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【発明の名称】 吸排気弁の摩耗量検出方法及びその装置
【発明者】 【氏名】小林 智次

【要約】 【課題】エンジンを分解せずに、運転中においても、吸排気弁シート部の摩耗量を検出することのできる吸排気弁の摩耗量検出方法及びその装置を提供し、保守管理の効率化を図る。

【解決手段】運転中の内燃機関におけるクランク角度と吸排気弁の着座時期とを検出する。検出したクランク角度と着座時期とから実測クランク角度を演算しかつメモリ41に記憶する。設計上での吸排気弁の着座時における理論クランク角度、及びこの理論クランク角度に対応した弁リフト量とを予めメモリ41に記憶しておく。実測クランク角度と理論クランク角度との角度差を演算器35によって演算する。角度差に対応した弁リフト量を演算器35によって演算し、表示器43に表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 運転中の内燃機関におけるクランク角度と吸排気弁の着座時期とを検出する処理と、検出した該クランク角度と該着座時期とから実測クランク角度を演算しかつメモリに記憶する処理と、設計上での前記吸排気弁の着座時における理論クランク角度、及び該理論クランク角度に対応した弁リフト量とを予めメモリに記憶しておく処理と、前記実測クランク角度と前記理論クランク角度との角度差を演算する処理と、該角度差に対応した前記弁リフト量を演算する処理と、を含むことを特徴とする吸排気弁の摩耗量検出方法。
【請求項2】 前記メモリに記憶される前記理論クランク角度及び前記弁リフト量が、前記吸排気弁の無摩耗時に、前記内燃機関を実際に運転して検出した無摩耗時クランク角度及び無摩耗時弁リフト量であることを特徴とする請求項1記載の吸排気弁の摩耗量検出方法。
【請求項3】 運転中の内燃機関におけるクランク角度を検出するクランク角度検出センサ、及び吸排気弁の着座時期を検出する振動加速度センサと、設計上での前記吸排気弁の着座時における理論クランク角度、及び該理論クランク角度に対応した弁リフト量を記憶しておくメモリと、検出した前記クランク角度と前記着座時期とから実測クランク角度を演算するとともに、該実測クランク角度と前記理論クランク角度との角度差を演算し、かつ該角度差に対応した前記弁リフト量を演算する演算器と、を具備したことを特徴とする吸排気弁の摩耗量検出装置。
【請求項4】 前記演算器に表示ドライバを介して接続され前記角度差に対応して演算された前記弁リフト量を表示する表示器を備えたことを特徴とする請求項3記載の吸排気弁の摩耗量検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関における吸排気弁の摩耗量検出方法及びその装置に関し、特に、その内燃機関を分解せずに吸排気弁の摩耗量を検出可能にする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関である4サイクル・エンジンには、シリンダ内のガス交換を行う略きのこ形状の吸気弁及び排気弁(吸排気弁)が設けられている。4サイクル・エンジンの動作行程は、爆発・排気・吸入・圧縮の4行程からなるが、これら吸排気弁が開かれるのは、吸入と排気の2行程だけとなる。それ以外の行程では、吸排気弁は、コイルスプリングの付勢力によって閉じられている。
【0003】図9に示すように、シリンダヘッド1を貫通して外部へ突出された吸排気弁3のステム5には、コイルスプリング7が外挿されている。コイルスプリング7は、ステム5の端部に設けられたスプリングキャップ9とシリンダヘッド1との間に圧縮状態に配設され、弁本体11を燃焼室13に密着させている。弁本体11が密着する燃焼室13部分には、シート部15が設けられている。このシート部15は、ステライトとコバルト約50%と、クロム約30%を含む盛り金を施したものが一般的となっている。このシート部15には、激しく往復する弁本体11が接触するため、摩耗時における交換を可能にするシートリングを嵌合したものが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の吸排気弁構造は、吸排気弁のシート部が燃焼室側に嵌合されているため、その摩耗量を知るには、エンジンを分解して実際にそのシート部の摩耗量を計測する以外に方法がなかった。このため、エンジンを分解してみなければ摩耗量が確認できず、分解を行ったところで、摩耗量が所定量に達していない場合には、シート部を交換せずにエンジンを再組み立てしなければならず、分解作業が無駄になる場合があり、効率的な保守管理を行うことができない不具合があった。
【0005】本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、エンジンを分解せずに、運転中においても、吸排気弁シート部の摩耗量を検出することのできる吸排気弁の摩耗量検出方法及びその装置を提供し、保守管理の効率化を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。この発明の請求項1記載の吸排気弁の摩耗量検出方法は、運転中の内燃機関におけるクランク角度と吸排気弁の着座時期とを検出する処理と、検出した該クランク角度と該着座時期とから実測クランク角度A,Bを演算しかつメモリ41に記憶する処理と、設計上での前記吸排気弁の着座時における理論クランク角度SA,SB、及び該理論クランク角度SA,SBに対応した弁リフト量とを予めメモリ41に記憶しておく処理と、前記実測クランク角度A,Bと前記理論クランク角度SA,SBとの角度差DA,DBを演算する処理と、該角度差DA,DBに対応した前記弁リフト量を演算する処理と、を含むことを特徴とする。
【0007】この吸排気弁の摩耗量検出方法では、先ず、運転中の内燃機関における吸排気弁の着座時期の実測クランク角度A,Bが求められる。そして、この実測クランク角度A,Bと、予め記憶させておいた設計上での吸排気弁の着座時期における理論クランク角度SA,SBとの角度差DA,DBが演算される。これにより、実際の着座時期が、設計上での着座時期とどれだけずれているかが、クランク角度の角度差DA,DBとして得られることになる。従って、仮に吸排気弁の摩耗量がゼロであれば、角度差もゼロとなる。一方、吸排気弁に摩耗が生じていた場合には、角度差DA,DBが生じ、その角度差DA,DBに対応した弁リフト量が求められることで、弁の摩耗量が求まることになる。つまり、内燃機関を停止・分解することなく、吸排気弁の摩耗量が把握できることになる。
【0008】請求項2記載の吸排気弁の摩耗量検出方法は、前記メモリ41に記憶される前記理論クランク角度SA,SB及び前記弁リフト量が、前記吸排気弁の無摩耗時に、前記内燃機関を実際に運転して検出した無摩耗時クランク角度及び無摩耗時弁リフト量であることを特徴とする。
【0009】この吸排気弁の摩耗量検出方法では、理論クランク角度SA,SB及び弁リフト量が、吸排気弁の無摩耗時に、その内燃機関を実際に運転して検出した無摩耗時クランク角度及び無摩耗時弁リフト量で与えられる。すなわち、その内燃機関における実際の無摩耗時のクランク角度及び無摩耗時の弁リフトが比較の基準として用いられ、設計上の理論クランク角度SA,SBを比較の基準とする場合より、一層、高精度に吸排気弁の摩耗量が得られることになる。なお、この無摩耗時のクランク角度及び無摩耗時の弁リフト量は、吸排気弁に未だ摩耗の生じていない例えばその内燃機関の組み立て直後に検出する。
【0010】請求項3記載の吸排気弁の摩耗量検出装置21は、運転中の内燃機関におけるクランク角度を検出するクランク角度検出センサ25、及び吸排気弁の着座時期を検出する振動加速度センサ23と、設計上での前記吸排気弁の着座時における理論クランク角度SA,SB、及び該理論クランク角度SA,SBに対応した弁リフト量を記憶しておくメモリ41と、検出した前記クランク角度と前記着座時期とから実測クランク角度A,Bを演算するとともに、該実測クランク角度A,Bと前記理論クランク角度SA,SBとの角度差DA,DBを演算し、かつ該角度差DA,DBに対応した前記弁リフト量を演算する演算器35と、を具備したことを特徴とする。
【0011】この吸排気弁の摩耗量検出装置21では、運転中の内燃機関におけるクランク角度がクランク角度検出センサ23によって検出されるとともに、吸排気弁の着座時期が振動加速度センサ23によって検出される。一方、メモリ41には、設計上での吸排気弁の着座時における理論クランク角度SA,SB、及びこの理論クランク角度SA,SBに対応した弁リフト量が記憶されている。そして、演算器35が、上記検出したクランク角度と着座時期とから吸排気弁着座時の実測クランク角度A,Bを演算するとともに、この実測クランク角度A,Bと、上記メモリ41に記憶されている理論クランク角度SA,SBとの角度差DA,DBを演算し、さらに、この角度差DA,DBに対応した弁リフト量を演算する。従って、内燃機関を運転しながら、理論クランク角度SA,SBと実測クランク角度A,Bとの角度差が演算され、その角度差DA,DBに対応した弁リフト量、すなわち、弁の摩耗量が求められることになる。
【0012】請求項4記載の吸排気弁の摩耗量検出装置21は、前記演算器35に表示ドライバ45を介して接続され前記角度差DA,DBに対応して演算された前記弁リフト量を表示する表示器43を備えたことを特徴とする。
【0013】この吸排気弁の摩耗量検出装置21では、内燃機関の運転に伴って理論クランク角度SA,SBと実測クランク角度A,Bとの角度差が演算され、その角度差DA,DBに対応した弁リフト量、すなわち、弁の摩耗量の演算結果が表示器43に表示される。なお、この表示器43による表示は、摩耗量を実際の数値として表示する数値表示の他、摩耗量に比例させて複数のランプ等を点灯させる視覚的なレベル表示等であってもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る吸排気弁の摩耗量検出方法及びその装置の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る摩耗量検出装置のブロック図、図2は振動加速度センサからの信号の処理状況を表す説明図、図3はクランク角度検出センサからの信号の処理状況を表す説明図、図4は基準位置信号の処理状況を表す説明図、図5は設計上のリフトカーブを表すグラフである。
【0015】図1に示すように、摩耗量検出装置21は、内燃機関である4サイクル・エンジンのシリンダブロックに取り付けられる振動加速度センサ23と、当該エンジンのクランク近傍に取り付けられるクランク角度検出センサ25と、これらセンサからの信号線の接続される摩耗量計測装置27とからなる。
【0016】振動加速度センサ23としては、例えばピエゾ圧電効果素子を使用した半導体式の加速度センサを用いることができる。このセンサは、振動素子であるピエゾ圧電効果素子を、振動板に接着固定し、その振動板がベース部材に一体固定される。ベース部材は、センサハウジングに圧入固定される。センサ本体は、シリンダブロックにねじ込み固定される。圧電素子の一方の電極は、リード端子を介して摩耗量計測装置27へ、他方の電極は振動板、ベース部材、センサハウジングを介してシリンダブロックへアースされる。シリンダブロックで発生した振動は、シリンダブロック・センサハウジング・ベース部材・振動板へと伝達され、圧電素子に撓みを与える。この撓みは、圧電素子に引っ張り、撓みを生じさせ、電圧を発生させる。この他、振動加速度センサ23としては、回転質量に可動接点を設ける一方、プレートスプリングに固定接点を設け、一定加速度で、可動接点と固定接点を接触させて加速度を検出する機械式の加速度センサ等が用いられてもよい。
【0017】また、クランク角度検出センサ25としては、クランクシャフトと同期して回転するように設けたスロットディスクを挟んで、LEDとフォトトランジスタとを設け、クランクシャフトの回転により、フォトトランジスタがスロットディスクによる光の透過・遮断に応じて、所定の回転角度毎にオン・オフのパルスを発生させる構造のもの等を用いることができる。
【0018】摩耗量計測装置27には、振動加速度センサ23に接続される増幅器29が設けられている。増幅器29は、波形整形器31、AD変換器33を順次介装して演算器(CPU)35に接続される。また、摩耗量計測装置27には、クランク角度検出センサ25に接続される波形整形器37が設けられ、波形整形器37は、上記演算器35に接続される。
【0019】演算器35には、演算結果や、予め設定された設計データを電子信号として記憶可能にしたメモリ41が接続されている。また、演算器35には、演算結果を表示するための表示器43が、表示用ドライバ45を介して接続されている。なお、表示器43は、例えば数値を表示するデジタル形式のものや指針にて目盛り上を移動し示すアナログ形式表示などよりなる。
【0020】振動加速度センサ23からの信号は、図2(a)に示すピックアップ波形が、増幅器29によって図2(b)に示す波形に増幅され、さらに波形整形器31によって、図2(c)に示す波形に波形整形される。波形整形されたピックアップ信号は、後述のクランク角度に応じたタイミングにより、AD変換器33により図2(d)に示す波形の信号にAD変換される。
【0021】一方、クランク角度検出センサ25からの信号は、クランク軸の0.5°の回転毎にピックアップされ、図3(a)に示すピックアップ波形が、波形整形器37によって、図3(b)に示す波形、例えば矩形波に波形整形された後、演算器35へ入力される。また、波形整形器37には、クランク軸の回転角度720°毎に1パルス出力される基準位置信号が入力されるようになっている。この基準位置信号も、図4(a)に示すピックアップ波形から、波形整形器37によって、図4(b)に示す波形、例えば矩形波に波形整形された後、演算器35へ入力される。
【0022】振動加速度センサ23からの信号は、これらクランク軸位置信号及び基準位置信号のタイミングに合わせてAD変換される。メモリ41には、クランク軸の回転角度に対応した吸排気弁着座時期の設計データが記憶されている。すなわち、この設計データは、図5に示すように、縦軸に弁のリフト量、横軸にクランク回転角度をとったカムリフト線図を構成するようになっている。
【0023】演算器35は、基準位置信号として、例えばシリンダ燃焼トップ信号を検知したなら、それをエンジンの燃焼トップとして認識し、それからクランク回転角度0.5°毎の信号をトリガーとし、波形整形された振動波形をAD変換して、メモリ41に記憶する。振動加速度センサ23からの信号は、このようにしてクランク軸位置信号及び基準位置信号のタイミングに合わせてAD変換される。
【0024】この際、演算器35は、設計着座角度近辺の急激に振動が大きくなっている角度を求め、これを実際の着座の実測クランク角度としてメモリ41に記憶するようになっている。
【0025】次に、このように構成された摩耗量検出装置の作用を説明する。図6は吸排気弁の開閉時期を表すダイヤグラム、図7は振動加速度センサによる吸排気弁の振動検出時期を表したタイミングチャート、図8は図5のE部拡大図である。
【0026】摩耗量計測装置27によって計測されるエンジンは、図6に示すように、ピストン上死点の近傍で爆発した後、クランク角度Aの位置で排気弁が開かれる。さらにクランク軸が回転され、クランク角度Bの位置で吸気弁が開かれる。その後、排気弁が閉じられ、燃焼室のガス交換が終了すると、吸気弁が閉じられる。次いでピストンが上死点へ向かって移動される圧縮工程を経た後、再び爆発が繰り返される。
【0027】この爆発・排気・吸入・圧縮の1サイクルにおいて、図7に示すように、クランク角度の基準位置からの排気弁の振動が始まるまでのクランク回転角度が実測クランク角度Aとして計測される。同様に、クランク角度の基準位置からの吸気弁の振動が始まるまでのクランク回転角度が実測クランク角度Bとして計測される。
【0028】このようにして求められた実測クランク角度A、Bは、メモリ41に、一旦記憶される。演算器35は、メモリ41に記憶されたこれらの実測クランク角度A、Bと、予め記憶しておいた設計上での理論クランク角度SA、SBとを比較する。
【0029】すなわち、実測クランク角度Aと理論クランク角度SAとの角度差DAを求める(DA=A−SA)。また、実測クランク角度Bと理論クランク角度SBとの角度差DBを求める(DB=B−SB)。
【0030】次いで、角度差DAと、排気弁を動作させるカムのリフト設計値とにより排気弁の摩耗量を求める。同様に、角度差DBと、吸気弁を動作させるカムのリフト設計値とにより吸気弁の摩耗量を求める。
【0031】これにより、図8に示すように、設計着座点における理論クランク角度と、実測着座点における実測クランク角度との角度差DA(又はDB)が例えば10°であった場合には、リフト量(すなわち、摩耗量)が0.5mmであることが演算される。
【0032】このようにして得られた摩耗量の演算結果は、演算器35によって、表示用ドライバ45を介して表示器43に、摩耗量数値として表示される。
【0033】従って、上記の吸排気弁の摩耗量検出方法によれば、運転中の内燃機関における吸排気弁の着座時期の実測クランク角度が求められ、この実測クランク角度と、予め記憶させておいた設計上での吸排気弁の着座時期における理論クランク角度との差が演算され、これにより、実際の着座時期が、設計上での着座時期とどれだけずれているかが、クランク角度の角度差として得られることになる。従って、仮に吸排気弁の摩耗量がゼロであれば、角度差もゼロとなる。一方、吸排気弁に摩耗が生じていた場合には、角度差が生じ、その角度差に対応した弁リフト量が求められることで、弁の摩耗量が求まることになる。つまり、内燃機関を停止・分解することなく、吸排気弁の摩耗量を把握することができる。
【0034】なお、上記の実施の形態では、理論クランク角度及び弁リフト量が、設計上の数値として与えられる場合を例に説明したが、これら理論クランク角度及び弁リフト量は、吸排気弁の無摩耗時にその内燃機関を実際に運転して検出した無摩耗時クランク角度及び無摩耗時弁リフト量で与えられるものであってもよい。この場合、その内燃機関における実際の無摩耗時のクランク角度及び無摩耗時の弁リフトが比較の基準として用いられ、設計上の理論クランク角度を比較の基準とする場合より、一層、高精度な吸排気弁の摩耗量が得られることになる。なお、この無摩耗時のクランク角度及び無摩耗時の弁リフトは、吸排気弁に未だ摩耗の生じていない例えばその内燃機関の組み立て直後に検出することが可能である。
【0035】また、上記の実施の形態では、内燃機関の運転に伴って理論クランク角度と実測クランク角度との差が演算され、その角度差に対応した弁リフト量、すなわち、弁の摩耗量の演算結果が摩耗量数値として表示器43に表示される場合を例としたが、この表示器43による表示は、摩耗量を実際の数値として表示する数値表示の他、摩耗量に比例させて複数のランプ等を点灯させる視覚的なレベル表示とするものであってもよい。
【0036】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係る吸排気弁の摩耗量検出方法によれば、運転中の内燃機関における吸排気弁の着座時期の実測クランク角度を求め、予めメモリに記憶させておいた設計上での吸排気弁の着座時期における理論クランク角度と、実測クランク角度との角度差を演算し、その角度差に対応した弁リフト量、すなわち、弁の摩耗量を求めるので、内燃機関を停止・分解することなく、吸排気弁の摩耗量を知ることができる。この結果、吸排気弁の点検時期が適格に把握できるようになり、分解作業の無駄をなくして、効率的な保守管理が行えるようになる。
【0037】また、上記方法において、予めメモリに記憶される前記理論クランク角度及び前記弁リフト量を、吸排気弁に未だ摩耗の生じていない例えばその内燃機関の組み立て直後に実際に運転して検出する値とすることで、設計上の理論クランク角度を比較の基準とする場合より、一層、高精度に吸排気弁の摩耗量が得られることになる。
【0038】また、本発明に係る吸排気弁の摩耗量検出装置によれば、運転中の内燃機関におけるクランク角度を検出するクランク角度検出センサ、及び吸排気弁の着座時期を検出する振動加速度センサと、設計上での吸排気弁の着座時期における理論クランク角度、及びこの理論クランク角度に対応した弁リフト量を記憶しておくメモリと、検出したクランク角度と着座時期とから吸排気弁着座時期の実測クランク角度を演算するとともに、この実測クランク角度と理論クランク角度との角度差を演算し、かつこの角度差に対応した弁リフト量を演算する演算器とを設けたので、内燃機関を運転しながら、理論クランク角度と実測クランク角度との角度差を演算し、その角度差に対応した弁リフト量、すなわち、弁の摩耗量を求めることができる。この結果、内燃機関を停止・分解することなく、吸排気弁の摩耗量を知ることができる。
【出願人】 【識別番号】000003931
【氏名又は名称】株式会社新潟鉄工所
【出願日】 平成12年11月30日(2000.11.30)
【代理人】 【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光 (外1名)
【公開番号】 特開2002−161720(P2002−161720A)
【公開日】 平成14年6月7日(2002.6.7)
【出願番号】 特願2000−365463(P2000−365463)