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【発明の名称】 感震機能付き常備灯
【発明者】 【氏名】藤原 敏光

【氏名】岩坂 博之

【要約】 【課題】暗闇でも設置場所を特定容易で、通常時には電力を消費せず、しかも簡単な構成で安価に製作可能とする。

【解決手段】接点開閉部9により、懐中電灯に収容した乾電池26から豆電球27への通電を、常態において接点を離間させて遮断する。また、感震部11により、振動又は衝撃に基づいて接点開閉部9を駆動することにより接点を閉成し、乾電池26から豆電球27への通電を可能とする。そして、磁気回路部により、感震部11によって接点開閉部9で接点が閉成すると、その接点閉成状態を維持させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 振動又は衝撃に基づいて懐中電灯の豆電球を点灯させるようにした感震機能付き常備灯において、前記懐中電灯に収容した乾電池から豆電球への通電を、常態において接点を離間させて遮断する接点開閉部と、振動又は衝撃に基づいて前記接点開閉部を駆動することにより接点を閉成し、前記乾電池から豆電球への通電を可能とする感震部と、該感震部によって前記接点開閉部で接点が閉成すると、その接点閉成状態を維持する磁気回路部とを備えたことを特徴とする感震機能付き常備灯。
【請求項2】 前記磁気回路部を電磁石で構成したことを特徴とする請求項1に記載の感震機能付き常備灯。
【請求項3】 前記電磁石を構成する鉄心又はヨークの少なくとも一部を半硬質磁性材料又は硬質磁性材料で構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の感震機能付き常備灯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感震機能付き常備灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般家庭をはじめ、宿泊施設その他様々な施設には、非常事態による無灯に備え、常備灯として懐中電灯が設置されている。ところが、地震で無灯となり暗闇となった場合には、家屋の倒壊等が想定され、懐中電灯の場所を判別できなくなる恐れがある。このため、懐中電灯の場所を知らせるための構成として、例えば、蛍光塗料を塗布したもの、常時LEDを点灯させるもの、地震による振動に基づいて懐中電灯を自動点灯させるもの等が提案されている。
【0003】常時LEDを点灯させるものでは、図6(a)に示すように、懐中電灯100を支持する支持台101の上部前面に設けたLED102を、懐中電灯の乾電池103を電源とする電子回路104により常時点灯させるようにしている。懐中電灯を自動点灯させるものには、センサ式と機械式とがある。センサ式では、図6(b)に示すように、支持台101に振動や衝撃を検出するセンサ105を設け、このセンサ105での検出信号に基づいて駆動回路106により、乾電池106間に設けた仕切板107を駆動し、豆電球108を点灯させるようになっている。一方、機械式では、図6(c)に示すように、懐中電灯100を支持する支持台101に、振動又は衝撃により動作する球体109を設け、この球体109により接点開閉機構110を駆動することにより、豆電球108を点灯させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蛍光塗料を塗布するだけでは、暗闇で懐中電灯を確実に視認できるか否かの信頼性に問題がある。また、常時LED102を点灯させるものでは、その点灯のために懐中電灯100の乾電池106の電力を利用しているため、電池寿命が短くなるという問題がある。さらに、センサ105で検出される振動に基づいて懐中電灯100を自動点灯させるものでは、駆動回路106のための待機電力(商用電源)が必要である。また、振動を機械的に検出する構成も考えられるが、そのための構造は複雑で、コストアップを招来する上、設置姿勢が制限されるという問題がある。
【0005】そこで、本発明は、暗闇でも設置場所を特定容易で、通常時には電力を消費せず、しかも簡単な構成で安価に製作できる感震機能付き常備灯を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するための手段として、振動又は衝撃に基づいて懐中電灯の豆電球を点灯させるようにした感震機能付き常備灯において、前記懐中電灯に収容した乾電池から豆電球への通電を、常態において接点を離間させて遮断する接点開閉部と、振動又は衝撃に基づいて前記接点開閉部を駆動することにより接点を閉成し、前記乾電池から豆電球への通電を可能とする感震部と、該感震部によって前記接点開閉部で接点が閉成すると、その接点閉成状態を維持する磁気回路部とを備えた構成としたものである。
【0007】この構成により、通常時には接点開閉部で接点が開離し、乾電池の電力が無駄に消費されることがない。そして、振動又は衝撃に基づいて感震部が駆動し、接点開閉部で接点が閉成すれば、磁気回路部が励磁して接点が閉成状態に維持される。したがって、豆電球が点灯状態を維持し、懐中電灯の場所を視覚により判別することが可能となる。
【0008】前記磁気回路部は電磁石で構成すればよい。
【0009】また、前記電磁石を構成する鉄心又はヨークの少なくとも一部を半硬質磁性材料又は硬質磁性材料で構成すればよい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。
【0011】図1及び図2は、第1実施形態に係る感震機能付き常備灯を示す。この常備灯は、支持台1に、着脱自在に懐中電灯2を設けた構成である。
【0012】支持台1は、側壁部3と、その上端部から前方に突出する上壁部4とからなる。側壁部3の中央部からは前方に接続端子5が突出している。接続端子5は、一対の導電端子板6a,6bを、懐中電灯2を支持するための一対の支持絶縁片7に一体化したものである。
【0013】上壁部4には、駆動回路8が内蔵されている。駆動回路8は、図3に示すように、接点開閉部9、磁気回路部10、及び感震部11からなり、基板50(図2)に実装されている。
【0014】接点開閉部9は、固定接触片12と可動接触片13とを所定間隔で並設することにより、各接触片12,13の自由端部に設けた固定接点14と可動接点15を接離可能に対向させたものである。
【0015】磁気回路部10は、鉄心16の胴部16aにコイル17を巻回し、鉄心16の両端部16b,16cに平板状のヨーク18を吸着一体化した電磁石で構成される。ヨークの一端部18aは、鉄心16の一端部16bと接触状態を維持する支点となっている。一方、ヨーク18の他端部18bは、鉄心16の他端部16cと接離する。鉄心16又はヨーク18の少なくとも一部は半硬質磁性材料で形成されている。これにより、鉄心16の両端部にヨーク18の両端部が接触すれば、コイル17に通電しなくても、磁化した状態に維持される。また、鉄心16の端部16cからヨーク18の端部18bを離間させれば、これらは消磁した状態に維持される。ヨーク18の端部18bには、上面に押圧受片19が一体化され、下面に前記可動接触片13の自由端部と連結する連結部材20が接続されている。連結部材20により、可動接触片13の弾性力がヨーク18の端部18bを鉄心16の端部16cから離間させるように作用する。前記コイル17からは二対の端子21a,21bと21c,21dとがそれぞれ導出されている。第1端子21aと第2端子21bの間に通電すると、鉄心16が磁化され、鉄心16が吸引されて磁気回路が閉じる。また、第3端子21cと第4端子21dの間に通電すると、逆に、鉄心16が消磁され、可動接触片13の弾性力により、ヨーク18の端部18bが鉄心16の端部16cから離間し、磁気回路が開く。また、上壁部4の前面には、復帰スイッチ22と確認スイッチ23とが設けられている。復帰スイッチ22は、一方の導電端子板6bを、コイル17の第1端子21a又は可動接触片13に切り替える。確認スイッチ23は、導電端子板6bを、コイル17の第3端子21c又は復帰スイッチ22に切り替える。
【0016】感震部11は、筒状体24に鋼球25を上下動自在に収容したもので、鋼球25には、前記磁気回路部10のヨーク18に一体化した押圧受片19が当接している。これにより、振動又は衝撃で鋼球25が上下動すると、押圧受片19を介してヨーク18が回動する。
【0017】懐中電灯2は、収容した2つの乾電池26によって豆電球27を点灯させるようにした従来周知の構成である。懐中電灯2の胴部には、切欠28が形成され、前記支持台1に設けた接続端子5が挿入される。これにより、乾電池26が接続端子5を介して分離される。懐中電灯2の豆電球27による照明側のガラス面29は、前記支持台1の上壁部下面と所定間隔の隙間を有して対峙する。
【0018】次に、前記構成の感震機能付き常備灯の動作を説明する。
【0019】所定位置に設置した支持台1に懐中電灯2を取り付けた状態では、接続端子5によって乾電池26が分離される。また、ヨーク18の端部18bが鉄心16の端部16cに吸引されて磁気回路が閉じている。これにより、接点が開離し、豆電球27が消灯状態に維持される。したがって、電力が無駄に消費されることはない。
【0020】そして、地震等により、感震部11の鋼球25が上下動すると、押圧受片19を介してヨーク18が回動する。これにより、連結部材20を介して可動接触片13が回動し、可動接点15が固定接点14に閉成する。この状態では、鉄心16の端部16cからヨーク18の端部18bが離間して磁気回路が開き、鉄心16及びヨーク18は消磁状態を維持する。したがって、ヨーク18には連結部材20を介して可動接触片13の弾性力のみが作用し、接点は閉成状態に維持される。このため、豆電球27が点灯し、前記支持台1の上壁部下面との隙間から照射されるので、場所の特定が容易にできる。
【0021】ところで、前記乾電池26の残量の有無は、確認スイッチ23を操作することにより確認することができる。すなわち、確認スイッチ23を操作すると、第3端子21cと第4端子21dとが導通し、コイル17に通電される結果、鉄心16が消磁される。これにより、ヨーク18には、可動接触片13の弾性力のみが作用することになって回動し、可動接点15が固定接点14に閉成する。したがって、乾電池26の残量を、豆電球27が点灯するか否かによって確認することが可能となる。
【0022】また、一旦、豆電球27が点灯すれば、鉄心16とヨーク18とによって磁気回路が形成され、その状態を維持することになるので、消灯させる場合には、復帰スイッチ22を操作する。これにより、第1端子21aと第2端子21bとが導通し、コイル17に逆方向の電流が流れる結果、鉄心16及びヨーク18が磁化され、磁気回路が形成されるので、連結部材20を介して可動接触片13が撓み、可動接点15が固定接点14から離間し、豆電球27は消灯する。
【0023】なお、前記上壁部4は、透光性を有する材料で構成したり、乱反射するように構成すると、より一層場所の特定が容易となる点で好ましい。また、前記支持台1や前記懐中電灯2の取付方向は、それぞれ上下逆としてもよい。
【0024】また、前記常備灯には、図4中、2点鎖線で示すいずれか一方に、ブザー等からなる音響発生部60を設けるようにしてもよい。すなわち、ブザーを支持台1に設け、前記接点開閉部9とは別に設けた第2の接点開閉部61に接続したり、ブザーを懐中電灯2に設け、豆電球27と並列接続したりすればよい。
【0025】また、図5(a)中、2点鎖線で示すように、前記鉄心16の一部を永久磁石70で構成してもよい。これにより、鉄心16の他の部分及びヨーク18にフェライト等の軟質磁性材料を使用することが可能となる。そして、鉄心16の一部を永久磁石70で構成することにより、コイル17を不要とすることも可能となる。この場合、可動接触片13の復帰動作は、押圧受片19に貫通孔を穿設し、この貫通孔を介して接触子で直接行えばよい。
【0026】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、振動又は衝撃により感震部が接点開閉部の接点を閉成すれば、磁気回路部により接点閉成状態が維持され、豆電球が点灯するようにしたので、通常時には乾電池の電力が無駄に消費されることがない。感震部により接点を閉成し、磁気回路部によりその状態を維持するだけであるので、簡単な構成で安価に製作できる。
【出願人】 【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
【出願日】 平成13年5月18日(2001.5.18)
【代理人】 【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外3名)
【公開番号】 特開2002−343101(P2002−343101A)
【公開日】 平成14年11月29日(2002.11.29)
【出願番号】 特願2001−148991(P2001−148991)