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【発明の名称】 視線照明装置及び手術照明システム
【発明者】 【氏名】島田 順一

【氏名】川上 養一

【氏名】藤田 茂夫

【要約】 【課題】視線方向を検知するシステムを備え、その視線方向に向けて照明する照明システムを提供する。

【解決手段】視線照明装置をゴーグル1として構成し、左右の目の視線方向を検出し、ハウジング5に内蔵したLEDパネルを制御して照射窓5aから視線方向に対応した方向に照明を行うようにしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源と、該光源の照明方向を変化させる変更手段と、使用者の視線方向を検出する検出手段と、前記変更手段を用いて、検出された視線方向に対応する方向に照明方向を変化させる制御手段と、を備えることを特徴とする視線照明装置。
【請求項2】 前記光源が発光ダイオードの集合体である請求項1に記載の視線照明装置。
【請求項3】 頭部に装着可能なゴーグル又はゴーグル型の眼鏡に発光ダイオードの集合体から成る照明装置が備えられたことを特徴とする視線照明装置。
【請求項4】 上記照明装置が照射角度可変となっていることを特徴とする請求項3に記載の視線照明装置。
【請求項5】 上記照明装置が、ゴーグル又はゴーグル型の眼鏡の左右両端に設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の視線照明装置。
【請求項6】 上記照明装置に、3原色LEDが含まれていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の視線照明装置。
【請求項7】 上記照明装置に、紫外線LEDが含まれていることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の視線照明装置。
【請求項8】 上記照明装置に、チップ型LEDが含まれていることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の視線照明装置。
【請求項9】 上記照明装置に、LEDの発光強度を調節する手段が含まれていることを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の視線照明装置。
【請求項10】 頭部に装着可能なゴーグル又はゴーグル型の眼鏡にELパネルから成る照明装置が備えられたことを特徴とする視線照明装置。
【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の視線照明装置を備え、該視線照明装置により、照明方向が術者の視線方向に向けられるようになっていることを特徴とする手術照明システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、様々な用途に広汎に使用できる視線照明装置、更には、視線方向に応じて照明方向を変化させることのできる視線照明装置、及びそれを用いた手術照明システムに関する。
【0002】
【従来の技術】病院の手術室で用いられる照明は、手術すべき術部を高い照度で照明し、且つ、手術対象部位において影を作ることなく明瞭に照明する必要があるため、いわゆる無影灯が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】無影灯は、手術室の天井から吊るされた大きな凹面基体上に多数の電球を配列したものであるため、その設置には大きな空間を必要とし、これを釣り下げるための手術室の天井は十分な高さが必要となる。また、その重量も非常に大きいものであり、天井、ひいては手術室全体として大きな強度を必要とする。このため、手術室の建築コストは、このような照明装置の点からも大幅に増加してしまうことになる。
【0004】更に、無影灯は多くの熱を発生する。一方、心臓手術等では、患者の体温を下げて手術を行う必要がある。従って、手術室においては、照明による熱を克服して一気に温度を下げるための強力なクーリングシステムを装備しなければならず、その分、コストが更に増大することになる。
【0005】また、手術の際には一般的に図11に示されるように、術者、助手等の複数人のスタッフが立ち会って行うのであるが、手術のいわゆる山場では、複数人が術部を注視しようとして無意識に身を乗り出すために、天井の無影灯30と術部との間に周囲スタッフの頭部が入り込んで影を生じて術部の照度が低下する場合がある。
【0006】更に、手術の種類によっては図11のように上方から術部を注視して行う場合だけでなく、例えば大腸腫瘍等の手術では横方向から患者の術部(肛門部)を注視して行う必要がある。このような場合には、天井の無影灯とは別のサイドビームを用いて横方向から照明することになる。しかし、サイドビームには天井の無影灯ほどの大規模なものを使用することができないため、術者は術部に自分の影を作らないように、不自然な姿勢をとらざるを得ない場合がある。
【0007】そこで、術者の頭部に照明用ランプを装着したり、或いは、光源からの光を光ファイバーで伝送して術者の頭部に装着した出射端から照射するようにした装置も考えられている。しかし、これらの装置では発光点が1点又は狭い領域となっているため、等斜行と装着者の両眼の視線との間には視差があり、無影とはならないという問題がある。
【0008】以上のような手術の場合に限らず、例えば、介護医療等の在宅医療においても、処置する部位に合わせて照明方向を自由に変化させることができれば便利であり、特に在宅医療では、処置に必要な照明機材の搬送が大変であることから、携帯性に優れた視線照明装置が望まれる。
【0009】本発明は、上述のような点に鑑みて成されたものであって、所望の方向を容易に照明することのできる視線照明装置を提供することを主たる目的とし、又、不自然な姿勢をとることなく、影の生じない照明を行えるようにし、更には、携帯性に優れた視線照明装置及びそれを用いた手術照明システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するため、本発明では次のような構成を有する視線照明装置を提案する。
【0011】すなわち、本発明の視線照明装置は、光源と、該光源の照明方向を変化させる変更手段と、使用者の視線方向を検出する検出手段と、前記変更手段を用いて、検出された視線方向に対応する方向に照明方向を変化させる制御手段とを備えている。
【0012】本発明によると、使用者の視線方向を検出し、検出した視線方向に対応した方向に照明方向を変化させるので、自動的に注視方向が照明されることになる。従って、例えば手術用の視線照明装置として用いた場合には、従来のように術者が不自然な姿勢をとりながら手術を行う必要がなく、安全確実に術部を照明することができる。また、介護医療等の在宅医療の視線照明装置として用いた場合には、医師の視線方向に応じて処置すべき患部を照明することができることになる。
【0013】本発明の一実施態様においては、前記光源をELパネルとしている。ELパネルとは、薄膜エレクトロルミネッセント素子を用いた薄型照明装置であり、マンガン添加硫化亜鉛(ZnS:Mn)、テルビウム添加硫化亜鉛(ZnS:Tb)、セリウム添加硫化ストロンチウム(SrS:Ce)、ストロンチウムチオガレート(SrGa24:Ce)等を用いた無機EL素子型、或いはテトラフェニルジアミン誘導体(TPD)、ポリN−ビニルカルバゾール(PVK)、アルミキノリノール錯体(Alq3)、ジスチリルビフェニル誘導体(DPVBi)等を用いた有機EL素子型がある。ELパネルは平面であってもよいし、照明方向に向けて凹面としてもよい。凹面とした場合には、ELパネル全体からの光が所定の点又は領域に集光するようにして、照明の効率を上げることができる。
【0014】本発明の一実施態様においては、前記光源を、発光ダイオードの集合体としている。ここで集合体とは、所要の明るさを得ることができる複数の発光ダイオードの集まりをいい、1枚の基板上に複数の発光ダイオードを1次元的(直線的又は曲線的)又は2次元的に配列したものをいう。なお、上記同様、基板は平面であってもよいし、照明方向に向けて凹面としてもよい。
【0015】本発明ではエネルギ変換効率が高い発光ダイオードの集合体を光源としているため、従来の白熱ランプによる光源と比べて、大幅に消費電力を低減し、省エネルギを図ることができる。また、熱の発生量が大幅に低減されるため、術部を冷却しなければならない手術の場合も、強力なクーリングシステムを装備することなく行うことができる。
【0016】発光ダイオードは更に、長寿命であること及び軽量であることという大きな特長も有する。このため、その集合体を利用した本発明の照明装置は、従来の装置と比較すると、それらの特長をより大きく生かしたものとなっている。従って、手術用の視線照明装置として用いた場合には、手術室の建築コストやクーリングシステムにコストがかかる従来の無影灯に比べて、大幅なコストの低減を図ることができる。
【0017】本発明の他の実施態様においては、発光ダイオードを、白色発光ダイオードとしている。これにより、本発明の照明装置は従来の白熱電球や白色蛍光灯に代わる、省エネルギ・軽量・長寿命型白色光源として用いることができる。
【0018】本発明の更に他の実施態様においては、前記光源が、青色発光ダイオード、緑色発光ダイオード及び赤色発光ダイオードから成る発光ダイオードの組の集合体である。この青色(R)、緑色(G)、赤色(B)3原色の組み合わせ及び各色の発光強度を予め設定しておくことにより任意の発光色での照明が可能となる。これを手術用の視線照明装置や在宅医療の視線照明装置として用いた場合には、肌の色や血液の色等が自然な色合いとなるように調整して照明することができる。
【0019】本発明の好ましい実施態様においては、前記光源が、複数の紫外発光ダイオードを備えている。これによると、紫外線によって蛍光標識を励起することができるので、手術用の紫外照明装置として用いた場合に、蛍光標識した腫瘍等の病変部のみを可視化することができるようになる。この紫外発光ダイオードは、それのみで用いてもよいし、上記白色、可視多色ダイオードと一緒に組み合わせて用いてもよい。このように組み合わせて用いる場合は、同時に発光させるようにしてもよいし、切り替えスイッチにより、場合に応じて発光色を切り替えるようにしてもよい。
【0020】本発明の他の実施態様においては、前記発光ダイオードが、集積されて表面実装できるチップ型である。発光ダイオードのチップ自体は0.5mm以下の小さなものであるが、一般には取扱の便のために、1個ずつ数mm程度の大きさの砲弾型の透明プラスチックにリード線とともに埋め込まれ、パッケージされている。本発明に係る視線照明装置は、そのような個別にパッケージされたものを用いてもよいが、発光ダイオードチップを直接基板上に配列・形成し、集合体としたものを用いてもよい。「集積されて表面実装できるチップ型である」とはこのことを述べたものである。これにより、同じ発光強度を得るための発光ダイオード集合体の実装面積をパッケージ型よりも遙かに小さくすることができることになり、光源、従って、当該視線照明装置自体の大幅な小型化を図ることができる。
【0021】本発明の好ましい実施態様においては、発光ダイオードの発光強度を調節することのできる調光手段を備えている。これにより、注視対象を任意の照度で照射することができる。また、異なった色(紫外線も含む)の発光ダイオードを備える場合には、各色毎に強度を調節できるようにしておくことが望ましい。例えば上記R、G、B3色の発光ダイオードを用いる場合は、各色の発光強度を個別に制御する調光手段を備えることにより、使用時に発光色を任意に調整することができるようになる。例えば、手術用の視線照明装置や在宅医療の視線照明装置として用いた場合には、照度や照明光の色合いを、術者等の年齢や好み等に応じて容易に変更調整することができることになる。また、手術時に、視線照明装置の発光色を変化させることにより、色差の小さい2つの部位の色差を拡大し、両者を明瞭に識別できるようにすることも可能となる。
【0022】この発光ダイオードの強度調節は、別途設けたつまみ等により行ってもよいが、使用者が発する「オン」「オフ」「ライトアップ」「ライトダウン」等の言葉を認識する音声認識装置を設け、それに基いて調節するようにしてもよい。
【0023】本発明の更に他の実施態様においては、前記検出手段は、使用者の眼球を照射する光の反射光を検出して眼球の視線方向を検出するものである。これは、眼球に光を照射し、眼球の表面から反射されるその光の強度分布に基づいて眼球の向きを検出し、視線方向を検出するものである。また、ビーム状の光を眼球に照射し、眼球表面から反射されてくるビームの方向を検出することにより視線方向を検出する方法もある。
【0024】本発明の好ましい実施態様においては、前記変更手段は、前記光源を垂直方向及び水平方向の各軸回りに回転(傾動)駆動して照明方向を変化させるものである。これにより、照明方向を、視線の方向に対応する方向に向けることができる。
【0025】本発明の他の実施態様においては、前記変更手段は、前記光源からの光を屈折させるレンズを備え、このレンズを垂直方向及び水平方向の各軸回りに回転(傾動)駆動して照明方向を変化させる。上記同様、照明方向を、視線の方向に対応する方向に向けることができる。
【0026】これまで説明した視線照明装置は、例えば使用者の胸部や腹部、或いは室内の特定の箇所等に設置することを想定しているが、本発明の更に他の実施態様においては、上記の各照明装置を、頭部に装着可能なゴーグル又はゴーグル型の眼鏡に備えたものとした。これにより、照明装置付のゴーグル或いは眼鏡として頭部に装着できるので、使用者自身の影が注視点に生じることがない。従って、例えば手術の際に術者や周囲のスタッフが医療用のゴーグルとして本発明に係る照明装置を装着することにより、手術時に飛散した血液が術者等の角膜に付着してウイルス感染することを有効に防止できるとともに、術者等の影が術部に生じることがなくなり、従来のように術者が不自然な姿勢をとって手術を行うといった必要がなくなる。また、術者及び周囲スタッフの複数人が術部を注視するので、各人の視線照明装置からの照明光が複数の異なった方向から同一の術部を照明することになり、より効率的かつ無影の照明となる。更に、頭部に装着可能なゴーグル又はゴーグル型の眼鏡に備えられるので、携帯性に優れ、介護医療等の在宅医療の視線照明装置として用いた場合には、従来の照明機材の搬送に比べて簡単に持ち運びができて非常に便利である。
【0027】本発明の他の実施態様においては、前記光源が、左右の眼球に個別的に対応して少なくとも二つ備えられるとともに、前記検出手段が左右の眼球の視線方向をそれぞれ検出し、前記制御手段が、前記変更手段を用いて、検出された左右の眼球の視線方向に対応する方向に各光源の照明方向をそれぞれ変化させるものである。これにより、少なくとも二つの光源からの照明方向を、左右の眼球の視線方向にそれぞれ応じた方向に向けることができる。通常は、左右の眼球の視線は注視対象で交差するため、注視対象においてより高い照度と無影効果が得られる。例えば、手術用の視線照明装置や在宅医療の視線照明装置として用いた場合には、術者や周囲のスタッフ等の左右の眼球の視線方向に応じた方向に照明方向がそれぞれ向けられて術部や患部が照明されることになる。
【0028】本発明の更に他の実施態様においては、前記二つの光源が、ゴーグル部(ゴーグルの前面部)の左右両端部に配置される。これにより、ゴーグル部の左右両端部の空間を有効に利用して光源等を配置できることになる。
【0029】本発明の好ましい実施態様においては、前記検出手段は、前記ゴーグル部のゴーグル面(眼前透明シールド面)上における注視点をそれぞれ検出することにより、視線方向を検出する。上記同様、この方法によってもゴーグル面上における座標として注視点、すなわち、視線方向を検出できる。
【0030】本発明の更に好ましい実施態様においては、前記検出手段は、前記ゴーグル面上の予め分割された複数の領域の中のいずれの領域に前記注視点が存在するかを検出し、前記制御手段は、前記各領域に個別的に対応して予め設定されている複数の方向の内、前記検出手段で注視点の存在が検出された領域に対応する方向に前記照明方向を変化させる。これは、ゴーグル面を複数の領域に予め分割し、領域単位で注視点、すなわち、視線方向を検出する一方、領域単位で照明方向を変化させるように制御するものであり、比較的簡単な処理で視線方向に対応した方向に照明方向を合わせることができる。
【0031】本発明の手術照明システムは、上記のような視線照明装置を備えた手術システムであって、その視線照明装置が、術者の視線方向を検出して対応する方向へ光源の照明方向を向けるものである。これにより、手術中、術者が不自然な姿勢をとる必要がなく、楽な姿勢で手術を行いながら、照明は常に注視点に向かって自動的に照射されるため、手術の正確性が各段に向上する。
【0032】以上説明した視線照明装置はいずれも使用者の視線の方向を検出して、照明の方向をそれに向けることにより視線方向を効率的に照射するというものであったが、照明装置をゴーグル又はゴーグル型眼鏡に設けた場合には、特に視線を正面方向からそらすという特殊な動作を行った場合以外は、照明方向はほぼ視線方向に合っていることが多い。
【0033】そこで、同様の考えの下、ゴーグル又は眼鏡に照明を設けるという提案は従来より数多くなされてきた。例えば、実開昭56−156022号及び実開昭57−22720号ではフレームの上縁中央に1個のライトを組み込んだ眼鏡を開示している。実開平6−7702号ではフレーム上縁の眉部に普通のランプ(同公報[0021])を組み込んだ診察用眼鏡を開示している。実用新案公報第3049423号に記載の耳鼻咽喉科診察用ゴーグルはフレームの上縁中央の他、フレームの左下にもランプを設けている、また、特開2000−39595号では両側のツルにライトを取り付けた眼鏡を開示している。
【0034】しかし、これらがいずれも実用化に結びつかなかったのは、いずれも光源の選択及びその配置に十分な配慮がなされなかったのが原因である。
【0035】本発明では、光源として非常に小型・軽量である発光ダイオードパネル又はELパネルを使用することとしている。発光ダイオードパネルの場合は、1個又は複数個のLEDを1次元的(直線状又は曲線状)或いは2次元的に配列したものを使用する。パネルは平面である場合の他、曲面とすることができる。特に、照射方向に向かって凹面とすることにより、照射点の照度を上げることができる。LEDとしては、いわゆるパッケージ型(1個のLEDチップが砲弾型の透明の樹脂に封入されたもの)を用いてもよいし、LEDチップを1枚のボード上に直接配列したもの(チップ型)を用いてもよい。
【0036】ELパネルの場合は、ゴーグル又は眼鏡の周囲形状に合わせて適宜の形状に切り出す。本発明ではこれらの小型・軽量照明素子を用いることにより、照明装置を付けても普通のゴーグルと大差ない重さを実現し、長時間装着しても疲れることのない実用的な視線照明装置を作成することができた。特に発光ダイオードパネルを使用した場合は、これらに加えて、非常に明るい光を発する強力な照明装置とすることができ、なおかつ長寿命であるという高性能タイプとすることができる。
【0037】発光ダイオードパネル又はELパネルから成る照明装置は、例えば、フレームの上側(眉部)や下側に設けることも可能であるが、できるだけ異なった方向から注視対象物を別々に照射することにより、より無影照明に近づけることができるという点で、ゴーグル部(前面)の左右両端に配置するのが好ましい実施形態である。更に、その発光ダイオードパネル又はELパネルの角度を手動又は自動で可変とするようにしておくことが望ましい。使用目的により、照射目的点の距離が異なるため、発光ダイオードパネルやELパネルの角度を変えることにより、照射目的点をより正しく照明することができるようになる。また、発光ダイオードパネルやELパネルの表面にレンズや光拡散板を設けてもよい。その他、視線検出手段付のゴーグル型視線照明装置に関して先に述べたことは、ほとんど本発明形態に対しても適用可能である。
【0038】本発明によると、変換効率が高い発光ダイオードを光源としているので、熱の発生を大幅に低減して省エネを図ることができ、手術室の建築コストやクーリングシステムにコストがかかる従来の無影灯を不要とし、大幅なコストの削減を図ることができる。また、電源として、携帯型(ベルトに装着したり、首からぶら下げる)のバッテリー(一次電池又は二次電池)を使用することも可能であり、更に高密度のバッテリーが開発された場合には、ゴーグル又は眼鏡自体に電源を取り付けることが可能となる。
【0039】更に、LEDパネルの場合は、通常の用途には白色LEDが好適に利用できる。白色LEDとしては、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3原色のLEDを密に実装する方法の他、青色LED(例えばInGaN系LED)を、その青色を励起光として黄色蛍光を発する蛍光体(例えばYAG蛍光体)で覆い、全体として白色光とするものを利用することができる。
【0040】また、特殊な用途で、照明光の色を変化させる必要がある場合には、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3原色の発光ダイオードの組み合わせでLEDパネルを構成し、各色のLEDの発光強度を可変とするようにすればよい。更には、対象物の色の見え方が問題となる場合(例えば、手術の際には、各血管及び臓器の色の微妙な差異を明瞭に識別することが必要とされる)、対象物の反射スペクトル特性に留意して所望の発光色のLED又は蛍光体を付加してもよい。本発明に係る視線照明装置では、LEDパネルを使用しているため、このような演色性に対する配慮及び制御を容易に行うことができ、手術用として使用した場合には肌の色や血液の色等を自然な色合いとなるように照明することができる。
【0041】もちろん、白色LEDを使用する場合も、その発光強度が可変となるように、強度調節手段を設けてもよい。この場合、発光強度の調節は、ゴーグル又は眼鏡や電源に設けたつまみ等で行ってもよいし、音声認識回路を用いて「光度アップ」「光度ダウン」等の音声命令により制御するようにしてもよい。なお、前記の発光ダイオードパネルやELパネルの傾動にも音声認識回路を用いるようにしてもよい。
【0042】紫外発光ダイオードを用いることにより、本発明の応用は非常に広範囲に広がる。例えば、腫瘍等の病変部を予め蛍光標識しておくことにより、手術の際、病変部を明瞭に視認することができるようになる。また、道路標識には蛍光塗料が使用されたものが多く存在するが、夜間に歩行したり自転車等で走行する際に紫外発光ダイオードを使用したゴーグルを使用することにより、これらの標識がより明瞭に視認されるようになり、交通安全に大きく寄与する。更に、夜間の釣りの際、浮きの動きは一般に非常に視認しづらいものであるが、蛍光物質で浮きを作製したり浮きに蛍光塗料を塗ったりしておき、紫外発光ダイオードを使用することにより、遠くからでも浮きの動きを明瞭に視認できるようになる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0044】(実施の形態1)図1は、本発明の一つの実施の形態に係る視線照明装置の斜視図であり、図2は、その概略構成を示すブロック図である。
【0045】この実施の形態の視線照明装置は、手術の際に、術者及び周囲スタッフが、頭部に装着する医療用のゴーグル1に適用されたものである。
【0046】この実施の形態のゴーグル1は、装着者の頭のサイズに合わせて調節する調節部2を有するヘッドバンド3と、左右の目に対応するゴーグル部(レンズ部)4とを備えており、更に、ゴーグル部4の左右の両端部には、後述する光源等を内蔵したハウジング5が設けられており、各ハウジング5の前面には、光源からの照明光を照射するための例えば、矩形の照射窓5aが形成されている。更に、左右の各ゴーグル部4の上下のフレーム部6には、左右の眼球の視線を検出するための図2に示される視線センサ7がそれぞれ装備されている。また、一方のハウジング5からは、図示しないバッテリーパックや操作スイッチ等と接続するためのコード8が引き出されて前記バッテリーパック等を、例えば装着者の衣服等に設けることができるように構成されている。
【0047】なお、バッテリーパックは、ゴーグル1自体に設ける構成としてコードを省略してもよい。また、バッテリーパックに代えて交流電源を直流電源に変換してゴーグル1に電源を供給する構成としてもよい。また、ゴーグル部4には光源からの光を拡散させる拡散板等を適宜設けてもよい。照射窓5aは矩形に限らず、円形その他の形状であってもよいのは勿論である。
【0048】この実施の形態のゴーグル1は左右の眼球の視線方向をそれぞれ検出し、検出した視線方向に対応した方向に左右のハウジング5に内蔵された光源からの照明方向を自動的に合わせるものである。
【0049】視線を検出する視線検出装置は従来より多数提案されており、この実施の形態における視線検出も従来公知の手法を用いることができるものであり、例えば特開平8−46833号公報の従来の技術の欄に開示されているように、赤外発光ダイオード等の光源からの光を観察者の眼球へ投射し、角膜からの反射光による角膜反射像と瞳孔との結像位置に基づいて視線方向を検出する。
【0050】このため、この実施の形態のゴーグル1は図2に示されるように左右の眼球に個別的に対応する視線センサ7を備えており、各視線センサ7は眼球に対して赤外光を照射する赤外発光ダイオード9と、可視光を透過して赤外光を反射するダイクロイックミラー10と、このダイクロイックミラー10で反射された赤外光を集光する集光レンズ11と、この集光レンズ11で集光された赤外光を電気信号に変換する撮像素子12とを備えている。更にゴーグル1は、これら視線センサ7からの出力、すなわち撮像素子12上の装着者の眼球の像に基づいて、ゴーグル面上における注視点を検出する注視点検出手段13を左右の目に個別的に対応して備えている。
【0051】すなわち、上述の特開平8−46833号公報ではカメラのファインダー面上における注視点を求めているのに対して、この実施の形態ではゴーグル面上における注視点を求めるものであり、その他の構成は上記公開公報と同様であるのでその詳細説明は省略する。
【0052】この実施の形態では、照明光を発光する光源は図3に示されるように多数の白色発光ダイオード14が縦横に配設されたLEDパネル15であり、このLEDパネル15を上述の図1の左右のハウジング5内にそれぞれ備えており、このLEDパネル15からの照明光を照射窓5aからそれぞれ照射できるように配置されている。
【0053】白色発光ダイオード14は既に光度3カンデラといった明るいものが提供されており、かかる白色発光ダイオード14を集めることにより、50cm程度離れた術部の所要の領域、例えば直径50cm程度の領域を均一に照射することができる。この白色発光ダイオード14は所要の指向特性のものを用いればよい。或いは、LEDパネル15をやや凹面として照射方向を絞るようにしてもよい。
【0054】このLEDパネル15を、ゴーグル1の左右の各ハウジング5内において図3に示されるように水平方向の軸回りにモータ16で矢符Aで示されるように回転駆動することにより上下方向の照明方向を変化させ、LEDパネル15を支持する支持板17を垂直方向の軸回りにモータ18で矢符Bに示されるように回転駆動することにより左右方向の照明方向を変化させるものである。このモータ16,18としては超音波モータやステッピングモータを用いることができ、これら各モータ16,18は図2に示される上下方向用或いは左右方向用の左右の目に個別的に対応する駆動回路19,20を介してそれぞれ駆動される。なお、モータ16,18に限らず、圧電素子等の他のアクチュエータを利用してLEDパネル15を駆動してもよい。
【0055】これらモータ16,18の駆動を制御して左右の各LEDパネル15の照明方向を変更制御する照明方向制御手段21は、図2に示されるように視線方向すなわち注視点を検出する注視点検出手段13の検出出力に基づいて照明方向を制御する。注視点検出手段13及び照明方向制御手段21はマイクロコンピュータ23によって構成されている。
【0056】この照明方向制御手段21は次のようにして照明方向を制御する。図4はゴーグル面上の注視点に対応するLEDパネル15による照明方向を示す平面図であり、一方の目22のみについて示している。
【0057】この実施の形態では、図1のゴーグル部4のゴーグル面を図5に示されるように予め複数、この実施の形態では水平方向及び垂直方向の3つずつ計9つの領域41〜49に分割しており、この複数の領域41〜49のいずれの領域に注視点が存在するかを注視点検出手段13で検出することによって視線方向を検出するものである【0058】照明方向制御手段21には各領域41〜49に個別的に対応する9つの照明方向が予め設定されており、注視点の存在が検出された領域に対応する方向にLEDパネル15の照明方向を合わせるものである。
【0059】この予め設定されている照明方向について、図4に示される水平方向の場合について説明する。この図4では、簡略化のため垂直方向については、ゴーグル面の中央寄りにあって図5の領域44,45,46のいずれかに注視点が存在するとして説明する。
【0060】この実施の形態では、ゴーグル面からLだけ離れた面Sにおける注視点の部分を照明するように照明方向が予め設定されているものであり、このLとしては、通常の手術において術部までの距離が、一般的に立っているときは46cm、座っているときは34cmとされることから、この実施の形態では50cm程度としている。
【0061】図4(a)に示されるように、ゴーグル面の中央の領域45に注視点がある場合には、その領域45の中央を通る視線が前記面Sと交わる点Saを注視点としてLEDパネル15が照明できるように照明方向が設定される。図4(b)に示されるように、ゴーグル面の右よりの領域46に注視点がある場合には、その領域46の中央を通る視線が前記面Sと交わる点Sbを注視点としてLEDパネル15が照明できるように照明方向が設定される。図4(c)に示されるように、ゴーグル面の左寄りの領域44に注視点がある場合には、その領域44の中央を通る視線が前記面Sと交わる点Scを注視点としてLEDパネル15が照明できるように照明方向が設定される。以上のようにして、図5のゴーグル面4の各領域41〜49に対応する9つの照明方向が予め設定されるのであり、これは右目と左目とについてそれぞれ設定されるものである。
【0062】このように予め左右の目に対応してそれぞれ9つの照明方向が設定されている照明方向制御手段21は、図2に示される各注視点検出手段13から検出出力に基づいて、注視点が存在するゴーグル面上の領域に対応する照明方向となるように上下方向駆動回路19及び左右方向駆動回路20を制御して、左目及び右目の各LEDパネル15をそれぞれ対応する方向へ向けて照明するのである。
【0063】これによって、術者や周囲スタッフの頭部にそれぞれ装着された各ゴーグル1は、その装着者の左右の目の視線方向に対応する方向に左右のLEDパネル15からの照明光を向けて照明することになる。
【0064】なお、この実施の形態ではゴーグル面を9つの領域41〜49に分割して、各領域41〜49に対応する方向にLEDパネル15の照明方向を合わせるようにしたが、本発明は9つに限るものでなく、それよりも少なくても或いは多くてもよい。更には、ゴーグル面上の注視点の座標に応じて照明方向を細かく変化させるようにしてもよい。この実施の形態では、ゴーグル面からL=50cm程度離れた面Sにおける注視点の部分を照明するようにしたが、本発明は50cmに限るものではなく、操作に応じて、或いは距離検出手段を用いて距離Lを変化させるようにしてもよい。
【0065】この実施の形態の視線照明装置はゴーグル1として頭部に装着できるので、自らの影が注視点である術部に生じることがない。また、術者や周囲スタッフの視線方向に応じて注視点を照明するので、頭を不自然に傾けるといった必要もなく、首や肩の疲労もない。
【0066】更に、術者及び周囲スタッフの複数人が術部を注視するので、複数のゴーグル1からの照明光が同一の術部を照明することになり、より効率的な照明となる。
【0067】しかも、手術室の建築コストやクーリングシステムにコストがかかる従来の無影灯が不要となり、更に、変換効率が高い発光ダイオードを光源としているので、熱の発生を大幅に低減して省エネを図ることができるとともに、長寿命化を図ることができ、大幅なコストの削減を図ることができる。
【0068】(実施の形態2)図6は、本発明の他の実施の形態の概略構成を示すブロック図であり、上述の図2に対応する部分には同一の参照符号を付す。
【0069】この実施の形態では、LEDパネル15の白色発光ダイオード14の駆動電流を操作部24の操作に応じて変更制御する調光手段25を備えており、操作部24の操作によって照度を調節できるようになっている。
【0070】これによって、ゴーグル1を装着する術者或いは周囲スタッフは、年齢等に応じて所望の照度に調節することができる。
【0071】(その他の実施の形態)上述の実施の形態では、光源として白色発光ダイオードを用いたが、本発明の他の実施の形態として、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード及び青色発光ダイオードからなる発光ダイオードの組の集合体を光源とし、各色の発光ダイオードの駆動電流を調光手段で制御して各色の発光強度比を変化させて任意の発光色に調光して照明するようにしてもよい。
【0072】この場合には、ゴーグル1を装着した術者及び周囲スタッフが操作部を操作して発光色を調整し、肌色や血液の色等をより自然な色合いで照明することができることになる。更に、発光色の照度を調節できるようにしてもよいのは勿論である。
【0073】また、白色発光ダイオードの光源或いは前記3色の発光ダイオードの光源に所要数の紫外発光ダイオードを追加し、紫外線によって蛍光標識を励起することにより蛍光標識した腫瘍等の病変部のみを可視化できるようにしてもよい。
【0074】本発明の他の実施の形態として、発光ダイオードを表面実装型チップLEDとし、実装面積を小さく集積化してLEDパネルの小型化を図ってもよく、必要に応じて、図7に示されるようにチップLED26の集合体に対してレンズ27や拡散板を設けてLEDパネル28を構成してもよい。
【0075】上述の実施の形態では、ゴーグル1に適用して説明したが、本発明の他の実施の形態として、図1に対応する図8に示されるゴーグル型の眼鏡29に適用してもよい。
【0076】また、本発明の他の実施の形態として、視線照明装置にズーム機構を設けて、操作に応じてズームレンズを移動させて術部を拡大或いは縮小できるようにしてもよい。更には、視線照明装置にフォーカス機構を設けて術部に焦点を合わせて照明するようにしてもよい。この場合には、例えば赤外線又は超音波を視線照明装置から術部等の対象物へ発射し、その反射波を視線照明装置に設けたセンサで受けて対象物までの距離を計測し、それに基づいて、光源の前に設けたレンズをフォーカスモータで駆動して光源からの照明光を術部に集光させるものである。
【0077】上述の実施の形態では、左右の目に個別的に対応する二つの光源を設けたが、本発明の他の実施の形態として、ゴーグル部4の上下等の空間を利用して光源を更に追加してもよい。或いは逆に、一つの光源を、例えば額の中央部分に設け、両目の視線のほぼ交点となる注視点を照明するようにしてもよい。
【0078】上述の各実施の形態では、左右の目の視線方向をそれぞれ検出したが、基本的には、両目で注視するので、片目のみの視線方向を検出してその視線方向に対応する方向を照明するようにしてもよい。
【0079】上述の実施の形態では、光源を駆動して照明方向を変化させたが、本発明の他の実施の形態として、光源は固定し、光源からの照明光を集光屈折させるレンズ群を設け、このレンズ群を駆動して光源からの照明方向を変化させるようにしてもよい。
【0080】上述の各実施の形態では、光源は、術者や周囲スタッフ等の人が装着する構成であったが、本発明の他の実施の形態として、光源を人が装着するのではなく、所要位置に配置する構成としてもよい。この場合、視線検出センサのみを装着し、光源、光源の照明方向を変化させる変更手段や変更手段を制御する制御手段等は、所要位置に配置するようにしてもよい。
【0081】上述の実施の形態では、手術照明システムに適用して説明したが、本発明は、手術照明システムに限らず、介護医療等の在宅医療における視線照明装置に利用できるのは勿論であり、ゴーグルのように携帯性に優れたものであるので、従来の在宅医療のように大掛かりな照明機材を搬送するといった必要がなく、しかも、処置すべき患部を、医師及び看護婦等が装着したゴーグル型の視線照明装置によって十分に照明できることになる。
【0082】更に、本発明は例えば警備員の視線方向を照明する夜間の警備照明システム、暗視システム、更にはスポット照明が必要な特殊作業、釣りや夜間スキーのゴーグル、スキューバダイビングの視線照明装置、或いは博物館や劇場等の展示のための視線照明装置、更には娯楽、ファッション、アート等の視線照明装置としても適用できる。
【0083】上述の各実施の形態では、光源として発光ダイオードを用いたが、発光ダイオード以外のランプや半導体レーザ等を光源としてもよい。
【0084】上述の各実施の形態はいずれも視線検出装置を含むものであったが、光源として発光ダイオードの集合体を使用し、それを使用者の頭部に装着するゴーグル又はゴーグル型眼鏡に設置する場合には、視線検出装置を含まないものであっても、多くの場合に有用な視線照明装置となる。すなわち、人は多くの場合、視線を正面に向けて作業をするものであるため、視線を正面からそらすという特殊な動作を行う場合を除いては、殆どの場合、頭部に装着して正面を照明するようにした照明装置は視線照明装置となり得る。従って、本発明に係る照明装置付ゴーグルは、視線制御装置を外した形態でも視線照明装置として使用することが可能である。この場合、図9に示すように、発光ダイオードの集合体(パネル)52をゴーグル部51の左右両端部に設ける形態が望ましい。
【0085】また、使用時にその発光ダイオードの発光強度の強弱を調節できるようにしておくことが望ましい。その調節手段としては、ツルの部分につまみ等を設けて手で調節するようにしておく態様の他、図10に示すように、ゴーグルにマイク53を設け、使用者の特定の言葉(例えば「オン」/「オフ」、「アップ」/「ダウン」等)に応じて音声認識回路によりその命令を実行するようにしてもよい。
【0086】上記発光ダイオードの集合体の代わりに、ELパネルを用いてもよい。いずれにせよ、それらの照明装置を備えたゴーグル又はゴーグル型眼鏡は、それらを備えない普通のゴーグル等とあまり変わらない重量に抑えることができるため、長時間装着することのできる実用的な視線照明装置として使用することができる。
【0087】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の形態によれば、視線方向を検出し、検出した視線方向に対応した方向に照明方向を変化させるので、注視点に向かって自動的に照明方向が合わされて照明されることになる。
【0088】また、光源として発光ダイオードを用いているので、熱の発生を低減して省エネを図ることができるとともに、軽量化、長寿命化を図ることができる。
【0089】更に、赤色、緑色及び青色の3色の発光ダイオードの発光強度を制御することによって、任意の発光色を得ることができる。
【0090】また、本発明の手術照明システムによれば、術者が不自然な姿勢をとることなく、注視点に向かって自動的に照明方向が合わされて照明されることになり、手術室の建築コストやクーリングシステムにコストがかかる従来の無影灯を不要とし、大幅なコストの低減を図ることができる。
【0091】また、肌の色や血液の色等を自然な色合いで照明することができ、更に、蛍光標識した腫瘍等の病変部のみを可視化することができる。
【0092】更に、術者や周囲のスタッフが医療用のゴーグルとして頭部に装着できるので、手術時に飛散した血液が術者等の角膜に付着してウイルス感染するのを有効に防止できるとともに、術者等の影が術部に生じることがなく、術者が不自然な姿勢をとって手術を行うといった必要がない。また、術者及び周囲スタッフの複数人が術部を注視するので、複数の視線照明装置からの照明光が同一の術部を照明することになり、より効率的な照明となる。
【0093】また、医療用のゴーグルとして頭部に装着できるので、携帯性に優れ、介護医療等の在宅医療の視線照明装置として用いた場合には、従来の在宅医療のように大掛かりな照明機材を搬送するといった必要がない。
【0094】以上の各効果は、視線検出手段を備えない本発明の第2の形態においてもほぼそのまま得られるものであり、この形態の場合には更に、軽量・小型化が容易となり、且つ低コストで無影の視線照明装置を実現することができるという利点が生じる。これは、手術時の照明装置として特に適したものとなる。
【出願人】 【識別番号】899000046
【氏名又は名称】関西ティー・エル・オー株式会社
【出願日】 平成13年3月13日(2001.3.13)
【代理人】 【識別番号】100095670
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 良平 (外1名)
【公開番号】 特開2002−150803(P2002−150803A)
【公開日】 平成14年5月24日(2002.5.24)
【出願番号】 特願2001−70006(P2001−70006)