又は緑色に発光する発光ダイオード素子の動作電圧は、約3.6Vである。ここで、通常、発光ダイオード素子の発光用として用いられるバッテリー部材としては、定格作動電圧(定格出力電圧)が2V(ボルト)程度の鉛蓄電池が良く用いられる。これは、JIS(Japanese Industrial Standard)規格及びIEC(International Electrotechnical Commission)規格により鉛蓄電池の定格作動電圧が2Vと定められており、市場に広く普及している鉛蓄電池はこの規格に沿って製造されていることに起因していると思料される。
【0004】このため、従来より用いられていた定格作動電圧が2V(ボルト)のバッテリー部材では、白色、青色又は緑色の発光ダイオード素子を発光させることができないという問題点があった。換言すれば、発光色の如何により発光ダイオード素子を発光させることができないという問題点があった。一方、定格作動電圧が3.6V程度のバッテリー部材を用いると、定格作動電圧が2Vのバッテリー部材を直列接続して用いるよりも、高価となってしまうという問題点があった。
【0005】また、動作電圧が3.6Vの発光ダイオード素子を発光させるために、バッテリー部材相互の接続を直列接続とした場合には、その接続した個数に応じて、バッテリー部材の充電に要する電圧が高くなってしまう。このため、充電可能な電圧をバッテリー部材の両端に印加するためには、大量の光エネルギーを要してしまうという問題点があった。例えば、太陽光を利用して充電する場合には、太陽の高度が高くないと充電不能となってしまう、即ち、充電可能な時間が限られてしまうという問題点があった。
【0006】一方、従来技術の埋込式発光装置においては、自動車、オートバイ、自転車その他の乗り物の運転者及び歩行者に発光を視認させるために、多数の発光部材が配設されていた。これは、発光ダイオード素子が指向性を有することに起因している。このため、発光部材の消費電力が大きくなってしまうという問題点があり、ひいては、バッテリー部材の容量が不足してしまう可能性があるという問題点があった。また、製造単価が高くなってしまうという問題点もあった。
【0007】更に、従来技術の埋込式発光装置においては、地面または壁面に埋め込まれた場合に、その発光装置の一部が地面または壁面から突出してしまっていた。このため、かかる従来技術の埋込式発光装置が路面に埋め込まれるものである場合、雨や雪などが降ったときに、乗り物が発光装置と接触し又は発光装置を乗り越えることによりスリップしたり、又は転倒してしまうという問題点があった。また、道路(路面上)に積もった雪を所謂「除雪機」により除雪する際に、誤って、発光装置が損傷したり、発光装置自体が取れてしまうという問題点もあった。
【0008】ところで、発光ダイオード素子を用いて文字、図形その他の情報を表示する場合、発光ダイオード素子の組み合わせにより情報を表示するため、多数の発光ダイオード素子が必要であった。発光部材の消費電力が大きくなってしまうという問題点があり、ひいては、バッテリー部材の容量が不足してしまう可能性があるという問題点があった。また、製造単価が高くなってしまうという問題点もあった。
【0009】そこで、案出されたのが本発明であって、その目的とするところは、製造費の安価な発光装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するために請求項1記載の埋込式発光装置によれば、光エネルギーを電気エネルギーに変換する変換部材と、二次電池から成り、且つ其の変換部材により変換された電気エネルギーを蓄電する複数のバッテリー部材と、発光ダイオード素子から成り、且つ前記バッテリー部材に蓄電された電気エネルギーを消費して発光する発光部材と、前記変換部材により変換された電気エネルギーを蓄電する場合には、前記バッテリー部材相互の接続を並列接続とする一方、前記バッテリー部材に蓄電された電気エネルギーを前記発光部材へ供給する場合には、前記バッテリー部材相互の接続を直列接続とする接続切替部材と、前記変換部材、バッテリー部材、発光部材及び接続切替部材を収容するケース体とを備えており、そのケース体は、地面または壁面に埋め込まれるものである。
【0011】この請求項1記載の埋込式発光装置によれば、変換部材、バッテリー部材、発光部材及び接続切替部材は、ケース体に収容され、そのケース体は、地面または壁面に埋め込まれる。そして、変換部材により、光エネルギーが電気エネルギーに変換され、バッテリー部材により、電気エネルギーが蓄電され、発光ダイオード素子から成る発光部材により、バッテリー部材に蓄電された電気エネルギーが消費される。即ち、発光部材が発光させられる。従って、本埋込式発光装置の設置時(ケース体の埋込時)においても、配線工事という煩雑な工事を省略することが可能とされる。また、発光ダイオード素子の寿命は他の発光素子に比べて寿命が長いので、設置後に、電源の交換作業などの煩雑な作業を省略することも可能とされる。
【0012】ところで、発光ダイオード素子の動作電圧は、その発光ダイオード素子の発光色の如何によって異なる。このため、発光ダイオード素子の動作電圧がバッテリー部材単体の定格作動電圧より高い場合もある。しかしながら、本埋込式発光装置によれば、バッテリー部材に蓄電された電気エネルギーを発光部材へ供給する場合には、接続切替部材によりバッテリー部材相互の接続が直列接続とされる。従って、発光ダイオード素子の発光色の如何を問わず、安価に、発光ダイオード素子を発光させることが可能とされる。これは、通常、バッテリー部材の定格作動電圧が所定の電圧よりも高くなると、バッテリー部材の価格が大幅に高くなることに起因している。
【0013】一方、バッテリー部材相互の接続が直列接続である場合には、その接続した個数に応じて、バッテリー部材を充電に要する電圧が高くなってしまう。このため、充電可能な電圧をバッテリー部材の両端に印加するためには、大量の光エネルギーを要してしまうという問題点があった。具体例としては、太陽光を利用して充電する場合には、太陽の高度が高くないと充電不能となってしまう、即ち充電可能な時間が限られてしまい、二次電池に十分な充電をすることが困難となってしまうという問題点があった。しかしながら、本埋込式発光装置によれば、接続切替部材により、変換部材により変換された電気エネルギーを充電する場合には、バッテリー部材相互の接続が並列接続とされる。このため、バッテリー部材の充電に要する電圧が低くされる。このため、大量な光エネルギーを要することなく、二次電池に十分な充電をすることが可能とされる。
【0014】請求項2記載の埋込式発光装置は、請求項1記載の埋込式発光装置において、変換部材は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する複数の半導体素子と、その複数の半導体素子を配設する板状のパネル部材とを備えているものである。
【0015】請求項3記載の埋込式発光装置は、請求項1又は2に記載の埋込式発光装置において、ケース体内に配設され、且つ発光部材による発光を拡散する拡散部材を備えているものである。
【0016】請求項4記載の埋込式発光装置は、発光ダイオード素子から成る第2発光部材と、その第2発光部材による発光を拡散する第2拡散部材と、前記第2発光部材及び第2拡散部材を収容する第2ケース体とを備えており、その第2ケース体は、地面または壁面に埋め込まれるものである。
【0017】請求項5記載の埋込式発光装置は、請求項3又は4に記載の埋込式発光装置において、拡散部材または第2拡散部材は、透光性を有する板状の透光板と、その透光板の表面に形成された略V字状又は略U字状の溝部とを備えており、ケース体は、溝部が地表側に位置するように、埋め込まれるものである。
【0018】請求項6記載の埋込式発光装置は、請求項5記載の埋込式発光装置において、溝部は、透光板の表面に編み目状に形成されているものである。
【0019】請求項7記載の埋込式発光装置は、請求項3又は4に記載の埋込式発光装置において、拡散部材または第2拡散部材は、透光性を有する粒状のチップ部材と、そのチップ部材を包含し透光性を有する板状の第2透光板とを備えているものである。
【0020】請求項8記載の埋込式発光装置は、請求項3又は4に記載の埋込式発光装置において、拡散部材または第2拡散部材は、透光性を有するゼリー状のゼリー部材と、そのゼリー部材を包含し且つ透光性を有する板状の第3透光板とを備えているものである。
【0021】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例について添付図面を参照して説明する。本発明の埋込式発光装置は、家屋などの建造物の壁面、道路標識、区画線、道路標示、車道、歩道に埋め込まれた状態で発光する埋込式発光装置である。まず、道路のセンターラインに埋め込まれた状態で発光する埋込式発光装置について説明する。図1は、本発明の一実施例である埋込式発光装置(以下、便宜上、「本埋込式発光装置」と称する。)1の外観斜視図であり、図2は、本埋込式発光装置1の分解図であり、図3は、本埋込式発光装置1の断面図である。図4は、本埋込式発光装置1のブロック図である。なお、添付図面は、本発明の理解を容易とするために、配線等を省略する等、簡略化して記載されている。
【0022】図1に示すように、本埋込式発光装置1は、略直方体状に形成されている。以下、この本埋込式発光装置1の構成について詳細に説明する。図2に示すように、本埋込式発光装置1は、ケース体2と、発光部材3と、バッテリー部材4と、太陽電池部材5と、制御回路部材6と、Vカット板部材7と、カラーボード8と、強化プラスチック板部材9と、ネジ部材10とを備えている。ケース体2は、種々の部品材を収容するとともに、道路100のセンターライン101に沿って所定間隔毎に埋め込まれるものである。かかるケース体2は、抜出防止部材2aを備えている。この抜出防止部材2aは、ケース体2の外周に沿って設けられた断面略三角形状の突起である。従って、本埋込式発光装置1の設置後(ケース体2の埋込後)に、振動等が加わったりした場合にも、本埋込式発光装置1(ケース体2)が地面から抜け出てしまうこと(外れてしまうこと)を防止することができるのである。
【0023】発光部材3は、発光ダイオード素子(LED)から成り、バッテリー部材4に蓄電された電気エネルギーを消費して発光するものである。ケース体2内には、複数の発光部材3が配設されている。発光部材3が発光ダイオード素子から成るので、本埋込式発光装置1の設置後に、発光部材3が発光するか否かの確認をしたり、発光不能となった発光部材3を交換するという煩雑な作業をほぼ解消することができるのである。これは、一般的に、発光ダイオード素子は、いわゆる「球切れ」などの心配がなく、その寿命は、他の発光部材(電球、蛍光灯、水銀ランプ、ナトリウムランプ、キノセンランプ、ネオン管、ネオンランプ等)の寿命に比べて、はるかに長いこと(具体的には、数万時間ともいわれている。)に起因している。
【0024】バッテリー部材4は、定格作動電圧が2Vの鉛蓄電池(二次電池(「蓄電池」ともいう)の一種。)から成り、太陽電池部材5により変換(発生)された電気エネルギーを蓄電するためのものである。かかるバッテリー部材4は、ケース体2内に二つ配設されており、充電時には、バッテリー部材4相互の接続が並列接続とされ、放電時(即ち、発光部材3の発光時)には、二つのバッテリー部材4相互の接続が直列接続とされる。このようにバッテリー部材4が他の形式の二次電池よりも安価な鉛蓄電池から成るので、他の方式の二次電池を用いるよりも、本埋込式発光装置1を製造単価を低減することが、即ち、本埋込式発光装置1の製造単価を安価とすることができるのである。ひいては、道路100のセンターライン101に沿って所定間隔毎に配設される、全ての本埋込式発光装置1の製造費を大幅に低減することができるのである。これは、道路100のセンターライン101に沿って所定間隔毎に本埋込式発光装置1を配設するためには、多数の本埋込式発光装置1を要することに起因している。
【0025】ところで、発光ダイオード素子の動作電圧は、発光ダイオード素子の発光色の如何によって異なる。具体的には、赤色、黄色又はオレンジ色に発光する発光ダイオード素子の動作電圧は、約2Vであり、白色、青色又は緑色に発光する発光ダイオード素子の動作電圧は、約3.6Vである。一方、通常、発光ダイオード素子の電源として用いられる二次電池の定格作動電圧は、2Vである。このため、白色、青色又は緑色の発光ダイオード素子を発光させることができないという問題点があった。即ち、発光色の如何により発光ダイオード素子を発光させることができないという問題点があった。具体例としては、センターライン101の色が黄色である場合には、センターライン101と同色に発光させることができるが、センターライン101の色が白色である場合には、センターライン101と同色に発光させることができないという問題点があった。別の具体例としては、センターライン101の色を、赤色と白色とで交互に点灯(点滅)させることができないという問題点があった。
【0026】一方、定格作動電圧が3.6V以上の二次電池を用いると、本埋込式発光装置1の製造費が大幅に高くなってしまうという問題点があった。これは、定格作動電圧が3.6Vの二次電池の単価は、定格作動電圧が2Vの鉛蓄電池の単価より、大幅に高くなることに起因している。
【0027】しかしながら、前記した通り放電時にはバッテリー部材4相互の接続が直列接続とされるので、発光ダイオード素子の発光色の如何を問わず、安価に、発光ダイオード素子(即ち、発光部材3)を発光させることができるのである。
【0028】太陽電池部材(Photovoltaic)5は、太陽光エネルギーなどの光エネルギーを、電気エネルギーに変換するものである。この太陽電池部材5は、シリコン系又は化合物系の半導体素子が配列されているパネル部材5aを備えている。かかる太陽電池部材5の出力電圧の大きさは、パネル部材5aの面積の大きさ、及び光エネルギーの大きさに比例している。
【0029】制御回路部材6は、本埋込式発光装置1の充電、放電、及び発光についての種々の制御を行うものであり、基板6e上に形成されている。図3に示すように、かかる制御回路部材6は、漏電防止回路6aと、接続切替回路部材6bと、発光周波数設定回路部材6cと、点灯時間設定回路部材6dとを備えている。
【0030】漏電防止回路部材6aは、ゲルマニウムダイオード(Ge-diode)から成り、太陽電池部材5とバッテリー部材4との間であって、p形領域が太陽電池側(n形領域がバッテリー部材4側)となるように配設されている。従って、バッテリー部材4に蓄電されている電気エネルギーが、太陽電池部材5へ漏電してしまうことを防止することができるのである。なお、当然に、漏電防止回路部材6aは、ゲルマニウムダイオードから成るものに限られるものではなく、他のダイオード(例えば、シリコンダイオード(Si-diode))から成るものであっても良い。
【0031】接続切替回路部材6bは、太陽電池部材5の出力電圧が第1の所定値より大きい(又は、所定値以上である)場合には、バッテリー部材4相互の接続を並列接続とするとともに、バッテリー部材4と太陽電池部材5とが閉路となるようにするものであり。更に、太陽電池部材5の出力電圧が第2の所定値以下(又は、所定値未満)である場合には、バッテリー部材4相互の接続を直列接続とするとともに、バッテリー部材4と発光部材3とが閉路となるようにするものである。ここで、第1の所定値は、バッテリー部材4に充電可能な光エネルギーの大きさに基づいた値とされており、一方、第2の所定値は、発光部材3による発光を要する程度に暗くなったときの光エネルギーの大きさに基づいた値とされている。従って、人為的な操作をすることなく、本埋込式発光装置1に照射する光エネルギーが大きい場合には充電し、本埋込式発光装置1に照射する光エネルギーが低い場合には発光することができるのである。具体的には、人為的な操作をすることなく、日中は充電し、日没後から夜明けまでは発光することができるのである。なお、当然に、第1の所定値と第2の所定値とを同一の値とするようにしても良い。更には、計時手段を設けて、時刻に応じて、閉路及びバッテリー相互の接続を何れかに切り替えるようにしても良い。
【0032】一方、前記した通り、発光ダイオード素子の発光色の如何を問わず発光させるために、発光時(放電時)には、バッテリー部材4相互の接続が直列接続となるようにされている。そして、このように直列接続されたバッテリー部材4に充電するためには、直列接続したバッテリー部材4の個数に応じて、バッテリー部材4の両端に印加する電圧値が高くなければならないという問題点があった。ひいては、パネル部材5aの面積を大きくしなければならず、本埋込式発光装置1の製造単価が高くなってしまうという問題点があり、本埋込式発光装置1を小型化することができないという問題点があった。
【0033】しかしながら、接続切替回路部材6bにより、太陽電池部材5の出力電圧が第1の所定値より大きい場合(又は、所定値以上である)には、バッテリー部材4相互の接続を並列接続とされ、更には、バッテリー部材4と太陽電池部材5とが閉路とされる。従って、バッテリー部材4単体の充電に足りる電圧を印加するのみで、複数のバッテリー部材4を同時に充電することができるのである。ひいては、パネル部材5aの面積を小面積とすることができ、更に、本埋込式発光装置1の製造単価が高くなってしまうことを防止することができるとともに、本埋込式発光装置1を小型化することができるのである。
【0034】発光周波数設定回路部材6cは、発光部材3(即ち、発光ダイオード素子)の点滅間隔を設定するためのものであり、点灯時間設定回路部材6dは、各点滅中に、発光部材3が点灯する時間を設定するためのものである。
【0035】Vカット板部材7は、発光部材3による発光を拡散するためのものであり、透光性を有する板状の透光板7aと、その透光板7aの表面に形成された溝部7bとを備えている。ここで、図5は、Vカット板部材7の断面図であり、図6は、Vカット板部材7の平面図である。
【0036】図5に示すように、Vカット板部材7には、透光板7aの表面に略V字状の溝部7bが所定間隔毎に形成されており、その溝部7bの形成されている面の反対面側に発光部材3が挿入されている。ここで、従来技術の埋込式発光装置においては、発光部材の発光を拡散する部材が設けられていなかったため、種々の問題点があった。以下、かかる問題点のうちのいくつかについて説明する。
【0037】■まず、自動車、オートバイ、自転車その他の乗り物(以下、便宜上、「乗り物」と称する。)の運転者及び歩行者にはっきりと視認させるために、多数の発光部材を設けなければならなかった。これは、発光ダイオード素子が指向性を有することに起因している。このため、発光部材の消費電力が大きくなってしまうという問題点があり、ひいては、バッテリー部材4の容量が不足してしまう可能性があるという問題点があった。また、製造単価が高くなってしまうという問題点もあった。
【0038】■また、地面に埋め込んだ場合には、乗り物の運転者及び歩行者にはっきりと視認させるために、かかる発光装置の一部が地面から突出するようにしなければならなかった。このため、雨や雪などが降った場合に、乗り物が発光装置と接触し又は発光装置を乗り越えることによりスリップしたり、又は転倒してしまうという問題点があった。特に、オートバイ、自転車その他の二輪車の場合には、運転者が怪我してしまい、大変危険であった。また、道路100に積もった雪を所謂「除雪機」により除雪する際に、誤って、発光装置が損傷したり、発光装置自体が取れてしまうという問題点もあった。
【0039】しかしながら、前記した通り、Vカット板部材7には、略V字状に形成された溝部7bが所定間隔毎に形成されているので、発光部材3による発光を多方向に屈折させることができるのである。従って、発光部材3による発光を面発光させることができるのである。ひいては、上記■及び■の問題点を解決することができるのである。
【0040】以下、具体的に記載すれば、発光ダイオード素子の数を低減しても、乗り物の運転者及び歩行者に対して、発光部材3による発光をはっきりと視認させることができるのである。このため、発光ダイオード素子の消費電力を低く抑えることが、即ち、バッテリー部材4の容量が不足してしまうことを防止することができるとともに、本埋込式発光装置1の製造単価が高くなってしまうことを防止することもできるのである。ここで、発光ダイオード素子の数を低減することが理由としては、Vカット板部材7には発光部材3が挿入されているために、発光部材3の発光面積を最大限に活用することができることに起因している。換言すれば、発光部材3の発光を最大限、Vカット板部材7により拡散することができることに起因している。また、視認する方向の如何を問わず、乗り物の運転者及び歩行者に対して、発光部材3による発光を視認させることができるのである。
【0041】一方、発光装置1の上面を路面(又は壁面)と水平にしても(地面(又は壁面)に埋め込まれた発光装置1の一部を地面(又は壁面)から突出させなくても)、乗り物の運転者及び歩行者に対して、発光部材3による発光をはっきりと視認させることができるのである。このため、本埋込式発光装置1が路面に埋め込まれるものである場合にも、雨や雪などが降ったときに、乗り物が発光装置と接触し又は発光装置を乗り越えることによりスリップしたり、又は転倒してしまうことを極力解消することができる。また、道路100に積もった雪を所謂「除雪機」により除雪する際に、誤って、本埋込式発光装置11が損傷したり、本埋込式発光装置1自体が地面から取れてしまうことを防止することもできるのである。
【0042】一方、図6に示すように、Vカット板部材7に形成された溝部7bは、編み目状に形成されている。従って、発光部材3による発光の屈折を、より効果的にすることができるのである。また、発光部材3を、Vカット板部材7の側面(溝部7bの形成されている面に対して略垂直な面)ではなく、Vカット板部材7の裏面(溝部7bの形成されている面の反対面)に挿入することができるのである。ひいては、本埋込式発光装置1を小型化することが出来るのである。
【0043】カラーボード8部材は、発光部材3による発光によって、所望(又は所定)の文字、図形その他の情報を表示するためのものである。かかる文字、図形その他の情報を示す部分は透光性を有しており、その他の部分は透光性を有していない。従って、発光部材3の数が少ない場合にも、所望(又は所定)の情報を表示することができるのである。ひいては、所望(又は所定)の情報を表示するために、本埋込式発光装置1の製造単価が高くなってしまうことを防止することができるのである。また、複数の異なる情報を表示させたい場合にも、カラーボード8を交換するだけで良く、プログラム等を変更するなどの煩雑且つ特殊性を有する作業を解消することができるのである。ひいては、情報処理を専門とする業者等に依頼しなくても良く、複数の異なる情報を表示させるのに要する費用を安価とすることができるのである。
【0044】強化プラスチック板部材9は、強化プラスチック材から成る板状の部材であり、Vカット板部材7の外側に配設されている。従って、本埋込式発光装置1の上方から力が加わった場合にも、ケース体2の内部に配設されている各部品材が損傷してしまうことを防止することができるのである。また、強化プラスチック板部材9は、突起部材9aを備えている。
【0045】突起部材9aは、強化プラスチック板部材9の表面に所定間隔毎に配設されている突起である。従って、本埋込式発光装置1の上を走行する乗り物がスリップしてしまうことを防止することができるとともに、かかる乗り物の運転者に、乗り物の運転者に、センターライン上を走行中であることを報知することができるのである。強化プラスチック板部材10は、ネジ部材10によりケース体2に固定されており、Vカット板部材7、カラーボード8及び強化プラスチック板部材9は、ケース体2内に配設された支柱部材11により、支持されている。
【0046】図7は、上記のように構成された本埋込式発光装置1が道路100のセンターライン101に沿って所定間隔毎に埋め込まれた状態を示した図である。従って、降雨時、濃霧時、夕暮れ時その他の気象条件の如何を問わず、乗り物の運転者にセンターライン101の場所を報知することができるのである。
【0047】以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察することができるものである。
【0048】例えば、本実施例によれば、本埋込式発光装置1は、道路100のセンターライン101に沿って所定間隔毎に設置されるようにされている。しかしながら、本埋込式発光装置1は、センターライン101に埋め込まれるものに限られるものではなく、家屋などの建造物の壁面、道路標識、区画線、道路標示、車道、歩道に埋め込まれるようにしても良い。具体例としては、図8に示すように停止線102や横断歩道103に沿って埋め込まれるようにしても良い。また、他の具体例としては、図9に示すように、遊歩道104に埋め込まれるようにしても良い。従って、遊歩道104を明るくすることができ、ひいては、遊歩道104の通行を安全とすることができるのである。また、遊歩道104の美観を向上させることができるのである。
【0049】一方、図10に示すように、本埋込式発光装置1を縦横に複数配設するようにしても良い。従って、複数の本埋込式発光装置1により大きな情報(矢印105)を表示することができるのである。また、カラーボード8を交換することによって、例えば、図11に示すように別の情報(速度制限106)を表示することもできるのである。
【0050】なお、図8は、本埋込式発光装置1が道路100のセンターライン101、停止線102、及び横断歩道103に埋め込まれた状態を示した図である。図9は、本埋込式発光装置1が遊歩道104に埋め込まれた状態を示した図である。図10及び図11は、本埋込式発光装置1が縦横それぞれ所定の個数毎、道路100に埋め込まれた状態を示した図である。
【0051】本実施例によれば、本埋込式発光装置1は、Vカット板部材7、即ち表面に略V字状の溝の形成された透光板によって、発光部材3による発光を多方向に拡散する(即ち、面発光させる)方式とされていた。しかしながら、発光部材3による発光を面発光させる方式は、即ち表面に略V字状の溝の形成された透光板によるものに限られるものではなく、図12に示すような、拡散板部材70であっても良い。かかる拡散板部材70は、透光性を有する板状の第2透光板71内に、同様に透光性を有する粒状のチップ部材72を含有するものであっても良い。図12は、拡散板部材70の断面図である。また、チップ部材72に代えて、透光性を有するゼリー状のゼリー部材にしても良い。
【0052】なお、疑義が生じないように念のために説明すれば、特許請求の範囲に記載の「壁面」とは、家屋その他の「建造物」の壁面の意味に限定されるものではなく、例えば、所謂「電信柱」や「ガードレール」の壁面、及びトンネルの壁面の意味をも包含する。
【0053】
【発明の効果】 請求項1記載の埋込式発光装置によれば、バッテリー部材、発光部材及び接続切替部材は、ケース体に収容され、そのケース体は、地面または壁面に埋め込まれる。ここで、変換部材により、光エネルギーが電気エネルギーに変換され、バッテリー部材により、電気エネルギーが蓄電され、発光ダイオード素子から成る発光部材により、バッテリー部材に蓄電された電気エネルギーが消費される。即ち、発光部材が発光させられる。このため、本埋込式発光装置の設置時(ケース体の埋込時)においても、配線工事という煩雑な工事を省略することができるという効果がある。ひいては、設置工事を短縮化することができるという効果がある。
【0054】また、発光ダイオード素子の寿命は他の発光素子に比べて寿命が長いので、設置後に、電源の交換作業などの煩雑な補修作業を簡略化することができるという効果もある。特に、道路標識、区画線又は道路標示に設置する場合には、工期の短縮化、補修作業の簡略化を図ることにより、道路が渋滞してしまう等、交通事情に与える影響を低減することができるのである。
【0055】更に、接続切替部材により、二次電池に蓄電された電気エネルギーを発光部材へ供給する場合には、バッテリー部材相互の接続が直列接続とされるので、発光ダイオード素子の発光色の如何を問わず、安価に、発光ダイオード素子を発光させることができるという効果がある。一方、接続切替部材により、変換部材により変換された電気エネルギーを充電する場合には、バッテリー部材相互の接続が並列接続とされるので、バッテリー部材単体の充電に足りる電圧を印加するのみで、複数のバッテリー部材を同時に充電することができるという効果もある。従って、大量な光エネルギーを要することなく、二次電池に十分な充電をすることができるのである。
【0056】請求項2記載の埋込式発光装置によれば、請求項1記載の埋込式発光装置の奏する効果に加え、更に、光エネルギーを電気エネルギーに変換する複数の半導体素子、及び、その複数の半導体素子を配設する板状のパネル部材を変換部材が備えているので、パネル部材の面積を縮小することができるという効果がある。ひいては、本埋込式発光装置を小型化することができるという効果がある。これは、変換部材により発生される電気エネルギーの電圧の大きさは、パネル部材の面積の大きさに比例することに起因している。
【0057】請求項3記載の埋込式発光装置によれば、請求項1又は2に記載の埋込式発光装置の奏する効果に加え、更に、ケース体内に収容された拡散部材により、発光部材による発光が拡散されるので、発光部材の数が少なくても、発光の視認性が損なわれてしまうことを防止することができるという効果がある。また、発光部材の数を少なくすることができるので、発光部材全体の消費電力を低減することができ、ひいては、バッテリー部材が充電不足となってしまうことを防止することができるという効果もある。
【0058】請求項4記載の埋込式発光装置によれば、第2発光部材及び第2拡散部材は、第2ケース体に収容され、その第2ケース体は、地面または壁面に埋め込まれる。ここで、第2拡散部材により、第2発光部材による発光が拡散されるので、第2発光部材の数が少なくても、発光の視認性が損なわれてしまうことを防止することができるという効果がある。また、第2発光部材は長寿命で消費電力の少ない発光ダイオード素子から成るとともに、第2発光部材の数を少なくすることができるので、発光部材の消費電力を低減することができるという効果があり、ひいては、発光部材を経済的にすることができるという効果がある。
【0059】請求項5記載の埋込式発光装置によれば、請求項3又は4に記載の埋込式発光装置の奏する効果に加え、更に、拡散部材または第2拡散部材は、透光性を有する板状の透光板の表面に形成された略V字状又は略U字状の溝部により、発光部材又は第2発光部材による発光を多方向に屈折させることができる。ひいては、発光部材又は第2発光部材による発光を面発光させることができるという効果がある。即ち、視認する方向の如何を問わず、発光部材又は第2発光部材による発光を視認させることができるという効果がある。
【0060】請求項6記載の埋込式発光装置によれば、請求項5記載の埋込式発光装置によれば、透光板の表面に透光板が編み目状に形成されているので、発光部材又は第2発光部材による発光の屈折を、より効果的にすることができるという効果がある。
【0061】請求項7記載の埋込式発光装置によれば、請求項3又は4に記載の埋込式発光装置の奏する効果に加え、更に、透光性を有する第2透光板により、透光性を有する粒状のチップ部材が包含されるので、発光部材又は第2発光部材による発光を多方向に屈折させることができる。ひいては、発光部材又は第2発光部材による発光を面発光させることができるという効果がある。即ち、視認する方向の如何を問わず、発光部材又は第2発光部材による発光を視認させることができるという効果がある。
【0062】請求項8記載の埋込式発光装置によれば、請求項3又は4に記載の埋込式発光装置の奏する効果に加え、更に、透光性を有する第3透光板により、透光性を有するゼリー状のゼリー部材が包含されるので、発光部材又は第2発光部材による発光を多方向に屈折させることができる。ひいては、発光部材又は第2発光部材による発光を面発光させることができるという効果がある。即ち、視認する方向の如何を問わず、発光部材又は第2発光部材による発光を視認させることができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】300059843
【氏名又は名称】北島 嘉江
【識別番号】300059832
【氏名又は名称】田中 茂
【出願日】 平成12年8月25日(2000.8.25)
【代理人】 【識別番号】100083932
【弁理士】
【氏名又は名称】廣江 武典
【公開番号】 特開2002−75007(P2002−75007A)
【公開日】 平成14年3月15日(2002.3.15)
【出願番号】 特願2000−255268(P2000−255268)