| 【発明の名称】 |
高圧放電ランプを用いた投光装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】永墓 哲也
|
| 【要約】 |
【課題】高圧放電ランプが爆発したときの危険性を極力小さくすることができるとともに照射光の輝度分布のムラを小さくすることができ、ファンの騒音を小さくしつつ高圧放電ランプ及びその周辺部材の冷却効果を高めることができ、高圧放電ランプが発する光の集光角度を小さくして装置全体をコンパクトに構成することができ、更にランプ及びその周辺部材に塵や埃が付着しないようにする。
【解決手段】キセノンランプ等の高圧放電ランプと、高圧放電ランプが発する光を集光する楕円鏡と、楕円鏡により集光された光が入射され平行もしくは平行に近い光を出射する光学系と、楕円鏡の反射面と対向する位置に設けられた凹球面鏡とを備えてなり、楕円鏡の第1焦点上に高圧放電ランプの発光部が位置するとともに、第1焦点上に凹球面鏡の球心が一致しており、凹球面鏡の中央部には楕円鏡で反射された光を通過させる光通過孔が形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 キセノンランプ等の高圧放電ランプと、この高圧放電ランプが発する光を集光する楕円鏡と、この楕円鏡により集光された光が入射され平行もしくは平行に近い光を出射する光学系と、前記楕円鏡の反射面と対向する位置に設けられた凹球面鏡とを備えてなり、前記楕円鏡の第1焦点上に前記高圧放電ランプの発光部が位置するとともに、その第1焦点上に前記凹球面鏡の球心が一致しており、この凹球面鏡の中央部には前記楕円鏡で反射された光を通過させる光通過孔が形成されていることを特徴とする高圧放電ランプを用いた投光装置。 【請求項2】 前記高圧放電ランプの少なくとも一部を収容保持する内ケースと、この内ケース及び高圧放電ランプ全体を収容保持する外ケースと、前記内ケース内に外気を導入する吸気ファンと、前記外ケース内の空気を外部へ排出する排気ファンとを備えてなり、前記内ケースの内部は、前記高圧放電ランプを挿通するために前記楕円鏡の中央部に形成されたランプ挿通孔及び前記凹球面鏡の中央部に形成された光通過孔を通じて前記排気ファンと連通していることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプを用いた投光装置。 【請求項3】 前記内ケースの内部は、前記楕円鏡の周縁部と前記凹球面鏡の反射面の間に形成された通気孔及び前記凹球面鏡の中央部に形成された光通過孔を通じて前記排気ファンと連通していることを特徴とする請求項2に記載の高圧放電ランプを用いた投光装置。 【請求項4】 前記楕円鏡及び凹球面鏡の反射面にはそれぞれ、赤外線吸収素材がコーティングされていることを特徴とする請求項2に記載の高圧放電ランプを用いた投光装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、高圧放電ランプを用いた投光装置に関し、より詳しくは、高圧放電ランプが爆発したときの危険性を極力小さくすることができるとともに、同ランプが発する強力な光が外部に漏れ出さないようにすることができ、また照射光の輝度分布のムラを小さくすることができ、ファンの騒音を小さくしつつ高圧放電ランプ及びその周辺部材の冷却効果を高めることができ、高圧放電ランプが発する光の集光角度を小さくして装置全体をコンパクトに構成することができ、更に、高圧放電ランプ及びその周辺部材へ冷却風を確実に当てて同ランプ及びその周辺部材に塵や埃が付着しない高圧放電ランプを用いた投光装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、キセノン等の気体を高圧封入した高圧放電ランプを利用した投光装置が存在している。その投光装置の一例を図13に示す。図13に示す投光装置は、キセノンランプ等の高圧放電ランプ(50)と、この高圧放電ランプ(50)の放射光を集光する楕円鏡(51)と、楕円鏡(51)により集光された光が入射され平行もしくは平行に近い光を出射する光学系(52)と、高圧放電ランプ(50)の強制冷却を行う冷却装置(53)とから構成されている。この投光装置のランプハウス(54)は、高圧放電ランプ(50)を収容保持する内ケース(55)と、この内ケース(55)を収容保持する外ケース(56)とから構成されている。冷却装置(53)は、内ケース(55)の下部に設けられた吸気ファン(57)と、外ケース(56)の上部に設けられた排気ファン(58)とから構成されている。 【0003】この投光装置の動作について説明する。高圧放電ランプ(50)の負極及び正極には、それぞれ負極口金(59)及び正極口金(60)が接続されている。高圧放電ランプ(50)が発光すると、その光は楕円鏡(51)により集光された後、光学系(52)により実質上平行な光とされて外部に照射される。このとき、高圧放電ランプ(50)は高温になり、また高圧放電ランプ(50)が発する光によって周囲の部材も高温になる。しかしながら、吸気ファン(57)及び排気ファン(58)が回転することにより、後側の吸気ファン(57)、正極口金(60)、高圧放電ランプ(50)を通すために楕円鏡(51)の中央部に形成されたランプ挿通孔(61)、楕円鏡(51)の前端開口部、及び排気ファン(41)を通る空気流が形成される。また、前側の吸気ファン(57)、負極口金(59)、及び排気ファン(41)を通る空気流が形成される。これらの空気流により、高圧放電ランプ(50)及びその周囲の部材は強制冷却される。このように高圧放電ランプ(50)及びその周囲の部材が冷却されることで、高圧放電ランプ(50)及びその周囲の部材の寿命をある程度は伸ばすことができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した従来の投光装置には、以下のような課題が存在した。すなわち、この投光装置は、高圧気体を内部に封入した高圧放電ランプ(50)を使用しているので、冷却具合が悪かったり、また使用期間が長くてランプに傷みが生じていると、使用中に高圧放電ランプ(50)が突然爆発することがある。ところが、高圧放電ランプ(50)の近傍を覆っているのは、正極口金(60)の側に設けられた楕円鏡(51)のみである。従って、爆風が負極口金(59)の方へ向かう。このため、光学系(52)が破損したり、場合によっては、その爆風が排気ファン(41)等を通じて外部まで及ぶので、破壊される部品点数が多くなるとともに、この装置を扱う者にとって非常に危険なものとなる。 【0005】また、キセノンランプ等の高圧放電ランプ(50)は、紫外線を含む強力な光線を発するものである。しかしながら、高圧放電ランプ(50)の近傍を覆っているのは、正極口金(60)の側に設けられた楕円鏡(51)のみである。従って、その強力な光線の一部が外ケース(56)を通じて外部に漏れ出す可能性が高い。これは、該装置を利用する人にとって好ましくない。 【0006】また、吸気ファン(57)及び排気ファン(58)によってある程度の冷却効果は期待できるものの、楕円鏡(51)は外側へ向かって開口しているため、高圧放電ランプ(50)に沿って形成される空気流が少ない。このため、高圧放電ランプ(50)を十分に冷却できなかった。また、高圧放電ランプ(50)に比較的近い位置にある部材のうち、冷却のための空気流が接触するのは、楕円鏡(51)のみである。従って、放熱を行う面積が少ないので、高圧放電ランプ(50)の近傍では熱がこもる。これは、高圧放電ランプ(50)の寿命を短くする原因になるとともに、その熱が他の部材へ伝導または放射によって伝えられ、結局、投光装置全体の熱を効率良く放熱することができない。このような投光装置において、冷却効率を高めようとすれば、吸気ファン(57)及び排気ファン(58)の回転数を上げるしかない。この場合、ファンの風切り音とその駆動用モータの駆動音が大きくなり、騒音が激しくなるという問題がある。 【0007】また、高圧放電ランプ(50)の沿って形成される空気流が少ないため、高圧放電ランプ(50)に塵や埃が付着しやすい。また、付着した塵や埃は、同ランプの表面に焼き付く恐れがある。 【0008】また、集光手段として楕円鏡(51)のみを用いたこの投光装置は、高圧放電ランプ(50)から発した光の集光角度(θ)が大きい。このため、集光された光を平行光にするための光学系(52)を多数のレンズで構成し、互いのレンズ間隔を大きくする必要がある。従って、光学系(52)の光路方向長さが長くなり、その結果、投光装置全体が大きくなってしまうという問題があった。また、集光手段として楕円鏡(51)のみを用いたこの投光装置は、発光部及び集光点付近における輝度分布にムラがあるため(図10参照)、照射光の輝度分布にもムラが出来てしまうという問題があった。 【0009】本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、高圧放電ランプが爆発したときの危険性を極力小さくすることができるとともに、同ランプが発する強力な光が外部に漏れ出さないようにすることができ、またこの装置による照射光の輝度分布のムラを小さくすることができ、更に、ファンの騒音を小さくしつつ高圧放電ランプ及びその周辺部材の冷却効果を高めることができ、高圧放電ランプが発する光の集光角度を小さくして装置全体をコンパクトに構成することができ、高圧放電ランプ及びその周辺部材へ冷却風を確実に当てて同ランプ及びその周辺部材に塵や埃が付着しない投光装置の提供を目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、キセノンランプ等の高圧放電ランプと、この高圧放電ランプが発する光を集光する楕円鏡と、この楕円鏡により集光された光が入射され平行もしくは平行に近い光を出射する光学系と、前記楕円鏡の反射面と対向する位置に設けられた凹球面鏡とを備えてなり、前記楕円鏡の第1焦点上に前記高圧放電ランプの発光部が位置するとともに、その第1焦点上に前記凹球面鏡の球心が一致しており、この凹球面鏡の中央部には前記楕円鏡で反射された光を通過させる光通過孔が形成されていることを特徴とする高圧放電ランプを用いた投光装置である。 【0011】請求項2記載の発明は、前記高圧放電ランプの少なくとも一部を収容保持する内ケースと、この内ケース及び高圧放電ランプ全体を収容保持する外ケースと、前記内ケース内に外気を導入する吸気ファンと、前記外ケース内の空気を外部へ排出する排気ファンとを備えてなり、前記内ケースの内部は、前記高圧放電ランプを挿通するために前記楕円鏡の中央部に形成されたランプ挿通孔及び前記凹球面鏡の中央部に形成された光通過孔を通じて前記排気ファンと連通していることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプを用いた投光装置である。 【0012】請求項3記載の発明は、前記内ケースの内部は、前記楕円鏡の周縁部と前記凹球面鏡の反射面の間に形成された通気孔及び前記凹球面鏡の中央部に形成された光通過孔を通じて前記排気ファンと連通していることを特徴とする請求項2に記載の高圧放電ランプを用いた投光装置である。 【0013】請求項4記載の発明は、前記楕円鏡及び凹球面鏡の反射面には、赤外線吸収素材がコーティングされていることを特徴とする請求項2に記載の高圧放電ランプを用いた投光装置である。これらの発明を提供することにより、上記課題を悉く解決する。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、第1実施形態に係る高圧放電ランプを用いた投光装置を示す部分断面図である。図2は、図1に示す投光装置の部分拡大図である。第1実施形態に係る投光装置は、高圧放電ランプ(1)と、楕円鏡(2)と、光学系(3)と、凹球面鏡(4)とを備えてなるものである。以下、これら構成要素について、順次、詳説する。 【0015】高圧放電ランプ(1)は、キセノンランプに代表される高圧気体封入型の放電ランプである。この高圧放電ランプ(1)の種類は、キセノンランプに限定されるものではなく、他の気体を高圧封入した高圧放電ランプ(1)とすることも可能である。この高圧放電ランプ(1)は、負極(5)及び正極(6)を有しており、その間でアークを発生させて輝度の高い発光を行う。負極(5)には、負極口金(7)が接続されており、正極(6)には正極口金(8)が接続されている。 【0016】楕円鏡(2)は、高圧放電ランプ(1)が発する光を集光するものである。この楕円鏡(2)は、その中央部に高圧放電ランプ(1)を挿通するためのランプ挿通孔(9)を有している。また、楕円鏡(2)の焦点には、第1焦点(10)と第2焦点(11)とが存在するが、楕円鏡(2)に近い側に位置する第1焦点(10)上に、高圧放電ランプ(1)の発光部(12)が位置している。ここで言う発光部(12)とは、上記した負極(5)と正極(6)の間のアーク発生部分のことである。これにより、発光部(12)から発した光は、楕円鏡(2)の内側にある反射面で反射し、第2焦点(11)で集光される。また、この第1焦点(10)上には、凹球面鏡(4)の球心(13)が一致している。これにより、発光部(12)から発して凹球面鏡(4)で反射された光は、第1焦点(10)を通過した後に楕円鏡(2)によって反射され、第2焦点(11)で集光される。 【0017】この楕円鏡(2)の反射面には、紫外線を効率良く反射する紫外線反射素材がコーティングされていることが好ましい。このような素材をコーティングすることにより、高圧放電ランプ(1)が発する光のうち紫外線を効率よく反射して、最終的に、強力な紫外線を外部に照射することができる。また、この楕円鏡(2)の裏面側すなわち外側には、該楕円鏡(2)を内側へ向けて付勢する板バネ(14)が設けられていることが好ましい。このような板バネ(14)を設けることにより、高圧放電ランプ(1)が爆発した場合に、その爆風の力を板バネ(14)で受け止めることができる。従って、楕円鏡(2)の破壊を防ぐことが可能となる。 【0018】光学系(3)は、楕円鏡(2)により集光された光が入射され、平行もしくは平行に近い光を出射するものである。この光学系(3)は、そのような動作を行うことができるならば、特にその構成は問わないが、例えば、第2焦点(11)にて集光された後に拡散しつつある光を平行もしくは平行に近い状態で出射する複数のレンズ(16)から構成することができる。なお、この光学系(3)と高圧放電ランプ(1)の間には、他の構成要素を配置することも可能である。例えば、図1に示すように、楕円鏡(2)により反射された光を必要に応じて遮るシャッター(15)や、楕円鏡(2)により反射された光のうち赤外線を反射する熱線反射フィルタ(17)を設けてもよい。熱線反射フィルタ(17)を設けた場合、赤外線が殆ど含まれない照射光を得ることができる。また、この熱線反射フィルタ(17)は、赤外線を所定の向きに反射するものであるが、その反射方向の先に熱線吸収板(18)を設けておくとともに、この熱線吸収板(18)の近傍に排気ファン(41)が位置するようにしておくことが好ましい。この場合、赤外線を熱線吸収板(18)に吸収させ、この熱線吸収板(18)の熱を排気ファン(41)を通じて外部へ放出することができる。 【0019】凹球面鏡(4)は、図3に示すように、楕円鏡(2)の反射面(44)と対向する位置に設けられるものである。この凹球面鏡(4)の球心(13)は、楕円鏡(2)の第1焦点(10)と一致した位置にある。また、凹球面鏡(4)の中央部には、楕円鏡(2)で反射された光を通過させる光通過孔(19)が形成されている。この構成によれば、高圧放電ランプ(1)を発して凹球面鏡(4)で反射された光は、第1焦点(10)を通過した後に楕円鏡(2)で反射され、第2焦点(11)で集光される。従って、高圧放電ランプ(1)を発した光のうち、負極口金(7)側へ放たれる光と正極口金(8)側へ放たれる光の双方を広い範囲で集光することができる。また、広い範囲で集光が可能となることで、楕円鏡(2)を小さく構成することができるので、集光角度(θ)を小さく設定することができる。この場合、集光された光を平行あるいは平行に近い光にする光学系(3)の光軸方向長さを短く設定することができる。従って、投光装置全体をコンパクトに構成することが可能となる。 【0020】凹球面鏡(4)は、上記した動作を行うことができるならば、特にその構成は問わないが、その例として、例えば、金属板からなる鏡と、金属板の上にガラス板を接着してなる鏡を挙げることができる。金属板からなる鏡の例としては、例えば、アルミニウムや銅からなる基板部上に、ニッケル系或いはクロム系の電解めっきを施したものを挙げることができる。一方、金属板の上にガラス板を接着してなる鏡の例としては、例えば、ガラスからなる第1基板部の表面側に銀膜を形成し、この第1基板部の裏面側にアルミニウムや銅からなる第2基板部を接着したものを挙げることができる。これら双方の鏡は共に、基板部として金属板を有しているので、高圧放電ランプ(1)が爆発した場合でも、その爆風に耐えることができる。また、高圧放電ランプ(1)が放つ強力な光を完全に遮断することができる。 【0021】なお、楕円鏡(2)及び凹球面鏡(4)の反射面上にはそれぞれ、赤外線吸収素材がコーティングされていることが好ましい。このような素材をコーティングすることにより、赤外線が殆ど含まれない光を光学系(3)へ向けて出射し、赤外線が殆ど含まれない光を照射光として得ることができる。従って、光学系(3)の熱による傷みを防止することができる。また、楕円鏡(2)及び凹球面鏡(4)で確実に吸熱することができるので、楕円鏡(2)及び凹球面鏡(4)を効率よく冷却すれば、高圧放電ランプ(1)付近の冷却を効率よく行うことが可能となる。 【0022】以上、第1実施形態に係る投光装置の主たる構成要素について説明したきたが、この投光装置の他の構成要素について、以下に詳述する。この投光装置は、図1に示す如く、内ケース(20)と、外ケース(21)と、吸気ファン(32)と、排気ファン(41)とを備えている。 【0023】内ケース(20)は、高圧放電ランプ(1)の少なくとも一部を収容保持するものである。この内ケース(20)は、例えば図2に示すように、高圧放電ランプ(1)の正極口金(8)を収容した状態で、該高圧放電ランプ(1)を保持する。正極口金(8)は、ランプ固定用チャック(22)に接続保持されており、このランプ固定用チャック(22)は、内ケース(20)に位置調節可能な状態で支持されている。高圧放電ランプ(1)の発光部(12)の位置は、上下方向調整ノブ(23)(図4参照)、左右方向調整ノブ(24)、前後方向調整ノブ(25)によって調節可能となっており、調節後の位置をランプ固定ノブ(26)によって固定できるようになっている。 【0024】図6は、図1に示す楕円鏡の取り付け状態を後方から見た図である。図7は、図1に示す楕円鏡の取り付け状態を前方から見た図である。内ケース(20)は、その前側に楕円鏡(2)及び凹球面鏡(4)を支持する鏡支持板(27)を備えている。この鏡支持板(27)には、楕円鏡(2)の大径側端部近傍を嵌入支持する楕円鏡支持孔(28)が形成されている。図示例では、4本の光軸調整ネジ(29)により楕円鏡(2)が光軸調整可能に鏡支持板(27)に取り付けられている。また、図示例では、鏡支持板(27)の内面(後面)において、楕円鏡支持孔(28)の周縁部近傍に、楕円鏡(2)を外側へ向けて付勢する板バネ(14)が取り付けられている。 【0025】また、図5に示す如く、鏡支持板(27)の外面(前面)において、楕円鏡支持孔(28)(図6参照)の周縁部近傍に、凹球面鏡(4)の大径側端部周縁が固定されている。また、図2に示す例においては、楕円鏡支持孔(28)から楕円鏡(2)の大径側端部が若干突出している。凹球面鏡(4)は、この突出部分の外側を覆うように鏡支持板(27)に固定されている。凹球面鏡(4)の大径側端部の径は、楕円鏡(2)の大径側端部の径より大きくなっており、鏡支持板(27)においてこれら大径側端部同士の隙間に対応する位置に、図6及び図7に示す如く通気孔(30)が形成されている。この通気孔(30)は、吸気ファン(32)から導入された外気が通過する孔である。内ケース(20)の内部は、この通気孔(30)と、凹球面鏡(4)に形成された光通過孔(19)とを通じて、外ケース(21)に設けられた排気ファン(41)に連通している。また、内ケース(20)の内部は、高圧放電ランプ(1)を挿通するために楕円鏡(2)の中央部に形成されたランプ挿通孔(9)と、凹球面鏡(4)に形成された光通過孔(19)とを通じて、外ケース(21)に設けられた排気ファン(41)に連通している。 【0026】外ケース(21)は、内ケース(20)及び高圧放電ランプ(1)全体を収容保持するものである。図1に示す例では、内ケース(20)と、この内ケース(20)から負極口金側が突出された高圧放電ランプ(1)と、楕円鏡(2)と、凹球面鏡(4)と、熱線反射フィルタ(17)とが収容されている。 【0027】吸気ファン(32)は、内ケース(20)内に外気を導入するものである。この吸気ファン(32)は、図1に示す例では、内ケース(20)の下板部の外側に配置されている。この吸気ファン(32)を回転させることにより、内ケース(20)内に外気を導入し、高圧放電ランプ(1)の正極口金(8)に直接外気を当てるようになっている。なお、内ケース(20)は、吸気ファン(32)から外気を導入する外気導入孔(33)、凹球面鏡(4)に形成された光通過孔(19)、及び鏡支持板(27)に形成された通気孔(30)、及びランプ挿通孔(9)のみを通じて外部と連通しているので、これらの孔のみを通じて外気が流通することになる。 【0028】排気ファン(41)は、外ケース(21)内の空気を外部へ排出するものである。この排気ファン(41)は、図示例では、外ケース(21)の上面板の外側に配置されている。この排気ファン(41)を回転させることにより、吸気ファン(32)によって内ケース(20)内及び外ケース(21)内に導入された外気を外部へ排出することができる。排気ファン(41)によって排出される空気は、高圧放電ランプ(1)が発光したことによる熱を吸収して高温となっている。従って、吸気ファン(32)及び排気ファン(41)を回転させることにより、高圧放電ランプ(1)をはじめとする外ケース(21)内の各部材を効率よく冷却することができる。この吸気ファン(32)は、主として、高圧放電ランプ(1)の正極口金(8)、及び高圧放電ランプ(1)の光放出部であるランプ本体(36)を冷却するものなので、この吸気ファン(32)のことを、以下の説明では正極側吸気ファン(32)と称することにする。 【0029】第1実施形態においては、正極側吸気ファン(32)に加えて、負極側吸気ファン(31)を設けておくのが好ましい。負極側吸気ファン(31)は、主として、高圧放電ランプ(1)の負極口金(7)を冷却するものである。この負極側吸気ファン(31)は、図示例では外ケース(21)の下面板の外側に配置されている。また、この負極側吸気ファン(31)は、図示例では、凹球面鏡(4)の下方に配置されている。この負極側吸気ファン(31)を回転させることにより、外ケース(21)の下面板に形成された外気導入孔(34)を通じて外ケース(21)内に外気が導入される。そして、その導入された外気は、凹球面鏡(4)の外面に当たった後、その外面に沿って流れて負極口金(7)に当たり、排気ファン(41)を通じて外部へ排出される。従って、負極側吸気ファン(31)及び排気ファン(41)を回転させることにより、凹球面鏡(4)及び負極口金(7)を効率よく冷却することができる。 【0030】なお、負極側吸気ファン(31)と凹球面鏡(4)の間には、導風板(35)が設けられていることが望ましい。この導風板(35)は、負極側吸気ファン(31)によって導入された外気を凹球面鏡(4)の外面へ確実に導くためのものである。図示例では、導風板(35)は、板材を断面コ字形に屈曲させたものとなっており、その中央板部が内ケース(20)の鏡支持板(27)とは反対側に位置するように設けられている。 【0031】次に、第1実施形態に係る投光装置の動作を説明する。まず、高圧放電ランプ(1)に電力を供給してこれを発光させるとともに、負極側吸気ファン(31)、正極側吸気ファン(32)、及び排気ファン(41)を回転させる。すると、高圧放電ランプ(1)の発光部(12)で発した光の一部は、楕円鏡(2)で反射され、楕円鏡(2)の第2焦点(11)で集光される。ここで、楕円鏡(2)の反射面に赤外線吸収素材がコーティングされているならば、赤外線が入射したことで発生する熱を吸収することができる。また、楕円鏡(2)と第2焦点(11)の間に熱線反射フィルタ(17)が設けられているならば、この熱線反射フィルタ(17)によって赤外線を所定の向きに反射する。従って、より確実に、紫外線、可視光線等の他の光のみを集光することが可能となる。 【0032】また、高圧放電ランプ(1)の発光部(12)で発した光の他の一部は、凹球面鏡(4)で反射された後、楕円鏡(2)で反射され、楕円鏡(2)の第2焦点(11)で集光される。ここで、凹球面鏡(4)の反射面に赤外線吸収素材がコーティングされているならば、赤外線を吸収することができる。従って、より確実に、紫外線、可視光線等の他の光のみを集光することが可能となる。 【0033】高圧放電ランプ(1)の発光部(12)で光を放つことにより、高圧放電ランプ(1)の負極口金(7)、ランプ本体(36)、及び正極口金(8)のそれぞれが熱を吸収して温度が上昇する。また、楕円鏡(2)及び凹球面鏡(4)も熱を吸収して温度が上昇する。しかしながら、負極側吸気ファン(31)、正極側吸気ファン(32)、及び排気ファン(41)をそれぞれ回転させることにより、これらの部材を効率よく冷却し、これらの部材が高温になるのを防ぐことができる。 【0034】すなわち、正極側吸気ファン(32)によって内ケース(20)内に導入された外気は、図8に矢印で示すような経路を経て排気ファン(41)まで導かれ、外部に排出される。これを詳述すれば、正極側吸気ファン(32)によって導入された外気は、正極口金(8)に当たって該口金の熱を奪った後、楕円鏡(2)のランプ挿通孔(9)を通じてランプ本体(36)側へ流れる。そして、楕円鏡(2)の内面に沿って流れて楕円鏡(2)の熱を奪い、更に凹球面鏡(4)の内面に沿って流れて凹球面鏡(4)の熱を奪い、凹球面鏡(4)の光通過孔(19)を通った後、排気ファン(41)によって吸引されて外部へ排出される。また、正極側吸気ファン(32)によって導入された外気は、正極口金(8)に当たって該口金の熱を奪った後、楕円鏡(2)のランプ挿通孔(9)を通じてランプ本体(36)側へ流れ、ランプ本体(36)及び負極口金(7)に沿って流れてこれらの熱を奪い、排気ファン(41)によって吸引されて外部へ排出される。この第1実施形態では、下流側に向けて次第に径が小さくなる凹球面鏡(4)を設けているので、ランプ挿通孔(9)から入った外気がランプ本体(36)の周りで拡散することがない。従って、ランプ本体(36)に沿った空気流を確実に形成することができる。 【0035】また、正極側吸気ファン(32)によって内ケース(20)内に導入された外気は、楕円鏡(2)の外面に沿って流れて楕円鏡(2)の熱を奪った後、楕円鏡(2)と凹球面鏡(4)の間に形成された通気孔(30)を通って凹球面鏡(4)側へ流れ、凹球面鏡(4)の内面に沿って流れて凹球面鏡(4)の熱を奪い、凹球面鏡(4)の光通過孔(19)を通った後、排気ファン(41)によって吸引されて外部へ排出される。 【0036】このように、第1実施形態においては、高圧放電ランプ(1)、楕円鏡(2)、及び凹球面鏡(4)のそれぞれが、確実に外気に触れて強制冷却される。従って、高圧放電ランプ(1)及びその周辺部材の冷却を効率よく行うことができるので、各吸気ファン(31),(32)及び排気ファン(41)の回転数を低くしても確実に冷却を行い、高圧放電ランプ(1)及びその周辺部材の寿命を伸ばすことが可能となる。また、高圧放電ランプ(1)、楕円鏡(2)、及び凹球面鏡(4)のそれぞれの表面に確実に空気流を当てることができるので、これら高圧放電ランプ(1)、楕円鏡(2)、及び凹球面鏡(4)の表面に塵や埃がくっつくことがない。従って、これらの部材上に塵や埃が焼き付くことがなく、発光効率及び反射効率を常に高く維持することが可能となる。 【0037】また、負極側吸気ファン(31)を設けている図示例においては、更なる冷却効果を発揮することができる。つまり、負極側吸気ファン(31)によって外ケース(21)内に導入された外気は、凹球面鏡(4)の外面に当たって凹球面鏡(4)の熱を奪った後、負極口金(7)に当たって負極口金(7)の熱を奪い、排気ファン(41)によって吸引されて外部へ排出される。また、導風板(35)を設けている場合には、確実に外気を凹球面鏡(4)へ導いてその冷却を行うことができる。 【0038】第1実施形態においては、凹球面鏡(4)を設けているので、小さい楕円鏡(2)を用いた場合でも、高圧放電ランプ(1)が放った光の大部分を集光することができる。小さい楕円鏡(2)を用いれば、集光角度(θ)を小さくすることができるので、集光された光を平行あるいは平行に近い光にする光学系(3)の光路方向長さを短く設定することができ、もって投光装置全体をコンパクトに構成することが可能となる。また、楕円鏡(2)の他に凹球面鏡(4)を設けることにより、高圧放電ランプ(1)が爆発しても、その爆風をこれらの鏡で受け止めることができる。従って、爆風の影響が外部へ及ぶのを確実に防止することができ、この装置を使用する者の安全性を高めることができる。また、楕円鏡(2)及び凹球面鏡(4)の双方を金属で構成することにより、高圧放電ランプ(1)が発する強力な光を遮蔽して、この光が外部に漏れ出すのを防止することができる。 【0039】また、第1実施形態においては、光学系(3)を通じて外部へ照射される照射光のムラを極力小さくすることができる。これは、楕円鏡(2)と凹球面鏡(4)を併用したことに基づくものである。高圧放電ランプ及び楕円鏡を用いたこの種の投光装置においては、照射光の輝度分布は、楕円鏡の各焦点近傍の輝度分布の状態が略そのままの形で現れる。従って、楕円鏡の各焦点近傍の輝度分布を如何にしてムラのない状態にするかが問われるのであるが、この第1実施形態においては、図9に示すように、第1焦点(10)付近(発光部(12))の輝度分布(45)が略台形状となっている。これは、高圧放電ランプ(1)から発した光のうち、凹球面鏡(4)で反射されることなく楕円鏡(2)のみによって反射された光の輝度分布(46)と、凹球面鏡(4)で反射された後に楕円鏡(2)で反射された光の輝度分布(47)とが重なり合うことで出来たものである。このように第1焦点(10)付近にて台形状の輝度分布を持った光は、略そのままの形で第2焦点付近における輝度分布となり、更にそのままの形で照射光の輝度分布となるので、ムラのない良好な照射光を得ることができる。 【0040】これに対し、従来の技術の項で説明したような、反射鏡として楕円鏡のみを用いた投光装置においては、第1焦点(48)(図10参照)付近すなわち負極(70)と正極(49)の間の輝度分布(71)が、図10に示すような状態となる。つまり、正極(49)近傍を頂点とした急峻な山形の輝度分布となる。この輝度分布は、略そのままの形で第2焦点における輝度分布となり、更にそのままの形で照射光の輝度分布となるので、ムラの大きな質の悪い照射光を得ることになる。 【0041】次に、本発明の第2実施形態に係る高圧放電ランプを用いた投光装置について図面を参照しつつ説明する。図11は、第2実施形態に係る投光装置の構造を示す図である。この第2実施形態に係る投光装置が上記した第1実施形態と異なる点は、内ケース(20)の下面板(42)の外側に正極側吸気ファン(32)を設けるとともに、内ケース(20)の右側面板(43)及び左側面板(図示せず)の外側にもそれぞれ正極側吸気ファン(32)を設けている点である。この構成によれば、正極口金(8)及びランプ本体(36)に当てる外気の量が増えるので、より一層の冷却効果を奏することができる。 【0042】次に、本発明の第3実施形態に係る高圧放電ランプを用いた投光装置について図面を参照しつつ説明する。図12は、第3実施形態に係る投光装置の構造を示す図である。この第3実施形態に係る投光装置が上記した第1実施形態と異なる主な点は、高圧放電ランプ(1)として超高圧水銀ランプを用いている点と、それに応じて、楕円鏡(2)の後方に防熱板(37)を設けている点である。 【0043】超高圧水銀ランプは、30(atm )程度の水銀蒸気を封入したランプである。これに対し、キセノンランプは10(atm )程度のキセノンを封入したランプである。従って、超高圧水銀ランプは、キセノンランプに比べて温度変化による爆発の危険性が高いため、ガラスから構成されたランプ本体(36)を強制冷却するのは好ましくない。第3実施形態は、この問題点を解消するものである。 【0044】第3実施形態においては、楕円鏡(2)の後方に防熱板(37)を設けている。この防熱板(37)は、円板状部材の中央部に高圧放電ランプ(1)の正極口金(8)側を挿通する正極側挿通孔(38)が形成された防熱板本体(39)と、その正極側挿通孔(38)内に一体に設けられ後側が次第に縮径し前側が次第に拡径された筒状部(40)とからなる。筒状部(40)は、その中央部が楕円鏡(2)のランプ挿通孔(9)内に位置しており、負極口金側が楕円鏡(2)の反射面側に位置している。また、ランプ挿通孔(9)と筒状部(40)の中央部の間、楕円鏡(2)の反射面と筒状部(40)の前側の間にはそれぞれ、外気が流通する隙間が形成されている。 【0045】この構成によれば、正極側吸気ファン(32)から内ケース(20)内に導入された外気は、正極口金(8)に当たって正極口金(8)の熱を奪った後、楕円鏡(2)と凹球面鏡(4)の間に形成された通気孔(図示せず)を通り、凹球面鏡(4)に当たって凹球面鏡(4)の熱を奪い、排気ファン(41)に吸引されて外部に排出される。 【0046】また、正極側吸気ファン(32)から内ケース(20)内に導入された外気は、防熱板本体(39)と楕円鏡(2)の間を流れて楕円鏡(2)の熱を奪った後、筒状部(40)と楕円鏡(2)の間を通る。そして、筒状部(40)の前側が拡径されていることにより、楕円鏡(2)の反射面に沿った流れが形成される。このとき、外気は楕円鏡(2)の熱を確実に奪うが、高圧放電ランプ(1)のランプ本体(36)には当たらないので、ランプ本体(36)は直接冷却されることはない。楕円鏡(2)の熱を奪った外気は、凹球面鏡(4)の反射面に当たって凹球面鏡(4)の熱を奪い、排気ファン(図示せず)に吸引されて外部へ排出される。 【0047】なお、上記各実施形態においては、高圧放電ランプ(1)を、前側に負極(5)が位置し且つ後側に正極(6)が位置するように配置しているが、本発明においては、逆に、前側に正極(6)が位置し且つ後側に負極(5)が位置するように配置してもよい。 【0048】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、キセノンランプ等の高圧放電ランプが爆発したときの危険性を極力小さくすることができる。また、照射光の輝度分布のムラを小さくすることができる。また、高圧放電ランプが発する光の集光角を小さくして装置全体をコンパクトに構成することができる。また、高圧放電ランプが発する強力な光が外部に漏れ出さないようにすることができる。 【0049】請求項2記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、ファンの騒音を小さくしつつ高圧放電ランプ及びその周辺部材の冷却効果を高めることができる。また、高圧放電ランプ及びその周辺部材へ冷却風を確実に当てて同ランプ及びその周辺部材に塵や埃が付着しないようにし、ムラのない高い輝度を常に高い状態で維持することができる。 【0050】請求項3記載の発明によれば、請求項2記載の発明において、凹球面鏡の冷却効果を更に高めることができる。また、凹球面鏡へ外気をより確実に当てて凹球面鏡に塵や埃が付着しないようにし、ムラのない高い輝度をより確実に実現することができる。 【0051】請求項4記載の発明によれば、請求項2記載の発明において、赤外線吸収素材によって赤外線を吸収することができるので、紫外線、可視光線等の他の光のみをより確実に集光し、その光を照射することが可能となる。また、光学系の熱による傷みを防止することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】390016872 【氏名又は名称】株式会社三永電機製作所
|
| 【出願日】 |
平成12年7月11日(2000.7.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082072 【弁理士】 【氏名又は名称】清原 義博
|
| 【公開番号】 |
特開2002−25305(P2002−25305A) |
| 【公開日】 |
平成14年1月25日(2002.1.25) |
| 【出願番号】 |
特願2000−209880(P2000−209880) |
|