| 【発明の名称】 |
エンジンバルブ及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 茂樹
【氏名】岩瀬 悟
【氏名】桜井 浩二
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、弁軸部の軸径に比べて弁傘部の径が大きいエンジンバルブを、低コストで生産することを課題ととする。
【解決手段】エンジンバルブ用の粉末材料を圧縮成形して成形体を成形し、成形体を加熱、焼結して焼結体を形成して、弁軸部1と弁頭部2が一体で真密度に対する相対密度が90%以上の焼結体を形成する。焼結体の弁頭部2を鍛造して弁傘部3を成形し、弁傘部3の真密度に対する相対密度を95%以上とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弁軸部に弁傘部を連設した焼結合金製のエンジンバルブにおいて、弁軸部の真密度に対する相対密度を90%以上とし、弁傘部の真密度に対する相対密度を95%以上としたことを特徴とするエンジンバルブ。 【請求項2】 エンジンバルブ用の粉末材料を圧縮成形して成形体を成形し、成形体を加熱、焼結して焼結体を形成し、焼結体を加熱して弁傘部の熱間鍛造を行うエンジンバルブの製造方法において、弁軸部と弁頭部が一体で真密度に対する相対密度が90%以上の焼結体を形成し、焼結体の弁頭部を鍛造して弁傘部を成形し、弁傘部の真密度に対する相対密度を95%以上としたことを特徴とするエンジンバルブの製造方法。 【請求項3】 エンジンバルブ用の粉末材料を圧縮成形して成形体を成形し、成形体を加熱、焼結して焼結体を形成するエンジンバルブの製造方法において、真密度に対する相対密度が焼結後95%以上になるように弁傘部を形成した後に、弁傘部の成形体に結合した弁軸部を弁軸部の真密度に対する相対密度を焼結後90%以上となるようにしたことを特徴とするエンジンバルブの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用等に用いられる内燃機関のエンジンバルブ及びその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】自動車等の内燃機関に装着されるエンジンバルブは、高温の燃焼雰囲気にさらされながら相当大きな荷重を受けるので、高温下での強度や当たり面の耐磨耗性にすぐれていることが求められている。更に、自動車の高速性能指向に伴い、エンジンバルブの軽量化が求められている。そして、エンジンバルブの軽量化のためには、弁軸部を細くし、弁軸部の軸径に比べて弁傘部の径を大きくすることが必要である。 【0003】弁軸部の軸径に比べて弁傘部の径が大きいエンジンバルブの製造方法が、特公平6−96177号公報に記載されている。この従来技術の第1の加工方法は、耐熱鋼の棒素材の一端を電気鍛縮工法(アップセット工法)によって高温高圧下で変形させて弁頭部を成形した後、熱間プレス加工により弁頭部を所定形状の弁傘部に成形する。そして、棒素材に冷間軸絞り加工を施して軸径を減少させ、細い弁軸部を形成する。 【0004】従来技術の第2の加工方法は、径の大きな耐熱鋼の素材を熱間押出工法によって、所望の軸径を有するステム部分を形成し、ステム部分の一端に押し出しされない弁頭部を残しておく。そして、弁頭部を熱間プレス加工によって弁傘部となし、ステム部分に冷間軸絞り加工を施して軸径を減少させ、細い弁軸部を形成する。この従来技術による第1,第2の加工方法は、弁軸部の軸径が5mm以下になると、冷間軸絞り加工用の金型の寿命が極端に短くなり、また軸長が長い場合は絞り加工が不可能となる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、弁軸部の軸径に比べて弁傘部の径が大きいエンジンバルブを、低コストで生産することを第1課題とし、このエンジンバルブの弁軸部の軸径が5mm以下であってもエンジンバルブを効率よく生産することを第2課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、弁軸部に弁傘部を連設した焼結合金製のエンジンバルブにおいて、弁軸部の真密度に対する相対密度を90%以上とし、弁傘部の真密度に対する相対密度を95%以上としたことを第1の構成とする。本発明は、エンジンバルブ用の粉末材料を圧縮成形して成形体を成形し、成形体を加熱、焼結して焼結体を形成し、焼結体を加熱して弁傘部の熱間鍛造を行うエンジンバルブの製造方法において、弁軸部と弁頭部が一体で真密度に対する相対密度が90%以上の焼結体を形成し、焼結体の弁頭部を鍛造して弁傘部を成形し、弁傘部の真密度に対する相対密度を95%以上としたことを第1の製造方法とする。本発明は、エンジンバルブ用の粉末材料を圧縮成形して成形体を成形し、成形体を加熱、焼結して焼結体を形成するエンジンバルブの製造方法において、真密度に対する相対密度が焼結後95%以上になるように弁傘部を形成した後に、弁傘部の成形体に結合した弁軸部を弁軸部の真密度に対する相対密度を焼結後90%以上となるようにしたこと第2の製造方法とする。 【0007】 【発明の実施の形態】図1は、本発明のエンジンバルブの製造方法の実施の形態第1を示す。実施の形態第1は、弁軸部1と弁頭部2が一体で真密度に対する相対密度が90%以上の焼結体を形成し(図1(a) 参照)、焼結体の弁頭部2を鍛造して弁傘部3を成形し、弁傘部3の真密度に対する相対密度を95%以上とした(図1(b) 参照)製造方法である。弁軸部1及び弁傘部3の相対密度は、それぞれの全体を略均一とする。 【0008】十分に混合した所定組成のエンジンバルブ用の粉末材料を、圧縮成形して成形体を形成し、この成形体を加熱、焼結して、弁軸部1と弁頭部2を有する図1(a) の形状の焼結体(オニオン)を形成する。粉末材料として、耐熱鋼(例えば、JISのSUH11,SUH3,SUH35,SUH36等)などの鋼(JISのSCM440等の構造用鋼などを含む)、チタン合金(例えば、Ti6A14V,Ti6A12Sn4Zr2Mo等のほか、これらをマトリックスにしたTiBもしくはTiCを1〜30質量%含む金属間複合材料など)、アルミ合金、Ni合金などの粉末が用いられる。 【0009】圧縮成形の方法として、CIP(冷間静水圧プレス)、RIP(ゴム型静水圧プレス)、射出成形法などの方法が選択されるが、図1(a) のエンジンバルブの素粗形材の成形には、ゴム型による成形法(例えばCIP)が適している。 【0010】例えば、粉末材料としてチタン粉末を用い、真密度に対する相対密度が90%以上の焼結体を形成するための条件は次の通りである。成形圧力は、0.5トン/cm2 以上、望ましくは1トン/cm2 である。焼結温度は、1200℃〜1400℃であり、図4にデータを示すエンジンバルブは焼結温度1300℃のものである。焼結時間は、2〜10時間で材質に適した時間を選定することとし、図4にデータを示すエンジンバルブは焼結時間4時間のものである。 【0011】図1(a) の焼結体を鍛造温度まで加熱し、据込鍛造により焼結体の弁頭部2を弁傘部成形用の金型により塑性変形をさせ、図1(b)の粗形材の弁傘部3を成形する。加熱温度が高すぎると変形しやすくなるが、結晶粒が大きくなるなど材質の劣化をまねく。また、加熱温度が低いと残留応力が生じて内部割れなどの原因となる。鍛造により焼結体が高度に圧縮されるため、焼結により発生した焼結体内部の空孔が圧壊され、組織が緻密になって密度が高くなり、強度が向上する。 【0012】弁傘部3の真密度に対する相対密度を95%以上にするための、熱間鍛造の条件は次の通りである。加熱温度は1000℃以上であり、図4にデータを示すエンジンバルブは、チタン粉末の焼結体を1200℃に加熱して鍛造したものである。なお、加熱方法は、高周波加熱,火炎加熱など1000℃以上に加熱できる方法とする。また、図4にデータを示すエンジンバルブは、チタン粉末の焼結体を成形荷重150トンで鍛造したものである。図1(b)の粗形材を加工して、図1(c) に示すエンジンバルブの完成品を製造する。 【0013】図2・図3は、本発明のエンジンバルブの製造方法の実施の形態第2を示す。実施の形態第2は、真密度に対する相対密度が焼結後95%以上になるように弁傘部の成形体を成形した後に、弁傘部の成形体に結合した弁軸部の成形体を弁軸部の真密度に対する相対密度を焼結後90%以上となるようにする製造方法である。弁軸部1及び弁傘部3の相対密度は、それぞれの全体を略均一とする。 【0014】弁傘部3の成形体12の成形には、図3(a) に示す成形型4、成形型5及び成形型6からなり、中央に弁傘部の形状のキャビティ10を有する装置を用いる。十分に混合した所定組成のエンジンバルブ用の粉末材料をキャビティ10に充填し、成形型4、成形型5及び成形型6を用いて圧縮成形して(図2(a) 参照)、真密度に対する相対密度が焼結後95%以上になるように弁傘部の成形体12を成形する。弁傘部3の成形体の粉末材料及び圧縮成形の方法は、実施の形態第1と同様である。なお、粉末材料としてチタン粉末を用い、真密度に対する相対密度を焼結後95%以上の弁傘部3の成形体12を形成するための条件は、成形圧力が3トン/cm2 以上である。 【0015】エンジンバルブ成形体の成形には、図3(b) に示す成形型7、成形型8及び成形型9からなり、中央にエンジンバルブの形状のキャビティ11を有する装置を用いる。先に成形された弁傘部3の成形体12を、キャビティ11の弁傘部の形状の部分(図2(b) ではキャビティ11の上方部)に装着する。成形型7の一端部(図2(b) では上端部)に成形型8を嵌合し、成形体12の一端に成形型8の内側を接触させる。 【0016】キャビティ11の残りの部分(弁軸部の形状の部分)に、十分に混合した所定組成のエンジンバルブ用の粉末材料を充填し(粉末材料は成形体12の下面に接触している)、成形型7の他端部(図2(b) では下端部)に成形型9を嵌合する。成形型7、成形型8及び成形型9を用いて圧縮成形して(図2(b) 参照)、真密度に対する相対密度が焼結後90%以上になるように弁傘部の成形体12を成形する。こうして、真密度に対する相対密度が焼結後95%以上になるように成形された圧弁傘部3の成形体12と、真密度に対する相対密度を焼結後90%以上になるように成形された弁軸部1の成形体13とが、一体になったエンジンバルブの成形体が成形される。弁軸部1の成形体13の粉末材料及び圧縮成形の方法は、実施の形態第1と同様である。 【0017】弁傘部3の成形体12と弁軸部1の成形体13とが一体になったエンジンバルブの成形体を焼結炉で焼結し、図2(c) に示す弁軸部1と弁傘部3とが一体の焼結体で形成される。焼結体を形成する条件は、実施の形態第1と同一である。弁傘部3の真密度に対する相対密度が95%以上で、弁軸部の真密度に対する相対密度を焼結後90%以上のエンジンバルブ粗形材が出来上がる。図2(c) の粗形材を加工して、図2(d) に示すエンジンバルブの完成品を製造する。 【0018】エンジンバルブは、その作動時、特に着座時に、エンジンバルブが傾いていること、相手シートが変形していること、異物が噛み込むこと等の原因により、弁傘部に曲げ応力が作用する。そのため、弁傘部には耐力が要求される。本発明によれば、相対密度に対する耐力は、図4に示すとおりであり、弁傘部の相対密度が95%以上であると、耐力が約720MPa以上であり、弁傘部に要求される耐力を満たしている。また、図4によれば、弁軸部の相対密度が90%以上であると、耐力が550MPa以上であり、弁軸部と弁傘部との耐力のバランスがよい。 【001 9】 【発明の効果】本発明の製造方法によれば、弁軸部の軸径に比べて弁傘部の径が大きいエンジンバルブを、低コストで生産することができ、このエンジンバルブの弁軸部の軸径が5mm以下であってもエンジンバルブを効率よく生産することができる。また、本発明のエンジンバルブは、弁傘部の耐力が十分であり、弁軸部と弁傘部との耐力のバランスがよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000116574 【氏名又は名称】愛三工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年12月4日(2000.12.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100804 【弁理士】 【氏名又は名称】堀 宏太郎 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2002−168104(P2002−168104A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月14日(2002.6.14) |
| 【出願番号】 |
特願2000−368099(P2000−368099) |
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