| 【発明の名称】 |
内燃機関の可変動弁機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】川瀬 弘幸
【氏名】守谷 嘉人
【氏名】金子 計司
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| 【要約】 |
【課題】内燃機関の吸気バルブや排気バルブのバルブ特性を可変とするアクチュエータが広範囲の内燃機関の運転状態に対処できるようにする。
【解決手段】吸気カムシャフト45の軸方向駆動に対しては、油圧式リフト量可変アクチュエータ101と電気式リフト量可変アクチュエータ102とが設けられている。したがって油圧不足で油圧式リフト量可変アクチュエータ101では不都合な場合には電気式リフト量可変アクチュエータ102にて吸気カムシャフト45を軸方向に駆動することができる。また油圧が十分にあり電気エネルギーを用いたのでは燃費が悪化する状態では、電気式リフト量可変アクチュエータ102への電力出力は停止して、油圧式リフト量可変アクチュエータ101にて吸気カムシャフト45を軸方向に駆動することができる。このことによりエンジンの広範囲の運転状態に対処できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】吸気バルブ及び排気バルブの一方あるいは両方のバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構であって、前記バルブ特性を油圧により可変とする油圧式アクチュエータと、前記バルブ特性を電力により可変とする電気式アクチュエータと、を備えたことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。 【請求項2】軸方向にカムプロフィールが変化するカムを備えたカムシャフトの軸方向位置を調整することにより、前記カムにより駆動される吸気バルブ及び排気バルブの一方あるいは両方のバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構であって、前記カムシャフトを油圧により軸方向へ移動させる油圧式アクチュエータと、前記カムシャフトを電力により軸方向へ移動させる電気式アクチュエータと、を備えたことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。 【請求項3】クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相差を調整することにより、前記カムシャフトに設けられたカムにより駆動される吸気バルブ及び排気バルブの一方あるいは両方のバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構であって、クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相差を油圧により変更する油圧式アクチュエータと、クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相差を電力により変更する電気式アクチュエータと、を備えたことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。 【請求項4】内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブの一方あるいは両方のバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構であって、内燃機関のクランクシャフトにより回転駆動されるカムシャフトと、前記カムシャフトに設けられたカムと、前記カムシャフトとは異なる軸にて揺動可能に支持され、入力部と出力部とを有することで前記カムにより入力部が駆動されると出力部にて前記バルブを駆動する仲介駆動機構と、前記仲介駆動機構の入力部と出力部との相対位相差を油圧により変更する油圧式アクチュエータと、前記仲介駆動機構の入力部と出力部との相対位相差を電力により変更する電気式アクチュエータと、を備えたことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。 【請求項5】請求項1〜4のいずれか記載の構成に対して、バルブ特性を変更する際に、内燃機関の運転状態に応じて前記油圧式アクチュエータ及び前記電気式アクチュエータの一方あるいは両方を選択して用いるアクチュエータ選択手段を備えたことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。 【請求項6】請求項5記載の構成において、前記アクチュエータ選択手段は、内燃機関が始動時または暖機中である場合には、前記電気式アクチュエータのみ、または前記電気式アクチュエータ及び前記油圧式アクチュエータの両者を選択して用い、他の場合には前記油圧式アクチュエータのみを選択して用いることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。 【請求項7】請求項5記載の構成において、前記アクチュエータ選択手段は、油圧式アクチュエータ及び電気式アクチュエータの一方の駆動が困難となった場合には、油圧式アクチュエータ及び電気式アクチュエータの他方を選択して用いることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。 【請求項8】請求項5記載の構成において、前記アクチュエータ選択手段は、内燃機関の運転状態に応じてバルブ特性を急変させる要求がある場合には、油圧式アクチュエータ及び電気式アクチュエータの両方を選択して用いることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。 【請求項9】請求項1,2,4〜8のいずれか記載の内燃機関の可変動弁機構は、前記バルブ特性として吸気バルブのバルブリフト量を変更することにより、スロットルバルブに代えて吸入空気量調整を行うものであることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブの一方あるいは両方のバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構に関する。 【0002】 【従来の技術】内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブの一方あるいは両方のバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構が知られている(特開平10−317927号公報、特開平9−32519号公報)。これらの可変動弁機構は、内燃機関により駆動されるオイルポンプにより発生する油圧を用いて、油圧式アクチュエータを駆動している。この油圧式アクチュエータの駆動によりカムシャフトの軸方向位置やクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相差を調整することにより、吸気バルブ及び排気バルブの一方あるいは両方のバルブ特性を可変としている。また、電動モータ等の電力を利用した電気式アクチュエータにより、カムシャフトの軸方向位置を調整する可変動弁機構も知られている(特開平7−269319号公報)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、前者のごとく油圧を用いたものは機関始動時や暖機中においては、オイルポンプが発生する油圧が低かったり、オイルの粘性が高くて油圧式アクチュエータまで十分に高い油圧を供給することができなくなることがある。この場合には内燃機関制御が要求通りになされず、安定した内燃機関の運転が不可能となるおそれがある。そして後者のごとく電気式アクチュエータを利用したものは内燃機関の出力を一旦電気エネルギーに変換しているため、変換時にエネルギーロスが生じる。このため油圧式アクチュエータを用いたものに比較してエネルギー消費が多くなり、燃費が悪化するおそれがある。 【0004】また、従来技術のごとく油圧系統あるいは電気系統を用いている場合には、何らかの原因で油圧系統あるいは電気系統が機能しない状況が発生すると、直ちにアクチュエータが駆動しなくなり、内燃機関の運転が不可能となるおそれがある。 【0005】更に、運転状態によってはこれらのアクチュエータによりバルブ特性を高速に変更させたい場合もある。従来の構成ではこのような要求に対応することができず、低応答性とならざるを得ない場合がある。 【0006】本発明は、このような内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブの一方あるいは両方のバルブ特性を可変とするアクチュエータが、上述したごとくの広範囲の内燃機関の運転状態に対処できることにより、上述した問題点を解決することが可能な内燃機関の可変動弁機構の提供を目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。請求項1記載の内燃機関の可変動弁機構は、吸気バルブ及び排気バルブの一方あるいは両方のバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構であって、前記バルブ特性を油圧により可変とする油圧式アクチュエータと、前記バルブ特性を電力により可変とする電気式アクチュエータとを備えたことを特徴とする。 【0008】このように同一バルブに対して油圧式アクチュエータと電気式アクチュエータとが設けられ、バルブ特性を可変としている。したがって、油圧式アクチュエータの駆動では不都合な運転状態では電気式アクチュエータを駆動し、電気式アクチュエータの駆動では不都合な運転状態では油圧式アクチュエータを駆動する。また、必要に応じて油圧式アクチュエータと電気式アクチュエータとの両方を駆動する。このことにより広範囲の内燃機関運転状態に対処できる。 【0009】請求項2記載の内燃機関の可変動弁機構は、軸方向にカムプロフィールが変化するカムを備えたカムシャフトの軸方向位置を調整することにより、前記カムにより駆動される吸気バルブ及び排気バルブの一方あるいは両方のバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構であって、前記カムシャフトを油圧により軸方向へ移動させる油圧式アクチュエータと、前記カムシャフトを電力により軸方向へ移動させる電気式アクチュエータとを備えたことを特徴とする。 【0010】このように同一カムシャフトに対して油圧式アクチュエータと電気式アクチュエータとが設けられ、カムシャフトを軸方向へ移動可能としている。したがって、油圧式アクチュエータの駆動では不都合な運転状態では電気式アクチュエータを駆動し、電気式アクチュエータの駆動では不都合な運転状態では油圧式アクチュエータを駆動する。また、必要に応じて油圧式アクチュエータと電気式アクチュエータとの両方を駆動する。このことにより広範囲の内燃機関運転状態に対処できる。 【0011】請求項3記載の内燃機関の可変動弁機構は、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相差を調整することにより、前記カムシャフトに設けられたカムにより駆動される吸気バルブ及び排気バルブの一方あるいは両方のバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構であって、クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相差を油圧により変更する油圧式アクチュエータと、クランクシャフトに対する前記カムシャフトの相対回転位相差を電力により変更する電気式アクチュエータとを備えたことを特徴とする。 【0012】このように同一カムシャフトに対して油圧式アクチュエータと電気式アクチュエータとが設けられ、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相差を調整可能としている。したがって、油圧式アクチュエータの駆動では不都合な運転状態では電気式アクチュエータを駆動し、電気式アクチュエータの駆動では不都合な運転状態では油圧式アクチュエータを駆動する。また、必要に応じて油圧式アクチュエータと電気式アクチュエータとの両方を駆動する。このことにより広範囲の内燃機関運転状態に対処できる。 【0013】請求項4記載の内燃機関の可変動弁機構は、内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブの一方あるいは両方のバルブ特性を可変とする内燃機関の可変動弁機構であって、内燃機関のクランクシャフトにより回転駆動されるカムシャフトと、前記カムシャフトに設けられたカムと、前記カムシャフトとは異なる軸にて揺動可能に支持され、入力部と出力部とを有することで前記カムにより入力部が駆動されると出力部にて前記バルブを駆動する仲介駆動機構と、前記仲介駆動機構の入力部と出力部との相対位相差を油圧により変更する油圧式アクチュエータと、前記仲介駆動機構の入力部と出力部との相対位相差を電力により変更する電気式アクチュエータとを備えたことを特徴とする。 【0014】このように同一仲介駆動機構に対して油圧式アクチュエータと電気式アクチュエータとが設けられ、仲介駆動機構の入力部と出力部との相対位相差を変更可能としている。したがって、油圧式アクチュエータの駆動では不都合な運転状態では電気式アクチュエータを駆動し、電気式アクチュエータの駆動では不都合な運転状態では油圧式アクチュエータを駆動する。また、必要に応じて油圧式アクチュエータと電気式アクチュエータとの両方を駆動する。このことにより広範囲の内燃機関運転状態に対処できる。 【0015】請求項5記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項1〜4のいずれか記載の構成に対して、バルブ特性を変更する際に、内燃機関の運転状態に応じて前記油圧式アクチュエータ及び前記電気式アクチュエータの一方あるいは両方を選択して用いるアクチュエータ選択手段を備えたことを特徴とする。 【0016】このようなアクチュエータ選択手段を用いることにより、内燃機関の運転状態に応じて油圧式アクチュエータと電気式アクチュエータとの一方または両方を駆動することができるようになり、広範囲の内燃機関運転状態に対処できる。 【0017】請求項6記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項5記載の構成において、前記アクチュエータ選択手段は、内燃機関が始動時または暖機中である場合には、前記電気式アクチュエータのみ、または前記電気式アクチュエータ及び前記油圧式アクチュエータの両者を選択して用い、他の場合には前記油圧式アクチュエータのみを選択して用いることを特徴とする。 【0018】アクチュエータ選択手段がこのように選択制御することにより、内燃機関の始動時や暖機中では、電気式アクチュエータのみ、または前記電気式アクチュエータ及び前記油圧式アクチュエータの両者の駆動となるため、油圧供給不足が問題なくなり、安定した内燃機関運転が可能となる。また、これ以外の運転状態の場合は、電気式アクチュエータよりもエネルギーロスの少ない油圧式アクチュエータのみの駆動となるので燃費を悪化することがない。 【0019】請求項7記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項5記載の構成において、前記アクチュエータ選択手段は、油圧式アクチュエータ及び電気式アクチュエータの一方の駆動が困難となった場合には、油圧式アクチュエータ及び電気式アクチュエータの他方を選択して用いることを特徴とする。 【0020】アクチュエータ選択手段がこのように選択制御することにより、油圧系統または電気系統が故障した場合等のように、一方のアクチュエータの駆動が困難となった場合には、これらのアクチュエータの内で機能する方を用いることにより、内燃機関の可変動弁機構を継続して機能させることができるので内燃機関制御が要求通りになされ、内燃機関の運転継続が可能となる。 【0021】請求項8記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項5記載の構成において、前記アクチュエータ選択手段は、内燃機関の運転状態に応じてバルブ特性を急変させる要求がある場合には、油圧式アクチュエータ及び電気式アクチュエータの両方を選択して用いることを特徴とする。 【0022】アクチュエータ選択手段がこのように選択制御することにより、運転状態によって、油圧式アクチュエータ及び電気式アクチュエータの両方を駆動して可変動弁機構を高速駆動することができる。このため必要に応じてバルブ特性を急変させることができ、応答性を可変とする可変動弁制御を実現することができる。 【0023】請求項9記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項1,2,4〜8のいずれか記載の内燃機関の可変動弁機構は、前記バルブ特性として吸気バルブのバルブリフト量を変更することにより、スロットルバルブに代えて吸入空気量調整を行うものであることを特徴とする。 【0024】このように吸気バルブのバルブリフト量を可変としてスロットルバルブに代えて吸入空気量調整を行う場合には、上述したごとく広範囲の内燃機関運転状態に対処することが、良好な内燃機関制御を実行する上で必要となるため、特に効果的である。 【0025】 【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、上述した発明が適用された可変動弁機構を備えた内燃機関としてのガソリンエンジン(以下、「エンジン」と略す)2及びその制御系統の概略構成を表すブロック図である。 【0026】エンジン2は、自動車走行駆動用として自動車に搭載されているものである。このエンジン2は、シリンダブロック4、ピストン(図示略)及びシリンダブロック4上に取り付けられたシリンダヘッド8等を備えている。シリンダブロック4には4つの気筒2aが形成され、各気筒2aには、シリンダブロック4、ピストン及びシリンダヘッド8にて区画された燃焼室10が形成されている。 【0027】そして各燃焼室10には、それぞれ第1吸気バルブ12a、第2吸気バルブ12b、第1排気バルブ16a及び第2排気バルブ16bが配置されている。この内、第1吸気バルブ12aは第1吸気ポート14aを開閉し、第2吸気バルブ12bは第2吸気ポート14bを開閉し、第1排気バルブ16aは第1排気ポート18aを開閉し、第2排気バルブ16bは第2排気ポート18bを開閉するように配置されている。 【0028】各気筒2aの第1吸気ポート14a及び第2吸気ポート14bは吸気マニホールド30内に形成された吸気通路30aを介してサージタンク32に接続されている。各吸気通路30aにはそれぞれフューエルインジェクタ34が配置されて、第1吸気ポート14a及び第2吸気ポート14bに対して必要な量の燃料を噴射可能としている。 【0029】また、サージタンク32は吸気ダクト40を介してエアクリーナ42に連結されている。なお、吸気ダクト40内にはスロットルバルブは配置されていない。アクセルペダル74の操作やアイドルスピードコントロール時のエンジン回転数NEに応じた吸入空気量制御は、第1吸気バルブ12a及び第2吸気バルブ12bのリフト量を調整することによりなされる。 【0030】この吸気バルブ12a,12bのリフト量の調整は、図2に示すリフト量可変アクチュエータ100により、吸気カムシャフト45に転がり軸受103aを介して接続されている補助シャフト103を軸方向に移動することによりなされる。転がり軸受103aは、吸気カムシャフト45の回転に対して補助シャフト103が連動して回転しないようにするものであり、補助シャフト103の軸方向の移動に対してのみ吸気カムシャフト45が連動するように設けられている。 【0031】ここで吸気カムシャフト45に設けられた吸気カム45aは軸方向にプロフィールの異なる3次元カムとして構成され、このプロフィールの違いにより図3に示すごとくリフト量を可変としている。なおリフト量の最低は「0」、すなわち、吸気カム45aが回転しても吸気バルブ12a,12bを閉じたままとすることができる。また、吸気バルブ12a,12bのバルブタイミングについては回転位相差可変アクチュエータ110によりエンジン2の運転状態に応じて進角の程度が調整される。 【0032】なお、各気筒2aの第1排気ポート18aを開閉している第1排気バルブ16a、及び第2排気ポート18bを開閉している第2排気バルブ16bは、エンジン2の回転に伴う排気カムシャフト(図示略)に設けられた排気カムの回転により、一定のリフト量で開閉されている。そして、各気筒2aの第1排気ポート18a及び第2排気ポート18bは排気マニホルド48に連結されている。このことにより排気を触媒コンバータ50を介して外部に排出している。 【0033】電子制御ユニット(以下、ECUと称する)60は、デジタルコンピュータからなり、双方向性バスを介して相互に接続されたCPU(マイクロプロセッサ)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、入力ポート及び出力ポートを備えている。 【0034】ECU60の入力ポートへは、アクセル開度センサ76により出力されるアクセルペダル74の踏み込み量(以下、「アクセル開度ACCP」と称する)に比例した出力電圧、上死点センサ80により1番気筒が吸気上死点に達したときに出力されるパルス、クランク角センサ82によりクランクシャフトが30°回転する毎に出力されるパルス、吸入空気量センサ84により出力される吸気ダクト40を流れる吸入空気量GAに対応した出力電圧、エンジン2のシリンダブロック4に設けられた水温センサ86により出力されるエンジン2の冷却水温度THWに応じた出力電圧、排気マニホルド48に設けられた空燃比センサ88により出力される空燃比に応じた出力電圧、後述するリフト量可変アクチュエータ100により移動する吸気カムシャフト45の軸方向変位を検出するシャフト位置センサ90により出力される軸方向変位に応じた出力電圧、吸気バルブ12a,12bを駆動する吸気カム45aのカム角を検出するカム角センサ92からの出力パルスが入力している。なお、ECU60では上死点センサ80の出力パルスとクランク角センサ82の出力パルスから現在のクランク角が計算され、クランク角センサ82の出力パルスの頻度からエンジン回転数NEが計算される。 【0035】なお、これ以外にECU60の入力ポートには、各種の信号が入力されているが、本実施の形態1では説明上重要でないので図示省略している。またECU60の出力ポートは、対応する駆動回路を介して各フューエルインジェクタ34に接続され、ECU60はエンジン2の運転状態に応じて各フューエルインジェクタ34の開弁制御を行い、燃料噴射時期制御や燃料噴射量制御を実行している。 【0036】更にECU60の出力ポートは駆動回路を介して第1オイルコントロールバルブ104に接続され、ECU60は要求吸気量等のエンジン2の運転状態に応じて油圧制御によりリフト量可変アクチュエータ100を制御している。更にECU60は出力ポートの駆動回路を介して直接電気信号によっても、要求吸気量等のエンジン2の運転状態に応じてリフト量可変アクチュエータ100を制御している。 【0037】更にECU60の出力ポートは駆動回路を介して第2オイルコントロールバルブ109に接続され、ECU60はエンジン2の運転状態に応じて、油圧制御により回転位相差可変アクチュエータ110を制御している。このことにより、吸気バルブ12a,12bのリフト量とバルブタイミングとがECU60により制御されて吸入空気量制御及びその他の制御(例えば、体積効率向上や内部EGR量の制御等)が実行されている。 【0038】ここで吸気バルブ12a,12bの可変動弁機構であるリフト量可変アクチュエータ100及び回転位相差可変アクチュエータ110について説明する。図2ではリフト量可変アクチュエータ100は、上下に2つ描かれているが、一体のものであり、下側が縦断面図を表し、上側は水平断面図を表している。また回転位相差可変アクチュエータ110についても左右に2つ描かれているが、一体のものであり、右側が正面図を表し、左側は正面図におけるI−I断面図を表している。 【0039】ここでリフト量可変アクチュエータ100は、図4(A)の水平断面図及び(B)の縦断面図に示すごとく油圧式リフト量可変アクチュエータ101と電気式リフト量可変アクチュエータ102とから構成されている。 【0040】油圧式リフト量可変アクチュエータ101は、筒状をなすシリンダチューブ101aと、シリンダチューブ101a内に設けられたピストン101bと、シリンダチューブ101aの両端開口部を塞ぐように設けられた一対のエンドカバー101c,101dとから構成されている。このシリンダチューブ101aは図示左側のエンドカバー101cにてシリンダヘッド8に固定されている。 【0041】ピストン101bにはエンドカバー101c,101dを貫通した補助シャフト103が連結されている。したがってピストン101bの移動に補助シャフト103は連動して軸方向に移動することになる。このことにより、転がり軸受103aを介して吸気カムシャフト45がピストン101bの移動に連動することになる。 【0042】シリンダチューブ101a内は、ピストン101bにより第1圧力室101e及び第2圧力室101fに区画されている。 第1圧力室101eには、一方のエンドカバー101cに形成された第1給排通路101gが接続され、第2圧力室101fには、他方のエンドカバー101dに形成された第2給排通路101hが接続されている。 【0043】第1給排通路101g及び第2給排通路101hを介して、第1圧力室101eと第2圧力室101fとに対し選択的に作動油を供給すると、ピストン101bは補助シャフト103の軸方向に移動する。従ってこのピストン101bの移動に伴い、補助シャフト103と転がり軸受103aとを介して吸気カムシャフト45は軸方向へ移動することになる。 【0044】第1給排通路101g及び第2給排通路101hは第1オイルコントロールバルブ104に接続されている。この第1オイルコントロールバルブ104には更に供給通路106及び排出通路107が接続されている。そして供給通路106はエンジン2のクランクシャフトの回転により駆動されるオイルポンプPを介してオイルパン108に接続されており、排出通路107はオイルパン108に直接接続されている。 【0045】この第1オイルコントロールバルブ104は、電磁ソレノイド式4ポート3位置切替弁である。電磁ソレノイドの消磁状態(以下、「低リフト駆動状態」と称する)では、第1圧力室101e内の作動油は排出通路107を介してオイルパン108内へ戻される。第2圧力室101f内へは供給通路106を介してオイルポンプPから作動油が供給される。また、電磁ソレノイドが100%励磁された状態(以下、「高リフト駆動状態」と称する)では、第1圧力室101e内へは供給通路106を介してオイルポンプPから作動油が供給される。第2圧力室101fの作動油は排出通路107を介してオイルパン108内へ戻される。更に、電磁ソレノイドへの給電を中程度の状態(以下、「中立状態」と称する)に制御すると、圧力室101e,101fは供給通路106にも排出通路107にも接続されずに密封される。 【0046】したがって、第1オイルコントロールバルブ104を低リフト駆動状態にすることにより、ピストン101bを図2の左側へ移動させることができる。このことにより、補助シャフト103及び転がり軸受103aを介して吸気カムシャフト45を図2における左側に移動させて、吸気カム45aに対するカムフォロア45bの接触位置を、リフト量が小さいプロフィール側に移動させ、吸気バルブ12a,12bのリフト量を小さくできる。 【0047】また逆に第1オイルコントロールバルブ104を高リフト駆動状態にすることにより、ピストン101bを図2の右側へ移動させることができる。このことにより、吸気カムシャフト45を図2における右側に移動させて、吸気カム45aに対するカムフォロア45bの接触位置を、リフト量が大きいプロフィール側に移動させ、吸気バルブ12a,12bのリフト量を大きくできる。 【0048】また電磁ソレノイドの給電制御により第1オイルコントロールバルブ104を中立状態にすると、両圧力室101e,101fともに内部が密封されて作動油の移動が禁止される。このことにより、ピストン101b及び補助シャフト103は固定されるので、吸気カムシャフト45は軸方向での位置が固定される。すなわち吸気バルブ12a,12bのリフト量が一定に維持される。 【0049】なお第1オイルコントロールバルブ104の電磁ソレノイドへの給電をデューティ制御して第1オイルコントロールバルブ104のポート開度を調整することで、第1圧力室101eまたは第2圧力室101fへの作動油の供給速度を制御することができる。 【0050】次に電気式リフト量可変アクチュエータ102について説明する。図4(A),(B)に示したごとく電気式リフト量可変アクチュエータ102は、油圧式リフト量可変アクチュエータ101のシリンダチューブ101aよりも小径に形成されて油圧式リフト量可変アクチュエータ101のエンドカバー101dに固定されているシリンダチューブ102aと、このシリンダチューブ102a内に配置された第1クランプ102bと第2クランプ102eとを備えている。第1クランプ102bは偶数個(ここでは2個)が中心に向かって相互に対面するように、シリンダチューブ102aの内周面に固定されている。そして第1クランプ102bの基部には把持用積層型PZT102cが、シリンダチューブ102aの径方向を伸縮方向として配置されている。把持用積層型PZT102cの先端側には爪部102dが形成されている。このためECU60からのクランプA信号が「ON」となり把持用積層型PZT102cが伸びた場合には、把持用積層型PZT102cは爪部102dにて、シリンダチューブ102aの中心に配置されている補助シャフト103を周囲から把持する。一方、ECU60からのクランプA信号が「OFF」となれば、把持用積層型PZT102cが元に戻ってシリンダチューブ102aの中心に配置されている補助シャフト103を解放する。図4(A)はクランプA信号が「OFF」の状態を示している。 【0051】第2クランプ102eは、偶数個(ここでは2個)が油圧式リフト量可変アクチュエータ101の一方のエンドカバー101dに固定されて、相互に対面する位置にてシリンダチューブ102aの内周面に沿って軸方向に形成されている。第2クランプ102eの基部には移動用積層型PZT102fが、シリンダチューブ102aの軸方向を伸縮方向として配置されている。ECU60からの変位信号が「ON」となると移動用積層型PZT102fは図示右側に伸びる。この場合変位信号の電圧により伸び量は調整可能となっている。そしてECU60からの変位信号が「OFF」となると元に戻る。図4(B)は変位信号が「OFF」の状態を示している。 【0052】更に、移動用積層型PZT102fの先端には、把持用積層型PZT102gがシリンダチューブ102aの径方向を伸縮方向として中心に向かって取り付けられている。把持用積層型PZT102gの先端側には爪部102hが形成されている。このためECU60からのクランプB信号が「ON」となり把持用積層型PZT102gが伸びた場合に、第2クランプ102eはシリンダチューブ102aの中心に配置されている補助シャフト103を周囲から把持する。一方、ECU60からのクランプB信号が「OFF」となれば把持用積層型PZT102gが元に戻ってシリンダチューブ102aの中心に配置されている補助シャフト103を解放する。図4(B)はクランプB信号が「ON」の状態を示している。 【0053】このように構成された電気式リフト量可変アクチュエータ102は、図8のタイミングチャートに示すごとく制御されることにより、油圧式リフト量可変アクチュエータ101とは独立して補助シャフト103を軸方向へ移動させることができる。 【0054】まず、最初に(t0)にてクランプA信号を「OFF」、クランプB信号を「ON」、変位信号を「OFF」とする。したがって図4に示したごとく、第1クランプ102bは、補助シャフト103を解放し、第2クランプ102eは軸方向に縮んだ状態で、補助シャフト103を把持する。 【0055】次に(t1)、クランプA信号を「OFF」、クランプB信号を「ON」に維持したままで、変位信号を「ON」とする。このことにより図5に示すごとく、補助シャフト103は第2クランプ102eにより図示右側へ移動される。 【0056】次に(t2)、変位信号を「ON」に維持したまま、クランプA信号を「ON」、クランプB信号を「OFF」とする。このことにより図6に示すごとく、補助シャフト103は第1クランプ102bにより軸方向位置が固定される。 【0057】次に(t3)、クランプA信号を「ON」、クランプB信号を「OFF」に維持したまま、変位信号を「OFF」とする。このことにより図7に示すごとく、第2クランプ102eのみがシリンダチューブ102aの軸方向において元の縮んだ状態に戻る。 【0058】次に(t4)、変位信号を「OFF」に維持して、クランプA信号を「OFF」、クランプB信号を「ON」とする。このことにより、第1クランプ102b及び第2クランプ102eは元の状態(図4)に戻るが、補助シャフト103は図4の場合よりも右に移動した状態となる。 【0059】したがって、以後(t5以降)、ECU60がクランプA信号、クランプB信号及び変位信号に対して同じ処理を繰り返すことにより、補助シャフト103は図示右側に移動する。このことにより、吸気カム45aの内でリフト量が大きい方がカムフォロア45bに接触するようになるので、吸気バルブ12a,12bのリフト量が大きくなる。なお、この時、第1オイルコントロールバルブ104は高リフト駆動状態に制御されているが、オイルポンプPにより供給される油圧は十分でないものとする。 【0060】補助シャフト103を図示左側に移動させる場合は、上述とは逆の信号出力とする。すなわち、クランプA信号:「OFF」、クランプB信号:「ON」、変位信号:「OFF」→クランプA信号:「ON」、クランプB信号:「OFF」、変位信号:「OFF」→クランプA信号:「ON」、クランプB信号:「OFF」、変位信号:「ON」→クランプA信号:「OFF」、クランプB信号:「ON」、変位信号:「ON」→クランプA信号:「OFF」、クランプB信号:「ON」、変位信号:「OFF」との制御を繰り返す。このことにより、補助シャフト103は次第に左側に移動する。したがって吸気カム45aの内でリフト量が小さい方がカムフォロア45bに接触するようになるので、吸気バルブ12a,12bのリフト量が小さくなる。なお、この時、第1オイルコントロールバルブ104は低リフト駆動状態に制御されているが、オイルポンプPにより供給される油圧は十分でないものとする。 【0061】次に、回転位相差可変アクチュエータ110について説明する。回転位相差可変アクチュエータ110は図2に示したごとく、外周に吸気カムスプロケット110aを備えた円筒状ハウジング110b及びハウジング110b内部に配置されたベーンロータ110cから構成されている。吸気カムスプロケット110aはタイミングチェーン(図示略)を介して、エンジン2のクランクシャフトの回転に連動している。 【0062】回転位相差可変アクチュエータ110のハウジング110b内面にはベーンロータ110cの軸部110dに伸びて接触する壁部110eが対向する位置に複数(ここでは2つ)設けられている。また、ベーンロータ110cの軸部110dには、壁部110eの間でハウジング110b内面へ延びて接触するベーン110fが複数(ここでは2つ)形成されている。このことにより、ハウジング110b内部には壁部110eとベーン110fとにより区画された複数(ここでは2つ)の進角油圧室110gと複数(ここでは2つ)の遅角油圧室110hとが形成されている。そして進角油圧室110gには第1給排通路110iが接続され、遅角油圧室110hには第2給排通路110jが接続されている。これら給排通路110i,110jにより、進角油圧室110gおよび遅角油圧室110hは第2オイルコントロールバルブ109を介して、供給通路106および排出通路107に接続されている。 【0063】また、ベーンロータ110cの軸部110dの中心には中心孔が設けられ、内面には軸方向に伸びる突条が形成されている。この中心孔には吸気カムシャフト45の一端が挿入されている。吸気カムシャフト45において、中心孔に挿入された部分には軸方向に伸びる溝が形成されており、この溝には軸部110dの中心孔に形成された突条が摺動可能に嵌め込まれている。このため吸気カムシャフト45は、回転については回転位相差可変アクチュエータ110の回転に追随するが、軸方向の移動についてはリフト量可変アクチュエータ100側に追随する。 【0064】ECU60からのOCV2信号が「OFF」であることにより第2オイルコントロールバルブ109が図2に示すごとく、第1給排通路110iと排出通路107とを接続して進角油圧室110gから作動油を排出し、第2給排通路110jと供給通路106とを接続して遅角油圧室110hに作動油を供給する状態(以下、「遅角駆動状態」と称する)にすると、進角油圧室110gが周方向に縮小し、遅角油圧室110hが周方向に拡大する。このことにより、ベーンロータ110cはクランクシャフトに対して相対回転位相差が遅角側へ変化する。この結果、吸気カムシャフト45も遅角側に相対回転して、吸気バルブ12a,12bのバルブタイミングが遅角側に変化する。 【0065】またECU60からのOCV2信号が「ON」であることにより第2オイルコントロールバルブ109が、第1給排通路110iと供給通路106とを接続して進角油圧室110gに作動油を供給し、第2給排通路110jと排出通路107とを接続して遅角油圧室110hから作動油を排出する状態(以下、「進角駆動状態」と称する)にすると、進角油圧室110gが周方向に拡大し、遅角油圧室110hが周方向に縮小する。このことにより、ベーンロータ110cはクランクシャフトに対して相対回転位相差が進角側へ変化する。この結果、吸気カムシャフト45も進角側に相対回転して、吸気バルブ12a,12bのバルブタイミングが進角側に変化する。 【0066】またECU60からのOCV2信号の電流供給量が制御されることで、第2オイルコントロールバルブ109が、給排通路110i,110jと、供給通路106および排出通路107との間を遮断して、進角油圧室110g及び遅角油圧室110hを密閉する状態(以下、「固定状態」と称する)にすると、進角油圧室110gと遅角油圧室110hとはその容積が変化しなくなる。このことにより、ベーンロータ110cはクランクシャフトに対して相対回転位相差が固定される。この結果、吸気カムシャフト45も相対回転を停止して、吸気バルブ12a,12bのバルブタイミングは一定に維持される。 【0067】なお第2オイルコントロールバルブ109の電磁ソレノイドへの給電をデューティ制御して第2オイルコントロールバルブ109のポート開度を調整することで、進角油圧室110gまたは遅角油圧室110hへの作動油の供給速度を制御することができる。 【0068】次に、ECU60が実行する吸気バルブ特性制御について説明する。図9は吸気バルブ特性制御処理のフローチャートを示す。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処理である。なおフローチャート中の個々の処理ステップを「S〜」で表す。 【0069】本処理が開始されると、まず各センサにより検出されているエンジン2の運転状態が、ECU60に設けられたRAM内の作業領域に読み込まれる(S110)。次に、エンジン2が始動完了したか否かが判定される(S120)。ここで、エンジン回転数NEが未だ始動判定回転数まで上昇していない場合にはエンジン2は始動完了していない(ここでは始動時である)として(S120で「NO」)、次に第1オイルコントロールバルブ104に対して「高リフト駆動状態」とするOCV1信号を出力する(S130)。この場合は始動時であるため油圧はほとんどないので、OCV1信号=「高リフト駆動状態」としても油圧式リフト量可変アクチュエータ101が実際に駆動するわけではないが、次に行われる電気式リフト量可変アクチュエータ102の駆動を阻害しないためにOCV1信号=「高リフト駆動状態」にしている。 【0070】次に、電気式リフト量可変アクチュエータ102に対するクランプA信号、クランプB信号及び変位信号を図8にて説明したごとく制御することにより、吸気カムシャフト45を始動時に必要なシャフト位置に配置する(S140)。ここでは始動時であることから、吸気カムシャフト45を図2に示す状態で最も右側に移動させる。このことにより、油圧がほとんどない始動時であっても電気式リフト量可変アクチュエータ102により吸気カム45aの最大リフト部分をカムフォロア45bに当接させることができる。したがって、吸気バルブ12a,12bは最大のリフト量となり、始動に必要な吸入空気量を燃焼室10内に導入することができるようになる。 【0071】次に、第2オイルコントロールバルブ109に対して「遅角駆動状態」とするOCV2信号を出力する(S150)。なお始動時であるため、油圧はほとんど生じていないので回転位相差可変アクチュエータ110自体は機能しないが、クランキング時の吸気カムシャフト45の回転によって、吸気カム45aはカムフォロア45bから反作用としての遅角方向への抵抗トルクを受ける。このことから、自ずと進角油圧室110gは縮小し、遅角油圧室110hは拡大して、吸気バルブ12a,12bのバルブタイミングは最遅角状態となる。こうして一旦、本処理を終了する。 【0072】したがって、ここでは、始動時には、吸気バルブ12a,12bは最大のリフト量でかつ最遅角のバルブタイミングで始動がなされることになる。始動が完了するまでは(S120で「NO」)、上述したステップS130〜S150の処理が繰り返される。そして始動が完了すると(S120で「YES」)、次にエンジン2の運転状態に応じて、吸気バルブ12a,12bのバルブ特性、すなわち、ここではリフト量及び吸気バルブ12a,12bのバルブタイミングの進角値について、目標値(目標リフト量および目標進角値)が算出される(S160)。なお、目標リフト量については、始動後においては、アイドル時であれば、エンジン回転数NEが目標回転数となるように、またアイドル時以外であれればアクセル開度センサ76にて検出されるアクセル開度ACCPに応じて目標値が算出される。 【0073】また、目標進角値については、図10に示すごとくのエンジン回転数NEと吸入空気量GAとのマップに基づいて、図示している領域に応じて適切な進角値となるように目標値が算出される。例えば、エンジンの種類により異なるが、エンジン2の低回転時および高負荷高回転時には、吸気バルブ12a,12bのバルブタイミングは進角値を小さく、すなわち遅角される。また、エンジン2の高負荷低中回転あるいは中負荷時には吸気バルブ12a,12bのバルブタイミングは進角値を大きく、すなわち進角される。これはエンジン2の低回転時にはバルブオーバーラップを小さくしてエンジン回転の安定を図るとともに、エンジン2の高負荷高回転時に吸気バルブ12a,12bを遅く閉じることにより燃焼室10への混合気の吸入効率を向上させるためである。また、高負荷低中回転あるいは中負荷時には、吸気バルブ12a,12bの開時期を早め、バルブオーバーラップを大とすることでポンピングロスを減らし、燃費を向上させるためである。 【0074】次に油圧が十分であるか否かが判定される(S170)。例えば、暖機中である場合、すなわち水温センサ86により検出されたエンジン2の冷却水温度THWが十分に上昇していなければ(例えば、THW≦39℃)、油圧はリフト量可変アクチュエータ100の内の油圧式リフト量可変アクチュエータ101及び回転位相差可変アクチュエータ110を駆動するには不十分であるとして(S170で「NO」)、次に、シャフト位置センサ90の出力を参照して、電気式リフト量可変アクチュエータ102に対するクランプA信号、クランプB信号及び変位信号を制御することにより、吸気カムシャフト45のシャフト位置を、吸気バルブ12a,12bのリフト量がステップS160で求めた目標リフト量となるように調整する(S180)。このことにより、油圧が不十分であってもバッテリおよび発電機の電力を利用して吸気バルブ12a,12bのリフト量を調整して運転状態に応じて必要とする吸入空気量を燃焼室10内に導入することができる。 【0075】そして、次にシャフト位置センサ90の出力を参照して、第1オイルコントロールバルブ104に対するOCV1信号を調整することにより、吸気カムシャフト45のシャフト位置をステップS160で求めた目標リフト量となるように調整する(S190)。ただし、この時は、未だ油圧が十分でないことから、ステップS190の処理を行っても、油圧により吸気カムシャフト45のシャフト位置が正常に変化するわけではない。しかし、ステップS190の処理をしていないと、電気式リフト量可変アクチュエータ102による吸気カムシャフト45の駆動が、次第に上昇する第1圧力室101eおよび第2圧力室101f内の油圧により阻害されるおそれがあることから、後述する通常時と同様に第1オイルコントロールバルブ104を駆動している。ただしこれは暖機中での一時的な処理である。 【0076】次に、第2オイルコントロールバルブ109に対して「遅角駆動状態」とするOCV2信号を出力する(S200)。油圧は不十分であり回転位相差可変アクチュエータ110自体は十分に機能しないが、前述したごとくの遅角方向への抵抗トルクにより、自ずと進角油圧室110gは縮小し、遅角油圧室110hは拡大して、吸気バルブ12a,12bのバルブタイミングは最遅角状態となる。こうして一旦、本処理を終了する。 【0077】一方、油圧が十分、すなわち、ここでは暖機完了となれば(S170で「YES」)、クランプA信号を「OFF」、クランプB信号を「OFF」、変位信号を「OFF」とする(S210)。このことにより、電気式リフト量可変アクチュエータ102による電力消費は無くなるとともに、図11に示すごとく第1クランプ102bも第2クランプ102eも、爪部102d,102hを補助シャフト103から離す。したがって補助シャフト103は電気式リフト量可変アクチュエータ102の拘束から解放される。 【0078】次にシャフト位置センサ90の出力を参照して、第1オイルコントロールバルブ104に対するOCV1信号を調整することにより、吸気カムシャフト45のシャフト位置をステップS160で求めた目標リフト量となるように調整する(S220)。このことにより、油圧により吸気バルブ12a,12bのリフト量を調整して運転状態に応じて必要とする吸入空気量を燃焼室10内に導入することができる。 【0079】次にカム角センサ92の出力を参照して、第2オイルコントロールバルブ109に対するOCV2信号を調整することにより、吸気バルブ12a,12bのバルブタイミングをステップS160で求めた目標進角値となるように調整する(S230)。こうして一旦、本処理を終了する。 【0080】上述した構成において、吸気バルブ特性制御処理(図9)がアクチュエータ選択手段としての処理に相当する。以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。 【0081】(イ).吸気カムシャフト45の軸方向駆動に対しては、油圧式リフト量可変アクチュエータ101と電気式リフト量可変アクチュエータ102とが設けられている。したがって油圧式リフト量可変アクチュエータ101の駆動では不都合な運転状態、ここでは油圧不足の状態では電気式リフト量可変アクチュエータ102にて吸気カムシャフト45を軸方向に駆動する(S140,S180)ことができる。また、電気式リフト量可変アクチュエータ102の駆動では不都合な運転状態、ここでは油圧が十分にあり電気エネルギーを用いたのでは燃費が悪化する状態では、電気式リフト量可変アクチュエータ102への電力出力は停止して(S210)、油圧式リフト量可変アクチュエータ101にて吸気カムシャフト45を軸方向に駆動する(S220)ことができる。このことによりエンジン2の広範囲の運転状態に対処できる。 【0082】特に、本実施の形態1では、吸気バルブ12a,12bのバルブリフト量を可変とすることでスロットルバルブに代えて吸入空気量調整を行っているスロットルレスのエンジン2に適用しているので、上述したごとくエンジン2の広範囲の運転状態に対処することが必要であり、特に本効果的が顕著となる。 【0083】[実施の形態2]本実施の形態2は、吸気バルブ特性制御処理(図9)のステップS210,S220の代わりに図12に示す処理を実行する点が前記実施の形態1と異なる。他の構成については特に説明しない限り前記実施の形態1と同じである。 【0084】すなわち油圧が十分であると判定されると(図9:S170で「YES」)、次にリフト量の高速調整要求があるか否かが判定される(S211)。例えば、暖機後の運転にて、運転者が急速にアクセルペダル74を踏み込んだために実際のリフト量と目標リフト量との差が大きくなった場合、あるいは差が大きくなりつつある場合などには、高速にリフト量を調整して応答性を維持あるいは高める必要がある。このような場合にはリフト量の高速調整要求があるとされ(S211で「YES」)、次にOCV1信号による油圧式リフト量可変アクチュエータ101の駆動とともに、クランプA信号、クランプB信号及び変位信号により電気式リフト量可変アクチュエータ102も駆動させて、目標リフト量となるように補助シャフト103を移動させる(S212)。 【0085】従って油圧によるピストン101bの移動力と、移動用積層型PZT102fによる移動力とが合成した移動力にて補助シャフト103を高速に移動させ、運転状態に応じて必要とする吸入空気量を早期に実現できる。 【0086】なお、高速調整要求がない場合(S211で「NO」)には、ステップS213,S214が実行される。このステップS213,S214の処理は、前記実施の形態1のステップS210,S220の処理と同じであるので説明は略す。 【0087】以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。 (イ).前記実施の形態1の(イ)の効果を生じる。 (ロ).エンジン2の運転状態に応じてバルブ特性(ここでは吸気バルブ12a,12bのリフト量)を急変させる要求がある場合には、油圧式リフト量可変アクチュエータ101及び電気式リフト量可変アクチュエータ102の両方を選択して用いている。このことによりリフト量については高応答性の可変動弁制御を実現することができる。 【0088】[実施の形態3]本実施の形態3は、図13(前記実施の形態1の図2に対応する)および図14(前記実施の形態1の図4に対応する)に示すごとく、第1オイルコントロールバルブ104の代わりに、2つのオイルコントロールバルブ204,205が用いられている。また、吸気バルブ特性制御処理(図9)の代わりに図15に示す吸気バルブ特性制御処理が実行される。他の構成は特に説明しない限り前記実施の形態1と同じである。 【0089】ここで油圧式リフト量可変アクチュエータ101の第1圧力室101eに接続している第1給排通路101gは、高リフト駆動用オイルコントロールバルブ204に、第2圧力室101fに接続している第2給排通路101hは低リフト駆動用オイルコントロールバルブ205に接続されている。これらのオイルコントロールバルブ204,205には供給通路106および排出通路107が接続されている。 【0090】これらのオイルコントロールバルブ204,205は、電磁ソレノイド式3ポート3位置切替弁である。電磁ソレノイドの消磁状態(以下、「排出状態」と称する)では、圧力室101e,101f内の作動油は排出通路107を介してオイルパン108内へ戻される。また、電磁ソレノイドが100%励磁された状態(以下、「圧送状態」と称する)では、圧力室101e,101f内へは供給通路106を介してオイルポンプPから作動油が供給される。更に、電磁ソレノイドへの給電を中程度の状態(以下、「中立状態」と称する)に制御すると、圧力室101e,101fは供給通路106にも排出通路107にも接続されずに密封される。 【0091】したがって、高リフト駆動用オイルコントロールバルブ204の電磁ソレノイドを圧送状態にして第1圧力室101e内に作動油を導入し、低リフト駆動用オイルコントロールバルブ205を排出状態として第2圧力室101fからに作動油をオイルパン108に戻すことにより、ピストン101bを図13の右側へ移動させることができる。このことにより、補助シャフト103および転がり軸受103aを介して吸気カムシャフト45を図13における右側に移動させて、吸気バルブ12a,12bのリフト量を大きくすることができる。 【0092】また逆に高リフト駆動用オイルコントロールバルブ204の電磁ソレノイドを排出状態にして第1圧力室101eから作動油をオイルパン108に戻し、低リフト駆動用オイルコントロールバルブ205を圧送状態にして第2圧力室101f内に作動油を導入することにより、ピストン101bを図13の左側へ移動させることができる。このことにより、補助シャフト103および転がり軸受103aを介して吸気カムシャフト45を図13における左側に移動させて、吸気バルブ12a,12bのリフト量を小さくすることができる。 【0093】また電磁ソレノイドの給電制御により両オイルコントロールバルブ204,205を中立状態にすると、両圧力室101e,101fともに内部が密封されて作動油の移動が禁止される。このことにより、ピストン101bおよび補助シャフト103は固定されるので、吸気カムシャフト45は軸方向での位置が固定され、吸気バルブ12a,12bのリフト量を一定に維持することができる。 【0094】また図14(前記実施の形態1の図4に対応する)に示すごとく、両オイルコントロールバルブ204,205を排出状態にすると、両圧力室101e,101fともに内部は解放されて低油圧状態となる。このことにより、ピストン101bと補助シャフト103とは固定されなくなる。このため吸気カムシャフト45は軸方向での位置が任意の位置に移動可能となり、吸気バルブ12a,12bのリフト量を外力(ここでは電気式リフト量可変アクチュエータ102)により自由に変更することができるようになる。このように、両オイルコントロールバルブ204,205の電磁ソレノイドに給電しないことにより、常に第1圧力室101eと第2圧力室101fとの両方を共に排出状態にすることができる。このことにより、両オイルコントロールバルブ204,205の駆動を停止しても電気式リフト量可変アクチュエータ102による駆動を阻害することがない。補助シャフト103を図示左右いずれに移動する場合も同じである。 【0095】なおオイルコントロールバルブ204,205の電磁ソレノイドへの給電をデューティ制御して、各オイルコントロールバルブ204,205のポートの開度を調整することで、第1圧力室101eまたは第2圧力室101fへの作動油の供給速度を制御することができる。 【0096】次に、実施の形態3にてECU60が実行する吸気バルブ特性制御(図15)について説明する。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処理である。本処理が開始されると、まず各センサにより検出されているエンジン2の運転状態がECU60に設けられたRAM内の作業領域に読み込まれる(S310)。次に、エンジン2が始動完了したか否かが判定される(S320)。ここで、エンジン2は始動完了していない場合には(S320で「NO」)、次に高リフト駆動用オイルコントロールバルブ204に対して「排出状態」とするOCVx信号を出力する(S330)。更に低リフト駆動用オイルコントロールバルブ205に対して「排出状態」とするOCVy信号を出力する(S340)。 【0097】そして電気式リフト量可変アクチュエータ102に対するクランプA信号、クランプB信号および変位信号を、前記実施の形態1にて述べたごとく制御することにより、吸気カムシャフト45を始動時に必要なシャフト位置に配置する(S350)。このステップS350は前記実施の形態1のステップS140と同じ処理である。 【0098】次に第2オイルコントロールバルブ109に対して「遅角駆動状態」とするOCV2信号を出力する(S360)。このステップS360は前記実施の形態1のステップS150と同じ処理であり、この処理により、前述したごとく、吸気バルブ12a,12bのバルブタイミングは最遅角状態となる。こうして一旦、本処理を終了する。 【0099】したがって、始動時には、吸気バルブ12a,12bは最大のリフト量でかつ最遅角のバルブタイミングで始動がなされることになる。始動が完了するまでは(S320で「NO」)、上述したステップS330〜S360の処理が繰り返される。そして始動が完了すると(S320で「YES」)、次にエンジン2の運転状態に応じて、吸気バルブ12a,12bの目標リフト量及び目標進角値が算出される(S370)。このステップS370は前記実施の形態1のステップS160と同じ処理であり、アイドル時とアイドル時以外で目標リフト量を求める処理が異なること及び目標進角値の設定は、前述したごとくである。 【0100】次に油圧が十分であるか否かが判定される(S380)。このステップS380の処理内容は前記実施の形態1のステップS170で述べたごとくである。油圧が未だ十分でなければ(S380で「NO」)、次に高リフト駆動用オイルコントロールバルブ204に対して「排出状態」とするOCVx信号を出力する(S390)。更に低リフト駆動用オイルコントロールバルブ205に対して「排出状態」とするOCVy信号を出力する(S400)。 【0101】そして電気式リフト量可変アクチュエータ102に対するクランプA信号、クランプB信号および変位信号を制御することにより、吸気カムシャフト45のシャフト位置をステップS370で求めた目標リフト量となるように調整する(S410)。このことにより、油圧が不十分であってもバッテリおよび発電機の電力により吸気バルブ12a,12bのリフト量を調整して、運転状態に応じて必要とする吸入空気量を燃焼室10内に導入することができる。 【0102】次に、第2オイルコントロールバルブ109に対して「遅角駆動状態」とするOCV2信号を出力する(S420)。このステップS420は前記実施の形態1のステップS200と同じである。こうして一旦、本処理を終了する。 【0103】一方、油圧が十分となれば(S380で「YES」)、クランプA信号を「OFF」、クランプB信号を「OFF」、変位信号を「OFF」とする(S430)。このことにより、電気式リフト量可変アクチュエータ102による電力消費は無くなるとともに、第1クランプ102b及び第2クランプ102eは、爪部102d,102hを補助シャフト103から離す。したがって補助シャフト103は電気式リフト量可変アクチュエータ102の拘束から解放される。 【0104】次に高リフト駆動用オイルコントロールバルブ204に対するOCVx信号と、低リフト駆動用オイルコントロールバルブ205に対するOCVy信号とを調整することにより、吸気カムシャフト45のシャフト位置をステップS370で求めた目標リフト量となるようにする(S440)。このことにより、油圧により吸気バルブ12a,12bのリフト量を調整して、運転状態に応じて必要とする吸入空気量を燃焼室10内に導入することができる。 【0105】次に第2オイルコントロールバルブ109に対するOCV2信号を調整することにより、吸気バルブ12a,12bのバルブタイミングをステップS370で求めた目標進角値となるように調整する(S450)。こうして一旦、本処理を終了する。 【0106】上述した構成において、吸気バルブ特性制御処理(図15)がアクチュエータ選択手段としての処理に相当する。以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。 【0107】(イ).前記実施の形態1の(イ)の効果を生じる。 (ロ).高リフト駆動用オイルコントロールバルブ204と低リフト駆動用オイルコントロールバルブ205とを設けていることにより、OCVx信号およびOCVy信号を制御することなく、電気式リフト量可変アクチュエータ102のみを単独に駆動することができる。したがって、油圧不十分な時においても、更に消費する電気エネルギーを小さくでき、燃費を向上させることができる。 【0108】[実施の形態4]本実施の形態4では、前記実施の形態1とは異なり、図16(A)に示すごとく、吸気バルブ12a,12bのリフト量が仲介駆動機構120にて調整される構成である。他の構成については特に説明しない限り前記実施の形態1の構成と同じである。 【0109】ここで、仲介駆動機構120の1つを図20,図21に示す。図20は斜視図、図21(A)は平面図、図21(B)は正面図、図21(C)は右側面図を示している。仲介駆動機構120は、図示中央に設けられた入力部122、図示左に設けられた第1揺動カム124(「出力部」に相当する)および図示右に設けられた第2揺動カム126(「出力部」に相当する)を備えている。これら入力部122のハウジング122aおよび揺動カム124,126の各ハウジング124a,126aはそれぞれ外径が同じ円柱状をなしている。 【0110】各ハウジング122a,124a,126aを水平に破断した斜視図を図22に示す。ここで、入力部122のハウジング122aは内部に軸方向に空間を形成し、この空間の内周面には軸方向に右ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン122bを形成している。また外周面からは2つのアーム122c,122dが平行に突出して形成されている。これらアーム122c,122dの先端には、アーム122c,122d間にシャフト122eが掛け渡されている。このシャフト122eはハウジング122aの軸方向と平行であり、ローラ122fが回転可能に取り付けられている。 【0111】第1揺動カム124のハウジング124aは内部に軸方向に空間を形成し、この内部空間の内周面には軸方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン124bを形成している。なお、この内部空間は径の小さい中心孔を有するリング状の軸受部124cにて左端が覆われている。また外周面からは略三角形状のノーズ124dが突出して形成されている。このノーズ124dの一辺は凹状に湾曲するカム面124eを形成している。 【0112】第2揺動カム126のハウジング126aは内部に軸方向に空間を形成し、この内部空間の内周面には軸方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン126bを形成している。なお、この内部空間は径の小さい中心孔を有するリング状の軸受部126cにて右端が覆われている。また外周面からは略三角形状のノーズ126dが突出して形成されている。このノーズ126dの一辺は凹状に湾曲するカム面126eを形成している。 【0113】第1揺動カム124および第2揺動カム126は、軸受部124c,126cを外側にして入力部122の両端から各端面を同軸上で接触させるように配置され、全体が図20に示したごとく内部空間を有する略円柱状となる。 【0114】入力部122および2つの揺動カム124,126から構成される内部空間には、スライダギア128が配置されている。スライダギア128は略円柱状をなし、外周面中央には右ネジの螺旋状に形成された入力用ヘリカルスプライン128aが形成されている。この入力用ヘリカルスプライン128aの左側端部には小径部128bを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第1出力用ヘリカルスプライン128cが形成されている。また、入力用ヘリカルスプライン128aの右側端部には小径部128dを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第2出力用ヘリカルスプライン128eが形成されている。なお、これら出力用ヘリカルスプライン128c,128eは、入力用ヘリカルスプライン128aに対して外径が小さく形成されている。 【0115】スライダギア128の内部には中心軸方向に貫通孔128fが形成されている。そして一方の小径部128dには貫通孔128f内部を外周面に開放するための長孔128gが形成されている。この長孔128gは周方向に長く形成されている。 【0116】スライダギア128の貫通孔128f内には、図23に示すごとくの支持パイプ130が周方向に摺動可能に配置されている。ここで図23(A)は平面図、図23(B)は正面図、図23(C)は右側面図である。この支持パイプ130は、図24のエンジン平面図に示すごとく、すべての仲介駆動機構120(ここでは4つ)に共通の1本が設けられている。なお支持パイプ130には各仲介駆動機構120毎に軸方向に長く形成された長孔130aが開口している。 【0117】更に、支持パイプ130内には、軸方向に摺動可能にコントロールシャフト132が貫通している。このコントロールシャフト132も支持パイプ130と同様にすべての仲介駆動機構120に共通の1本が設けられている。なお、コントロールシャフト132には各仲介駆動機構120毎に係止ピン132aが突出している。この係止ピン132aは支持パイプ130に形成されている軸方向の長孔130aを貫通して形成されている。更にコントロールシャフト132の係止ピン132aは、スライダギア128に形成された周方向の長孔128g内にも先端が挿入されている。 【0118】支持パイプ130に形成された軸方向の長孔130aにより、コントロールシャフト132の係止ピン132aは、支持パイプ130がシリンダヘッド8に対して固定されていても、軸方向に移動することでスライダギア128を軸方向に移動させることができる。更に、スライダギア128自体は、周方向の長孔128gにて係止ピン132aに係止していることにより、係止ピン132aにて軸方向の位置は決定されるが軸周りについては揺動可能となっている。 【0119】そして、スライダギア128の内で、入力用ヘリカルスプライン128aは入力部122内部のヘリカルスプライン122bに噛み合わされている。また第1出力用ヘリカルスプライン128cは第1揺動カム124内部のヘリカルスプライン124bに噛み合わされ、第2出力用ヘリカルスプライン128eは第2揺動カム126内部のヘリカルスプライン126bに噛み合わされている。 【0120】このように構成された各仲介駆動機構120は、図24に示したごとく、揺動カム124,126の軸受部124c,126c側にて、シリンダヘッド8に形成された立壁部136,138に挟まれて、軸周りには揺動可能であるが軸方向に移動するのが阻止されている。この立壁部136,138には、軸受部124c,126cの中心孔に対応した位置に孔が形成され、支持パイプ130を貫通させ固定している。したがって支持パイプ130はシリンダヘッド8に対しては固定されて軸方向に移動したり回転したりすることはない。 【0121】また、支持パイプ130内のコントロールシャフト132は支持パイプ130内を軸方向に摺動可能に貫通し、一端側にて前記実施の形態1にて述べたと同一の構成であるリフト量可変アクチュエータ(以下、実施の形態1のリフト量可変アクチュエータと同一の符号で説明する)100に対して補助シャフト103の代わりに連結されている。このリフト量可変アクチュエータ100によりコントロールシャフト132は軸方向の変位が調整可能とされている。 【0122】すなわち、リフト量可変アクチュエータ100の油圧式リフト量可変アクチュエータ101または電気式リフト量可変アクチュエータ102により、コントロールシャフト132の軸方向位置を調整することで、コントロールシャフト132とスライダギア128とを介して、入力部122のローラ122fと揺動カム124,126のノーズ124d,126dとの相対位相差が調整できる。このため、リフト量可変アクチュエータ100の駆動により、図16〜図19に示すごとく吸気バルブ12a,12bのリフト量を連続的に可変とすることができる。 【0123】ここで、図16は、リフト量可変アクチュエータ100によりコントロールシャフト132を図20,22に示す矢印SのF方向へ最大量移動させた状態の仲介駆動機構120を示している。なお、図16〜図19では第2揺動カム126が第1吸気バルブ12aを駆動する機構を示しているが、第1揺動カム124が第2吸気バルブ12bを駆動する機構についても同じであるので、第1揺動カム124および第2吸気バルブ12bの符号も併記して以下説明する。 【0124】図16(A)では吸気カム45aのベース円部分(ノーズ45cを除いた部分)が、仲介駆動機構120における入力部122のローラ122fに接触している。なお、図示していないがローラ122fはスプリングにより吸気カム45a側に常に接触するように付勢されている。このとき、揺動カム124,126のノーズ124d,126dはロッカーアーム13のローラ13aには接触しておらず、ノーズ124d,126dに隣接したベース円部分が接触している。このため、吸気バルブ12a,12bは閉弁状態にある。 【0125】吸気カムシャフト45が回転して吸気カム45aのノーズ45cが入力部122のローラ122fを押し下げると、仲介駆動機構120内では入力部122からスライダギア128を介して揺動カム124,126に揺動が伝達されて、揺動カム124,126はノーズ124d,126dを押し下げるように揺動する。このことによりノーズ124d,126dに設けられた湾曲状のカム面124e,126eが直ちにロッカーアーム13のローラ13aに接触して、図16(B)に示すごとく、カム面124e,126eの全範囲を使用してロッカーアーム13のローラ13aを押し下げる。このことにより、ロッカーアーム13はアジャスタ13bにて支持されている基端部13c側を中心に揺動し、ロッカーアーム13の先端部13dは大きくステムエンド12cを押し下げる。こうして吸気バルブ12a,12bは最大のリフト量にて吸気ポート14a,14bを開放状態とする。 【0126】図17はリフト量可変アクチュエータ100によりコントロールシャフト132を図16の状態から少しR方向へ移動させた場合の仲介駆動機構120の状態を示している。 【0127】図17(A)では吸気カム45aのベース円部分が、仲介駆動機構120における入力部122のローラ122fに接触している。このとき、揺動カム124,126のノーズ124d,126dはロッカーアーム13のローラ13aには接触しておらず、図16の場合に比較して少しノーズ124d,126dから離れたベース円部分が接触している。このため、吸気バルブ12a,12bは閉弁状態にある。これは仲介駆動機構120内でスライダギア128が少しR方向に移動したため、入力部122のローラ122fと揺動カム124,126のノーズ124d,126dとの相対位相差が小さくなったためである。 【0128】吸気カムシャフト45が回転して吸気カム45aのノーズ45cが入力部122のローラ122fを押し下げると、仲介駆動機構120内では入力部122からスライダギア128を介して揺動カム124,126に揺動が伝達されて、揺動カム124,126はノーズ124d,126dを押し下げるように揺動する。 【0129】上述したごとく、図17(A)の状態ではロッカーアーム13のローラ13aにはノーズ124d,126dから離れたベース円部分が接触している。このため、揺動カム124,126が揺動しても、しばらくはロッカーアーム13のローラ13aはノーズ124d,126dに設けられた湾曲状のカム面124e,126eに接触することなくベース円部分に接触した状態を継続する。その後、湾曲状のカム面124e,126eがローラ13aに接触して、図17(B)に示すごとくロッカーアーム13のローラ13aを押し下げる。このことにより、ロッカーアーム13は基端部13cを中心に揺動する。しかし、ロッカーアーム13のローラ13aが当初、ノーズ124d,126dから離れている分、カム面124e,126eの使用範囲は少なくなってロッカーアーム13の揺動角度は小さくなり、ロッカーアーム13の先端部13dによるステムエンド12cの押し下げ量、すなわちリフト量は少なくなる。こうして吸気バルブ12a,12bは最大量よりも小さいリフト量にて吸気ポート14a,14bを開放状態とする。 【0130】図18はリフト量可変アクチュエータ100のピストン100bを図17の状態から更にR方向へ移動させた状態の仲介駆動機構120の状態を示している。したがって、カム面124e,126eの使用範囲は更に少なくなってロッカーアーム13の揺動角度は更に小さくなり、ロッカーアーム13の先端部13dによるステムエンド12cの押し下げ量、すなわちリフト量はかなり少なくなる。こうして吸気バルブ12a,12bは最大量よりもかなり小さいリフト量にて吸気ポート14a,14bを開放状態とする。 【0131】図19はリフト量可変アクチュエータ100によりコントロールシャフト132を最もR方向へ移動させた場合の仲介駆動機構120の状態を示している。そして、図19(A)の状態ではロッカーアーム13のローラ13aにはノーズ124d,126dから大きく離れたベース円部分が接触している。このため、揺動の全期間、ロッカーアーム13のローラ13aはノーズ124d,126dに設けられた湾曲状のカム面124e,126eに接触することなくベース円部分に接触した状態を継続する。すなわち、図19(B)に示すごとく、吸気カム45aのノーズ45cが入力部122のローラ122fを最大に押し下げても、湾曲状のカム面124e,126eはロッカーアーム13のローラ13aを押し下げるために使用されることはない。このことにより、ロッカーアーム13は基端部13cを中心に揺動することがなくなり、ロッカーアーム13の先端部13dによるステムエンド12cの押し下げ量、すなわちリフト量は0となる。こうして吸気バルブ12a,12bは吸気ポート14a,14bの閉鎖状態を維持する。 【0132】このように油圧式リフト量可変アクチュエータ101または電気式リフト量可変アクチュエータ102により、コントロールシャフト132の軸方向の位置調整ができる。したがって油圧制御あるいは給電制御により、前記実施の形態1の図3のグラフに示したと同様なリフト量パターンの間で、吸気バルブ12a,12bのリフト量が連続的に調整可能となる。 【0133】なお、吸気カムシャフト45の一端には回転位相差可変アクチュエータ154が設けられている。この回転位相差可変アクチュエータ154は前記実施の形態1の回転位相差可変アクチュエータ110と類似の構造である。異なる点は、実施の形態4では吸気カムシャフト45が軸方向に移動しないので、ベーンロータは吸気カムシャフト45に直接固定されている点である。したがって前記実施の形態1で述べたごとく、油圧制御により吸気カムシャフト45をクランクシャフト142に対して相対回転させ、吸気バルブ12a,12bのバルブタイミングを調整できる。 【0134】このような構成において、ECU60により前記実施の形態1における制御と同様の制御が可能となる。以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。 【0135】(イ).前記実施の形態1の(イ)の効果を生じる。 [その他の実施の形態] ・前記実施の形態3のステップS430,S440の処理において、リフト量の高速調整要求がある場合には、前記実施の形態2と同様に、OCVx信号、OCVy信号とともに、クランプA信号、クランプB信号、変位信号により電気式リフト量可変アクチュエータ102も駆動しても良い。 【0136】・前記実施の形態1,3,4においては、暖機後に油圧式リフト量可変アクチュエータ101側の故障、例えば第1オイルコントロールバルブ104や、高リフト駆動用オイルコントロールバルブ204,低リフト駆動用オイルコントロールバルブ205による油圧供給制御によっても油圧式リフト量可変アクチュエータ101が十分に駆動しない場合に、電気式リフト量可変アクチュエータ102による吸気カムシャフト45の駆動に切り替えても良い。このことによりエンジン2の運転継続が可能となる。 【0137】・前記実施の形態4において、前記実施の形態2のようにリフト量の高速調整要求があった場合には、油圧式リフト量可変アクチュエータ101と電気式リフト量可変アクチュエータ102との両方を駆動させるようにしても良く、前記実施の形態2と同様な効果を生じる。 【0138】・前記実施の形態4において、前記実施の形態3のごとく第1オイルコントロールバルブ104の代わりに、高リフト駆動用オイルコントロールバルブ204と低リフト駆動用オイルコントロールバルブ205を設けても良い。このことにより前記実施の形態3と同様な効果を生じる。 【0139】・前記各実施の形態においては、回転位相差可変アクチュエータ110,154側については、油圧式のみであり電気式のアクチュエータを併用しなかったが、ハウジング110bに対して吸気カムシャフト45を相対回転させるために電動モータ等を併設することにより、油圧式と電気式との2つのアクチュエータを設けても良い。このことにより、始動時および暖機中において、吸気バルブ12a,12bのバルブタイミングの進角値を最遅角位置以外の位置に制御することができる。また、進角値の高速調整要求がある場合には油圧式と電気式との2つのアクチュエータを駆動して、運転状態の変化に対するバルブタイミングの応答性を十分なものとできる。更に、油圧式回転位相差可変アクチュエータが故障した場合も、電気式回転位相差可変アクチュエータを駆動することにより、エンジン2の運転継続が可能となる。 【0140】・前記各実施の形態では、吸気バルブ12a,12bのバルブ特性を調整していたが、これ以外に、排気カムシャフトに対してリフト量可変アクチュエータおよび回転位相差可変アクチュエータを設けて、排気バルブ16a,16bのバルブ特性を調整する構成としても良い。また、吸気カムシャフトと排気カムシャフトとの両者にリフト量可変アクチュエータおよび回転位相差可変アクチュエータを設けて、吸気バルブ12a,12bと排気バルブ16a,16bとの両方のバルブ特性を調整する構成としても良い。 【0141】・前記各実施の形態にて油圧が十分か否かの判定(S170,S380)は、水温センサ86にて検出されるエンジン2の冷却水温度THWの高さに基づいたが、これ以外に、オイルパン108内の油温を検出する油温センサを設けて、油温の高さに基づいて油圧が十分か否かを判定しても良い。また直接、油圧を検出しても良い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年11月30日(2000.11.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣
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| 【公開番号】 |
特開2002−161721(P2002−161721A) |
| 【公開日】 |
平成14年6月7日(2002.6.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−364584(P2000−364584) |
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