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【発明の名称】 内燃機関の排気熱エネルギ回収装置
【発明者】 【氏名】松崎 明夫

【氏名】坂 正樹

【要約】 【課題】エンジンの排気系に介裝される排気浄化用触媒コンバータが発する高熱エネルギを,排気抵抗の増加を招くことなく,電気エネルギとして回収する。

【解決手段】内燃機関Eの排気系1に介裝される排気浄化用触媒コンバータ5に,共鳴管6の一端部に設けた熱駆動式の音波発生部7におけるスタック11を隣接配置し,触媒コンバータ5が発する熱でスタック11の一端部を加熱することでスタック11に温度勾配を付与し,それに伴い音波発生部7が発生する音波を電気エネルギに変換するトランスジューサ8を共鳴管6の他端部に設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関(E)の排気系(1)に介裝される排気浄化用触媒コンバータ(5)に,共鳴管(6)の一端部に設けた音波発生部(7)のスタック(11)を隣接配置し,このスタック(11)が前記触媒コンバータ(5)からの受熱に起因して発生する音波を電気エネルギに変換するトランスジューサ(8)を前記共鳴管(6)の他端部に設け,このトランスジューサ(8)の出力を電気制御手段(14)に供給するようにしたことを特徴とする,内燃機関の排気熱エネルギ回収装置。
【請求項2】 請求項1記載の内燃機関の排気熱エネルギ回収装置において,前記排気系(1)に,前記触媒コンバータ(5)への排気導入量を制御する制御弁(28)を設け,この制御弁(28)を,前記トランスジューサ(8)の出力状態に応じて制御するようにしたことを特徴とする,内燃機関の排気熱エネルギ回収装置。
【請求項3】 内燃機関(E)の排気系(1)に介裝される排気浄化用触媒コンバータ(5)に,共鳴管(6)の一端部に設けた音波発生部(7)のスタック(11)を隣接配置し,このスタック(11)が前記触媒コンバータ(5)からの受熱に起因して発生する音波によって冷却される冷凍部(30)を前記共鳴管(6)の他端部に設けたことを特徴とする,内燃機関の排気熱エネルギ回収装置。
【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の内燃機関の排気熱エネルギ回収装置において,前記触媒コンバータ(5)を,これが前記音波発生部(7)の高温部を囲繞するように配設したことを特徴とする,内燃機関の排気熱エネルギ回収装置。
【請求項5】 請求項1〜3の何れかに記載の内燃機関の排気熱エネルギ回収装置において,前記触媒コンバータ(5)を,その排気出口が前記音波発生部(7)の高温部に近接対向するように配置したことを特徴とする,内燃機関の排気熱エネルギ回収装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,内燃機関の排気熱エネルギを他の機器の駆動エネルギに有効利用するための排気熱エネルギ回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かゝる内燃機関の排気熱エネルギ回収装置として,排気管内に熱交換器を配設し,この熱交換器から取出した高温流体で他の機器,例えば吸収式冷凍装置の高温部を作動するようにしたものが知られている(例えば特開平4−335960号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記のように排気管に熱交換器を配設すると,それが排気抵抗となってしまい,エンジンの出力性能に悪影響を及ぼし,却ってエンジンの燃料消費量を増加させるという弊害を招く。
【0004】一方,近年の2輪,4輪の自動車では,そのエンジンの排気系に排気浄化用の触媒コンバータを備えているので,この触媒コンバータの周囲は,その浄化反応熱により極めて高温となるため,その熱害を回避する種々の防護手段が講じられているが,その高熱の有効利用が可能となれば,触媒コンバータの周囲温度を下げることができ,前記熱害防護手段の簡略化を図ることができるであろう。
【0005】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,エンジンの排気系に介裝される排気浄化用触媒コンバータ周囲の高い熱エネルギを,排気抵抗の増加を招くことなく,他の機器の駆動エネルギに利用することを可能にする,内燃機関の排気熱エネルギ回収装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために,本発明は,内燃機関の排気系に介裝される排気浄化用触媒コンバータに,共鳴管の一端部に設けた音波発生部のスタックを隣接配置し,このスタックが前記触媒コンバータからの受熱に起因して発生する音波を電気エネルギに変換するトランスジューサを前記共鳴管の他端部に設け,このトランスジューサの出力を電気負荷に供給するようにしたことを第1の特徴とする。
【0007】この第1の特徴によれば,触媒コンバータが排ガスを浄化する際に発生する,排ガス自体より遙かに高温の反応熱により熱音響管現象を起こさせ,その現象を利用して,排気熱エネルギを電気エネルギとして回収し,電気負荷の駆動に有効利用することができる。しかも,排気系内には,共鳴管の一部たりとも突入させる必要がないから,排気抵抗の増加を招かず,内燃機関の出力性能の低下もなく,燃焼消費量を増加させることもない。さらに,音波発生部は,触媒コンバータの発生熱を奪うことにより,触媒コンバータの過熱を効果的に防ぐことができる,したがって触媒コンバータに隣接する内燃機関や車体等の隣接部に対する熱害防護手段を簡略化することが可能となる。
【0008】また本発明は,第1の特徴に加えて,前記排気系に,前記触媒コンバータへの排気導入量を制御する制御弁を設け,この制御弁を,前記トランスジューサの出力状態に応じて制御するようにしたことを第2の特徴とする。
【0009】この第2の特徴によれば,制御手段は,トランスジューサの出力状態に応じて流量制御弁を制御し,触媒コンバータへの排気導入量の制御を行うので,トランスジューサ出力の安定化を図ると共に,音波発生部の過熱を防ぐことができる。
【0010】さらに本発明は,内燃機関の排気系に介裝される排気浄化用触媒コンバータに,共鳴管の一端部に設けた熱駆動式の音波発生部におけるスタックを隣接配置し,このスタックが前記触媒コンバータからの受熱に起因して発生する音波によって冷却される冷凍部を前記共鳴管の他端部に設けたことを第3の特徴とする。
【0011】この第3の特徴によれば,触媒コンバータが排ガスを浄化する際に発生する,排ガス自体より遙に高温の反応熱により熱音響管現象を起こさせ,その現象を利用して,排気熱エネルギを冷凍部の駆動エネルギとして回収することができる。しかも,排気系内には,共鳴管の一部たりとも突入させる必要がないから,排気抵抗の増加を招かず,内燃機関の出力性能の低下もなく,燃焼消費量を増加させることもない。さらに,音波発生部は,触媒コンバータの発生熱を奪うことにより,触媒コンバータの過熱を効果的に防ぐことができる,したがって触媒コンバータに隣接する内燃機関や車体等の隣接部に対する熱害防護手段を簡略化することが可能となる。
【0012】さらにまた本発明は,第1〜第3の何れかの特徴に加えて,前記触媒コンバータを,これが前記音波発生部の高温部を囲繞するように配設したことを第4の特徴とする。
【0013】この第4の特徴によれば,触媒コンバータの発生熱を音波発生部の高温部に効率よく伝達して,音波発生部の効果的な作動を確保することができる。
【0014】さらにまた本発明は,第1〜第3の何れかの特徴に加えて,前記触媒コンバータを,その排気出口が前記音波発生部の高温部に近接対向するように配置したことを第5の特徴とする。
【0015】この第5の特徴によれば,触媒コンバータの発生熱のみならず,触媒コンバータを出た高温の排ガスの熱をも音波発生部の高温部に伝達して,音波発生部をより効果的な作動を確保することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0017】図1は本発明の第1実施例に係る内燃機関の排気熱エネルギ回収装置の縦断側面図,図2は本発明の第2実施例に係る同装置の縦断側面図,図3は本発明の第3実施例に係る同装置の縦断側面図,図4は本発明の第4実施例に係る同装置の縦断側面図,図5は本発明の第5実施例に係る同装置の縦断側面図,図6は本発明の第6実施例に係る同装置の縦断側面図,図7は本発明の第7実施例に係る同装置の縦断側面図である。
【0018】先ず,図1に示す本発明の第1実施例の説明より始める。
【0019】内燃機関Eの排気系1は,内燃機関Eの排気ポートに接続される前部排気管2と,この前部排気管2の下流端に形成された拡径部2aの周壁に接続される後部排気管3と,この後部排気管3の下流側に接続されるマフラ4とを備える。
【0020】前記拡径部2aの内周面には環状の排気浄化用触媒コンバータ5が装着され,この触媒コンバータ5の内周に,両端を閉塞した共鳴管6の前端部が嵌入され,その後端部は,触媒コンバータ5から充分に離れた位置まで延びている。この共鳴管6の前端部内には熱駆動式の音波発生部7が設けられ,同共鳴管6の後端部内には,音波発生部7で生じた音波を電気エネルギに変換するトランスジューサ8が設けられる。また共鳴管6内には,空気あるいはヘリウム等の希ガスが作動気体として封入される。
【0021】音波発生部7は,共鳴管6の前端部内で軸方向に対向して配置される高温熱交換器9及び低温熱交換器10と,これら両熱交換器9,10間に挟まれるように配置される高温スタック11とから構成される。高温熱交換器9は,前記触媒コンバータ5に囲繞される箇所に配置され,低温熱交換器10の位置に対応する共鳴管6の外周面には放熱フィン12が突設される。スタック11は,例えば多数のステレス鋼板を小間隙を置いて積層した蓄熱体で構成される。
【0022】一方,共鳴管6の後端部内に設けられるトランスジューサ8は,それが受ける音波を機械振動に変換し,次いで電気エネルギに変換するもので,具体的には,振動ピストンとリニア発電機の組合せユニットや,振動板とピエゾ変換素子の組合せユニットが使用可能である。このトランスジューサ8の出力は,制御手段13を介してバッテリ,電気機器等の電気負荷14に供給される。制御手段13としては,電圧レギュレータやエネルギマネジメント等,既知のものが使用可能である。
【0023】次に,この第1実施例の作用について説明する。
【0024】内燃機関Eの運転中,それから前部排気管2に排出された排ガスは,触媒コンバータ5,後部排気管3,マフラ4を順次経て大気中に排出される。その間に,触媒コンバータ5では,それを通過する排ガス中のHC,CO,NOx等の有害成分を化学的に除去し,その際に発生する反応熱によって触媒コンバータ5が排ガス以上に高温となるが,その熱は,触媒コンバータ5に囲繞される高温熱交換器9を経て,スタック11に伝達するので,スタックの一端部が高温に加熱される。一方,低温熱交換器10では,外部の放熱フィン12による大気への放熱により冷却されるので,スタック11の他端部の冷却を促進する。その結果,スタック11は,その両端間に大なる温度勾配が与えられ,それに起因する自励振動により音波を発生し,これが作動気体を介して共鳴管6内を往復する(このように熱音響現象は,例えば1993年春季低温工学・超電導学会発行の論文「B1−17熱駆動型共鳴管冷凍機の性能」に記載されているように,既に知られていいる)。そしてこの音波の周波数と共鳴管6の共振数とが一致することにより,共鳴管6内に定在波ができ,それにより共鳴管6後端に位置するトランスジューサ8の振動部が加振され,その振動が前述のように電気エネルギに変換され,制御手段13を介して電気負荷14に出力される。
【0025】ところで,従来では,内燃機関の排ガス自体の温度は,熱音響現象を生じさせには低過ぎるとされてきたが,本発明は,触媒コンバータ5が排ガスを浄化する際に発生する反応熱が排ガス温度より遙かに高温となることに着目してなされたもので,その高温の反応熱により熱音響管現象を起こさせ,その現象を利用して,排気熱エネルギを電気エネルギとして回収することを可能にしたのである。
【0026】しかも,排気系1内には,共鳴管6の一部たりとも突入させる必要がないから,排気抵抗の増加を招かず,内燃機関Eの出力性能の低下もないので,燃焼消費量を増加させることもない。さらに,音波発生部7は,触媒コンバータ5の発生熱を奪うことにより,触媒コンバータ5の過熱を効果的に防ぐことができる,したがって触媒コンバータ5に隣接する内燃機関Eや車体等の隣接部に対する熱害防護手段を簡略化することが可能となる。
【0027】次に,図2に示す本発明の第2実施例について説明する。
【0028】この第2実施例では,前部排気管2の拡径部2aに円柱状の触媒コンバータ5が装着されると共に,この触媒コンバータ5の前後に入口室15及び出口室16が形成され,その出口室16に後部排気管3が接続される。共鳴管6の前端壁は,前記出口室16を挟んで触媒コンバータ5の出口に対向するように配置される。この共鳴管6内では,音波発生部7の高温スタック11が,共鳴管6の前端壁に密着するように配置され,前実施例のような高温熱交換器9を廃止している。
【0029】その他の構成は,前実施例と同様であるので,図2中,前実施例との対応部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0030】この第2実施例によれば,触媒コンバータ5を通過した直後の高温の排ガス自体の熱と,触媒コンバータ5からの放射熱とで音波発生部7のスタック11を直接的に加熱することができ,該スタック11への熱伝達効率が向上すると共に,高温熱交換器の廃止による構成の簡素化をもたらすことができる。
【0031】次に,図3に示す本発明の第3実施例について説明する。
【0032】この第3実施例は,後部排気管3に第2の触媒コンバータ5′を介裝した点を除けば,前記第2実施例と同様の構成であり,図3中,前記第2実施例との対応部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0033】この第3実施例によれば,触媒コンバータ5と第2の触媒コンバータ5′との直列配置により,排ガスを2段階にわたり浄化することができ,大排気量の内燃機関用として有効である。
【0034】次に,図4に示す本発明の第4実施例について説明する。
【0035】この第4実施例では,触媒コンバータ5を迂回するように,前部及び後部排気管2,3を相互に接続するバイパス排気管20が設けられ,このバイパス排気管20に第2の触媒コンバータ5′が介裝されると共に,前部排気管2及びバイパス排気管20の接続部に切換弁21が設けられる。
【0036】その他の構成は,前記第2実施例と同様であるので,図4中,前記第2実施例との対応部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0037】この第4実施例によれば,内燃機関Eの運転状態に応じて切換弁21を切換えることにより,暖機運転時には,両触媒コンバータ5,5′の何れか一方に排ガスを流して,その活性化を早めたり,高出力運転時には,両方の触媒コンバータ5,5′に流しながら,それらの流量に差をつけて,各触媒コンバータ5,5′の浄化効率や負荷,音波発生部7の加熱度合い等のバランスを図る。こうすることによって,触媒コンバータ5,5′の適正な浄化機能及び耐久性と,音波発生部7の適正な作動状態とを確保することができる。
【0038】次に,図5に示す本発明の第5実施例について説明する。
【0039】この第5実施例は,バイパス排気管20より下流の後部排気管3に第2の触媒コンバータ5′を介裝した点を除けば,前記第4実施例と同様の構成であり,図5中,前記第4実施例との対応部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0040】次に,図6に示す本発明の第6実施例について説明する。
【0041】この第6実施例では,共鳴管6の前端に,加熱室26を形成する延長筒25が連設され,その加熱室26は隔壁6aを挟んで音波発生部7の高温スタック11と隣接する。延長筒25は,内部に円柱状の触媒コンバータ5が装着されると共に,前部排気管2の拡径部2a内に配置されるもので,その前端壁には,前部排気管2からの排ガスの一部を加熱室26に導入する排気導入管27が設けられ,この排気導入管27には,排気導入量を調節する流量制御弁28が取り付けられる。この流量制御弁28は,トランスジューサ8に接続した制御手段13によって開閉制御される。
【0042】また拡径部2aの内周には,延長筒25を囲繞する環状の第2の触媒コンバータ5′が装着される。
【0043】後部排気管3は,延長筒25には,触媒コンバータ5を通過した排ガスのための出口孔29が設けられ,この出口孔29と拡径部2aの後端に後部排気管3が接続される。
【0044】その他の構成は,前記第1実施例(図1)の構成と同様であり,図6中,前記第1実施例との対応部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0045】この第6実施例によれば,音波発生部7のスタック11は,加熱室26内の触媒コンバータ5を通過した直後の高温の排ガス自体の熱と,触媒コンバータ5からの放射熱とで直接的に加熱される。しかも,加熱室26への排気導入量を制御する流量制御弁28は,トランスジューサ8の出力状態に応じて制御手段13により制御されるので,トランスジューサ8の出力の安定化を図ると共に,音波発生部7の過熱を回避することができる。
【0046】最後に,図7に示す本発明の第7実施例について説明する。
【0047】この第7実施例では,共鳴管6の後端部に,冷凍部30がトランスジューサ8と共に設けられる。冷凍部30は,共鳴管6の後端部内で軸方向に対向して配置される低温熱交換器31及び高温熱交換器32と,これら両熱交換器31,32間に挟まれるように配置される低温スタック33とから構成され,低温熱交換器31は音波発生部7側に,高温熱交換器32は共鳴管6の後端壁側にそれぞれ配置される。低温スタック33は,音波発生部7の高温スタック11と同様に,例えば多数のステレス鋼板を小間隙を置いて積層した蓄熱体で構成される。
【0048】低温熱交換器31の位置に対応して共鳴管6の外周には,冷熱取出し室34が設けられ,該室34と,車両の適当な被冷却場所,例えば排気系1の周囲で熱害を受けそうな場所に設置される冷却パネル35とが冷媒導管36を介して連通され,その間を冷媒が循環するようになっている。
【0049】高温熱交換器32の位置に対応する共鳴管6の外周面には放熱フィン37が突設される。
【0050】その他の構成は前記第6実施例と同様であるので,図7中,第6実施例との対応部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0051】而して,音波発生部7において,高温スタック11が,その一端を加熱室26側から過熱されると共に,他端を低温熱交換器10により冷却されることによって,大なる温度勾配を付与されると,それに起因して共鳴管6内に定在波ができることは,前記第1実施例の場合と同様である。共鳴管6内の作動気体には,上記定在波の疎密部に対応して圧縮部と膨張部が存在し,その圧縮部では断熱圧縮のために温度上昇を伴い,膨張部では断熱膨張のために温度降下を生ずる。その温度上昇部に音波発生部7の高温スタック11が,温度降下部に冷凍部30の低温スタック33がそれぞれ位置し,音波が低温スタック33から高温スタック11へと熱の輸送を行う。その結果,冷凍部30では,低温スタック33が低温熱交換器31から吸熱するので,低温熱交換器31の冷熱が冷熱取出し室34に取出され,導管36を介し冷却パネル35へと伝達して,それを冷却する。この冷却パネル35は,図示例の場合,排気系1の所望箇所を冷却するので,その周囲に対する熱害を防ぐことができる。
【0052】本発明は,上記実施例に限定されるものではなく,その要旨の範囲を逸脱することなく種々の設計変更が可能である。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれば,内燃機関の排気系に介裝される排気浄化用触媒コンバータに,共鳴管の一端部に設けた音波発生部のスタックを隣接配置し,このスタックが前記触媒コンバータからの受熱に起因して発生する音波を電気エネルギに変換するトランスジューサを前記共鳴管の他端部に設け,このトランスジューサの出力を電気負荷に供給するようにしたので,触媒コンバータが排ガスを浄化する際に発生する高温の反応熱により熱音響管現象を起こさせ,その現象を利用して,排気熱エネルギを電気エネルギとして回収し,電気負荷の駆動に有効利用することができる。しかも,排気系内には,共鳴管の一部たりとも突入させる必要がないから,排気抵抗の増加を招かず,内燃機関の出力性能の低下もなく,燃焼消費量を増加させることもない。さらに,音波発生部は,触媒コンバータの発生熱を奪うことにより,触媒コンバータの過熱を効果的に防ぐことができる,したがって触媒コンバータに隣接する内燃機関や車体等の隣接部に対する熱害防護手段を簡略化することが可能となる。
【0054】また本発明の第2の特徴によれば,前記排気系に,前記触媒コンバータへの排気導入量を制御する制御弁を設け,この制御弁を,前記トランスジューサの出力状態に応じて制御するようにしたので,触媒コンバータへの排気導入量の自動制御により,トランスジューサ出力の安定化を図ると共に,音波発生部の過熱を防ぐことができる。
【0055】さらに本発明の第3特徴によれば,内燃機関の排気系に介裝される排気浄化用触媒コンバータに,共鳴管の一端部に設けた熱駆動式の音波発生部におけるスタックを隣接配置し,このスタックが前記触媒コンバータからの受熱に起因して発生する音波によって冷却される冷凍部を前記共鳴管の他端部に設けたので,触媒コンバータが排ガスを浄化する際に発生する高温の反応熱により熱音響管現象を起こさせ,その現象を利用して,排気熱エネルギを冷凍部の駆動エネルギとして回収することができる。しかも,排気系内には,共鳴管の一部たりとも突入させる必要がないから,排気抵抗の増加を招かず,内燃機関の出力性能の低下もなく,燃焼消費量を増加させることもない。さらに,音波発生部は,触媒コンバータの発生熱を奪うことにより,触媒コンバータの過熱を効果的に防ぐことができる,したがって触媒コンバータに隣接する内燃機関や車体等の隣接部に対する熱害防護手段を簡略化することが可能となる。
【0056】さらにまた本発明の第4の特徴によれば,前記触媒コンバータを,これが前記音波発生部の高温部を囲繞するように配設したので,触媒コンバータの発生熱を音波発生部の高温部に効率よく伝達して,音波発生部の効果的な作動を確保することができる。
【0057】さらにまた本発明の第5の特徴によれば,前記触媒コンバータを,その排気出口が前記音波発生部の高温部に近接対向するように配置したので,触媒コンバータの発生熱のみならず,触媒コンバータを出た高温の排ガスの熱をも音波発生部の高温部に伝達して,音波発生部をより効果的な作動を確保することができる。
【出願人】 【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
【出願日】 平成12年10月16日(2000.10.16)
【代理人】 【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健 (外1名)
【公開番号】 特開2002−122020(P2002−122020A)
【公開日】 平成14年4月26日(2002.4.26)
【出願番号】 特願2000−314648(P2000−314648)