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【発明の名称】 船外機
【発明者】 【氏名】角田 正樹

【氏名】渡辺 吉美

【氏名】久和原 茂明

【要約】 【課題】クランク軸13を上下方向に指向させたエンジン4を搭載した船外機の性能向上、コンパクト化を図るとともに、該エンジンの搭載性を良好にする。

【解決手段】クランク軸13のエンジンブロック19から突出した下端部にフライホイール32を設ける。フライホイール32は上下方向に薄い円板状をなし、その外周にリングギヤ56を設けている。このリングギヤ56と噛み合うスタータモータを下向きに設け、エンジン本体部の他方の側部吸気装置を設ける。エンジン4はクランク軸13を前寄りに位置させて船外機に搭載され、該船外機のエンジン4を覆うエンジンカバーの上面後部に空気取入れ装置が設けられる。この空気取入れ装置はカバー部材40後部の低い部分上に位置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クランク軸を上下方向に指向させたエンジンを本体ケース上部に搭載し、該本体ケースを防振マウントを介してチルト運動可能に船体に取り付ける船外機において、前記クランク軸のエンジン本体部から突出した下端部にフライホイールを設け、該フライホイールの外周にリングギヤを設け、前記エンジン本体部の一方の側部下方に前記リングギヤと噛み合う始動装置を下向きに設け、前記エンジン本体部の他方の側部に吸気装置を設けたの船外機。
【請求項2】 前記エンジン本体部のクランクケース側にオイルフィルタを設けた請求項1の船外機。
【請求項3】 前記クランク軸上端部より下方位置に動弁駆動装置を設けた請求項1の船外機。
【請求項4】 前記動弁駆動装置が巻掛け伝動装置である請求項3の船外機。
【請求項5】 前記巻掛け伝動装置を上方から覆うカバー装置を前記エンジンに設けた請求項4の船外機。
【請求項6】 前記エンジン本体部の下側にオイルパンを設けた請求項1の船外機。
【請求項7】 前記エンジン本体部の下側に前記フライホイールを上方から覆うケース部分と該フライホイールを下方から覆うケース部分とを設け、該下方から覆うケース部分の下面にオイルパンを設けるとともに、該オイルパンと前記エンジン本体部とをオイル通路を介して連通させた請求項1の船外機。
【請求項8】 前記エンジンが前記クランク軸を船外機の前方寄りに位置させて搭載され、該エンジンを収容するエンジンルームの少なくとも一部を画成するエンジンカバーの上面に前記クランク軸上端より後方寄りの位置において外気取入れ装置が設けられている請求項1の船外機。
【請求項9】 前記外気取入れ装置が、前記エンジンカバー内に連通し、かつ該カバーから上方へ前記発電機の上面とほぼ同じ高さ位置まで延出する通路部材から成る請求項8の船外機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クランク軸を上下方向に指向させたエンジンを搭載した船外機に関する。
【0002】
【従来技術】従来の船外機では、上下方向に指向したクランク軸のエンジンブロックから突出した上端部にフライホイールを設けたエンジン(バーチカルエンジン)を船外機の本体ケースに搭載し、この本体ケースを防振マウントを介して船体に取り付ける形式のものが一般的であり、例えば特開昭63−192917号公報または特開昭63−192918号公報にこのような船外機が開示されている。
【0003】これらの船外機においては、前記フライホイールの外周にリングギヤが設けられており、このリングギヤと噛合う始動用のスタータモータがエンジン側部上方に設けられている。またフライホイール側のクランク軸端の該フライホイールの下方に、動弁用巻掛け伝動装置の駆動プーリが設けられている。
【0004】通常、フライホイール内には点火用電源コイルおよび充電用電源コイルを収容して発電機を構成しているため、フライホイールは下向きの椀形をしている。
【0005】
【解決しようとする課題】このような従来の船外機においては、エンジンの重心位置の決定に大きく影響する重くて慣性モーメントの大きいフライホイールが、防振マウントから遠く上方に離れ、かつフライホイールとは反対側のクランク軸端が、プロペラに駆動力を伝達する駆動軸と結合しているので、ねじり振動の要因が増して前記防振マウントの決定に少なからぬ影響を与え、該防振マウントの選定に特別の考慮を払わなければならなかった。
【0006】また、始動装置をエンジン上方に設けなくてはならず、このことが、前記フライホイールの上方配置とあいまってエンジンの重心位置を高くし、船外機チルトアップ時の所要モーメントを大きくするとともに、他の補機類の配置、とりわけ3気筒以上の多気筒エンジンにおいて、電装部品やさらに他の補機、例えばCDIユニットや複数のコイルを収納する電装箱や吸気系補機の配置の自由度に制約を与えていた。
【0007】さらに、前記船外機の4サイクルエンジンにおいては、その動弁駆動装置として、巻掛け伝動装置の駆動プーリをフライホイール側のクランク軸端に備えているが、このクランク軸端部はフライホイール取付けのために大きな軸径を要求され、従って振動プーリの径も大きくならざるを得ず、結果としてカム軸側の被動プーリも大型化し、シリンダヘッド上方付近を占有する形となり、チルト軸から離れたエンジンカバー後端上部の形状の大型化を招く。しかしエンジンカバーのこの部分は、船外機をチルト軸を中心に上方へ回動させた時に船体構造物と干渉し易い部分であるので、該部分が不必要に大型化することは望ましくなく、また船外機回動に要するモーメントの点でも不利である。
【0008】なお、エンジン単体としては、実開平3−21509 号公報および実開平3−23609 号公報に、クランク軸を上下方向に指向させたエンジンでクランク軸のエンジンブロックから突出した下端部にフライホイールを設けたものが提案されているが、このエンジンは、クランク軸のフライホイールを設けた下端側にトランスミッション装置を連結したものであり、そのまま船外機用エンジンとして適用できるものではなく、また上述したような船外機用エンジンに固有の諸問題を解決できる何等かの手段を示唆するものでもない。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、本発明においては、クランク軸を上下方向に指向させたエンジンを本体ケース上部に搭載し、該本体ケースを防振マウントを介してチルト運動可能に船体に取り付ける船外機において、前記クランク軸のエンジン本体部から突出した下端部にフライホイールを設け、該フライホイールの外周にリングギヤを設け、前記エンジン本体部の一方の側部下方に前記リングギヤと噛み合う始動装置を下向きに設け、前記エンジン本体部の他方の側部に吸気装置を設ける。
【0010】本発明によれば、フライホイールがクランク軸の下端部すなわち該クランク軸に連結されプロペラに駆動力を伝達する駆動軸側に設けられるので、よじり振動の点で有利であるとともに、エンジンの重心が低くなり船外機チルトアップ時の所要モーメントが小さくなる。
【0011】また、フライホイールの外周にリングギヤを設け、前記エンジン本体部の一方の側部下方に前記リングギヤと噛み合う始動装置を下向きに設けたため、始動の際に始動装置により加えられる始動トルクがクランク軸に大きく作用せず、エンジンの始動が可能となる。さらに、始動装置が下向きに向いているため、船外機内の水は該始動装置に浸入しにくい。
【0012】さらにまた、エンジン本体部の他方の側部に吸気装置を設けたため、船外機全体をコンパクトに構成することができる。
【0013】
【実施例】図1は本発明を適用した船外機1の全体側面図である。1aは、エクステンションケース2、ギヤケース3等から成る船外機本体ケースで、上部にエンジン4が搭載され、その上方をエンジンカバー5が覆っている。
【0014】船外機1は取付装置6を介して船尾7に取付けられている。取付装置6は船尾7にボルトを介して固定されたブラケット8と、該ブラケット8にその前端に横架されたチルト軸9を介して上下に揺動可能に枢着されたスイベルケース10とを備え、スイベルケース10にスイベル軸11が上下方向に指向して回動自在に枢支されている。船外機1はこのスイベル軸11に上下の連結部材12,12aを介して連結されている。従って船外機1はチルト軸9のまわりに上下に揺動できるとともに、スイベル軸11の軸線まわりに左右に回動できる。
【0015】エンジン4のクランク軸13は上下方向に指向し、該クランク軸13に連結された駆動軸14がエクステンションケース2内を下方に延びてギヤケース3内に達している。駆動軸14の下端はギヤケース3内において前後進切換装置15を介してプロペラ軸16に連結され、プロペラ17がクランク軸13,駆動軸14,前後進切換装置15およびプロペラ軸16を経て伝達されるエンジン動力により回転駆動される。18は前後進切換え用の操作軸で、前記スイベル軸11内を回転自在に貫通して上方へ延びている。
【0016】図2はエンジン4の縦断側面図である。前述のようにクランク軸13は上下方向に指向している。このエンジン4は、図1から分るように、クランク軸13を船外機1の前方(船側)寄りに位置させて搭載されている。すなわち図2においては右側が船外機1の前側に相当する。
【0017】エンジン4の本体部は、主ブロック19,シリンダヘッド20およびシリンダヘッドカバー21により構成されている。主ブロック19は、クランクケースの半部を形成するスカート部を一体に設けたシリンダブロック19aと、残りのクランクケース部分19bとを、ボルト22a(図4,図5)により一体に連結して構成されている。この主ブロック19内には4個のシリンダ23が上下に一列に配置されている。すなわちエンジン4は直列4気筒4サイクルエンジンで、それぞれのピストン24が連接棒25を介して上下方向に指向した1本のクランク軸13に連結されている。クランク軸13はシリンダブロック19a側とクランクケース部分19b側とに設けられボルト22bにより締結されて互いに対向する軸受部間に挟まれて主ブロック19に枢支されている。
【0018】シリンダヘッド20に形成された動弁室26内にカム軸27が上下方向に配設されている。このカム軸27は、クランク軸13の主ブロック19から突出した上端部13aに装着された駆動プーリ28と、カム軸27のシリンダヘッド20から突出した上端部に装着された被駆動プーリ29と、両プーリ28,29間に巻掛けられたベルト30とから成る巻掛け伝動装置31を介して、クランク軸13により駆動される。カム軸27は周知のように各シリンダ23の吸排気弁にロッカアームを介して係合しており、これらの吸排気弁の動作を制御する。すなわち前記巻掛け伝動装置31はエンジン4の動弁装置の一部を構成するものである。
【0019】クランク軸13の主ブロック19から突出した下端部13bには前記駆動軸14が連結され、前述のようにエクステンションケース2内を下方に延びている。該下端部13bにはさらに円板状のフライホイール32がねじ33により締結されて主ブロック19の下面に平行に延在している。一方、クランク軸13の上端部13aには、前記動弁用の駆動プーリ28の上部にさらに発電機34が装着され、そのロータ35がねじ36により該上端部13aに締結されてクランク軸13と一体的に回転するようになっている。
【0020】本実施例においては、フライホイール32を比較的薄い円板状に形成するとともに、主ブロック19の下部に下方へ向って開放された高さの低いスカート部分(上方ケース部分)37を一体に形成し、該スカート部分37内にフライホイール32を納めてある。そしてスカート部分37の平坦な下面にマウントケース(下方ケース部分)38をボルトで取付け、該マウントケース38を介してエンジン4をエクステンションケース2に搭載してある。スカート部分37にはフライホイール32の外周部を取巻く囲壁37aが設けられている。
【0021】フライホイール32は基本的に要求される慣性質量をそれのみで備えているが、ロータ35を含めて慣性質量を配分することも可能である。
【0022】ロータ35はフライホイール32に比し上下方向に高いものとなるが、その外径は小さく、慣性質量はフライホイール32よりはるかに小さいので、ロータ35側のクランク軸端部13aの径は小径にでき、これに伴ない、ここに配設される駆動プーリ28も小径とすることができる。駆動プーリ28を小径とすればその2倍の径を要する被駆動プーリ29もこれに応じて小径化でき、エンジンをコンパクトにする上で有利である。
【0023】巻掛け伝動装置31と発電機34は上方からカバー部材40によって覆われている。このカバー部材40は発電機34に相当する部分すなわちエンジン4の前側寄りの部分を高くし、その後側を巻掛け伝動装置31に沿って低く形成されている。図示のカバー部材40は全体が一体に形成されているが、巻掛け伝動装置31を覆う部分と発電機34を覆う部分とに上下に分割して形成してもよく、あるいは巻掛け伝動装置31の後側を覆う部分と巻掛け伝動装置31の前側および発電機34を覆う部分とに前後に分割して形成してもよい。
【0024】主ブロック19の下方には、前記スカート部分37の、囲壁37aによってフライホイール32の外周を包囲した部分が、円形状に両側および前側へ張り出している(図4,5)。この張り出し部分に向い合って、マウントケース38の上部前方にも同様な張出し部分38aが設けられており(図2,4)、スカート部分37側の張り出し部分の開口部はマウントケース38側の張り出し部分によって下方から閉塞されている。この張り出し形状は、周囲の剛性を高める結果にもつながる。
【0025】マウントケース38の、前記張り出し部分の下方かつ後方寄りに形成された平坦な下面に、オイルパン57が取付けられて垂下し、エクステンションケース2内に納められている。マウントケース38の内部は、前記囲壁37aの端面に当接する隔壁58によって、フライホイール32の収納室を構成する部分38bと、オイルパン57に連通する部分38cとに区画されている。
【0026】また図4に示すように、マウントケース38はその下面において、ボルト76によりエクステンションケース2の上端に締結されている。すなわち、エンジン4はマウントケース38を介してエクステンションケース2に搭載され、前記エンジンカバー5によって上部を画成されたエンジンルーム41内に納められているが、エンジンルーム41の下部は、下端周縁をマウントケース38に支持されてエンジン下部を包囲し上方へ向って開口するアンダケース77(図1,3,4)によって画成されている。なお、図3はエンジン4を覆うカバー部材を縦断してエンジンルーム41内を図1、2とは反対側から見た図であり、エンジン4の下部は図2と同様な断面図で示してある。
【0027】そしてこのアンダケース77に、その上方開口部を覆うように、前記エンジンカバー5が合せ面78を介して着脱自在に取付けられる。マウントケース38とエクステンションケース2との接続部近傍は、アンダケース77にねじ79(図3)で締結されたアンダカバー80によって外周を覆われており、アンダケース77、アンダカバー80、エクステンションケース2により船外機本体部1aになだらかな輪郭形状が与えられている。
【0028】エンジンカバー5の上面は前記カバー部材40にならった形状に形成されている(図3,6,7)。すなわち、前方の発電機34に対応する部分5aを高く、その後方部分5bを低く形成されている。そしてこの低く形成した後方部分5b上に、左右1対の通路部材43を有する空気取入れ装置42が配設されている。各通路部材43は、図7に示すように、エンジンカバー部分5bに設けられた開口5cの周縁部に連接して上方へ延出し、上方の開口縁部に切欠き状の空気導入部43aが設けられている。
【0029】通路部材43はその上方を覆い部材45によって覆われている。覆い部材45は左右の通路部材43の中間前方位置において、エンジンカバー5にボルト44で固定されている。覆い部材45は通路部材43の上方を覆う上板部分45aと、その左右両縁部に沿って垂下する側板部分45bとから成っている。低いエンジンカバー部分5b上に立設された通路部材43は、発電機34の背後にこれと重なり合うようにほぼ同じ高さ位置まで延出しているので、覆い部材45の上面は前方エンジンカバー部分5aの上面から突出することなく、該上面と面一に後方へ延びている。
【0030】覆い部材45により上方および両側を覆われてエンジンカバー部分5b上に形成された空所には、後方の開口部から外気が自由に流入し、図6に矢印aで示すように通路部材43を経てエンジンルーム41内に導かれて、エンジン4の吸気として用いられ、またエンジン4の周囲を冷却する。
【0031】図5は、エンジンルーム41内におけるエンジン4および補機類の配置を示す概略平面図である。46は吸気弁、47は排気弁、48,48はロッカアームで、前記カム軸27によって開閉を制御されるこのような弁機構が各シリンダ23毎に設けられている。49はシリンダヘッド20に設けられた吸気ポートで、該吸気ポート49に接続された吸気管50がエンジン4の側面に沿って前方へ延び、前記通路部材43を経てエンジンルーム41内に導入された空気の一部は該吸気管50の前端から吸気管50内に吸込まれ、吸気ポート49を経てシリンダ23内に吸入される。51は気化器、51aは吸気消音箱である。このような吸気管50が各シリンダ23毎に設けられ、エンジン4の側面に沿って上下方向に並設されている。
【0032】エンジン4の他方の側部には排気通路52が上下方向に延びており、この排気通路52に各シリンダ23に対応する排気ポート53が連通している。排気通路52はエクステンションケース2内を上下方向に延びる図示してない排気管の上端に接続されており、排気はこの排気管を通ってその下端から水中に放出される。
【0033】エンジン4の排気通路52と同じ側には、前方に電装品を納めた電装ボックス54が配設され、その下方にスタータモータ55が配設されている(図3、4参照)。54aは点火プラグコードであり、シリンダヘッド20の側面の点火プラグに接続されている。電装ボックス54内には点火用コイル54b、CDIユニット54c等が納められているが、本実施例のエンジンは4サイクル4気筒エンジンであるので、2気筒につき1個、計2個のコイル54bで点火を賄うこととし、これらのコイルをスタータモータ55の上方のスペースに合理的に配置するとともに、スタータモータ55と干渉しない前寄りにCDIユニット54cを配置している。スタータモータ55の出力軸55aは前記フライホイール32の外周に設けられたリングギヤ56(図2,4)に歯車係合している。
【0034】図2に示すように、下端にストレーナ59を有するオイル吸入管60がオイルパン57の底部から前記マウントケース38のオイルパン連通部分38cを通って上方へ延び、主ブロック19の下部に形成されたオイル吸入通路61に接続されている。このオイル吸入通路61は、カム軸27の下端に設けられ該カム軸27によって駆動されるオイルポンプ62の吸入口63に連通している。
【0035】オイルポンプ62により加圧されたオイルはカム軸27まわりの各軸受部に送られるとともに、シリンダヘッド20,シリンダブロック19a,クランクケース19bを貫通して設けられた図示してないオイル通路を経て、クランクケース19bの前面に取付けられたオイルフィルタ68に送られる。該オイルフィルタ68を出たオイルは、クランクケース19bの前面左右方向中央部に上下方向に配設されたオイル通路69(図5参照)に流入し、さらに油路70を通ってクランク軸13の各主軸受39に達しこれらの軸受を潤滑する。
【0036】このオイルはさらに、クランク軸13に穿設された油路72を通ってクランクピン軸受71およびシリンダ23内に達し、クランクピン軸受71およびシリンダ内面を潤滑する。上下に一列に配設された各シリンダ23はクランク室寄りの位置で油口73を通じて互いに連通しているので、各シリンダ23内のオイルはこれらの油口73を通って順次下方へ流下し、最下方の油口73aからクランク軸13下端部近傍に排出される。しかしこのオイルは前記フライホイール32を収容した室内に流入することはなく、下端の主軸受39bとクランク軸オイルシール81との間のオイルを戻す戻し油路82(図4)、およびフライホイール収容室の外側を迂回してオイルを戻す戻し油路83(図4)を経て、マウントケース38のオイルパン連通部分38cに達し、次いでオイルパン57内に戻される。
【0037】カム軸27まわりを潤滑したオイルはオイル通路74を通ってオイル戻り口65に達し、オイル戻し通路64,オイル戻し管66を経てオイルパン57に戻される。オイルパン57はマウントケース38からエクステンションケース2内に垂下しているので、これによってエンジンの搭載高さが高くなることはない。オイルパン57の底部前端に設けられたドレンプラグ84は、図3に示すように、エキステンションケース2に形成された凹所85に臨んでいる。なお、凹所85をエキステンションケース2の側部に設けて、これにドレンブプラク84を臨ませてもよい。
【0038】マウントケース38は、左右方向に延びるマウントラバー75を介して左右1対の前記連結部材12(図1)に連結されている。マウントラバー75は、芯材75aと、これを取り巻くラバー75bとからなり、連結部材12は芯材75aにボルト連結されている。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成6年8月26日(1994.8.26)
【代理人】 【識別番号】100067840
【弁理士】
【氏名又は名称】江原 望 (外2名)
【公開番号】 特開2002−122027(P2002−122027A)
【公開日】 平成14年4月26日(2002.4.26)
【出願番号】 特願2001−256736(P2001−256736)