| 【発明の名称】 |
船外機用バーチカルエンジン |
| 【発明者】 |
【氏名】角田 正樹
【氏名】和田 哲
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| 【要約】 |
【課題】クランク軸をほぼ上下方向に指向させ複数のシリンダを上下に直列に配設した直列多気筒バーチカルエンジンにおいて、シリンダ内に残留するオイルを良好にクランク室側へ戻して円滑なオイル循環を確保する。
【解決手段】クランク軸13をほぼ上下方向に指向させ、複数のシリンダ24を上下に直列に配設したシリンダブロック18に一体に設けられたスカート部と該スカート部に合わせ面を合わせて取付けられた半割りのクランクケース19とによってクランク室23を形成した直列多気筒バーチカルエンジンにおいて、隣接する上下のシリンダを画成する各シリンダ壁部分の前記クランク室23側の端部にそれぞれ前記上下のシリンダを連通させるオイル穴80を、半割りクランクケース19との合わせ面側から斜め上向きに形成したバーチカルエンジン。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 クランク軸をほぼ上下方向に指向させ、複数のシリンダを上下に直列に配設したシリンダブロックに一体に設けられたスカート部と該スカート部に合わせ面を合わせて取付けられた半割りのクランクケースとによってクランク室を形成した直列多気筒バーチカルエンジンにおいて、隣接する上下のシリンダを画成する各シリンダ壁部分の前記クランク室側の端部にそれぞれ前記上下のシリンダを連通させるオイル穴を、前記半割りクランクケースとの合わせ面側から斜め上向きに形成したことを特徴とするバーチカルエンジン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、クランク軸を上下方向に指向させたバーチカルエンジンに関する。 【0002】 【従来技術】例えば実開平3−21509号公報および実開平3−23609号公報に、クランク軸を上下方向に指向させたバーチカルエンジン(直立型エンジン)が開示されているが、このエンジンにおいては、クランク軸のエンジン本体から突出した下端部にフライホイールが設けられている。 【0003】上記フライホイールはフライホイール室内に収容され、該フライホイール室に連接してその下方に設けられたトランスミッションハウジング内に、エンジン潤滑用のオイルが収容されている。そしてこのオイルがフライホイール室に侵入しないよう、トランスミッションハウジング内とエンジン本体内とは、フライホイール室の外側を迂回して配設されたフィードパイプおよびリターンパイプによって連通され、トランスミッションハウジング内のオイルが上記フィードパイプを通ってクランク室上部のオイルポンプに送給され、戻りオイルはクランクカバー下端部付近に形成された油溜めから上記リターンパイプを経てトランスミッションハウジング内に戻るようになされている。 【0004】このエンジンにおいては、図面から分るように、複数のシリンダを上下方向に直列に配設し、かつシリンダ間を詰めたサイアミーズ型シリンダブロックが採用されている。 【0005】 【解決しようとする課題】このようなシリンダブロックにおいては、シリンダ間の壁の延長上に設けられるクランク軸受部分の厚さ(巾)がシリンダ間の壁の厚さより広くなるので、ピストン摺動によりクランク室内に掻き落されるオイルがクランク軸受部側の壁面に残留し易い。 【0006】そこで従来は、シリンダブロックの下方から穴明け加工をして、シリンダ間の各壁に上下のシリンダを連通するオイル戻り穴を形成していたが、前記のようにクランク軸の下端部にフライホイールを設けたエンジンにおいては、シリンダブロックの直下にフライホイール室があるので、このような下方からの穴明け加工によってオイル戻り穴を形成するわけにはいかず、従ってかかるオイル戻り穴を有しない構造とせざるを得ず、円滑なオイル循環を確保する上で問題があった。 【0007】 【課題を解決するための手段および作用】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明は、クランク軸をほぼ上下方向に指向させ、複数のシリンダを上下に直列に配設したシリンダブロックに一体に設けられたスカート部と該スカート部に合わせ面を合わせて取付けられた半割りのクランクケースとによってクランク室を形成した直列多気筒バーチカルエンジンにおいて、隣接する上下のシリンダを画成する各シリンダ壁部分の前記クランク室側の端部にそれぞれ前記上下のシリンダを連通させるオイル穴を、前記半割りクランクケースとの合わせ面側から斜め上向きに形成したバーチカルエンジンである。 【0008】上記オイル穴は、シリンダブロックのスカート部に、その開放された合わせ面側から穴明け工具を斜め上向きに差し向けることにより、クランク室底壁に穴を明けることなく形成できる。 【0009】これらのオイル穴は上記のようにそれぞれ単独に容易に形成することができ、各シリンダ内のオイルはこれらのオイル穴を通って順次下方へ流下し、クランク室底壁に排出される。 【0010】 【実施例】以下、本発明を船外機用のバーチカルエンジンに適用した一実施例について説明する。 【0011】図1は本発明によるバーチカルエンジンを搭載した船外機1の全体側面図である。1aは、エクステンションケース2、ギヤケース3等から成る船外機本体ケースで、上部に本発明によるエンジン4が搭載され、その上方をエンジンカバー5が覆っている。 【0012】船外機1は取付装置6を介して船尾7に取付けられている。取付装置6は船尾7にボルトを介して固定されたブラケット8と、該ブラケット8にその前端に横架されたチルト軸9を介して上下に揺動可能に枢着されたスイベルケース10とを備え、スイベルケース10にスイベル軸11が上下方向に指向して回動自在に枢支されている。船外機1はこのスイベル軸11に上下の連結部材12、12aを介して連結されている。 【0013】エンジン4のクランク軸13は上下方向に指向し、該クランク軸13に連結された駆動軸14がエクステンションケース2内を下方に延びてギヤケース3内に達している。駆動軸14の下端はギヤケース3内において前後進切換装置15を介してプロペラ軸16に連結され、プロペラ17がクランク軸13,駆動軸14,前後進切換装置15およびプロペラ軸16を経て伝達されるエンジン動力により回動駆動される。 【0014】図2はエンジン4の縦断面図、図3はエンジンカバー5内のエンジン4をその補機類とともに示した概略平面図である。前述のように、クランク軸13は上下方向に指向している。このエンジン4は、図1から分るように、クランク軸13を船外機1の前方(船側)寄りに、シリンダヘッドを後方寄りに位置させて搭載されている。すなわち図2,3においては右側が船外機1の前側に相当する。 【0015】エンジン4の本体部は、クランクケースの半部を形成するスカート部18aを一体に設けたシリンダブロック18、残りのクランクケース半部を形成する半割りクランクケース19,シリンダヘッド20およびシリンダヘッドカバー21により構成されている。半割りクランクケース19はその合わせ面をスカート部18aの合わせ面18cに当接させ、ボルト22によりスカート部18aに一体に連結されて、スカート部18aとともに内部にクランク室23を形成している。 【0016】シリンダブロック18内には4個のシリンダ24が上下に一列に配置されている。すなわちエンジン4は直列4気筒4サイクルエンジンで、それぞれのピストン25が連接棒26を介して上下方向に指向した1本のクランク軸13に連結されている。クランク軸13は、シリンダブロック18側と半割りクランクケース19側とに設けられボルト27により締結されて互いに対向する軸受部28a,28b間に挟まれて、クランク室23内に回転自在に枢支されている。 【0017】シリンダヘッド20に形成された動弁室29内にカム軸30が上下方向に配設されている。このカム軸30は、クランク軸13のクランク室23から突出した上端部13aに装着された駆動プーリ31と、カム軸30のシリンダヘッド20から突出した上端部に装着された被駆動プーリ32と、両プーリ31,32間に巻掛けられたベルト33とから成る巻掛け伝動装置を介して、クランク軸13により駆動される。クランク軸13の上端部13aには駆動プーリ31の上部にさらに発電機36が装着されている。 【0018】クランク軸13の、クランク室23の底壁を貫通して突出した下端部13bには前記駆動軸14が連結されている。該下端部13bにはさらに円板状のフライホイール34がねじ35により連結されて、エンジン本体部の下面に平行に延在している。このようにフライホイールをクランク軸の下端、駆動軸との連続部に設けることによりエンジンの捩り振動が低減する。 【0019】図3において、37は吸気弁、38は排気弁、39,39はロッカアームで、前記カム軸30によって開閉を制御されるこのような弁機構が各シリンダ24毎に設けられている。40はシリンダヘッド20に設けられた吸気ポートで、該吸気ポート40に接続された吸気管41がエンジン4の側面に沿って前方へ延びている。42は気化器、42aは吸気消音箱である。このような吸気管41が各シリンダ24毎に設けられ、エンジン4の側面に沿って上下方向に並設されている。 【0020】エンジン4の他方の側部には排気通路43が上下方向に延びており、この排気通路43に各シリンダ24に対応する排気ポート44が連通している。排気通路43はエクステンションケース2内を上下方向に延びる図示してない排気管の上端に連通されており、排気はこの排気管を通ってその下端から例えばプロペラのボス部を経て水中に放出される。 【0021】エンジン4の排気通路43と同じ側には、前方に電装品を納めた電装ボックス45が配設され、その下方にスタータモータ46が配設されている。45aは点火プラグコードで、シリンダヘッド20の側面の点火プラグに接続されている。スタータモータ46の出力軸46aは下方へ突出して前記フライホイール34の外周に設けられたリングギヤ47(図2)に歯車係合している。 【0022】図4はシリンダブロック18およびこれに結合された半割りクランクケース19から成るエンジン4の主ブロックの下面図であるが、同図ならびに前記図2および図3から分るように、シリンダブロック18の下部にはシリンダヘッドの回転平面に沿うようにエンジンの側方、船外機において左右方向へ張り出した張出し部48aが形成され、半割りクランクケース19の下部にも左右および反シリンダヘッド方向、船外機において前方へ張り出した張出し部48bが形成されている。これらの張出し部48a,48bの外周縁にはそれぞれ下方へ突出した囲壁49a,49bが設けられている。囲壁49a,49bは合わせ面18cにおいて互いに合わされて、主ブロック18,19の下面部に下方へ向って開いた皿状の部分を形成している(左右の囲壁49aはシリンダヘッド寄り、船外機において後方で互いに連結されている)。 【0023】シリンダブロック18の下面には、前記囲壁49aの内側にさらに、前記軸受部28に関してほぼ同心円状に囲壁50が突設されており、該囲壁50と囲壁49aとの間に下方へ向って開いた半環状の凹所51が形成されている。囲壁50の前端面は合わせ面18cの一部を形成し、半割りクランクケース19側の囲壁49bの分岐部49b1 の端面に合わされている。従って凹所51は前端において閉じられている。 【0024】図5はシリンダブロック18の半割りクランクケース19側の端部を示す端面図である。該端面にはスカート部18aから下方の張出し部48aへかけてその外郭に沿いパッキン面52が設けられている。22aは前記ボルト22を通すボルト穴である。またシリンダ側から延出してクランク室23の下部を画している底壁53の端面も、その両側の前記囲壁50の端面とともにパッキン面54となっている。底壁53の上面には左右2つのボス部55が突設され、後方のシリンダ部分側へ延びている。ボス部55の端面は前記パッキン面54の一部を形成し、かつこれらのボス部55にも前記と同様なボルト穴22aがそれぞれ設けられている。 【0025】半割りクランクケース19側にも上記パッキン面52,パッキン面54と同様なパッキン面が設けられており、これらのパッキン面を合わせてボルト22をボルト穴22aに挿通することにより、シリンダブロック18と半割りクランクケース19とが一体に結合されてクランク室23を形成する。すなわち前述の合わせ面18cはパッキン面52,パッキン面54によって形成されている。 【0026】前記クランク軸受部28aは、スカート部18aの内壁面から突出した軸受壁56に形成、支持されてスカート部18a内に配設されている。ただし、軸受部28aの端面はパッキン面52とほぼ同一面をなしているが、軸受壁56の端面はこれらの面より後方すなわちシリンダ側に引込んでいる。 【0027】最下位置の軸受部28a1 に対応する軸受壁561 は前記底壁53上にこれと一体に形成されているが、軸受部28a1 の下面は底壁53の上面より上方に位置し、軸受部28a1 と底壁53との間に隙間57が形成されている。底壁53のこの部分には比較的大径の半丸穴58が明けられており、軸受部28a1 を貫通したクランク軸13の拡径した下端部13bがシール部片59を介してこの丸穴58に嵌合する。従って隙間57はクランク軸下端部13bとシール部片59によって底壁53の下側から油密に遮断され、かつ軸受部28a1 の外周部は底壁53に接続しているので、同様な構造の半割りクランクケース19をクランク軸13を挟んで取付けた時、隙間57は周囲から密閉された閉空間となる。ただし上記軸受部28a1 の外周部と底壁53との接続部分の端面(半割りクランクケース19との合わせ面)に僅かな凹みを形成することにより、隙間57を左右両側において外側の底壁53の上面に連通させる連通穴60が形成されている。なお軸受壁56,561 はシリンダの側方における補強壁に連続するものである。 【0028】クランク軸下端部13bには、底壁53の下方において、フライホイール34が前述のようにして取付けられている。フライホイール34は、上方を底壁53および半割りクランクケース19側の張出し部48bの上壁によって覆われ(図2参照)、周囲を囲壁50およびこれに連接する囲壁49bによって囲まれたほぼ円形の下向きの凹所内に納められている。この凹所はフライホイール34を収容するフライホイール室61(図2)の上方部分を形成する。つまり底壁53の下面側はフライホイール室61の天井に相当する。 【0029】図2に示すように、囲壁49a,49b,50の下端面を連ねる面で形成される主ブロック18,19の平坦な下面にマウントケース62をボルトで取付け、該マウントケース62を介してエンジン4をエクステンションケース2に搭載してある。マウントケース62の上面には、図6に示すように、前記囲壁50に衝接する囲壁63aおよび前記囲壁49bに衝接する囲壁63bが連続した環状をなして突設され、これらの囲壁63a,63bによって囲まれた部分によって主ブロック側の前記フライホイール34を納めた凹所を下方から閉塞して、フライホイール室61を形成している。 【0030】さらに、前記囲壁49aに衝接する囲壁63cが突設され、囲壁63aと囲壁63cとの間に、前記凹所51に連接しかつ該凹所51を下方から閉塞する凹所51aが形成されている(図7参照)。 【0031】なお、囲壁50、63aの一方の側部には、図4に示すように、上方からフライホイール室61内に突出しフライホイール34のリングギヤ47に歯車係合するスタータモータ46の出力軸46a部分を納めるために、凹部64が設けられている。 【0032】マウントケース62は、左右方向に延びるマウントラバー65を介して左右1対の前記連結部材12に連結されている。マウントラバー65は、芯材65aと、これを取り巻くラバー65bとからなり、連結部材12は芯材65aにボルト連結されている。ラバー65bはボルト66によりフライホイール室61の底壁部分に締結された押え部材67により上方から押えられている。 【0033】マウントケース62の、前記フライホイール室61を構成する部分の下方かつ駆動軸14より後方寄りに形成された平坦な下面に、オイルパン68が取付けられて垂下し、エクステンションケース2内に納められている。マウントケース62の内部は、上記フライホイール室61を構成する部分62aと、オイルパン68に連通する部分62bとに区画されている。 【0034】下端にストレーナ69を有するオイル吸入管70がオイルパン68の底部から前記マウントケース62のオイル吸入通路71aを通って上方へ延び、シリンダブロック18の下部に形成されたオイル吸入通路71に接続されている。このオイル吸入通路71はカム軸30の下端に設けられ該カム軸30によって駆動されるオイルポンプ72の吸入口73に連通している。なお、オイル吸入管70はオイルパン連通部分62bおよび後述のオイル戻し口84を通りシリンダブロック18のオイル吸入通路71に接続してもよい。 【0035】オイルポンプ72によって加圧されたオイルは図1および図3に示すように、ポンプ出口72aから最下シリンダより下方に位置するオイル供給路91aを経てマウントケース62の有底状の中継部91b(図6参照)に送られる。ここまでは従来のバーチカルエンジンの潤滑経路と概ね同様である。中継部91bにおいてオイル供給路は上方へ立上り、最下シリンダから1シリンダ分上方において水平に延びるオイル供給路91cに連通し、オイルはこのオイル供給路91cを経て、半割りクランクケース19の前面、かつエンジンカバーとアンダケースとの合せ面5a(図1)より上方位置に取付けられたオイルフィルタ74に送られる。このようなオイル供給路の配置により、クランク室下方のフライホイールおよびフライホイール室や、それに伴いクランク室底壁上に設けられたオイル戻し通路があっても、それらと干渉することなく、シリンダヘッド側からクランク室側までオイルを送ることができる。また、オイルフィルタの取外し、交換作業も容易に行える。 【0036】オイルフィルタ74を出たオイルは、半割りクランクケース19の前面左右方向中央部に上下方向に配設されたオイル通路75に流入し、さらに油路76を通ってクランク軸13の各軸受部28に達しこれらの軸受部の軸受を潤滑する。このオイルはさらに、クランク軸13に穿設された油路77を通ってクランクピン軸受78およびシリンダ24内に達し、クランクピン軸受78およびシリンダ内面を潤滑する。また、オイル通路75の上部からクランク軸13を経てシリンダブロック18の上部を通り、シリンダヘッド20側に送られてカム軸30を潤滑する。 【0037】シリンダ24内に達したオイルはピストン25の摺動によってシリンダ内面に行き渡るとともに、クランク室23内に掻き落されるが、上下のシリンダ24を画するシリンダ壁部分79は、その厚さがこれに接続している軸受部28aの厚さ(巾)より薄いので、この部分に段部aが生じ、オイルがこの段部aに残留し易い。そこでこの部分に上下のシリンダ24,24を連通させるオイル穴80を穿設し、残留したオイルを下方のシリンダ24内に落すようにしてある。 【0038】このオイル穴80はシリンダブロック18のスカート部18aに、その開放された半割りクランクケース19との合わせ面側からドリル等の穴明け工具を斜め上向けに差し向けることにより、他の部分と干渉することなく容易に穿設することができる。従ってオイル穴80はシリンダ壁部分79の下面側から後方へ向って斜め上向きに形成されている。 【0039】同様なオイル穴80が下方の各シリンダ24間にも設けられており、各シリンダ24内のオイルはこれらのオイル穴80を通って順次下方へ流下し、最下方のシリンダ24に達する。最下方のシリンダ24にも上記オイル穴80と同様なオイル落し穴81が設けられているが、このオイル落し穴81は、シリンダの軸線を含む面内において、前記軸受部28a1 の軸受壁561 に穿設され(図5)、前記隙間57に開口している。該オイル落し穴81も半割りクランクケース19との合わせ面側から工具を斜め向きに差し向けることにより、パッキン面54に穴を明けることなく穿設することができる。 【0040】隙間57の下方はクランク軸13の拡径した下端部13bとシール部片59によって閉鎖されているので、オイル落し穴81を経て隙間57に流下したオイルは、下方のフライホイール34を収容したフライホイール室61に流入することなく、左右の前記連通穴60を通って底壁53の隣接する上面部分53a上に流出する。最下軸受部28a1 から直接オイルシール58上に出たオイルも同様に隙間57を抜けて戻される。 【0041】しかし、上記隣接上面部分53aはその外側をボス部55によって遮られているので、ここに流出したオイルを導くために、軸受壁561 を貫通して後方すなわちシリンダヘッド側へ延びるオイル戻し通路82が設けられている。オイル戻し通路82は、図4に示すように、囲壁50の上部位置まで達している。従ってオイル戻し通路82を通つたオイルは囲壁50の外側に形成された前記凹所51内に流入し、該凹所51を下側から受けている前記マウントケース62の凹所51a内に落下する。 【0042】ボス部55の外側においても、同様なオイル戻し通路83が軸受壁561 を貫通して設けられ、底壁53の外側に溜った戻りオイルをこのオイル戻し通路83を通じて凹所51a内に落すようにしてある。 【0043】このようにして、シリンダブロック18側の凹所51とマウントケース62側の凹所51aとにより、フライホイール室61の外側をシリンダブロック18と半割りクランクケース19との合わせ面付近から後方へかけて半環状に包囲するオイル戻し通路が形成されているが、このオイル戻し通路の底壁すなわち凹所51aの底壁51bは、図2および図7に示すように、後方へ向って下向きに傾斜しており、その最も低い最後部にオイル戻し口84が設けられ(図6)、マウントケース62の前記オイルパン連通部分62bに開口している。従って前記オイル戻し通路82,83を経て凹所51aに落下したオイルは、底壁51b上をオイル戻し口84側へ流れ、該オイル戻し口84からオイルパン連通部分62bを落下して、下方のオイルパン68内へ戻される。 【0044】このようにして、クランク室23とオイルパン68との間に、クランク室23下方のフライホイール室61をたくみに迂回したオイル戻し通路が、エンジンの大型化を招くことなく形成されている。さらに、このオイル戻し通路の出口すなわち前記オイル戻し口84は、底壁51bの傾斜により、クランク室23の底部より充分低い位置に設けられているので、船外機1の傾斜等によりクランク室23側が動弁室29側より低くなっても、クランク室23内のオイルを支障なくオイルパン68に戻すことができる。 【0045】カム軸30まわりを潤滑したオイルはオイル通路85を通ってオイル戻り口86に達し、オイル戻し通路87,オイル戻し管88を経てオイルパン68に戻される。 【0046】 【発明の効果】本発明によれば、クランク軸をほぼ上下方向に指向させ複数のシリンダを上下に直列に配設した直列多気筒バーチカルエンジンにおいて、シリンダ内に残留するオイルを良好にクランク室側へ戻して円滑なオイル循環を確保することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005326 【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成6年10月3日(1994.10.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067840 【弁理士】 【氏名又は名称】江原 望 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−161723(P2002−161723A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月7日(2002.6.7) |
| 【出願番号】 |
特願2001−306835(P2001−306835) |
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