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【発明の名称】 航空障害灯
【発明者】 【氏名】大石 英輔

【氏名】横山 隆昭

【要約】 【課題】水平方向及び上方に光を集中させて、光害を防ぐと共に、発光効率を向上させる。

【解決手段】本発明による航空障害灯は、放物線状の断面を有する鏡体(1)と、鏡体(1)の内側に配置され且つ鏡体(1)より小さい反射面を有する補助反射鏡(5)と、補助反射鏡(5)及び鏡体(1)の焦点付近に配置された細長い光源(3)と、光源(3)、鏡体(1)及び補助反射鏡(5)を収容するケース(4)とを備える。補助反射鏡(5)は、光源(3)を挟んで前記鏡体(1)と対向して配置され、ケース(4)は、鏡体(1)の水平な投影面となる位置に形成された開口部(4a)を有し、補助反射鏡(5)は開口部(4a)と光源(3)との間に配置され、水平方向より下方へ光を照射しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 放物線状の断面を有する鏡体と、該鏡体の内側に配置され且つ前記鏡体より小さい反射面を有する補助反射鏡と、該補助反射鏡及び前記鏡体の焦点付近に配置された細長い光源と、前記光源、鏡体及び補助反射鏡を収容するケースとを備え、前記補助反射鏡は、前記光源を挟んで前記鏡体と対向して配置され、前記ケースは、前記鏡体の水平な投影面となる位置に形成された開口部を有し、前記補助反射鏡は、開口部と光源との間に配置されたことを特徴とする航空障害灯。
【請求項2】 前記補助反射鏡は、前記光源から受けた光を前記光源付近に向けて反射し、前記鏡体は、前記補助反射鏡及び光源からの光を前記開口部の外側に向かって水平に反射する請求項1に記載の航空障害灯。
【請求項3】 前記補助反射鏡は、直線状の断面又は前記光源を焦点とする円弧状又は楕円弧状の断面を有する請求項1又は2に記載の航空障害灯。
【請求項4】 前記補助反射鏡は、前記開口部の中心より下方に配置される請求項1〜3の何れか1項に記載の航空障害灯。
【請求項5】 前記光源及び補助反射鏡は、一定間隔離間して且つ前記鏡体に対して並行に配置され、前記光源の一対の端部及び前記補助反射鏡の一対の端部は、前記ケースの一対の側部に固定された請求項1〜4の何れか1項に記載の航空障害灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】ヘリコプタ、航空機等の航空運行上の安全を図るため、高層建造物に設置され障害物の存在を発光表示する航空障害灯に属する。
【0002】
【従来の技術】近年、建設技術の進歩により高層ビル、送電線鉄塔、煙突、化学プラントタワー等の建造物の高層化が進む中、ヘリコプタ、航空機等が安全に航行できるように、高層建造物に航空障害灯を設置することが義務づけられている。航空障害灯は、特に夜間、高層建造物の存在を点滅光又は不動光によりヘリコプタ等の操縦士に認知させ、航行の安全を図るために高層建造物に設置される。図6及び図7に示す従来の航空障害灯(20)は、半楕円状の断面を有する鏡体(11)と、鏡体(11)が形成する形状の焦点より内側に配置された細長い棒状の光源(3)と、鏡体(11)及び光源(3)を収容し且つ鏡体(12)の水平な投影面となる位置に形成された開口部(14a)を有するケース(14)とを備える。ケース(14)の一対の側部(14b)に光源(3)の一対の端部(3a)が固定され、側部(14b)間に光源(3)の長さ方向と並行に鏡体(11)が形成される。光源(3)から発せられる光は、透明板で覆われた開口部(14a)からケース(14)の外部に直接放出される光と、鏡体(11)に照射される光とに分かれる。光源(3)からの光を受けた鏡体(11)は、略水平方向に光を反射して開口部(14a)からケース(14)の外部に放出する。このように、航空障害灯から放出された光源(3)からの直接光及び鏡体(11)からの反射光は、混合されて、航空障害灯が設置された高層建造物の存在を明示する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高層建造物に設置された航空障害灯は、ヘリコプタ等が高層建造物より高い位置を飛行するため、上方及び水平方向へ灯光することが好ましいが、前記航空障害灯(20)では、水平方向より下方にも灯光する。図8は、高さ方向の異なる各測定位置で航空障害灯(20)から照射された光の光量を測定したグラフである。図8に示すように、前記航空障害灯(20)では、水平方向より下方にも上方と同じ光量の光が検出されるため、光が照射される地上で光害の原因となる。また、灯光する必要の無い下方への光の分だけ、上方及び水平方向への光量が低減する。そこで本発明は、水平方向より上方にのみ光を集中させて、光害を防ぐと共に、発光効率を向上させる航空障害灯を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明による航空障害灯は、放物線状の断面を有する鏡体(1)と、鏡体(1)の内側に配置され且つ鏡体(1)より小さい反射面を有する補助反射鏡(5)と、補助反射鏡(5)及び鏡体(1)の焦点付近に配置された細長い光源(3)と、光源(3)、鏡体(1)及び補助反射鏡(5)を収容するケース(4)とを備える。補助反射鏡(5)は、光源(3)を挟んで鏡体(1)と対向して配置され、ケース(4)は、鏡体(1)の水平な投影面となる位置に形成された開口部(4a)を有し、補助反射鏡(5)は開口部(4a)と光源(3)との間に配置される。光源(3)から照射された光は、1)光源(3)から直接、2)鏡体(1)で反射した後、又は3)補助反射鏡(5)及び鏡体(1)で反射した後、開口部(4a)を通り鏡体(1)の外部に効率良く放出される。放物線状の断面を有する鏡体(1)は、光源(3)付近からの光を受光し、水平な平行光線を開口部(4a)に向けて反射する。
【0005】本発明による実施の形態では、補助反射鏡(5)は、光源(3)から受けた光を光源(3)付近に向けて反射し、鏡体(1)は、補助反射鏡(5)及び光源(3)からの光を開口部(4a)の外側に向かって水平に反射する。また、補助反射鏡(5)は、直線状の断面又は前記光源(3)を焦点とする円弧状又は楕円弧状の断面を有し、開口部(4a)の中心(4c)より下方に配置される。開口部(4a)の中心(4c)より下方に配置される補助反射鏡(5)は、開口部(4a)の下半分に向かう光を鏡体(1)側に反射し、鏡体(1)は、受光した光を略水平方向に反射して開口部(4a)から外部に放出する。従って、水平方向より下方に向かって外部に放出される不要な光を補助反射鏡(5)によって上方に反射し、水平方向及び上方への光だけを開口部(4a)から外部に効率よく且つ高輝度で放出し、航空障害灯から照射される光強度を向上することができる。この場合、最も強い光強度で開口部(4a)から水平方向に放出される航空障害灯の光を遠方から観察したとき、観察者は航空障害灯に対し略水平位置にいることを確認することができ、遠方から航空障害灯の比較的弱い光強度の光を観察したとき、観察者は航空障害灯より高い位置にいることを確認することができる。開口部(4a)を通る光源(3)方向からの光は下方に向かう成分を殆ど含まないため、遠方から航空障害灯の光を全く観察できないとき、観察者は航空障害灯より下方の位置にいることを確認することができる。
【0006】光源(3)及び補助反射鏡(5)は、一定間隔離間して且つ鏡体(1)に対して並行に配置され、光源(3)の一対の端部(3a)及び補助反射鏡(5)の一対の端部(5a)は、ケース(4)の一対の側部(4b)に固定される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明による航空障害灯の実施の形態を図1〜図3により説明する。図1及び図2に示す航空障害灯(10)では、放物線状の断面を有する鏡体(1)と、鏡体(1)の内側に配置され且つ鏡体(1)より小さい反射面を有する補助反射鏡(5)と、補助反射鏡(5)及び鏡体(1)の焦点付近に配置された細長い棒状の光源(3)とを備える。補助反射鏡(5)は、光源(3)を挟んで鏡体(1)と対向して配置され、光源(3)を焦点とする60〜180°の何れかの円弧状の断面に形成される。図2に示す補助反射鏡(5)は、焦点より下方に配置された90°の円弧状断面を示す。光源(3)は例えば、直径2mm、長さ600mm、最高光度1200cdのキセノンフラッシュライトを用いる。キセノンフラッシュライトは、高光度の白色光を発光し、発光効率が高く長寿命である。光源(3)の位置を鏡体(1)が形成する放物線の焦点としても良いが、鏡体(1)から焦点までの長さをdとすると、d〜1.2dの範囲内で光源(3)を配置できる。光源(3)の位置をd未満とすると、鏡体(3)で反射して外部に放出される光が拡散され、光の指向性が低下する。d以上であると収束し1.2dを超えると、収束した光が航空障害灯(10)からの距離が離れるに従い、再び拡散するので好ましくない。
【0008】光源(3)、鏡体(1)及び補助反射鏡(5)は、ステンレス等により形成されたケース(4)の内部に収容され、ケース(4)は鏡体(1)の水平な投影面となる位置に透明板で覆われた矩形状の開口部(4a)を有する。開口部(4a)と光源(3)との間に配置され且つ開口部(4a)の中心より下方に配置された補助反射鏡(5)は、一対の端部(5a)がケース(4)内側の一対の側部(4b)に固定される。また、側部(4b)に形成された図示しない一対の電極に光源(3)の一対の端部(3a)が固定される。補助反射鏡(5)と光源(3)とは、互いに一定間隔離間して並行に配置され、鏡体(1)は、補助反射鏡(5)及び光源(3)の長さ方向に対して並行に形成される。
【0009】前記実施の形態による航空障害灯(10)は、別の場所に設置された図示しない電源装置からの点灯指令により光源(3)が点灯する。点灯した円形断面の光源(3)は、直接開口部(4a)から外部に放出される光と、鏡体(1)及び補助反射鏡(5)に照射する光とを放射状に照射する。開口部(4a)の中心(4c)方向から下方向までの90°の範囲内における光源(3)の光は、補助反射鏡(5)に照射され、光源(3)を略焦点とする位置に配置された補助反射鏡(5)から光源付近に向けて反射される。光源(3)付近を通過した光は、光源(3)からの直接光と共に、鏡体(1)に照射される。鏡体(1)の断面が光源(3)を焦点付近とする放物線状に形成されているため、鏡体(1)は受けた光を水平方向に反射して、開口部(4a)から外部に放出する。同時に、光源(3)から水平方向及び斜め上方に照射される直接光も開口部(4a)から外部に放出される。鏡体(1)から反射される光が補助反射鏡(5)によって遮られ光量が一部低下することも考えられるが、航空障害灯(10)からある程度離れた観測位置では、光が十分に回り込むため、部分的な光量の低下は無視できる。
【0010】図3は、高さ方向に異なる各測定位置での光量(光度)を示すグラフである。図7に示す従来の航空障害灯(20)では、図8に示すように開口部(14a)より下方に向かう光が発生するのに対し、本実施の形態による航空障害灯(10)は、図3に示すように、水平方向より下方の光が観測されず、全て水平方向より上方を照射する。このように、直接外部へ照射される斜め下向きの光を補助反射鏡(5)でケース(4)内面の鏡体(1)に導くので、付近の住宅地及びオフィスに向かって光を下方へ照射する光害を防止できる。また、図3に示す本実施の形態では、下方へ光が照射されない分、従来に比べて水平方向の光量が大きく、光の指向性が高いので、ヘリコプタ等の操縦士は遠方位置からでも航空障害灯(10)の光を確認でき、運行上の事故を未然に防ぐことができる。
【0011】前記実施の形態では、光源(3)を焦点とする90°の円弧状断面を有する補助反射鏡(5)を図2に示したが、図4及び図5に示すように、180°の円弧状断面又は直線状断面に形成しても良く、図示しないが、楕円弧状断面としても良い。図4に示す実施の形態では、反射鏡(5)で反射する光は鏡体(1)で反射して略水平光線となり、下方に向かう光は殆ど発生しない。また、補助反射鏡(5)を光源(3)の外部に形成せずに、光源(3)の内部表面に膜状の補助反射鏡(図示せず)を設けても良い。
【0012】前記実施の形態では、図2、図4及び図5に示すように上下対称の放物線状断面を有する鏡体(1)を示したが、鏡体(1)を上下半分に分けて何れかの断面形状を変更しても良い。図示しないが、例えば、鏡体(1)の下部を開口部(4a)が閉じるような放物線状断面とすると、光源(3)の位置が焦点から鏡体(1)と反対方向に離間するので、鏡体(1)の下部で反射する光は上方に向けられ、下向きに照射される光をほぼ完全に抑えることができる。一方、鏡体(1)の開口角度を増加してより大きな開口部(4a)を形成する放物線状断面で鏡体(1)を形成すると、光源(3)の位置が焦点から鏡体(1)に近づけることができ、鏡体(1)の上部に照射された光は水平方向より上向きに反射され、上方への光量を増加させることができる。
【0013】
【発明の効果】このように、本発明による航空障害灯は、大きい光量の光を水平方向より上方にのみ灯光するので、光害を発生せずにヘリコプタ、飛行機等の航空運行上の安全を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000106276
【氏名又は名称】サンケン電気株式会社
【出願日】 平成12年7月27日(2000.7.27)
【代理人】 【識別番号】100082049
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 敬一
【公開番号】 特開2002−42504(P2002−42504A)
【公開日】 平成14年2月8日(2002.2.8)
【出願番号】 特願2000−226403(P2000−226403)