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【発明の名称】 エンジンにおける排気浄化装置、およびこの装置を搭載した小型船舶
【発明者】 【氏名】山崎 丞

【氏名】峯尾 繁治

【要約】 【課題】内燃機関から排出される排気に2次空気を供給してより確実に燃焼させることにより、この排気をより十分に浄化させるようにする。

【解決手段】エンジン4は、多シリンダ内燃機関6から延出する排気管26を備える。この排気管26の内部の排気通路29を通して内燃機関6から排出される排気10を大気側に導出させるようにする。排気管26は、内燃機関6の各シリンダ17からそれぞれ延出する複数の上流側排気管30を有するエキゾーストマニホールド31と、このエキゾーストマニホールド31の下流端部から延出する下流側排気管32とを備える。この下流側排気管32の排気通路29に触媒53を設置する。各上流側排気管30の各排気通路29にそれぞれ2次空気46を導入させる2次空気導入路44を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 多シリンダ内燃機関から延出する排気管を備え、この排気管の内部の排気通路を通して上記内燃機関から排出される排気を大気側に導出させるようにし、上記排気管が上記内燃機関の各シリンダからそれぞれ延出する複数の上流側排気管を有するエキゾーストマニホールドと、このエキゾーストマニホールドの下流端部から延出する下流側排気管とを備え、この下流側排気管の排気通路に触媒を設置したエンジンにおいて、上記各上流側排気管の各排気通路にそれぞれ2次空気を導入させる2次空気導入路を設けたエンジンにおける排気浄化装置。
【請求項2】 多シリンダ内燃機関から延出する排気管を備え、この排気管の内部の排気通路を通して上記内燃機関から排出される排気を大気側に導出させるようにし、上記排気管が上記内燃機関の各シリンダからそれぞれ延出する複数の上流側排気管を有するエキゾーストマニホールドと、このエキゾーストマニホールドの下流端部から延出する下流側排気管とを備え、この下流側排気管の排気通路に触媒を設置したエンジンにおいて、上記触媒よりも下流側かつこの触媒の近傍における上記下流側排気管の排気通路に2次空気を導入させる2次空気導入路を設けたエンジンにおける排気浄化装置。
【請求項3】 内燃機関から延出する排気管と、この排気管の中途部に介設される排気チャンバーと、この排気チャンバーよりも下流側の上記排気管の排気通路に設置される触媒とを備え、上記内燃機関からの排気が上記排気管および排気チャンバーの各内部の排気通路と、上記触媒とを順次通って大気側に導出されるようにしたエンジンにおいて、上記排気チャンバーの上流部もしくはこの排気チャンバーよりも上流側の上記排気管の排気通路に加圧された2次空気を導入させる空気ポンプを設けたエンジンにおける排気浄化装置。
【請求項4】 請求項1から3に記載のエンジンにおける排気浄化装置を船体に搭載した小型船舶。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、内燃機関から排出される排気中のCOやHCを燃焼させてこの排気を浄化させるようにしたエンジンにおける排気浄化装置、およびこの装置を搭載した小型船舶に関するものである。
【0002】
【従来の技術】小型船舶において、その船体に搭載された推進用エンジンには、従来、次のように構成されたものがある。
【0003】即ち、上記エンジンが船体に支持される多シリンダ内燃機関と、この内燃機関から延出する排気管とを備えている。また、この排気管が、上記内燃機関の各シリンダからそれぞれ延出する複数の上流側排気管を有するエキゾーストマニホールドと、このエキゾーストマニホールドの下流端部から延出する下流側排気管とを備えている。
【0004】上記内燃機関が駆動するときには、この内燃機関の内部で空気と燃料とによる混合気が燃焼させられ、この燃焼によりこの内燃機関が駆動力を出力し、一方、上記燃焼により生じた燃焼ガスは排気として上記排気管の内部の排気通路を通して大気側に導出させられる。そして、上記駆動力により船体が推進させられる。
【0005】また、上記構成において、従来、排気中のCOやHCを燃焼させることなどによりこの排気を浄化させようとして、上記排気通路に2次空気を導入させる2次空気導入路を設け、かつ、上記排気通路に触媒を設置し、この触媒の上流側に上記2次空気を導入させるようにしたものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記排気通路は、内燃機関から強制的に排気が排出される部分であるため、この排気により上記排気通路は全体的に正圧となりがちである。
【0007】このため、上記したように、大気側を上記排気通路に連通させるよう2次空気導入路を設けても、2次空気は、上記2次空気導入路を通して上記排気通路へは十分には吸入されず、もって、排気の浄化が不十分になるおそれがある。
【0008】また、上記触媒は排気と反応して高温になり易いものであるが、この触媒の上流側に前記したように2次空気を供給して上記排気を燃焼させた場合には、この燃焼による熱で、上記触媒が更に高温にさせられることとなり、これは、触媒の寿命を低下させる要因となって好ましくない。
【0009】本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、内燃機関から排出される排気に2次空気を供給してより確実に燃焼させることにより、この排気をより十分に浄化させるようにすることを課題とする。
【0010】また、上記2次空気の供給による排気の浄化に加えて、上記排気を触媒と反応させることにより、この排気をより十分に浄化させるようにした場合に、上記触媒の寿命が低下しないようにすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明のエンジンにおける排気浄化装置、およびこの装置を搭載した小型船舶は、次の如くである。
【0012】請求項1の発明は、多シリンダ内燃機関6から延出する排気管26を備え、この排気管26の内部の排気通路29を通して上記内燃機関6から排出される排気10を大気側に導出させるようにし、上記排気管26が上記内燃機関6の各シリンダ17からそれぞれ延出する複数の上流側排気管30を有するエキゾーストマニホールド31と、このエキゾーストマニホールド31の下流端部から延出する下流側排気管32とを備え、この下流側排気管32の排気通路29に触媒53を設置したエンジンにおいて、【0013】上記各上流側排気管30の各排気通路29にそれぞれ2次空気46を導入させる2次空気導入路44を設けたものである。
【0014】請求項2の発明は、多シリンダ内燃機関6から延出する排気管26を備え、この排気管26の内部の排気通路29を通して上記内燃機関6から排出される排気10を大気側に導出させるようにし、上記排気管26が上記内燃機関6の各シリンダ17からそれぞれ延出する複数の上流側排気管30を有するエキゾーストマニホールド31と、このエキゾーストマニホールド31の下流端部から延出する下流側排気管32とを備え、この下流側排気管32の排気通路29に触媒53を設置したエンジンにおいて、【0015】上記触媒53よりも下流側かつこの触媒53の近傍における上記下流側排気管32の排気通路29に2次空気46を導入させる2次空気導入路59を設けたものである。
【0016】請求項3の発明は、内燃機関6から延出する排気管26と、この排気管26の中途部に介設される排気チャンバー33と、この排気チャンバー33よりも下流側の上記排気管26の排気通路29に設置される触媒53,54とを備え、上記内燃機関6からの排気10が上記排気管26および排気チャンバー33の各内部の排気通路29と、上記触媒53,54とを順次通って大気側に導出されるようにしたエンジンにおいて、【0017】上記排気チャンバー33の上流部もしくはこの排気チャンバー33よりも上流側の上記排気管26の排気通路29に加圧された2次空気46を導入させる空気ポンプ57を設けたものである。
【0018】請求項4の発明は、請求項1から3に記載のエンジン4における排気浄化装置38を船体3に搭載したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0020】(第1の実施の形態)
【0021】図1〜5は、第1の実施の形態を示している。
【0022】図2において、符号1は鞍乗型の滑走艇として例示した小型船舶であり、水2面に浮かべられている。また、矢印Frは、上記小型船舶1の推進方向の前方を示している。
【0023】上記小型船舶1の船体3の内部空間には、この船体3の推進用駆動源であるエンジン4が搭載されている。このエンジン4は、上記船体3に支持され上記エンジン4の主体となる2サイクル多シリンダ内燃機関6と、大気側の空気7を燃料8と共に上記内燃機関6に吸入可能とさせる吸気装置9と、上記内燃機関6での上記燃料8の燃焼後に、上記内燃機関6から排出される排気10を上記船体3の外部に排出される排気装置11とを備えている。
【0024】上記船体3の後部にはジェット噴射手段12が支持されている。このジェット噴射手段12は上記内燃機関6から出力される駆動力により水2を後方に向って噴射させ、この噴射の反力により、上記小型船舶1の船体3が前方に向って推進させられる。
【0025】上記内燃機関6は、船体3に支持されてクランク軸15を支承するクランクケース16と、このクランクケース16から上方に突出する複数(3つ)のシリンダ17とを備え、これら各シリンダ17は互いにある位相差(クランク角)をもって駆動することとされている。
【0026】上記吸気装置9は、上記各シリンダ17毎に、クランクケース16に取り付けられるリード弁20と、これら各リード弁20にそれぞれ取り付けられる気化器21と、これら気化器21から延出するマニホールド形状の吸気管22と、この吸気管22の延出端に取り付けられる吸気サイレンサ23とを備え、これら20〜23の各内部が互いに連通する吸気通路24とされ、この吸気通路24が大気側を上記内燃機関6の各クランクケース16内を介し各シリンダ17内に連通させている。また、上記吸気サイレンサ23の吸気通路24には撥水性のエアーフィルター25が設置され、このフィルター25は大気側の空気7を通過させるが、水分の通過を阻止するものとされている。
【0027】そして、上記内燃機関6の駆動時には、大気側の空気7が上記フィルター25と吸気通路24とクランクケース16内とを通し各シリンダ17内に吸入可能とされ、かつ、上記各シリンダ17よりも上流側における上記各気化器21を介して上記吸気通路24を通る空気7に燃料8が供給可能とされ、つまり、上記吸気通路24を通し、空気7と燃料8とによる混合気が各シリンダ17内に吸入可能とされ、これら各シリンダ17内で上記混合気が燃焼に供される。
【0028】上記排気装置11は、上記内燃機関6から延出する排気管26と、この排気管26の延出端部に連結されるウォータロック装置27と、このウォータロック装置27から延出してその延出端部が船体3の外部に開口する他の排気管28とを備え、これら26〜28の各内部が互いに連通する排気通路29とされ、この排気通路29が上記内燃機関6の各シリンダ17内を船体3の外部の大気側に連通させている。
【0029】そして、上記内燃機関6の駆動時、その各シリンダ17で混合気が燃焼させられた後、これら各シリンダ17から排出される燃焼ガスが排気10として上記排気通路29を通し船体3の外部の大気側に排出される。この場合、船体3の外部側の水2が上記排気通路29を通り内燃機関6側に逆流することは上記ウォータロック装置27により防止される。
【0030】上記排気管26は、上記内燃機関6の各シリンダ17からそれぞれ延出する複数(3本)の上流側排気管30を有するエキゾーストマニホールド31と、このエキゾーストマニホールド31の下流端部から延出してその延出端部に上記ウォータロック装置27を連結させる下流側排気管32と、この下流側排気管32の長手方向の中途部に介設される膨張室である排気チャンバー33とを備え、この排気チャンバー33の排気通路29は、上記各上流側排気管30や下流側排気管32の排気通路29に比べて十分に大きい断面積を有している。
【0031】上記排気管26には、その長手方向のほぼ全長にわたり、管壁の内部に水ジャケット35が形成されており、この水ジャケット35を水2が流動させられることにより、上記排気管26が冷却され、また、これに伴い排気10が冷却可能とされている。
【0032】上記排気装置11は、上記排気通路29を通して大気側に導出される排気10中のCOやHCを燃焼させて、この排気10を浄化させる排気浄化装置38を備えている。
【0033】上記排気浄化装置38は、上記各シリンダ17の近傍で上記排気管26の各上流側排気管30のそれぞれ長手方向の中途部から延出する複数(3本)の2次空気導入管39と、これら2次空気導入管39の各延出端部を連結させる集合箱40と、この集合箱40から延出する他の2次空気導入管41と、この他の2次空気導入管41の延出端部に連結される空気箱42と、上記2次空気導入管39の長手方向の中途部にそれぞれ介設される一方向弁43とを備え、これら39〜43の各内部が互いに連通する2次空気導入路44とされ、この2次空気導入路44が大気側を上記排気管26の各上流側排気管30の各排気通路29にそれぞれ連通させている。また、上記空気箱42の2次空気導入路44には撥水性のエアーフィルター45が設置され、このフィルター45は大気側の2次空気46を通過させるが、水分の通過を阻止するものとされている。
【0034】そして、上記フィルター45と2次空気導入路44とを通して、大気側の2次空気46が上記各上流側排気管30の各排気通路29にそれぞれ個別に導入可能とされている。
【0035】特に、図5で示すように、上記一方向弁43は、その外殻を構成する弁ケース48と、この弁ケース48内に配設されこの弁ケース48内の2次空気導入路44を通る2次空気46を大気側から排気通路29側にのみ流動させるリード弁49と、上記弁ケース48内で、上記リード弁49よりも上流側に配設されて上記2次空気46を濾過する金網製のエレメント50とを備えている。
【0036】上記2次空気導入路44を通して2次空気46が上記排気通路29に導入されるとき、この排気通路29を流れる排気10の脈動による騒音が、上記排気装置11の外部に達することは、上記集合箱40と空気箱42とによりそれぞれ防止される。
【0037】上記構成によれば、上記各上流側排気管30の各排気通路29にそれぞれ2次空気46を導入させる2次空気導入路44を設けてある。
【0038】ここで、上記各上流側排気管30は、これら各上流側排気管30にそれぞれ対応するシリンダ17に個別に設けられていることから、ある一つの上流側排気管30の排気通路29を通る排気10の脈動は、他の上流側排気管30の排気通路29を通る排気10の脈動の影響を受けることが抑制され、このため、上記各上流側排気管30の排気通路29を通る排気10の脈動に生じる負圧は大きい値のままに保たれ、この負圧により、上記各上流側排気管30の排気通路29に対し、上記2次空気導入路44を通して、より多くの2次空気46が吸入(導入)される。
【0039】よって、上記各上流側排気管30の排気通路29を通る排気10中のCOやHCが上記2次空気46中の酸素により、より確実に燃焼させられて、上記排気10が十分に浄化される。
【0040】上記排気浄化装置38は、その排気管26における排気チャンバー33よりも下流側の下流側排気管32の排気通路29に設置される三元触媒である複数(2つ)の触媒53,54を備え、これら触媒53,54のうち、一方の触媒53は他方の触媒54よりも排気通路29の上流側に離れて配置されている。
【0041】上記排気浄化装置38は、上記一方の触媒53よりも下流側かつこの触媒53の近傍における上記下流側排気管32の部分から延出し、その延出端部が上記吸気サイレンサ23に連結される更に他の2次空気導入管56と、この他の2次空気導入管56の長手方向の中途部に介設されるベーン式やトロコイド式などの空気ポンプ57と、上記他の2次空気導入管56の長手方向の中途部に介設される前記一方向弁43と同構成の一方向弁58とを備え、上記空気ポンプ57の駆動により、上記吸気サイレンサ23から上記下流側排気管32の部分の排気通路29に対し、上記他の2次空気導入管56と一方向弁58の各内部の他の2次空気導入路59を通し、2次空気46が加圧されて強制的に導入されるようになっている。
【0042】上記構成によれば、下流側排気管32の排気通路29に触媒53が設置されており、このため、上記触媒53を排気10が通るとき、この排気10は上記触媒53により反応させられて浄化される。この際、上記触媒53により反応させられることにより、排気10の温度は上昇させられて高温となる。
【0043】そして、上記触媒53よりも下流側かつこの触媒53の近傍における上記下流側排気管32の排気通路29に2次空気46を導入させる他の2次空気導入路59を設けてある。
【0044】このため、上記したように触媒53による反応で、高温とされた排気10中のCOやHCが上記触媒53の下流側近傍で上記他の2次空気導入路59により導入された2次空気46の酸素により効果的に燃焼させられて、上記排気10がより確実に浄化される。
【0045】また、上記したように、触媒53よりも下流側に2次空気46を導入させるようにしたため、この2次空気46の導入により燃焼させられて高温となった排気10の熱が、上記触媒53を加熱するということは防止される。
【0046】よって、上記したように、排気10をより確実に浄化させるようにした場合でも、触媒53の寿命の低下が防止される。
【0047】ここで、上記下流側排気管32の排気通路29では、各シリンダ17からの排気10の脈動が互いに影響し合うことにより、その圧力変動幅が平準化され、この脈動に生じる負圧は小さい値となりがちである。このため、上記下流側排気管32の排気通路29に2次空気46を吸入させることは容易でない。
【0048】そこで、前記したように、下流側排気管32や排気チャンバー33の排気通路29への2次空気46の導入を上記空気ポンプ57により強制的に行わせたのであり、よって、上記排気10に確実に2次空気46が供給され、上記排気10は更に確実に浄化される。
【0049】特に、図1中二点鎖線で示すように、上記排気浄化装置38を次のように構成してもよい。
【0050】即ち、上記排気チャンバー33の上流部の排気通路29に加圧された2次空気46を導入させる空気ポンプ57を設けてある。なお、上記排気チャンバー33よりも上流側の上記排気管26の排気通路29に上記空気ポンプ57により加圧された2次空気46を導入させるようにしてもよい。
【0051】ここで、上記排気チャンバー33の上流部やこの排気チャンバー33よりも上流側の上記排気管26の下流側排気管32における排気通路29では、各シリンダ17からの排気10の脈動が互いに影響し合うことにより、その圧力変動幅が平準化され、この脈動に生じる負圧は小さい値となりがちである。このため、上記排気管26の下流側排気管32の排気通路29に2次空気46を吸入させることは容易でない。
【0052】そこで、上記したように、排気チャンバー33の上流部や排気管26の下流側排気管32の排気通路29への2次空気46の導入を上記空気ポンプ57により強制的に行わせたのであり、よって、上記排気10に確実に2次空気46が供給され、上記排気10は更に確実に浄化される。
【0053】また、上記したように、排気10に2次空気46を供給すると、この排気10中のCOやHCの燃焼により、この排気10の温度は上昇するが、上記排気チャンバー33の排気通路29は、上記下流側排気管32の排気通路29に比べて大きい断面積を有しているため、上記排気10が排気チャンバー33の排気通路29を通り抜ける間に、水ジャケット35による冷却作用とも相俟って、十分に冷却されて温度が降下させられる。
【0054】よって、その後、上記排気10は上記触媒53,54を通ることにより反応させられて浄化されるが、上記排気10が上記排気チャンバー33を通り抜けることにより温度が降下させられた分、上記排気10の熱が上記触媒53,54に負担を与えることが防止され、もって、これら触媒53,54の寿命の低下が防止される。
【0055】なお、以上は図示の例によるが、空気7への燃料8の供給は燃料噴射弁によって、吸気通路24の空気7に燃料8を噴射することにより行ってもよく、燃焼室に直接燃料8を噴射することにより行ってもよい。
【0056】以下の図6〜8は第2の実施の形態を示している。この実施の形態は、前記第1の実施の形態と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら各実施の形態における各部分の構成を、本発明の課題、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
【0057】(第2の実施の形態)
【0058】図6〜8は、第2の実施の形態を示している。
【0059】これによれば、エンジン4の内燃機関6は、4サイクル多シリンダとされている。
【0060】上記内燃機関6の各シリンダ17には、燃焼室61、吸気通路62、および排気通路63が形成され、動弁機構により上記吸気通路62と排気通路63とを適宜開閉させる吸気弁64と排気弁65とが設けられている。
【0061】上記エンジン4の吸気装置9は、上記シリンダ17に取り付けられるスロットル弁67と、このスロットル弁67に取り付けられるエアホン68と、これらスロットル弁67とエアホン68とをその外方から覆う空気箱69と、この空気箱69に取り付けられるエアクリーナ70と、上記吸気通路62に燃料8を噴射して供給する燃料噴射弁71とを備え、スロットル弁67、エアホン68、空気箱69、およびエアクリーナ70の内部の吸気通路24が大気側を上記各シリンダ17の吸気通路62を通しシリンダ17内の燃焼室61に連通させている。
【0062】排気浄化装置38において、集合箱40から延出する他の2次空気導入管41の延出端部は、上記エアクリーナ70よりも下流側の空気箱69内に連通させられている。
【0063】
【発明の効果】本発明による効果は、次の如くである。
【0064】請求項1の発明は、多シリンダ内燃機関から延出する排気管を備え、この排気管の内部の排気通路を通して上記内燃機関から排出される排気を大気側に導出させるようにし、上記排気管が上記内燃機関の各シリンダからそれぞれ延出する複数の上流側排気管を有するエキゾーストマニホールドと、このエキゾーストマニホールドの下流端部から延出する下流側排気管とを備え、この下流側排気管の排気通路に触媒を設置したエンジンにおいて、【0065】上記各上流側排気管の各排気通路にそれぞれ2次空気を導入させる2次空気導入路を設けてある。
【0066】ここで、上記各上流側排気管は、これら各上流側排気管にそれぞれ対応するシリンダに個別に設けられていることから、ある一つの上流側排気管の排気通路を通る排気の脈動は、他の上流側排気管の排気通路を通る排気の脈動の影響を受けることが抑制され、このため、上記各上流側排気管の排気通路を通る排気の脈動に生じる負圧は大きい値のままに保たれ、この負圧により、上記各上流側排気管の排気通路に対し、上記2次空気導入路を通して、より多くの2次空気が吸入される。
【0067】よって、上記各上流側排気管の排気通路を通る排気中のCOやHCが上記2次空気中の酸素により、より確実に燃焼させられて、上記排気が十分に浄化される。
【0068】請求項2の発明は、多シリンダ内燃機関から延出する排気管を備え、この排気管の内部の排気通路を通して上記内燃機関から排出される排気を大気側に導出させるようにし、上記排気管が上記内燃機関の各シリンダからそれぞれ延出する複数の上流側排気管を有するエキゾーストマニホールドと、このエキゾーストマニホールドの下流端部から延出する下流側排気管とを備え、この下流側排気管の排気通路に触媒を設置したエンジンにおいて、【0069】上記触媒よりも下流側かつこの触媒の近傍における上記下流側排気管の排気通路に2次空気を導入させる2次空気導入路を設けてある。
【0070】このため、上記触媒を排気が通るとき、この排気は上記触媒により反応させられて浄化される。この際、上記触媒により反応させられることにより、排気の温度は上昇させられて高温となる。
【0071】このため、上記したように触媒による反応で高温とされた排気中のCOやHCが上記触媒の下流側近傍で上記2次空気導入路により導入された2次空気の酸素により効果的に燃焼させられて、上記排気がより確実に浄化される。
【0072】また、上記したように、触媒よりも下流側に2次空気を導入させるようにしたため、この2次空気の導入により燃焼させられて高温となった排気の熱が、上記触媒を加熱するということは防止される。
【0073】よって、上記したように、排気をより確実に浄化させるようにした場合でも、触媒の寿命の低下が防止される。
【0074】請求項3の発明は、内燃機関から延出する排気管と、この排気管の中途部に介設される排気チャンバーと、この排気チャンバーよりも下流側の上記排気管の排気通路に設置される触媒とを備え、上記内燃機関からの排気が上記排気管および排気チャンバーの各内部の排気通路と、上記触媒とを順次通って大気側に導出されるようにしたエンジンにおいて、【0075】上記排気チャンバーの上流部もしくはこの排気チャンバーよりも上流側の上記排気管の排気通路に加圧された2次空気を導入させる空気ポンプを設けてある。
【0076】ここで、上記排気チャンバーの上流部やこの排気チャンバーよりも上流側の排気管における排気通路では、各シリンダからの排気の脈動が互いに影響し合うことにより、その圧力変動幅が平準化され、この脈動に生じる負圧は小さい値となりがちである。このため、上記排気管の排気通路に2次空気を吸入させることは容易でない。
【0077】そこで、上記したように、排気チャンバーの上流部や排気管の排気通路への2次空気の導入を上記空気ポンプにより強制的に行わせたのであり、よって、上記排気に確実に2次空気が供給され、上記排気は更に確実に浄化される。
【0078】また、上記したように、排気に2次空気を供給すると、この排気中のCOやHCの燃焼により、この排気の温度は上昇するが、上記排気チャンバーの排気通路は、上記排気管の排気通路に比べて大きい断面積を有しているため、上記排気が排気チャンバーの排気通路を通り抜ける間に、十分に冷却されて温度が降下させられる。
【0079】よって、その後、上記排気は上記触媒を通ることにより反応させられて浄化されるが、上記排気が上記排気チャンバーを通り抜けることにより温度が降下させられた分、上記排気の熱が上記触媒に負担を与えることが防止され、もって、触媒の寿命の低下が防止される。
【0080】請求項4の発明は、請求項1から3に記載のエンジンにおける排気浄化装置を船体に搭載している。
【0081】このため、小型船舶では、そのエンジンからの排気の絶対量は少ないものではあるが、大気中へのCOやHCの排出がより確実に防止され、これは環境をより良好に保つ上で有益である。
【出願人】 【識別番号】000176213
【氏名又は名称】三信工業株式会社
【出願日】 平成12年11月29日(2000.11.29)
【代理人】 【識別番号】100084272
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 忠雄
【公開番号】 特開2002−161737(P2002−161737A)
【公開日】 平成14年6月7日(2002.6.7)
【出願番号】 特願2000−362211(P2000−362211)